JPH11154618A - 積層インダクタの製造方法 - Google Patents

積層インダクタの製造方法

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JPH11154618A
JPH11154618A JP9319493A JP31949397A JPH11154618A JP H11154618 A JPH11154618 A JP H11154618A JP 9319493 A JP9319493 A JP 9319493A JP 31949397 A JP31949397 A JP 31949397A JP H11154618 A JPH11154618 A JP H11154618A
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Yasushi Inoue
泰史 井上
Mitsuhiro Takayama
光広 高山
Hiroyuki Mogi
宏之 茂木
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラックの発生及び強度の低下を低減すると
共に、絶縁体層と内部導体との間に空隙を設けることな
く応力歪みを生じない積層インダクタの製造方法を提供
する。 【解決手段】 スルーホールを形成した磁性体シート2
2-1〜22-n及びスルーホールを形成していない磁性体
シートの表面にAg 等の導体ペーストで導体パターン2
1-1〜21-nを形成する。次に、導体パターンを印刷し
た磁性体シートを電気的に接続するように積層する。こ
の積層体を一定圧力で圧着した後、目的形状にカットし
た後、空気中において350〜550℃で脱バインダ処
理し、さらに空気中で850〜950℃で焼成して焼結
体を得る。この後、焼結体に対して温度差120℃以上
となる熱衝撃処理を1回以上施す。このとき、熱衝撃処
理における昇温速度及び降温速度を20℃/分以下に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層インダクタの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な積層インダクタの製造方
法においては、絶縁体層となる磁性体シートの表面に内
部導体となる導体パターンを形成し、この導体パターン
が形成された磁性体シートを積層すると共に、所定の圧
力を加えて上下層の導体パターンをスルーホールを介し
て導電接続した後、これを所定雰囲気中で焼成し、さら
に内部導体に導通する外部電極を形成する方法が採られ
ている。
【0003】この積層インダクタの製造方法では、焼成
後の冷却過程において絶縁体層と内部導体の線膨張係数
の違いから残留応力が発生して内部に歪みが生じ、この
結果、使用時において応力磁歪が生じ、磁気特性(L,
Q等)を劣化させるという問題が発生している。
【0004】この解決策として、絶縁体層と内部導体と
の間の全部若しくは一部に空隙を設けることにより、絶
縁体層と内部導体との間の応力歪みを緩和させる方法が
知られている。
【0005】ところが、このように絶縁体層と内部導体
との間に空隙を設けると、この空隙に水分やメッキ液、
フラックス等の液体が侵入し、L値及びQ値が低下する
危険が多分にあった。
【0006】これに対して、メッキ液等の液体の侵入を
防止し、なお且つ応力歪みを緩和させる方法として、積
層インダクタの製造過程において熱衝撃処理や高温処理
を施す方法が知られている。
【0007】熱衝撃処理を施す製造方法として、例え
ば、特開平8−148363号公報には、温度差120
℃以上の熱衝撃処理を1回以上行う方法が開示されてい
る。
【0008】また、高温処理を施す製造方法として、例
えば、特開平4−350913号公報には、600〜9
00℃で1時間の高温処理を行う方法が開示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の熱衝撃処理及び高温処理では、急加熱、急冷却
を行うためにクラックが発生し、強度が低下するという
問題が生じていた。
【0010】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、クラ
ックの発生及び強度の低下を低減すると共に、絶縁体層
と内部導体との間に空隙を設けることなく応力歪みを生
じない積層インダクタの製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために請求項1では、表面に内部導体となる導体
パターンを形成した絶縁体層を積層してなる積層体を焼
成して焼結体を形成し、該焼結体を積層インダクタとな
