JPH11159627A - 極薄板状のブレード材 - Google Patents

極薄板状のブレード材

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JPH11159627A
JPH11159627A JP9340867A JP34086797A JPH11159627A JP H11159627 A JPH11159627 A JP H11159627A JP 9340867 A JP9340867 A JP 9340867A JP 34086797 A JP34086797 A JP 34086797A JP H11159627 A JPH11159627 A JP H11159627A
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JP
Japan
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blade material
industrial machine
ultra
mounting plate
blade
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JP9340867A
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Yoshihisa Tsurumaki
義久 鶴巻
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Tokyo Seimitsu Hatsujo Co Ltd
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Tokyo Seimitsu Hatsujo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレード材を、強度低下を起こさずに産業機
械または取付板に簡単に溶接して、硬度(耐摩耗性)を
保持し、極薄板状、軽量、コンパクトにし、長期間使用
を可能にし、被摺動面との摩擦抵抗を軽減し、安いコス
トで製造する。 【手段】 炭素量0.03〜0.1%、クロム量10〜
20%を含むステンレス鋼等を板厚0.01〜0.3m
mの極薄板状のブレード材に形成し、ブレード材の一端
部分を産業機械の摺動個所(摺動機構)に固定し、ブレ
ード材の他端を産業機械の被摺動面に押圧して摺動する
ように構成した極薄板状のブレード材。前述した極薄板
状のブレード材の一端部分を取付板の一端部分に溶接し
て、この取付板を産業機械の摺動個所(摺動機構)に固
定するとともに、取付板より露出させたブレード材の他
端を、産業機械の被摺動面に押圧して摺動するように構
成した極薄板状のブレード材

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械等の摺動個所
または摺動機構を切粉等の狭雑物よりシールする極薄板
状のブレード材に関するもので、特に、硬度、すなわ
ち、耐摩耗性が強く、かつ、産業機械等または取付板へ
の溶接性の高い極薄板状のブレード材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、産業機械等には種々の摺動個所ま
たは摺動機構が存在し、これらの摺動個所または摺動機
構に取り付けるブレード材として、たとえば、スライド
シール、テレスコシール、カバーシール、リップシール
等が使用されている。しかし、これらのブレード材の材
質としては、ゴムや合成ゴム製のものが使用されている
ことが多く、安価であって、使用初期におけるシール性
やワイピング性はよいが、耐摩耗性が弱く、耐油性、耐
薬品性等に欠ける問題があった。
【0003】最新の産業機械等には、超高速運転処理や
超高速回転処理を行う高性能な機械が多く、この高性能
な機械の摺動個所または摺動機構に取り付けるブレード
材がゴムや合成ゴム製のものであると、摩耗が早く、特
に、切粉等の狭雑物が混入していると、摩耗が一段と早
く、頻繁にブレード材の交換を行わなければならず、作
