JPH11150318A - レーザ光発生制御装置、レーザ光発生装置およびレーザ光発生制御方法 - Google Patents

レーザ光発生制御装置、レーザ光発生装置およびレーザ光発生制御方法

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JPH11150318A
JPH11150318A JP9318136A JP31813697A JPH11150318A JP H11150318 A JPH11150318 A JP H11150318A JP 9318136 A JP9318136 A JP 9318136A JP 31813697 A JP31813697 A JP 31813697A JP H11150318 A JPH11150318 A JP H11150318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振器長の制御が一時停止する頻度を減らす
ことを可能にし、レーザ光の利用効率を向上させること
を可能にする。 【解決手段】 サーチ制御部29は、サーボ一時停止決
断部28によって、共振器長のサーボ制御を一時的に停
止することが決断されたときには、所定の共振器長を基
準にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向のうち共
振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停止
までの時間が長くなる方向を予測し、その方向に向けて
共振器長の制御が可能な状態をサーチする。また、サー
チ制御部29は、サーチにより、共振器長の制御が可能
な状態になったら、その旨をサーボ一時停止決断部28
に知らせ、サーボ一時停止決断部28は、サーボ制御を
再開する。これにより、再び発振周波数が同一になるよ
うに共振器長の制御が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造用露光
装置,干渉計,科学技術,計測,波長変換等に用いられ
るレーザ光を発生させるためのレーザ光発生制御装置、
レーザ光発生装置およびレーザ光発生制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、狭帯域化された強力なレーザ
光を発生する装置として、注入同期されたレーザ光を出
力するレーザ光発生装置が知られている。注入同期と
は、出力レーザ光の周波数を、外部から注入されたレー
ザ光の周波数に対して所定の関係を有するように同調さ
せることを言う。注入同期には、パルス光を発生するイ
ンジェクションシーディングや、連続光を発生するイン
ジェクションロッキング等がある。このような注入同期
を用いるレーザ光発生装置は、半導体製造用露光装置や
干渉計等で利用されている。
【0003】注入同期を用いるレーザ光発生装置は、レ
ーザ光を共振させるための共振器を備え、この共振器に
注入される基本レーザ光と共振器によって発生されるス
レーブレーザ光とを、互いに同調するように制御して所
定の特性のレーザ光を出力するようになっている。この
ようなレーザ光発生装置では、基本レーザ光とスレーブ
レーザ光との同調をとるために、アクチュエータによっ
てレーザ光の波長以下の寸法精度で共振器光路長(以
下、単に「共振器長」という。)を制御するようにサー
ボがかけられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、注入同期を
用いるレーザ光発生装置では、振動,温度変化による共
振器の膨張,変形,屈折率変化等の外乱により共振器長
が変化することがある。このとき、レーザ光発生装置で
は、共振器長を一定に保つようにサーボをかけて共振器
長を制御するが、それには機械的または電気的な限界が
ある。この限界を越えると共振器長を制御できなくな
る。そのため、レーザ光発生装置では、制御回路に所定
の制御の限界点を設けて、この限界点に達したら、一
旦、共振器長の制御を停止し、アクチュエータを例えば
中立点または中央点付近に戻し、その後、共振器長の制
御が可能となる位置をサーチ(探索)した後、そのサー
チした位置を共振器長の制御状態への移行開始点とし
て、再び共振器長の制御を再開させることがよく行われ
ている。
【0005】上述のような処理により、共振器長と共振
器モードの次数が変わることで、再び発振周波数が同一
になるように共振器長を制御できるようになるが、共振
器長の制御を停止させてから制御を再開させて制御が安
定するまでの間は、レーザ光発生装置は、マルチモード
発振状態または注入不可能状態となり、レーザ光が例え
ば単一周波数で出力されなくなる。このような状態のと
きには、レーザ光の特性が変わるため、レーザ光発生装
置を利用するシステムにおいてレーザ光を利用すること
ができなくなる。従って、なるべく制御回路が一時停止
する頻度を減らして、レーザ光の利用可能時間を長くと
ることがレーザ光の使用者にとっては好ましい。
【0006】ここで、特性の異なるレーザ光における特
性とは、出力、可干渉性(時間コヒーレンス,空間コヒ
ーレンス)、空間強度分布、ビーム特性(サイズ,発散
角,ビームウェスト位置等)、ビーム安定性(ピークや
重心の位置,角度)、時間特性(ノイズ,パルスの幅や
タイミング,出力変動)、波長(絶対波長,波長分布,
変動)、消光比、偏光方向等である。なお、レーザ光発
生装置を利用するシステムでは、例えばレーザ光の出力
変動に対処するために、フォトダイオード等の光検出器
で検出した光量が一定値になるように駆動値(電流,電
圧,光量)を変化させたり、音響光学素子や光減衰器等
の使用により光軸上の光透過率を制御する等の手段を採
用して、利用する光の出力を一定にすることも可能であ
る。しかし、こうした手段の応答速度や、制御確度には
限界があり、この限界よりも速い急激な光源出力変化に
は追従できなかったり、微小な変動を見逃すおそれもあ
る。その場合、出力変動を除去できず、例えば、従来の
レーザ光発生装置を半導体製造用露光装置に使用した場
合には、露光量の過不足により露光量の目標値からのず
れが生じて必要な精度で露光パターンの転写ができない
ことが予想される。そのため、光量に応じて露光時間を
調整してこれに対応することも可能であるが、応答速度
に限界があるといった不具合や、露光時間を変化させる
ためにスペックル強度が変化する等の副次的な不具合が
発生することもある。
【0007】また、通常、可干渉性の測定には相当な時
間を要するので、常に可干渉性の値を監視することは難
しい。しかしながら、可干渉性が変化すると、例えば半
導体用露光装置の場合、通常の平均化により、光量分布
の一様性が保たれなくなる可能性があるといった不具合
がある。このような不具合は、空間強度分布、ビーム特
性、ビーム安定性、時間特性、消光比、偏光方向等の変
化によっても引き起こされる。また、波長の変化によ
り、レンズの像面位置が変化したり、収差が変化すると
いった不具合もある。干渉計においても、波長、出力、
ビーム特性の安定性等は重要な要因である。
【0008】しかしながら、従来のレーザ光発生装置に
おける共振器長の制御方法では、以下のような理由によ
り、共振器長の制御が一時停止する頻度が多くなって、
レーザ光の利用可能時間が短くなる場合があるという問
題があった。
【0009】図10は、従来のレーザ光発生装置におけ
る共振器長の制御の様子を示す説明図である。以下で
は、アクチュエータが共振器を構成するミラーの一つに
取り付けられることにより、共振器長を伸縮させるよう
な場合について考える。また、アクチュエータは、PZ
T(Piezo-electric transducer)等のように、印加電
圧に応じて長さが伸縮するものを使用するものとし、例
えば印可電圧Vpを大きくすると、アクチュエータの長
さが伸長して共振器長を短くするように働き、逆に、印
可電圧Vpを小さくすると、アクチュエータの長さが縮
み、共振器長を長くするように働くものとする。更に、
アクチュエータの制御回路の制御の限界点として、アク
チュエータに加える印可電圧Vpの上限と下限とが設け
られ、それぞれの電圧値がVpH,VpLであるものとす
る。
【0010】図10(a)は、例えば、レーザ光発生装
置の立ち上げ後、温度が徐々に上昇して、熱膨張により
共振器長が次第に長くなった場合に、これを補正するた
めに、アクチュエータに加える印可電圧Vpを大きくし
てアクチュエータを伸長し、共振器長を元に戻すように
サーボが働いている場合の電圧Vpの変化を示してい
る。この場合には、アクチュエータに加える印可電圧V
pが大きくなって、制御の上限である電圧値VpHに達す
ると、まず、共振器長の制御が一時停止する。次に、ア
クチュエータを制御の中立点、中央点付近の位置に戻す
よう電圧値Vp0を印加し、その後、その位置から、共振
器長の制御が可能となる状態への移行開始点(図におい
て、電圧値Pa11に対応する位置)をサーチした後、そ
の移行開始点から再び共振器長の制御を再開する。
【0011】一方、図10(b)は、例えば、レーザ光
発生装置の立ち上げ後、温度が徐々に下降して、熱収縮
により共振器長が次第に短くなった場合に、これを補正
するために、アクチュエータに加える印可電圧Vpを小
さくしてアクチュエータを縮め、共振器長を元に戻すよ
うにサーボが働いている場合の電圧Vpの変化を示して
いる。この場合には、アクチュエータに加える印可電圧
pが小さくなって、制御の下限である電圧値VpLに達
すると、まず、共振器長の制御が一時停止する。次に、
アクチュエータを制御の中立点、中央点付近の位置に戻
すよう電圧値Vp0を印加し、その後、その位置から、共
振器長の制御が可能となる状態への移行開始点(図にお
いて、電圧値Pb11に対応する位置)をサーチした後、
その移行開始点から再び共振器長の制御を再開する。
【0012】このように、従来は、図10(a),図1
0(b)に示したように、共振器長の制御が一時停止
し、アクチュエータを中立点、中央点付近に戻した後、
共振器長の制御が可能となる状態への移行開始点をサー
チし、このサーチした移行開始点から共振器長の制御を
再開させる。このとき、従来では、移行開始点のサーチ
を始める方向は、共振器長の伸縮の方向に拘らず常に同
じ方向(図10(a),図10(b)に示した例では、
アクチュエータを縮める方向(電圧Vpを小さくする方
向))になるように設定されていた。このように設定さ
れていると、図10(a)に示した場合には、熱膨張に
