JPH11158502A - 複合粉末および複合粉末の成形方法 - Google Patents

複合粉末および複合粉末の成形方法

Info

Publication number
JPH11158502A
JPH11158502A JP9325001A JP32500197A JPH11158502A JP H11158502 A JPH11158502 A JP H11158502A JP 9325001 A JP9325001 A JP 9325001A JP 32500197 A JP32500197 A JP 32500197A JP H11158502 A JPH11158502 A JP H11158502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
amorphous alloy
powder
binder
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9325001A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Yagi
正昭 八木
Isamu Otsuka
勇 大塚
Isao Endo
功 遠藤
Hideo Koshimoto
秀生 越本
Yasushi Yamamoto
裕史 山本
Yoshimasa Okuno
良誠 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP9325001A priority Critical patent/JPH11158502A/ja
Publication of JPH11158502A publication Critical patent/JPH11158502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15358Making agglomerates therefrom, e.g. by pressing
    • H01F1/15366Making agglomerates therefrom, e.g. by pressing using a binder

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非晶質軟磁性合金粉末を用いて磁気特性の向
上した圧粉成形磁心を形成することが可能な複合粉末お
よび成形方法を提供する。 【解決手段】 非晶質合金より成る粉末の表面に、該非
晶質合金の結晶化開始温度よりも軟化点が低いバインダ
ー用ガラスと、このバインダー用ガラスの軟化点と上記
結晶化開始温度との間の温度範囲で流動性がバインダー
用ガラスよりも小さな絶縁物とが被着させたものであ
る。これによって、非晶質合金粉末の非晶質性を損なう
ことなく、高密度・高強度の成形体が得られ、さらに、
非晶質合金粉末同志の粒子間絶縁が、上記粒子間絶縁用
ガラスによって確保されるので、渦電流損が小さく、高
周波磁気特性に優れた成形磁心等として形成することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質合金粉末を
用いた複合粉末に関するものであり、さらに詳しくは、
非晶質合金粉末の非晶質性を損なうことなく、例えばチ
ョークコイルやフライバックトランスなどの高周波用磁
心等として成形することが可能な複合粉末および複合粉
末の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非晶質磁性合金は高耐食性、高耐摩耗
性、高強度、高透磁率等の点で優れた特性を備え、ま
た、結晶材料に比べて電気抵抗率が高いため、低鉄損が
要求される高周波用の磁心材料として好適である。この
ような非晶質磁性合金から成る磁心として、従来、融点
以上に加熱して溶解した磁性合金の原料融液を、高速で
回転するドラムの表面に流下して急冷凝固させ、これに
よって、薄帯状に形成された非晶質合金材をリング状に
巻いて形成したものが実用化されている。しかしなが
ら、薄帯状の非晶質磁性合金材を用いる場合には、形状
が上記したリング状などに制約されてしまう。
【0003】一方、特開平4-17605 号公報等に記載され
ている高速回転水流アトマイズ法によれば、非晶質磁性
合金の粉末を効率的に製造することが可能である。この