業効率の低下、保守管理に手間がかかる等の欠点があっ
た。
【0004】前述した高性能な機械の摺動個所または摺
動機構に取り付けるゴムや合成ゴム製のブレード材の物
理的強度を持たせるために、ゴムや合成ゴム製のブレー
ド材の板厚を厚くすることも行われているが、ブレード
材の板厚を厚くすることによって、摩擦抵抗や重量が増
大して機械の摺動個所または摺動機構に余分な荷重、負
担がかかるばかりか、シール機構が大型化するために、
スペースの少ない機械の摺動個所にブレード材を取り付
けられない不都合もあった。
【0005】また、ゴムや合成ゴム製のブレード材は、
熱や摩擦等によって固化して急激に弾力性を失い、機械
の摺動個所または摺動機構や被摺動面に異変が生じた場
合、ブレード材の持つ弾力性によって、これらの変動に
対処できず、シール性やワイピング性が悪くなり、切粉
等の狭雑物が混入する欠点もあった。
【0006】さらに、最近の産業機械等においては、油
類や薬品類を処理することが多く、ゴムや合成ゴム製の
ブレード材の場合、油類や薬品類による劣化が早く、ブ
レード材の交換を頻繁に行わなければならず、作業効率
の低下、保守管理に手間に問題があり、さらに、ブレー
ド材の交換時に作業者の人や工場の床を汚したり、労働
災害等を起こす場合もあった。
【0007】そこで、出願人は、前述したゴムや合成ゴ
ム製のブレード材の代わりに、板厚0.01〜0.3m
mのばね用ステンレス、焼き入れリボン鋼等の弾力性が
強く、物理的強度のある金属薄板状のシール材を開発
し、図1に示すように、「この板厚0.01〜0.3m
mのばね用ステンレス、焼き入れリボン鋼等の金属薄板
状のブレード材(シール材)1の上部を、産業機械3の
摺動個所4にネジ6によって取り付けるとともに、この
金属薄板状のブレード材(シール材)1の下部の先端
を、産業機械3の被摺動面5に対して押圧して摺動する
ように構成した金属薄板状のブレード材(シール材)」
について特許出願(特開平8−61509号)を行っ
た。
【0008】しかし、前述した金属薄板製のブレード材
(シール材)1はリベットやネジ等の公知の手段によっ
て産業機械3の摺動個所4に取り付けるために、ブレー
ド材(シール材)1を超高速運転処理や超高速回転処理
を行う高性能な機械に使用した場合に、ネジ6が緩ん
で、ブレード材(シール材)1としてガタを生じたり、
不安定的になって、狭雑物のシール性、ワイピング性が
悪くなることもあり、場合によると、ブレード材(シー
ル材)1が産業機械3の摺動個所4より脱落することも
あった。
【0009】金属薄板状のブレード材(シール材)1に
使用するばね用ステンレス、焼き入れリボン鋼は、硬度
(耐摩耗性)を持たせるために、高炭素含有量(10〜
20%)のものを使用しているが、この高炭素含有量の
ばね用ステンレス、焼き入れリボン鋼は、溶接性が悪い
欠点があり、高炭素含有量のばね用ステンレス、焼き入
れリボン鋼製の金属薄板状のブレード材(シール材)1
を産業機械3の摺動個所4に直接に溶接すると、溶接に
よる強度低下が起きてブレード材(シール材)1が産業
機械3の摺動個所4より剥離、脱落することが多かっ
た。
【0010】そこで、出願人としては、図2のように、
板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入
れリボン鋼等の弾力性が強く、物理的強度のある金属薄
板によって形成した金属薄板製のブレード材1の一端部
分を、取付板(板状のホールダー)2に設けたスリット
7に嵌め込み、この金属薄板製のブレード材1を取り付
けた取付板(板状のホールダー)2を産業機械3の摺動
個所4に取り付けるとともに、取付板(板状のホールダ
ー)2より露出させた金属薄板製のブレード材1の他端
を、産業機械3の被摺動面5に押圧して摺動するように
構成する金属薄板製のブレード材について特許出願(特
願平8−285853号)を行った。
【0011】すなわち、高炭素含有量の金属薄板状のバ
ネ用ステンレスや焼き入れリボン鋼のブレード材1を直
接に産業機械3の摺動個所4に溶接して取り付けるので
はなく、前述したブレード材1を取付板(板状のホール
