JPH11152696A - 繊維長が違う繊維を含有する水解性の繊維シート及びその製造方法 - Google Patents
繊維長が違う繊維を含有する水解性の繊維シート及びその製造方法Info
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- JPH11152696A JPH11152696A JP22880298A JP22880298A JPH11152696A JP H11152696 A JPH11152696 A JP H11152696A JP 22880298 A JP22880298 A JP 22880298A JP 22880298 A JP22880298 A JP 22880298A JP H11152696 A JPH11152696 A JP H11152696A
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Abstract
シートが求められている。また水解性の繊維シートを製
造するにあたって、水溶性のバインダーを用いると、そ
れを添加する工程が別に必要となり、製造工程が複雑で
あった。 【解決手段】 広葉樹パルプ(広葉樹パルプ)からなる
繊維及び広葉樹パルプより平均繊維長が長い針葉樹パル
プ(針葉樹パルプ)からなる繊維並びに繊維を結合する
水不溶性又は水膨潤性のバインダーを含有する水解性の
繊維シートを製造した。得られた繊維シートは、水解性
がよく、しかも使用に耐えうる強度をもつ。更に、水溶
性のバインダーでなくとも水解性及び強度に優れた繊維
シートを得ることができるため、製造方法が簡便であ
る。
Description
分散する水解性の繊維シート及びその製造方法に関す
る。更に詳しくは水解性及び湿潤時の強度に優れ、且つ
製造方法が簡便である水解性の繊維シート及びその製造
方法に関する。
ために、あるいはトイレの周辺の清掃のために繊維シー
トが使われる。この繊維シートは、トイレにそのまま流
し捨てることができるように、水解性のものが好ましく
使われる。しかし、トイレ等に流し捨てた場合、水解性
の良いものでなければ浄化槽で分散されるのに時間がか
かる。また、トイレ等の排水溝を詰まらせてしまう危険
性もある。一般に、清浄薬液等で湿らせた状態で包装さ
れる繊維シートは、清浄薬液等が含浸した状態で拭き取
り作業に耐えるだけの十分な強度が必要であり、且つト
イレに流し捨てたときは水解されることが必要である。
よって、水解性が良く、且つ使用に耐えられる湿潤強度
を持つ水解性の繊維シートが求められている。
は、水不溶性のカルボキシメチル化パルプ及びカルシウ
ム塩を含有させた水易分散性清掃物品が開示されてい
る。しかし、繊維シートの湿潤強度を上げるためには、
多量の不溶性のカルボキシメチル化パルプを用いること
が必要であり、その結果水解性が悪くなる。
は、カルボキシル基を有する水溶性のバインダー及び金
属を含有させた水解紙が開示されている。また特公平7
−24636号公報には、カルボキシル基を有する水溶
性バインダー、金属イオン及び有機溶剤を含有する水解
性清掃物品が開示されている。しかし、バインダーとし
て用いられる水溶性カルボキシメチルセルロースは、繊
維とともに水に混ぜて抄紙することができない。したが
って、製造工程が複雑になる。例えば、抄紙後の繊維シ
ートを乾燥させて、その後にカルボキシメチルセルロー
スをスプレー等により繊維シートに散布し、その繊維シ
ートを再度乾燥する等の多数の工程が必要となる。
132897号には水不溶性又は水膨潤性のカルボキシ
メチルセルロースに炭酸ナトリウムを添加した水解シー
トが開示されている。しかし、水不溶性又は水膨潤性の
バインダーを用いているため、水解性に劣っていた。
に耐えうる湿潤強度をもつ繊維シートを提供することに
ある。本発明の他の目的は、製造方法が簡便な水解性の
繊維シートを提供することにある。
点は、針葉樹パルプからなる繊維、及び前記針葉樹パル
プより平均繊維長の短い広葉樹パルプからなる繊維を含
む繊維ウェッブに、繊維を結合する水不溶性又は水膨潤
性のバインダーが含有されていることを特徴とする水解
性の繊維シートによって達成される。本発明における針
葉樹パルプとは、針葉樹を原料として製造されたパルプ
である。針葉樹パルプとしては、針葉樹晒クラフトパル
プに代表される針葉樹クラフトパルプがある。一方、本
発明における広葉樹パルプとは、広葉樹を原料として製
造されたパルプである。広葉樹パルプとしては、広葉樹
晒クラフトパルプに代表される広葉樹クラフトパルプが
ある。
