JPH05240641A - 傾斜計 - Google Patents

傾斜計

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JPH05240641A
JPH05240641A JP7587192A JP7587192A JPH05240641A JP H05240641 A JPH05240641 A JP H05240641A JP 7587192 A JP7587192 A JP 7587192A JP 7587192 A JP7587192 A JP 7587192A JP H05240641 A JPH05240641 A JP H05240641A
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movable plate
flexible
inclinometer
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Katsuaki Inui
勝亮 乾
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Kyowa Electronic Instruments Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化、低コスト化、堅牢化、高精度化、高
安定化を図る。 【構成】 起立柱27の中心軸を対称に1対のヨーク2
4a,24bが絶縁体25a,25bを介して一定の間
隙を設けてそれぞれ取付ビスにより固定してある。起立
柱27の上部のホルダ30に固定された固定板31の下
端には、可撓板33が、この固定板32と押え板34と
の間に挟持されその両外側からクリップ部材35が圧入
された状態で連結固定してある。また、この可撓板33
の下部には、可動板36が同様に押え板34とクリップ
部材35とによって連結固定してある。この可動板36
の両面側には、リング状のボビン37a,37bに巻装
されたコイル38a,38bが対称的に固定してある。
この可動板36に固定されたコイル38a,38bは、
ヨーク24a,24b内に配設された一対の磁石28
a,28bに沿って揺動できるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、傾斜計に関しより詳細
には、地上において重力の加速度方向を知ることにより
水平からの傾斜角を高精度に求める傾斜計に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】地盤の変動や建築物の傾きを測定する傾
斜計としては、ひずみゲージや差動トランスを使った非
サーボ型傾斜計と、変位を検出してその変位を零にする
力を発生し、その要した力で傾斜角を求めるサーボ型傾
斜計がある。
【0003】図10は、従来のサーボ型傾斜計の一例の
構成を模式的に示す断面図であり、トートバンドによ
り、可動板を支持する方法が採られている。この図10
において、1はホルダであり、このホルダ1に上下に二
分割されたケース2の下部ケース2aが取り付けられて
おり、この上下のケース2a,2b間は、ベーローズ3
によって連結されている。
【0004】ホルダ1上には、ブロック4が取り付けら
れており、このブロック4に溝4aが設けられている。
この溝4a内に板状のウエイト5が垂下されている。こ
のウエイト5の下端に対向するブロック4の位置には、
フォトインタラプタ(図示せず)が内蔵されている。
【0005】ウエイト5の上部は、コイル6の外周部に
取り付けられている。コイル6は、環状のボビン7に巻
装されており、このボビン7の中央部には、永久磁石8
が適宜の間隔を存して配置されている。この永久磁石8
のN極とS極に対向するように、ボビン7の外側と微小
間隔をもって環状のヨーク9が配設されている。ヨーク
9の下端は、上記ブロック4に固定され、ヨーク9の上
端には、ブロック10が載置固定されている。永久磁石
8は、一端にてヨーク9に固定されている。
【0006】そして、ブロック10の両端には、ばね性
を有する電極11a,11bが取り付けられている。電
極11a,11bの下端には、リボン15a,15bを
介してコイル6の両端が接続され、中吊り状態に支持さ
れている。
【0007】電極11a,11bには、サーボアンプ
(図示せず)の出力が印加されるようになっている。サ
ーボアンプの入力端には、上記フォトインタラプタの出
