JPH11149824A - 重合性化合物、それを用いた高分子固体電解質及びその用途 - Google Patents

重合性化合物、それを用いた高分子固体電解質及びその用途

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JPH11149824A
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 薄膜とした場合にも強度が良好で、イオ
ン伝導度が高く、加工性、低温特性、高温特性、大電流
特性に優れた高分子固体電解質及びそれを用いた電池、
電気二重層コンデンサ、及びそれらの製造方法の提供。 【構成】 (A)一般式(1)で示されるポリまたはオリ
ゴカーボネート基と、一般式(2)で示される重合性官
能基とを有する少なくとも一種の熱及び/または活性光
線重合性化合物の重合体、及び少なくとも一種の電解質
塩を含む高分子固体電解質、(B)その高分子固体電解質
を用いた電池(B-1)、電気二重層コンデンサ(B-2)、及び
(C)前記高分子固体電解質、電池及び電気二重層コンデ
ンサの製造方法(式中の記号は明細書に記載の通
り。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電気化学素子
に有用な、ポリまたはオリゴカーボネート基を主成分と
する高分子化合物と電解質塩とを含む高イオン伝導性の
高分子固体電解質及びその製造方法、該高分子固体電解
質を用いた電池及びその製造方法、並びに該高分子固体
電解質を用いた電気二重層コンデンサ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アイオニクス分野でのダウンサイジン
グ、全固体化という流れの中で、従来の電解質溶液に代
わる新しいイオン伝導体として、固体電解質を用いた全
固体一次電池や二次電池及び電気二重層コンデンサ等の
電気化学素子への応用が盛んに試みられている。すなわ
ち、従来の電解質溶液を用いた電気化学素子では、部品
外部への液漏れあるいは電極活物質の溶出などが発生し
やすいために長期信頼性に問題があるのに対して、固体
電解質を用いた製品はそのような問題がなく、また薄型
化することも容易である。さらに固体電解質は耐熱性に
も優れており、電池などの製品の作製工程においても有
利である。特に高分子化合物を主成分とした高分子固体
電解質を使用したものは、無機物に比較して、電池の柔
軟性が増し、種々の形状に加工できるというメリットが
ある。しかしながら、これまで検討されてきているもの
では、高分子固体電解質のイオン伝導度が低いため、取
り出し電流が小さいという問題を残していた。
【0003】最近、LiCoO2、LiNiO2、LiM
nO2、MoS2等の金属酸化物や、金属硫化物を正極に
用い、リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵
放出できる炭素材料や無機化合物あるいは高分子化合物
を負極に用いたリチウム二次電池が多く研究されてい
る。例えば、ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・
ソサイエティ(J. Electrochem. Soc.),第138巻
(第3号),665頁(1991年)には、MnO2あるい
はNiO2を正極とする電池が報告されている。これら
は、重量当りもしくは体積当りの容量が高く、注目され
ている。
【0004】さらに、近年、メモリーバックアップ電源
用などに、活性炭、カーボンブラックなど比表面積の大
きい炭素材料を分極性電極とし、その間にイオン伝導性
溶液を配置する電気二重層コンデンサが多用されてきて
いる。例えば、機能材料,1989年2月号33頁には、炭
素系分極性電極と有機電解液を用いたコンデンサが記載
され、第13回エレクトロケミカルソサエティ・ミーテ
ィング・アトランタ・ジョージア,1988年5月号(第1
8号)には、硫酸水溶液を用いた電気二重層コンデンサ
が記載されている。また、特開昭63-244570号公報に
は、高電気伝導性を有するRb2Cu33Cl7を無機系
固体電解質として用いるコンデンサが開示されている。
【0005】しかしながら、現在の電解質溶液を用いた
電池や電気二重層コンデンサでは、長期間の使用や高電
圧が印加される場合などの異常時には、電池やコンデン
サの外部への液漏れなどが発生し易いために長期使用や
信頼性に問題がある。一方、従来の無機系イオン伝導性
物質を用いた電池や電気二重層コンデンサは、イオン伝
導性物質の分解電圧が低く、出力電圧が低いという問題
や、電解質と電極との界面形成が難しく、製造加工等の
問題があった。
【0006】さらに、特開平4-253771号には、ポリホス
ファゼン系高分子化合物を電池や電気二重層コンデンサ
のイオン伝導性物質として用いることが提示されてお
り、このような高分子化合物を主成分とした固体イオン
伝導性物質を使用したものは、無機系イオン伝導性物質
に比較して出力電圧が高く、種々の形状に加工でき、封
止も簡単であるというメリットがある。しかしながら、
この場合では、高分子固体電解質のイオン伝導度が10
-4〜10-6S/cm程度と充分なものではなく、取り出
し電流が小さいという欠点があった。また、固体電解質
を分極性電極と共にコンデンサに組み立てる場合には、
固体同士の混合であることから、比表面積の大きい炭素
材料に均一に複合するのが難しいという問題もあった。
【0007】一般的に検討されている高分子固体電解質
のイオン伝導度は、室温における値で10-4〜10-5
/cm位まで改善されているものの、液体系イオン伝導
性物質に比較するとなお2桁以上低いレベルにとどまっ
ている。また、0℃以下の低温になると、一般に極端に
イオン伝導性が低下する。さらに、これらの固体電解質
を電池や電気二重層コンデンサ等の素子の電極と複合し
て組み込む場合や、これらの固体電解質を薄膜にして電
池や電気二重層コンデンサ等の素子に組み込む場合、電
極との複合化や接触性確保等の加工技術が難しく製造法
でも問題点があった。これら高分子固体電解質の例とし
て、ブリティッシュ・ポリマー・ジャーナル(Br. Poly
m. J.),第319巻,137頁(1975年)には、ポリ
エチレンオキサイドと無機アルカリ金属塩との複合物が
イオン伝導性を示すことが記載されているが、その室温
でのイオン伝導度は10-7S/cmと低い。
【0008】最近、オリゴオキシエチレンを側鎖に導入
した櫛型高分子化合物が、イオン伝導性を担っているオ
キシエチレン鎖の熱運動性を高め、イオン伝導性が改良
されることが多数報告されている。例えば、ジャーナル
・オブ・フィジカル・ケミストリイ(J. Phys. Che
m.),第89巻,987頁(1984年)には、ポリメタク
リル酸の側鎖にオリゴオキシエチレンを付加したものに
アルカリ金属塩を複合化した例が記載されている。さら
に、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエ
ティ(J. Am. Chem. Soc.),第106巻,6854頁(198
4年)には、オリゴオキシエチレン側鎖を有するポリホ
スファゼンにアルカリ金属塩を複合化した例が記載され
ているが、イオン伝導度は10-5S/cm程度とまだ不
十分であった。
【0009】米国特許4357401号にはヘテロ原子を含有
する架橋ポリマーとイオン化可能な塩からなる高分子固
体電解質が結晶性が低下し、ガラス転移点が低く、イオ
ン伝導度が改善されることを報告しているが、10-5
/cm程度とまだ不十分であった。
【0010】ジャーナル・オブ・アプライド・エレクト
ロケミストリィ(J. Appl. Electrochem.),第5巻,
63〜69頁(1975年)に記載されているように、ポリ
アクリロニトリルやポリフッ化ビニリデンゲル等の架橋
高分子化合物に溶媒及び電解質を加えた、いわゆる高分
子ゲル電解質は高イオン伝導度となることが報告されて
いる。また、特公昭58-36828号にはポリメタクリル酸ア
ルキルエステルに溶媒及び電解質を加えた同様の高分子
化合物ゲル電解質は高イオン伝導度となることが報告さ
れている。しかしながら、これら高分子ゲル電解質は高
イオン伝導度であるが、流動性を付与することとなるた
め、完全な固体としては取り扱えず、膜強度や成膜性に
劣り、電気二重層コンデンサや電池に応用すると短絡が
起こり易いうえ、液体系イオン伝導性物質同様に封止上
の問題が発生する。
【0011】一方、米国特許4792504号にはポリ酸化エ
チレンの連続ネットワーク中に金属塩及び非プロトン性
溶剤からなる電解液が含浸された架橋系高分子固体電解
質を用いることにより、イオン伝導度が改善されること
が提案されている。しかしながら、イオン伝導度は10
-4S/cmとまだ不十分であり、溶剤が添加されたた
め、膜強度が低下するという問題が生じた。
【0012】特公平3-73081号、米国特許4908283号に
は、ポリエチレングリコールジアクリレート等のアクリ
ロイル変性ポリアルキレンオキシド/電解質塩/有機溶
媒からなる組成物に紫外線等の活性光線を照射すること
により、高分子固体電解質を形成する方法が開示され、
重合時間を短縮する試みがなされている。
【0013】また、米国特許4830939号、特開平5ー10931
0号にも架橋性のポリエチレン性不飽和化合物/電解質
塩/活性光線不活性溶媒からなる組成物に紫外線や電子
線等の放射線を照射することにより、電解液を含んだ高
分子固体電解質を形成する同様の方法が開示されてい
る。これらの系では高分子固体電解質中の電解液を増量
したため、イオン伝導度は向上したが、まだ不十分であ
り、また膜強度は悪化する傾向にある。米国特許560997
4号には電解質塩の解離能力を高くする目的で、モノカ
ーボネート側鎖を導入した架橋高分子化合物を用いた高
分子固体電解質が開示されているが、カーボネートの導
入量が少なく、イオン伝導度、電流特性等、十分な性能
が得られない。特開平1-311573号には、活性水素原子を
有さない側鎖を結合した高分子を高分子固体電解質の成
分として用いた電気化学装置が記載されており、当該高
分子としてメタクリレート末端キャップ−ポリ(エチレ
ンエーテルカーボネート)が例示されている。しかし、
これらの高分子はイオン伝導度が不十分で、またメタク
リレートの重合性が低く、多量の溶媒を含んだ状態では
重合できず、高分子固体電解質ゲルとしての加工性に問
題があった。
【0014】特開平9-147912号には、特開平1-311573号
と同様のメタクリレート末端キャップ−ポリ(アルキレ
ン(エーテル)カーボネート)とメタクリレート末端キ
ャップ−ポリエーテルとの共重合体を用いることにより
柔軟性と剛直性を併せ持ち、アルカリ金属電極との密着
性及び界面抵抗を改善した高分子固体電解質が記載され
ている。しかしながらこれらは、ポリエーテル鎖の耐久
性に問題がある。また、二種類以上のメタクリレートを
使用するため重合が不均一に進行し、また、メタクリレ
ート自身の重合性が充分ではないため残存二重結合が多
いという問題があり、この点でも耐久性に問題があっ
た。特開平8-295715号には、ポリエーテルあるいはポリ
エステル単位を含む特異な構造のウレタンアクリレート
を用いることにより、イオン伝導度及び成膜性が改善さ
れ、重合収縮が少ない高分子固体電解質が提案されてい
る。しかしながら、これらの化合物は、両末端に水酸基
を有する化合物とジイソシアネートとの反応により合成
されており、反応副生成物が多く含まれる。このため、
イオン伝導度及び電気化学特性の安定性に問題がある。
また、ポリエーテルやポリエステルを含むため耐久性に
も問題を残している。ポリエーテル等に代えてポリカー
ボネートを導入した構造にも言及があるが、ポリカーボ
ネートとジイソシアネートの双方に芳香環を有する構造
が含まれるなど、電極との密着性その他の特性について
十分な考慮がなされていない上、ポリカーボネート鎖を
含有する高分子を用いた固体電解質については具体的な
製造例及び特性の検討はなされていない。
【0015】ソリッド・ステート・アイオニクス,1982
年,第7号,75頁には高分子固体電解質であるLiC
lO4/ポリエチレンオキサイド複合体にさらにアルミ
ナ粒子を複合させることにより、イオン伝導度が低下す
ることなく高分子固体電解質の強度改善が達成できるこ
とが報告されている。また、特開平6ー140052号には、ポ
リアルキレンオキサイド/イソシアネート架橋体/無機
酸化物複合体に非水電解液を含浸させた固体電解質が提
案されており、電解液含有高分子固体電解質の強度改善
が図られている。しかしながら、これら複合高分子固体
電解質では高分子化合物自身の特性が不十分であり、イ
オン伝導度、加工性、安定性の点で実用化にはまだ問題
が残っていた。
【0016】特開昭62-272161号には、シアノエチル化