針葉樹パルプは平均繊維長が違う点である。本発明で
は、針葉樹パルプのみで繊維シートを形成するのではな
く、前記針葉樹パルプからなる繊維よりも繊維長の短い
広葉樹パルプを使用することにより、多量の水に接した
ときに容易に分解する、水解性に優れた繊維シートを構
成できる。
とにより繊維シートの水解性が向上する作用を詳しく説
明する。針葉樹パルプは、紙力増強のために叩解処理が
なされ、繊維がフィブリル化している。そのため、針葉
樹パルプからなる繊維どうしは強く水素結合している。
そこに広葉樹パルプのような繊維長が短く、結合力の弱
い繊維を添加することにより、繊維間の結合部分におい
てセルロース分子の結合力に強弱ができる。大量の水が
与えられると、広葉樹パルプと広葉樹パルプの結合及び
広葉樹パルプと針葉樹パルプとの結合が、針葉樹パルプ
どうしの結合よりも容易に分離できる。そのため繊維シ
ート全体としての水分散性が優れたものとなる。ここで
いう水に対する分散性とは水解性と同じ意味であって、
多量の水に接触することにより細分化される性質のこと
をいう。
広葉樹パルプを主体とするものであるが、これに木綿等
の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、ポリエステル又はポリアクリル
ニトリル等の合成繊維、ポリエチレン等からなる合成パ
ルプ並びにガラスウール等の無機繊維などを含有させて
も良い。
量(目付)は、10〜100g/m 2が好ましい。秤量
が前記下限より小さいと、繊維シートを拭き取り作業用
のシートとして使用するにあたり、必要な強度が得られ
ない。秤量が前記上限より大きいと、繊維シートとして
の柔軟性に欠ける。おしり拭き用や清掃用として拭き取
り作業に使用される繊維シートでは、強度及びソフト感
の点で、更に好ましい繊維の秤量は20〜60g/m2
である。
体量を100%としたときに、広葉樹パルプの占める割
合が60重量%以下であることが好ましい。広葉樹パル
プの含有量が上限より大きくなると、繊維シートの強度
が弱くなり、拭き取り作業などの使用に耐えられない。
更に好ましい広葉樹パルプの配合量は、繊維の全体量を
100%としたときに10〜50重量%である。この範
囲では拭き取り作業に耐えうる強度を得ることができ、
しかも水解性も良好である。
繊維シートの強度を上げるため、繊維を結合する水不溶
性又は水膨潤性のバインダーを添加する。このバインダ
ーとしては水不溶性又は水膨潤性のカルボキシメチルセ
ルロースが好ましい。カルボキシメチルセルロースは、
エーテル化度(DS)やpHの違いにより、水に対する
溶解性が異なる。水不溶性又は水膨潤性のカルボキシメ
チルセルロースとは、例えばエーテル化度が0.3〜
0.6のものである。また、例えばpHが5.0以上の
ものである。
には、カルボキシメチル化パルプと呼ばれるものも存在
する。本発明においてはカルボキシメチル化パルプもま
た、水不溶性又は水膨潤性のバインダーとして使用する
ことができる。カルボキシメチル化パルプには、酸型、
ナトリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、バリウ
ム塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩等の種々の塩の形があ
るが、本発明においてはどの塩においても使用ができ
る。
シートを製造する場合、バインダーを繊維シートに添加
する工程が必要となる。例えば、水溶性のバインダーを
用いた場合、バインダーを水又は有機溶媒に溶解させた
液を、スプレーなどで繊維シートに直接添加しなければ
ならない。しかし、本発明のように、水不溶性又は水膨
潤性のバインダーを用いた場合には、水の中にパルプと
バインダーとを含ませた原料から混抄できる。すなわ
ち、繊維シートの製造工程において、バインダーをスプ
レーする等の別の工程が不要である。ここでいう混抄と
は、針葉樹パルプからなる繊維と広葉樹パルプからなる
繊維さらには水不溶性又は水膨潤性のバインダーを水に
分散させて混合した原料液を作り、円網や傾斜短網など
でこれら各原料から抄紙する工程である。
は、広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹パルプからな
る繊維並びに水不溶性又は水膨潤性のバインダーを水中
で混合する工程と、その工程で得られた繊維及びバイン
ダーが水中に分散した液体を抄紙して繊維シートを得る
工程とによって製造することができる。
上記のカルボキシメチルセルロースを用いる場合、広葉