ダー)2に設けたスリット7に嵌め込み、この取付板
(板状のホールダー)を産業機械3の摺動個所4に取り
付け固定することによって、前述した問題点を解決し
た。しかし、取付板(板状のホールダー)2にスリット
7を切ると、そのスリット7の間隔だけ取付板(板状の
ホールダー)2が厚く、大きくなり、さらに、取付板
(板状のホールダー)2にブレード材1が簡単には抜け
落ちない精度の高いスリットを設ける必要があるため
に、手間がかかり、コストが高価になる欠点もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した高
性能な産業機械等の摺動個所または摺動機構に設けるブ
レード材の欠点を改善するもので、極薄板状の低炭素含
有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブ
レード材を、溶接による強度低下を起こすことなく、直
接に溶接して取付板に簡単に取り付けるとともに、極薄
板状の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステ
ンレス鋼が保有している硬度、すなわち、耐摩耗性を保
持することに目的がある。
【0013】すなわち、極薄板状の低炭素含有量で高ク
ロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード材を
取付板に直接溶接することによって、極薄板状、軽量、
コンパクトを図り、従来のように取付板(板状のホール
ダー)に設けたスリットに嵌め込むことによって取付
板、ひいては、ブレード材が厚く、大きくなることによ
って発生する不都合(産業機械等の摺動個所または摺動
機構の大型化、ブレード材の取付スペースを確保できな
い問題等)を解決することに目的がある。
【0014】また、本発明は、従来のように、ブレード
材が簡単には抜け落ちないような精度の高いスリットを
取付板に設けるという面倒で、手間がかかり、部品数が
多くてコストが高い工程を採用せず、硬度(耐摩耗性)
に富んだ極薄板状のブレード材を簡単、容易に製造する
ことに目的がある。
【0015】さらに、本発明は、従来した優れた特性の
ある極薄板状のブレード材を産業機械等の摺動個所また
は摺動機構に取り付けるによって、特に、最近の超高速
運転や超高速回転処理を行う産業機械等の摺動機構また
は摺動機構のブレード材として長期間使用することを可
能にするとともに、取付板に取り付けたブレード材のガ
タ、剥離を完全に防止し、さらに、ブレード材のシール
性とワイピング性を向上させることに目的がある。
【0016】さらに、本発明は、産業機械等の摺動個所
または摺動機構に取り付ける極薄板状の低炭素含有量で
高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード
材を直接に取付板に溶接し、極薄板状、軽量、コンパク
トに構成することによって、産業機械等の被摺動面との
接触面積を小さくし、摩擦抵抗を軽減して、産業機械等
の摺動個所または摺動機構に余分な荷重、負担をかけ
ず、産業機械等の駆動電力を節減することに目的があ
る。
【0017】さらに、本発明は、産業機械等の摺動個所
または摺動機構に使用するブレード材を頻繁に交換しな
いこと、すなわち、作業効率を向上させ、保守管理の手
間を省くこと、ブレード材の交換時の作業者の人や工場
の床の汚染や労働災害等の発生の度合いを軽減すること
に目的がある。
【0018】さらに、本発明は、前述した極薄板状のブ
レード材またはブレード材と取付板の他端部分を、産業
機械の被摺動面の方向に、くの字状またはへの字状に折
り曲げて、ブレード材の精度をよくするとともにブレー
ド材の腰を強くすることに目的がある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、極薄板状のブ
レード材に関するもので、低炭素含有量である炭素量
0.03〜0.1%、高クロム含有量であるクロム量1
0〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼を、板厚0.
