JPH11152622A - ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents
ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物Info
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- JPH11152622A JPH11152622A JP9317212A JP31721297A JPH11152622A JP H11152622 A JPH11152622 A JP H11152622A JP 9317212 A JP9317212 A JP 9317212A JP 31721297 A JP31721297 A JP 31721297A JP H11152622 A JPH11152622 A JP H11152622A
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- monofilament
- polyester
- polymer
- acid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】油性粘着物に対する優れた防汚性を有し、かつ
耐久性に優れるポリエステルモのフィラメントおよび該
ポリエステルモノフィラメントを構成素材に使用した抄
紙ワイヤーなどの油性の粘着物を含有する水性液体のろ
過工程用フィルター等の各種工業用織物を提供する。 【解決手段】1.モノフィラメントを溶融して成形した
ポリマプレートの表面にイオン交換水5マイクロリット
ルを付着させて測定した接触角が72度以下のポリマか
らなるポリエステルモノフィラメント。
耐久性に優れるポリエステルモのフィラメントおよび該
ポリエステルモノフィラメントを構成素材に使用した抄
紙ワイヤーなどの油性の粘着物を含有する水性液体のろ
過工程用フィルター等の各種工業用織物を提供する。 【解決手段】1.モノフィラメントを溶融して成形した
ポリマプレートの表面にイオン交換水5マイクロリット
ルを付着させて測定した接触角が72度以下のポリマか
らなるポリエステルモノフィラメント。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性の各種粘着物
が付着し難く、かつ、付着した油性の各種粘着物が洗浄
し易い性質と耐屈曲摩耗性に代表される優れた耐久性を
有するポリエステルモノフィラメントおよび該モノフィ
ラメントを使用した抄紙ワイヤー等の油性の粘着物を含
有する水性液体のろ過工程用フィルター等の各種工業用
織物に関するものである。
が付着し難く、かつ、付着した油性の各種粘着物が洗浄
し易い性質と耐屈曲摩耗性に代表される優れた耐久性を
有するポリエステルモノフィラメントおよび該モノフィ
ラメントを使用した抄紙ワイヤー等の油性の粘着物を含
有する水性液体のろ過工程用フィルター等の各種工業用
織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは優れた物性を有している
ため、各種工業用部品、衣料用および工業用繊維材料、
各種織物などに使用されてきた。例えばポリエステルモ
ノフィラメントとして、抄紙ドライヤーキャンバス、抄
紙ワイヤー(紙をすき上げる織物)、各種ブラシ、筆
毛、印刷スクリーン用紗、釣り糸、ゴム補強用繊維材料
などに広く用いられてきた。ポリエステル表面は一般に
親油性であり、油性の物質が付着しやすい性質を有して
いる。このために、ポリエステルモノフィラメントから
構成されるフィルター用織物を、油性の粘着物を含有す
る水性液体のろ過に使用した場合に、油性の粘着物がポ
リエステルモノフィラメントに付着堆積し、ろ過効率を
低下させてフィルター寿命を短縮させ、堆積した汚れを
洗浄しようとしてもポリエステルモノフィラメント表面
に油性粘着物汚れが固着し、洗浄が困難になる等の欠点
を有していた。例えば、該モノフィラメントを使用した
抄紙用ワイヤーの場合にはパルプスラリーが含有する回
収古紙に由来するガムテープ糊、製本糊や木材ピッチな
どの油性粘着物による上記した欠点の他に、付着蓄積し
た汚れがすき上げたパルプに転移したり、汚れ付着の形
態がすき上げたパルプに転写して紙の品位を著しく低下
させる欠点を有していた。
ため、各種工業用部品、衣料用および工業用繊維材料、
各種織物などに使用されてきた。例えばポリエステルモ
ノフィラメントとして、抄紙ドライヤーキャンバス、抄
紙ワイヤー(紙をすき上げる織物)、各種ブラシ、筆
毛、印刷スクリーン用紗、釣り糸、ゴム補強用繊維材料
などに広く用いられてきた。ポリエステル表面は一般に
親油性であり、油性の物質が付着しやすい性質を有して
いる。このために、ポリエステルモノフィラメントから
構成されるフィルター用織物を、油性の粘着物を含有す
る水性液体のろ過に使用した場合に、油性の粘着物がポ
リエステルモノフィラメントに付着堆積し、ろ過効率を
低下させてフィルター寿命を短縮させ、堆積した汚れを
洗浄しようとしてもポリエステルモノフィラメント表面
に油性粘着物汚れが固着し、洗浄が困難になる等の欠点
を有していた。例えば、該モノフィラメントを使用した
抄紙用ワイヤーの場合にはパルプスラリーが含有する回
収古紙に由来するガムテープ糊、製本糊や木材ピッチな
どの油性粘着物による上記した欠点の他に、付着蓄積し
た汚れがすき上げたパルプに転移したり、汚れ付着の形
態がすき上げたパルプに転写して紙の品位を著しく低下
させる欠点を有していた。
【0003】この油性粘着物の汚れによるポリエステル
繊維の欠点を解消するための検討が従来から行なわれ、
種々の提案がなされてきた。例えば、ポリエステル繊維
の表面に親水性の薬剤を後処理で付与して油性物による
汚れ付着を抑制する方法として、ナフタリンスルホン酸
アルカリ金属塩のホルマリン縮合物Aとポリアルキレン
オキサイド系化合物とアクリル酸等のビニル基含有化合
物との反応生成物Bとの水性分散液を付与する方法(特
開昭56−112570号公報)およびポリエステル繊
維を水分散性ポリエステルポリエーテルブロック共重合
体と酸化剤とを含む水性液中で加熱浸漬処理する方法
(特開昭59−94684号公報)などが知られてい
る。これらのポリエステル繊維表面に親水性化合物を後
処理で付与する方法は、薬剤を付与した当初は汚れ防止
効果が発現するものの、使用中に処理層が脱落し防汚効
果が持続せず、過酷な条件下で使用される工業用織物へ
の適用は不可能であった。また、ポリエステル繊維を形
成するポリマに親水性化合物を添加して防汚性を発現さ
せる方法として、親水性化合物である水不溶性ポリオキ
シエチレン系ポリエーテルを添加したポリエステル繊維