力が入力されるようになっている。なお、12はケース
2内に充填されたシリコンオイルである。
【0008】次に、この従来のサーボ型傾斜計の動作に
ついて説明する。図10の傾斜計を所定の被測定個所に
設置し、被測定個所に傾斜がなければ、ホルダ1ととも
にブロック4は静止状態である。したがって、ウエイト
5は、ブロック4の溝4a内において、フォトインタラ
プタの二個の受光素子の中央に位置しており、発光素子
からの光は二個の受光素子に等しく入射し、サーボアン
プからは出力されない。この結果、ヨーク9に対しコイ
ル6を元の位置に戻させる力が発生しない。
【0009】次に、被測定個所が傾斜すると、その傾斜
の度合に応じて、ホルダ1とともにブロック4、10お
よびヨーク9が回動する。その回動量に応じて、フォト
インタラプタに対するウエイト5の位置が変化しフォト
インタラプタの発光素子から発生せられ、二個の受光素
子に射入する光束の差が次第に増加する。その二出力が
サーボアンプに入力される。
【0010】サーボアンプは、その二入力レベルの差に
応じてヨーク9に対するコイル6の相対位置を元の位置
に戻すのに必要な電流をコイル6にフィードバックす
る。この電流を抵抗などにより、電圧に変換することに
より、被測定個所の傾斜量(傾斜角)を知ることができ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のサーボ型傾斜計においては、感度方向以外の
剛性が低いため、ケース2、ベローズ3、ホルダ1で包
囲される空間内に、シリコンオイル12を充填しなけれ
ばならず、そしてこのシリコンオイル12により、ブロ
ック4、10やボビン7、コイル6、ウエイト5などに
急激な力が加わらないように、配慮しなければならな
い。
【0012】このようなシリコンオイル12などを充填
することは、寸法的に大きくなるとともに、シールを施
すなどの必要もあり、製造コストの高騰を招く。
【0013】加えて、シリコンオイル12のようなダン
ピングオイルは、熱による膨張収縮が大きいために、ベ
ローズ3を使用しなければならず、この点からも製造コ
ストが高くなるという欠点がある。また、リボン15
a,15bを使用しているために、衝撃などに対して機
械的に脆弱である。
【0014】一方、従来のサーボ型の加速度計は、振子
構造体の可動板および可撓部が一体構造となっており、
可撓部は、放電加工やエッチングにより加工するため、
厚さは、せいぜい20μm〜30μmまで加工するのが
限度である。
【0015】そのために、各構成部材は、非常に高精度
の加工が必要とされる。
【0016】また、サーボアンプのドリフトに関しても
非常に高精度のものが要求される。
【0017】上記可撓部に薄い箔を使用する試みも行っ
たが、ねじ止めやリベット止めを採用した場合、締付力
を長時間一定に保持することができず、安定性その他の
性能が悪く、目標を達し得るものが得られなかった。
【0018】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、安価、小型、堅牢で、
しかも経時変化が極めて少なく、高精度化を実現するこ
とができ、地盤変動や地震計、振動計測、さらには加速
度計などにも使用でき、応用範囲の広い傾斜計を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、本体部に固定された金属製の固
定板と、対向する面が同一磁極となるように前記本体部
に、電気的に絶縁状態で取り付けられた1対の磁気回路
であって前記1組の対向する面が導電体で形成されかつ
その対向面間に所定間隔の隙間を有する2個の磁気構造
体と、上端が前記固定板に固定された極薄の可撓板とこ
の可撓板の下端に上端が固定されて前記隙間内に垂下さ
れた可動板とこの可動板の両面側にそれぞれ対称に装着
されて前記磁気構造体内に配置されたコイルとを有する
振子構造体とよりなることを特徴としたものである。
【0020】また、請求項2に記載の発明は、可動板お
よび上記コイルを巻装するボビンが、アルミニウム合
金、チタン合金、マグネシウム合金のいずれかの軽金属
よりなることを特徴としたものである。
【0021】請求項3に記載の発明は、可撓板が、ベリ
リウム銅、チタン合金、ばね用ステンレス鋼、ばね鋼な
どのいずれかのばね材よりなることを特徴としたもので
ある。
【0022】請求項4に記載の発明は、可動板および可
撓板の少なくとも一方が、セラミックまたはガラスで形
