JP2006077290A - チタンインゴットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素成分および/または合金成分をスポンジチタン中に高い含有率でかつ均一に配合することができ、さらに、インゴット製造工程において長手方向に成分濃度の均一なチタンインゴットを製造する方法を提供する。
【解決手段】 容器内にスポンジチタンを充填し、減圧雰囲気下でスポンジチタン中の不純物ガスを分離除去した後、容器内の上記スポンジチタンに合金成分を混合し、次いで、容器内の雰囲気を大気圧に戻し、合金成分含有スポンジチタンを溶解炉に供給して溶解する。また、溶解炉に供給する合金成分含有スポンジチタン中の合金成分濃度を経時的に変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、合金成分を含有させたスポンジチタンを溶解してチタンインゴットを製造する方法に関し、特に、原料の酸素成分および/または合金成分の含有率が均一で、かつ酸素成分および/または合金成分の含有率が高く、さらに、成分濃度がインゴットの長手方向に傾斜せず均一に分布したチタンインゴットを製造する方法に関する。
金属チタンインゴットは、従来、スポンジチタンをブリケット成形してこれを真空アーク溶解あるいは電子ビーム溶解して製造されていた。金属チタンインゴットに求められる品質は、用途によって異なっている。たとえば、メモリー等の半導体素子やバリア材等に用いられるスパッタリング用ターゲット材に使用される高純度チタンには、酸素あるいは窒素等のガス成分を含めた金属成分ができる限り少ないことが求められる。
一方、航空機部品あるいは高力合金に対しては金属成分とともに酸素含有率の高いものが求められる場合がある。そのようなチタンインゴットを製造する場合には、酸素含有率の高いチタン材またはチタン合金をスポンジチタンに所定量配合し、これをブリケット成形したものを電極に構成して溶解することにより、要求品質に見合ったインゴットを製造するという工程が採られてきた。
上記のような酸素含有率の高いチタン材またはチタン合金には、スポンジチタンの製造工程で除去・回収される酸素含有率の高い外側の部分からなるスポンジチタンスクラップあるいはチタンインゴットの切粉が主な原料として利用されてきた。
しかしながら、これらのチタン材やチタン合金は、酸素含有率等の品質が変動してばらつきが生じるので、インゴットを製造するにはその都度原料の成分測定と配合計算をして対応する必要があり、多量のインゴットを生産する場合には手持ちのチタン材では対応できないことがあり改善が求められていた。
これに対して、スポンジチタン粒に酸化チタン粉末を混合し、減圧下で加熱してスポンジチタン中の不純物を除去するとともに、酸化チタン粉末をスポンジチタン表面および表面の細孔に付着させて焼結し、酸素分をスポンジチタン表面近傍に拡散浸透させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、酸化チタン粉末を添加する際に添加量を調節することによって、酸素含有スポンジチタン粒、ひいてはチタンインゴットの酸素含有率を均一にすることができる。しかしながら、この方法においては、酸化チタンを焼結するために減圧下での加熱工程を要し、製造コストの増大という問題があった。
また、水ガラスをあらかじめスポンジチタン表面に塗布して乾燥させたチタン材を電子ビーム溶解してチタンに酸素分を溶解し、酸素含有率の高いチタンインゴットを製造するという技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この技術では、水ガラスを用いるため、酸素以外の成分も不純物として混入するという問題があり、品質特性の厳しい酸素含有チタンインゴットを溶製する場合には適していなかった。
ところで、上記特許文献1および2に開示された技術では、たとえスポンジチタン中に高い含有率で酸素を含有させ、かつ各スポンジチタン粒に均一に酸素を含有させることができたとしても、これらの酸素含有スポンジチタン原料を溶解炉で溶解して最終的にインゴットを製造する工程において、一般に連続鋳造によってインゴットが製造されるから、溶融チタンは、全体が同時に凝固するのではなく、鋳造方向(長手方向)の下流側から上流側に向けて凝固が進行する。このとき、下流のある箇所において金属が凝固する際に、母材であるチタンと含有成分の溶解度の差に起因して、含有成分が凝固領域周辺の溶融領域に濃縮されるか、あるいは溶融領域から凝固領域に濃縮された状態で凝固し、部分的に含有成分濃度の差が生じてしまう。この凝固が順次上流方向に進行するので、最終的に得られるインゴット中の含有成分濃度に長手方向の上流側と下流側で傾斜が生じ、均一組成を有するインゴットを製造することが難しいという問題があった。