(特開平3−182546号公報)およびポリエステル
に親水性化合物である、重合性2重結合を有する潜在水
不溶性ポリオキシエチレン系化合物を添加した繊維等に
適したポリエステル組成物(特開平2−77466号公
報)などが知られているが、これらの提案によるポリエ
ステル繊維は、親水性化合物の添加により物性が低下す
る傾向が大きく、過酷な条件下で使用される工業用織物
への適用は不可能であったり、親水性化合物の水不溶化
のために繊維を長時間加熱処理、紫外線または電子線照
射処理などが必要であり製造工程が複雑となるなどの欠
点を有していた。
繊維の欠点を解消するための検討が従来から行なわれ、
種々の提案がなされてきた。例えば、ポリエステル繊維
の表面に親水性の薬剤を後処理で付与して油性物による
汚れ付着を抑制する方法として、ナフタリンスルホン酸
アルカリ金属塩のホルマリン縮合物Aとポリアルキレン
オキサイド系化合物とアクリル酸等のビニル基含有化合
物との反応生成物Bとの水性分散液を付与する方法(特
開昭56−112570号公報)およびポリエステル繊
維を水分散性ポリエステルポリエーテルブロック共重合
体と酸化剤とを含む水性液中で加熱浸漬処理する方法
(特開昭59−94684号公報)などが知られてい
る。これらのポリエステル繊維表面に親水性化合物を後
処理で付与する方法は、薬剤を付与した当初は汚れ防止
効果が発現するものの、使用中に処理層が脱落し防汚効
果が持続せず、過酷な条件下で使用される工業用織物へ
の適用は不可能であった。また、ポリエステル繊維を形
成するポリマに親水性化合物を添加して防汚性を発現さ
せる方法として、親水性化合物である水不溶性ポリオキ
シエチレン系ポリエーテルを添加したポリエステル繊維
(特開平3−182546号公報)およびポリエステル
に親水性化合物である、重合性2重結合を有する潜在水
不溶性ポリオキシエチレン系化合物を添加した繊維等に
適したポリエステル組成物(特開平2−77466号公
報)などが知られているが、これらの提案によるポリエ
ステル繊維は、親水性化合物の添加により物性が低下す
る傾向が大きく、過酷な条件下で使用される工業用織物
への適用は不可能であったり、親水性化合物の水不溶化
のために繊維を長時間加熱処理、紫外線または電子線照
射処理などが必要であり製造工程が複雑となるなどの欠
点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術による欠点のない、油性粘着物に対する優れた防
汚性を有し、かつ耐久性に優れるポリエステルモノフィ
ラメントおよび該ポリエステルモノフィラメントを構成
素材に使用した抄紙ワイヤーなどの油性の粘着物を含有
する水性液体のろ過工程用フィルター等の各種工業用織
物を提供するものである。
来技術による欠点のない、油性粘着物に対する優れた防
汚性を有し、かつ耐久性に優れるポリエステルモノフィ
ラメントおよび該ポリエステルモノフィラメントを構成
素材に使用した抄紙ワイヤーなどの油性の粘着物を含有
する水性液体のろ過工程用フィルター等の各種工業用織
物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、モノフ
ィラメントを溶融して成形したポリマプレートの表面に
イオン交換水5マイクロリットルを付着させて測定した
接触角が72度以下のポリマからなるポリエステルモノ
フィラメントによって達成することができる。
ィラメントを溶融して成形したポリマプレートの表面に
イオン交換水5マイクロリットルを付着させて測定した
接触角が72度以下のポリマからなるポリエステルモノ
フィラメントによって達成することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明のポリエステルモノフィラメントを
構成するポリエステル(以下、該ポリエステルという)
は、ジカルボン酸と、グリコールからなるポリエステル
である。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。ま
た、グリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これ
らのジカルボン酸成分とグリコール成分とを適宜組み合
わせて使用することができる。また、上記のジカルボン
酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー
酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換え
てもよく、また、上記のグリコール成分の一部をジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、ポリアルキレングリコールなど
で置き換えてもよい。更に、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン
酸、硼酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。
構成するポリエステル(以下、該ポリエステルという)
は、ジカルボン酸と、グリコールからなるポリエステル
である。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。ま
た、グリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これ
らのジカルボン酸成分とグリコール成分とを適宜組み合
わせて使用することができる。また、上記のジカルボン
酸成分の一部を、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー
酸、スルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換え
てもよく、また、上記のグリコール成分の一部をジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、ポリアルキレングリコールなど
で置き換えてもよい。更に、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパン、トリメリット酸、トリメシン
酸、硼酸などの鎖分岐剤を少量併用することもできる。
【0008】これらの内でも、ジカルボン酸成分の90
モル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の
90モル%がエチレングリコールからなる、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETという)が好適であ
る。
モル%以上がテレフタル酸からなり、グリコール成分の