方法は、冷却用筒体の内周面に旋回しながら流下する冷
却水層を形成し、この冷却水層に原料融液を供給して原
料融液を分断し急冷凝固させて合金粉末を得る方法であ
る。この方法によれば、105K/sec以上の冷却速度を得る
ことができ、非晶質の合金粉末を連続して効率良く製造
することができる。
【0004】したがって、上記のような方法で製造され
る非晶質合金粉末を加圧成形することで、任意形状の成
形体を得ることが可能となるが、この場合に、通常の焼
結法を採用して非晶質合金の結晶化開始温度以上に加熱
してしまうと、非晶質合金の非晶質性が損なわれてしま
う。そこで、本願発明者等は、結晶化開始温度以下での
低温成形が可能なように、非晶質合金粉末の表面にガラ
ス粉末を付着させた複合粉末を形成し、これをホットプ
レスにより所定形状に成形する方法を先に提案した(特
願平8-39717 号参照)。
【0005】すなわち、非晶質合金粉末の表面に、この
合金の結晶化開始温度よりも低い軟化点を有するガラス
粉末を付着させ、これをガラスの軟化点よりも高く、か
つ、非晶質合金の結晶化開始温度よりも低い温度に加熱
した状態で加圧成形する。この成形法によれば、非晶質
合金は、その結晶化開始温度以上には加熱されないので
その非晶質性が維持される。一方、ガラス粉末は軟化点
以上に加熱されて軟化し、非晶質合金粉末の間に侵入す
る。これが、冷却に伴って硬化することによって非晶質
合金粉末のバインダーとして作用し、所定形状の高密度
・高強度の成形体を得ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにバインダーとして作用するガラス粉末と、非晶質
合金粉末とから成る複合粉末に対し、成形時の加圧力を
上げて、より高密度化された高周波磁心を得ようとする
と鉄損の増加が生じ、これによって、充分な磁気特性が
得られないという問題を生じている。
【0007】つまり、非晶質合金粉末にガラス粉末を混
合して成形すると、このガラス粉末が軟化して非晶質合
金の粒子間に入り込み、これがバインダーとして機能す
ると共に、粒子間に介在することで粒子同志が互いに絶
縁され、これによって、渦電流損が抑制される。しかし
ながら、上記のように加圧力を大きくして成形すると、
軟化したガラスが粒子間に一旦侵入したとしても、非晶
質合金の粒子が成形時に互いに接触する方向に移動する
過程で、軟化状態のガラスは粒子間から容易に排除さ
れ、このため、非晶質合金粉末間に残存するガラス層の
厚さが極めて薄くなる。この結果、非晶質合金粉末間の
絶縁性が破壊され易くなって、渦電流損が大きくなり、
鉄損の増加を生じてしまう。これを防止するためにガラ
ス粉末量を増加することが考えられるが、この場合に
は、非晶質磁性合金粉末の量がその分少なくなり、これ
によって磁気特性が低下してしまう。
【0008】一方、上記した複合粉末を成形金型に充填
し、金型壁面側からの加熱によって金型内の複合粉末を
所定の成形温度に加熱する際、粉末状態では粒子間に空
隙が多く、全体的な熱伝導率が小さいために、金型の壁
面側と中心側とでの温度差が大きくなり易い。特に生産
性を上げるために、金型壁面をより高温にして入熱量を
大きくし、これによって加熱時間を短縮しようとする場
合に上記の温度差はより大きくなる。この結果、例えば
中心側が成形温度に達したときには金型壁面側の粉末の
温度が非晶質合金の結晶化開始温度を越えた状態になり
易く、この場合に、一部の非晶質性が損なわれることに
なって磁気特性が低下するという問題も生じている。
【0009】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、非晶質合金粉末の非晶質性を損な
うことなく、磁気特性等の向上した成形体を得ることが
可能な複合粉末および複合粉末の成形方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1の複合粉末は、非晶質合金より成
る粉末の表面に、該非晶質合金の結晶化開始温度よりも
軟化点が低いバインダー用ガラスと、このバインダー用
ガラスの軟化点と上記結晶化開始温度との間の温度範囲
で流動性がバインダー用ガラスよりも小さな絶縁物とが
被着されていることを特徴としており、上記絶縁物とし
ては、例えば請求項2のように、バインダー用ガラスよ
りも軟化点の高いガラスを用いることが可能であり、ま
た、請求項3のように、コロイド状シリカを用いて非晶