01〜0.3mmにしてブレード材を形成し、この極薄
板状の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステ
ンレス鋼製のブレードの一端部分を、産業機械等の摺動
個所または摺動機構に固定するとともに、このブレード
材の他端を、産業機械等の被摺動面に押圧して摺動する
ように構成したことに特徴がある。
【0020】また、本発明は、前述した極薄板状の低炭
素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製
のブレードの一端部分を取付板の一端部分に溶接し、こ
の取付板を産業機械等の摺動個所または摺動機構に固定
するとともに、この取付板より露出させたブレード材の
他端を、産業機械等の被摺動面に押圧して摺動するよう
に構成たことに特徴がある。
【0021】さらに、本発明は、前述した極薄板状の低
炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼
製のブレード材の他端部分を、たとえば、くの字状また
はへの字状に折り曲げ、この折り曲げたブレード材1の
一端部分を取付板の他端部分に溶接して、ブレード材の
精度を一層よくし、ブレード材の腰を一段と強くするこ
とに特徴がある。
【0022】さらに、本発明は、前述した極薄板状の低
炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼
製のブレード材の他端部分を、たとえば、くの字状また
はへの字状に折り曲げるとともに、取付板の他端部分
も、産業機械の被摺動面の方向にくの字状またはへの字
状に折り曲げて、このようなブレード材1を取付板に溶
接して、ブレード材の精度を一層よくし、ブレード材の
腰を一段と強くすることに特徴がある。
【0023】
【発明の実施形態】極薄板状の低炭素含有量で高クロム
含有量のステンレス鋼製のブレード材は、最近開発され
た新素材であって、炭素量0.03〜0.1%、クロム
量10〜20%を含み、高強度(引張強さ2000〜2
000N/mm2 )の素材であってたとえば、日新製鋼
(株)の鋼強度ステンレス鋼は、NSSHT1770、
NSSHT1960、NSSHT2000(平成9年3
月頃開発)の製品番号で販売されており、最近、電子部
品材料としてのばね、ベルト、バンド等の用途が期待さ
れている。
【0024】本発明においては、前述した低炭素含有量
で高クロム含有量のステンレス鋼(低炭素含有量で高ク
ロム含有量の鉄鋼についても同じ)の特性に着目し、特
に、硬度(耐摩耗性)に富み、溶接による強度低下が小
さい点に着目して、低炭素含有量で高クロム含有量のス
テンレス鋼の板厚0.01〜0.3mmにして極薄で小
型、軽量のブレード材とするものである。
【0025】そして、図3および図4に示すように、極
薄板状のブレード材1の他端部分を、たとえば、くの字
状またはへの字状に折り曲げるとともに、折り曲げたブ
レード材1の一端部分を産業機械3の摺動個所4に固定
するとともに、このブレード材1の他端を産業機械3の
被摺動面5に押圧して摺動するように構成してもかまわ
ない。
【0026】さらに、図5に示すように、ブレード材1
の他端部分を、前述したように産業機械3の被摺動面5
の方向に、くの字状またはへの字状に折り曲げるととも
に、取付板2の他端部分も、産業機械3の被摺動面5の
方向に、くの字状またはへの字状に折り曲げて、このよ
うなブレード材1を取付板2に溶接すると、ブレード材
の精度が一層よくなり、ブレード材の腰が一段と強くな
り、より安定した押圧性を保持し、流体や狭雑物のシー
ル性やワイピング性を格段に向上させることができる。
【0027】さらに、図6に示すように、ブレード材1
の他端部分を逆L字状に折り曲げるとともに、取付板2
の他端部分もL字状に折り曲げて、このようなブレード
材1を取付板2に溶接すると、ブレード材の精度がさら
に一層よくなり、ブレード材の腰もさらに一段と強くな
り、より一段と安定した押圧性を保持し、流体や狭雑物
のシール性やワイピング性をさらに格段に向上させるこ
とができる。
【0028】極薄板状のブレード材1のステンレス鋼の
炭素量を0.03〜0.1%にするのは、ブレード材1
を取付板2に直接に溶接する際に起こる強度低下を阻止
するためであり、ステンレス鋼の炭素量が0.03%未
満であると、溶接性は一段とよくなるが、ブレード材1
として硬度に難点が起きることがあるためであり、ま
た、ステンレス鋼の炭素量が0.1%超えると、ブレー
ド材1を取付板2に直接に溶接する際に強度低下を起こ
すためである。
【0029】また、極薄板状のブレード材1のステンレ
ス鋼のクロム量を10〜20%にするのは、硬度(耐摩
耗性)を持たせるためであって、クロム量が10%未満
であると、ブレード材1に十分な硬度(耐摩耗性)を持
たせることができず、また、クロム量を20%を超える
と、硬度を一層増加させることはできるが弾力性に難点
が発生するおそれがあるためである。
【0030】本発明においては、ブレード材1の素材で
ある低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼の板
厚を0.01〜0.3mm(望ましくは0.05〜0.
