JPH11155500A - 密封加工食品の製造方法および装置 - Google Patents

密封加工食品の製造方法および装置

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JPH11155500A
JPH11155500A JP9338009A JP33800997A JPH11155500A JP H11155500 A JPH11155500 A JP H11155500A JP 9338009 A JP9338009 A JP 9338009A JP 33800997 A JP33800997 A JP 33800997A JP H11155500 A JPH11155500 A JP H11155500A
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JP
Japan
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heating
food
pressurized
food material
pressurizing
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JP9338009A
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Hiroshi Hoshino
弘 星野
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Frontier Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品材料を殺菌等のために大気圧よりも高い
加圧下で通電加熱し、袋等の容器に充填して密封し、密
封加工食品を製造するにあたって、無菌容器の用意や無
菌室の使用を不要とし、かつ工程時間の短縮を図る。ま
た加圧下の通電加熱時に均一に加熱し得るようにする。 【解決手段】 通電加熱のための加圧加熱槽内に撹拌手
段を設けて、通電加熱中に食品材料を撹拌して均一加熱
を図る。また加圧下で通電加熱した食品材料を、加圧状
態のまま高温で加圧室へ導入して、加圧室内で袋等の容
器への充填および容器の密封、冷却を行なうようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、殺菌や調理のた
めに加熱した食品を容器に密封した状態で消費者に供さ
れる容器入り密封加工食品を製造するための方法および
装置、特に食品材料を通電加熱(ジュール加熱)によっ
て加熱して容器に充填・シールする方法および装置と、
それに使用される加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シチューやカレー、雑炊、おでん、ある
いはスパゲッティのソース、その他の各種の食品として
は、加熱調理済みの食品あるいは殺菌済みの食品とし
て、袋その他の容器入りの密封加工食品として消費者に
供されることが多くなっている。このような密封加工食
品の代表的なものとしては、いわゆるレトルト食品があ
る。
【0003】従来の一般的な密封加工食品の製造方法と
しては、食品材料を袋等の容器内に充填して容器を密封
した後に加熱処理を行なうのが一般的であり、この場合
の加熱処理としては、殺菌と調理とを目的とすること
も、あるいは予め調理した食品に対して殺菌のみを目的
として行なうこともあった。またこの場合の加熱手段と
しては、レトルト食品に代表されるように、高温水蒸気
や熱湯を用いた蒸煮法を適用することが多かった。なお
この場合、殺菌を確実に行なうためには、100℃を越
える150℃程度の高温まで食品材料を加熱することが
望まれ、一方容器内の食品材料は大量の水を含んでいる
ところから、水の常圧沸点である100℃を越えて加熱
するためには、加熱雰囲気を大気圧よりも高くする必要
がある。そこで一般には大気圧よりも高い圧力を加えた
加圧下で加熱することが望まれている。
【0004】前述のような蒸煮法を適用した場合、密封
容器内の食品材料を外部からの熱伝導により加熱するた
め、密封容器内の食品材料の中心部まで充分に温度上昇
させて、確実に殺菌するためには著しい長時間を要す
る。特にカレーやおでんの如く比較的大きな固形物が存
在する場合には、その固形物の中心部まで充分に加熱し
て殺菌するためには長時間を要する問題があった。また
液状部分や小さな固形物は比較的速やかに温度上昇する
一方、大きな固形物の中心部は前述のように温度上昇が
遅くなるため、両者の温度履歴が異なることになり、そ
の結果食感、食味が損なわれてしまうこともあった。
【0005】ところで最近では食品材料の加熱方法の一
つとして、食品材料に直接通電して食品材料の有する電
気抵抗により発熱させる、いわゆる通電加熱(ジュール
加熱)が注目されている。通電加熱は、食品材料に通電
して食品材料自体を自己発熱させるため、外部からの熱
伝導を利用する前述の蒸煮法などと比較して、短時間で
急速に食品材料を加熱することができるという利点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように通電加熱
を利用して殺菌や調理のために食品材料を加熱して密封
加工食品を製造する場合には、食品材料を袋等の容器に
充填してから通電加熱しようとすれば、容器内に通電の
ための電極を挿入しまた通電加熱後に電極を容器から取
出し、その後に容器を密封する必要がある。しかしなが
ら加熱工程を自動化しようとする場合、上述のように容
器内へ電極を挿入しかつ通電加熱後に電極を取出す作業
を、確実かつ迅速に行ない得るように自動化すること
は、実際上は相当な困難を伴ない、特に容器が軟質な袋
の場合には極めて困難であった。さらに、既に述べたよ
うに100℃を越える高温に加熱するために、大気圧よ
りも高い加圧下において容器内に食品材料を充填してか
ら通電加熱する場合、容器内へ電極を挿入、離脱させる
ための駆動装置等も加圧室内に配置しなければならず、
そのため加圧室が大型化して高コスト化を招くばかりで