成されかつ少なくともその一部にクロム−金またはアル
ミニウム等の金属薄膜が形成されてなることを特徴とし
たものである。
【0023】請求項5に記載の発明は、可撓板の上端部
を、前記固定板と押え板との間に挟持した状態でこの固
定板と押え板の外面からコの字状のクリップ部材で圧接
して前記固定板に固定するとともに、前記可撓板の下部
を、前記可動板の上部と押え板との間に挟持した状態で
この可動板と押え板の外面からコの字状のクリップ部材
で圧接して前記可動板に固定したことを特徴としたもの
である。
【0024】
【作用】上記のように構成された傾斜計は、可撓板を介
して本体部と一体的な固定板に固定されてなる可動板
が、2個の磁気構造体の対向面間の隙間に垂下され、被
測定部位に傾斜がない場合には、可動板と磁気構造体の
対向面の静電容量がバランスしているが、被測定部位に
傾斜が生じると、その傾斜方向に固定板が傾斜し、この
固定板に対し可動板が相対的に変位することとなり、可
動板と磁気構造体の対向する面間の距離が変化し、その
間の静電容量に変化(アンバランス)を生じる。
【0025】この変化に応じて可動板の両面に装着され
ているコイルの通電電流が変化して、可動板が磁気構造
体に対する元の位置に戻るようにコイルに電流が流れ
る。この電流値は、可動板に加わる力に比例し、傾斜角
をθとすれば、sinθ に比例することから、傾斜角を知
ることができる。
【0026】また、可動板とボビンを軽金属で形成した
ことにより、軽量化が実現される。また、2個の磁気構
造体の二つの対向する面間の微小間隙内に可動板を配設
したことにより、傾斜発生時に可動板が過大に変位した
場合に、磁気構造体の相対向する面が可動板のストッパ
となって、可動板の損傷が防止され、さらに、共振周波
数が高くなって、被測定部位の振動周波数による影響を
受けにくいものとなっている。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図1は、本発明に係る傾斜計の一実施例
の全体構成を示す縦断面図である。
【0028】この図1において、21は円板状に形成さ
れた固定板としての本体部で、上下方向中間部には、後
述するヨーク24a,24bを対向して配設するための
切欠孔21aが穿設されている。この本体部21の下端
近傍の外周面には、円筒状を呈し、かつ軽量化のために
アルミ合金性のケース22が嵌合されている。
【0029】このケース22内の上方には、図3に示す
ように、プリント基板23が複数本の導電ピン23aを
介して本体部21の天板21bに取り付けられており、
必要な電気回路部品がこのプリント基板23に実装され
ている。この図1および図3の両図からも明らかなよう
に、ケース22内の中央部には、1対のヨーク24a,
24bが本体部21に絶縁体25a,25bを介して固
定された状態で収納されている。
【0030】このヨーク24a,24bは、軟鋼で形成
され、図1からも明らかなように、ケース22の軸心に
対して、対称形に、フランジ部24a1,24b1を側
周部に有する有底円筒状に形成されている。このヨーク
24a,24bの開口端側のフランジ部24a1,24
b1には、セラミックなどのリング状を呈する絶縁体2
5a,25bが接合されており、この絶縁体25a,2
5bの内周面が上記本体部21の起立柱27の下部の外
周面に接合された状態で図示省略のねじによって固定さ
れている。これにより、ヨーク24a,24bのフラン
ジ部24a1,24b1が、起立柱27、すなわち、本
体部21に固定されている。
【0031】ヨーク24a,24bの内端面は、所定の
微小間隔をもって対向する対向面を有し、この対向面が
それぞれコンデンサの電極24a2,24b2となって
いる。
【0032】このヨーク24a,24bの中央部の内面
には、希土類系磁石28a,28bが取り付けられてお
り、この希土類系磁石28a,28bのN極は互いに対
向するように取り付けられている。すなわち、同一磁極
となるようにしている。これらの希土類系磁石28a,
28bの内端、すなわち、N極には、ポールピース29
a,29bが取り付けられている。
【0033】かくして、ヨーク24a,希土類系磁石2
8a,ポールピース29aで一方の磁気構造体が形成さ
れている。全く同様にして、ヨーク24b,希土類系磁
石28b,ポールピース29bにより、他方の磁気構造
体が形成されている。すなわち、2組の磁気構造体がケ
ース22の軸心に対して、対称に配置されていることに
なる。