セルロースのような高分子化合物を用いた高分子固体電
解質を活性炭電極と組み合わせた電気二重層コンデンサ
が開示されている。しかしながら、用いる高分子固体電
解質のイオン伝導度が不十分であり、また、活性炭電極
との複合が難しく、満足できる性能の電気二重層コンデ
ンサは得られていない。
【0017】そこで、これらの問題を解決するために、
本発明者らはウレタン結合を有し、オキシアルキレン基
を含有する(メタ)アクリレートプレポリマーから得ら
れる重合体及び電解質塩からなる複合体を用いたイオン
伝導性の高分子固体電解質を提案した(特開平6-187822
号)。この高分子固体電解質のイオン伝導度は、溶媒未
添加で10-4S/cm(室温)の高レベルであり、さら
に溶媒を添加すると、室温またはそれより低温であって
も10-3S/cm以上となり、また膜質も良好で自立膜
として得られる程度に改善された。また、このプレポリ
マーは重合性が良好で、電池に応用する場合、プレポリ
マー状態で電池に組込んだ後に重合し、固体化できると
いう加工上のメリットもあった。
【0018】しかしながら、これらの系も電池等のセパ
レータとして使用するには膜強度が不十分で、工業的に
取扱いにくいという問題があった。また、水分、電解質
塩の分解物、電極材料不純物等の電池系内の微量の不純
物で高分子、特に高温でポリオキシアルキレン(ポリエ
ーテル)部位が劣化しやすく、電池寿命に影響するとい
う問題点もあった。また、電池や電気二重層コンデンサ
に応用すると大電流放電時の容量低下が大きいという問
題点を有していた。これは高分子化合物の誘電率がまだ
不十分で、高分子固体電解質中での電解質塩の解離や移
動度が不十分であるためと考えられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、数十μm程
度の薄膜とした場合にも強度が良好で、室温、低温での
イオン伝導度が高く、加工性、高温特性、大電流特性に
優れた、各種電気化学素子に有用な高分子固体電解質及
びその製造方法を提供することを目的とする。また、本
発明は、前記高分子固体電解質を使用することにより、
薄膜化が容易であり、高容量、大電流で作動でき、加工
性、信頼性に優れた一次電池及び二次電池及びその製造
方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、
前記高分子固体電解質を使用することにより、出力電圧
が高く、取り出し電流が大きく、加工性、信頼性に優れ
た電気二重層コンデンサ及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリまたはオリゴ
カーボネート基及び特異なウレタンアクリレート基を有
する高分子化合物及び電解質塩を含む高分子固体電解質
が、膜強度が良好で、イオン伝導度が高く、加工性に優
れ、さらに従来のオリゴオキシアルキレン系に比較して
大電流特性、低温特性、高温特性に優れた高分子固体電
解質となることを見出した。また、上記高分子固体電解
質を使用することにより、薄膜化が容易であり、高容
量、大電流で作動でき、信頼性、安定性に優れた一次電
池及び二次電池とすることができることを見出した。さ
らに、上記の高分子固体電解質を用いることによって、
出力電圧が高く、取り出し電流が大きく、加工性、信頼
性、安定性に優れた電気二重層コンデンサが得られるこ
とを見出した。
【0021】以上の知見に基づいて本発明者らは、以下
の(1)高分子固体電解質及びその製造方法、(2)その高分
子固体電解質を用いた電池、電気二重層コンデンサ、及
びそれらの製造方法、並びに(3)その高分子固体電解質
用の高分子化合物の原料として有用な重合性化合物を提
供する。
【0022】1)一般式(1)
【化16】 [式中、R1は炭素数が1〜10の鎖状、分岐状及び/
または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価の基
を表わし、mは1または2であり、nは2〜1000の整数
である。但し、同一分子中に複数存在するR1、m及び
nは、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。]で示
されるポリまたはオリゴカーボネート基と、下記一般式
(2)
【化17】 [式中、R2は、水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を表わし、R3は炭素数1〜10の鎖状、分岐状及
び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価
の基を表わし、xは0または1〜10の整数である。但
し、同一分子中に複数存在するR2、R3及びxは、それ
ぞれ同一でもよいし異なってもよい。]で示される重合
性官能基とを有する少なくとも一種の熱及び/または活
性光線重合性化合物の重合体及び少なくとも一種の電解
質塩を含む高分子固体電解質。 2)高分子化合物及び少なくとも一種の電解質塩を含む
高分子固体電解質において、高分子化合物が前記一般式
(2)で示される重合性官能基による重合反応を利用し
て得られる化合物を含む、前記一般式(1)で示される
ポリまたはオリゴカーボネート基を有することを特徴と
する高分子固体電解質。 3)前記一般式(2)で示される重合性官能基を有する
少なくとも一種の化合物と、該化合物と反応する官能基
と前記一般式(1)で示されるポリまたはオリゴカーボ
ネート基とを有する少なくとも一種の化合物との反応に
より得られる高分子化合物、及び少なくとも一種の電解
質塩を含む高分子固体電解質。
【0023】4)重合性官能基及び前記一般式(1)で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基を有する少な
くとも一種の化合物の重合体と前記一般式(2)で示さ
れる重合性官能基を有する少なくとも一種の化合物の重
合体との混合物、及び少なくとも一種の電解質塩を含む
高分子固体電解質。 5)少なくとも一種の有機溶媒を含む前記1乃至4のい
ずれかに記載の高分子固体電解質。 6)少なくとも一種の無機酸化物を含む前記1乃至5の
いずれかに記載の高分子固体電解質。 7)電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アンモニウム
塩、4級ホスホニウム塩から選ばれる前記1乃至6のい
ずれかに記載の高分子固体電解質。 8)有機溶媒がカーボネート系化合物である前記5に記
載の高分子固体電解質。 9)前記1乃至8のいずれかに記載の高分子固体電解質
を用いることを特徴とする電池。 10)電池の負極として、リチウム、リチウム合金また
はリチウムイオンを吸蔵放出できる炭素材料、リチウム
イオンを吸蔵放出できる無機酸化物、リチウムイオンを
吸蔵放出できる無機カルコゲナイド、リチウムイオンを
吸蔵放出できる電導性高分子化合物から選ばれる少なく
とも一つの材料を用いることを特徴とする前記9に記載
のリチウム電池。 11)イオン伝導性物質を介して分極性電極を配置した
電気二重層コンデンサにおいて、イオン伝導性物質が、
前記1乃至8のいずれかに記載の高分子固体電解質であ
ることを特徴とする電気二重層コンデンサ。
【0024】12)一般式(1)
【化18】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化19】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種の
無機酸化物を含有する重合性組成物を支持体上に配置し
た後、重合性組成物を重合することを特徴とする高分子
固体電解質の製造方法。
【0025】13)一般式(1)
【化20】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化21】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を支
持体上に配置した後、重合性組成物を重合し、得られた
重合物を電解液と接触させることにより電解質塩を含浸
させることを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。
【0026】14)一般式(1)
【化22】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化23】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種の
無機酸化物を含有する重合性組成物を電池構成用構造体
内に入れ、または支持体上に配置した後、重合性組成物
を重合することを特徴とする電池の製造方法。
【0027】15)一般式(1)
【化24】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化25】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を電
池構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置した
後、重合性組成物を重合し、得られた重合物を電解液と
接触させることにより電解質塩を含浸させることを特徴
とする電池の製造方法。
【0028】16)一般式(1)
【化26】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化27】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種の
無機酸化物を含有する重合性組成物を電気二重層コンデ
ンサ構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置した
後、重合性組成物を重合することを特徴とする電気二重
層コンデンサの製造方法。
【0029】17)一般式(1)
【化28】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
(2)
【化29】 [式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。]で
示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱及
び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一種
の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに少
なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を電
気二重層コンデンサ構成用構造体内に入れ、または支持
体上に配置した後、重合性組成物を重合し、得られた重
合物を電解液と接触させることにより電解質塩を含浸さ
せることを特徴とする電気二重層コンデンサの製造方
法。 18)一般式(3)
【化30】 [式中、R1及びR3は、炭素数が1〜10の鎖状、分岐
状及び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい
2価の基を表わし、R2は水素原子または炭素数1〜6
のアルキル基を表わし、R4は炭素数1〜20の鎖状、
分岐状及び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいても
よい有機基を表わし、mは1または2であり、nは2〜
1000の整数であり、xは0または1〜10の整数であ
る。但し、同一分子中に複数存在するR1、R2、R3
m、n及びxは、それぞれ同一でもよいし異なってもよ
い。]で示される重合性化合物。
【0030】
【発明の実施の態様】以下に本発明を詳細に説明する。 [高分子固体電解質]本発明の高分子固体電解質は、基
本的には主要構成成分である(a)高分子化合物、及び(b)
電解質塩を含んでなる。さらに、(c)有機溶媒、(d)無機
酸化物を含んでもよい。以下、各成分について詳述す
る。
【0031】(a)高分子化合物 本発明の高分子固体電解質の主要構成成分である高分子
化合物は非電子伝導性で各種有機極性溶媒を吸液、保持
できるものであり、下記一般式(1)で示されるポリま
たはオリゴカーボネート構造を有する架橋及び/または
側鎖基が含まれる。
【化31】
【0032】式中、R1は炭素数が1〜10の鎖状、分
岐状及び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよ
い2価の基を表わし、mは1〜10の整数であり、nは
2〜1000の整数である。上記一般式でのR1の炭素数が
多すぎると、高分子化合物中のカーボネート基の相対的
な割合が少なくなり、誘電率が低下し、電解質塩が解離
しにくくなり好ましくない。また、高分子化合物の疎水