1mm)の極薄板状にするのは、ブレード材1として使
用する際に高強度(引張強さ)、弾力性等を生かすとと
もに、ブレード材1を薄く、小型、軽量、コンパクトに
するとともに、産業機械等の被摺動面との接触面積を小
さくし、摩擦抵抗を軽減して、産業機械等の摺動個所ま
たは摺動機構に余分な荷重、負担をかけず、産業機械等
の駆動電力を節減することにある。
【0031】極薄板状のブレード材1のステンレス鋼の
板厚が0.01mm未満であると、ブレード材1として
使用する際の硬度、物理的強度を十分に確保できないお
それがあり、また、0.01mm未満のブレード材1を
製造することは、製作加工上で手間がかかりコスト高に
なり、さらに、低炭素含有量で高クロム含有量のステン
レス鋼の板厚が0.3mmを超えると、ブレード材1の
弾力性、軽薄性に難点が出てくるためである。
【0032】極薄板状のステンレス鋼製のブレード材1
の一端部分を取付板2の一端部分に直接に溶接し、取付
板2より突出(0.05〜1mm)させた部分をブレー
ドとして使用する場合、取付板2の形状としては、平板
状であって、ブレード材1の先端部分が取付板2より突
出させることが可能であればいかなる形状でもかまわな
い。また、ブレード材1の一端部分を取付板2の一端部
分に溶接する手段としては、電気スポット溶接やレーザ
ー溶接が好ましいが、これら以外の溶接方法でもよいこ
とはいうまでもない。
【0033】また、本発明の極薄板状のブレード材1の
外側に、プロテクトカバー(図示せず)を付設して、機
械の被摺動面3に存在する切屑や石等の挟雑物がブレー
ド材1に衝突して起こるブレード材1の毀損または破損
を防止してもよく、プロテクトカバーは、極薄板状の低
炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼製のブレー
ド材1と同じ材質で製造してもよいし、また一般鉄鋼材
で製造してもよい。
【0034】極薄板状の低炭素含有量で高クロム含有量
のステンレス鋼製のブレード材1の他端を、産業機械3
の被摺動面4に押圧する際の圧力は、前述した従来のば
ね用ステンレス、焼き入れリボン鋼製の金属薄板製のブ
レード材の場合には、50〜600g(100mm当た
り)の圧力であったが、本発明の極薄板状の低炭素含有
量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレ
ード材1の場合には、10〜300g(100mm当た
り)の圧力であり、摩擦抵抗が少なく、ブレード材1や
産業機械3の被摺動面4等に余分な荷重、負担がかから
ず、良好なシール性とワイピング性を示した。
【0035】なお、本発明の極薄板状のブレード材1と
して、低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼製
のブレード材1についてのみ説明したが、本発明の極薄
板状のブレード材1としては、低炭素含有量で高クロム
含有量の鉄鋼のブレード材も、全く同じ作用、効果を有
することはいうまでもない。
【0036】
【実験例】切粉を含むクーラント廃液の処理装置に付設
した切粉搬送トラフのスクレーパーの形状に合わせて、
板厚0.1mm、長さ80cm、幅2cmの極薄板状の
低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼製の高強
度(引張強さ2100N/mm2 )のブレード材を製作
し、このブレード材を電気スポット溶接によって取付板
に固定して、このブレード材を溶接した取付板(重量2
000g)を切粉搬送トラフのスクレーパーに取り付け
た。
【0037】さらに、比較例1として、前述した切粉搬
送トラフのスクレーパーの形状に合わせて、板厚0.0
1mm、長さ80cm、幅5cmの通常のステンレス薄
板製の強度(引張強さ1500N/mm2 )のブレード
材を製作し、このブレード材の上方部分を切粉搬送トラ
フのスクレーパーにネジで取り付けた。
【0038】また、比較例2として、前述した切粉搬送
トラフのスクレーパーの形状に合わせて、板厚0.1m
m、長さ80cm、幅2cmの通常のステンレス薄板製
の強度(引張強さ1500N/mm2 )のブレード材を