90モル%がエチレングリコールからなる、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETという)が好適であ
る。
【0009】本発明のポリエステルモノフィラメントに
おけるポリエステルの極限粘度は、強度の点で0.55
以上であることが好ましい。ここで極限粘度はオルソク
ロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた
極限粘度であり、〔η〕で表わされる。
おけるポリエステルの極限粘度は、強度の点で0.55
以上であることが好ましい。ここで極限粘度はオルソク
ロロフェノール溶液中25℃で測定した粘度より求めた
極限粘度であり、〔η〕で表わされる。
【0010】本発明のポリエステルには、酸化チタン、
酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、
タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子
や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか従
来公知の抗酸化剤、モノカルボジイミド化合物、ポリカ
ルボジイミド化合物、各種エポキシ基含有化合物、オキ
サゾリン類などの耐加水分解改良剤および金属イオン封
鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、難燃剤、包
接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリ
コーンオイル、各種フッ素系界面活性剤、各種強化繊維
類などが添加されていてもよい。
酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、
タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子
や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか従
来公知の抗酸化剤、モノカルボジイミド化合物、ポリカ
ルボジイミド化合物、各種エポキシ基含有化合物、オキ
サゾリン類などの耐加水分解改良剤および金属イオン封
鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、難燃剤、包
接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリ
コーンオイル、各種フッ素系界面活性剤、各種強化繊維
類などが添加されていてもよい。
【0011】本発明のポリエステルモノフィラメント
は、モノフィラメントを溶融して成形したポリマプレー
トの表面にイオン交換水5マイクロリットルを付着させ
て測定した接触角(以下、水接触角という)が72度以
下であることが必要である。また、水接触角が70度以
下であると油性粘着物による汚れが一層防止できるため
より好適であり、68度以下であると更に好ましい。
は、モノフィラメントを溶融して成形したポリマプレー
トの表面にイオン交換水5マイクロリットルを付着させ
て測定した接触角(以下、水接触角という)が72度以
下であることが必要である。また、水接触角が70度以
下であると油性粘着物による汚れが一層防止できるため
より好適であり、68度以下であると更に好ましい。
【0012】ここで、水接触角の測定は次の方法で行な
ったものであり、角度が小さいほど親水性であることを
表す。
ったものであり、角度が小さいほど親水性であることを
表す。
【0013】(1)約0.5cmの長さに切断したモノ
フィラメント約4gを100ccビーカー中のメタノー
ル約50ccに投入し、ビーカーを超音波バス中に入れ
30秒間超音波洗浄した後、ビーカーを超音波バスから
取り出し、ビーカー中のモノフィラメントをメタノール
と共に2Gのガラスフィルター中に移し、メタノールを
ろ過してモノフィラメントを分離した。更に、ガラスフ
ィルター上のモノフィラメントを清浄なメタノール50
ccで洗浄し、ろ過することでモノフィラメントの洗浄
を行なった。
フィラメント約4gを100ccビーカー中のメタノー
ル約50ccに投入し、ビーカーを超音波バス中に入れ
30秒間超音波洗浄した後、ビーカーを超音波バスから
取り出し、ビーカー中のモノフィラメントをメタノール
と共に2Gのガラスフィルター中に移し、メタノールを
ろ過してモノフィラメントを分離した。更に、ガラスフ
ィルター上のモノフィラメントを清浄なメタノール50
ccで洗浄し、ろ過することでモノフィラメントの洗浄
を行なった。
【0014】(2)洗浄後のモノフィラメントを100
℃で16時間、減圧乾燥した。
℃で16時間、減圧乾燥した。
【0015】(3)乾燥後のモノフィラメントをメルト
インデクサー(宝工業(株)製、タイプMS−101
B)を使用して、280℃、荷重1kgの条件でφ2mm
のオリフィスから溶融して押し出し、押し出されたポリ
マを鏡面状態の2枚の冷ステンレススチール板(厚さ2
mm)に挟んで放冷した後、ポリマをステンレススチール
板からはがし取り表面が平坦な、接触角測定用のポリマ
プレートを作成した。
インデクサー(宝工業(株)製、タイプMS−101
B)を使用して、280℃、荷重1kgの条件でφ2mm
のオリフィスから溶融して押し出し、押し出されたポリ
マを鏡面状態の2枚の冷ステンレススチール板(厚さ2
mm)に挟んで放冷した後、ポリマをステンレススチール
板からはがし取り表面が平坦な、接触角測定用のポリマ
プレートを作成した。
【0016】(4)該ポリマプレートを測定試料とし2
0℃の雰囲気下、エルマ光学(株)製のゴニオメーター
を使用して、該ポリマプレート表面にマイクロシリンジ
で純水5マイクロリットルを付着させて水滴の付着角度
を測定した。
0℃の雰囲気下、エルマ光学(株)製のゴニオメーター
を使用して、該ポリマプレート表面にマイクロシリンジ
で純水5マイクロリットルを付着させて水滴の付着角度
を測定した。
【0017】また、本発明のポリエステルモノフィラメ
ントは、屈曲摩耗切断回数が下記〔I〕式を満足するも
のであると耐久性に優れたものとなるため、過酷な条件
で長期間使用される工業用織物の構成素材として好まし
い。また、屈曲摩耗切断回数が下記〔II〕式を満足する
ものであるとより好ましい。
ントは、屈曲摩耗切断回数が下記〔I〕式を満足するも
のであると耐久性に優れたものとなるため、過酷な条件
で長期間使用される工業用織物の構成素材として好まし
い。また、屈曲摩耗切断回数が下記〔II〕式を満足する
ものであるとより好ましい。
【0018】 C≧46000−60600D+34100D2 −3100D3 …〔I〕 C≧50000−33000D …〔I