樹パルプからなる繊維及び針葉樹パルプからなる繊維並
びにカルボキシメチルセルロースを水中で混合して原料
液を製造する工程におけるそれらの混合重量比は、広葉
樹パルプからなる繊維及び針葉樹パルプからなる繊維:
カルボキシメチルセルロース=98:2〜55:45で
あることが好ましい。更に好ましい比率は、広葉樹パル
プからなる繊維及び針葉樹パルプからなる繊維:カルボ
キシメチルセルロース=98:2〜80:20である。
プからなる繊維と、カルボキシメチルセルロースとを混
合して、円網や傾斜短網を用いて抄紙する場合、カルボ
キシメチルセルロースは抄紙するときに円網や傾斜短網
の網目から抜け落ちやすい。
おいて、カルボキシメチルセルロースがその他の繊維に
対してどの程度の割合で配合されているかを規定するこ
とは難しい。しかし、上記の好ましい混合比で得られる
原料を用いて抄紙し、繊維シートを得ると、製造された
繊維シートにおいてパルプとカルボキシメチルセルロー
スとの混合比が最適になり、水解性及び強度のバランス
がとれた水解性の繊維シートを得ることができる。カル
ボキシメチルセルロースの配合量が前記範囲より多くな
ると、水解性が低下する。
バインダーよりも水に対する溶解度が低い水不溶性又は
水膨潤性のバインダーを用いているが、針葉樹パルプか
らなる繊維に繊維長が短く且つ繊維の結合力の小さい広
葉樹パルプからなる繊維を含ませることにより水解性の
優れた繊維シートを得ることができる。
を用いても繊維シートの水分散性を高めることができる
ため、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースを
用いる場合、このカルボキシメチルセルロースの添加
量、改質レベル、エーテル化度やpH等を前もって調整
してバインダーの水溶解性を高めるなどの調整・操作が
不要である。すなわち、使用するバインダーの選択範囲
を広くできることが本発明の特徴のひとつである。
インダーとして使用する場合に、このカルボキシメチル
セルロースを以下のように調整してもよい。カルボキシ
メチルセルロースをバインダーとして用いる場合、炭酸
ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを添加するこ
とによってカルボキシメチルセルロースの水に対する溶
解度を高めることができる。したがって、繊維とカルボ
キシメチルセルロースとを水中で混合して抄紙する場
合、水に対する溶解度が高くなった水不溶性及び/又は
水膨潤性のカルボキシメチルセルロースは、原料内に均
一に分散される。したがって、この状態で抄紙するとカ
ルボキシメチルセルロースが均一に含まれた繊維シート
となる。
に対する溶解度が良くなりすぎると、水溶性になり、水
中でパルプとバインダーとを混抄することができなくな
る。したがって、炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナ
トリウムの添加量は、水不溶性又は水膨潤性のカルボキ
シメチルセルロースを、水溶性に変えない程度、すなわ
ち、混抄時に繊維と共に抄かれて繊維シートを形成でき
る程度であることが好ましい。
状態でも使用できるが、水分などで湿らせた状態でも使
用できる。その場合、水解性の繊維シート自身が含有し
ている水分によって水解せず、且つ、拭き取り作業に耐
えられる程度の湿潤強度をもつことが必要である。
シメチルセルロースを用いる場合、水解性の繊維シート
の湿潤強度を上げるために、カルボキシメチルセルロー
スに対して架橋する金属塩を繊維シートに含有させるこ
とが好ましい。本発明の繊維シートをウエットな状態で
使用する際には、バインダーが水で膨潤して広葉樹パル
プがシートから分離しやすくなって湿潤強度が低下する
が、前記金属塩を用いてバインダーを架橋させることに
より、湿潤状態で使用する繊維シートの強度を高くする
ことができる。湿潤強度が高い状態で拭き取り作業を行
った後、水洗トイレに捨てるなどして多量の水が与えら
れると、前記塩が溶解して架橋状態が崩れ、バインダー
が膨潤する。このとき本発明の繊維シートでは、広葉樹
パルプからなる繊維を含んでいるため、バインダーが膨
潤するときに広葉樹パルプからなる繊維が他の繊維から
離れやすくなり、水中で繊維がばらばらに分散しやすく
なる。
カルシウム、バリウム、ストロンチウム、マンガン、亜
鉛、コバルト及びニッケル等の塩があげられる。またそ
の中でも、特に好ましくはカルシウム、亜鉛及びマグネ
シウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属塩