【0034】一方、本体部21と一体の起立柱27の上
端には、金属製のホルダ30が形成されている。このホ
ルダ30の一方の面には、固定板31が取付ビス32に
より固定されている。固定板31の下部には、可撓板3
3が固定されている。
【0035】この固定板31と可撓板33との固定部分
は、図2に拡大して示されている。この図2は、図1の
円Aの部分の拡大断面図であり、また、図4は、この可
撓板33と固定板31と後述する可動板36が連結され
た状態の平面図である。
【0036】これらの図1、図2、図4および上記図3
からも明らかなように、可撓板33の上端近傍が固定板
31の一方の面と押え板34との間に挟持されている。
この固定板31と押え板34の外面から図5に示すよう
なコ字状のクリップ部材35で圧接されている。このク
リップ部材35は、図3、図4からも明らかなように、
固定板31と押え板34の外面の両端縁より圧入されば
ね力で強力に圧接する。
【0037】この場合、可撓板33は、たとえば、ベリ
リウム銅、チタン合金、ばね用ステンレス鋼、またはば
ね鋼などのばね材料が使用されており、厚さ5〜15μ
mの極薄の箔を使用しており、十分な可撓性を有してい
る。
【0038】また、クリップ部材35は、ベリリウム
銅、ばね用ステンレス、隣青銅、ばね鋼などのばね材料
で形成されており、図2、図5からも明らかなように、
コ字状に形成されているので、その相対向する対辺35
a,35b方向にばね性を有する。
【0039】したがって、可撓板33を挟持した固定板
31と押え板34の外面に治具を用いてクリップ部材3
5を圧入するだけでその強力なばね挟持力で可撓板33
を挟着することができ、固定板31や可撓板33に高精
度な穴あけ加工を施すことなく、簡単に、可撓板33を
固定板31に連結固定することができる。
【0040】この可撓板33と可動板36との連結固定
も全く同様にして行われ、可撓板33の下端近傍を可動
板36の上端近傍と押え板34との間に挟持した状態
で、上記と同様のコ字状のクリップ部材35を外側から
圧入して、このクリップ部材35により図4に示すよう
に、可動板36と押え板34との間に可撓板33を圧着
する。
【0041】このようにすることにより、可撓板33
は、固定板31と可動板36の間に、極僅少の間隔をも
って固定されることになる。この図4でも明らかなよう
に、固定板31と可動板36の長さ寸法に比較して、こ
の両者間に固定される可撓板33の可撓部寸法がいかに
小さいかがわかる。
【0042】可動板36の上端は、上記可撓板33を介
して固定板31に連結固定されることにより、可動板3
6は、その重力により下方向に垂下される状態となる。
この可動板36は、図1からも明らかなように、ヨーク
24a,24bの電極24a2と24b2の間に挿入さ
れている。この可動板36は、たとえば、アルミニウム
合金、チタン合金、またはマグネシウム合金などの軽金
属より形成されている。
【0043】したがって、この可動板36は、電極24
a2と24b2に対して、それぞれコンデンサの共通電
極となるものであり、被測定部位の傾斜に応じて電極2
4a2側と、24b2側のいずれかの方向に過大に変位
したとき、これらの変位した方の電極が変位ストッパと
して作用し、上述のように、可動板36は、軽金属で軽
量に構成されているので、衝突による損傷が逸れるよう
になっている。
【0044】また、図1からも明らかなように、可動板
36の両面には、上記電極24a2と24b2の近傍に
リング状のボビン37a,37bが可動板36と一体あ
るいは一体的に設けられている。
【0045】この両ボビン37a,37bには、それぞ
れコイル38a,38bが巻回されている。コイル38
a,38b内に、それぞれ上記ポールピース29a,2
9bが挿入されるようになっている。このようにして、
固定板31、可撓板33、可動板36、ボビン37a,
37b、コイル38a,38bにより振子構造体が構成
されている。
【0046】図6は、上述のようにして構成されたこの
発明の傾斜計の変位検出とダンピング回路の部分を示す
ブロック図であり、傾斜計の部分は、図1と同一部分に
は同一符号を付すのみにとどめる。
【0047】この図6において、ヨーク24a,24b
の内端部、すなわち、電極24a2と24b2は、それ
ぞれサーボアンプ39の入力端に接続されている。この
サーボアンプ39には、電源端子T1〜T3の電源を電
圧安定化回路および保護回路40によって安定化された
動作電力が供給されるようになっている。