す積層インダクタの製造方法において、前記焼結体に対
して熱処理を施す工程を設けると共に、前記熱処理にお
ける昇温時及び降温時のうちの少なくとも降温時の降温
速度を20℃/分以下に設定した積層インダクタの製造
方法を提案する。
【0012】該積層インダクタの製造方法によれば、絶
縁体層と内部導体との間に空隙を設けなくとも、焼結体
に対して熱処理を施すことによって、内部導体と絶縁体
層との間に大きな応力が加えられ、内部導体を構成する
金属が伸ばされて、金属原子或いは金属分子が再配列さ
れる。これにより、焼成後の冷却過程において内部導体
と絶縁体層との間に発生した応力歪みが緩和される。さ
らに、前記熱処理における昇温時及び降温時のうちの少
なくとも降温時の降温速度を20℃/分以下に設定した
ため、前記焼結体は急冷却されないので、クラックの発
生が防止される。
【0013】また、請求項2では、請求項1記載の積層
インダクタの製造方法において、前記熱処理として、前
記焼結体に対して温度差120℃以上となる熱衝撃処理
を1回以上施すと共に、該熱衝撃処理における昇温速度
及び降温速度を20℃/分以下に設定した積層インダク
タの製造方法を提案する。
【0014】該積層インダクタの製造方法によれば、絶
縁体層と内部導体との間に空隙を設けなくとも、焼結体
に対して温度差120℃以上となる熱衝撃処理を1回以
上施すことによって、内部導体と絶縁体層との間に大き
な応力が加えられ、内部導体を構成する金属が伸ばされ
て、金属原子或いは金属分子が再配列される。これによ
り、焼成後の冷却過程において内部導体と絶縁体層との
間に発生した応力歪みが緩和される。さらに、前記熱衝
撃処理における昇温時の昇温速度及び降温時の降温速度
を20℃/分以下に設定したため、前記焼結体は急加
熱、急冷却されないので、クラックの発生が防止され
る。
【0015】また、請求項3では、請求項1記載の積層
インダクタの製造方法において、前記熱処理として、前
記焼結体に対して400℃から950℃の間の所定温度
で1時間以上の高温処理を施すと共に、該高温処理終了
時における降温速度を20℃/分以下に設定した積層イ
ンダクタの製造方法を提案する。
【0016】該積層インダクタの製造方法によれば、絶
縁体層と内部導体との間に空隙を設けなくとも、焼結体
に対して400℃から950℃の間の所定温度で1時間
以上の高温処理を施すことによって、内部導体と絶縁体
層との間に大きな応力が加えられ、内部導体を構成する
金属が伸ばされて、金属原子或いは金属分子が再配列さ
れる。これにより、焼成後の冷却過程において内部導体
と絶縁体層との間に発生した応力歪みが緩和される。さ
らに、前記高温処理における降温時の降温速度を20℃
/分以下に設定したため、前記焼結体は急冷却されない
ので、クラックの発生が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本発明に係る積層インダ
クタの外観図、図2はその要部分解斜視図である。本実
施形態における積層インダクタは、図1に示すように、
その本体1は、例えば1.6×0.8×0.8mmの直方
体形状をなし、その長手方向の両端部には内部導体に導
電接続された外部電極2,3が形成されている。
【0018】本体1は、図2に示すように、内部導体と
なる導体パタ−ン21-1〜21-n(nは自然数)が形成
された複数の磁性体シ−ト22-1〜22-n及び導体パタ
−ンが形成されていない磁性体シ−ト23を積層して一
体に形成される。
【0019】磁性体シ−ト22-1〜22-nの導体パタ−
ン21-1〜21-nは、例えば、銀(Ag )を主成分とす
る導体によって形成され、各導体パタ−ン21-1〜21
-nはスパイラル形状となるようにスル−ホ−ル24を介
して互いに導電接続され、コイルが構成されている。さ
らに、このコイルの両端に対応する部分の導体パタ−
ン、即ち導体パタ−ン21-1の一端及び導体パタ−ン2
1-nの他端は、本体1の長手方向の端面に露出するよう
に形成されている。
【0020】本体1の一端に露出した導体パタ−ン21
-1は外部電極2に、また他端に露出した導体パタ−ン2
1-nは外部電極3にそれぞれ導電接続されている。
【0021】尚、本実施形態においては導体パターン2
1-1〜21-nによって形成されるコイルのターン数を1
6に設定した。
【0022】次に、本実施形態における積層インダクタ
の製造方法の第1の実施形態を説明する。Ni −Zn −
Cu フェライトのスラリーをグリーンシート法により、
厚さ30μm程度の磁性体シートに形成する。
【0023】この磁性体シートにスルーホールを形成
し、スルーホールを形成した磁性体シート及びスルーホ