性が増加し、各種極性溶媒との相溶性が低下し、好まし
くない。好ましいR1の炭素数は1〜4である。また、
上記一般式(1)におけるmの値が、高分子固体電解質
の特性に大きな影響を及ぼすことが判明した。すなわ
ち、mの値が1または2では、一般的には側鎖及び/ま
たは架橋鎖中のカーボネート基の割合が過剰となるた
め、高分子の柔軟性が大きく低下してガラス転移点も高
くなり、イオン伝導度が低下する。また、mが10を越
えると、高分子化合物中でのポリエーテル基に対するカ
ーボネート基の割合が少なくなり、誘電率が低下し、電
解質塩が解離しにくくなり好ましくない。また、ポリエ
ーテル鎖の耐久性が問題となる。従って、一般的にはm
の値は3〜10の整数が好ましく、より好ましくは3〜
5であるが、本発明に従い上記(2)で示されるウレタ
ン基とアクリレート基が直接またはオキシアルキレンを
介して結合した重合性官能基を含有させた場合は、mの
値が1または2でも良好な特性が得られることが見出さ
れた。
【0033】本発明の高分子固体電解質に用いられる高
分子中の一般式(1)で示されるポリまたはオリゴカー
ボネート基の繰り返し数nは2〜1000の範囲であり、3
〜100の範囲が好ましく、5〜50が特に好ましい。
【0034】本発明の高分子固体電解質に用いられる高
分子としては、(A)一般式(1)で示されるポリまた
はオリゴカーボネート基を有し、さらにかつ下記一般式
(2)で示される重合性官能基
【化32】 [式中、R2は、水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基を表わし、R3は炭素数1〜10の鎖状、分岐状及
び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価
の基を表わし、xは0または1〜10の整数である。但
し、同一分子中に複数存在するR2、R3及びxは、それ
ぞれ同一でもよいし異なって もよい。]を有する少な
くとも一種の熱及び/または活性光線重合性化合物(以
下、単に「重合性化合物」と略す。)を重合することに
よって得られる化合物が好ましいが、(B)前記一般式
(2)で示される重合性官能基を有する少なくとも一種
の化合物と、該化合物と反応する官能基と前記一般式
(1)で示されるポリまたはオリゴカーボネート基とを
有する少なくとも一種の化合物との反応により得られる
高分子化合物、あるいは、(C)重合性官能基及び前記
一般式(1)で示されるポリまたはオリゴカーボネート
基を有する少なくとも一種の化合物の重合体と前記一般
式(2)で示される重合性官能基を有する少なくとも一
種の化合物の重合体との混合物を用いることができる。
【0035】前記(A)に属する具体的な重合性化合物
としては、例えば以下の一般式(3)で示される化合物
が挙げられる。
【化33】 [式中、R4は炭素数1〜20の鎖状、分岐状及び/ま
たは環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい基を表わ
し、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。]
【0036】一般式(1)で示される基と一般式(2)
で示される基とを有する重合性化合物を合成する方法に
特に制限はないが、例えば、
【化34】 で示されるイソシアネート化合物と末端にヒドロキシル
基を有するポリまたはオリゴカーボネートオールとを反
応させることにより容易に得ることができる。
【0037】具体的方法として、一般式(2)で示され
る官能基を一つ有する化合物は、例えば、メタクリロイ
ルイソシアナート系化合物(以下、MI類と略記す
る。)あるいはアクリロイルイソシアナート系化合物
(以下、AI類と略記する。)とモノアルキルポリまた
はオリゴカーボネートオールとを、以下の反応の様に
1:1のモル比で反応させることにより容易に得ること
ができる。
【0038】
【化35】 式中、R5は炭素数1〜10の有機基を表わし、R1
m、n、R2、R3及びxは前記と同じ意味を表わす。
【0039】また、一般式(2)で示される官能基を二
つ有する化合物は、例えば、MI類あるいはAI類とポ
リまたはオリゴカーボネートジオールとを以下のように
2:1のモル比で反応させることにより容易に得られ
る。
【0040】
【化36】 式中、R1、m、n、R2、R3及びxは前記と同じ意味
を表わす。
【0041】また一般式(2)で示される官能基を三つ
有する化合物は、例えば、MI類あるいはAI類とポリ
またはオリゴカーボネートトリオールとを3:1のモル
比で反応させることにより容易に得られる。
【0042】ここで一般式(2)で示される官能基を1
つしか有さない化合物を重合してできる高分子は、架橋
構造を有しておらず、膜強度不足のため、薄膜にすると
短絡する場合があり得る。従って、一般式(2)で示さ
れる官能基を2つ以上有する重合性化合物と共重合し、
架橋させるか、一般式(2)で示される官能基を2つ以
上有する重合性化合物から得られる高分子と併用するこ
とが好ましい。これら高分子を薄膜として使用する場
合、その強度から考慮して、1分子中に含まれる一般式
(2)で示される官能基の数は、3つ以上がより好まし
い。
【0043】また前記一般式(2)で示される重合性官
能基を有する化合物を重合して得られる高分子化合物
は、ウレタン基を含んでおり、誘電率が高くなり、高分
子固体電解質とした場合のイオン伝導度が高くなるため
好ましい。さらに一般式(2)で示される重合性官能基
を有する化合物は重合性が良好で、薄膜にしたときの膜
強度も大きく電解液の包含量が多くなり好ましい。
【0044】本発明の高分子固体電解質の構成成分とし
て好ましい高分子化合物は、前記重合性化合物の単独重
合体であっても、同一カテゴリーに属する2種以上の共
重合体であっても、あるいは前記重合性化合物の少なく
とも一種と他の重合性化合物との共重合体であってもよ
い。
【0045】前記重合性化合物と共重合可能な他の重合
性化合物としては、特に制限はないが、例えば、メタク
リル酸メチル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、各種ウレタン(メタ)アクリ
レート、オキシアルキレン及び/またはオキシフルオロ
カーボン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/
またはウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート鎖
を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリ
ル酸フッ素化アルキルエステル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,
N−ジメチルメタクリルアミド、炭酸ビニレン、(メ
タ)アクリロイルカーボネート、N−ビニルピロリド
ン、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリ
ン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物、N−ビ
ニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビ
ニルアミド系化合物、エチルビニルエーテル等のアルキ
ルビニルエーテルを挙げることができる。
【0046】これらの中で、好ましくは(メタ)アクリ
ル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、または
オキシアルキレン及び/またはオキシフルオロカーボン
鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル及び/またはウ
レタン(メタ)アクリレート、またはカーボネート鎖を
有する(メタ)アクリル酸エステルが用いられる。これ
らの中で、ウレタン(メタ)アクリレートが重合性とい
う観点で特に好ましい。
【0047】前記(B)に属する高分子化合物は、例え
ば、(b-1)前記一般式(2)で示される重合性官能基を
有する少なくとも一種の化合物と(b-2)該重合性官能基
と反応する官能基と前記一般式(1)で示されるポリま
たはオリゴカーボネート基とを有する少なくとも一種の
化合物との反応により得られる高分子化合物である。(b
-2)の重合性官能基と反応する官能基の例としては、ビ
ニル基等の不飽和結合、エポキシ基等が挙げられる。化
合物(b-1)と(b-2)との反応は、化合物(b-1)に含まれる
前記重合性官能基以外の官能基と(b-2)との反応による
ものでもよい。また、前記(C)として述べたように、
本発明で用いる高分子化合物は、前記一般式(1)で示
されるポリまたはオリゴエーテル/カーボネート構造を
有する少なくとも一種の化合物の重合体と一般式(2)
で示される重合性官能基を有する少なくとも一種の化合
物の重合体との混合物でもよい。また、本発明の高分子
固体電解質に用いる高分子化合物としては、前記重合性
化合物の少なくとも一種から得られる重合体及び/また
は前記重合性化合物を共重合成分とする共重合体と、他
の高分子化合物との混合物であってもよい。混合する他
の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサ
イド、ポリプロピレンキサイド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリブタジエ
ン、ポリメタクリル(またはアクリル)酸エステル類、
ポリスチレン、ポリホスファゼン類、ポリシロキサンあ
るいはポリシラン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン等のポリマーが挙げられる。
【0048】前記一般式(1)で示されるポリまたはオ
リゴカーボネート基を有する高分子由来の構造単位の量
は、前記重合性化合物を単独重合するか、その他の共重
合成分と共重合するか、さらに他の高分子化合物を混合
するかにより、あるいはそれらの種類により異なるた
め、一概にはいえないが、高分子固体電解質に用いたと
きのイオン伝導度及び膜強度、耐熱性、電流特性を考慮
すると、高分子成分全量に対し50重量%以上含有する
ことが好ましく、さらには70重量%以上含有すること
が好ましい。
【0049】前記重合性化合物の重合は、官能基である
アクリロイル基もしくはメタクリロイル基の重合性を利
用した一般的な方法により行なうことができる。すなわ
ち、前記重合性化合物単独、あるいは重合性化合物と他
の前記共重合可能な重合性化合物の混合物に、アゾビス
イソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等のラ
ジカル重合触媒、CF3COOH等のプロトン酸、B
3、AlCl3等のルイス酸等のカチオン重合触媒、あ
るいはブチルリチウム、ナトリウムナフタレン、リチウ
ムアルコキシド等のアニオン重合触媒を用いて、ラジカ
ル重合、カチオン重合あるいはアニオン重合させること
ができる。また、重合性化合物または重合性混合物は膜
状等の形に成形後、重合させることも可能である。
【0050】(b)電解質塩 本発明で用いる電解質塩の種類は特に限定されるもので
はなく、電荷でキャリアーとしたいイオンを含んだ電解
質塩を用いればよいが、高分子固体電解質中での解離定
数が大きいことが望ましく、LiCF3SO3、LiN
(CF3SO2)2、LiPF6、LiClO4、LiI、L
iBF4、LiSCN、LiAsF6、NaCF3SO3
NaPF6、NaClO4、NaI、NaBF4、NaA
sF6、KCF3SO3、KPF6、KI等のアルカリ金属
塩、(CH3)4NBF4等の4級アンモニウム塩、(C
3)4PBF4等の4級ホスホニウム塩、AgClO4
の遷移金属塩、あるいは塩酸、過塩素酸、ホウフッ化水
素酸等のプロトン酸が好ましい。本発明の高分子固体電
解質中の電解質塩は複合して用いることができ、その複
合比は、高分子の重量に対し、0.1〜50重量%が好ま
しく、1〜30重量%が特に好ましい。複合に用いる電
解質塩が50重量%以上の比率で存在すると、イオンの
移動が大きく阻害され、逆に0.1重量%以下の比率で
は、イオンの絶対量が不足となってイオン伝導度が小さ
くなる。
【0051】(c)有機溶媒 本発明の高分子固体電解質中に有機溶媒を添加すると、
高分子固体電解質のイオン伝導度がさらに向上するので
好ましい。使用できる有機溶媒としては、本発明の高分
子固体電解質に用いる一般式(1)で示される有機基を
有する化合物との相溶性が良好で、誘電率が大きく、沸
点が60℃以上であり、電気化学的安定範囲が広い化合
物が適している。そのような溶媒としては、1,2−ジ
メトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、クラ
ウンエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエ
ーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
エチルメチルカーボネート等のカーボネート類、ベンゾ
ニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピ
ロリドン、N−ビニルピロリドン、スルホラン等の硫黄
化合物、リン酸エステル類等が挙げられる。これらの中
で、エーテル類及びカーボネート類が好ましく、カーボ
ネート類が特に好ましい。有機溶媒の添加量は、多いほ
ど高分子固体電解質のイオン伝導度が向上する。このた
め、一般的にはその添加量を増やすことが望ましいが、
反面、添加量が多過ぎると高分子固体電解質の機械的強
度が低下する。好ましい添加量としては、本発明の高分
子固体電解質に用いる高分子重量の2倍から15倍量
で、3倍から10倍量以下が特に好ましい。
【0052】(d)無機酸化物 本発明の高分子固体電解質には各種無機酸化物を添加す
ることが好ましい。無機酸化物の添加により、強度、膜
厚均一性が改善するばかりでなく、無機酸化物と高分子
間に微細な空孔が生じることになり、電解液中に浸漬し
た場合には空孔を通じて高分子固体電解質内にフリーの
電解液が分散し、強度の改善効果を損ねることなく、イ
オン伝導度、イオン移動度を増加させることもできる。
また、無機酸化物を添加することにより、重合性組成物
の粘度が上昇し、高分子と溶媒の相溶性が不十分な場合
にもその分離を抑える効果も現われる。使用する無機酸
化物としては非電子伝導性であり、かつ電気化学的に安
定なものが選ばれる。また、イオン伝導性であればさら
に好ましい。具体的にはα、β、γ−アルミナ、シリ
カ、チタニア、マグネシア、ハイドロタルサイト等のイ
オン伝導性または非電導性セラミックス微粒子が挙げら
れる。高分子固体電解質中の電解液の保有量を多くし、
イオン伝導性、移動度を増加させるという目的では、無
機酸化物の比表面積はできるだけ大きいことが好まし
く、BET法で10m2/g以上、さらには50m2/g
以上が好ましい。このような無機酸化物の結晶粒子径と
しては、重合性組成物と混合できれば特に限定はない
が、大きさ(平均結晶粒径)としては0.001μm〜10
μmが好ましく、0.01μm〜 1μmが特に好ましい。
また、形状としては球形、卵形、立方体状、直方体状、
円筒ないし棒状等の種々の形状のものを用いることがで
きる。無機酸化物の添加量は多すぎると逆に高分子固体
電解質の強度やイオン伝導性を低下させたり、成膜がし
にくくなるという問題を生じる。好ましい添加量として
は、高分子固体電解質に対して50重量%以下であり、
0.1から30重量%の範囲が特に好ましい。
【0053】[高分子固体電解質の製造方法]本発明の
高分子固体電解質は、前記重合性化合物の少なくとも一
種から得られる重合体、あるいは前記重合性化合物を共
重合成分とする共重合体を、例えばフィルム状に形成し
た後重合し、有機溶媒に溶解した電解質塩と接触させる
ことにより製造するか、または前記重合性化合物とその
他の成分とからなる重合性組成物を調製し、例えばフィ
ルム状に成形した後、重合することにより製造すること
ができる。後者の方法を具体的に示せば、前記重合性化
合物の少なくとも一種とアルカリ金属塩、4級アンモニ
ウム塩、4級ホスホニウム塩または遷移金属塩のごとき
少なくとも一種の電解質塩とを混合し、所望により、他
の重合性化合物、可塑剤、有機溶媒及び/または無機酸
化物を添加混合した重合性組成物を調製した後、フィル
ム状等に成形して、前記触媒の存在下あるいは非存在下
に、加熱及び/または活性光線の照射により重合させ、
本発明の高分子固体電解質を得る。この方法によれば、
加工面での自由度が広がり、応用上の大きなメリットと
なる。
【0054】重合時に溶媒を用いる場合には、重合性化
合物の種類や重合触媒の有無にもよるが、重合を阻害し
ない溶媒であればいかなる溶媒でも良く、例えば、テト
ラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン等を用いる
ことができる。重合させる温度としては、前記重合性化
合物の種類によるが、重合が起こる温度であれば良く、
通常は、0℃から200℃の範囲で行なえばよい。活性
光線照射により重合させる場合には、前記重合性化合物
の種類によるが、例えば、ベンジルメチルケタール、ベ
ンゾフェノン等の開始剤を使用して、数mW以上の紫外
光またはγ線、電子線等を照射して重合させることがで
きる。
【0055】また、本発明の高分子固体電解質を薄膜フ
ィルムとして使用する場合、フィルム強度を向上させる
ために、他の多孔性フィルムとの複合フィルムとするこ
ともできる。ただし、複合するフィルムの種類あるいは
量によってはイオン伝導度の低下や安定性の悪化を招く
ので、適したものを選ぶ必要がある。使用するフィルム
としては、ポリプロピレン製不織布やポリエチレン製ネ
ットのような網状ポリオレフィンシート等の多孔性ポリ
オレフィンシート、セルガード(商品名)等のポリオレ
フィン製マイクロポーラスフィルム、ナイロン不織布等
が挙げられ、中でも多孔性ポリオレフィンフィルムが好
ましい。また、その空孔率としては、10〜95%程度
あればよいが、強度の許す限りできるだけ空孔率の大き
いものが良く、好ましい空孔率は40〜95%の範囲で
ある。複合方法には特に制限がないが、例えば、前記重
合性化合物の少なくとも一種、またはこれに少なくとも
一種の電解質塩、場合によっては、さらに他の成分を添
加混合してなる重合性組成物を多孔性ポリマーフィルム
に含浸後、(メタ)アクリロイル系化合物を重合する方
法に付すことにより、均一に複合でき、膜厚の制御も簡
便である。
【0056】[電池及びその製造方法]本発明の電池と
して、薄膜固体二次電池の一例の概略断面図を図1に示
す。図中、1は正極、2は高分子固体電解質、3は負
極、4は集電体、5は絶縁性樹脂封止剤である。本発明
の電池の構成において、正極1に金属酸化物、金属硫化
物、導電性高分子あるいは炭素材料のような高酸化還元
電位の電極活物質(正極活物質)を用いることにより、
高電圧、高容量の電池が得られるので好ましい。このよ
うな電極活物質の中では、充填密度が高く体積容量密度
が高くなるという点で、酸化コバルト、酸化マンガン、
酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化モリブデン等の金
属酸化物、硫化モリブデン、硫化チタン、硫化バナジウ
ム等の金属硫化物が好ましく、特に酸化マンガン、酸化
ニッケル、酸化コバルト等が高容量、高電圧という点か
ら好ましい。
【0057】この場合の金属酸化物や金属硫化物を製造
する方法は特に限定されず、例えば、電気化学,第22
巻,574頁(1954年)に記載されているような、一般
的な電解法や加熱法によって製造される。また、これら
を電極活物質としてリチウム電池に使用する場合、電池
の製造時に、例えば、LixCoO2やLixMnO2等の
形でリチウム元素を金属酸化物あるいは金属硫化物に挿
入(複合)した状態で用いることが好ましい。リチウム
元素を挿入する方法は特に限定されず、例えば、電気化
学的にリチウムイオンを挿入する方法や、米国特許第43
57215号に記載されているように、Li2CO3の塩と金
属酸化物を混合、加熱処理することによって実施でき
る。
【0058】また柔軟で、薄膜化しやすいという点で
は、導電性高分子が好ましい。導電性高分子の例として
は、ポリアニリン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポ
リパラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びそ
の誘導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジ
ンジイル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及
びその誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレ
ノフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレ
ン、ポリチエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、
ポリナフテニレンビニレン、ポリセレノフェンビニレ
ン、ポリピリジンジイルビニレン等のポリアリーレンビ
ニレン及びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも有機
溶媒に可溶性のアニリン誘導体の重合体が特に好まし
い。これらの電池あるいは電極において電極活物質とし
て用いられる導電性高分子は、後述のような化学的ある
いは電気化学的方法、あるいはその他の公知の方法に従
って製造される。
【0059】また、炭素材料としては、天然黒鉛、人造
黒鉛、気相法黒鉛、石油コークス、石炭コークス、フッ
化黒鉛、ピッチ系炭素、ポリアセン等が挙げられる。
【0060】本発明の電池の負極3に用いる負極活物質
としては、アルカリ金属、アルカリ金属合金、炭素材
料、金属酸化物や導電性高分子化合物のようなアルカリ
金属イオンをキャリアーとする低酸化還元電位のものを
用いることにより、高電圧、高容量の電池が得られるの
で好ましい。このような負極活物質の中では、リチウム
金属あるいはリチウム/アルミニウム合金、リチウム/
鉛合金、リチウム/アンチモン合金等のリチウム合金類
が最も酸化還元電位が低く、かつ薄膜化が可能である点
から特に好ましい。また炭素材料もリチウムイオンを吸
蔵した場合、低酸化還元電位となり、しかも安定、安全
であるという点で特に好ましい。リチウムイオンを吸蔵
放出できる材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相法
黒鉛、石油コークス、石炭コークス、ピッチ系炭素、ポ
リアセン、C60、C70等のフラーレン類等が挙げられら
れる。
【0061】上記負極活物質を用い、アルカリ金属イオ
ンをキャリアーとする電池に用いる場合、高分子固体電
解質中の電解質塩としてはアルカリ金属塩を使用する。
アルカリ金属塩としては例えば、LiCF3SO3、Li
PF6、LiClO4、LiBF4、LiSCN、LiA
sF6、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2
22、NaCF3SO3、LiI、NaPF6、NaC
lO4、NaI、NaBF4、NaAsF6、KCF3SO
3、KPF6、KI等を挙げることができる。
【0062】本発明の電極及び電池の製造方法の一例に
ついて説明する。正負極をお互いに接触しないように電
池構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置する。
例えば、電極の端に適当な厚みのスペーサーまたは予め
調製しておいた高分子固体電解質フィルムを介して正極
と負極をはり合せて、前記構造体内に入れ、次に、正極
と負極の間に、重合性化合物の少なくとも一種、または
これに少なくとも一種の電解質塩、場合によっては、さ
らに他の重合性化合物及び/または可塑剤及び/または
溶媒及び/または無機酸化物を添加混合した重合性組成
物を注入した後、例えば、加熱及び/または活性光線照
射により重合することにより、あるいは、さらに、重合
後必要に応じてポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の
絶縁性樹脂で封止することにより、電極と電解質が良好
に接触した電池が得られる。また、これ以外にも、重合
性化合物の少なくとも一種及び溶媒、またはこれに他の
重合性化合物及び/または可塑剤及び/または無機酸化
物を添加混合した重合性組成物を重合して得られた重合
物を介して正極と負極を貼り合わせて、予め電極に含浸
させておいた電解液から電解質塩の一部を重合物に移行
させることにより電池を製造することも可能である。
【0063】なお、前記電池構成用構造体あるいは前記
支持体はSUS等の金属、ポリプロピレン、ポリイミド
等の樹脂、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラス等のセ
ラミックス材料であればよいが、特にこれらの材料から
なるものに限定されない。また、その形状は筒状、箱
状、シート状その他いかなる形状でもよい。捲回型電池
を製造する場合は、予め調製しておいた高分子固体電解
質フィルムを介して、上記正極及び負極をはりあわせ、
捲回し、電池構成用構造体内に挿入後に更に前記重合性