I〕(ただし、〔I〕式および〔II〕式中のCは、モノ
フィラメントの屈曲摩耗切断回数を表し、Dは、モノフ
ィラメントの短径であり、0.05mm〜1.00mmの範
囲を表す。(ただし、該モノフィラメントの短径は、モ
ノフィラメントを繊維軸に垂直に切断した時に出現する
断面において、該断面を等倍に投影した図形の重心を通
り、相対する2辺間を直線で結んだ線分の最も短い長さ
をミリメートルで表したものである。))ここで、屈曲
摩耗切断回数の測定は次の方法で行なったものである。
I〕(ただし、〔I〕式および〔II〕式中のCは、モノ
フィラメントの屈曲摩耗切断回数を表し、Dは、モノフ
ィラメントの短径であり、0.05mm〜1.00mmの範
囲を表す。(ただし、該モノフィラメントの短径は、モ
ノフィラメントを繊維軸に垂直に切断した時に出現する
断面において、該断面を等倍に投影した図形の重心を通
り、相対する2辺間を直線で結んだ線分の最も短い長さ
をミリメートルで表したものである。))ここで、屈曲
摩耗切断回数の測定は次の方法で行なったものである。
【0019】JIS L-1095-7.10.2Bに準じて、固定された
φ1mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP-ASF) )の上に接触させ
たモノフィラメントを、該摩擦子の左右各55度の角度で
斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離70
mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介し
て該モノフィラメントの一端にモノフィラメント1d当
たり0.22g の荷重をかけてセットする。該モノフィラメ
ントを往復回数 105回/分、往復ストローク25mmで摩擦
子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフ
ィラメントについて夫々切断するまでの往復折り曲げ回
数を測定して平均値を求めた。該平均値が大きいほど耐
屈曲摩耗性が良好なことを表す。
φ1mmの摩擦子(硬質鋼線(SWP-ASF) )の上に接触させ
たモノフィラメントを、該摩擦子の左右各55度の角度で
斜め下に設けたフリーローラー2個(ローラー間距離70
mm)の下に掛け、別の1個のフリーローラーの上を介し
て該モノフィラメントの一端にモノフィラメント1d当
たり0.22g の荷重をかけてセットする。該モノフィラメ
ントを往復回数 105回/分、往復ストローク25mmで摩擦
子に接触往復させて、同一試料につき各10本のモノフ
ィラメントについて夫々切断するまでの往復折り曲げ回
数を測定して平均値を求めた。該平均値が大きいほど耐
屈曲摩耗性が良好なことを表す。
【0020】屈曲摩耗切断回数が上記〔I〕式を満足し
ないものであると、ポリエステルモノフィラメントを使
用した繰り返し屈曲を受ける抄紙ワイヤー等の工業用エ
ンドレス織物の疲労による寿命を従来のものより延長す
るメリットを有しないため好ましくない。
ないものであると、ポリエステルモノフィラメントを使
用した繰り返し屈曲を受ける抄紙ワイヤー等の工業用エ
ンドレス織物の疲労による寿命を従来のものより延長す
るメリットを有しないため好ましくない。
【0021】本発明のポリエステルモノフィラメントを
構成するポリマは、ポリエステルにポリアクリル酸ソー
ダ、ポリNビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびそ
の共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、
ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリ
ルアミドおよびその共重合体、架橋ポリエチレンオキサ
イド系ポリマ、ポリエチレングリコールなどのポリオキ
シアルキレン系化合物類、スルホン酸アルカリ金属塩置
換芳香族ジカルボン酸類およびポリエーテルエステルア
ミド、ポリエステルアミドなどの一種以上の親水性物質
を共重合あるいは添加させることにより得ることができ
るが、中でも、ポリエステルにポリエーテルエステルア
ミドを添加したポリマが好適である。
構成するポリマは、ポリエステルにポリアクリル酸ソー
ダ、ポリNビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびそ
の共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、
ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリ
ルアミドおよびその共重合体、架橋ポリエチレンオキサ
イド系ポリマ、ポリエチレングリコールなどのポリオキ
シアルキレン系化合物類、スルホン酸アルカリ金属塩置
換芳香族ジカルボン酸類およびポリエーテルエステルア
ミド、ポリエステルアミドなどの一種以上の親水性物質
を共重合あるいは添加させることにより得ることができ
るが、中でも、ポリエステルにポリエーテルエステルア
ミドを添加したポリマが好適である。
【0022】本発明のポリエステルモノフィラメントを
構成するポリマ中における該ポリエーテルエステルアミ
ドなどの親水性物質の含有量は、油性粘着物に対する十
分な防汚性と十分な耐摩耗性を付与するため、更にモノ
フィラメントに十分な強度を持たせるために0.2〜3
0重量%の範囲が好ましく、0.5〜20重量%がより
好ましく、1〜15重量%が更に好ましい。
構成するポリマ中における該ポリエーテルエステルアミ
ドなどの親水性物質の含有量は、油性粘着物に対する十
分な防汚性と十分な耐摩耗性を付与するため、更にモノ
フィラメントに十分な強度を持たせるために0.2〜3
0重量%の範囲が好ましく、0.5〜20重量%がより
好ましく、1〜15重量%が更に好ましい。
【0023】該ポリエーテルエステルアミドは、同一分
子鎖内にエーテル結合、エステル結合およびアミド結合
を持つブロック共重合体である。より具体的にはラクタ
ム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸の塩か
ら選ばれた1種もしくは2種以上のポリアミド形成性成
分(A)およびジカルボン酸とポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールからなるポリエーテルエステル形成性成
分(B)を重縮合反応させて得られるブロック共重合体
ポリマである。
子鎖内にエーテル結合、エステル結合およびアミド結合
を持つブロック共重合体である。より具体的にはラクタ
ム、アミノカルボン酸、ジアミンとジカルボン酸の塩か
ら選ばれた1種もしくは2種以上のポリアミド形成性成