ールを形成していない磁性体シートの表面に、例えばA
g 等の導体ペーストをスクリーン印刷して導体パターン
を形成する。
【0024】導体パターンを印刷した磁性体シートを電
気的に接続するように積層する。このとき、目的の寸法
に合わせて、上下層部に導体パターンが形成されていな
いダミーシートを配置する。
【0025】この積層体を一定圧力で圧着した後、目的
形状にカットする。ここで、積層体に圧力をかけて圧着
しているので、上下の磁性体シートの間、及び磁性体シ
ートと導体パターンとの間は密着した状態となり、これ
らの間に空隙が生じることがない。
【0026】次いで、カットした積層体を空気中におい
て350〜550℃で脱バインダ処理し、さらに空気中
で850〜950℃で焼成して焼結体を得る。
【0027】得られた焼結体の対向する両端面に、例え
ばAg 等の導体ペーストをディップ等で塗布し、焼き付
けることにより外部電極を形成し、外部電極にNi 及び
Snのメッキを行い積層インダクタを構成する。
【0028】尚、磁性体シートはNi −Zn −Cu フェ
ライトに限定されるものではなく、Ni −Zn フェライ
ト、Ni −Cu フェライト、Mn −Cu フェライト等の
スピネル型フェライトであっても良い。
【0029】磁性体シートの形成方法はグリーンシート
法に限定されるものではなく、印刷法などでも良い。
【0030】内部導体及び外部電極材料はAg に限定さ
れるものではなく、Ag −Pd 、Ni 、Cu 或いはこれ
らの合金等でも良い。
【0031】また、内部導体パターンの形成方法はスク
リーン印刷に限定されるものではなく、転写、蒸着、ス
パッタ等でも良い。
【0032】外部電極の形成方法はディップ等の塗布に
限定されるものではなく、転写、印刷、蒸着、スパッタ
等でも良い。
【0033】外部電極形成時期は焼成後に限定されるも
のではなく、焼成前でも良い。
【0034】メッキは湿式に限定するものではなく、蒸
着、スパッタ等の乾式でも良い。
【0035】次いで、焼成後の積層インダクタに対し
て、温度差120℃以上、昇温及び降温速度20℃/分
以下の条件で熱衝撃処理を施す。
【0036】この熱衝撃処理を施すことによって、導体
パタ−ン21-1〜21-nと磁性体シ−ト22-1〜22-n
との間に大きな応力をかけ、これにより導体パタ−ン2
1-1〜21-nを構成するAg 等の金属を伸ばして、Ag
等の金属原子或いは金属分子を再配列し、焼成後の冷却
過程において導体パタ−ン21-1〜21-nと磁性体シ−
ト22-1〜22-nとの間に発生した応力歪みを緩和す
る。
【0037】図3は、ヒートサイクル装置を用い、熱衝
撃処理の温度差、処理回数を変えて、積層インダクタの
L値、Q値、耐湿負荷試験特性、抗折強度の変化を調べ
た実験結果を示す図である。
【0038】第1の実施形態における熱衝撃処理の実施
例として実施例1乃至実施例6を、また比較例として比
較例1乃至比較例5を行った。
【0039】この実験において、L値、Q値の測定に
は、測定器としてYHP4195Aを、測定治具として
YHP16092Aを用い、測定電流を1mAに設定し
た。また、信頼性(耐湿負荷試験:1000時間でのL値及
びQ値の変化率測定)の条件を40℃、95RH、15
mAとし、抗折強度(3点曲げ試験)の測定には測定器
として引張圧縮試験機(SV50 20V:今田製作
所)を用い、L間隔を0.6mm、先端をR0.5mm
に設定した。
【0040】また、比較例3,4,5及び実施例1,
2,3,4,5は、ヒートサイクル装置での低温側冷媒
として、冷却された炭酸ガス等を用いて行い、比較例2
及び実施例6は、ヒートサイクル装置での低温側冷媒と
して、液体窒素や冷却された窒素ガス等を用いて行っ
た。
【0041】液体窒素を使用するときは、サンプル瓶の
内壁に樹脂やプラスチック或いは発砲スチロール等の断
熱材を巻き、このサンプル瓶の中に焼成後の積層インダ
クタを入れ、このサンプル瓶を低温側媒体或いは高温側
媒体に投入する。また、雰囲気としては、真空やHe 等
の−180℃で液化しないものを充填する。この状態
で、低温側媒体の液体窒素と高温側媒体(例えば、水
等)への浸漬を処理回数に応じて繰り返す。
【0042】各例における熱衝撃処理の条件は次のとお
りである。即ち、実施例1における条件は、低温側温度
が−55℃、高温側温度が65℃、温度差が120℃、
昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回数)
が1回である。
【0043】また、実施例2における条件を、低温側温
度が−55℃、高温側温度が65℃、温度差が120