組成物を注入し、重合させるという方法も可能である。
【0064】[電気二重層コンデンサ及びその製造方
法]次に本発明の電気二重層コンデンサについて説明す
る。本発明によれば、前記高分子固体電解質を用いるこ
とにより、出力電圧が高く、取り出し電流が大きく、あ
るいは加工性、信頼性に優れた電気二重層コンデンサが
提供される。本発明の電気二重層コンデンサの一例の概
略断面図を図2に示す。この例は、大きさ1cm×1c
m、厚み約0.5mmの薄型セルで、7は集電体であり、
集電体の内側には一対の分極性電極6が配置されてお
り、その間に高分子固体電解質膜8が配置されている。
9は絶縁性樹脂封止剤、10はリード線である。
【0065】集電体7は電子伝導性で電気化学的に耐食
性があり、できるだけ比表面積の大きい材料を用いるこ
とが好ましい。例えば、各種金属及びその焼結体、電子
伝導性高分子、カーボンシート等を挙げることができ
る。分極性電極6は、通常電気二重層コンデンサに用い
られる炭素材料等の分極性材料からなる電極であればよ
い。分極性材料としての炭素材料としては、比表面積が
大きければ特に制限はないが、比表面積の大きいほど電
気二重層の容量が大きくなり好ましい。例えば、ファー
ネスブラック、サーマルブラック(アセチレンブラック
を含む)、チャンネルブラック等のカーボンブラック類
や、椰子がら炭等の活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、気相
法で製造したいわゆる熱分解黒鉛、ポリアセン及び
60、C70を挙げることができる。
【0066】本発明の電気二重層コンデンサの場合に複
合に用いる電解質塩の種類は特に限定されるものではな
く、電荷キャリアーとしたいイオンを含んだ化合物を用
いればよいが、高分子固体電解質中での解離定数が大き
く、分極性電極と電気二重層を形成しやすいイオンを含
むことが望ましい。このような化合物としては、(CH
34NBF4、(CH3CH24NClO4等の4級アン
モニウム塩、ピリジニウム塩、AgClO4等の遷移金
属塩、(CH34PBF4等の4級ホスホニウム塩、L
iCF3SO3、LiPF6、LiClO4、LiI、Li
BF4、LiSCN、LiAsF6、LiN(CF3
22、LiN(CF3CF2SO22、NaCF3
3、NaPF6、NaClO4、NaI、NaBF4、N
aAsF6、KCF3SO3、KPF6、KI等のアルカリ
金属塩、パラトルエンスルホン酸等の有機酸及びその
塩、塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。これらの中
で、出力電圧が高く取れ、解離定数が大きいという点か
ら、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、4級ホスホ
ニウム塩、アルカリ金属塩が好ましい。4級アンモニウ
ム塩の中では、(CH3CH2)(CH3CH2CH2
23NBF4のような、アンモニウムイオンの窒素上
の置換基が異なっているものが、高分子固体電解質への
溶解性あるいは解離定数が大きいという点から好まし
い。
【0067】次に本発明の電気二重層コンデンサの製造
方法の一例について説明する。分極性電極2枚をお互い
に接触しないようにコンデンサ構成用構造体内に入れ、
または支持体上に配置する。例えば、電極の端に適当な
厚みのスペーサーまたは予め調製しておいた高分子固体
電解質フィルムを介して分極性電極をはり合せて、前記
構造体内に入れ、前記重合性化合物の少なくとも一種、
またはこれに少なくとも一種の電解質塩、場合によって
は、さらに他の重合性化合物及び/または可塑剤及び/
または溶媒及び/または無機酸化物を添加混合した重合
性組成物を注入した後、重合することにより、あるい
は、さらに、重合後必要に応じてポリオレフィン樹脂、
エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止することにより、電
極と電解質が良好に接触した電気二重層コンデンサが得
られる。本法により、特に薄型電気二重層コンデンサを
製造することができる。また、これ以外にも、重合性化
合物の少なくとも一種及び溶媒、またはこれに他の重合
性化合物及び/または可塑剤及び/または無機酸化物を
添加混合した重合性組成物を重合して得られた重合物を
介して2枚の分極性電極を貼り合わせて、予め分極性電
極に含浸させておいた電解液から電解質塩の一部を重合
物に移行させることにより電気二重層コンデンサを製造
することも可能である。
【0068】なお、前記コンデンサ構成用構造体あるい
は前記支持体は、SUS等の金属、ポリプロピレン、ポ
リイミド等の樹脂、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラ
ス等のセラミックス材料であればよいが、特にこれらの
材料からなるものに限定されるものではなく、また、そ
の形状は、筒状、箱状、シート状その他いかなる形状で
もよい。
【0069】電気二重層コンデンサの形状としては、図
2のようなシート型のほかに、コイン型、あるいは分極
性電極及び高分子固体電解質のシート状積層体を円筒状
に捲回し、円筒管状のコンデンサ構成用構造体に入れ、
封止して製造された円筒型等であっても良い。捲回型コ
ンデンサを製造する場合は、あらかじめ調製しておいた
高分子固体電解質フィルムを介して、上記分極性電極を
はりあわせ、捲回し、コンデンサ構成用構造体内に挿入
後に更に前記重合性組成物を注入し、重合させるという
方法も可能である。
【0070】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。なお、これらは説明のための単な
る例示であって、本発明はこれらに何等制限されるもの
ではない。
【0071】実施例1:化合物1、2及び3の合成
【化37】
【0072】上式(a)(b)(c)に従い、常法で各
種アルキレングリコールに窒素下、10℃以下で過剰の
ホスゲンガスを吹き込み、約5時間反応させ、各種アル
キレングリコールのビスクロロホルメート体、化合物
1、化合物2、化合物3を合成した。これらの同定はG
C−MSで行なった。
【0073】実施例2:化合物1、2、3のオリゴマー
化(化合物4、5、6の合成)
【化38】
【0074】上式(d)(e)(f)に従い、常法で実
施例1で合成した各種アルキレングリコールビスクロロ
ホルメート体(化合物1、2、3)と各種アルキレング
リコールとを、ピリジン存在下、25℃以下、ジクロロ
メタン中で約6時間反応させた後、過剰の水を加え、残
クロロホルメート末端を水酸基化し、両末端に水酸基を
有するオリゴカーボネート(化合物4、化合物5、化合
物6)を合成した。GPC分析により求めた、各オリゴ
カーボネートの重量平均分子量(Mw)、平均繰り返し
数x、y、zは以下の通りであった。 化合物4 Mw 〜約 800、x:〜約8、 化合物5 Mw 〜約1500、y:〜約10、 化合物6 Mw 〜約1200、z:〜約10。
【0075】実施例3:化合物7の合成
【化39】
【0076】常法により、上式(g)に従い実施例2で
合成したカーボネートオリゴマー(化合物4)の無水T
HF溶液中に当モルのエチルクロロホルメートを、ピリ
ジン存在下、25℃以下、徐々に滴下後、約6時間反応
させることにより、片末端を水酸基化したオリゴカーボ
ネート(化合物7)を合成した。
【0077】実施例4:重合性化合物8の合成
【化40】
【0078】化合物4(平均分子量800)(40.0g)
及びMOI(メタクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト)(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTHF
(200ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウレー
ト(0.44g)を添加した。その後、25℃で約15時間
反応させることにより、無色生成物を得た。その1H−
N MR、IR及び元素分析の結果から、化合物4とM
OIは1対2で反応し、MOIのイソシアナート基が消
失し、ウレタン結合が生成しており、化合物8が生成し
ていることがわかった。
【0079】実施例5:重合性化合物9の合成
【化41】
【0080】化合物5(平均分子量1500)(75.0g)及
びMOI(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTH
F(200ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウレ
ート(0.44g)を添加した。その後、25℃で約15時
間反応させることにより、無色生成物を得た。その1
−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物5とM
OIは1対2で反応し、MOIのイソシアナート基が消
失し、ウレタン結合が生成しており、化合物9が生成し
ていることがわかった。
【0081】実施例6:重合性化合物10の合成
【化42】
【0082】化合物6(平均分子量1200)(60.0g)及
びMOI(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTH
F(200ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウレ
ート(0.44g)を添加した。その後、25℃で約15時
間反応させることにより、無色生成物を得た。その1
−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物6とM
OIは1対2で反応し、MOIのイソシアナート基が消
失し、ウレタン結合が生成しており、化合物10が生成
していることがわかった。
【0083】実施例7:重合性化合物11の合成
【化43】
【0084】化合物7(平均分子量900)(90.0g)
及びMOI(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したT
HF(200ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウ
レート(0.44g)を添加した。その後、25℃で約15
時間反応させることにより、無色生成物を得た。その1
H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物7と
MOIは1対1で反応し、MOIのイソシアナート基が
消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物11が生
成していることがわかった。
【0085】実施例8:高分子固体電解質膜の製造(化
合物8) 化合物8(2.0g)、エチレンカーボネート(EC)
(1.8g)、エチルメチルカーボネート(EMC)(4.2
g)、LiPF6(橋本化成製電池グレード)(0.60
g)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド(商品名,ルシリンTPO、B
ASF社製)(0.010g)をアルゴン雰囲気中でよく混
合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カ
ールフィッシャー)は30ppmであった。この光重合
性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布
後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気社製,FL20S.BL)を
10分照射したところ、EC/EMC系電解液を含浸し
た重合体(化合物8)フィルムが約30μmの自立フィル
ムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃で
のイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、2.5×10-3、0.6×10-3S/cmであっ
た。
【0086】実施例9:高分子固体電解質膜の製造(化
合物9) 化合物8の代わりに、化合物9(2.0g)を用いた以外
は実施例8と同様にして、EC/EMC系電解液を含浸
した重合体(化合物9)フィルムを約30μmの自立フィ
ルムとして得た。このフィルムの25℃、−20℃での
イオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、
それぞれ、2.2×10-3、0.5×10-3S/cmであった。
【0087】実施例10:高分子固体電解質膜の製造
(化合物10) 化合物8の代わりに、化合物10(2.0g)を用いた以
外は実施例8と同様にして、EC/EMC系電解液を含