分(A)およびジカルボン酸とポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコールからなるポリエーテルエステル形成性成
分(B)を重縮合反応させて得られるブロック共重合体
ポリマである。
【0024】該ポリエーテルエステルアミドのポリアミ
ド形成性成分(A)としては、カプロラクタム、エナン
トラクタム、ドデカノラクタム、ウンデカノラクタム等
のラクタム類、アミノカプロン酸,11−アミノウンデ
カン酸、12−アミノドデカン酸などのω−アミノカル
ボン酸、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
2等の前駆体であるジアミン−ジカルボン酸のナイロン
塩類があり、これらを1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいポリアミド形成性成分はε−
カプロラクタム、ナイロン66塩である。
ド形成性成分(A)としては、カプロラクタム、エナン
トラクタム、ドデカノラクタム、ウンデカノラクタム等
のラクタム類、アミノカプロン酸,11−アミノウンデ
カン酸、12−アミノドデカン酸などのω−アミノカル
ボン酸、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン61
2等の前駆体であるジアミン−ジカルボン酸のナイロン
塩類があり、これらを1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいポリアミド形成性成分はε−
カプロラクタム、ナイロン66塩である。
【0025】一方、ポリエーテルエステルアミドを構成
するポリエーテルエステル成分(B)としては、炭素数
4〜20のジカルボン酸とポリ(アルキレンオキシド)
グリコールとからなる。炭素数4〜20のジカルボン酸
としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカジ酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸
をあげることができ、1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいジカルボン酸はアジピン酸、
セバシン酸、ドデカジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸
である。またポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
しては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−およ
び1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチ
レンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピ
レンオキシドまたはテトラヒドロフランとのランダムま
たはブロック共重合等があげられ、特にポリエチレング
リコールが好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コールの数平均分子量は好ましくは300 〜10000 、より
好ましくは500 〜4000の範囲である。
するポリエーテルエステル成分(B)としては、炭素数
4〜20のジカルボン酸とポリ(アルキレンオキシド)
グリコールとからなる。炭素数4〜20のジカルボン酸
としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカジ酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸
をあげることができ、1種または2種以上混合して用い
ることができる。好ましいジカルボン酸はアジピン酸、
セバシン酸、ドデカジ酸、テレフタル酸、イソフタル酸
である。またポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
しては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−およ
び1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチ
レンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピ
レンオキシドまたはテトラヒドロフランとのランダムま
たはブロック共重合等があげられ、特にポリエチレング
リコールが好ましい。ポリ(アルキレンオキシド)グリ
コールの数平均分子量は好ましくは300 〜10000 、より
好ましくは500 〜4000の範囲である。
【0026】該ポリエーテルエステルアミドブロック共
重合体は上記したポリアミド形成性成分(A)とポリエ
ーテルエステル形成性成分(B)を重縮合することによ
って得られる。工業的に好ましい方法としては(A)お
よび(B)を減圧下、加熱重縮合する方法があげられる
が、その際、高重合度で着色の少ないポリマを得るため
には例えば酸化アンチモン、チタン酸エステル等を重縮
合触媒として、またリン酸、リン酸エステル等を着色防
止剤として添加することが好ましい。ポリエーテルエス
テルアミド中の(A)と(B)の重量比は好ましくは9
9:1〜5:95、より好ましくは80:20 〜10:90 の範囲で有
効に利用することができる。
重合体は上記したポリアミド形成性成分(A)とポリエ
ーテルエステル形成性成分(B)を重縮合することによ
って得られる。工業的に好ましい方法としては(A)お
よび(B)を減圧下、加熱重縮合する方法があげられる
が、その際、高重合度で着色の少ないポリマを得るため
には例えば酸化アンチモン、チタン酸エステル等を重縮
合触媒として、またリン酸、リン酸エステル等を着色防
止剤として添加することが好ましい。ポリエーテルエス
テルアミド中の(A)と(B)の重量比は好ましくは9
9:1〜5:95、より好ましくは80:20 〜10:90 の範囲で有
効に利用することができる。
【0027】また、該ポリエーテルエステルアミドは、
耐熱性を向上する目的で各種抗酸化剤を少量含有するこ
とができる。
耐熱性を向上する目的で各種抗酸化剤を少量含有するこ
とができる。
【0028】該ポリエーテルエステルアミドは、ポリエ
ステルの加水分解劣化を防止する目的でポリエステルへ
の添加に先立って乾燥することが好ましい。ポリエステ
ルエーテルアミドの乾燥は、例えば、まずポリエステル
エーテルアミドのペレットに窒素ガスを吹き付けながら
60℃〜120℃で3時間以上予備乾燥し、ついで60