℃、昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回
数)が10回とし、実施例3における条件を、低温側温
度が−55℃、高温側温度が65℃、温度差が120
℃、昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回
数)が100回とし、実施例4における条件を、低温側
温度が−55℃、高温側温度が65℃、温度差が120
℃、昇温・降温速度が10℃/分、サイクル数(処理回
数)が1回とした。
【0044】さらに、実施例5における条件を、低温側
温度が−55℃、高温側温度が125℃、温度差が18
0℃、昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理
回数)が1回とし、実施例6における条件を、低温側温
度が−180℃、高温側温度が20℃、温度差が200
℃、昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回
数)が1回とした。
【0045】一方、比較例1は熱衝撃処理を行わない従
来同様の未処理品とし、比較例2における条件を、低温
側温度が−180℃、高温側温度が20℃、温度差が2
00℃、昇温・降温速度が40℃/分、サイクル数(処
理回数)が1回とし、比較例3における条件を、低温側
温度が−55℃、高温側温度が125℃、温度差が18
0℃、昇温・降温速度が40℃/分、サイクル数(処理
回数)が1回とし、比較例4における条件を、低温側温
度が−55℃、高温側温度が45℃、温度差が100
℃、昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回
数)が1回とし、比較例5における条件を、低温側温度
が−55℃、高温側温度が45℃、温度差が100℃、
昇温・降温速度が20℃/分、サイクル数(処理回数)
が100回とした。
【0046】尚、比較例1乃至比較例5は、本発明の範
囲外のものであり、単なる比較例に過ぎない。
【0047】この実験の結果、実施例1では、L値が
4.6μH(バラツキ4%)、Q値が38(バラツキ1
0%)、耐湿負荷試験におけるL値の変化率が+7%、
Q値の変化率が+7%、抗折強度が20kgf/mm2であっ
た。ここで、L値及びQ値のバラツキは、「3σ/AV
E×100」による値である。
【0048】また、実施例2では、L値が4.5μH
(バラツキ4%)、Q値が40(バラツキ10%)、耐
湿負荷試験におけるL値の変化率が+5%、Q値の変化
率が+7%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0049】実施例3では、L値が4.6μH(バラツ
キ4%)、Q値が42(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+3%、Q値の変化率が+5
%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0050】実施例4では、L値が4.6μH(バラツ
キ4%)、Q値が39(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+5%、Q値の変化率が+5
%、抗折強度が19kgf/mm2であった。
【0051】実施例5では、L値が4.7μH(バラツ
キ4%)、Q値が41(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+3%、Q値の変化率が+4
%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0052】実施例6では、L値が4.7μH(バラツ
キ4%)、Q値が42(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+3%、Q値の変化率が+3
%、抗折強度が20kgf/mm2であった。
【0053】一方、比較例1では、L値が3.5μH
(バラツキ4%)、Q値が25(バラツキ10%)、耐
湿負荷試験におけるL値の変化率が+30%、Q値の変
化率が+40%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0054】また、比較例2では、L値が4.5μH
(バラツキ10%)、Q値が37(バラツキ20%)、
耐湿負荷試験におけるL値の変化率が+15%、Q値の
変化率が+35%、抗折強度が12kgf/mm2であった。
【0055】比較例3では、L値が4.2μH(バラツ
キ8%)、Q値が35(バラツキ17%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+20%、Q値の変化率が+