質合金粉末表面に形成されたSiO2膜で構成することがで
きる。
【0011】このような複合粉末を、請求項4記載のよ
うに、該非晶質合金の結晶化開始温度よりも低く、か
つ、バインダー用ガラスの軟化点よりも高い成形温度に
加熱して所定形状に加圧成形すると、バインダー用ガラ
スが軟化して非晶質合金粉末間の隙間を埋め、これがバ
インダーとして機能することによって、非晶質合金粉末
の非晶質性を損なうことなく、所定の形状に成形するこ
とができる。
【0012】しかも、軟化したバインダー用ガラスが非
晶質合金粉末間から排除されるような加圧力が成形時に
負荷されたとしても、非晶質合金粉末表面には、このと
きの成形温度でバインダー用ガラスよりも流動性の小さ
な絶縁物がさらに設けられているので、この絶縁物が非
晶質合金粉末間に介在する状態が保持される。この結
果、より高密度の成形体を得ることが可能になり、か
つ、非晶質合金粉末同志の粒子間絶縁が上記の絶縁物に
よって確保されるので、例えば上記の非晶質合金粉末が
軟磁性合金であれば渦電流損失が小さく、したがって、
高周波磁気特性に優れた成形体を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態とし
て、軟磁気特性に優れた非晶質合金粉末を用いて高周波
用磁心を製造する場合を例に挙げて説明する。まず、軟
磁気特性を有するFe系、Co系等の非晶質合金粉末を、例
えば、高速回転水流アトマイズ法により製造する。すな
わち、前記したように、冷却用筒体の内周面に旋回しな
がら流下する冷却水層を形成し、融点より50〜 200℃程
度高温に溶解した原料の溶融金属流の噴流を該冷却水層
に供給し、旋回する冷却液層によって分断急冷凝固させ
て粉末を製造する。
【0014】この方法によれば、従来の水アトマイズ法
と異なり、水冷凝固時に粒子周りに発生する水蒸気膜が
高速回転水流の遠心力で速やかに剥離され、蒸気膜によ
る熱伝達の低下が抑制される。これにより、105K/sec以
上の高い急冷速度を得ることができ、非晶質の合金粉末
を作製することができる。また、本方法によれば、回転
ドラムを用いた回転液アトマイズ法と異なり、連続大量
生産も可能である。このような方法により製造される合
金粉末の粒径は、非晶質性を確保するために約250 μm
以下とし、平均粒径は約 100〜 150μmが好ましい。
【0015】ところで、上記のような非晶質合金粉末を
用いて高周波用磁心を得るための成形バルク化には、
(1) 低ヒステリシス損を得るための軟磁性の保持、(2)
渦電流を抑制するための粒子間絶縁、(3) 粉体の反磁界
を低減し透磁率を上げるための高密度成形の三条件を満
足する必要がある。これらのうち、特に(1)(3)の観点か
ら、本実施形態では、前記のように製造された非晶質合
金粉末に、その結晶化開始温度よりも低い軟化点を有す
るガラスの粉末を混合し、これを成形バルク化に当たっ
てのバインダーとして、ホットプレス法等により加圧成
形することで、所定形状の粉末成形磁心を製造する。
【0016】そして、前記(2) の観点から、上記したバ
インダー用のガラスとは別に、これよりも軟化点が高い
ガラスを非晶質合金粉末表面に予めコーティングしてお
き、これをバルク成形体中の非晶質金属粒子間に介在さ
せて、各粒子間絶縁を付与する方法を採用している。具
体的な製造手順および製造条件の一例について、Fe系の
軟磁性材料であるFe 74Si12.5B12.5 の非晶質合金粉末を
用いて粉末成形磁心を作製した例を挙げて説明する。
【0017】まず、上記組成の非晶質合金粉末を前記し
た高速回転水流アトマイズ法により作製した。この非晶
質合金粉末の粒径は 250μm以下であり、平均粒径は累
積重量比で 100μm〜 150μmであった。この非晶質合
金の結晶化開始温度Txは、約530 ℃である。次に、上記
の非晶質合金粉末に、軟化点が 470℃程度のガラス粉末
(以下、このガラスを粒子間絶縁用ガラスという)を5v
ol%混合し、これを粉末の表面コーティング装置の中に
入れ、容器内雰囲気を真空あるいはArガス等の不活性ガ
スによって置換した後、処理容器約700 〜1500rpm の回
転速度で回転させて、1 時間攪拌混合した。
【0018】攪拌を約10分間行うと、非晶質合金粉末と
ガラスは充分に混合され、また、約1 時間以上行うと、
非晶質合金の母粒子の表面に微細なガラス粒子が略均一
