JPH11158565A - チタンインゴットの製造方法 - Google Patents
チタンインゴットの製造方法Info
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- JPH11158565A JPH11158565A JP34430897A JP34430897A JPH11158565A JP H11158565 A JPH11158565 A JP H11158565A JP 34430897 A JP34430897 A JP 34430897A JP 34430897 A JP34430897 A JP 34430897A JP H11158565 A JPH11158565 A JP H11158565A
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Abstract
ットの酸素含有率をなるべく下げて、より高純度とす
る。 【解決手段】 密度が3.0g/cm3 以下のスポンジチタ
ンもしくはスポンジチタンブリケットをインゴット原料
とする。このインゴット原料を、電子ビーム(EB)溶
解炉、プラズマビーム(PB)溶解炉もしくはアーク
(VAR)溶解炉を用い、その溶解出力を0.8〜5kWh
/kgに設定して溶解し、チタンインゴットを製造する。
Description
はスポンジチタンを主とするインゴット原料を溶解炉に
より溶解してチタンインゴットを製造する方法に関す
る。
ヤ層をスパッタリング法により形成する材料、すなわち
スパッタリング用ターゲットとして広く用いられてい
る。チタンターゲットは、一般に、還元反応を利用した
クロール法で製造されたスポンジチタンを溶解してチタ
ンインゴットを得た後、このチタンインゴットを圧延や
鍛造により製造している。ところで、チタンターゲット
の原料のチタンインゴットには、最近のLSIの高密度
化に伴い、4N(フォー・ナイン(ガス成分を除く金属
成分の純度))は勿論のこと、5Nないし6Nといった
極めて高純度な品位が要求されている。具体的には、不
純物元素であるFe、Cr、Niについてはそれぞれ5
ppm以下、場合によっては1ppm以下であることが
要求される。また、Na、Kについてはそれぞれ0.1
ppm、場合によっては0.05ppm以下であること
が要求される。さらに、酸素については、250ppm
以下であることが要求され、望ましくは200ppm以
下、さらに望ましくは150ppm以下が良いとされて
いる。
レベルとするためには、クロール法でスポンジチタンを
製造するにあたり、不純物元素の含有率が極めて低いTi
Cl4を使用するとともに、Mgによる還元に用いる反応
容器に工夫を凝らしてFe、Cr、Ni等の不純物元素
を低レベルに抑えるようにしている。ところが、酸素に
ついてはその含有率が低減しにくい。スポンジチタンを
溶解してチタンインゴットを得る溶解炉に、アーク(V
AR:Consumable electrodevacuum arc remelting)溶
解炉か、場合によっては、電子ビーム(EB:Electron
beam)溶解炉あるいはプラズマ(PB:Plasma beam)溶
解炉を用い、通常、0.5〜0.8kWh/kg程度の溶解出
力でスポンジチタンを溶解している。これら溶解炉のう
ち、特にVAR溶解炉およびEB溶解炉では、10-5
〜10-1 Torr程度の真空中でスポンジチタンを溶解し
ているが、溶解中は、雰囲気中の酸素がチタンインゴッ
トに取り込まれ、酸素の増加を招く。
上記EB溶解炉を用いてスポンジチタンを溶解したとし
ても、溶解されるスポンジチタン自体の酸素含有率が高
ければ、得られるチタンインゴットの酸素含有率も自ず
と高くなっていた。つまり、チタンインゴットの酸素含
有率は、原料のスポンジチタンの酸素含有率に依存して
いた。このため、上記のような高純度のチタンインゴッ
トを得るには、それに応じた酸素含有率の低いスポンジ
チタンを原料として選別することにより、酸素含有率の
基準を満足させているのが実情であった。よって本発明
は、スポンジチタンを溶解して得られるチタンインゴッ
トの酸素含有率が、スポンジチタンと同レベルか、もし
くはそれ以下になることを可能として、チタンインゴッ
トの酸素含有率がスポンジチタンの酸素含有率に依存さ
れずに極めて低い酸素レベルとなるチタンインゴットの
製造方法を提供することを目的としている。
でスポンジチタンを溶解するにあたり、溶解出力を、標
準的な0.5〜0.8kWh/kg より低く設定したり、逆に
高く設定したりして、その都度得られたチタンインゴッ
トの酸素含有率を調査したところ、溶解出力が0.8〜
5kWh/kgといった標準よりも高い範囲にある場合に、