この問題に対して、例えば特許文献3に示されているように、インゴットを複数の材料からなるクラッド材とし、所定の材料の厚さを上流側から下流側へ向けて厚くなるように形成するとともに、他の材料の厚さを上流側から下流側へ向けて薄くなるように形成し、このクラッド材を下流側から順次溶解することによって、インゴット長手方向の上流側と下流側に発生する濃度傾斜を相殺し合金成分の均一なインゴットを作製する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−279345号公報 特開平01−156434号公報 特開平04−191338号公報
しかしながら、特許文献3に記載されている技術のように、スポンジチタン粒を用いてクラッド材を作製するのは容易ではなく、それを実施するとすれば、製造コストの大幅な増大を招来するという問題がある。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、不純物の混入を抑制し、製造コストを抑制しつつ、酸素成分および/または合金成分をスポンジチタン中に高い含有率でかつ均一に配合することができるのはもちろんのこと、インゴット溶解工程において長手方向に成分濃度の均一なチタンインゴットを製造する方法を提供することを目的としている。
本発明のチタンインゴットの製造方法は、容器内にスポンジチタンを充填し、減圧雰囲気下でスポンジチタン中の不純物ガスを分離除去した後、容器内のスポンジチタンに合金成分を混合し、次いで、容器内の雰囲気を大気圧に戻し、合金成分含有スポンジチタンを溶解炉に供給して溶解することを特徴としている。
本発明によれば、不純物を減圧下で除去した後、減圧を保持しながら合金成分を添加し、次いで大気圧に戻すから、減圧中にスポンジチタンの表面に付着していた合金成分に対して大気圧が加わって押圧され、強固に付着する。このように、加熱・焼結工程を経ることなくスポンジチタンの表面に合金成分を強固に付着させることができるので、製造コストを低減することができる。また、添加する合金成分量を調整することによって、高含有率でかつ均一に合金成分を配合することができる。さらに、水ガラスのような成分を使用していないので、不純物の混入を抑制することができる。
また、本発明においては、合金成分含有スポンジチタン中の合金成分濃度を経時的に変化させながら溶解炉に供給して溶解することが好ましい。このような態様によれば、合金成分濃度を経時的に変化させながら合金含有スポンジチタンを供給するので、従来問題となっていたインゴット凝固時の長手方向の上流側から下流側にかけての成分の傾斜と、供給される原料の合金成分濃度の経時的変化が相殺し合う。その結果、長手方向に成分が均一に分布したチタンインゴットを製造することができる。また、スポンジチタンおよび合金成分からクラッド材を作製する工程が不要なため、製造コストの増加を抑制することができる。
本発明のチタンインゴットの製造方法を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明のチタンインゴットの製造方法の模式図である。図1において、符号1は、スポンジチタンと合金成分を混合するための容器である。容器1内には、攪拌装置11が取り付けられているとともに、スポンジチタン2が充填されている。容器1上方には、ホッパー12が設けられており、合金粉末21が充填されている。また、容器1には排気管13が取り付けられており、排気管13の先には図示しない真空ポンプが接続されていて容器1内を減圧にすることができる。容器1底部には、原料の排出口14が設けられている。
容器1の下流側にはアルキメデス缶3が配置されている。アルキメデス缶は、内側にらせん状の案内板が設けられており、缶の回転にともなって内容物を順次らせん状に先送りして排出する回転式原料供給装置である。アルキメデス缶3の内部には、容器1の排出口14から供給された合金成分含有スポンジチタン22が充填されている。アルキメデス缶3の下流側には、溶解炉4が配置されている。溶解炉4の内部には、原料フィーダ41、合金成分含有スポンジチタン22を溶解する電子ビーム照射装置42、坩堝44、スターティングブロック46および冷却装置47が設けられている。
容器1にスポンジチタン2を充填した後、排気管13から真空ポンプで容器1内を減圧にする。続いて、ホッパー12から合金粉末21を容器内に供給し、減圧にしたまま攪拌装置11でスポンジチタン2および合金粉末21を攪拌する。攪拌が終了したら、排気管13を開放して容器1内を大気圧に戻す。