に付着し又は食い込みを生じて、これらガラス粉末が非
晶質合金粉末の表面に均一にコーティングされた粉末が
得られる。なお、混合後のガラス粉末の平均粒径は約1
〜2μmであった。
【0019】上記のように非晶質合金粉末表面に粒子間
絶縁用ガラスを付着させてコーティング粉末を形成した
後、次いで、このコーティング粉末に軟化点が 350℃程
度のガラス粉末(以下、このガラスをバインダー用ガラ
スという)を5vol%混合し、これを、上記同様に表面コ
ーティング装置によって混合した。これにより、コーテ
ィング粉末の表面に、さらに、バインダー用ガラスが付
着した粉末、すなわち、二層のガラス粉末がコーティン
グされた複合粉末が形成される。
【0020】なお、上記各ガラス粉末を非晶質合金粉末
と混合する際の各ガラス粉末の粒径は、非晶質合金粉末
の粒子間にうまく入り込むことができるように、非晶質
合金粉末の平均粒径の約1/20よりも小さくすることが好
ましい。非晶質合金粉末の粒径が、前記した約 250μm
以下、平均粒径が約100 〜 150μmの場合には、ガラス
粉末の粒径は約10μm以下、平均粒径は約1〜7μmが
好ましい。
【0021】一方、ガラス粉末を前記のように非晶質合
金粉末と共にコーティング装置の中で混合する場合に
は、ガラス粉末は、その攪拌過程で粉砕されて微細化さ
れるため、コーティング装置に投入する段階では適当に
砕かれたものを使用すればよく、その粒径は攪拌時間に
よって調節することができる。上記のように形成された
複合粉末をホットプレス成形用の金型に所定量充填し、
非晶質合金の結晶化開始温度Txより低く、かつ、バイン
ダー用ガラスの軟化点よりも高い温度、例えば 400〜 5
00℃に加熱し、圧力1〜2GPa 程度で加圧してバルク状
の成形体を形成する。本実施形態では、成形温度 480
℃、加圧力1.6GPaの成形条件でホットプレスを行った。
【0022】このホットプレスにおいては、成形温度が
上記結晶化開始温度Tx(=530 ℃)よりも低いことから、
非晶質合金粉末の非晶質性が維持される。一方、バイン
ダー用ガラスは、その軟化点(350℃)を超える温度に加
熱されることによって流動性を有する状態で加圧され、
これによって、非晶質合金粉末の間に隙間なく侵入して
これを埋めた状態となる。冷却後、このガラスは硬化し
て、非晶質合金粉末のバインダーの機能を果たすことに
なり、高密度の成形体が得られる。
【0023】さらに、非晶質合金粉末の表面に付着して
いる粒子間絶縁用ガラスは、その軟化点(470℃) よりも
成形温度がわずかに高いことから、ある程度軟化した状
態となるが、その流動性はバインダー用ガラスに比べて
充分に小さく、これによって、非晶質合金粉末の表面に
沿うような変形を生ずる程度に抑えられて、非晶質合金
粉末表面への付着状態が保持される。
【0024】これにより、軟化したバインダー用ガラス
が非晶質合金粉末間から排除されるような加圧力が成形
時に負荷されたとしても、これら非晶質合金粉末表面に
は、粒子間絶縁ガラスがそのまま保持されるので、成形
後の非晶質合金粉末間には少なくとも上記の粒子間絶縁
ガラスが介在する状態となり、これによって、各非晶質
合金粉末間の絶縁性が確保された成形体が得られる。
【0025】なお、上記ホットプレス成形における成形
温度までの加熱に当たっては、複合粉末が充填された金
型を、成形温度よりも約 200℃以上高い温度に維持され
た加熱装置の中に装入して昇温させた。このような加熱
方法によれば、約30℃/分以上の昇温速度で成形温度ま
で昇温させることができる。このように昇温速度を速
め、トータルの加熱時間をより短くすることで、非晶質
合金の結晶化傾向へ及ぼす熱影響をより小さくすること
ができ、特性の低下を防止することができる。
【0026】また、所定の成形温度に達した時点での加
圧時間は、本実施形態では5秒以下とした。すなわち、
成形温度に達した時点では、前記したバインダー用ガラ
スは充分に軟化した状態になっており、この状態で加圧
すると、すぐに、非晶質合金粉末間にバインダー用ガラ
スが侵入すると共に粉末間の隙間が押し潰されて高密度
状態となる。この状態でさらに加圧を継続すると、流動
性を有するバインダー用ガラスを押しのけて非晶質合金
粉末が局所的に互いに集積するような流動を生じ、これ
によって、非晶質合金粉末の分布が不均一な成形体にな