よる共振器長の伸びとは反対方向(アクチュエータを縮
める方向)から共振器長の制御を再開するようになるた
め、最初の制御が一時停止した時刻から、次の一時停止
するまでの期間ta11は比較的長くとれる。
【0013】しかし、図10(b)に示した場合には、
熱収縮による共振器長の縮みと同一方向(アクチュエー
タを縮める方向)から共振器長の制御を再開するように
なるため、最初の制御が一時停止した時刻から、次の一
時停止するまでの期間tb11は、図10(a)に示した
場合の期間ta11と比べて短くなってしまうという問題
がある。これは、特に、熱収縮による共振器長の縮み
が、より速く起こる場合に顕著になる。また、図10
(b)に示した場合において、制御の下限(電圧値
pL)付近に、共振器長の制御が可能となる状態への移
行開始点があるときには、符号tb12で示した期間のよ
うに、アクチュエータが下限(電圧値VpL)に達しやす
くなるため、制御の一時停止と再開が頻繁に繰り返され
て、共振器長制御が安定して行われなくなる等の問題が
あった。このような問題は、温度が一定となり、共振器
長の制御が安定するか、または共振器長の伸縮の方向が
逆転しない限り、引き続き繰り返し起こる。
【0014】上記のような問題は、移行開始点のサーチ
を始める方向を、図10に示した場合とは逆の方向(ア
クチュエータを伸長する方向(電圧Vpを大きくする方
向))になるように設定した場合も同様であり、この場
合には、図10(b)に示した期間tb11は比較的長く
なり、図10(a)に示した期間ta11は逆に短くな
る。
【0015】このように、従来では、共振器長の制御を
一時停止し、アクチュエータをほぼ移動中心点付近に戻
した後、特定の方向から、共振器長の制御が可能となる
状態への移行開始点のサーチを始めるという制御方法が
用いられていた。従って、サーチした移行開始点が中心
点からずれるほど、伸縮の一方向では一時停止の時間間
隔が長くなって有利である反面、伸縮の他方向では、短
期間に一時停止が繰り返されたり、場合によっては制御
の限界点付近でより短期間に一時停止が繰り返されて、
安定な制御に至らない場合があるという問題があった。
【0016】なお、例えば、アクチュエータのストロー
クを長くとる等の手段で、ある程度共振器長の制御が一
時停止する頻度を減らすことができるが、このように、
アクチュエータのストロークを長くすると、逆にアクチ
ュエータの特性(直進性、周波数特性、長期信頼性等)
が劣化してしまうという問題がある。
【0017】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、共振器長の制御が一時停止する頻度
を減らすことを可能にし、レーザ光の利用効率を向上さ
せることを可能にしたレーザ光発生制御装置、レーザ光
発生装置およびレーザ光発生制御方法を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によるレーザ光発
生制御装置は、基本レーザ光注入手段によって注入され
る基本レーザ光に基づいて、共振器より出力されるレー
ザ光を注入同期するために、共振器または基本レーザ光
注入手段における共振器の共振器長を制御する共振器長
制御手段と、この共振器長制御手段による共振器長の制
御を一時的に停止する制御一時停止手段と、この制御一
時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止され
た後、所定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす
方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再開から次
回の共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向
を予測し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可
能な状態を探索し、その状態より、共振器長制御手段に
よる共振器長の制御を再開させる制御可能状態探索手段
とを備えたものである。
【0019】本発明によるレーザ光発生装置は、レーザ
光を共振させ、且つレーザ光を出力するための共振器
と、この共振器に対して基本レーザ光を注入する基本レ
ーザ光注入手段と、この基本レーザ光注入手段によって
注入される基本レーザ光に基づいて、共振器より出力さ
れるレーザ光を注入同期するために、共振器または基本
レーザ光注入手段における共振器の共振器長を制御する
共振器長制御手段と、この共振器長制御手段による共振
器長の制御を一時的に停止する制御一時停止手段と、こ
の制御一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に
停止された後、所定の共振器長を基準にして、共振器長
を伸ばす方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再
開から次回の共振器長の一時的な停止までの時間が長く
なる方向を予測し、予測した方向に向けて、共振器長の
制御が可能な状態を探索し、その状態より、共振器長制
御手段による共振器長の制御を再開させる制御可能状態
探索手段とを備えたものである。
【0020】本発明によるレーザ光発生制御方法は、基
本レーザ光注入手段によって注入される基本レーザ光に
基づいて、共振器より出力されるレーザ光を注入同期す
るために、共振器または基本レーザ光注入手段における
共振器の共振器長を制御すると共に、所定の場合に、共
振器長の制御を一時的に停止し、その後、所定の共振器
長を基準にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向の
うち、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時
的な停止までの時間が長くなる方向を予測し、予測した
方向に向けて、共振器長の制御が可能な状態を探索し、
その状態より、共振器長の制御を再開させるものであ
る。
【0021】本発明によるレーザ光発生制御装置、レー
ザ光発生装置およびレーザ光発生制御方法では、基本レ
ーザ光注入手段によって注入される基本レーザ光に基づ
いて、共振器より出力されるレーザ光を注入同期するた
めに、共振器または基本レーザ光注入手段における共振
器の共振器長が制御されると共に、共振器長の制御が一
時的に停止した場合には、その後、所定の共振器長を基
準にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向のうち、
共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停
止までの時間が長くなる方向が予測され、予測された方
向に向けて、共振器長の制御が可能な状態が探索され、
その状態より、共振器長の制御が再開される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0023】[第1の実施の形態]まず、本発明の第1
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1
の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成を示すブロ
ック図である。なお、以下の説明は、本実施の形態に係
るレーザ光発生制御装置の説明を兼ねている。
【0024】このレーザ光発生装置は、基本レーザ光を
発生して出力するマスタレーザ部11と、このマスタレ
ーザ部11より注入される基本レーザ光によってインジ
ェクションシーディングされたパルスレーザ光、すなわ
ち、基本レーザ光の周波数と一致した周波数のパルスレ
ーザ光を出力するスレーブレーザ部12とを備えてい
る。スレーブレーザ部12の出力光は、レーザ光利用シ
ステム13に供給されるようになっている。なお、レー
ザ光利用システム13は、半導体製造用露光装置や干渉
計等、レーザ光発生装置から出力されるレーザ光を利用
するシステムを総称したものである。
【0025】レーザ光発生装置は、更に、スレーブレー
ザ部12からレーザ光利用システム13に供給される出
力光の一部を反射して分岐するパーシャルミラー14
と、このパーシャルミラー14によって反射された光を
検出する光検出器15と、この光検出器15の出力信号
1 を入力して、後述するパルスの立ち上がり時間(以
下、BUTと記す。)を測定するBUT測定部16と、
スレーブレーザ部12内の後述するアクチュエータを駆
動する駆動回路17と、BUTを表し、BUT測定部1
6より出力されるBUT信号S2 に基づいて駆動回路1
7を制御することによって、スレーブレーザ部12内の
共振器の共振器長をサーボ制御する共振器長サーボ回路
18と、レーザ光発生装置の全体を制御するシステム制
御回路19とを備えている。なお、パーシャルミラー1
4および光検出器15はスレーブレーザ部12に内蔵す
るようにしてもよい。
【0026】マスタレーザ部11は、基本レーザ光を出
力するレーザ発振部21と、必要に応じてこのレーザ発
振部21より出力される基本レーザ光をスレーブレーザ
部12に向けて反射させるミラー22とを有している。
なお、必要に応じてレーザ発振部21と合波用光学素子
26aとの間に光アイソレータ等を設けて戻り光を防ぐ
ようにしてもよい。
【0027】スレーブレーザ部12には、例えばQスイ
ッチパルスレーザが用いられる。以下、スレーブレーザ
部12としてQスイッチパルスレーザを用いた場合につ
いて説明する。この場合のスレーブレーザ部12は、例
えば対向するように配置された2つの共振器ミラー2
3,24を含み、レーザ光を共振させ且つ出力する共振
器と、共振器ミラー23,24間に共振器ミラー23側
より順に配置されたQスイッチ25,合波用光学素子2
6aおよびレーザ媒質26bを有している。なお、これ
らの配置は一義的なものではなく、使用するQスイッチ
の種類等により数種の異なる配置に変更してもよい。
【0028】共振器ミラー23は、レーザ光を略全部反
射するようになっている。共振器ミラー24は、レーザ
光を一部透過させ、スレーブレーザ部12の出力光とし
て出力するようになっている。Qスイッチ25は、共振
器のQ値を急速に変化させて尖頭出力の大きいパルスレ
ーザ光を発生させるためのものである。合波用光学素子
26aは、マスタレーザ部11からの基本レーザ光を、