40%、抗折強度が14kgf/mm2であった。
【0056】比較例4では、L値が3.8μH(バラツ
キ8%)、Q値が30(バラツキ16%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+25%、Q値の変化率が+
42%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0057】比較例5では、L値が4.0μH(バラツ
キ7%)、Q値が32(バラツキ16%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+22%、Q値の変化率が+
42%、抗折強度が20kgf/mm2であった。
【0058】以上の実験結果から明らかなように、本発
明で特定された範囲内の条件で熱衝撃処理を施すことに
より、熱応力歪みを緩和し、この結果、抗折強度を維持
しつつ、L値が28%以上、Q値が50%以上向上し、
L値及びQ値のバラツキがそれぞれ4%以下、10%以
下、耐湿負荷試験におけるL値及びQ値の変化率がそれ
ぞれ±10%以下、±30%以下という良好な特性を持
つ積層インダクタンスを得ることができた。
【0059】これに対して、比較例で示したように、本
発明で特定された範囲外の条件で熱衝撃処理を施しても
所望の良好な特性を持つ積層インダクタを得ることがで
きなかった。
【0060】即ち、熱衝撃処理の温度差については、比
較例4及び比較例5に示すように、120℃未満ではL
値、Q値、これらのバラツキ、及び信頼性(耐湿負荷試
験)で所望の特性を得ることができなかった。また、昇
温・降温速度については、比較例2及び比較例3に示す
ように、20℃/分よりも大きいと、L値、Q値、これ
らのバラツキ、及び信頼性(耐湿負荷試験)で所望の得
ることができず、さらに抗折強度も低下した。
【0061】尚、熱衝撃処理の手法は上記手法に限定さ
れるものではなく、温度差が120℃以下で、昇温速度
及び降温速度が20℃/分以下ならば他の手法であって
も良い。
【0062】次に、本発明の積層インダクタの製造方法
における第2の実施形態を説明する。
【0063】第2の実施形態において、積層インダクタ
の形状及び内部導体の構成、及び磁性体シートの形成か
ら積層体、焼結体、外部電極の形成までは前述した第1
の実施形態と同様であるためその説明を省略する。
【0064】また、第1の実施形態と第2の実施形態と
の相違点は、第1の実施形態における熱衝撃処理に代え
て、第2の実施形態では焼成後に高温処理を施すように
したことにある。
【0065】即ち、焼成後の積層インダクタに対して、
400℃から950℃の間の所定温度で1時間以上、降
温速度20℃/分以下の条件で高温処理を施す。
【0066】この高温処理を施すことによって、導体パ
タ−ン21-1〜21-nと磁性体シ−ト22-1〜22-nと
の間に大きな応力をかけ、これにより導体パタ−ン21
-1〜21-nを構成するAg 等の金属を伸ばして、Ag 等
の金属原子或いは金属分子を再配列し、焼成後の冷却過
程における導体パタ−ン21-1〜21-nと磁性体シ−ト
22-1〜22-nとの間に発生する応力歪みを緩和する。
【0067】図4は、固定炉を用い、高温処理の温度、
処理終了時の降温速度を変えて、積層インダクタのL
値、Q値、耐湿負荷試験特性、抗折強度の変化を調べた
実験結果を示す図である。
【0068】第2の実施形態における高温処理の実施例
として実施例1乃至実施例6を、また比較例として比較
例1乃至比較例4を行った。
【0069】この実験において、L値、Q値の測定に
は、測定器としてYHP4195Aを、測定治具として
YHP16092Aを用い、測定電流を1mAに設定し
た。また、信頼性(耐湿負荷試験:1000時間でのL値及
びQ値の変化率測定)の条件を40℃、95RH、15
mAとし、抗折強度(3点曲げ試験)の測定には測定器
として引張圧縮試験機(SV50 20V:今田製作
所)を用い、L間隔を0.6mm、先端をR0.5mm
に設定した。
【0070】各例における高温処理の条件は次のとおり
である。即ち、実施例1における条件は、処理温度が4
00℃、降温速度が20℃/分である。
【0071】また、実施例2における条件を、処理温度
が600℃、降温速度が20℃/分とし、実施例3にお
ける条件を、処理温度が800℃、降温速度が20℃/
分とし、実施例4における条件を、処理温度が950
℃、降温速度が20℃/分とし、実施例5における条件
を、処理温度が600℃、降温速度が10℃/分とし、
実施例6における条件を、処理温度が600℃、降温速