浸した重合体(化合物10)フィルムを約30μmの自立
フィルムとして得た。このフィルムの25℃、−20℃
でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、1.8×10-3、0.5×10-3S/cmであっ
た。
【0088】実施例11:高分子固体電解質膜の製造
(化合物9+化合物11) 化合物8の代わりに、化合物9(1.0g)と化合物11
(1.0g)との混合物を用いた以外は実施例8と同様に
して、EC/EMC系電解液を含浸した共重合体(化合
物9+化合物11)フィルムを約30μmの自立フィル
ムとして得た。このフィルムの25℃、−20℃でのイ
オン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、そ
れぞれ、2.8×10-3、0.9×10-3S/cmであった。
【0089】実施例12:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) 化合物8(0.5g)、化合物10(0.5g)、1000℃熱処
理したアルミニウムオキサイドC(日本エアロジル製
結晶粒子径0.013μm、平均二次粒子径約0.1μm(SE
M観察)、BET比表面積100m2/g)(0.33
g)、EC(1.8g)、EMC(4.2g)、LiPF
6(橋本化成製電池グレード)(0.60g)、及びルシリ
ンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲
気中でよく混合し、光重合性組成物を得た。この組成物
の含水量(カールフィッシャー法)は35ppmであっ
た。この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフ
ィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気社製
FL20S.BL)を10分照射したところ、EC/EMC電
解液を含浸した共重合体(化合物8+化合物10)/アル
ミニウムオキサイドC複合フィルムが約30μmの自立
フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−2
0℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定した
ところ、それぞれ、6.0×10-3、1.5×10-3S/cmであ
った。
【0090】実施例13:高分子固体電解質膜の製造
(化合物8+化合物10) 開始剤としてルシリンTPO(0.005g)の代りに、パ
ーオクタND(日本油脂製)(0.01g)を添加し、アル
ミニウムオキサイドCを用いない以外は実施例12と同
様にして、熱重合性組成物を得た。この組成物の含水量
(カールフィッシャー法)は35ppmであった。この
熱重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上
に塗布後、PPフィルムを被覆して、ホットプレート上
で60℃、1時間加熱したところ、EC/EMC電解液
を含浸した共重合体(化合物8+化合物10)フィルムが
約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィル
ムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダン
ス法にて測定したところ、それぞれ、5.0×10-3、1.2×
10-3S/cmであった。
【0091】実施例14:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物9) 化合物8、10の代わりに、化合物9(1.0g)を用い
た以外は実施例12と同様にして、EC/EMC系電解
液を含浸した重合体(化合物9)/アルミニウムオキサイ
ドC複合フィルムを約30μmの自立フィルムとして得
た。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度
をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、5.
5×10-3、1.2×10-3S/cmであった。
【0092】実施例15:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) LiPF6に代えて橋本化成製電池グレードLiBF
4(0.50g)を用いた以外は実施例12と同様にして、
光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カールフ
ィッシャー法)は50ppmであった。この光重合性組
成物を実施例12と同様にPETフィルム上に塗布及び
光照射し、EC/EMC電解液を含浸した共重合体(化
合物8+化合物10)/アルミニウムオキサイドC複合
フィルムを約30μmの自立フィルムとして得た。この
固体電解質の25℃、−20℃でのイオン伝導度をイン
ピーダンス法にて測定したところ、4.3×10-3、0.8×10
-3S/cmであった。
【0093】実施例16:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) EC/EMCの代わりに、EC(1.5g)、EMC(3.0
g)、ジエチルカーボネート(DEC)(1.5g)を用
いた以外は、実施例12と同様にして光重合性組成物を
得た。この組成物の含水量(カールフィッシャー)は3
5ppmであった。この光重合性組成物をアルゴン雰囲
気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ
を10分照射したところ、EC/EMC/DEC系電解
液を含浸した共重合体(化合物8+化合物10)/アルミ
ニウムオキサイドC複合フィルムが約30μmの自立フ
ィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20
℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したと
ころ、それぞれ、5.0×10-3、0.7×10-3S/cmであっ
た。
【0094】実施例17:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) アルミニウムオキサイドCの代わりに、500℃熱処理
したハイドロタルサイト(KW2200、協和化学製、
平均粒子径約0.1μm(SEM観察)、BET比表面積
100m2/g)(0.33g)を用いた以外は、実施例1
2と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物の含
水量(カールフィッシャー)は50ppmであった。こ
の光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム
上に塗布後、ケミカル蛍光ランプを10分照射したとこ
ろ、EC/EMC系電解液を含浸した共重合体(化合物
8+化合物10)/KW2200複合フィルムが約30
μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの2
5℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ、それぞれ、5.5×10-3、1.2×10-3
/cmであった。
【0095】実施例18:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) LiPF6に代えて橋本化成製高純度テトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレート(TEAB)(1.00
g)、溶媒としてEC/EMCに代えてプロピレンカー
ボネート(6.0g)を用いた以外は実施例12と同様に
して、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カ
ールフィッシャー法)は100ppmであった。この光
重合性組成物を実施例12と同様に塗布及び光照射し、
PC系電解液を含浸した共重合体(化合物8+化合物1
0)/アルミニウムオキサイドC複合フィルムを約30
μmの自立フィルムとして得た。この固体電解質の25
℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、9.5×10-3、1.6×10-3S/cmであっ
た。
【0096】実施例19:高分子固体電解質膜の製造
(化合物8+化合物10) 開始剤としてルシリンTPO(0.005g)の代りに、ベン
ゾイルパーオキサイド(0.02g)を添加し、アルミニウ
ムオキサイドCを用いない以外は実施例18と同様にし
て、熱重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カー
ルフィッシャー法)は120ppmであった。この熱重
合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗
布後、PPフィルムを被覆して、ホットプレート上で8
0℃、1時間加熱したところ、PC系電解液を含浸した
共重合体(化合物8+化合物10)フィルムが約30μm
の自立フィルムとして得られた。このフィルムの25
℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、それぞれ、9.0×10-3、1.5×10-3S/
cmであった。
【0097】実施例20:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物8+化合物10) LiPF6を使用しない以外は実施例12と同様にし
て、塩未添加光重合性組成物を得た。この組成物の含水
量(カールフィッシャー法)は10ppmであった。こ
の光重合性組成物を実施例12と同様に塗布及び光照射
し、EC+EMC系溶媒を含浸した塩未添加の共重合体
(化合物8+化合物10)/アルミニウムオキサイドC複
合フィルムを約30μmの自立フィルムとして得た。こ
のフィルムを1.2M LiPF6/EC+EMC(重量比
3:7)電解液中に約1時間浸漬することにより、フィ
ルム中にLiPF6塩を後添加した。この塩後添加高分
子固体電解質フィルムの25℃、−20℃でのイオン伝
導度をインピーダンス法にて測定したところ、6.3×10
-3、2.0×10-3S/cmであった。
【0098】実施例21:コバルト酸リチウム正極の製
造 11gのLi2CO3と24gのCo34を良く混合し、
酸素雰囲気下、800℃で24時間加熱後、粉砕するこ
とによりLiCoO2粉末を得た。このLiCoO2粉末
とアセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比
8:1:1で混合し、さらに過剰のN−メチルピロリド
ン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を約2
5μmのアルミ箔上に10mm×10mm、約180μ
mの厚さに塗布成型した。さらに、約100℃で24時
間加熱真空乾燥することにより、コバルト酸リチウム正
極(75mg)を得た。
【0099】実施例22:黒鉛負極の製造 MCMB黒鉛(大阪ガス製)、気相法黒鉛繊維(昭和電
工(株)製:平均繊維径、0.3μm、平均繊維長、2.0μ
m、2700℃熱処理品)、ポリフッ化ビニリデンの重量比
8.6:0.4:1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリドン
溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を約15
μmの銅箔上に10mm×10mm、約250μmの厚
さに塗布成型した。さらに、約100℃で24時間加熱
真空乾燥することにより、黒鉛負極(35mg)を得
た。
【0100】実施例23:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に電解液(1.2
M LiPF6/EC+EMC(3:7))を含浸させ
たものに、実施例20で調製した塩未添加共重合体(化
合物8+化合物10)/アルミニウムオキサイドC複合
フィルム(12mm×12mm)を貼り合わせ、さらに
実施例21で製造したコバルト酸リチウム正極(10m
m×10mm)に電解液(1.2M LiPF6/EC+E
MC(3:7))を含浸させたものを貼り合わせ、電池
端部をエポキシ樹脂で封印し、図1に示される構造の黒
鉛/酸化コバルト系Liイオン二次電池を得た。この電
池を、60℃、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、電流0.5
mAで充放電を行なったところ、最大放電容量は各々7.