製作し、この上方部に3mmの切り込みを5cmの間隔
を置いて打ち込んだブレード材を、二枚のステンレス製
の板状のホールダーに付設したスリットに嵌め込み、こ
のブレード材を嵌め込んだホールダー(重量6000
g)を切粉搬送トラフのスクレーパーに取り付けた。
【0039】本発明のブレード材または比較例1あるい
は2のブレード材を取り付けた各スクレーパーを1m/
秒の速度で移動(距離50cm)させて切粉を含むクー
ラント廃液の搬送を行い、切粉とクーラント廃液のシー
ルを行った結果、良好な切粉とクーラント廃液のシール
性とワイピング性を得るためには、本発明のブレード材
の先端の被摺動面である切粉搬送トラフの内面に対する
圧力を180g(巾100mm当たり)の状態で押圧し
て摺動させればよかった。
【0040】これに対して、比較例1のブレード材をネ
ジで取り付けたスクレーパーの場合も同様な条件で、切
粉を含むクーラント廃液の搬送を行い、切粉とクーラン
ト廃液のシールを行った結果、良好な切粉とクーラント
廃液のシール性とワイピング性を得るためには、比較例
2のブレード材の先端の被摺動面である切粉搬送トラフ
の内面に対する圧力を1kg(巾100mm当たり)の
状態で押圧して摺動させなければならなかった。
【0041】比較例2のブレード材をスリットに取り付
けたスクレーパーの場合も同様な条件で、切粉を含むク
ーラント廃液の搬送を行い、切粉とクーラント廃液のシ
ールを行った結果、良好な切粉とクーラント廃液のシー
ル性とワイピング性を得るためには、比較例2のブレー
ド材の先端の被摺動面である切粉搬送トラフの内面に対
する圧力を600g(巾100mm当たり)の状態で押
圧して摺動させなければならなかった。
【0042】以上述べたように、本発明のブレード材を
取り付けた各スクレーパーの場合には、比較例1あるい
は2のブレード材を取り付けたスクレーパーの場合に比
較して、圧力が1/3〜1/5と少なく、それだけ摩擦
抵抗が少なく、ブレード材の摩耗と劣化は起こらず、ブ
レード材や産業機械の被摺動面等に余分な荷重、負担も
がかからなかった。
【0043】さらに、前述したスクレーパーによる切粉
を含むクーラント廃液の搬送を行った結果、本発明の極
薄板状の低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼
製のブレード材は6年を経過しても、ブレード材のガタ
を生じたり、抜け落ちることなく、切粉とクーラント廃
液のシール性とワイピング性に支障がなく、切粉の搬送
作業効率が格段に向上し、ブレード材の交換頻度回数が
少ない分だけ保守管理に手間がかからず、比較例1また
は2よりも、イニシャルコストを50〜80%、ランニ
ングコストを30〜50%節減できた。
【0044】
【発明の効果】本発明の極薄板状の低炭素含有量で高ク
ロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード材
は、直接に取付板に溶接しても、強度低下を起こすこと
なく、本来保有している高強度(引張強さ2000〜2
2000N/mm2 )の特性である硬度(耐摩耗性)、
弾力性、物理的強度を発揮させ、ブレード材としてガタ
や脱落が生じることなく、長期間に渡って使用でき、従
来の場合に比較してライフは2〜3倍延長することが可
能であるという優れた効果がある。
【0045】また、本発明の極薄板状の低炭素含有量で
高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード
材は、従来のように取付板(板状のホールダー)に設け
たスリットに嵌め込むというような面倒な手間と部品数
の多い工程ではなく、単に、ブレード材を直接に取付板
に溶接するだけの簡単な手間と部品数の少ない工程であ
るために、ブレード材を安価なイニシャルコスト(従来
の場合に比較して50〜80%削減)で製作できるメリ
ットがある。
【0046】さらに、本発明の極薄板状の低炭素含有量
で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレー
ド材は、薄くて、軽い素材を使用するとともに、従来の