℃〜120℃で5時間以上減圧乾燥する方法で行なうこ
とができる。また、ポリエステルペレットも公知の方法
で乾燥後使用する。
ステルの加水分解劣化を防止する目的でポリエステルへ
の添加に先立って乾燥することが好ましい。ポリエステ
ルエーテルアミドの乾燥は、例えば、まずポリエステル
エーテルアミドのペレットに窒素ガスを吹き付けながら
60℃〜120℃で3時間以上予備乾燥し、ついで60
℃〜120℃で5時間以上減圧乾燥する方法で行なうこ
とができる。また、ポリエステルペレットも公知の方法
で乾燥後使用する。
【0029】ポリエステルへの該ポリエステルエーテル
アミドの添加は、ポリエステル繊維製造の任意の工程で
行なうことができ、例えば、重縮合後の溶融状態のポリ
エステルに添加溶融混練し吐出・冷却・ペレタイズする
方法。溶融紡糸前に乾燥したポリエステルペレットとポ
リエステルエーテルアミドの所定量とを混合供給して、
エクストルダー式溶融紡糸機内で溶融混練する方法もし
くは、ポリエステルにポリエステルエーテルアミドを予
め高濃度に溶融混練し、吐出・冷却・ペレット化したマ
スターバッチとしてポリエステルに添加する方法などを
採用することができる。中でも、マスターバッチとして
添加する方法が好ましい。マスターバッチにおけるポリ
エステルエーテルアミドの濃度は、60重量%以内が好
ましい。
アミドの添加は、ポリエステル繊維製造の任意の工程で
行なうことができ、例えば、重縮合後の溶融状態のポリ
エステルに添加溶融混練し吐出・冷却・ペレタイズする
方法。溶融紡糸前に乾燥したポリエステルペレットとポ
リエステルエーテルアミドの所定量とを混合供給して、
エクストルダー式溶融紡糸機内で溶融混練する方法もし
くは、ポリエステルにポリエステルエーテルアミドを予
め高濃度に溶融混練し、吐出・冷却・ペレット化したマ
スターバッチとしてポリエステルに添加する方法などを
採用することができる。中でも、マスターバッチとして
添加する方法が好ましい。マスターバッチにおけるポリ
エステルエーテルアミドの濃度は、60重量%以内が好
ましい。
【0030】本発明のポリエステルモノフィラメントの
製造は、上記の方法によりポリエステルエーテルアミド
を添加したポリマを、例えば、エクストルダ型紡糸機中
で混練した後、紡糸口金より紡出し、公知の条件で冷却
・延伸・熱セットを行なう等により製造する方法を挙げ
ることができる。
製造は、上記の方法によりポリエステルエーテルアミド
を添加したポリマを、例えば、エクストルダ型紡糸機中
で混練した後、紡糸口金より紡出し、公知の条件で冷却
・延伸・熱セットを行なう等により製造する方法を挙げ
ることができる。
【0031】本発明のモノフィラメントは1本の単糸か
らなる連続糸である。本発明のポリエステルモノフィラ
メントの断面形状はいかなるものでもよく、例えば丸、
楕円、3角、T、Y、H、+、5葉,6葉,7葉,8葉
などの多葉形状、正方形、長方形、菱形、繭型、馬蹄型
などを挙げることができ、また、これらの形状を一部変
更したものであってもよい。また、使用に当たってはこ
れら各種断面形状のフィラメントを適宜組み合わせて用
いることができる。また、糸の必要強度は用途により異
なるが、概ね3.0g/デニール以上が好ましい。
らなる連続糸である。本発明のポリエステルモノフィラ
メントの断面形状はいかなるものでもよく、例えば丸、
楕円、3角、T、Y、H、+、5葉,6葉,7葉,8葉
などの多葉形状、正方形、長方形、菱形、繭型、馬蹄型
などを挙げることができ、また、これらの形状を一部変
更したものであってもよい。また、使用に当たってはこ
れら各種断面形状のフィラメントを適宜組み合わせて用
いることができる。また、糸の必要強度は用途により異
なるが、概ね3.0g/デニール以上が好ましい。
【0032】本発明のポリエステルモノフィラメント
は、水接触角が70度以下でポリエーテルエステルアミ
ドを0.2〜30重量%含有するポリマがモノフィラメ
ント表面積の50%以上を占めるように露出しているも
のが好ましく、より好ましくは100%である。フィラ
メントの構造としては、単一成分構造の他に、例えば2
重以上の芯鞘複合構造あるいは芯成分が芯鞘複合繊維中
の鞘(海)成分中に複数本の島状に存在する海島型複合
繊維であってもよい。芯鞘複合繊維における芯(島)成
分と鞘(海)成分との複合比率は、通常は重量比率で芯
成分:鞘成分=50:50〜95:5の範囲であり、芯
成分:鞘成分=60〜90:40〜10の複合比率が繊
維強度の面からさらに好ましい。
は、水接触角が70度以下でポリエーテルエステルアミ
ドを0.2〜30重量%含有するポリマがモノフィラメ
ント表面積の50%以上を占めるように露出しているも
のが好ましく、より好ましくは100%である。フィラ
メントの構造としては、単一成分構造の他に、例えば2
重以上の芯鞘複合構造あるいは芯成分が芯鞘複合繊維中
の鞘(海)成分中に複数本の島状に存在する海島型複合
繊維であってもよい。芯鞘複合繊維における芯(島)成
分と鞘(海)成分との複合比率は、通常は重量比率で芯
成分:鞘成分=50:50〜95:5の範囲であり、芯
成分:鞘成分=60〜90:40〜10の複合比率が繊
維強度の面からさらに好ましい。
【0033】本発明の工業用織物とは、本発明のポリエ
ステルモノフィラメントを織物を構成する緯糸および/
または経糸の少なくとも一部に使用した抄紙ワイヤー、
抄紙ドライヤーキャンバスおよび抄紙プレスフェルト基
布等の抄紙工程用資材、および各種ろ過工程用フィルタ
ー等のことであり、特に本発明のポリエステルモノフィ
ラメントを使用した抄紙ワイヤーの場合には、ガムピッ
チなどの油性の粘着物の付着を大幅に抑制でき、更には
付着した汚れが洗浄除去しやすいものとなるため有用で
ある。また、本発明のポリエステルモノフィラメントを
使用した工業用織物が繰り返し擦過を受ける用途、例え
ば、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーキャンバスおよび抄
紙プレスフェルト基布等のエンドレス織物である場合に
は、従来のポリエステルモノフィラメントを使用した織
物に比較してガムピッチなどの油性の粘着物の付着を大
幅に抑制できるメリットに加えて耐屈曲摩耗性が優れ長
寿命となるため好適である。この利点は特に抄紙ワイヤ
ーとして重要である。
ステルモノフィラメントを織物を構成する緯糸および/
または経糸の少なくとも一部に使用した抄紙ワイヤー、
抄紙ドライヤーキャンバスおよび抄紙プレスフェルト基
布等の抄紙工程用資材、および各種ろ過工程用フィルタ
ー等のことであり、特に本発明のポリエステルモノフィ
ラメントを使用した抄紙ワイヤーの場合には、ガムピッ
チなどの油性の粘着物の付着を大幅に抑制でき、更には
付着した汚れが洗浄除去しやすいものとなるため有用で