なく、加圧のための時間も長時間を要するようになって
能率が低下してしまう問題が生じる。
【0007】そこで通電加熱を利用して食品材料を加熱
して密封加工食品を製造する場合、食品材料を容器内に
充填する以前の段階で食品材料を加圧下で通電加熱して
おき、次いで食品材料を冷却してから常圧に戻し、袋等
の容器に加熱済みの食品材料を充填して容器を密封する
ことが考えられる。しかしながらこの場合は、袋等の容
器は高温に加熱されないから、予め殺菌した容器(無菌
容器)を用意しておく必要があり、また無菌室(クリー
ンルーム)内で充填、密封作業を行なう必要があり、そ
のためかえってランニングコスト、設備コストが高くな
ってしまう問題がある。またこの場合、食品材料を通電
加熱してから最終的に容器を密封するまでにかなりの時
間を要し、そのため製造能率を損なうばかりでなく、食
品の劣化を招き、たとえば変色したり風味が変わった
り、栄養成分の分解が生じたりするおそれがある。
【0008】一方、食品材料を通電加熱により加熱する
場合のメリットとしては、食品材料自体が内部から発熱
するため均一な加熱が可能であるという点があるが、実
際上は加熱槽内における通電のための電極と食品材料と
の位置関係、あるいは食品材料の成分が均一でないこと
(例えば固体食品と液体食品との混合物の場合など)な
どに起因して、加熱槽内で加熱すべき食品材料の全体に
均一に電流が流れるとは限らず、そのため加熱の不均一
を招いて、局部的に過加熱が生じたり、逆に局部的に加
熱不足を招いたりすることがあった。このような事態が
生じれば、過加熱によって食品材料の食感、食味が損な
われたり、あるいは栄養成分の分解が生じたりし、また
逆に加熱不足によって殺菌が充分に行なわれなかったり
して、密封加工食品として致命的な欠点を招くおそれが
ある。したがって通電加熱時において食品材料を均一に
加熱することは極めて重要な課題となっているが、この
点について従来の通電加熱を利用した食品材料の加熱装
置では未だ不充分であった。
【0009】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、通電加熱によって大気圧よりも高い圧力下で
食品材料を加熱してから袋等の容器内へ食品材料を充填
するにあたり、無菌容器やクリーンルームなどを不要と
して製造コスト低減を図るとともに工程時間を短縮して
食品の劣化を防止し、あわせて通電加熱時において食品
材料の全体を満遍なく均一に加熱し得るようにして、局
部的な過加熱や加熱不足が生じることがないようにした
方法および装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明の製造方法、装置では、基本的に
は、加圧下で通電加熱した後、冷却して常圧に戻すこと
なく、直ちに加圧室内に加熱済みの食品材料を導入して
加圧下で容器内に充填して密封し、その後加圧室から取
出すようにし、併せて通電加熱時において食品材料を撹
拌するようにした。
【0011】具体的には、請求項1の発明の密封加工食
品の製造方法は、食品材料を加圧加熱槽内に導入する段
階と、加圧加熱槽内に導入された食品材料を大気圧より
も高い圧力に加圧しかつ食品材料を撹拌しながら通電加
熱する段階と、加圧加熱槽内で通電加熱された食品材料
を、圧力を加えたまま加圧室内へ導く段階と、加圧室内
において大気圧よりも高い圧力下で食品材料を容器内へ
充填しさらに容器の開口部をシールする段階と、充填・
シール済の食品入り容器を前記加圧室内において冷却す
る段階と、加圧室から冷却済の食品入り容器を排出する
段階、とを有してなることを特徴とするものである。
【0012】このような請求項1の発明の密封加工食品
の製造方法では、加圧加熱槽内において大気圧よりも高
い圧力下で常圧沸点(100℃)を越える高温、例えば
150℃程度に通電加熱された食品材料は、一旦大気圧
に戻すことなく、そのまま加圧室に導入されて袋等の容
器内に充填されて密封(シール)される。そのため通電
加熱後に袋等の容器内へ食品材料を充填する際も100
℃以上の高温状態に保持することができるから、容器内
へ食品材料を充填することによって容器自体の内面も1
00℃を越える高温に加熱されて、容器自体の殺菌も行
なわれることになる。そのため特に無菌容器を用意して
おく必要がなくなり、また充填・シールを無菌室(クリ
ーンルーム)で行なう必要もなくなる。
【0013】また、加圧加熱槽内に充填された食品材料
は槽内で撹拌されながら通電加熱されるため、食品材料
全体を均一に満遍なく加熱することができる。
【0014】なおシール後の食品入り容器は、加圧室内
で100℃以下の温度に冷却されてから加圧室外へ排出
される。
【0015】そして請求項2の発明の密封加工食品の製
造方法は、前記加圧加熱槽として複数個の加圧加熱槽を
備えており、複数個の加圧加熱槽において食品材料の充
填と加熱済み食品材料の加圧室への導入を交互に行なう
ようにしたことを特徴とするものである。
【0016】このような請求項2の発明の方法において
は、複数個の加圧加熱槽のうち、ある加圧加熱槽に食品
材料を充填し(あるいはさらに通電加熱し)ている間
に、他の加圧加熱槽から通電加熱済みの食品材料を加圧
室内へ導いて容器への充填を行なうことができる。その
ため時間的なロスを少なくして能率を向上させることが
できる。
【0017】また請求項3の発明の密封加工食品の製造
装置は、食品材料を導入するための導入口および食品材
料を排出するための排出口を備えた加圧加熱槽と、前記
加圧加熱槽の導入口へ食品材料を供給するための食品材
料供給手段と、前記加圧加熱槽内に所定間隔を置いて配
設された少なくとも一対の通電加熱用電極と、前記加圧
加熱槽内の食品材料を撹拌するための撹拌手段と、前記
加圧加熱槽内を大気圧よりも高い圧力に加圧するための
加圧手段と、前記加圧加熱槽の排出口に連通する加圧室
と、前記加圧室内を大気圧よりも高い圧力に加圧するた
めの加圧手段と、前記加圧加熱槽の排出口から排出され
た食品材料が充填された容器を密封するために前記加圧
室内に配設されたシール手段と、充填・シール済の容器