り易い。このような不具合は、加圧時間をより短くする
ことで防止でき、約20秒以内とすることで、非晶質合金
粉末が均一に分布した成形体を得ることができる。
【0027】上記のホットプレス成形により作製した例
えば直径20mm、高さ5mmの円柱状成形体は完全にバルク
化されており、相対密度95%以上の緻密な成形体であっ
た。なお、「相対密度」とは、円柱状成形体を完全緻密
体と仮定したときの重量に対する実際の重量の比率とし
て求めたものであり、完全緻密体の重量は、非晶質合金
粉末とガラス粉末の混合比に基づいて計算した値であ
る。
【0028】その後、必要に応じて機械加工による仕上
加工を行い、例えばリング状等の最終的な磁心形状に仕
上げ、その磁気特性を測定した結果、粒子間で発生する
渦電流が抑制され、これによって鉄損が低減し、かつ高
周波用磁心として好適な透磁率を具備して周波数特性も
良好な磁心であった。以上の説明のように、本実施形態
においては、非晶質合金粉末の表面に、該非晶質合金の
結晶化開始温度よりも軟化点が低いバインダー用ガラス
と、このバインダー用ガラスよりも軟化点が高い粒子間
絶縁用ガラスとを被着させた複合粉末を用い、これを、
バインダー用ガラスの軟化点と非晶質合金の結晶化開始
温度との間の温度に加熱して加圧成形する。
【0029】これにより、成形時に軟化したバインダー
用ガラスが非晶質合金粉末間の隙間を埋めてバインダー
として機能することにより、非晶質合金粉末の非晶質性
を損なうことなく、所定の形状に成形することができ
る。しかも、軟化したバインダー用ガラスが非晶質合金
粉末間から排除されるような加圧力が成形時に負荷され
たとしても、非晶質合金粉末表面には、このときの成形
温度でバインダー用ガラスよりも流動性の小さな粒子間
絶縁用ガラスがさらに設けられているので、これが非晶
質合金粉末間に介在する状態が保持される。
【0030】この結果、より高密度の成形体を得ること
が可能になり、かつ、非晶質合金粉末同志の粒子間絶縁
性が確保されるので、渦電流損失が小さく、したがっ
て、高周波磁気特性に優れた粉末成形磁心を得ることが
できる。なお、本発明は、上記した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能で
ある。例えば、上記実施形態では具体的な数値を例示し
ながら説明したが、これら数値に本発明は限定されるも
のではなく、例えばバインダー用ガラスについては、Fe
-Si-B 等のFe系非晶質合金や、Co-Fe-Si-B等のCo系非晶
質合金などの各非晶質合金の結晶化開始温度Tx(通常 5
00℃前後)に応じて、適度の軟化点を有するガラスを用
いれば良い。例えば、ホットプレス時の成形温度は、非
晶質合金の結晶化開始温度Txよりも約50℃程度低い温度
に設定されるのが一般的であり、この場合、バインダー
用ガラスとしては、その軟化点が結晶化開始温度Txより
も80℃〜300 ℃程度低い範囲のものを用いれば良い。
【0031】一方、上記のようなバインダー用ガラスと
組み合わせて用いる粒子間絶縁用のガラスとしては、上
記結晶化開始温度Txよりも軟化点が30℃〜150 ℃程度低
いものを使用することができる。この場合、バインダー
用ガラスの軟化点に対しては、100 ℃以上高温に軟化点
を有するものを粒子間絶縁用ガラスとして使用すること
が望ましい。これらのガラス材料として、例えば酸化鉛
含有のホウ酸塩系ガラス(PbO・B2O3)や、これにZnO 又
はSiO2を混入させた三元系ガラス等の低融点ガラスを挙
げることができる。
【0032】ガラスの混合量はバインダー用ガラスと粒
子間絶縁用ガラスとの総計で、5〜20 vol%が望まし
く、この範囲で、所望の透磁率に合わせて設定すれば良
い。特にバインダー用ガラスの混合量が少なすぎると、
非晶質合金粉末を所定の磁心形状にバルク化させること
ができなくなるので、バインダー用ガラスは3vol%以上
混合することが望ましい。一方、混合量を増やすと非晶
質合金の量が少なくなり過ぎて所望の磁気特性を確保で
きなくなるので、ガラスの総計を20 vol%以下とする。
【0033】また、上記実施形態では、粒子間絶縁用ガ
ラス粉末とバインダー用ガラス粉末とを、二段階に分け
て非晶質合金粉末と混合攪拌することで、非晶質合金粉
末表面に二層のガラス層が形成されたものを挙げたが、
例えば粒子間絶縁用ガラス粉末とバインダー用ガラス粉