スレーブレーザ部12の共振器によって共振するレーザ
光と合波させることによってスレーブレーザ部12に注
入するためのものである。
【0029】スレーブレーザ部12は、更に、共振器の
共振器長を制御するために共振器ミラー23を共振器の
光軸方向に沿って移動可能なアクチュエータ27を有し
ている。このアクチュエータ27には、例えばPZTや
ボイスコイルモータ(VCM)が用いられる。アクチュ
エータ27は、駆動回路17によって駆動されるように
なっている。
【0030】システム制御回路19は、共振器長のサー
ボ制御を一時的に停止することを決断するサーボ一時停
止決断部28と、このサーボ一時停止決断部28によっ
て共振器長のサーボ制御を一時的に停止することが決断
されたときに、例えば、共振器長の制御が一時的に停止
する前の所定期間における共振器長の制御の動向に基づ
いて、所定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす
方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再開から次
回の共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向
を予測し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可
能な状態(例えば、共振器長の制御が可能な状態への移
行開始点)をサーチ(探索)し、その状態より、共振器
長の制御を再開させるためのサーチ制御部29とを有し
ている。システム制御回路19は、例えばマイクロコン
ピュータによって構成されている。なお、サーチ制御部
29におけるサーチ制御の具体的な手法については、後
に詳述する。
【0031】共振器長サーボ回路18は、駆動回路17
に対して、アクチュエータ27を微小振動させるための
ディザ(Dither)信号を重畳した位置補正信号S3 を送
ると共に、駆動回路17から、アクチュエータ27の位
置を表す位置信号S4 を受け取るようになっている。駆
動回路17は、共振器長サーボ回路18からの位置補正
信号S3 に基づいてアクチュエータ27を駆動するよう
になっている。また、駆動回路17は、システム制御回
路19のサーボ一時停止決断部28およびサーチ制御部
29に対して、アクチュエータ27の位置を表す位置信
号S5 を送ると共に、サーチ制御部29より、サーチ制
御開始時のアクチュエータ27の位置(例えば中立点付
近)への復帰を指示すると共に、共振器長の制御が可能
な状態のサーチを行わせるためのサーチ制御信号S6
受け取るようになっている。なお、駆動回路17からサ
ーボ一時停止決断部28およびサーチ制御部29に対し
て送信する位置信号S5は、アクチュエータ27を駆動
するために印加する駆動電圧そのものでもよいし、駆動
電圧を何分の一かに縮小したモニタ用の電圧であっても
よい。
【0032】また、共振器長サーボ回路18は、システ
ム制御回路19のサーボ一時停止決断部28およびサー
チ制御部29に対して、BUT等から判断したサーボ制
御の状態を表す制御状態信号S7 を送ると共に、システ
ム制御回路19のサーボ一時停止決断部28から、サー
ボ制御の開始および停止を指示するための制御指示信号
8 を受け取るようになっている。
【0033】なお、図1に示したレーザ光発生装置の構
成要素のうち、マスタレーザ部11と、スレーブレーザ
部12とを除いたものが本実施の形態に係るレーザ光発
生制御装置を構成する。
【0034】次に、本実施の形態に係るレーザ光発生装
置の動作について説明する。なお、以下の説明は、本実
施の形態に係るレーザ光発生制御方法の説明を兼ねてい
る。このレーザ光発生装置では、マスタレーザ部11よ
り出力される基本レーザ光は、合波用光学素子26aを
介して、スレーブレーザ部12に注入される。スレーブ
レーザ部12では、通常時には、共振器より出力される
レーザ光の周波数が、注入される基本レーザ光の周波数
と一致するように、または一定の周波数差を持つように
共振器長が制御される。また、共振器長の実質的な制御
に先だって、共振器長の制御が可能となる状態をサーチ
するためのサーチ制御が行われる。
【0035】共振器長の制御は、具体的には、以下のよ
うにして行われる。まず、BUT測定部16によって、
光検出器15の出力信号S1 に基づいてBUTが測定さ
れる。ここで、図2を参照して、BUTについて説明す
る。BUTとは、Qスイッチ25をオンにするトリガ信
号(電圧,高周波等)をQスイッチ25に入力してか
ら、パルスレーザ光が発生するまでの時間である。図2
において、(a)はトリガ信号を示し、(b)はパルス
レーザの光出力を示している。この図に示したように、
トリガ信号の立ち上がり時刻をt1 、パルスレーザ光の
発生時刻をt2 とすると、BUTはt2 −t1 となる。
通常、BUTは数十から数百ナノ秒、パルスレーザ光の
パルス幅は数ナノ秒から数十ナノ秒、パルスの立ち上が
りのジッタは数ナノ秒程度であることが多い。なお、ト
リガ信号は、システム制御回路19よりQスイッチ25
に与えられる。図2では、トリガ信号付与中にQスイッ
チ25に印加される電圧または高周波がオンまたはオフ
になるために、共振器の損失が小さくなるように設計さ
れている。
【0036】BUTを最小にすれば、スレーブレーザ部
12の共振器の複数の縦モードのうちの一つの周波数
が、注入される基本レーザ光の周波数と略一致し、スレ
ーブレーザ部12を、基本レーザ光の周波数と略等しい
単一の周波数で発振させることができるということは、
略正しいと考えられている。そこで、本実施の形態で
は、BUTを最小にするように、共振器長を波長以下の
精度でサーボ制御するが、そのために、共振器長を微小
振動させて、BUTの増減を極性も含めて観測する(同
期検波する)という方法を採用する。そのため、共振器
長サーボ回路18は、駆動回路17に対して、アクチュ
エータ27を微小振動させるためのディザ(Dither)信
号を重畳した位置補正信号S3 を送る。駆動回路17
は、共振器長サーボ回路18からの位置補正信号S3
基づいてアクチュエータ27を駆動する。これにより、
共振器長は微小に振動する。BUT測定部16は、光検
出器15の出力信号S1 とシステム制御回路19より出
力されるQスイッチ25用のトリガ信号とをモニタして
BUT信号S2 を出力する。共振器長サーボ回路18
は、BUT測定部16より出力されるBUT信号S
2 と、システム制御回路19より出力されるQスイッチ
25用のトリガ信号とをモニタし、共振器長の微小振動
に対応して微小振動するBUTの極性を観測し、BUT
が小さくなる方向にアクチュエータ27が移動するよう
に位置補正信号S3 を生成し、駆動回路17に出力す
る。このようなサーボ制御により、共振器長は微小に振
動しながら、複数の縦モードのうちの一つの周波数が、
注入される基本レーザ光の周波数に近づくように制御さ
れる。このような動作は、外乱(振動、膨張等)が生じ
てから、BUTが最小になるまで行われ、結果として、
BUTが最小付近に固定され、基本レーザ光の周波数と
近い周波数でスレーブレーザ部12が発振する。
【0037】また、サーチ制御は、次のようにして行わ
れる。すなわち、共振器長を所定の方向に変化させなが
ら、BUTを観測し、BUTが所定値以下になったら、
共振器長の制御が可能となる状態へ移行したと判断し
て、共振器長の制御を再開させる。なお、BUTの観測
動作は、上述の共振器長の制御の場合と、基本的に同じ
である。
【0038】ここで、図3に、スレーブレーザ部12の
共振器長における波長以下の微小変化に対する共振器モ
ードの変化を示す。また、共振器長を往復または一周の
光路長と定義し、これをLとする。共振器内の各素子の
長さと屈折率をそれぞれL(i),n(i)とすると、
L=2n(1)L(1)+2n(2)L(2)+…とな
る。共振器モードの次数をmとすると、共振器内を一往
復して同位相で干渉し、共振すべき(発振できる)光の
波長λm は、L=mλm で与えられる。このうち、レー
ザ発振できる波長λm は、レーザ媒質26bの利得波長
域にあるべきだから、例えば、Nd:YAGレーザの1
064.1nmの発振線の利得中心の波長を考えると、
L=500mmとした場合、mの値は約939700と
なる。波長とLのわずかな誤差でmは大きく変化するの
で、通常、mは一つの値に特定せず、その代表値をm0
として、その付近のmを、m0±1、m0±2、m0±
3、…と記述する。
【0039】図3では、簡単のために、ΔL≒λm0/2
とし、アクチュエータ27がΔzだけ伸びると共振器長
が2Δzだけ短くなるものとしている。ここで、図3
(c),(a)に示したように、ある瞬間において、ア
クチュエータ27の異なる長さに対応する共振器長L=
0 とL=L0 −2ΔLのどちらにおいても、注入され
る基本レーザ光の波長λ0 と共振器モードの一つの波長
が一致するため、どちらの状態においても、スレーブレ
ーザ部12は、基本レーザ光の波長(または周波数)と
略一致する波長(または周波数)で単一周波数の発振が
可能である。一方、図3(b),(d)に示したよう
に、共振器長L0 −ΔLとL0 +ΔLにおいては、共振
器モードのいずれの波長も基本レーザ光の波長とは異な
り、いわゆる引き込み範囲外にあるため、スレーブレー
ザ部12は、通常、マルチモードで発振しやすい。従っ
て、最初に、アクチュエータ27の位置が、例えば共振
器長L0 −ΔLを与える位置付近にある場合には、通
常、L=L0 とL=L0 −2ΔLのうちの近い方に、ア
クチュエータ27が伸縮して合わせ込むことで、基本レ
ーザ光を利用して単一モードで発振するようにサーボ制
御がなされる。
【0040】ところで、共振器長は、温度変化による膨
張、屈折率変化、変形等の理由により、時間と共に変化
することが多い。このとき、スレーブレーザ部12で
は、共振器の光路長を一定に保ち、共振器モードの周波
数を、注入される基本レーザ光の周波数に合わせるよう
にサーボが働いて、PZT等のアクチュエータ27が伸
縮する。しかし、このようなサーボ制御には、機械的ま
たは電気的な限界がある。この限界を越えると、制御不
可能となる。そのため、よく行われているのは、制御の
限界点を設けて、一旦制御を停止し、アクチュエータ2
7を中立点、中央点付近に戻し、その後、共振器長の制
御が可能となる位置をサーチした後、そのサーチした位
置を共振器長の制御状態への移行開始点として、再び共
振器長の制御を再開する方法である。この場合、共振器