を冷却するために前記加圧室内に配設された冷却手段、
とを有してなることを特徴とするものである。
【0018】このような請求項3の発明の密封加工食品
の製造装置においては、加熱対象となる食品材料は供給
手段により加圧加熱槽の導入口を介して加圧加熱槽内へ
導かれる。そして加圧加熱槽内を大気圧よりも高い圧力
に加圧した状態で撹拌手段により食品材料を撹拌しつ
つ、一対の通電加熱用電極間に電流を流して通電加熱を
行なう。通電加熱後には加熱済みの食品材料を加圧室へ
導いて、大気圧よりも高い圧力を維持したまま加圧室内
において袋等の容器に充填し、さらにその容器を密封
し、冷却することによって、加熱済みの密封加工食品を
得ることができる。
【0019】ここで、既に請求項1の発明について述べ
たと同様に、加圧加熱槽内において大気圧よりも高い圧
力下で常圧沸点(100℃)以上の高温、例えば150
℃程度に通電加熱された食品材料は、一旦大気圧に戻す
ことなく、そのまま加圧室に導入されて袋等の容器内に
充填しかつ密封することができるから、通電加熱後に袋
等の容器内へ食品材料を充填する際も100℃以上の高
温状態に保持することができ、そのため容器内へ食品材
料を充填することによって容器自体の内面の殺菌も行な
うこともできる。したがって特に無菌容器を用意してお
く必要がなくなり、また充填・シールを無菌室(クリー
ンルーム)で行なう必要もなくなる。
【0020】また、加圧加熱槽内に充填された食品材料
を槽内で撹拌しながら通電加熱することができるため、
食品材料全体を均一に満遍なく加熱することができる。
【0021】そして請求項4の発明の密封加工食品の製
造装置は、請求項3に記載の製造装置において、前記加
圧加熱槽として複数個の加圧加熱槽を有しており、各加
圧加熱槽の排出口を順次前記加圧室に連通させるべく加
圧加熱槽を順次移動させる構成としたことを特徴とする
ものである。
【0022】このような請求項4の発明の装置において
は、複数個の加圧加熱槽のうち、ある加圧加熱槽に食品
材料を充填し(あるいはさらに通電加熱し)ている間
に、他の加圧加熱槽から通電加熱済みの食品材料を加圧
室内へ導いて容器への充填を行なうことができる。その
ため時間的なロスを少なくして能率を向上させることが
できる。
【0023】さらに請求項5〜請求項9の各発明の密封
加工食品製造用の食品加熱装置は、請求項1もしくは請
求項2の発明の密封加工食品製造方法における通電加熱
段階で使用される加熱装置について規定したものであ
る。
【0024】すなわち請求項5の発明の食品加熱装置
は、食品材料を導入するための導入口および加熱済みの
食品材料を排出するための排出口を備えた加圧加熱槽
と、前記加圧加熱槽内に所定間隔を置いて配設された少
なくとも一対の通電加熱用電極と、前記加圧加熱槽内の
食品材料を撹拌するための撹拌手段と、前記加圧加熱槽
内を大気圧よりも高い圧力に加圧するための加圧手段と
を有してなることを特徴とするものである。
【0025】また請求項6の発明の食品加熱装置は、請
求項5に記載の食品加熱装置において、前記加圧加熱槽
が垂直な軸線を中心とする筒状に作られ、かつ前記通電
加熱用電極が、加圧加熱槽の上部に設けられた上部電極
と、加圧加熱槽の下部に設けられた下部電極とからなる
ことを特徴とするものである。
【0026】一方請求項7の発明の食品加熱装置は、請
求項5に記載の食品加熱装置において、前記加圧加熱槽
が垂直な軸線を中心とする筒状に作られ、かつ前記通電
加熱用電極が、加圧加熱槽の中心軸線を挟んで水平方向
に相互に対向する一対の対向電極からなることを特徴と
するものである。
【0027】そしてまた請求項8の発明の食品加熱装置
は、請求項5に記載の食品加熱装置において、前記撹拌
手段が、加圧加熱槽内において回転する回転撹拌体によ
って構成されていることを特徴とするものである。
【0028】さらに請求項9の発明の食品加熱装置は、
請求項5に記載の食品加熱装置において、前記撹拌手段
が、加圧加熱槽内において進退する進退撹拌体によって
構成されていることを特徴とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
【0030】
【実施例】図1にはこの発明の密封食品製造装置の全体
構成の一例を示し、図2、図3には図1の装置における
加圧加熱槽の部分(食品加熱装置)の一例を示し、さら
に図4には図1の装置における加圧室の入口部分の構成
の一例を示す。
【0031】図1において、原料槽1は殺菌もしくは調
理のために加熱すべき食品材料を収容したものである。
ここで食品材料としては、液体状の食品あるいは液体状
食品と固体食品との混合材料など、流動性を有するもの
が対象となる。
【0032】前記原料槽1内の食品材料は、食品材料供
給手段としてのポンプ3などの圧送装置により供給管5
および回転接続部7を介して分岐配管9A,9Bに導か
れ、さらに開閉弁11A,11Bおよび可撓性配管部1
3A,13Bを介して加圧加熱槽15A,15Bに導か
れる。前記分岐配管9A,9Bから加圧加熱槽15A,
15Bまでの部分は、回転部23とされて、垂直な回転
軸線17を中心としてモータや減速機などからなる回転
駆動手段19により、間欠的に水平面内を正逆両方向へ
回転せしめられるように構成されている。なお一対の加
圧加熱槽15A,15Bは、回転中心軸線17を基準と
して対称な位置に配設されている。さらに加圧加熱槽1
5A,15Bは、回転部23内において昇降アーム25
によって支持されていて、流体圧シリンダなどの昇降駆
動手段27により昇降せしめられるように構成されてい
る。
【0033】さらに前記加圧加熱槽15A,15Bの具
体的構成について図2および図3を参照して説明する。
但し図2、図3は一方の加圧加熱槽15Aについてのみ
示しているが、他方の加圧加熱槽15Bも全く同様な構
成とされる。
【0034】図2、図3において、加圧加熱槽15A
は、全体として垂直な円筒状とされており、その上端部
の偏心位置には、前述のような原料槽1から導かれた食
品材料が導入される導入口29が形成され、下端部中央
には加熱済みの食品材料を排出するための排出口31が