末とを同時に非晶質合金粉末と混合攪拌し、これによっ
て、これら粒子間絶縁用ガラス粉末とバインダー用ガラ
ス粉末との混合層を非晶質合金粉末表面に設ける構成と
することも可能である。もっとも、この場合にはバイン
ダー用ガラス粉末が軟化して流動する際に、粒子間絶縁
用ガラス粉末の中には、バインダー用ガラス粉末の流れ
に乗って非晶質合金粉末表面から剥離するものが生じ易
くなるので、上記実施形態のように、これら粒子間絶縁
用ガラスとバインダー用ガラスとを分けて二層構造とす
ることが好ましい。
【0034】さらに、バインダー用ガラスが流動する際
の粒子間絶縁用ガラス層の剥離を抑制するため、これら
ガラス層の間に、これらの軟化点の間の温度に軟化点を
有するガラス層をさらに介在させる等の三層以上のガラ
ス層を設ける構成とすることも可能である。また、上記
した粒子間絶縁用ガラスに替えて、例えばSiO2等の絶縁
性を有する無機物質のコーティング膜を非晶質合金粉末
の表面に形成し、これに、さらにバインダー用ガラスを
付着させて複合粉末として形成することも可能である。
SiO2膜は、非晶質合金粉末を例えばコロイド状シリカと
混合し、100 ℃以上で乾燥させることによって形成する
ことができる。この場合のコーティング膜の膜厚は、非
晶質合金の含有割合を過度に低下させないように、1〜
5μm程度にすることが望ましい。さらに、絶縁性のコ
ーティング膜の形成については、例えばプラズマCVD や
蒸着法などの物理・化学的な形成方法を採用することも
可能である。
【0035】また、上記実施形態では、非晶質合金粉末
として、軟磁性を有するFe74Si12.5B12.5 の組成のFe系
合金を用いたが、Co系合金(例えば、(Co0.95Fe0.05)75
(Si0 .6B0.4)25)などのその他の軟磁性合金を使用するこ
とが可能である。さらに、非晶質合金粉末間の絶縁性を
確保することによって特性が向上するものであれば、そ
の他、任意の非晶質合金粉末に本発明を適用することが
できる。
【0036】また、上記では、ホットプレス法により加
圧成形を行ったが、HIP(熱間等方圧加圧)法などのその
他の加圧成形法を採用することも可能である。また、上
記実施例では、高速回転水流アトマイズ法を採用して非
晶質合金粉末を製造した例を挙げたが、例えば回転ドラ
ムを用いて回転液アトマイズ法で作製された非晶質合金
粉末や、さらには、非晶質薄板を粉砕して得られる粉末
などを用いることも可能である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の複合粉末
においては、非晶質合金粉末の表面に、バインダー用ガ
ラスと共に、このバインダー用ガラスの軟化点と非晶質
合金の結晶化開始温度との間の温度範囲で流動性がバイ
ンダー用ガラスよりも小さな絶縁物、例えばバインダー
用ガラスよりも軟化点の高いガラス、或いは、SiO2膜が
被着されているので、この複合粉末を該非晶質合金の結
晶化開始温度よりも低く、かつ、バインダー用ガラスの
軟化点よりも高い成形温度に加熱して所定形状に加圧成
形することによって、非晶質合金粉末の非晶質性を損な
うことなく高密度・高強度の成形体が得られ、かつ、上
記絶縁物によって、非晶質合金粉末同志の粒子間絶縁が
確保されるので、例えば上記の非晶質合金粉末が軟磁性
合金であれば渦電流損失が小さく、したがって、高周波
磁気特性に優れた成形体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 功 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 越本 秀生 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 山本 裕史 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 奥野 良誠 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質合金より成る粉末の表面に、該非
    晶質合金の結晶化開始温度よりも軟化点が低いバインダ
    ー用ガラスと、このバインダー用ガラスの軟化点と上記
    結晶化開始温度との間の温度範囲で流動性がバインダー
    用ガラスよりも小さな絶縁物とが被着されていることを
    特徴とする複合粉末。