2mAh、7.2mAhであった。また、25℃、作動電圧
2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.0mAで充放電を繰
返したところ、最大放電容量は7.0mAhで、容量が5
0%に減少するまでのサイクル寿命は480回であっ
た。
【0101】実施例24:Liイオン二次電池の製造 塩未添加共重合体(化合物8+化合物10)/アルミニウ
ムオキサイドC複合フィルムの代りに、実施例17で製
造した高分子固体電解質(化合物8+化合物10)/K
W2200複合フィルムを用いた以外は実施例23と同
様にして、図1に示される構造のLiイオン二次電池を
製造した。この電池を、60℃、25℃で作動電圧2.75
〜4.1V、電流0.5mAで充放電を行なったところ、最大
放電容量は各々7.2mAh、7.2mAhであった。また、
25℃、作動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.0
mAで充放電を繰返したところ、最大放電容量は6.6m
Ahで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は
510回であった。
【0102】実施例25:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に電解液(1M
LiPF6/EC+EMC(3:7))を含浸させた上
に、実施例12で調製した(化合物8+化合物10)/
アルミニウムオキサイドC系光重合性組成物を厚み30
μmとなるように塗布し、アルゴン雰囲気下、ケミカル
蛍光ランプを10分照射したところ、電解液を含浸した
高分子固体電解質(化合物8+化合物10)/アルミニウ
ムオキサイドC複合フィルムを黒鉛負極上に直接形成し
た。さらに実施例21で製造したコバルト酸リチウム正
極(10mm×10mm)に電解液(1M LiPF6
EC+EMC(3:7))を含浸させたものを貼り合わ
せ、電池端部をエポキシ樹脂で封印し、図1に示される
構造の黒鉛/酸化コバルト系Liイオン二次電池を得
た。この電池を、60℃、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、電流0.5mAで充放電を行なったところ、最大放電
容量は各々7.2mAh、7.2mAhであった。また、25
℃、作動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.0mA
で充放電を繰返したところ、最大放電容量は6.8mAh
で、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は43
0回であった。
【0103】実施例26:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に実施例13で
調製した熱重合性組成物を含浸させたものに、実施例1
7で調製した高分子固体電解質(化合物8+化合物10)
/KW2200複合フィルム(12mm×12mm)を
貼り合わせ、さらに実施例21で製造したコバルト酸リ
チウム正極(10mm×10mm)に実施例13で調製
した熱重合性組成物を含浸させたものを貼り合わせ、電
池端部をエポキシ樹脂で封印した。これを60℃で1時
間加熱し、熱重合性組成物を硬化させ、図1に示される
構造の黒鉛/酸化コバルト系Liイオン二次電池を得
た。。この電池を、60℃、25℃で作動電圧2.75〜4.
1V、電流0.5mAで充放電を行なったところ、最大放電
容量は各々7.2mAh、7.0mAhであった。また、25
℃、作動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.0mA
で充放電を繰返したところ、最大放電容量は5.0mAh
で、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は28
0回であった。
【0104】実施例27:活性炭電極の製造 椰子がら活性炭とポリフッ化ビニリデンの重量比9.0:
1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリドン溶液を加
え、ゲル状組成物を得た。この組成物をステンレス箔上
に10mm×10mmの大きさで約150μmの厚さに
塗布した。約100℃で10時間真空乾燥し、活性炭電
極(14.0mg)を得た。
【0105】実施例28:電気二重層コンデンサの製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例27で製
造した活性炭電極(14mg)10mm×10mmに、電
解液(1M TEAB/PC+EC(3:1))を含浸
させた電極を二個用意した。次に、実施例18で製造し
た共重合体(化合物8+化合物10)/アルミニウムオ
キサイドC複合フィルム(12mm×12mm)を一方
の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合わ
せ、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封止することによ
り、図2に示される構造の電気二重層コンデンサを製造
した。このコンデンサを、60℃、25℃で作動電圧0
〜2.5V、電流0.3mAで充放電を行なったところ、最大
容量は470mF、470mFであった。また、25
℃、2.5mAでの最大容量は420mFで、充放電を5
0回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0106】実施例29:電気二重層コンデンサの製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例27で製
造した活性炭電極(14mg)10mm×10mmに、実
施例19で調製した熱重合性組成物を含浸させた電極を
二個用意した。次に、実施例18で製造した共重合体
(化合物8+化合物10)/アルミニウムオキサイドC
複合フィルム(12mm×12mm)を一方の電極に貼
り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合わせ、コンデ
ンサ端部をエポキシ樹脂で封止し、熱重合性組成物を8
0℃で1時間加熱重合させることにより、図2に示され
る構造の電気二重層コンデンサを製造した。このコンデ
ンサを、60℃、25℃で作動電圧0〜2.5V、電流0.3
mAで充放電を行なったところ、最大容量は460m
F、430mFであった。また、25℃、2.5mAでの
最大容量は250mFで、充放電を50回繰り返しても
ほとんど容量に変化はなかった。
【0107】実施例30:化合物12及び13の合成
【化44】
【0108】上式(a′)、(b′)に従い、常法でト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコールに窒
素下、10℃以下で過剰のホスゲンガスを吹き込み、約
5時間反応させ、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコールのビスクロロホルメート体、化合物12
及び化合物13を合成した。これらの同定はGC−MS
で行なった。
【0109】実施例31:化合物12、13のオリゴマ
ー化(化合物14、15の合成)
【化45】
【0110】上式(c′)、(d′)に従い、常法で実
施例30で合成したトリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコールビスクロロホルメート体(化合物1
2、13)とトリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコールとを、ピリジン存在下、25℃以下、ジクロ
ロメタン中で約6時間反応させた後、過剰の水を加え、
残クロロホルメート末端を水酸基化し、両末端に水酸基
を有するオリゴエーテル/カーボネート(化合物14、
化合物15)を合成した。GPC分析により求めた、各
オリゴエーテル/カーボネートの重量平均分子量(M
w)、平均繰り返し数x、yは以下の通りであった。 化合物14 Mw 〜約1200、x:〜約5、 化合物15 Mw 〜約1500、y:〜約5、
【0111】実施例32:化合物16の合成
【化46】
【0112】常法により、上式(e′)に従い実施例3
1で合成したエーテル/カーボネートオリゴマー(化合
物14)の無水THF溶液中に当モルのエチルクロロホ
ルメートを、ピリジン存在下、25℃以下、徐々に滴下
後、約6時間反応させることにより、片末端を水酸基化
したオリゴエーテル/カーボネート(化合物16)を合
成した。
【0113】実施例33:重合性化合物17の合成
【化47】
【0114】化合物14(平均分子量1200)(60.0
g)及びMOI(メタクリロイルオキシエチルイソシア
ネート)(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTH
F(200ml)に溶解した後、(0.44g)のジブチル
チンジラウレートを添加した。その後、25℃で約15
時間反応させることにより、無色生成物を得た。その1
H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物14
とMOIは1対2で反応し、MOIのイソシアナート基
が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物17が
生成していることがわかった。
【0115】実施例34:重合性化合物18の合成
【化48】
【0116】化合物15(平均分子量1500)(75.0g)
及びMOI(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したT
HF(200ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウ
レート(0.44g)を添加した。その後、25℃で約15
時間反応させることにより、無色生成物を得た。その1
H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物15
と MOIは1対2で反応し、MOIのイソシアナート
基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物18
が生成していることがわかった。
【0117】実施例35:重合性化合物19の合成
【化49】
【0118】化合物16(平均分子量1300)(130.
0g)及びMOI(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製
したTHF(200ml)に溶解した後、ジブチルチン
ジラウレート(0.44g)を添加した。その後、25℃で
約15時間反応させることにより、無色生成物を得た。
その1H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合
物16とMOIは1対1で反応し、MOIのイソシアナ
ート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物
19が生成していることがわかった。
【0119】実施例36:高分子固体電解質膜の製造
(化合物17) 化合物17(2.0g)、エチレンカーボネート(EC)
(1.8g)、エチルメチルカーボネート(EMC)(4.2
g)、LiPF6(橋本化成製電池グレード)(0.60
g)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド(商品名,ルシリンTPO、B
ASF社製)(0.010g)をアルゴン雰囲気中 でよく混
合し、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カ
ールフィッシャー)は30ppmであった。この光重合
性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗布
後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気社製,FL20S.BL)を
10分照射したところ、EC/EMC系電解液を含浸し
た重合体(化合物17)フィルムが約30μmの自立フィ
ルムとして得られた。このフィルムの25℃、−20℃
でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、4.0×10-3、0.8×10-3S/cmであっ
た。
【0120】実施例37:高分子固体電解質膜の製造
(化合物18) 化合物17の代わりに、化合物18(2.0g)を用いた
以外は実施例36と同様にして、EC/EMC系電解液
を含浸した重合体(化合物18)フィルムを約30μmの
自立フィルムとして得た。このフィルムの25℃、−2
0℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定した
ところ、それぞれ、4.2×10-3、0.8×10-3S/cmであ
った。
【0121】実施例38:高分子固体電解質膜の製造
(化合物18+化合物19) 化合物17の代わりに、化合物18(1.0g)と化合物
19(1.0g)との混合物を用いた以外は実施例36と
同様にして、EC/EMC系電解液を含浸した共重合体
(化合物18+化合物19)フィルムを約30μmの自立
フィルムとして得た。このフィルムの25℃、−20℃
でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、4.5×10-3、0.9×10-3S/cmであっ
た。
【0122】実施例39:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) 化合物17(0.5g)、化合物18(0.5g)、1000℃熱
処理したアルミニウムオキサイドC(日本エアロジル製
結晶粒子径0.013μm、平均二次粒子径約0.1μm(S
EM観察)、BET比表面積100m2/g)(0.33
g)、EC(1.8g)、EMC(4.2g)、LiPF
6(橋本化成製電池グレード)(0.60g)、及びルシリ
ンTPO(BASF社製)(0.005g)をアルゴン雰囲
気中でよく混合し、 光重合性組成物を得た。この組成
物の含水量(カールフィッシャー法)は35ppmであ
った。この光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PET
フィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ(三共電気社