形成されている。導入口29には図示しない弁駆動手段
により開閉される導入開閉弁33が設けられ、また排出
口31には、図示しない弁駆動手段により開閉される排
出開閉弁37、例えばボール弁が設けられている。なお
加圧加熱槽15A,15Bにおける下端部分は、排出口
31、排出開閉弁37に連通して下方へ突出するノズル
部16とされている。
【0035】加圧加熱槽15Aの周壁部分の上端近くに
は導電材料からなる上部電極39が設けられており、下
端部分には同じく導電材料からなる下部電極41が設け
られている。これらの上部電極39、下部電極41は、
図示の例では加圧加熱槽15Aの周壁構造部分をなす円
筒体の一部を構成するように短環状の部材によって作ら
れているが、場合によっては加圧加熱槽15Aの周壁構
造部分をなす円筒体の内面に導電性材料からなる部材を
設けた構成としても良い。なお加圧加熱槽15Aにおい
てその内面側に露呈する部分のうち、上部電極39、下
部電極41以外の部分はプラスチック等の非導電性材料
で構成される。
【0036】さらに加圧加熱槽15Aには、槽内に充填
された食品材料を撹拌するための撹拌手段43が設けら
れている。この撹拌手段43は、加圧加熱槽15Aの外
部上方に配設されたモータや減速機などからなる撹拌駆
動装置45と、この撹拌駆動装置45によって軸中心に
回転せしめられる撹拌軸47と、その撹拌軸47に取付
けられた一対の第1撹拌体49A,49Bおよび第2撹
拌体51A,51Bとによって構成されている。前記撹
拌軸47は、加圧加熱槽15Aの上部中央から加圧加熱
槽15A内へその中心軸線位置に沿って鉛直に挿入され
ている。また前記一対の第1撹拌体49A,49Bは、
例えば全体として縦長のブレード状に作られたものであ
って、その先端(プレート部)が加圧加熱槽15Aの内
周面の対称位置に垂直方向に沿って接するように設けら
れている。また前記一対の第2撹拌体51A,51B
も、例えば長板状に作られたものであって、加圧加熱槽
15Aの内周面よりも内側の位置において、垂直な軸線
に対し小角度だけ傾斜するように軸対称に交叉状に設け
られている。
【0037】また加圧加熱槽15Aの上部には加圧孔5
3および放出孔54が設けられており、この加圧孔53
は、加圧開閉弁55を介して窒素ガス源等の加圧源57
に接続され、また放出孔54は放出開閉弁59を介して
大気圧放出口60に連通されている。
【0038】再び図1に戻れば、前記加圧加熱槽15
A,15Bの下方の位置には、加圧室61が配設されて
いる。この加圧室61は、内部にシール手段63および
冷却手段としての冷却槽65を備えたものであって、加
圧制御弁67を介して窒素ガス源などの加圧源69に接
続されて、内部が大気圧よりも高い圧力に加圧されるよ
うになっている。そして加圧室61の上部の所定位置に
は、前記加圧加熱槽15A,15Bの下端ノズル部16
が挿入される挿入部71が設けられており、この挿入部
71には、圧力遮断弁72が設けられている。この圧力
遮断弁72は、加圧室61の内部の圧力を大気に対して
遮断するためのものである。さらに挿入部71の下方に
は前述のシール手段63が配設されている。
【0039】ここで、既に述べたように加圧加熱槽15
A,15Bは垂直な軸線を中心として間欠的に正逆両方
向へ回転せしめられるように構成されているが、その加
圧加熱槽15A,15Bの所定の停止位置における下端
ノズル部16の下方に前記挿入部71が位置するように
加圧室61の位置が定められている。そしてまた加圧加
熱槽15A,15Bと加圧室61との上下関係は、加圧
加熱槽15A,15Bが上昇位置にある際には加圧室6
1が加圧加熱槽15A,15Bの水平面内回転の妨げと
ならないよう、また加圧加熱槽15A,15Bが下降位
置にある際にはいずれかの加圧加熱槽15A,15Bの
ノズル部16が挿入部71に挿入されるように定められ
ている。
【0040】前記シール手段63は、加圧加熱槽15
A,15Bから排出された加熱済み食品材料が充填され
た袋等の容器を密封(シール)するためのものであり、
従来公知のシール機構と同様な構成であれば良い。すな
わち容器、例えば袋を、その上部開口端を開口させた状
態で垂直に保持しておき、加圧加熱槽15A,15Bか
らの加熱済みの食品材料を容器内に受入れた後、容器の
開口部を加圧加熱シールなどにより密封する構成とすれ
ば良い。
【0041】前記冷却槽65は、シール手段63によっ
て密封された容器入り食品を冷却するためのものであっ
て、冷却水を収容するとともに、コンベヤ等の搬送機構
73を備えたものであって、その冷却槽65の一端、す
なわち搬送機構73による搬送方向前端部が加圧室61
の端部から外部へ突出し、かつその突出端は容器取出口
77とされ、その容器取出口77の手前の部分に水封式
ロータリーバルブ75が設けられている。
【0042】さらに図4には、加圧室61における挿入
部71付近の具体的構成の一例を示す。
【0043】図4において、挿入部71には、前記加圧
加熱槽15Aの下端ノズル部16が上方から気密に挿入
される挿入口71Aが形成されており、この挿入口71
Aの下部には前記圧力遮断弁としてボール弁72が設け
られており、さらにこのボール弁72の下部は充填ノズ
ル71Bとされている。ここで、充填ノズル71Bは、
例えば袋状の容器74の開口端部74Aを受けるように
作られている。
【0044】以上のような図1〜図4に示される実施例
の密封加工食品製造装置において、原料槽1内の食品材
料は、ポンプ3により圧送されて、供給管5および回転
接続部7を介して分岐配管9A,9Bに送られる。ここ
で、開閉弁11A,11Bのいずれか一方、例えば11
Aが開放されれば、可撓性配管部13Aを介して一方の
加圧加熱槽15Aに食品材料が充填される。なおこの状
態では加圧加熱槽15Aの導入開閉弁33は開放され、
排出開閉弁37は閉じられている。またこの状態では加
圧孔53に連通する加圧開閉弁55は閉じられ、放出孔
54に連通する放出開閉弁59は開放されており、した
がって加圧加熱槽15A内に残っていた空気は、その加
圧加熱槽15A内に充填される食品材料によって押出さ