が用いられる。これらの塩を用いると、繊維シートの水
解性及び強度がさらに良くなる。
ウム、ストロンチウム、マンガン、亜鉛、コバルト及び
ニッケル等の塩から選ばれる場合、繊維を100gとし
たときに、金属塩が0.5g以上含まれることが好まし
い。金属塩が前記量より少ないと、ウエットな状態でバ
インダーが膨潤しやすくなり、シートの強度が十分でな
くなる。
シメチルセルロースを用いる場合は、繊維シートの湿潤
強度をあげるため、繊維シートに有機溶剤を含浸させる
ことが好ましい。本発明の水解性の繊維シートに含有さ
せる有機溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコ
ール等の一価アルコール類又はプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポロピレングリコールモノメ
チルエーテル等の多価アルコール類等があげられる。
めには、これらの有機溶剤は、繊維シートの重量を10
0gとしたときに5〜95g添加することが好ましい。
また、おしり拭き用や清掃用として拭き取り作業に使用
される繊維シートとして使用する場合、使用感の悪化及
び使用者の手肌の荒れの増加を防ぐため、更に好ましい
添加量は5〜60gである。
の繊維シートに含有させるには、これらを混合した溶液
を繊維シートに直接含浸させる方法や、スプレーによっ
て含浸させる方法がある。本発明における水解性の繊維
シートには、本発明の効果を妨げない範囲でその他の物
質を含有させることができる。例えば、界面活性剤、殺
菌剤、保存剤、消臭剤、保湿剤、アルコール等を含有さ
せることができる。また、それらの物質は、繊維シート
に含浸させる有機溶剤あるいは水に含有させる。
ティッシュとして、またトイレ周りの清掃用などとして
湿った状態でも拭き取り作業に耐える強度を得ることが
できる。本発明の水解性の繊維シートをあらかじめ湿ら
せた製品として包装する場合、繊維シートが乾燥しない
ように密封包装されて販売される。あるいは、本発明の
水解性の繊維シートは、前記塩を含ませた後に乾燥状態
で販売され、使用時に水や薬液を含浸させて湿潤状態と
して使用するものであってもよい。
樹パルプ及び広葉樹パルプを混抄した一つの層よりなる
繊維シートとすることができる。また、本発明の繊維シ
ートの構成おいては、繊維の層を多重層状にした繊維シ
ートとすることもできる。
水不溶性又は水膨潤性のバインダーを含有させた繊維シ
ートに、針葉樹パルプのみからなる繊維の層を重ねるこ
とができる。針葉樹パルプのみからなる繊維の層には、
バインダーを含有させてもよいが、含有させずこの層を
水で分散させやすくしてもよい。その他、水解性の繊維
シートの構成を、針葉樹パルプ及び広葉樹パルプの繊維
の割合を変えた繊維の層を二層以上重ねた多重層状にす
ることもできる。
とし、また本発明の水解性の繊維シートの構造を、針葉
樹パルプと広葉樹パルプの双方を含む層と針葉樹パルプ
を主体とする層との二層構造とする場合、広葉樹パルプ
を含有しない層に炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナ
トリウムを添加して針葉樹パルプを主体とする層に添加
されるバインダーの水溶解性を高めておき、広葉樹パル
プを含有する層には炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素
ナトリウムを添加せず、バインダーの水溶解性を高める
調整を行わないことも可能である。
は、バインダーの水に対する溶解度が低くても、広葉樹
パルプを含むことによって多量の水と接触したときの水
分散性を良好にでき、また広葉樹パルプを含まない針葉
樹パルプを主体とした層ではバインダーの水溶解度が高
くなることにより多量の水が与えられたときに繊維の分
散が容易になる。よって、シート全体として水解性が良
好になる。なお、本発明におけるバインダーは水不溶性
又は水膨潤性であればよく、例えば、水不溶性のポリビ
ニルアルコール等を用いることも可能である。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1]原料の繊維として針葉樹晒クラフトパルプ
(NBKP、カナディアン・スタンダード・フリーネス
試験(CSF)においてろ水量=570ml)及び広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP、カナディアン・スタン
ダード・フリーネス試験(CSF)においてろ水量=7