スポンジチタン2に合金粉末21を配合して調製された合金成分含有スポンジチタン22は、排出口14から取り出されてアルキメデス缶3に充填される。アルキメデス缶3の回転にともなって合金成分含有スポンジチタン22は下流方向に送出され、溶解炉4の原料フィーダ41に供給される。続いて、合金成分含有スポンジチタン22は坩堝44に供給され、電子ビーム照射装置42から電子ビーム43を照射されて溶解し、坩堝44内に溶湯45を形成する。合金成分含有スポンジチタン22の供給にともなって溶湯45が増量するので、溶湯45の液面を一定に保ちつつ、スターティングブロック46を下方へ移動させる。スターティングブロック46および溶湯45の周囲には冷却装置47が設けられているので、スターティングブロック46の引き下げにともなって溶湯45は冷却され、下流方向から順次凝固が進行し、インゴットを形成する。
この場合において、段階的に合金含有率を変化させた複数種類の合金含有スポンジチタンを作製しておき、これらを段階的に溶解炉に供給してもよい。
本発明に用いるスポンジチタンは、溶解に先立って、減圧下に置くことによりスポンジチタンに含まれる不純物ガスを分離させる。この不純物ガス除去工程によって、チタン合金の純度が高められるだけでなく、後に電子ビーム溶解炉に供給して溶解する際に放出される不純物ガス量を抑制し、その結果スプラッシュ等の発生を効果的に抑制することができる。減圧時の雰囲気圧力は、10〜10−4Torrの範囲であることが好ましい。
続いて、上記の圧力範囲内に減圧したまま酸化チタン等の合金成分を配合した後、大気圧に戻し、その際の加圧によってスポンジチタン表面に付着していた合金成分を押圧してスポンジチタン表層部に合金成分を強固に付着させる。大気圧下に戻す際には、空気を用いても良いが、アルゴンガスのような不活性ガスを用いて行うことが好ましい。このような操作を行うことによって、不純物ガスを混入させることなく酸化チタン等の合金成分をスポンジチタン表層部に強固に付着させることができる。
合金成分付着処理は、常温下で行ってもスポンジチタンへの十分な付着効果が得られるが、200〜300℃程度に加熱して行っても良い。加熱処理を加えることによって表面が活性化しているので、より強固に合金成分をスポンジチタンに付着させることができる。ただし、加熱処理温度が高すぎるとスポンジチタン同士の焼結を招き好ましくないので留意が必要である。このような操作を行うことで、スポンジチタンの表層部により強固な合金成分の付着層を形成させることができる。
前記したスポンジチタンの粒度は、5メッシュ〜1/2インチの範囲にあるものを用いることが好ましいが、この上下限の±10%程度の範囲を逸脱しても実操業上問題はない。ただし、スポンジチタンが微細になるに従い酸化チタンの付着率が低下するので20メッシュ以下のスポンジチタンはあらかじめ分離しておいた方が好ましい。
スポンジチタンの気孔率は、60%〜80%の範囲にあることが合金成分をスポンジチタン表面に効率良く付着させるには有効であるが、市販のスポンジチタンは、ほぼ前記した範囲にあるので特別な処理は要しない。また、スポンジチタンの気孔径と比較して合金成分の粒度が小さいと、合金成分がこの気孔に入り込みやすいので好ましい。
合金成分として酸化チタンを用いる場合は、特殊なものではなく市販の酸化チタンを用いることができる。ただし、酸化チタンはできる限り純度の高いものが好ましく、具体的には、純度99%以上の酸化チタンを用いることが好ましい。また、溶製されるチタンインゴットの要求品質が高い場合には、これに併せて用いる酸化チタンの純度も更に高いものを用いることが好ましい。
酸化チタンの比表面積は、1m/g〜5m/gから選択的に調整しておくことが好ましい。酸化チタンの比表面積が、1m/g以下の場合には、スポンジチタン表面に固定される酸化チタンの歩留まりが低下する。一方、酸化チタンの比表面積が5m/g以上の場合にも、却ってスポンジチタンに対する酸化チタンの歩留まりが低下する。少なくともスポンジチタンの気孔径よりも小さい粒度の酸化チタンを選択しておくことが好ましい。このため、酸化チタンの粒度は前記した範囲に選択することが好ましい。また、酸化チタンの形状は、球状粉と異形粉あるいは針状粉等、任意のものを使用することができる。
酸化チタンとスポンジチタンの配合は、既存の混合器を用いて配合することができる。混合器を用いて配合したスポンジチタン中の歩留まりは、配合後のスポンジチタン中の酸素含有率を分析することにより評価することができる。