れて、大気圧放出口60から大気中へ放出される。
【0045】加圧加熱槽15A内に食品材料が充填され
れば、放出孔54に通じる放出開閉弁59が閉じられる
一方、加圧開閉弁55が開放され、加圧源57から窒素
ガス等のガスが加圧加熱槽15A内に加えられ、加圧加
熱槽15A内の圧力が大気圧よりも高い圧力に加圧され
る。その後、上部電極39と下部電極41との間に商用
交流電流もしくは高周波電流を通電すれば、加圧加熱槽
15A内の食品材料は両電極39,41に接しているか
ら、食品材料中に電流が流れて発熱する。すなわち大気
圧よりも高い圧力下で通電加熱がなされて、食品材料が
100℃を越える高温、例えば150℃程度に加熱され
る。このとき、撹拌手段43の撹拌駆動装置45を作動
させ、第1撹拌体49A,49B、第2撹拌体51A,
51Bを回転させる。これによって加圧加熱槽15A内
の食品材料が撹拌される。ここで、第1および第2撹拌
体のうち、加圧加熱槽15Aの内周面に接している第1
撹拌体49A,49Bは、加圧加熱槽15Aの内周面近
くにおいて食品材料を撹拌すると同時に、加圧加熱槽1
5Aの内周面に付着した食品材料を掻き落とす作用をも
果たす。一方第2撹拌体51A,51Bは、軸対称の位
置で反対方向に傾斜しているため、食品材料を押上げ、
押下げて、上下方向に撹拌流動させる作用を果たす。
【0046】このようにして大気圧よりも高い圧力下に
おいて加圧加熱槽15A内において食品材料を撹拌しな
がら所定時間だけ通電加熱した後、回転駆動手段19を
作動させて、加圧加熱槽15A,15Bを水平面内にお
いて所定方向へ180°だけ回転させ、食品材料が充填
されかつ通電加熱が終了した加圧加熱槽15Aを加圧室
61の挿入部71の上方位置に至らしめる。その位置で
回転駆動手段19の動作を停止させ、次いで昇降駆動手
段27を作動させて加圧加熱槽15A,15Bを下降さ
せる。これによって加圧加熱槽15Aの下端ノズル部1
6が加圧室61の挿入部71における挿入口71A内へ
気密に挿入される。なおこの状態では、予め加圧室61
内は大気圧よりも高い圧力に加圧されているものとす
る。そして前述のようにノズル部16が挿入口71A内
に気密に挿入された後、圧力遮断弁72を開放して、排
出開閉弁37と圧力遮断弁72との間の空間の圧力を高
め、続いて排出開閉弁37を開放させる。これにより加
圧加熱槽15A内の通電加熱済みの食品材料が大気圧よ
りも高い圧力に加圧されたままノズル部16から加圧室
61の挿入口71A、圧力遮断弁72を経て充填ノズル
71Bから加圧室61内へ導入される。このとき、充填
ノズル71Bに対しては袋等の容器74が開口している
から、食品材料は容器74内に充填される。なおこの
際、加圧加熱槽15A内の食品材料は、自重によって排
出させても、あるいは前述の加圧源57からの加圧力に
より積極的に押出して排出しても良い。またこの際、撹
拌手段43は通電加熱時と同様に作動させることが望ま
しい。すなわち、両撹拌体49A,49B;51A,5
1Bを回転させながら食品材料を排出させることによ
り、その排出が円滑に行なわれ、特に加圧加熱槽15A
の内周面に付着した食品材料を第1撹拌体49A,49
Bによって掻き落として、これを確実に排出させること
ができる。
【0047】前述のようにして加圧室61内において袋
等の容器74内に加熱済みの食品材料を充填した後、シ
ール手段63によって容器の開口端部をシールし、さら
にその容器を冷却槽65に投入し、搬送機構73によっ
て搬送しながら100℃よりも低い温度、例えば室温ま
で冷却し、その後水封式ロータリーバルブ75および容
器取出口77を経て外部へ食品入り密封容器を取出す。
【0048】ここで、食品材料が加圧加熱槽15Aから
排出されて袋等の容器74に充填されるまでの間も雰囲
気圧力は大気圧よりも高い圧力となっているから、10
0℃を越える高温の食品材料の液体部分が沸騰してしま
うことを有効に防止でき、100℃を越える高温、例え
ば150℃程度のままで袋等の容器74に充填すること
ができる。その後、食品材料が充填された容器を密封
し、冷却槽65に投入して冷却する迄の間も大気圧より
も高い圧力に加圧されているから、密封工程でも内部の
食品材料が沸騰してしまうことを防止できる。そして上
述のように容器74内へ100℃よりも高い温度で食品
材料を充填して容器74を密封する過程では、その高温
の食品材料が容器74の内面に接するため、容器74の
内面の殺菌も確実に行なうことができる。なお場合によ
っては密封後の容器を傾けたり反転させたりすることに
よって、容器の開口端付近の内面にも高温の食品材料を
確実に接触させても良く、これによって容器の開口端付
近の内面をも確実に殺菌することが可能となる。
【0049】一方、容器取出口77から取出された食品
入り容器は大気圧下に曝されることになるが、この時点
では既に述べたように100℃より低い温度に冷却され
ているため、内部食品材料の沸騰の問題は生じない。
【0050】なおここで、前述のようにして一方の加圧
加熱槽15A内に食品材料が充填された後には、その加
圧加熱槽15A内からの加圧室61の側への加熱済みの
食品材料の排出が終了する以前の適宜の段階で、他方の
加圧加熱槽15B内への食品材料の充填を開始する。そ
してその加圧加熱槽15Bへの充填終了後、その加圧加
熱槽15B内で食品材料の通電加熱を行なっておく。
【0051】そして一方の加圧加熱槽15A内の通電加
熱済みの食品材料の排出が終了した段階で、加圧加熱槽
15A,15Bを昇降駆動手段27により上昇させ、そ
の上昇位置において回転駆動手段19により水平面内を
前述の場合とは逆の方向へ180°回転させ、他方の加
圧加熱槽15Bを加圧室61の挿入部71上方に位置さ
せる。この時には既に加圧加熱槽15B内の食品材料の
通電加熱は終了しているから、昇降駆動手段27により
加圧加熱槽15A,15Bを下降させて加圧加熱槽15
Bの下端ノズル部16を加圧室61における挿入部71
の挿入口71Aに挿入し、前記同様の手順により加圧加
熱槽15B内の通電加熱済みの食品材料を排出して加圧
室61内において袋等の容器74への充填、シール、冷