長と共振器モードの次数が変わることで、共振器長の制
御停止前と制御再開後で、発振周波数が同一になる。以
下、このことを詳しく説明する。
【0041】いま、レーザ光発生装置の立ち上げ後、例
えば温度が徐々に上昇して、熱膨張により共振器長が次
第に長くなった場合を考える。インジェクションシーデ
ィング(注入同期)のサーボがかかっている場合には、
上述のように、アクチュエータ27が伸長して共振器長
を一定に保とうとする。図3(c)に示したL=L0
位置から開始した場合には、一定時間後には、アクチュ
エータ27が伸長してL=L0 を保ちながら、図3
(a)におけるアクチュエータ27の状態になってく
る。もし、更に共振器を形成する材質が伸びてアクチュ
エータ27が更に伸びると、共振器長はL=L0 に保た
れたまま、すなわちモード次数m0 が保たれたまま、遂
にはアクチュエータ27の動作範囲限界に達する。制御
系は、アクチュエータ27に印加する電圧等から、制御
の限界点を知ることができるので、限界点付近に達した
ら、一旦制御を停止し、λm0/2の整数倍だけアクチュ
エータ27を縮めて共振器長(往復)をλm0の整数倍だ
け伸ばし、例えばアクチュエータ27を可動範囲の中央
点付近に戻し、その後、共振器長の制御が可能となる位
置をサーチした後、そのサーチした位置を共振器長の制
御状態への移行開始点として、再び共振器長の制御を再
開する。これにより、モード次数はm0 +M(Mは整
数)、一周の共振器長はL=L0 +2MΔLに移行し、
アクチュエータ27は、例えば図3(c)に示した位置
に戻る。逆に、周囲温度が低下し、共振器を形成する材
質が縮む場合は、前述した動きとは反対の動きでアクチ
ュエータ27を可動範囲内に戻す。
【0042】以上のような制御の一旦停止および再開
は、具体的には、次のようにして行われる。システム制
御回路19のサーボ一時停止決断部28は、駆動回路1
7からの位置信号S5 を監視し、位置信号S5 が予め定
めた設定された限界値に近づいたら、過去の動きの履歴
から限界値への到達時刻を計算し、その到達時刻より前
に、サーボ制御の停止を指示するための制御指示信号S
8 を共振器長サーボ回路18に送る。これにより、サー
ボ制御が停止される。サーボ制御の停止は、例えば、サ
ーボゲインの低下や、スイッチ、サーボループの接続変
更等によって行われる。
【0043】システム制御回路19のサーチ制御部29
は、サーボ一時停止決断部28によって共振器長のサー
ボ制御を一時的に停止することが決断されたときには、
サーチ制御開始時のアクチュエータ27の位置(中立点
付近)への復帰を指示すると共に、共振器長の制御が可
能な状態のサーチを行わせるためのサーチ制御信号S6
を駆動回路17に送る。また、サーチ制御部29は、駆
動回路17からの位置信号S5から、例えば、共振器長
の制御が一時的に停止する前の所定期間における共振器
長の制御の動向を調べ、この制御の動向に基づいて、所
定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす方向と縮
める方向のうち、共振器長の制御の再開から次回の共振
器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向を予測
し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可能な状
態(共振器長の制御が可能な状態への移行開始点)をサ
ーチする。また、サーチ制御部29は、サーチにより、
共振器長の制御が可能な状態になったら、その旨をサー
ボ一時停止決断部28に送る。
【0044】サーボ一時停止決断部28は、サーチ制御
部29から、共振器長の制御が可能な状態になった旨の
信号を受信すると、サーボ制御を再開する。サーボ一時
停止決断部28は、サーボ制御を再開するときには、サ
ーボ制御の再開を指示するための制御指示信号S8を共
振器長サーボ回路18に送る。これにより、サーチ制御
部29によってサーチされた状態(移行開始点)からサ
ーボ制御が再開される。
【0045】なお、サーチ制御部29は、例えば、共振
器長の制御が一時的に停止される前における共振器長の
変化の方向に対して反対方向を、共振器長の制御の再開
から次回の共振器長の一時的な停止までの時間が長くな
る方向として予測する。
【0046】次に、図4を参照して、システム制御回路
19のサーチ制御部29におけるサーチ制御の手法につ
いて詳述する。図4は、本実施の形態に係るレーザ光発
生装置における共振器長の制御の様子を示す説明図であ
る。なお、以下、図4に対応した説明においては、アク
チュエータ27は、PZTのように、印加電圧に応じて
長さが伸縮するものを使用するものとし、印可電圧Vp
を大きくすると、アクチュエータ27の長さが伸長して
共振器長を短くするように働き、逆に、印可電圧Vp
小さくすると、アクチュエータ27の長さが縮み、共振
器長を長くするように働くものとする。更に、アクチュ
エータ27の制御回路の制御の限界点として、アクチュ
エータ27に加える印可電圧Vpの上限と下限とが設け
られ、それぞれの電圧値がVpH,VpLであるものとす
る。
【0047】図4(a)は、例えば、レーザ光発生装置
の立ち上げ後、温度が徐々に上昇して、熱膨張により共
振器長が次第に長くなった場合に、これを補正するため
に、駆動回路17からアクチュエータ27に加える印可
電圧Vpを大きくしてアクチュエータ27を伸長し、共
振器長を元に戻すようにサーボが働いている場合の電圧
pの変化を示している。この場合には、駆動回路17
からアクチュエータ27に加える印可電圧Vpが大きく
なって、制御の上限である電圧値VpHに達すると、シス
テム制御回路19のサーボ一時停止決断部28によっ
て、共振器長の制御を一時停止することが決定される。
【0048】一方、図4(b)は、例えば、レーザ光発
生装置の立ち上げ後、温度が徐々に下降して、熱収縮に
より共振器長が次第に短くなった場合に、これを補正す
るために、駆動回路17からアクチュエータ27に加え
る印可電圧Vpを小さくしてアクチュエータ27を縮
め、共振器長を元に戻すようにサーボが働いている場合
の電圧Vpの変化を示している。この場合には、駆動回
路17からアクチュエータ27に加える印可電圧Vp
小さくなって、制御の下限である電圧値VpLに達する
と、システム制御回路19のサーボ一時停止決断部28
によって、共振器長の制御を一時停止することが決定さ
れる。
【0049】このように、図4(a),図4(b)に示
した場合共に、共振器長の制御を一時停止した後は、次
に、アクチュエータ27を制御の中立点、中央点付近の
位置に戻すよう駆動回路17から電圧値Vp0が印加され
る。その後、その位置から、共振器長の制御が可能とな
る状態への移行開始点(図において、電圧値Pa1,Pb1
に対応する位置)をサーチした後、その移行開始点から
再び共振器長の制御が再開される。このとき、移行開始
点をサーチするための制御は、システム制御回路19の
サーチ制御部29において、駆動回路17からの位置信
号S5から、例えば、共振器長の制御が一時的に停止す
る前の所定期間における共振器長の制御の動向が調べら
れ、この制御の動向に基づいて、所定の共振器長を基準
にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向のうち、共
振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停止
までの時間が長くなる方向が予測され、その予測された
方向に向けて、移行開始点がサーチされるように行われ
る。その後、共振器長の制御停止前と制御再開後で、共
振器長と共振器モードの次数が変わることで、再び発振
周波数が同一になるように共振器長の制御を再開できる
ようになる。具体的には、図4(a)に示した場合に
は、サーチ制御部29は、サーチを始める方向が、アク
チュエータ27を縮める方向になるようにサーチ制御す
る。これにより、熱膨張による共振器長の伸びとは反対
方向の移行開始点から共振器長の制御を再開するように
なるため、最初の制御が一時停止した時刻から、次の一
時停止するまでの期間ta1は比較的長くなる。
【0050】また、図4(b)に示した場合には、サー
チ制御部29は、サーチを始める方向が、図4(a)に
示した場合とは反対方向、すなわち、アクチュエータ2
7を伸長する方向になるようにサーチ制御する。これに
より、図4(b)に示した場合においても、熱収縮によ
る共振器長の縮みとは反対方向の移行開始点から共振器
長の制御を再開するようになるため、最初の制御が一時
停止した時刻から、次の一時停止するまでの期間t
b1は、図4(a)に示した場合の期間ta1と同様に比較
的長くすることができる。
【0051】また、図4(b)に示した場合において、
符号tb2で示した期間は、途中で温度が逆転し、熱膨張
により共振器長が次第に長くなったために、これを補正
するために、駆動回路17からアクチュエータ27に加
える印可電圧Vpを大きくしてアクチュエータ27を伸
長し、共振器長を元に戻すようにサーボが働いている場
合の電圧Vpの変化を示している。この場合には、駆動
回路17からアクチュエータ27に加える印可電圧Vp
を大きくすることにより、制御の上限である電圧値VpH
に達すると、システム制御回路19のサーボ一時停止決
断部28によって、共振器長の制御を一時停止すること
が決定される。このようにサーボ制御の状態(共振器長
の変化の方向)が途中で変わった場合には、一時停止後
のサーチ制御が開始される方向も、その制御状態の変化
に応じて逆転する。すなわち、サーチ制御部29は、期
間tb2後のサーチ制御が開始される方向を、最初のサー
チ制御の方向とは逆転させ、アクチュエータ27を縮め
る方向からサーチ制御を行う。
【0052】以上のようにして、サーチ制御部29によ
って、次回の制御の限界点に達するまでに要する時間が
長くなるような方向に向けて、共振器長の制御が可能と
なる状態への移行開始点のサーチが行われる。なお、以
上のようなサーチ制御部29によるサーチ制御は、共振
器長が一時停止する前の過去の所定期間のサーボ制御の
動向のみならず、共振器長のサーボ制御の将来の所定期
間後の動向を予測し、この将来の所定期間後の動向に基
づいて、サーチ制御を行うようにしてもよい。より具体
的には、例えば、駆動回路17からの位置信号S5で表
される過去の所定期間のサーボ制御の動向に対応する関