ある。また、本発明のポリエステルモノフィラメントを
使用した工業用織物が繰り返し擦過を受ける用途、例え
ば、抄紙ワイヤー、抄紙ドライヤーキャンバスおよび抄
紙プレスフェルト基布等のエンドレス織物である場合に
は、従来のポリエステルモノフィラメントを使用した織
物に比較してガムピッチなどの油性の粘着物の付着を大
幅に抑制できるメリットに加えて耐屈曲摩耗性が優れ長
寿命となるため好適である。この利点は特に抄紙ワイヤ
ーとして重要である。
【0034】ここで抄紙ワイヤーとは、一重織、二重織
および三重織など様々な織物として、紙の漉き上げ工程
で使用される織物のことで、長網あるいは丸網などとし
て用いられるものである。
および三重織など様々な織物として、紙の漉き上げ工程
で使用される織物のことで、長網あるいは丸網などとし
て用いられるものである。
【0035】また、本発明のポリエステルモノフィラメ
ントおよび工業用織物は、後加工により更に公知の各種
親水性薬剤を付与処理したものであってもよい。
ントおよび工業用織物は、後加工により更に公知の各種
親水性薬剤を付与処理したものであってもよい。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例における粘着物防汚性評価は、粘
着物汚れとして布ガムテープ糊を想定して、次に示す方
法による、モノフィラメントからなる織物に張り付けた
ガムテープの剥離試験により行なった。
明する。なお、実施例における粘着物防汚性評価は、粘
着物汚れとして布ガムテープ糊を想定して、次に示す方
法による、モノフィラメントからなる織物に張り付けた
ガムテープの剥離試験により行なった。
【0037】工業用織物の代表である抄紙ワイヤーのモ
デルとして、経糸にモノフィラメントを打ち込み本数1
12本/インチで使用し、緯糸に150デニールのレギ
ュラーPET製マルチフィラメントを打ち込み本数35
本/インチで使用した平織物(表面へマルチフィラメン
トの露出無し)を作成し、該織物を、経糸と平行に縦1
5cm、緯糸と平行に横2cmの長方形に切断する。該長方
形の平織物のサンプルを20℃のイオン交換水中に2時
間浸漬した後、水中でサンプル面に、幅1cm×長さ15
cmの長方形に切断した布ガムテープを、該織物サンプル
の経糸と該長方形ガムテープの長手方向とを平行にはり
つけ(貼り付け荷重は、200g/cm2)、水中から取
り出した後、該織物とガムテープとの剥離角度180度
における応力を測定する(各サンプル種毎に10枚ずつ
測定を行ない平均値を求める)。該剥離応力が低いほ
ど、油性粘着物汚れが付着しにくく、剥離しやすいこと
を表すものである。
デルとして、経糸にモノフィラメントを打ち込み本数1
12本/インチで使用し、緯糸に150デニールのレギ
ュラーPET製マルチフィラメントを打ち込み本数35
本/インチで使用した平織物(表面へマルチフィラメン
トの露出無し)を作成し、該織物を、経糸と平行に縦1
5cm、緯糸と平行に横2cmの長方形に切断する。該長方
形の平織物のサンプルを20℃のイオン交換水中に2時
間浸漬した後、水中でサンプル面に、幅1cm×長さ15
cmの長方形に切断した布ガムテープを、該織物サンプル
の経糸と該長方形ガムテープの長手方向とを平行にはり
つけ(貼り付け荷重は、200g/cm2)、水中から取
り出した後、該織物とガムテープとの剥離角度180度
における応力を測定する(各サンプル種毎に10枚ずつ
測定を行ない平均値を求める)。該剥離応力が低いほ
ど、油性粘着物汚れが付着しにくく、剥離しやすいこと
を表すものである。
【0038】参考例1 36重量%のナイロン6ユニットと64重量%のポリエ
ーテルエステルユニット(テレフタル酸15.6重量%
と数平均分子量1000のポリエチレングリコール84.4
wt%からなるポリエーテルエステル)からなるブロッ
ク共重合体を100重量部とポリアミド系の抗酸化剤で
ある“イルガノックス”1098を0.5重量部含有す
るポリエーテルエステルアミドブロック共重合体ペレッ
トを準備した(以下、ポリマ(A)ペレットまたはポリ
マ(A)という)。一方、ポリエステルとして、〔η〕
1.05のポリエチレンテレフタレートペレットを準備
した(以下、PETまたはPETペレットという)。
ーテルエステルユニット(テレフタル酸15.6重量%
と数平均分子量1000のポリエチレングリコール84.4
wt%からなるポリエーテルエステル)からなるブロッ
ク共重合体を100重量部とポリアミド系の抗酸化剤で
ある“イルガノックス”1098を0.5重量部含有す
るポリエーテルエステルアミドブロック共重合体ペレッ
トを準備した(以下、ポリマ(A)ペレットまたはポリ
マ(A)という)。一方、ポリエステルとして、〔η〕
1.05のポリエチレンテレフタレートペレットを準備
した(以下、PETまたはPETペレットという)。
【0039】ポリマ(A)を80℃に調節した乾燥機で
窒素ガスを流通しながら8時間予備乾燥し、次いで90
℃で3mmHg以下に減圧しながら16時間乾燥した。一
方、PETを150℃で3mmHg以下に減圧しながら16
時間乾燥した。
窒素ガスを流通しながら8時間予備乾燥し、次いで90
℃で3mmHg以下に減圧しながら16時間乾燥した。一
方、PETを150℃で3mmHg以下に減圧しながら16
時間乾燥した。
【0040】乾燥したポリマ(A)40重量部と乾燥し
たPET60重量部を計量しながら50mmφの1軸エク
ストルダーに供給し、295℃で溶融混練し先端からガ
ット状に押し出して、水槽で冷却後ペレット化し、ポリ
エーテルエステルアミドブロック共重合体を40重量%
含有するPETマスターバッチを製造した。
たPET60重量部を計量しながら50mmφの1軸エク
ストルダーに供給し、295℃で溶融混練し先端からガ
ット状に押し出して、水槽で冷却後ペレット化し、ポリ
エーテルエステルアミドブロック共重合体を40重量%
含有するPETマスターバッチを製造した。
【0041】実施例1〜9、比較実施例1〜2 参考例1で製造した、120℃で3mmHg以下に減圧しな
がら16時間乾燥したマスターバッチとPETペレット
とを表1に示すそれぞれの重量比で計量しながらφ50
mmの1軸エクストルダーに連続供給し、295℃で3分
間混練した溶融ポリマをギアポンプを経て紡糸パック内
の濾過層および流線入替器(米国ケミックス社の「スタ
ーティックミキサー」)を通して円形断面糸用紡糸口金
より紡出した。紡出モノフィラメントを80℃の湯浴で
冷却後、常法に従い合計5.0倍に延伸および熱セット
を行ない、直径0.22mmの断面形状が円形のモノフィ
ラメントを得た。モノフィラメントを溶融して成形した
ポリマプレートの表面にイオン交換水5マイクロリット
ルを付着させて測定した接触角(水接触角)、モノフィ