【0048】サーボアンプ39の一方の出力端は、たと
えば、コイル38aに接続され、サーボアンプ39の他
方の出力端は、電流検出用の抵抗41を介して、コイル
38b側に接続されている。
【0049】抵抗41は、コイル38b側に流れる電
流、すなわち、可動板36の変位に応じた検出電流が流
れるようになっている。この抵抗41の両端の電圧は、
フィルタ42を介して出力端子T4,T5に導出される
ようになっている。フィルタ42は、傾斜検出信号に含
まれる被測定部位などの振動成分を除去するためのロー
パスフィルタであり、このフィルタ42を通過した信号
が傾斜検出信号として、出力端子T4,T5から取り出
されるようになっている。
【0050】次に、以上のように構成されたこの実施例
の動作について説明する。この傾斜計は、被測定部位に
設置して、傾斜角度を検出するものとして説明してい
く。図1の紙面の最も左方向に傾斜計が傾くと、可動板
36は、鉛直方向を向いたまま動かないが本体部21が
傾くから、相対的に可動板36がそれにともない左方向
に変位し、それにつれて、可撓板33が曲がる。
【0051】これにより、可動板36と電極24b2の
間が狭くなり、可動板36と電極24a2の間が開くこ
とになる。このとき、可動板36と電極24a2の間の
静電容量が減少し、逆に、可動板36と電極24b2の
間の静電容量が増加することになる。
【0052】したがって、この静電容量の変化を図6の
サーボアンプ39で差動増幅し、それに応じてサーボア
ンプ39の出力端からコイル38a,38bに電流が流
れる。これらのコイル38a,38bは、それぞれヨー
ク24a,24bおよび希土類系磁石29a,29bに
よる磁気回路中の磁束に対して直交するように巻回され
ているので、コイル38a,38bに流れる電流に比例
した力をコイル38a,38bが受ける。
【0053】このコイル38a,38bに流れる電流の
方向を可動板36と電極24a2間、可動板36と電極
24b2間の間隔が等しくなる方向に選ぶことにより、
可動板36と電極24a2間、可動板36と電極24b
2間の間隔をそれぞれ常に一定に保つようにすることが
でき、そのとき流れる電流は、振子構造体に加わる力に
比例する。
【0054】いま、傾斜角をθとし、振子構造体の質量
をmとすると、振子構造体に加わる力は、m・g・sin
θ (gは重力の加速度)であるから、流れる電流値よ
り傾斜角θを求めることができる。すなわち、この電流
値は、電流検出用の抵抗41の両端の電圧に変換され、
この抵抗41の両端の電圧は、フィルタ42で振動成分
が除去されて、出力端子T4,T5から傾斜角θに対応
する電流値として取り出すことができる。
【0055】ところで、温度勾配により、可動板36と
電極24a2との間隔が可動板36と電極24b2との
間隔より大きくなったり、あるいは、サーボアンプ39
のドリフトにより、片方の静電容量が少し大きく計測さ
れるようなことがあった場合には、可動板36は、元の
位置から少し違った位置に制御されることになる。
【0056】このとき、可撓板33のばね定数が零であ
れば、誤差を生じないが、実際には零ではないので、可
動板36を元に戻すのに要する可撓板33の反力分が誤
差となる。この可撓板33のばね定数は、厚さtの3乗
に比例するので、厚さが従来の1/2〜1/4である本
実施例の場合、この誤差を1/8〜1/64に低減でき
ることになる。
【0057】このように、本発明では、可撓板33を極
力薄く(5〜15μm)することにより、その反力が小
さくなるので、加工精度が悪くても、その影響が少なく
なり、その分加工が簡単となり、安価にできることにな
る。
【0058】また、可動板36は、図1において紙面内
で左右には柔かく、微小な力で振れるが、上下および紙
面の裏から表への力に対しては、剛にできている。さら
に、捩りに対しても剛にできており、外部振動が加わっ
ても、可動板36が制御方向以外の振動で制御不能とな
ることはない。
【0059】したがって、制御信号にダンピング信号を
加えることにより、共振を抑えることができ、ダンピン
グ用の流体、たとえば、従来のように、シリコンオイル
などを充填する必要もなく、従って、従来の加速度計の
ようなベローズを不要化でき、シールも簡略化でき、安
価に提供することができる。
【0060】以上のように、この実施例によれば、1対
の対称の形状をした磁気構造体内に固定板31に極薄板
状の可撓板33を介して連結固定された可動板36を配