数の一次微分と二次微分を演算することにより、所定期
間内における共振器長の変化の速度と加速度を求めて、
この速度と加速度の変化より、将来の所定時間後の共振
器長の制御の動向を予測する。これにより、サーボ制御
の停止後に、制御状態が逆転するような場合において
も、次回の制御の限界点に達するまでに要する時間が長
くなるように、移行開始点のサーチ制御が行われる。
【0053】図5(a),(b)は、以上のようにして
共振器長の制御が行われてマスタレーザ部11の出力レ
ーザ光の周波数とスレーブレーザ部12の出力レーザ光
の周波数とが略一致しているときのマスタレーザ部11
の出力レーザ光の周波数特性とスレーブレーザ部12の
出力レーザ光の周波数特性とを示したものである。な
お、図5において、縦の実線は出力光の相対強度を表
し、縦の破線は共振器モードを表している。
【0054】図5(c),(d)は、スレーブレーザ部
12がマルチモード発振になっているときのマスタレー
ザ部11の出力レーザ光の周波数特性とスレーブレーザ
部12の出力レーザ光の周波数特性とを示したものであ
る。この図に示したように、共振器長の制御を一旦停止
してから、再開して制御が安定するまでの間は、スレー
ブレーザ部12は、通常、マルチモード発振になるか、
不安定な状態になる。
【0055】ところで、レーザ光発生装置では、共振器
長のサーボ制御時に、スレーブレーザ部12が弱シード
状態と呼ばれる不安定状態になることがあり、このよう
な状態になった場合にはサーボ制御を一旦停止しない限
り、安定な単一縦モードのレーザ光が得られない。ここ
で、図6を参照して、弱シード状態について説明する。
図6において、横軸はアクチュエータ27の位置zを表
し、縦軸はBUTを表している。また、図中、Dは、デ
ィザ信号に基づくアクチュエータ27の微小振動範囲を
示している。アクチュエータ27の位置zに関して、レ
ーザ光の半波長毎に周期的に、BUTが最小値を取る最
小位置z1 が存在する。ここで、図6に示したように、
最小位置z1 以外に、BUTが最小値よりも大きな極小
値を取る極小位置z2 が存在する場合には、共振器長の
サーボ制御によって、アクチュエータ27の位置が極小
位置z2 に留まってしまって抜け出せなくなることがあ
る。このとき、スレーブレーザ部12が弱シード状態と
なると考えられる。
【0056】弱シード状態では、出力レーザ光のパルス
ジッタ、周波数分布等が不安定で、使用者の目的によっ
ては使用不可能である場合もある。すなわち、弱シード
状態では、注入される基本レーザ光の波長(周波数)と
共振器モードの波長(周波数)とが、おそらく十分近接
していないため、スレーブレーザ部12において、注入
される基本レーザ光の光子を種としてパルスレーザ光が
立ち上がるときに、基本レーザ光と略同一波長のパルス
レーザ光となる状態と、基本レーザ光を利用せずにマル
チモード発振する状態とを不安定に遷移したり、基本レ
ーザ光の波長とは多少異なる波長に不安定に固定される
等の症状が出る。弱シード状態では、BUTは、安定状
態に比べると大きいが、注入光がない状態に比べると小
さくなる。パルスジッタも、複数の状態を遷移したりす
るために増大する。現在まで弱シード状態を回避するた
めの物理的解決法は見つかっていないので、弱シード状
態となったら、この弱シード状態を抜け出すために、一
旦サーボ制御を停止し、アクチュエータ27の位置を最
小位置z1 へ復帰させる必要がある。
【0057】そこで、本実施の形態では、システム制御
回路19のサーボ一時停止決断部28は、共振器長サー
ボ回路18より、BUT等から判断したサーボ制御の状
態を表す制御状態信号S7 を受け取り、この制御状態信
号S7 に基づいて、弱シード状態に保持されていること
を検出し、弱シード状態に保持されていることを検出し
たときにも、共振器長のサーボ制御を一時的に停止する
ことを決断する。弱シード状態になった場合において、
サーボ制御を停止してから、移行開始点のサーチを行
い、サーボ制御を再開するまでの動作は、共振器長の制
御が限界点付近に達する場合と同様である。なお、弱シ
ード状態になった場合には、一度の制御停止によって制
御が正常状態に戻って安定する保証はないので、制御停
止は繰り返し行われる場合もある。
【0058】本実施の形態では、このように、弱シード
状態を抜け出すために一旦、共振器長の制御を停止する
際にも、システム制御回路19のサーチ制御部29が、
次回のサーボ制御の停止が行われるまでに要する時間が
長くなるように、共振器長の制御が可能となる状態への
移行開始点のサーチ制御を行う。
【0059】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、サーチ制御部29において、所定の共振器長を基準
にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向のうち、共
振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停止
までの時間が長くなる方向を予測し、予測した方向に向
けて、共振器長の制御が可能な状態(移行開始点)をサ
ーチし、その状態より、共振器長の制御を再開させるよ
うにしたので、共振器長の制御における一時停止の時間
間隔を従来より長くすることができる。これにより、共
振器長の制御が一時停止する頻度を減らすことを可能に
し、レーザ光の利用効率を向上させることが可能とな
る。また、レーザ光の利用時間の効率が高まることによ
り、例えば、レーザ光利用システム13が製造装置の場
合には、歩留まりを向上させることができる。
【0060】更に、アクチュエータ27は、従来の使用
していたものをものをそのまま利用することが可能であ
るから、低コストで実施できる。
【0061】次に、本実施の形態の変形例について説明
する。
【0062】上記実施の形態では、サーチ制御部29に
おいて、サーチを始める方向を共振器長制御の一時停止
前の制御の動向に応じて変えるようにしたが、サーチの
開始点は常に中立点付近になるように設定していた。本
変形例では、サーチ制御部29において、サーチを始め
る方向のみならず、サーチの開始位置も、制御の動向に
応じて変化させ、一時停止後のサーチを行うようになっ
ている。
【0063】図7は、本変形例における共振器長の制御
の様子を示す説明図である。この図は、図4に示した共
振器長の制御の説明図に対応したものであり、レーザ光
発生装置の立ち上げ後、最初の一時停止が行われるまで
の動作は、図4と同様の制御がなされている。しかし、
図7の場合には、システム制御回路19のサーチ制御部
29は、サーボ一時停止決断部28によって、共振器長
の制御を一時停止することが決定された後に、サーチ制
御部29の制御に基づいて行われるサーチ制御の開始位
置が異なっている。
【0064】例えば、図7(a)に示した場合には、サ
ーチ制御部29は、移行開始点(図において、電圧値P
a1に対応する位置)のサーチを、アクチュエータ27を
縮める方向に向けて行うと共に、サーチの開始位置を、
サーボ制御の中立点(駆動回路17の印加電圧値Vp0
よりも、アクチュエータ27を縮める側に、例えば、電
圧値でVYだけ電圧値Vp0から移動した位置になるよう
にサーチ制御を行う。これにより、熱膨張による共振器
長の伸びとは反対側の位置からサーチを開始するように
なるため、最初の制御が一時停止した時刻から、次の一
時停止するまでの期間をより長くすることができる。
【0065】一方、図7(b)に示した場合には、サー
チ制御部29は、移行開始点(図において、電圧値Pb1
に対応する位置)のサーチを、図4(a)に示した場合
とは反対方向、すなわち、アクチュエータ27を伸長す
る方向に向けて行うと共に、サーチの開始位置を、サー
ボ制御の中立点(駆動回路17の印加電圧値Vp0)より
も、アクチュエータ27を伸長する側に、例えば、電圧
値でVYだけ電圧値Vp0から移動した位置になるように
サーチ制御を行う。これにより、図4(b)に示した場
合においても、熱収縮による共振器長の縮みとは反対側
の位置からサーチを開始するようになるため、最初の制
御が一時停止した時刻から、次の一時停止するまでの期
間は、図7(a)に示した場合と同様により長くするこ
とができる。
【0066】以上のようにして、サーチ制御部29によ
って、次回の制御の限界点に達するまでに要する時間が
長くなるように、サーチを行う方向のみならず、サーチ
の開始位置が制御され、一時停止後のサーチが行われる
ようになっている。なお、サーチの開始位置を制御する
場合には、サーボ制御の中立点からサーチの開始位置ま
で移動する移動量(電圧値VYの大きさ)を、共振器長
のサーボ制御が一時的に停止する前の所定期間における
共振器長の変化の速さに基づいて変えるようにしてもよ
い。例えば、サーチ制御部29は、共振器長の変化が速
い場合には、中立点から移動する移動量(電圧値VY
大きさ)を大きくし、逆に、共振器長の変化が速い場合
には、中立点から移動する移動量(電圧値VYの大き
さ)が小さくなるようにサーチの開始位置を決定するよ
うにしてもよい。これにより、共振器長の制御における
一時停止の時間間隔をより長くすることができる。
【0067】なお、サーチ制御部29により決定される
サーチの開始位置は、サーボ制御の上限および下限(電
圧値VpH,VpL)から、サーボ制御の中立点(電圧値V
p0)側に、共振波長の半分よりも十分離れていることが
望ましい。サーボ制御の上限および下限(電圧値VpH
pL)付近にサーチの開始位置が設定されると、この位
置付近において、短期間のうちにサーボ制御の限界点に
達する虞があるためである。
【0068】また、本変形例におけるその他の構成、動
作および効果は、図1に示した実施の形態と同様であ
る。
【0069】なお、本実施の形態において、マスタレー
ザ部11より出力されるレーザ光の周波数から一定値を
隔てて周波数変調された周波数のレーザ光を基本レーザ
光としてもよい。また、基本レーザ光としては複数モー
ドを用いることも可能である。また、スレーブレーザ部
12の共振器長を制御せずに、マスタレーザ部11にア
クチュエータを取り付けたり、電流や温度をコントロー
ルすることにより共振器長を制御するようにしてもよ
い。また、本実施の形態において、スレーブレーザ部1
2内にレーザ媒質26bを設けずに非線形光学結晶を設
け、スレーブレーザ部12を、波長変換に用いる外部共
振器として利用することもできる。
【0070】[第2の実施の形態]図8は、本発明の第