却を行ない、最終的に食品入り密封食品容器として取出
す。
【0052】以上のようにして、一対の加圧加熱槽15
A,15Bへの食品材料の充填を交互に行ない、また加
圧加熱槽15A,15Bからの通電加熱済みの食品材料
の排出を交互に行なうことによって、いわゆるバッチ連
続方式で密封食品を連続的に製造することができる。
【0053】ここで、加圧加熱槽15A,15Bでの通
電加熱は、加圧加熱槽15A,15Bが停止している期
間のみ行なっても良く、あるいは水平面内を回転してい
る期間中に行なっても良く、さらには停止期間から回転
期間中にかけて行なっても良い。
【0054】また図示の例では、加圧加熱槽15A,1
5Bを2槽だけ設けた構成としているが、2槽以上の任
意の数、例えば3槽、あるいは4槽のものを、垂直な回
転軸線17を中心として放射状の各位置に配設した構成
としても良いことはもちろんである。この場合、3槽以
上の加圧加熱槽に対しては逐次食品材料の充填を行な
い、通電加熱が終了した加圧加熱槽が順次前述のように
加圧室61の挿入部71に位置するように、その加圧加
熱槽の数に対応する角度だけ順次回転させるように構成
すれば良い。
【0055】さらに前述の例では加圧加熱槽15A,1
5Bを正逆両方向へ回転させる構成としているが、場合
によっては一方向へのみ回転するように構成することも
できる。
【0056】なおまた、図示の例では加圧加熱槽15
A,15B内の加圧を、加圧加熱槽15A,15Bに形
成された加圧孔53を通じて行なうようにしているが、
場合によっては食品材料供給管5の側から圧力を加える
ようにしても良い。この場合、ポンプ3の圧送力を利用
して加圧しても、あるいは食品材料供給管5の中途から
別途窒素ガス等の加圧ガスを導入しても良い。
【0057】さらに、加圧室61内の冷却槽65は、通
常は室温程度の冷却水、例えば水道水を用いて冷却する
ように構成すれば良いが、食品の種類や用途等によって
は、数十℃程度の温度の温湯を用いても良いことはもち
ろんである。
【0058】なお前述の実施例では、下部電極41を上
部電極39と同様に環状に形成しているが、下部電極4
1は加圧加熱槽15A(15B)の内底面に平板状に設
けた構成としても良く、その場合の例を図5に示す。
【0059】図5において、下部電極41は中央に開口
部41Aを形成した円盤状に作られており、加圧加熱槽
15A(15B)の下底面に配設され、その開口部41
Aが排出口31に連通するようになっている。
【0060】さらに図5の例では、撹拌手段43も図2
に示される例とは異なる構成とされている。すなわち図
5において、撹拌手段43は、加圧加熱槽15A(15
B)の内周面に沿って螺旋状に配設された第1撹拌体4
9Cと、加圧加熱槽15A(15B)の中心軸線位置近
くの位置において撹拌軸47の外周面にスパイラル状に
設けられた第2撹拌体51Cとによって構成されてい
る。なお第1撹拌体49Cの螺旋方向と第2撹拌体51
Cの螺旋方向とは互いに反対方向となるように定められ
ている。例えば図示の例では、第1撹拌体49Cは右ネ
ジ方向、第2撹拌体51Cは左ネジ方向に定められてい
る。また第1撹拌体49Cは、例えば支持アーム49D
などによって撹拌軸47に連結、支持されている。
【0061】図5に示すような撹拌手段43を用いれ
ば、第1撹拌体49Cと第2撹拌体51Cの螺旋方向が
互いに反対方向となっているため、撹拌軸47によって
各撹拌体49C,51Cを例えば上方から見て時計方向
へ回転させれば、図示の例では第1撹拌体49Cは加圧
加熱槽15A(15B)の周辺部において食品材料を上
方へ押上げ、第2撹拌体51Cは加圧加熱槽15A(1
5B)の中央近くにおいて食品材料を下方へ押下げるか
ら、槽内に上下方向に強制的に対流を生ぜしめることが
できる。したがってこの例では、上下方向の撹拌を確実
に行なうことができる。なお第1撹拌体49Cは加圧加
熱槽15A(15B)の内周面に接しているから、その
内周面に付着している食品材料を掻き上げる作用も果た
す。
【0062】さらに下部電極41を加圧加熱槽15A
(15B)の下底面に平板状に設ける場合、その下部電
極41を排出開閉弁と兼ねることができ、その場合の例
を図6に示す。
【0063】図6において、下部電極41は加圧加熱槽
15A(15B)の底面全体を覆う平板状に作られてお
り、かつこの下部電極41は、水平方向に進退摺動可能
に保持されている。そして加圧加熱槽15A(15B)
の外部には、下部電極41を水平方向へ進退させるため
の流体圧シリンダなどの駆動装置91が設けられてい
る。一方加圧加熱槽15A(15B)の底部中央、すな
わち前記下部電極41により覆われる部分には排出口3
1が形成されている。
【0064】図6に示されるような加圧加熱槽15A
(15B)においては、食品材料を槽内へ充填する間お
よび通電加熱の間は下部電極41を図6に示す前進位
置、すなわち排出口31を閉じる位置に設定しておく。
そして通電加熱後に食品材料を排出させる際には駆動装
置91を作動させて下部電極41を後退させ、排出口3
1を槽内に露出させる。すなわち排出口31を開放させ
る。これによって食品材料を槽内から排出させ得る状態
となる。そして排出終了後には、再び駆動装置91を作
動させて下部電極41を前進させ、排出口31を閉じれ
ば良い。したがって下部電極41自体が排出口31を開
閉するための開閉手段を兼ねていることになる。
【0065】なお図6の例では下部電極41を水平方向
へ直線的に進退させる構成となっているが、場合によっ
ては水平面内を回動させることにより排出口31を開閉
する構成としても良く、この場合には駆動手段としてモ
ータ等の回転駆動源を用いることができる。
【0066】さらに前述の各実施例では、撹拌手段43
として、回転によって撹拌するタイプの撹拌体(回転撹
拌体)49A,49B;51A,51Bあるいは49
C,51Cを用いた構成としているが、撹拌手段43の
具体的構成としては、回転型撹拌体に限らず、例えばピ
ストンタイプの撹拌体(進退撹拌体)を用いることもで
き、その例を図7に示す。