20ml)を用いた。水不溶性又は水膨潤性のバインダ
ーとしては水不溶性カルボキシメチルセルロース(ニチ
リン化学工業(株)社製のカルボキシメチルセルロース
キッコレート DS=0.42、pH5.8)を用い
た。
フトパルプ並びにカルボキシメチルセルロースを水に混
合した。このときの原料混合重量比は、針葉樹晒クラフ
トパルプ及び広葉樹晒クラフトパルプの合計:カルボキ
シメチルセルロース=95:5である。また、針葉樹パ
ルプと広葉樹パルプの配合比は表1に示す。この原料を
混合させた液を実施例1−1の原料とした。また、前記
実施例1−1と同様にして針葉樹晒クラフトパルプ、広
葉樹晒クラフトパルプ及びカルボキシメチルセルロース
を水に混合した後、この混合液に炭酸ナトリウムを、カ
ルボキシメチルセルロース100gに対して50g添加
した。この溶解後の液を実施例1−2の原料とした。
後、抄紙機(傾斜短網−ヤンキーマシン)を用いて秤量
22.5g/m2、クレープ率40%の繊維シートをそ
れぞれ抄紙して製造した。製造した繊維シートには、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル:塩化カルシウ
ム:水を20:0.5:79.5の割合で配合した溶液
を繊維シート100gに対して200g含浸させて湿潤
状態の繊維シートを得た。得られた繊維シートを20°
C下で24時間静置したのち、水解性及び湿潤強度を測
定を行った。
レットペーパーほぐれやすさ試験に基づいて行った。詳
細を述べると、水解性の繊維シートを縦10cm横10
cmに切断したものを、イオン交換水300mlを入れ
たビーカーに投入して、回転子を用いて撹拌を行った。
回転数は600rpmとした。この時の繊維シートの分
散状態を経時的に観察し、分散されるまでの時間を測定
した(表以下、単位は秒)。
維シートを幅25mm長さ150mmに裁断したものを
試料として用い、テンシロン試験機により、チャック間
隔は100mm、引張速度は100mm/minで測定
した。測定は紙の縦方向(MD:Machine Di
rection)及び紙の横方向(CD:CrossD
irection)に対してそれぞれ行った。そのとき
の破断時の強度(gf)を湿潤強度の試験結果の値とし
た(表以下、g/25mmで表す)。
ラフトパルプのみを用い、実施例と同じカルボキシメチ
ルセルロースを添加して前記方法と同様に繊維シートを
製造した。得られた繊維シートには前記方法と同じ溶液
を繊維シート100gに対して200g含浸させて水解
性の繊維シートを得た。得られた水解性の繊維シートに
対し、実施例と同様に水解性及び湿潤強度の測定を行っ
た。
させた水解性の繊維シートは水解性に優れていた。
ラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ
(LBKP)並びにカルボキシメチルセルロースを水に
混合した後、繊維及びカルボキシメチルセルロースが分
散した液に炭酸ナトリウムを、カルボキシメチルセルロ
ースを100gに対して200g添加した。このとき針
葉樹晒クラフトパルプの量に対する広葉樹晒クラフトパ
ルプの配合量を変えて原料をそれぞれ調整した。また、
原料混合重量比は、針葉樹晒クラフトパルプ及び広葉樹
晒クラフトパルプの合計:カルボキシメチルセルロース
=95:5となるようにした。繊維全体の重量に対する
針葉樹晒クラフトパルプの重量及び広葉樹晒クラフトパ
ルプの重量のそれぞれ実施例における配合量(重量%)
を表2における実施例2−1、2、3、4、5に示す。
同様にして秤量22.5g/m2、クレープ率40%の
繊維シートをそれぞれ製造した。製造した繊維シートに
は、実施例1と同様に、ポロピレングリコールモノメチ
ルエーテル及び塩化カルシウムを含有した水溶液を繊維
シートに含浸させて水解性の繊維シートを得た。得られ
た水解性の繊維シートを20°C下で24時間静置した
のち、実施例1と同様にして水解性及び湿潤強度を測定
を行った。
クラフトパルプのみを用い、実施例2と同様にして水不
溶性カルボキシメチルセルロースを添加して、更に炭酸
ナトリウムを添加して実施例2と同様に繊維シートを製
造した。得られた繊維シートには実施例2と同じ溶液を
繊維シート100gに対して200g含浸させて水解性
の繊維シートを得た。得られた水解性の繊維シートに対
し、実施例2と同様に水解性及び湿潤強度の測定を行っ
た。
潤性のバインダーを用いても、水解性の良い水解性の繊
維シートを得ることができる。また、湿った状態におい
ても拭き取り作業に使用するのに十分な強度をもった水