2の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成の一例を
示すブロック図である。本実施の形態に係るレーザ光発
生装置は、インジェクションロッキングを用いて、連続
光を出力するものである。インジェクションロッキング
の場合も、共振器長を制御するが、その制御方法は、イ
ンジェクションシーディングの場合と異なり、注入光に
側帯波を立てて反射光を同期検波する方法(R. W. P. D
rever et al. "Laser Phase and Frequency Stabiliza
tion Using an Optical Resonator". Appl. Phys. B
31. 97-105 (1983) 参照)等が提案されている。本実施
の形態では、この方法を用いるものとする。
【0071】本実施の形態に係るレーザ光発生装置は、
基本レーザ光を発生すると共にこれを出力するマスタレ
ーザ部31と、このマスタレーザ部31より注入される
基本レーザ光によってインジェクションロッキングされ
た連続レーザ光、すなわち、基本レーザ光の周波数と一
致した周波数の連続レーザ光を出力するスレーブレーザ
部32と、マスタレーザ部31とスレーブレーザ部32
との間に設けられ、マスタレーザ部31より出力される
基本レーザ光を位相変調することによって、基本レーザ
光に対して側帯波を付加する位相変調器33とを備えて
いる。スレーブレーザ部32の出力光は、図示しない半
導体製造用露光装置や干渉計等のレーザ光利用システム
に供給されるようになっている。
【0072】レーザ光発生装置は、更に、スレーブレー
ザ部32内の後述する共振器ミラーからの反射光を検出
する光検出器34と、この光検出器34の出力信号を同
期検波して、基本レーザ光の周波数とスレーブレーザ部
32の共振器モードの周波数とのずれに応じたサーボエ
ラー信号を生成する同期検波部35と、スレーブレーザ
部32内の後述するアクチュエータを駆動する駆動回路
37と、位相変調器33を制御すると共に、同期検波部
35より出力されるサーボエラー信号に基づいて、駆動
回路37を制御してスレーブレーザ部32内の共振器の
共振器長をサーボ制御するロッキング制御回路38と、
レーザ光発生装置の全体を制御するシステム制御回路3
9とを備えている。
【0073】スレーブレーザ部32は、3つの共振器ミ
ラー41,42,43を含み、レーザ光を共振させ且つ
出力するリング形の共振器と、共振器ミラー41,4
2,43間に配置された図示しないレーザ媒質とを有し
ている。共振器ミラー41は、レーザ光を一部透過さ
せ、一部反射するようになっている。共振器ミラー42
は、レーザ光を一部透過させ、スレーブレーザ部32の
出力光として出力すると共に、一部を共振器ミラー43
に向けて反射するようになっている。共振器ミラー43
は、レーザ光を共振器ミラー41に向けて全反射するよ
うになっている。
【0074】スレーブレーザ部32は、更に、共振器の
共振器長を制御するために共振器ミラー41を移動可能
なアクチュエータ47を有している。このアクチュエー
タ47には、PZTやボイスコイルモータ等が用いられ
る。アクチュエータ47は、駆動回路37によって駆動
されるようになっている。
【0075】システム制御回路39は、共振器長のサー
ボ制御を一時的に停止することを決断するサーボ一時停
止決断部48と、このサーボ一時停止決断部48によっ
て共振器長のサーボ制御を一時的に停止することが決断
されたときに、例えば、共振器長の制御が一時的に停止
する前の所定期間における共振器長の制御の動向に基づ
いて、所定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす
方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再開から次
回の共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向
を予測し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可
能な状態(共振器長の制御が可能な状態への移行開始
点)をサーチ(探索)し、その状態より、共振器長の制
御を再開させるためのサーチ制御部49とを有してい
る。システム制御回路39は、例えばマイクロコンピュ
ータによって構成されている。
【0076】ロッキング制御回路38は、駆動回路37
に対して、アクチュエータ47の位置を制御するための
位置補正信号S13を送ると共に、駆動回路37から、ア
クチュエータ47の位置を表す位置信号S4 を受け取る
ようになっている。駆動回路37は、ロッキング制御回
路38からの位置補正信号S13に基づいてアクチュエー
タ47を駆動するようになっている。また、駆動回路3
7は、システム制御回路39のサーボ一時停止決断部4
8およびサーチ制御部49に対して、アクチュエータ4
7の位置を表す位置信号S5 を送ると共に、サーチ制御
部49より、サーチ制御開始時のアクチュエータ47の
位置(中立点付近)への復帰を指示すると共に、共振器
長の制御が可能な状態のサーチを開始するためのサーチ
制御信号S6 を受け取るようになっている。なお、駆動
回路37からサーボ一時停止決断部48およびサーチ制
御部49に対して送信する位置信号S5は、アクチュエ
ータ47を駆動するために印加する駆動電圧そのもので
もよいし、駆動電圧を何分の一かに縮小したモニタ用の
電圧であってもよい。
【0077】また、ロッキング制御回路38は、システ
ム制御回路39のサーボ一時停止決断部48およびサー
チ制御部49に対して、サーボ制御の状態を表す制御状
態信号S7 を送ると共に、システム制御回路39のサー
ボ一時停止決断部48から、サーボ制御の開始および停
止を指示するための制御指示信号S8 を受け取るように
なっている。
【0078】次に、本実施の形態に係るレーザ光発生装
置の動作について説明する。このレーザ光発生装置で
は、マスタレーザ部31より出力される基本レーザ光
は、位相変調器33を介して、スレーブレーザ部32に
注入される。スレーブレーザ部32では、通常時には、
注入される基本レーザの周波数と共振器より出力される
レーザ光の周波数とが一致するように、共振器長が制御
される。また、共振器長の実質的な制御に先だって、共
振器長の制御が可能となる状態をサーチするためのサー
チ制御が行われる。
【0079】共振器長の制御は、具体的には、以下のよ
うにして行われる。まず、光検出器34によってスレー
ブレーザ部32の共振器ミラー41からの反射レーザ光
を検出し、同期検波部35によって、光検出器34の出
力信号を同期検波して、基本レーザ光の周波数とスレー
ブレーザ部32の共振器モードの周波数とのずれに応じ
たサーボエラー信号を生成する。そして、このサーボエ
ラー信号に基づいて、ロッキング制御回路38によって
駆動回路37を制御して、基本レーザ光の周波数とスレ
ーブレーザ部32の共振器モードの周波数とのずれがな
くなるようにスレーブレーザ部32内の共振器の共振器
長をサーボ制御する。
【0080】本実施の形態においても、第1の実施の形
態と同様に、共振器長を制御するための制御系が機械的
または電気的な限界に達すると制御不可能になるため、
一旦制御を停止して、アクチュエータ47を中立点等へ
復帰させた後、再度、サーチ等の方法でスキャンしなが
ら、サーボエラー信号を捕らえてサーボをかけ直す必要
が生じる。サーボ制御が停止している間、スレーブレー
ザ部32は、フリーランニング状態となるため、第1の
実施の形態と同様に、マルチモード発振しやすかった
り、周波数が変動する等の不安定な状態となる。
【0081】本実施の形態では、共振器長の制御が停止
して不安定な状態になる頻度を減少させるために、第1
の実施の形態と同様に、サーボ一時停止決断部48によ
って共振器長の制御を一時的に停止することが決断され
たときには、サーチ制御部49において、所定の共振器
長を基準にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向の
うち、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時
的な停止までの時間が長くなる方向を予測し、予測した
方向に向けて、共振器長の制御が可能な状態(移行開始
点)をサーチし、その状態より、共振器長の制御を再開
させるようにしたので、共振器長の制御における一時停
止の時間間隔を従来より長くすることができる。なお、
本実施の形態における駆動回路37およびシステム制御
回路39は、第1の実施の形態における駆動回路17お
よびシステム制御回路19と同様の機能を有し、共振器
長の制御の一旦停止および再開の具体的な動作は、第1
の実施の形態と同様である。
【0082】本実施の形態におけるその他の構成、動作
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0083】[第3の実施の形態]図9は、本発明の第
3の実施の形態に係るレーザ光発生装置の構成を示すブ
ロック図である。本実施の形態に係るレーザ光発生装置
は、波長変換用の外部共振器を用いて、注入同期された
レーザ光を出力するものである。本実施の形態において
も、共振器長を制御するが、ここでは、その制御方法
は、第2の実施の形態と同様の方法を用いるものとす
る。
【0084】本実施の形態に係るレーザ光発生装置は、
基本レーザ光を発生すると共にこれを出力するマスタレ
ーザ部51と、このマスタレーザ部51より注入される
基本レーザ光によって注入同期され、且つ基本レーザ光
に対して波長変換を行って所定の周波数のレーザ光を出
力する波長変換用共振器52と、マスタレーザ部51の
出力光を波長変換用共振器52に導くためのミラー7
1,72と、ミラー72と波長変換用共振器52との間
に設けられ、マスタレーザ部31より出力される基本レ
ーザ光を位相変調することによって、基本レーザ光に対
して側帯波を付加する位相変調器53とを備えている。
波長変換用共振器52の出力光は、図示しない半導体製
造用露光装置や干渉計等のレーザ光利用システムに供給
されるようになっている。
【0085】レーザ光発生装置は、更に、波長変換用共
振器52内の後述する共振器ミラーからの反射光を検出
する光検出器54と、この光検出器54の出力信号を同
期検波して、基本レーザ光に基づく注入同期のずれに応
じたサーボエラー信号を生成する同期検波部55と、波