製品チタンインゴットの酸素含有率がスポンジチタンに
比べて同等か、もしくは低くなることを発見した。よっ
て本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、
スポンジチタンもしくはスポンジチタンを主とするイン
ゴット原料を溶解炉により溶解してチタンインゴットを
得るにあたり、溶解炉の溶解出力を0.8〜5kWh/kgと
することを特徴としている。原料のスポンジチタンより
も製品チタンインゴットの酸素含有率が低くなった要因
としては、通常の溶解出力よりも高い出力にて溶解する
ことにより、スポンジチタンの網目に捕捉されているMg
Cl2 の揮発除去が大幅に促進され、このMgCl2 に含まれ
る水分がチタンインゴットに吸収される前にMgCl2 とと
もに揮発除去されるからではないかと推定される。溶解
の間は雰囲気中の酸素がチタンインゴットに取り込ま
れ、従来ではそれに加えてMgCl2 中の水分がチタンイン
ゴットに吸収されることにより酸素の増大を招いていた
のである。ところが、溶解出力を0.8〜5kWh/kgとす
ることにより、上記のようにMgCl2 の揮発除去が大幅に
促進され、MgCl2 中の水分は優先的に揮発除去されるの
である。このような水分の有効な揮発除去作用は、溶解
出力を0.8〜5kWh/kgとすることにより達成される。
ただし、5kWh/kg を超える溶解出力ではスプラッシュ
ガスが増大してチタンインゴットの歩留まりが低下する
ので、溶解出力は、好ましくは1〜3kWh/kgの範囲が
良く、1.5〜2.5kWh/kgの範囲であればより好まし
い。
目に捕捉されているので、この網目が大きければ大きい
ほどスポンジチタンから遊離しやすく、つまりは揮発除
去されやすい。そこで、本発明者は上記溶解出力の限定
に加えてインゴット原料の密度について検討を行ったと
ころ、密度が3.0g/cm3 以下、好ましくは2.7g/cm
3 以下であれば溶解後のチタンインゴットの酸素含有率
がより低下することを見い出し、本発明を完成するに至
った。例えば、インゴット原料がブリケットの場合、そ
の密度は3.0〜3.5g/cm3の範囲にあるが、プレス成
形圧を調整してブリケットの密度を1.5〜3.0g/cm3
に設定することで、溶解後のチタンインゴットの酸素含
有率がより低下する。インゴット原料がスポンジチタン
自身の場合には、その密度が0.5〜1.0g/cm3付近に
あるので、そのまま溶解すれば良い。このような密度で
インゴット原料を溶解する溶解炉としては、上記のEB
溶解炉やPB溶解炉、あるいはVAR溶解炉が最適であ
る。なお、PB溶解炉の場合は、雰囲気が常圧であり酸
素吸着の割合が高いので、EB溶解炉よりも溶解出力を
高く設定することが望ましい。
トの製造方法に適用した一実施形態に基づいて詳述す
る。まず、クロール法で得られたスポンジチタンをイン
ゴット原料とする。スポンジチタンの粒度は、20 〜
1/2”といった通常の規格品のレベルで良い。また、
場合によっては、スポンジチタンをプレス成形したブリ
ケットをインゴット原料としても良い。ブリケットの成
形密度は、通常3.0〜3.5g/cm3の範囲にあるが、上
述したように、3.0g/cm3 以下が好ましく、2.7g/
cm3 以下であれば低酸素インゴットの製造にはより好ま
しい。次に適量の上記インゴット原料を、EB溶解炉
で、その溶解出力を0.8kWh/kg以上、好ましくは1〜
3kWh/kg、より好ましくは1.5〜2.5kWh/kgの範囲
に設定して溶解し、チタンインゴットを得る。インゴッ
ト原料が溶解される際は、スポンジチタンの網目に捕捉
されているMgCl2 の揮発除去が大幅に促進され、このMg
Cl2 に含まれる水分は、チタンインゴットに吸収される
前にMgCl2 とともに揮発除去される。また、インゴット
原料の密度は3.0g/cm3 以下でありスポンジチタンの
網目が比較的大きいことから、MgCl2 はスポンジチタン
から遊離しやすく、これによってもMgCl2 は効果的に揮
発除去される。したがって、MgCl2 中の水分すなわち酸
素の揮発除去量が大幅に増大し、チタンインゴットの酸
素含有率が低く抑えられる。上記方法によれば、チタン
インゴットの酸素含有率をスポンジチタンと同レベル
か、もしくはそれ以下にすることが可能であり、よって
酸素含有率をスポンジチタンに依存することなく高純度
のチタンインゴットを製造することができる。
チタン100%でなくとも、チタンの切り粉やスクラッ
プもしくは適当なチタン以外の材料をスポンジチタンに
混合したものであっても良い。ただし、その場合はスポ
ンジチタンの割合を50%以上に設定することが、本発
明の効果を得る上で望ましい。また、インゴット原料の