【0067】図7において、加圧加熱槽15A(15
B)内にはその内周面に接した状態で上下方向へ摺動可
能な押出用ピストン81が配設されており、この押出用
ピストン81は加圧加熱槽15A(15B)の上部を垂
直に貫通する中空な第1進退軸83Aおよび支持枠85
を介して加圧加熱槽15A(15B)の上方に配設され
た流体圧シリンダなどの押出用進退駆動装置87の駆動
軸87Aに連結されている。また加圧加熱槽15A(1
5B)内には、前記押出用ピストン81よりも下側の位
置に、例えば円盤状をなす進退撹拌体89が上下方向へ
進退可能に配設されており、この進退撹拌体89は、前
記第1進退軸83Aの中空部を垂直に貫通する第2進退
軸83Bを介して前記支持枠85に固定された流体圧シ
リンダなどの撹拌用進退駆動装置90の駆動側に連結さ
れている。ここで、進退撹拌体89は、その外径が加圧
加熱槽15A(15B)の内径よりも若干小さくなるよ
うに作られており、これにより進退撹拌体89の外周面
と加圧加熱槽15A(15B)の内周面との間には食品
材料が上下に流動し得る隙間Gが形成されている。また
進退撹拌体89にはその上下に貫通する複数の貫通孔8
9Aが形成されている。
【0068】図7に示す加圧加熱槽15A(15B)に
おいては、食品材料充填時および通電加熱時には押出用
ピストン81は最上端で停止している。また進退撹拌体
89は、通電加熱時には上下方向へ往復進退させる。こ
れによって加圧加熱槽15A(15B)間の食品材料は
進退撹拌体89の周囲の隙間Gを通って強制的に上下方
向へ流動せしめられ、撹拌が行なわれる。なお進退撹拌
体89自体に形成された複数の貫通孔89Aにも食品材
料が入り込むから、通電加熱時にはその部分にも電流が
流れることになる。そのため上部電極39と下部電極4
1との間における食品材料中の電流の流れを均一化する
ことができる。
【0069】通電加熱後に加熱済の食品材料を排出する
にあたっては、排出口31を開放させ(すなわち図7の
例では、図6の例と同様に下部電極41を後退させて排
出口31を露呈させ)て、押出用ピストン81を進退撹
拌体89とともに下降させる。これによって加圧加熱槽
15A(15B)内の食品材料は下方へ押下げられて、
排出口31から強制的に排出されることになり、円滑に
排出および容器等の袋への充填を行なうことができる。
【0070】なお、図7の例では進退撹拌体89の外径
を加圧加熱槽15A(15B)の内径よりも小さく設定
することによって進退撹拌体89の外周側に食品材料が
流動する隙間Gを形成しているが、場合によっては図8
に示すように進退撹拌体89の外径を加圧加熱槽15A
(15B)の内径と実質的に同径として両者が摺接する
ように構成するとともに、進退撹拌体89を上下に貫通
する貫通孔89Aの内径を大径化しておき、進退撹拌体
89の昇降に伴ないその貫通孔89Aを通って食品材料
が上下に円滑に移動して撹拌が行なわれように構成して
も良い。
【0071】以上の各例において、加圧加熱槽15A
(15B)における撹拌手段43と下部電極41との組
合せは、図示の各例に限定されるものではなく、他の組
合せ、例えば図5中に示される撹拌手段43に対して図
2に示される下部電極43もしくは図6に示される排出
開閉弁を兼ねる下部電極41を組合せも良い。あるいは
また、図7もしくは図8に示される撹拌手段43(進退
撹拌体89)に対して図2もしくは図5に示される下部
電極41を組合せることもできる。そのほか、撹拌手段
43および下部電極41の具体的な構造、形状は、図示
の各例に限定され得ないことはもちろんである。
【0072】さらに以上の各例では、加圧加熱槽15
A,15B内において食品材料を通電加熱するための電
極として、加圧加熱槽の上部と下部にそれぞれ上部電極
39、下部電極41を設けているが、通電加熱用の電極
は、このように上下に設ける場合に限らず、例えば加圧
加熱槽15A,15Bの垂直中心軸線を中心として左右
対称に設けて、水平方向に相互に対向するように配設し
ても良く、その場合の例を図9、図10に示す。
【0073】図9、図10において、加圧加熱槽15A
(15B)の周壁部分内面には、その加圧加熱槽15A
(15B)の周方向に沿って湾曲しかつ水平方向に相互
に対向する左右一対の対向電極93,95が設けられて
いる。その他の構成は図2、図3の例と全く同様であ
る。
【0074】なお電極として図9、図10に示されるよ
うな対向電極93,95を用いた場合も、これに組合せ
る撹拌手段43の具体的構成は図2、図3に示されるも
のに限らず、図5に示される撹拌手段、あるいは図7ま
たは図8に示される撹拌手段を用いても良いことはもち
ろんである。
【0075】
【発明の効果】この発明の方法、装置によれば、食品材
料を通電加熱するにあたって、大気圧よりも高い圧力下
で通電加熱した後には、冷却して常圧へ戻すことなく直
ちに加圧室で食品材料を袋等の容器に充填して密封する
ため、容器への充填時に食品材料を100℃を越える高
温で容器内に充填することができ、そのため容器内をも
殺菌することができるから、容器として予め殺菌したも
のを用意しておく必要がなくなるとともに、容器への充
填やシールを無菌室(クリーンルーム)内で行なう必要
がなく、そのためランニングコスト、設備コストが低
く、低コストで密封加工食品を製造することができる。
【0076】また、加圧下での通電加熱後、充填・シー
ルまでの間に冷却して常圧へ戻す工程がないため、容器
の密封までの時間が短縮され、そのため製造能率が向上
するばかりでなく、食品材料が劣化したりするおそれも
少ない。さらに、通電加熱時には食品材料が加圧加熱槽
内で撹拌されるため、加圧加熱槽内の食品材料を満遍な
く均一に通電加熱することができ、そのため局部的な過
加熱や加熱不足を生じたりすることが少ないから、過加
熱による食品材料の劣化を招いたり、加熱不足による殺
菌不良を招いたりすることがなく、常に良質な密封加工
食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施するための装置の一例の
全体構成を示す略解図である。