ラメントの強伸度、屈曲摩耗切断回数およびモノフィラ
メントを製織して測定したガムテープ剥離応力を表2に
示す。なお、表2には、各実施例におけるモノフィラメ
ントを構成するポリマの組成を併示する。
がら16時間乾燥したマスターバッチとPETペレット
とを表1に示すそれぞれの重量比で計量しながらφ50
mmの1軸エクストルダーに連続供給し、295℃で3分
間混練した溶融ポリマをギアポンプを経て紡糸パック内
の濾過層および流線入替器(米国ケミックス社の「スタ
ーティックミキサー」)を通して円形断面糸用紡糸口金
より紡出した。紡出モノフィラメントを80℃の湯浴で
冷却後、常法に従い合計5.0倍に延伸および熱セット
を行ない、直径0.22mmの断面形状が円形のモノフィ
ラメントを得た。モノフィラメントを溶融して成形した
ポリマプレートの表面にイオン交換水5マイクロリット
ルを付着させて測定した接触角(水接触角)、モノフィ
ラメントの強伸度、屈曲摩耗切断回数およびモノフィラ
メントを製織して測定したガムテープ剥離応力を表2に
示す。なお、表2には、各実施例におけるモノフィラメ
ントを構成するポリマの組成を併示する。
【0042】
【表1】
【表2】 実施例10〜15 実施例1におけるモノフィラメントの直径を表3に示す
ごとく変更したこと以外は実施例1と同様に行なって得
たモノフィラメントの水接触角、屈曲摩耗切断回数を表
3に示す。
ごとく変更したこと以外は実施例1と同様に行なって得
たモノフィラメントの水接触角、屈曲摩耗切断回数を表
3に示す。
【0043】
【表3】 実施例16〜21 実施例2におけるモノフィラメントの直径を表3に示す
ごとく変更したこと以外は実施例2と同様に行なって得
たモノフィラメントの水接触角、屈曲摩耗切断回数を表
4に示す。
ごとく変更したこと以外は実施例2と同様に行なって得
たモノフィラメントの水接触角、屈曲摩耗切断回数を表
4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明のモノフィラメントおよび織物は
油性粘着物に対する防汚性に優れ、かつ優れた耐屈曲摩
耗性と強伸度特性を有しており、抄紙ワイヤーを代表と
する工業用織物として有用である。
油性粘着物に対する防汚性に優れ、かつ優れた耐屈曲摩
耗性と強伸度特性を有しており、抄紙ワイヤーを代表と
する工業用織物として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 明 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 (72)発明者 柵木 朗 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 (72)発明者 小林 勉 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】モノフィラメントを溶融して成形したポリ
マプレートの表面にイオン交換水5マイクロリットルを
付着させて測定した接触角が72度以下のポリマからな
るポリエステルモノフィラメント。 - 【請求項2】屈曲摩耗切断回数が下記〔I〕式を満足す
る請求項1記載のポリエステルモノフィラメント。 C≧46000−60600D+34100D2 −3100D3 …〔I〕 (ただし、〔I〕式中のCは、モノフィラメントの屈曲
摩耗切断回数を表し、Dは、モノフィラメントの短径で
あり、0.05mm〜1.00mmの範囲を表す。(ただ
し、該モノフィラメントの短径は、モノフィラメントを
繊維軸に垂直に切断した時に出現する断面において、該
断面を等倍に投影した図形の重心を通り、相対する2辺
間を直線で結んだ線分の最も短い長さをミリメートルで
表したものである。)) - 【請求項3】ポリエーテルエステルアミドを0.2〜3
0重量%含有する請求項1,2のいずれか1項記載のポ
リエステルモノフィラメント。 - 【請求項4】ポリエステルがポリエチレンテレフタレー
トである請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステ
ルモノフィラメント。 - 【請求項5】織物を構成する緯糸および/または経糸の
少なくとも一部が、請求項1〜4のいずれか1項記載の
ポリエステルモノフィラメントからなる工業用織物。 - 【請求項6】工業用織物が、抄紙ワイヤーである請求項
5記載の工業用織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9317212A JPH11152622A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9317212A JPH11152622A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11152622A true JPH11152622A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18085726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9317212A Pending JPH11152622A (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11152622A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528737A (ja) * | 2003-05-09 | 2006-12-21 | アルバニー インターナショナル コーポレイション | パッキング糸付きの多層形成布 |
JP2016047970A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 帝人モノフィラメント株式会社 | 濾過材用モノフィラメント |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP9317212A patent/JPH11152622A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528737A (ja) * | 2003-05-09 | 2006-12-21 | アルバニー インターナショナル コーポレイション | パッキング糸付きの多層形成布 |
JP2016047970A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 帝人モノフィラメント株式会社 | 濾過材用モノフィラメント |
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