設し、可動板36の両面に磁気構造体の磁束と直交する
ようにコイル38a,38bを装着して振子構造体を形
成するとともに、磁気構造体の一対の電極24a2,2
4b2間に可動板36を吊下げ、この電極24a2,2
4b2間の可動板36の変位を元に戻すようにコイル3
8a,38bに電流を流すようにしているから、コイル
38a,38bに流れる電流から傾斜角を知ることがで
きる。
【0061】また、磁気構造体は、対称形になっている
から、温度変化に対して、安定しており、しかも、可動
板36は、アルミニウム合金などの軽金属で形成してい
るから、温度勾配も生じないとともに、小型軽量化が可
能となり、かつ電極24a2,24b2と衝突しても損
傷する虞れはない。
【0062】さらに、可動板36の変位が非常に小さ
く、しかも可撓板33と固定板31または可動板36と
の連結が強固であるから、可撓板33のクリープやヒス
テリシスがなく、高精度化を達成できる。
【0063】可撓板33も極薄化が可能となることか
ら、機構部のひずみやアンプのドリフトによる出力変化
が少なく、その上、高度な精密加工部が少ないため、加
工費が低減でき、しかも、磁気構造体は、感度方向以外
の剛性が高く、振動、衝撃に強い閉磁路を形成している
から、外部磁界の影響も受けにくく、逆に、外部への影
響も少ない。
【0064】一方、ケース22は、アルミニウム合金な
どで形成して、軽量化し、かつ内部に窒素ガスを封入し
て、経時変化に対して保護するようにしているので、図
9に示すような安定した経時変化特性が得られる。この
図9は、水平付近での経時変化を定格出力に対する百分
率で表している。
【0065】また、使用形態としては、一般的には、縦
置きで使用するが、上下逆の倒立置きおよび横置きでも
使用することができ、この場合の傾斜角に対する測定値
と理論値の差を定格出力に対する百分率で表したのが図
7、図8であり、非直線性は、0.01〜0.03%R
O、ヒステリシスは、0.015〜0.025%RO、
姿勢間の定格出力の差は、0.1%ROである。尚、図
7が倒立置きの場合であり、図8が横置きの場合であ
る。
【0066】上記から明らかなように、本発明は、傾斜
を検出することができることから、地盤変動にともなう
地盤や建造物の傾きなどを計測する傾斜計として使い得
ることは勿論のこと、地震計測や振動計測など、加速度
計としても使用できることはいうまでもない。
【0067】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変
形実施ができるものである。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、可動板を極薄板状の可撓板を介して固定
板に連結して相対向する1組の磁気構成体の間隙内に垂
下させるとともに、磁気構成体の磁束の方向と直交する
ように巻回したコイルを可動板に装着し、傾斜により可
動板が相対変位したときの可動板と磁気構造体との対向
面間の静電容量の変化に応じてコイルへの通電量を変化
させて可動板を元の位置に復帰するように作用させ、そ
のときにコイルに流れる電流から傾斜角を検出できるよ
うに構成したので、小型、軽量、高感度で高精度とな
り、特に可撓板は極薄板状になっているから、横感度が
小さく、耐振、耐衝撃性にすぐれた傾斜計を提供するこ
とができる。
【0069】また、請求項2に記載の発明によれば、可
動板は軽金属で形成されているから、大きな変位時に
も、可動板が損傷する虞れはなく、しかもこの可動板の
共振周波数が高くなるため、傾斜計の設置部位の振動
(外乱)の影響を逸れ、検出精度が向上するとともに、
制御信号によりコイルにダンピング信号を加えることに
より、共振を抑制でき、ダンピングオイルなどの充填お
よびそのシールが不要となり、その分コストの低減化も
可能となる傾斜計を提供することができる。
【0070】請求項3に記載の発明によれば、可撓板を
ばね材料で形成しているから、ばね性にすぐれ、可動板
の変位後元の位置に戻す作用にすぐれ、高精度な傾斜角
検出に間接的に寄与し得る傾斜計を提供することができ
る。
【0071】請求項4に記載の発明によれば、可動板と
可撓板のうち少なくともいずれか一方をセラミックまた
はガラスで形成することにより、磁気構造体の構成主体
である軟鋼と線膨張係数を一致させることができ、温度
変化による可動板と磁気構造体との対向面間のギャップ
の寸法に変動がなくなり、傾斜角検出を高精度に行うこ
とができ、しかもその表面に金属薄膜を形成しているか