溶解を行う前に、ダミーのチタン塊を予備溶解し、この
チタン塊に、炉内に残留する酸素を含むガス成分を吸収
させた後、インゴット原料を溶解すれば、酸素汚染をよ
り一層抑制できる。
造した実施例と、これに対する比較例を示し、本発明を
より明らかにする。 [実施例1]クロール法で製造された粒度20 〜1/
2”のスポンジチタンを、インゴット原料とした。この
スポンジチタンの酸素含有率は、240ppmであっ
た。このスポンジチタン150kgを、EB溶解炉で、
溶解出力を1.5kWh/kgに設定して溶解し、チタンイン
ゴットを得た。 [実施例2]クロール法で製造された粒度20 〜1/
2”のスポンジチタンをプレス成形して密度が2.8g/
cm3 のブリケットとし、これをインゴット原料とした。
このスポンジチタンブリケットの酸素含有率は、220
ppmであった。このスポンジチタン130kgを、E
B溶解炉で、溶解出力を2.0kWh/kgに設定して溶解
し、チタンインゴットを得た。 [実施例3]実施例2と同一のスポンジチタンをプレス
成形して密度が2.3g/cm3 のブリケットとし、このブ
リケットを実施例2と同一条件で溶解してチタンインゴ
ットを得た。
ン150kgを、EB溶解炉で、溶解出力を0.5kWh
/kg に設定して溶解し、チタンインゴットを得た。 [比較例2]上記実施例2のスポンジチタンブリケット
130kgを、EB溶解炉で、溶解出力を0.7kWh/kg
に設定して溶解し、チタンインゴットを得た。
で得られた溶解後のチタンインゴットの酸素含有率を調
べた。溶解出力の違いにより溶解前(スポンジチタン)
と溶解後(チタンインゴット)の酸素含有率にどれだけ
の変化があったかの比較を、表1に示す。
解出力が本発明の条件を満たす実施例1,2,3では、
溶解後のチタンインゴットの酸素含有率は、溶解前のス
ポンジチタンのそれよりも増大することなく逆に低下し
ており、純度の向上に寄与することが確かめられた。。
また、溶解出力が同じである実施例2と実施例3を比較
すると、インゴット原料の密度の低い実施例3の方が酸
素含有率が低いことが確かめられた。これに対する比較
例1,2では、溶解後の酸素含有率は従来のように増大
しており、純度の低下を招いた。
ポンジチタンもしくはスポンジチタンを主とするインゴ
ット原料を0.8〜5kWh/kgの溶解出力で溶解すること
で、得られるチタンインゴットの酸素含有率を、インゴ
ット原料と同レベルか、もしくはそれ以下とすることを
可能とし、かつ酸素含有率がスポンジチタンに依存され
ずに極めて低レベルとすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 スポンジチタンもしくはスポンジチタン
を主とするインゴット原料を溶解炉により溶解してチタ
ンインゴットを得るにあたり、前記溶解炉の溶解出力を
0.8〜5kWh/kgとすることを特徴とするチタンインゴ
ットの製造方法。 - 【請求項2】 前記インゴット原料の密度が、3.0g/
cm3 以下であることを特徴とする請求項1に記載のチタ
ンインゴットの製造方法。 - 【請求項3】 前記溶解炉が、電子ビーム溶解炉、プラ
ズマビーム溶解炉もしくはアーク溶解炉であることを特
徴とする請求項1に記載のチタンインゴットの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34430897A JP3398318B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | チタンインゴットの製造方法 |
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JPH11158565A true JPH11158565A (ja) | 1999-06-15 |
JP3398318B2 JP3398318B2 (ja) | 2003-04-21 |
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JP34430897A Expired - Lifetime JP3398318B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | チタンインゴットの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-11-28 JP JP34430897A patent/JP3398318B2/ja not_active Expired - Lifetime
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