長変換用共振器52内の後述するアクチュエータを駆動
する駆動回路57と、位相変調器53を制御すると共
に、同期検波部55より出力されるサーボエラー信号に
基づいて、駆動回路57を制御して波長変換用共振器5
2内の共振器の共振器長をサーボ制御するロッキング制
御回路58と、レーザ光発生装置の全体を制御するシス
テム制御回路59とを備えている。
【0086】マスタレーザ部51としては、Nd:YA
Gレーザ装置,Nd:YVO4 レーザ装置や、これらの
レーザ装置の出力レーザ光を波長変換した、いわゆるS
HGレーザや、波長可変レーザとしてのTi:Al2
3 ,Cr:LiSAF,Cr:LiCAF,Cr:Al
exandriteレーザ装置等が用いられる。Nd:
YAGレーザ装置に用いられるNd:YAGはNd3+
オンをドープしたY3Al5 12結晶であり、Nd:Y
AGレーザ装置の発振波長は1.0641μmが代表的
であるが、他にも1.32μm等多数ある。Nd:YV
4 レーザ装置に用いられるNd:YVO4 はNd3+
オンをドープしたYVO4 結晶であり、Nd:YVO4
レーザ装置の発振波長は1.0641μmが代表的であ
るが、他にも1.34μm等多数ある。ここでは、一例
として、マスタレーザ部51としてNd:YAGレーザ
装置を用いると共に、マスタレーザ部51の第2高調波
を基本レーザ光としているものとする。
【0087】波長変換用共振器52は、4つの共振器ミ
ラー61,62,63,64を含み、レーザ光を共振さ
せ且つ出力するループ形の共振器と、共振器ミラー6
1,62間に配置された波長変換用の非線形光学素子と
を有している。ここでは、一例として、波長変換用共振
器52内の非線形光学素子としてBBO(バリウムボレ
ート)65を用いるものとする。波長変換用共振器52
の入力端の共振器ミラー61と出力端の共振器ミラー6
2は、インピーダンスマッチング(ミラーの反射率や共
振器内のロス(吸収、散乱、反射、波長変換)のバラン
ス)に近い条件に設計されている。波長変換用共振器5
2では、波長変換用共振器52への入力光のモードマッ
チング(共振器空間モードと入力光のスポットおよび波
面の重なり)を取り、更に、波長変換用共振器52の一
周の光路長を波長の整数倍等にする(共振させる)こと
により、波長変換用共振器52内にレーザ光を閉じ込
め、入力光の大きければ何百倍以上もの共振器内パワー
を用いて、波長変換効率を上げることが可能になってい
る。
【0088】ここで、一例として、波長変換用共振器5
2は、第2高調波発生(SHG)による波長変換の機能
を有し、波長266nmの紫外光を出力するものとす
る。
【0089】波長変換用共振器52は、更に、共振器の
共振器長を制御するために共振器ミラー61を移動可能
なアクチュエータ67を有している。このアクチュエー
タ67には、PZTやボイスコイルモータ等が用いられ
る。アクチュエータ67は、駆動回路57によって駆動
されるようになっている。
【0090】システム制御回路59は、共振器長のサー
ボ制御を一時的に停止することを決断するサーボ一時停
止決断部68と、このサーボ一時停止決断部68によっ
て共振器長のサーボ制御を一時的に停止することが決断
されたときに、例えば、共振器長の制御が一時的に停止
する前の所定期間における共振器長の制御の動向に基づ
いて、所定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす
方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再開から次
回の共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向
を予測し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可
能な状態(共振器長の制御が可能な状態への移行開始
点)をサーチ(探索)し、その状態より、共振器長の制
御を再開させるためのサーチ制御部69とを有してい
る。システム制御回路59は、例えばマイクロコンピュ
ータによって構成されている。
【0091】ロッキング制御回路58は、駆動回路57
に対して、アクチュエータ67の位置を制御するための
位置補正信号S13を送ると共に、駆動回路57から、ア
クチュエータ67の位置を表す位置信号S4 を受け取る
ようになっている。駆動回路57は、ロッキング制御回
路58からの位置補正信号S13に基づいてアクチュエー
タ57を駆動するようになっている。また、駆動回路5
7は、システム制御回路59のサーボ一時停止決断部6
8およびサーチ制御部69に対して、アクチュエータ6
7の位置を表す位置信号S5 を送ると共に、サーチ制御
部69より、サーチ制御開始時のアクチュエータ67の
位置(中立点付近)への復帰を指示すると共に、共振器
長の制御が可能な状態のサーチを開始するためのサーチ
制御信号S6 を受け取るようになっている。なお、駆動
回路57からサーボ一時停止決断部68およびサーチ制
御部69に対して送信する位置信号S5は、アクチュエ
ータ67を駆動するために印加する駆動電圧そのもので
もよいし、駆動電圧を何分の一かに縮小したモニタ用の
電圧であってもよい。
【0092】また、ロッキング制御回路58は、システ
ム制御回路59のサーボ一時停止決断部68およびサー
チ制御部69に対して、サーボ制御の状態を表す制御状
態信号S7 を送ると共に、システム制御回路59から、
サーボ制御の開始および停止を指示するための制御指示
信号S8 を受け取るようになっている。
【0093】なお、本実施の形態における同期検波部5
5、駆動回路57、ロッキング制御回路58およびシス
テム制御回路59は、第2の実施の形態における同期検
波部35、駆動回路37、ロッキング制御回路38およ
びシステム制御回路39と同様の機能を有している。
【0094】次に、本実施の形態に係るレーザ光発生装
置の動作について説明する。このレーザ光発生装置で
は、マスタレーザ部51より出力される基本レーザ光
は、位相変調器53を介して、波長変換用共振器52に
注入される。波長変換用共振器52は、通常時には、マ
スタレーザ部51より注入される基本レーザ光によって
注入同期され、且つ基本レーザ光に対して波長変換が行
われたレーザ光を出力するために、精密に共振器長が制
御される。共振器長の制御の動作は、第2の実施の形態
と同様である。
【0095】本実施の形態においても、第2の実施の形
態と同様に、共振器長を制御するための制御系が機械的
または電気的な限界に達すると制御不可能になるため、
一旦制御を停止して、アクチュエータ67を中立点等へ
復帰させた後、再度、サーボをかけ直す必要が生じる
が、サーボ制御が停止している間、波長変換用共振器5
2へ結合されるレーザ光の平均値が減少し、その出力レ
ーザ光は不安定な状態となる。
【0096】本実施の形態では、共振器長の制御が停止
して不安定な状態になる頻度を減少させるために、第2
の実施の形態と同様に、サーボ一時停止決断部68によ
って共振器長の制御を一時的に停止することが決断され
たときには、サーチ制御部69において、所定の共振器
長を基準にして、共振器長を伸ばす方向と縮める方向の
うち、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時
的な停止までの時間が長くなる方向を予測し、予測した
方向に向けて、共振器長の制御が可能な状態(移行開始
点)をサーチし、その状態より、共振器長の制御を再開
させるようにしたので、共振器長の制御における一時停
止の時間間隔を従来より長くすることができる。なお、
共振器長の制御の一旦停止および再開の具体的な動作
は、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様で
ある。
【0097】なお、図8に示した例では、波長変換用共
振器52が第2高調波発生(SHG)の機能を有するも
のとしたが、本実施の形態はこれに限らず、波長変換用
共振器52が、光パラメトリック発振(OPO)、和周
波混合(SMF)、差周波発生(DFG)等の機能を有
するものでもよい。本実施の形態におけるその他の構
成、動作および効果は、第2の実施の形態と同様であ
る。
【0098】また、第2の実施の形態または第3の実施
の形態において、マスタレーザ部31,51より出力さ
れるレーザ光の周波数から一定値を隔てて周波数変調さ
れた周波数のレーザ光を基本レーザ光としてもよい。ま
た、基本レーザ光としては複数モードを用いることも可
能である。また、スレーブレーザ部32や波長変換用共
振器52の共振器長を制御せずに、マスタレーザ部3
1,51にアクチュエータを取り付けたり、電流や温度
をコントロールすることにより共振器長を制御するよう
にしてもよい。
【0099】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず、例えば、マスタレーザ部やスレーブレーザ部に
は、各実施の形態で挙げた構成のものの他にも、種々の
レーザ装置を使用することが可能である。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし5の
いずれかに記載のレーザ光発生制御装置、請求項6ない
し12のいずれかに記載のレーザ光発生装置または請求
項13ないし17のいずれかに記載のレーザ光発生制御
方法によれば、共振器長の制御が一時的に停止した場合
には、その後、所定の共振器長を基準にして、共振器長
を伸ばす方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再
開から次回の共振器長の一時的な停止までの時間が長く
なる方向を予測し、予測された方向に向けて、共振器長
の制御が可能な状態を探索し、その状態より、共振器長
の制御を再開するようにしたので、共振器長の制御が一
時停止する頻度を減らすことが可能となり、レーザ光の
利用効率を向上させることが可能となるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーザ光発生
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】BUTについて説明するための説明図である。
【図3】図1におけるスレーブレーザ部の共振器長にお
ける波長以下の微小変化に対する共振器モードの変化を
示す説明図である。
【図4】図1におけるスレーブレーザ部の共振器長の制