ら、磁気構造体の対向面との間に形成されるコンデンサ
の電極としての機能が損われることのない傾斜計を提供
することができる。
【0072】請求項5の発明によれば、可撓板の上部と
下部を、それぞれ押え板と固定板、押え板と可動板間で
挟持してばね性のあるコ字状のクリップ部材で圧接する
ように構成したので、常に一定の力で可撓板は、固定板
および可動板に連結固定され、固定状態が変化すること
がない。したがって、検出出力に誤差がなく、傾斜計の
負荷特性、温度特性クリープ特性を向上させ得る傾斜計
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る傾斜計の一実施例の全体構成を示
す断面図である。
【図2】図1の実施例における可撓板の固定状態を拡大
して示す断面図である。
【図3】図1の実施例のケースを破断して示す正面図で
ある。
【図4】図1の実施例における可撓板を固定板と可動板
に連結固定した状態を示す正面図である。
【図5】図1の実施例における可撓板を固定するために
使用されるクリップ部材の構成を示す斜視図である。
【図6】図1の実施例の動作原理を説明するための説明
図である。
【図7】図1の実施例を倒立姿勢で設置して使用した場
合の傾斜角に対する測定値と理論値の差を定格出力に対
する百分率で表した特性図である。
【図8】図1の実施例を横置き姿勢で設置して使用した
場合の傾斜角に対する測定値と理論値の差を定格出力に
対する百分率で表した特性図である。
【図9】図1の実施例の水平付近での出力の経時変化を
定格出力に対する百分率で表した特性図である。
【図10】従来の傾斜計の構成を模式的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
21 本体部 22 ケース 23 プリント基板 24a,24b ヨーク 24a2,24b2 電極 24a1,24b1 フランジ部 25a,25b 絶縁体 27 起立柱 28a,28b 希土類系磁石 29a,29b ポールピース 30 ホルダ 31 固定板 32 取付ビス 33 可撓板 34 押え板 35 クリップ部材 36 可動板 37a,37b ボビン 38a,38b コイル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部に固定された金属製の固定板と、
    対向する面が同一磁極となるように前記本体部に、電気
    的に絶縁状態で取り付けられた1対の磁気回路であって
    前記1組の対向する面が導電体で形成されかつその対向
    面間に所定間隔の隙間を有する2個の磁気構造体と、上
    端が前記固定板に固定された極薄の可撓板とこの可撓板
    の下端に上端が固定されて前記隙間内に垂下された可動
    板とこの可動板の両面側にそれぞれ対称に装着されて前
    記磁気構造体内に配置されたコイルとを有する振子構造
    体とよりなることを特徴とする傾斜計。
  2. 【請求項2】 前記可動板および上記コイルを巻装する
    ボビンは、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウ
    ム合金のいずれかの軽金属よりなることを特徴とする請
    求項1記載の傾斜計。
  3. 【請求項3】 前記可撓板は、ベリリウム銅、チタン合
    金、ばね用ステンレス鋼、ばね鋼などのいずれかのばね
    材よりなることを特徴とする請求項1記載の傾斜計。
  4. 【請求項4】 前記可動板および可撓板の少なくとも一
    方が、セラミックまたはガラスで形成されかつ少なくと
    もその一部にクロム−金またはアルミニウム等の金属薄
    膜が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の傾
    斜計。
  5. 【請求項5】 前記可撓板は、その上端部を前記固定板
    と押え板との間に挟持した状態でこの固定板と押え板の
    外面からコの字状のクリップ部材で圧接して前記固定板
    に固定するとともに、前記可撓板の下部を前記可動板の
    上部と押え板との間に挟持した状態でこの可動板と押え
    板の外面からコの字状のクリップ部材で圧接して前記可
    動板に固定したことを特徴とする請求項1記載の傾斜
    計。
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