  2. 【請求項2】 上記絶縁物が、バインダー用ガラスより
    も軟化点の高いガラスであることを特徴とする請求項1
    記載の複合粉末。
  3. 【請求項3】 上記絶縁物が、コロイド状シリカを用い
    て非晶質合金粉末表面に形成されたSiO2 膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の複合粉末。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の複合粉末を該
    非晶質合金の結晶化開始温度よりも低く、かつ、バイン
    ダー用ガラスの軟化点よりも高い成形温度に加熱して所
    定形状に加圧成形することを特徴とする複合粉末の成形
    方法。
JP9325001A 1997-11-26 1997-11-26 複合粉末および複合粉末の成形方法 Pending JPH11158502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9325001A JPH11158502A (ja) 1997-11-26 1997-11-26 複合粉末および複合粉末の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9325001A JPH11158502A (ja) 1997-11-26 1997-11-26 複合粉末および複合粉末の成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11158502A true JPH11158502A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18172032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9325001A Pending JPH11158502A (ja) 1997-11-26 1997-11-26 複合粉末および複合粉末の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11158502A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100650354B1 (ko) * 1999-09-09 2006-11-27 세이코 엡슨 가부시키가이샤 비정질 연자성체의 제조 방법
JP2010114222A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Tamura Seisakusho Co Ltd 圧粉磁心及びその製造方法
JP2012230948A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Toyota Central R&D Labs Inc 磁心用粉末、圧粉磁心およびその製造方法
US9767956B2 (en) 2012-11-20 2017-09-19 Seiko Epson Corporation Composite particle of soft-magnetic metallic material, method for producing composite particle, powder core, magnetic element, and portable electronic device

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916306A (ja) * 1982-04-15 1984-01-27 アライド・コ−ポレ−シヨン 電磁気装置用粉末コア−の製法
JPH0851010A (ja) * 1994-05-23 1996-02-20 Alps Electric Co Ltd 軟磁性合金圧密体とその製造方法および軟磁性合金圧密体形成用コーティング粉末
JPH09180924A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Kobe Steel Ltd 圧粉磁心及びその製造方法