なお、混合器を用いて酸化チタンを配合する場合には、配合率の限界があり、これを超えての配合比を上げることはできない。本発明で用いるスポンジチタンに対する酸化チタンの限界配合重量比は、18〜20g/kg(Ti)にある。これは、スポンジチタンの表層部に一定の厚さの酸化チタン層が形成されると、それ以上の酸化チタンが付着しないからである。
以上のように、本発明を実施することにより、スポンジチタン表層部に強固に付着した酸化チタン等の合金成分層を形成させることができるので、例えば、アルキメデス缶を用いてスポンジチタンを電子ビーム溶解炉に供給する場合に、合金成分の歩留まりロスを効果的に抑制しつつ、目的とする酸素含有率および/または合金成分含有率を有するチタンインゴットを溶製することができる。
前記のように準備された合金成分含有スポンジチタンをアルキメデス缶に装填する。この際、合金成分が酸化チタンである場合、アルキメデス缶の最初に投入するスポンジチタン中の酸化チタンの含有率は、平均含有率に対して低くなるよう予め調製したスポンジチタンを装填することが好ましい。一方、アルキメデス缶の最後に充填するスポンジチタン中の酸化チタンの含有率は目標組成に比べて高めになるように装填しておくことが好ましい。
即ち、上記の方法で段階的に酸化チタン含有率を変化させた数種類の酸化チタン含有スポンジチタンを作製しておき、これらをアルキメデス缶の下流側から上流側に向かって、酸化チタンの含有率が上昇するように順次充填しておくことが好ましい。このように充填されたスポンジチタン中の酸化チタンは、経時的に濃度が高まる方向で電子ビーム溶解炉に供給される。
酸化チタン含有率は、平均含有率に対して−10%〜+10%の範囲で傾斜をつけて充填しておくことが好ましい。また、含有率は連続的に変化することが好ましいが、現実的には、アルキメデス缶の長手方向を5〜7ブロックに分けて酸化チタン含有率を段階的に変えたスポンジチタンを充填しておけばよい。このように原料を充填しておくことで厳密には連続ではないが経時的に酸化チタン濃度を変化させたスポンジチタンを電子ビーム溶解炉に供給することができる。
このように経時的に濃度を変化させても鋳型内で凝固する際の凝固偏析により結果として作製されるインゴット中の長手方向の酸素濃度をほぼ均一にすることができる。また、前記したように、本発明では、アルキメデス缶への充填に先立ってスポンジチタンに酸化チタンが強固に付着しているから、アルキメデス缶から電子ビーム溶解炉に供給する間にスポンジチタン同士あるいはスポンジチタンと装置の壁面との衝突・摩擦によってスポンジチタンから酸化チタンが離脱することを抑制することでき、均一な組成の原料を供給することができる。
合金成分として鉄を配合する際には、鉄粉を用いることが好ましい。合金成分が鉄の場合には、酸素の場合とは逆方向に凝固偏析する傾向がある。このため、アルキメデス缶から最初に排出されるスポンジチタン中の鉄粉の含有率は目標成分に比べて高目に設定し、逆にアルキメデス缶から最後に排出されるスポンジチタン中の鉄粉の含有率は、目標成分に比べて低目になるよう充填しておくことが好ましい。
具体的には、鉄の平均含有率に対して−10%〜+10%の範囲で鉄粉の濃度傾斜をつけて充填しておくことが好ましい。このようにスポンジチタン中の鉄粉の濃度が経時的に低下するように電子ビーム溶解炉に供給することで、チタンインゴット中の鉄成分が長手方向に均一になるという効果を奏する。
なお、鉄粉の代わりに、酸化鉄粉を用いても良い。酸化鉄粉を用いることで酸素と鉄の両者を含有するチタン合金を得ることができる。
なお、本発明は電子ビーム溶解に対して優れた効果を発揮するものであるが、真空アーク溶解に粒状原料を装入してチタンインゴットを作製する場合にも効果的に適用することができる。
[実施例1]
粒度5メッシュ〜1/2インチのスポンジチタンを10−4Torrまで減圧に引いた後、あらかじめ準備しておいた比表面積3m/gの酸化チタンをスポンジチタンに対して0.1%配合して混合した後、容器内にアルゴンガスを充填して大気圧に戻し、酸化チタン含有のスポンジチタンを準備した。この酸化チタン含有スポンジチタンを電子ビーム溶解炉に供給して溶解し、金属チタンインゴットを作製した。
[比較例1]
実施例1で準備されたスポンジチタンに代えて、減圧操作を行なわず、大気圧下で酸化チタンを配合した以外は実施例1と同様にしてインゴットを溶製した。
実施例1および比較例1のインゴットを調べた結果、実施例1のインゴット中の酸素含有率は、酸化チタン添加量から推定される酸素含有率の90%に相当する酸素上昇が認められた。また、比較例1のインゴット中の酸素含有率は、70%に留まった。この結果から明らかなように、加熱・焼結工程を経ていない本発明によって、酸化チタンがスポンジチタン表面からほとんど脱落せず、強固に付着していたことが分かる。