度が5℃/分とした。
【0072】一方、比較例1は高温処理を行わない従来
同様の未処理品とし、比較例2における条件を、処理温
度が300℃、降温速度が20℃/分とし、比較例3に
おける条件を、処理温度が1000℃、降温速度が20
℃/分とし、比較例4における条件を、処理温度が60
0℃、降温速度が40℃/分とした。
【0073】尚、比較例1乃至比較例4は、本発明の範
囲外のものであり、実施例に対する単なる比較例に過ぎ
ない。
【0074】この実験の結果、実施例1では、L値が
4.5μH(バラツキ4%)、Q値が40(バラツキ1
0%)、耐湿負荷試験におけるL値の変化率が+7%、
Q値の変化率が+10%、抗折強度が19kgf/mm2であ
った。ここで、L値及びQ値のバラツキは、「3σ/A
VE×100」による値である。
【0075】また、実施例2では、L値が4.5μH
(バラツキ4%)、Q値が38(バラツキ10%)、耐
湿負荷試験におけるL値の変化率が+7%、Q値の変化
率が+12%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0076】実施例3では、L値が4.7μH(バラツ
キ4%)、Q値が37(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+3%、Q値の変化率が+1
0%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0077】実施例4では、L値が4.9μH(バラツ
キ4%)、Q値が35(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+3%、Q値の変化率が+5
%、抗折強度が19kgf/mm2であった。
【0078】実施例5では、L値が4.8μH(バラツ
キ4%)、Q値が39(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+5%、Q値の変化率が+7
%、抗折強度が20kgf/mm2であった。
【0079】実施例6では、L値が4.7μH(バラツ
キ4%)、Q値が38(バラツキ10%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+5%、Q値の変化率が+3
%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0080】一方、比較例1では、L値が3.5μH
(バラツキ4%)、Q値が25(バラツキ10%)、耐
湿負荷試験におけるL値の変化率が+30%、Q値の変
化率が+40%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0081】また、比較例2では、L値が3.7μH
(バラツキ7%)、Q値が25(バラツキ12%)、耐
湿負荷試験におけるL値の変化率が+28%、Q値の変
化率が+35%、抗折強度が21kgf/mm2であった。
【0082】比較例3では、L値が5.0μH(バラツ
キ4%)、Q値が27(バラツキ12%)、耐湿負荷試
験におけるL値の変化率が+15%、Q値の変化率が+
35%、抗折強度が23kgf/mm2であった。
【0083】比較例4では、L値が4.2μH(バラツ
キ10%)、Q値が29(バラツキ20%)、耐湿負荷
試験におけるL値の変化率が+7%、Q値の変化率が−
33%、抗折強度が13kgf/mm2であった。
【0084】以上の実験結果から明らかなように、本発
明で特定された範囲内の条件で高温処理を施すことによ
り、熱応力歪みを緩和し、この結果、抗折強度を維持し
つつ、L値が28%以上、Q値が40%以上向上し、L
値及びQ値のバラツキがそれぞれ4%以下、10%以
下、耐湿負荷試験におけるL値及びQ値の変化率がそれ
ぞれ±10%以下、±30%以下という良好な特性を持
つ積層インダクタンスを得ることができた。
【0085】これに対して、比較例で示したように、本
発明で特定された範囲外の条件で高温処理を施しても所
望の良好な特性を持つ積層インダクタを得ることができ
なかった。
【0086】即ち、高温処理の処理温度については、比
較例2に示すように、400℃未満ではL値、Q値、こ
れらのバラツキ、及び信頼性(耐湿負荷試験)で所望の
特性を得ることができなかった。さらに、950℃を超
えるとQ値、Q値のバラツキ及び信頼性で所望の特性を
得ることができなかった。
【0087】また、降温速度については、比較例4に示
すように、20℃/分よりも大きいと、L値、Q値、こ
れらのバラツキ、及び信頼性(耐湿負荷試験)で所望の