【図2】図1の装置に使用される食品加熱装置(加圧加
熱槽の部分)の一例を示す縦断面図である。
【図3】図2のIII−III線における横断平面図で
ある。
【図4】図1の装置における加圧加熱槽の挿入部付近の
構成の一例を示す縦断面図である。
【図5】図1の装置に使用される食品加熱装置(加圧加
熱槽の部分)の他の例、特に撹拌手段の他の例を示すた
めの縦断面図である。
【図6】図1の装置に使用される食品加熱装置(加圧加
熱槽の部分)のさらに他の例、特に下部電極および下部
電極の他の例を示すための縦断面図である。
【図7】図1の装置に使用される食品加熱装置(加圧加
熱槽の部分)の別の例、特に撹拌手段の別の例を示すた
めの縦断面図である。
【図8】図7の加圧加熱槽における撹拌手段の変形例を
示すための縦断面図である。
【図9】図1の装置に使用される食品加熱装置(加圧加
熱槽の部分)のさらに別の例、特に電極として対向電極
を用いた例を示すための縦断面図である。
【図10】図9のX−X線における横断平面図である。
【符号の説明】
3 食品材料供給手段としてのポンプ 15A,15B 加圧加熱槽 29 導入口 31 排出口 39 上部電極 41 下部電極 43 撹拌手段 49A,49B,49C 第1撹拌体 51A,51B,51C 第2撹拌体 61 加圧室 63 シール手段 65 冷却手段としての冷却槽 71 挿入部 77 取出口 89 進退撹拌体 93,95 対向電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品材料を加圧加熱槽内に導入する段階
    と、 加圧加熱槽内に導入された食品材料を大気圧よりも高い
    圧力に加圧しかつ食品材料を撹拌しながら通電加熱する
    段階と、 加圧加熱槽内で通電加熱された食品材料を、圧力を加え
    たまま加圧室内へ導く段階と、 加圧室内において大気圧よりも高い圧力下で食品材料を
    容器内へ充填しさらに容器の開口部をシールする段階
    と、 充填・シール済の食品入り容器を前記加圧室内において
    冷却する段階と、 加圧室から冷却済の食品入り容器を排出する段階、とを
    有してなることを特徴とする密封加工食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加圧加熱槽として複数個の加圧加熱
    槽を備えており、複数個の加圧加熱槽において食品材料
    の充填と加熱済み食品材料の加圧室への導入を交互に行
    なうようにしたことを特徴とする密封加工食品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 食品材料を導入するための導入口および
    食品材料を排出するための排出口を備えた加圧加熱槽
    と、 前記加圧加熱槽の導入口へ食品材料を供給するための食
    品材料供給手段と、 前記加圧加熱槽内に所定間隔を置いて配設された少なく
    とも一対の通電加熱用電極と、 前記加圧加熱槽内の食品材料を撹拌するための撹拌手段
    と、 前記加圧加熱槽内を大気圧よりも高い圧力に加圧するた
    めの加圧手段と、 前記加圧加熱槽の排出口に連通する加圧室と、 前記加圧室内を大気圧よりも高い圧力に加圧するための
    加圧手段と、 前記加圧加熱槽の排出口から排出された食品材料が充填
    された容器を密封するために前記加圧室内に配設された
    シール手段と、 充填・シール済の容器を冷却するために前記加圧室内に
    配設された冷却手段、とを有してなることを特徴とする
    密封加工食品の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造装置において、 前記加圧加熱槽として複数個の加圧加熱槽を有してお
    り、各加圧加熱槽の排出口を順次前記加圧室に連通させ
    るべく加圧加熱槽を順次移動させる構成としたことを特
    徴とする密封加工食品の製造装置。
  5. 【請求項5】 食品材料を導入するための導入口および
    加熱済みの食品材料を排出するための排出口を備えた加
    圧加熱槽と;前記加圧加熱槽内に所定間隔を置いて配設
    された少なくとも一対の通電加熱用電極と;前記加圧加
    熱槽内の食品材料を撹拌するための撹拌手段と;前記加
    圧加熱槽内を大気圧よりも高い圧力に加圧するための加
    圧手段;とを有してなることを特徴とする、密封加工食
    品製造用の食品加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の食品加熱装置におい
    て、 前記加圧加熱槽が垂直な軸線を中心とする筒状に作ら
    れ、かつ前記通電加熱用電極が、加圧加熱槽の上部に設
    けられた上部電極と、加圧加熱槽の下部に設けられた下
    部電極とからなることを特徴とする、密封加工食品製造
    用の食品加熱装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の食品加熱装置におい
    て、 前記加圧加熱槽が垂直な軸線を中心とする筒状に作ら
    れ、かつ前記通電加熱用電極が、加圧加熱槽の中心軸線
    を挟んで水平方向に相互に対向する一対の対向電極から
    なることを特徴とする、密封加工食品製造用の食品加熱
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の食品加熱装置におい
    て、 前記撹拌手段が、加圧加熱槽内において回転する回転撹
    拌体によって構成されていることを特徴とする、密封加
    工食品製造用の食品加熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の食品加熱装置におい
    て、 前記撹拌手段が、加圧加熱槽内において進退する進退撹
    拌体によって構成されていることを特徴とする、密封加
    工食品製造用の食品加熱装置。
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