場合のように、スリットやリベット、ネジ等を使用しな
いために、ブレード材と取付機構を軽薄化、コンパクト
化(従来の場合に比較して1/2〜1/5)することが
可能であって、産業機械等の被摺動面との接触面にかけ
る荷重、負担を軽減し、接触面積を小さくでき、摩擦抵
抗と摺動音も小さくでき、故障が起き難く、駆動電力を
節減できる利点がある。
【0047】さらに、本発明は、本発明の極薄板状の低
炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼
製のブレード材は、頻繁に交換しなくても済むために、
作業効率の向上、保守管理の省力化が可能であり、ラン
ニングコストを低減(従来の場合に比較して30〜50
%削減)ができ、ブレード材の交換時の作業者の人や工
場の床の汚染や労働災害等の発生の度合いも軽減でき、
労働環境、衛生面で寄与することも多い。
【0048】本発明の極薄板状の低炭素含有量で高クロ
ム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード材は、
前述のような効果、メリット、利点があるので、特に、
最近の超高速運転や超高速回転処理を行う産業機械等の
摺動機構または摺動機構のブレード材として最も適して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ばね用ステンレス製の金属薄板状のシール材の
上部を産業機械の摺動個所にネジによって取り付けた状
態を示す説明図である。
【図2】バネ用ステンレス製の金属薄板製のブレード材
の一端部分を板状のホールダーに設けたスリットに嵌め
込んで産業機械の摺動個所に取り付けた状態を示す断面
図である。
【図3】折り曲げた極薄板状の低炭素含有量で高クロム
含有量のステンレス鋼製のブレード材の一端部分を産業
機械の摺動個所に溶接した状態を示す説明図である。
【図4】折り曲げた極薄板状の低炭素含有量で高クロム
含有量のステンレス鋼製のブレード材の一端部分を産業
機械の摺動個所に溶接した他の実施態様を示す説明図で
ある。
【図5】折り曲げた極薄板状の低炭素含有量で高クロム
含有量のステンレス鋼製のブレード材の一端部分を、折
り曲げた取付板に溶接し、この取付板を産業機械の摺動
個所に固定した状態を示す説明図である。
【図6】逆L字状に折り曲げた極薄板状の低炭素含有量
で高クロム含有量のステンレス鋼製のブレード材の一端
部分を、L字状に折り曲げた取付板に溶接し、この取付
板を産業機械の摺動個所に固定した状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ブレード材(シール材) 2 取付板(板状のホールダー) 3 産業機械 4 摺動個所 5 産業機械の被摺動面 6 ネジ 7 スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素量0.03〜0.1%、クロム量1
    0〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼を板厚0.0
    1〜0.3mmの極薄板状のブレード材に形成し、ブレ
    ード材の一端部分を産業機械等の摺動個所または摺動機
    構に固定するとともに、このブレード材の他端を、産業
    機械等の被摺動面に押圧して摺動するように構成した極
    薄板状のブレード材。
  2. 【請求項2】 極薄板状のブレード材の一端部分を取付
    板の一端部分に溶接して、この取付板を産業機械等の摺
    動個所または摺動機構に固定するとともに、取付板より
    露出させたブレード材の他端を、産業機械等の被摺動面
    に押圧して摺動するように構成した請求項1記載の極薄
    板状のブレード材。
  3. 【請求項3】 極薄板状のブレード材を折り曲げた請求
    項1または請求項2記載の極薄板状のブレード材。
  4. 【請求項4】 極薄板状のブレード材と取付板を折り曲
    げた請求項2記載の極薄板状のブレード材。
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