解性の繊維シートを得ることができる。さらにまた、水
不溶性又は水膨潤性のバインダーを用いるので、抄紙工
程において繊維と共に水中で混抄が可能となり、製造工
程が簡便となる。
Claims (17)
- 【請求項1】 広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹パ
ルプからなる繊維を含む繊維ウェッブに、繊維を結合す
る水不溶性又は水膨潤性のバインダーが含有されている
ことを特徴とする水解性の繊維シート。 - 【請求項2】 水不溶性又は水膨潤性のバインダーが、
カルボキシメチルセルロースである請求項1記載の水解
性の繊維シート。 - 【請求項3】 カルボキシメチルセルロースのエーテル
化度(D.S)が0.3〜0.6である請求項2記載の
水解性の繊維シート。 - 【請求項4】 カルボキシメチルセルロースのpHが
5.0以上である請求項2又は3記載の水解性の繊維シ
ート。 - 【請求項5】 炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナト
リウムを添加した請求項2から4のいずれかに記載の水
解性の繊維シート。 - 【請求項6】 広葉樹パルプの割合が、繊維シートの繊
維全体の重量に対して5〜50重量%である請求項1か
ら5のいずれかに記載の水解性の繊維シート。 - 【請求項7】 金属塩を含む請求項2から6のいずれか
に記載の水解性の繊維シート。 - 【請求項8】 金属塩がカルシウム、亜鉛及びマグネシ
ウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物で
ある請求項7記載の水解性の繊維シート。 - 【請求項9】 有機溶剤を含む請求項2から8のいずれ
かに記載の水解性の繊維シート。 - 【請求項10】 有機溶剤が一価アルコール及び多価ア
ルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合
物である請求項9記載の水解性の繊維シート。 - 【請求項11】 広葉樹パルプが広葉樹晒クラフトパル
プであり、且つ針葉樹パルプが針葉樹晒クラフトパルプ
である請求項1から10のいずれかに記載の水解性の繊
維シート。 - 【請求項12】 広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹
パルプからなる繊維並びに水不溶性又は水膨潤性のバイ
ンダーを水中で混合する工程と、その工程で得られた液
体を抄紙して繊維シートを得る工程とを含むことを特徴
とする水解性の繊維シートの製造方法。 - 【請求項13】 水不溶性又は水膨潤性のバインダー
が、エーテル化度(D.S)が0.3〜0.6で、且つ
pHが5.0以上のカルボキシメチルセルロースである
請求項12記載の水解性の繊維シートの製造方法。 - 【請求項14】 広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹
パルプからなる繊維並びに水不溶性又は水膨潤性のバイ
ンダーが水に混合された液体に、炭酸ナトリウム及び/
又は炭酸水素ナトリウムを添加する請求項13記載の水
解性の繊維シートの製造方法。 - 【請求項15】 得られた繊維シートに、金属塩、有機
溶剤並びに水を混合した溶液を含浸させる工程を含む請
求項13または14記載の水解性の繊維シートの製造方
法。 - 【請求項16】 広葉樹パルプからなる繊維の割合を、
繊維全体の重量に対して10〜50重量%とする請求項
13から15のいずれかに記載の水解性の繊維シートの
製造方法。 - 【請求項17】 広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹
パルプからなる繊維並びにカルボキシメチルセルロース
を水中で混合する工程におけるそれらの混合重量比が、
広葉樹パルプからなる繊維及び針葉樹パルプからなる繊
維の合計:カルボキシメチルセルロース=98:2〜5
5:45である請求項16記載の水解性の繊維シートの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22880298A JP3865506B2 (ja) | 1997-09-08 | 1998-08-13 | 繊維長が違う繊維を含有する水解性の繊維シート |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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