得ることができず、さらに抗折強度も低下した。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、絶縁体層と内部導体との間に空隙を設けなくと
も、焼結体に対して熱処理を施すことによって、内部導
体と絶縁体層との間に大きな応力が加えられ、内部導体
を構成する金属が伸ばされて、金属原子或いは金属分子
が再配列され、焼成後の冷却過程において内部導体と絶
縁体層との間に発生した応力歪みが緩和されるので、使
用時において応力磁歪を生ずることがなく、磁気特性
(L値,Q値等)の良好な積層インダクタを製造するこ
とができる。さらに、前記熱処理における昇温時及び降
温時のうちの少なくとも降温時の降温速度を20℃/分
以下に設定したため、前記焼結体は急冷却されないので
クラックの発生が防止され、信頼性(耐湿性、抗折強度
等)の高い積層インダクタを得ることができる。
【0089】また、請求項2によれば、絶縁体層と内部
導体との間に空隙を設けなくとも、焼結体に対して温度
差120℃以上となる熱衝撃処理を1回以上施すことに
よって、内部導体と絶縁体層との間に大きな応力が加え
られ、内部導体を構成する金属が伸ばされて、金属原子
或いは金属分子が再配列され、焼成後の冷却過程におい
て内部導体と絶縁体層との間に発生した応力歪みが緩和
されるので、使用時において応力磁歪を生ずることがな
く、磁気特性(L値,Q値等)の良好な積層インダクタ
を製造することができる。さらに、前記熱衝撃処理にお
ける昇温時の昇温速度及び降温時の降温速度を20℃/
分以下に設定したため、前記焼結体は急加熱、急冷却さ
れないので、クラックの発生が防止され、信頼性(耐湿
性、抗折強度等)の高い積層インダクタを得ることがで
きる。
【0090】また、請求項3によれば、絶縁体層と内部
導体との間に空隙を設けなくとも、焼結体に対して40
0℃から950℃の間の所定温度で1時間以上の高温処
理を施すことによって、内部導体と絶縁体層との間に大
きな応力が加えられ、内部導体を構成する金属が伸ばさ
れて、金属原子或いは金属分子が再配列され、焼成後の
冷却過程において内部導体と絶縁体層との間に発生した
応力歪みが緩和されるので、使用時において応力磁歪を
生ずることがなく、磁気特性(L値,Q値等)の良好な
積層インダクタを製造することができる。さらに、前記
高温処理における降温時の降温速度を20℃/分以下に
設定したため、前記焼結体は急冷却されないので、クラ
ックの発生が防止され、信頼性(耐湿性、抗折強度等)
の高い積層インダクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層インダクタの外観図
【図2】本発明に係る積層インダクタの要部分解斜視図
【図3】本発明の第1の実施形態における熱衝撃処理に
関する実験条件及び実験結果を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態における高温処理に関
する実験条件及び実験結果を示す図
【符号の説明】
1…本体、2,3…外部電極、21-1〜21-n…導体パ
ターン(内部導体)、22-1〜22-n…導体パターンが
形成された磁性体シート(絶縁体層)、23…導体パタ
ーンが形成されていない磁性体シート(絶縁体層)、2
4…スルーホール。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に内部導体となる導体パターンを形
    成した絶縁体層を積層してなる積層体を焼成して焼結体
    を形成し、該焼結体を積層インダクタとなす積層インダ
    クタの製造方法において、 前記焼結体に対して熱処理を施す工程を設けると共に、 前記熱処理における昇温時及び降温時のうちの少なくと
    も降温時の降温速度を20℃/分以下に設定したことを
    特徴とする積層インダクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理として、前記焼結体に対して
    温度差120℃以上となる熱衝撃処理を1回以上施すと
    共に、該熱衝撃処理における昇温速度及び降温速度を2
    0℃/分以下に設定したことを特徴とする請求項1記載
    の積層インダクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理として、前記焼結体に対して
    400℃から950℃の間の所定温度で1時間以上の高
    温処理を施すと共に、該高温処理終了時における降温速
    度を20℃/分以下に設定したことを特徴とする請求項
    1記載の積層インダクタの製造方法。
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