[実施例2]
スポンジチタン(5メッシュ〜1/2”、CPグレード)および高純度酸化チタン(1〜2m/g、商品名:HT0100、東邦チタニウム製)を用い、スポンジチタン中の酸化チタンの濃度を5段階に変化させた酸化チタン含有スポンジチタンを5種類準備し、アルキメデス缶から排出されるスポンジチタン中の酸化チタン濃度の平均値を1とし場合、表1に示すような濃度傾斜をつけてアルキメデス缶に原料を装填した。
Figure 2006077290
続いて、この酸化チタンの濃度を変化させたスポンジチタンをアルキメデス缶から電子ビーム溶解炉に供給して溶解し、金属チタンインゴットを作製した。作製されたインゴット中の長手方向の酸素濃度は、平均値を1とした場合、表2に示すように、インゴットのトップとボトムおよびミドルでの変動は±0.03以内に収まることが確認された。
Figure 2006077290
[比較例2]
実施例2と同様の原料を用い、酸化チタンの含有率には変化はつけずに酸化チタン含有スポンジチタンを準備した。スポンジチタンをアルキメデス缶に装填し、電子ビーム溶解し、チタンインゴットを作製した。作製されたチタンインゴット中の酸素濃度分布は、表3に示すように、インゴットトップで酸素濃度が上昇しており、酸素濃度が不均一になっている。
Figure 2006077290
本発明によれば、スポンジチタン中の酸素成分および/または合金成分の含有率を適切な範囲に制御することができ、さらに、成分濃度が全体に均一に分布した高品質なチタンインゴットを得ることができる。
本発明のチタンインゴットの製造方法の実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 容器
11 攪拌装置
12 ホッパー
13 排気管
14 排出口
2 スポンジチタン
21 合金粉末
22 合金成分含有スポンジチタン
3 アルキメデス缶
4 溶解炉
41 原料フィーダ
42 電子ビーム照射装置
43 電子ビーム
44 坩堝
45 溶湯
46 スターティングブロック
47 冷却装置

Claims (10)

  1. 容器内にスポンジチタンを充填し、減圧雰囲気下で上記スポンジチタン中の不純物ガスを分離除去した後、該容器内のスポンジチタンに合金成分を混合し、次いで、容器内の雰囲気を大気圧に戻し、該合金成分含有スポンジチタンを溶解炉に供給して溶解することを特徴とするチタンインゴットの製造方法。
  2. 前記溶解炉に供給する前記合金成分含有スポンジチタン中の合金成分濃度を経時的に変化させることを特徴とする請求項1に記載のチタンインゴットの製造方法。
  3. 合金成分含有率を段階的に変化させた複数種類の合金成分含有スポンジチタンを作製し、これを含有率の大きい順または小さい順に溶解炉に供給して順次溶解することを特徴とする請求項2に記載のチタンインゴットの製造方法。
  4. 前記合金成分の粒度が、前記スポンジチタンの細孔径よりも小さいこと特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  5. 前記合金成分含有スポンジチタンを溶解炉に供給するためのアルキメデス缶に上記合金成分含有スポンジチタンを充填する際に、上記アルキメデス缶の長手方向に上流側から下流側にかけて前記合金成分の濃度を増加または減少させた合金成分含有スポンジチタンを装入することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  6. 前記合金成分は、酸化チタン、酸化鉄、または鉄の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  7. 前記酸化チタンの比表面積が、1m/g〜5m/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  8. 前記スポンジチタンの粒度が、5メッシュ〜1/2インチであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  9. 前記大気圧への加圧を不活性ガスにて行なうことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
  10. 前記大気圧への加圧を200〜300℃で行なうことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のチタンインゴットの製造方法。
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