御を説明するための説明図である。
【図5】図1におけるマスタレーザ部の出力レーザ光の
周波数特性とスレーブレーザ部の出力レーザ光の周波数
特性とを示す説明図である。
【図6】弱シード状態について説明するための説明図で
ある。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例における共
振器長の制御の様子を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るレーザ光発生
装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係るレーザ光発生
装置の構成を示すブロック図である。
【図10】従来のレーザ光発生装置における共振器長の
制御の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
11…マスタレーザ部、12…スレーブレーザ部、13
…レーザ光利用システム、15…光検出器、16…BU
T測定部、17…駆動回路、18…共振器長サーボ回
路、19…システム制御回路、23,24…共振器ミラ
ー、25…Qスイッチ、26a…合波用光学素子、26
b…レーザ媒質、27…アクチュエータ、28…サーボ
一時停止決断部、29…サーチ制御部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を共振させ、且つレーザ光を出
    力するための共振器と、この共振器に対して基本レーザ
    光を注入する基本レーザ光注入手段とを備えたレーザ光
    発生装置に用いられ、このレーザ光発生装置におけるレ
    ーザ光の発生を制御するためのレーザ光発生制御装置で
    あって、 前記基本レーザ光注入手段によって注入される基本レー
    ザ光に基づいて、前記共振器より出力されるレーザ光を
    注入同期するために、前記共振器または前記基本レーザ
    光注入手段における共振器の共振器長を制御する共振器
    長制御手段と、 この共振器長制御手段による共振器長の制御を一時的に
    停止する制御一時停止手段と、 この制御一時停止手段によって共振器長の制御が一時的
    に停止された後、所定の共振器長を基準にして、共振器
    長を伸ばす方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の
    再開から次回の共振器長の一時的な停止までの時間が長
    くなる方向を予測し、予測した方向に向けて、共振器長
    の制御が可能な状態を探索し、その状態より、共振器長
    制御手段による共振器長の制御を再開させる制御可能状
    態探索手段とを備えたことを特徴とするレーザ光発生制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御可能状態探索手段は、前記制御
    一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止さ
    れる前における共振器長の制御の動向に基づいて、共振
    器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停止ま
    での時間が長くなる方向を予測することを特徴とする請
    求項1記載のレーザ光発生制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御可能状態探索手段は、前記制御
    一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止さ
    れる前における共振器長の変化の方向に対して反対方向
    を、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的
    な停止までの時間が長くなる方向として予測することを
    特徴とする請求項1記載のレーザ光発生制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御可能状態探索手段は、基準とす
    る所定の共振器長に対して、予測した方向に所定長さだ
    け変化させた共振器長より、共振器長の制御が可能な状
    態の探索を開始することを特徴とする請求項1記載のレ
    ーザ光発生制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御可能状態探索手段は、前記制御
    一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止さ
    れる前における共振器長の変化の速さに応じて、前記所
    定長さを変更することを特徴とする請求項4記載のレー
    ザ光発生制御装置。
  6. 【請求項6】 レーザ光を共振させ、且つレーザ光を出
    力するための共振器と、 この共振器に対して基本レーザ光を注入する基本レーザ
    光注入手段と、 この基本レーザ光注入手段によって注入される基本レー
    ザ光に基づいて、前記共振器より出力されるレーザ光を
    注入同期するために、前記共振器または前記基本レーザ
    光注入手段における共振器の共振器長を制御する共振器
    長制御手段と、 この共振器長制御手段による共振器長の制御を一時的に
    停止する制御一時停止手段と、 この制御一時停止手段によって共振器長の制御が一時的
    に停止された後、所定の共振器長を基準にして、共振器
    長を伸ばす方向と縮める方向のうち、共振器長の制御の
    再開から次回の共振器長の一時的な停止までの時間が長
    くなる方向を予測し、予測した方向に向けて、共振器長
    の制御が可能な状態を探索し、その状態より、共振器長
    制御手段による共振器長の制御を再開させる制御可能状
    態探索手段とを備えたことを特徴とするレーザ光発生装
    置。
  7. 【請求項7】 前記制御可能状態探索手段は、前記制御
    一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止さ
    れる前における共振器長の制御の動向に基づいて、共振
    器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的な停止ま
    での時間が長くなる方向を予測することを特徴とする請
    求項6記載のレーザ光発生装置。
  8. 【請求項8】 前記制御可能状態探索手段は、前記制御
    一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止さ
    れる前における共振器長の変化の方向に対して反対方向
    を、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的
    な停止までの時間が長くなる方向として予測することを
    特徴とする請求項6記載のレーザ光発生装置。
  9. 【請求項9】 前記制御可能状態探索手段は、基準とす
    る所定の共振器長に対して、予測した方向に所定長さだ
    け変化させた共振器長より、共振器長の制御が可能な状
    態の探索を開始することを特徴とする請求項6記載のレ
    ーザ光発生装置。
  10. 【請求項10】 前記制御可能状態探索手段は、前記制
    御一時停止手段によって共振器長の制御が一時的に停止
    される前における共振器長の変化の速さに応じて、前記
    所定長さを変更することを特徴とする請求項9記載のレ
    ーザ光発生装置。
  11. 【請求項11】 前記共振器は、前記基本レーザ光が注
    入されるレーザ装置内に設けられたものであることを特
    徴とする請求項6記載のレーザ光発生装置。
  12. 【請求項12】 前記共振器は、波長変換用の共振器で
    あることを特徴とする請求項6記載のレーザ光発生装
    置。
  13. 【請求項13】 レーザ光を共振させ、且つレーザ光を
    出力するための共振器と、この共振器に対して基本レー
    ザ光を注入する基本レーザ光注入手段とを備えたレーザ
    光発生装置に用いられ、このレーザ光発生装置における
    レーザ光の発生を制御するレーザ光発生制御方法であっ
    て、 前記基本レーザ光注入手段によって注入される基本レー
    ザ光に基づいて、前記共振器より出力されるレーザ光を
    注入同期するために、前記共振器または前記基本レーザ
    光注入手段における共振器の共振器長を制御すると共
    に、 所定の場合に、共振器長の制御を一時的に停止し、その
    後、所定の共振器長を基準にして、共振器長を伸ばす方
    向と縮める方向のうち、共振器長の制御の再開から次回
    の共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向を
    予測し、予測した方向に向けて、共振器長の制御が可能
    な状態を探索し、その状態より、共振器長の制御を再開
    させることを特徴とするレーザ光発生制御方法。
  14. 【請求項14】 前記共振器長の制御の再開から次回の
    共振器長の一時的な停止までの時間が長くなる方向の予
    測を、前記共振器長の制御が一時的に停止する前におけ
    る共振器長の制御の動向に基づいて行うことを特徴とす
    る請求項13記載のレーザ光発生制御方法。
  15. 【請求項15】 前記共振器長の制御が一時的に停止す
    る前における共振器長の変化の方向に対して反対方向
    を、共振器長の制御の再開から次回の共振器長の一時的
    な停止までの時間が長くなる方向として予測することを
    特徴とする請求項13記載のレーザ光発生制御方法。
  16. 【請求項16】 前記共振器長の制御が可能な状態の探
    索を、基準とする所定の共振器長に対して、予測した方
    向に所定長さだけ変化させた共振器長より開始すること
    を特徴とする請求項13記載のレーザ光発生制御方法。
  17. 【請求項17】 共振器長の制御が一時的に停止する前
    における共振器長の変化の速さに応じて、前記所定長さ
    を変更することを特徴とする請求項16記載のレーザ光
    発生制御方法。
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