JPH10212503A (ja) * 1996-11-26 1998-08-11 Kubota Corp 非晶質軟磁性合金粉末成形体及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916306A (ja) * 1982-04-15 1984-01-27 アライド・コ−ポレ−シヨン 電磁気装置用粉末コア−の製法
JPH0851010A (ja) * 1994-05-23 1996-02-20 Alps Electric Co Ltd 軟磁性合金圧密体とその製造方法および軟磁性合金圧密体形成用コーティング粉末
JPH09180924A (ja) * 1995-12-27 1997-07-11 Kobe Steel Ltd 圧粉磁心及びその製造方法
JPH10212503A (ja) * 1996-11-26 1998-08-11 Kubota Corp 非晶質軟磁性合金粉末成形体及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100650354B1 (ko) * 1999-09-09 2006-11-27 세이코 엡슨 가부시키가이샤 비정질 연자성체의 제조 방법
JP2010114222A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Tamura Seisakusho Co Ltd 圧粉磁心及びその製造方法
JP2012230948A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Toyota Central R&D Labs Inc 磁心用粉末、圧粉磁心およびその製造方法
US9767956B2 (en) 2012-11-20 2017-09-19 Seiko Epson Corporation Composite particle of soft-magnetic metallic material, method for producing composite particle, powder core, magnetic element, and portable electronic device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101945580B1 (ko) 자심용 분말의 제조 방법
KR100344268B1 (ko) 비정질연자성합금의가압분말성형체및그제조방법
JP2007092162A (ja) 高圧縮性鉄粉、およびそれを用いた圧粉磁芯用鉄粉と圧粉磁芯
JPH0851010A (ja) 軟磁性合金圧密体とその製造方法および軟磁性合金圧密体形成用コーティング粉末
JP2007251125A (ja) 軟磁性合金圧密体及びその製造方法
JPH02290002A (ja) Fe―Si系合金圧粉磁心およびその製造方法
KR20010067174A (ko) 비정질 연자성체의 제조 방법
JP4419829B2 (ja) 成形体の製造方法および成形体
JPH11158502A (ja) 複合粉末および複合粉末の成形方法
JPS61166902A (ja) アモルフアス合金粉末製電磁部品及びその製造方法
JP2007220876A (ja) 軟磁性合金圧密体及びその製造方法
JPS6321807A (ja) アモルフアス合金粉末製電磁部品及びその製造方法
JP2002151317A (ja) 圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法
JPH0534814B2 (ja)
JPS62250607A (ja) Fe−Si−A1系合金圧粉磁心の製造方法
JPH03278501A (ja) 軟質磁心材料およびその製造方法
WO2020179535A1 (ja) 磁性体粉末とその製造方法、及び磁心コアとその製造方法、並びにコイル部品
JPH0456702A (ja) 粉末冶金用原料粉およびその製造方法
JP2599284B2 (ja) 軟質焼結磁性材の製造方法
JP2000129307A (ja) 非晶質合金粉末の成形方法
JP7435456B2 (ja) FeSiCrC合金粉末及び磁心
JP2973390B2 (ja) 金属あるいは金属酸化物微粒子を分散させた金属の製造方法
JP3288571B2 (ja) 非晶質合金粉末のバルク成形体の製造方法
JPH10335124A (ja) 磁性材料粉末およびその製造方法
JP2003257722A (ja) 軟磁性粉末、それを用いた圧粉磁心