製 FL20S.BL)を10分照射したところ、EC/EMC
電解液を含浸した共重合体(化合物17+化合物18)/
アルミニウムオキサイドC複合フィルムが約30μmの
自立フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、
−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定
したところ、それぞれ、6.6×10-3、1.8×10-3S/cm
であった。
【0123】実施例40:高分子固体電解質膜の製造
(化合物17+化合物18) 開始剤としてルシリンTPO(0.005g)の代りに、パ
ーオクタND(日本油脂製)(0.01g)を添加し、アル
ミニウムオキサイドCを用いない以外は実施例39と同
様にして、熱重合性組成物を得た。この組成物の含水量
(カールフィッシャー法)は40ppmであった。この
熱重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上
に塗布後、PPフィルムを被覆して、ホットプレート上
で60℃、1時間加熱したところ、EC/EMC電解液
を含浸した共重合体(化合物17+化合物18)フィルム
が約30μmの自立フィルムとして得られた。このフィ
ルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダ
ンス法にて測定したところ、それぞれ、6.0×10-3、1.5
×10-3S/cmであった。
【0124】実施例41:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) LiPF6に代えて橋本化成製電池グレードLiBF
4(0.50g)を用いた以外は実施例39と同様にして、
光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カールフ
ィッシャー法)は50ppmであった。この光重合性組
成物を実施例39と同様にPETフィルム上に塗布及び
光照射し、EC/EMC電解液を含浸した共重合体(化
合物17+化合物18)/アルミニウムオキサイドC複
合フィルムを約30μmの自立フィルムとして得た。こ
の固体電解質の25℃、−20℃でのイオン伝導度をイ
ンピーダンス法にて測定したところ、5.0×10-3、0.9×
10-3S/cmであった。
【0125】実施例42:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) EC/EMCの代わりに、EC(1.5g)、EMC(3.0
g)、ジエチルカーボネート(DEC)(1.5g)を用
いた以外は、実施例39と同様にして光重合性組成物を
得た。この組成物の含水量(カールフィッシャー)は3
5ppmであった。この光重合性組成物をアルゴン雰囲
気下、PETフィルム上に塗布後、ケミカル蛍光ランプ
を10分照射したところ、EC/EMC/DEC系電解
液を含浸した共重合体(化合物17+化合物18)/アル
ミニウムオキサイドC複合フィルムが約30μmの自立
フィルムとして得られた。このフィルムの25℃、−2
0℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定した
ところ、それぞれ、5.8×10- 3 、1.0×10-3S/cmで
あった。
【0126】実施例43:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) アルミニウムオキサイドCの代わりに、500℃熱処理
したハイドロタルサイト(KW2200、協和化学製、
平均粒子径約0.1μm(SEM観察)、BET比表面積
100m2/g)(0.33g)を用いた以外は、実施例3
9と同様にして光重合性組成物を得た。この組成物の含
水量(カールフィッシャー)は45ppmであった。こ
の光重合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム
上に塗布後、ケミカル蛍光ランプを10分照射したとこ
ろ、EC/EMC系電解液を含浸した共重合体(化合物
17+化合物18)/KW2200複合フィルムが約3
0μmの自立フィルムとして得られた。このフィルムの
25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法
にて測定したところ、それぞれ、6.0×10-3、1.4×10-3
S/cmであった。
【0127】実施例44:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) LiPF6に代えて橋本化成製高純度テトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレート(TEAB)(1.00
g)、溶媒としてEC/EMCに代えてプロピレンカー
ボネート(6.0g)を用いた以外は実施例39と同様に
して、光重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カ
ールフィッシャー法)は110ppmであった。この光
重合性組成物を実施例39と同様に塗布及び光照射し、
PC系電解液を含浸した共重合体(化合物17+化合物
18)/アルミニウムオキサイドC複合フィルムを約3
0μmの自立フィルムとして得た。この固体電解質の2
5℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ10.5×10-3、1.8×10-3S/cmであ
った。
【0128】実施例45:高分子固体電解質膜の製造
(化合物17+化合物18) 開始剤としてルシリンTPO(0.005g)の代りに、ベン
ゾイルパーオキサイド(0.02g)を添加し、アルミニウ
ムオキサイドCを用いない以外は実施例44と同様にし
て、熱重合性組成物を得た。この組成物の含水量(カー
ルフィッシャー法)は120ppmであった。この熱重
合性組成物をアルゴン雰囲気下、PETフィルム上に塗
布後、PPフィルムを被覆して、ホットプレート上で8
0℃、1時間加熱したところ、PC系電解液を含浸した
共重合体(化合物17+化合物18)フィルムが約30μ
mの自立フィルムとして得られた。このフィルムの25
℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、それぞれ、11.0×10-3、2.0×10-3
/cmであった。
【0129】実施例46:高分子固体電解質複合膜の製
造(化合物17+化合物18) LiPF6を使用しない以外は実施例39と同様にし
て、塩未添加光重合性組成物を得た。この組成物の含水
量(カールフィッシャー法)は10ppmであった。こ
の光重合性組成物を実施例39と同様に塗布及び光照射
し、EC+EMC系溶媒を含浸した塩未添加の共重合体
(化合物17+化合物18)/アルミニウムオキサイドC
複合フィルムを約30μmの自立フィルムとして得た。
このフィルムを1.2M LiPF6/EC+EMC(重量
比3:7)電解液中に約1時間浸漬することにより、フ
ィルム中にLiPF6塩を後添加した。この塩後添加高
分子固体電解質フィルムの25℃、−20℃でのイオン
伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、7.0×1
0-3、2.0×10-3S/cmであった。
【0130】実施例47:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に電解液(1.2
M LiPF6/EC+EMC(3:7))を含浸させ
たものに、実施例46で調製した塩未添加共重合体(化
合物17+化合物18)/アルミニウムオキサイドC複
合フィルム(12mm×12mm)を貼り合わせ、さら
に実施例21で製造したコバルト酸リチウム正極(10
mm×10mm)に電解液(1.2M LiPF6/EC+
EMC(3:7))を含浸させたものを貼り合わせ、電
池端部をエポキシ樹脂で封印し、図1に示される構造の
黒鉛/酸化コバルト系Liイオン二次電池を得た。。こ
の電池を、60℃、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、電
流0.5mAで充放電を行なったところ、最大放電容量は
各々7.2mAh、7.2mAhであった。また、25℃、作
動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.5mAで充放
電を繰返したところ、最大放電容量は7.0mAhで、容
量が50%に減少するまでのサイクル寿命は530回で
あった。
【0131】実施例48:Liイオン二次電池の製造 塩未添加共重合体(化合物17+化合物18)/アルミニ
ウムオキサイドC複合フィルムの代りに、実施例43で
製造した高分子固体電解質(化合物17+化合物18)
/KW2200複合フィルムを用いた以外は実施例47
と同様にして、図1に示される構造のLiイオン二次電
池を製造した。この電池を、60℃、25℃で作動電圧
2.75〜4.1V、電流0.5mAで充放電を行なったところ、
最大放電容量は各々7.2mAh、7.2mAhであった。ま
た、25℃、作動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電
3.5mAで充放電を繰返したところ、最大放電容量は6.8
mAhで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命
は560回であった。
【0132】実施例49:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に電解液(1M
LiPF6/EC+EMC(3:7))を含浸させた上
に、実施例41で調製した(化合物17+化合物18)
/アルミニウムオキサイドC系光重合性組成物を厚み3
0μmとなるように塗布し、アルゴン雰囲気下、ケミカ
ル蛍光ランプを10分照射したところ、電解液を含浸し
た高分子固体電解質(化合物17+化合物18)/アルミ
ニウムオキサイドC複合フィルムを黒鉛負極上に直接形
成した。さらに実施例21で製造したコバルト酸リチウ
ム正極(10mm×10mm)に電解液(1M LiP
6/EC+EMC(3:7))を含浸させたものを貼
り合わせ、電池端部をエポキシ樹脂で封印し、図1に示
される構造の黒鉛/酸化コバルト系Liイオン二次電池
を得た。この電池を、60℃、25℃で作動電圧2.75〜
4.1V、電流0.5mAで充放電を行なったところ、最大放
電容量は各々7.2mAh、7.2mAhであった。また、2
5℃、作動電圧2.75〜4.1V、充電0.5mA、放電3.5m
Aで充放電を繰返したところ、最大放電容量は6.8mA
hで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は4
75回であった。
【0133】実施例50:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例22で製
造した黒鉛負極(10mm×10mm)に実施例40で
調製した(化合物17+化合物18)系熱重合性組成物
を含浸させたものに、実施例43で調製した高分子固体
電解質(化合物17+化合物18)/KW2200複合フ
ィルム(12mm×12mm)を貼り合わせ、さらに実
施例21で製造したコバルト酸リチウム正極(10mm
×10mm)に実施例40で調製した熱重合性組成物を
含浸させたものを貼り合わせ、電池端部をエポキシ樹脂
で封印した。これを60℃で1時間加熱し、熱重合性組
成物を硬化させ、図1に示される構造の黒鉛/酸化コバ
ルト系Liイオン二次電池を得た。この電池を、60
℃、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、電流0.5mAで充放
電を行なったところ、最大放電容量は各々7.2mAh、
7.2mAhであった。また、25℃、作動電圧2.75〜4.1
V、充電0.5mA、放電3.5mAで充放電を繰返したとこ
ろ、最大放電容量は5.8mAhで、容量が50%に減少
するまでのサイクル寿命は360回であった。
【0134】実施例51:電気二重層コンデンサの製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例27で製
造した活性炭電極(14mg)10mm×10mmに、電
解液(1M TEAB/PC+EC(3:1))を含浸
させた電極を二個用意した。次に、実施例44で製造し
た共重合体(化合物17+化合物18)/アルミニウム
オキサイドC複合フィルム(12mm×12mm)を一
方の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極をはり合
わせ、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封止することに
より、図2に示される構造の電気二重層コンデンサを製
造した。このコンデンサを、60℃、25℃で作動電圧
0〜2.5V、電流0.3mAで充放電を行なったところ、最
大容量は470mF、470mFであった。また、25
℃、2.5mAでの最大容量は445mFで、充放電を5
0回繰り返してもほとんど容量に変化はなかった。
【0135】実施例52:電気二重層コンデンサの製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例27で製
造した活性炭電極(14mg)10mm×10mmに、実
施例45で調製した(化合物17+化合物18)系熱重
合性組成物を含浸させた電極を二個用意した。次に、実
施例44で製造した共重合体(化合物17+化合物1
8)/アルミニウムオキサイドC複合フィルム(12m
m×12mm)を一方の電極に貼り合わせ、さらにもう
一枚の電極をはり合わせ、コンデンサ端部をエポキシ樹
脂で封止し、熱重合性組成物を80℃で1時間加熱重合
させることにより、図2に示される構造の電気二重層コ
ンデンサを製造した。このコンデンサを、60℃、25
℃で作動電圧0〜2.5V、電流0.3mAで充放電を行なっ
たところ、最大容量は460mF、450mFであっ
た。また、25℃、2.5mAでの最大容量は300mF
で、充放電を50回繰り返してもほとんど容量に変化は
なかった。
【0136】
【発明の効果】本発明のポリまたはオリゴカーボネート
基を主成分とする架橋及び/または側鎖基を有する高分
子と電解質塩とを含む高イオン伝導性の高分子固体電解
質は、膜強度が良好で、低温から高温までのイオン伝導
度が高く、加工性に優れ、さらに従来のオリゴオキシア
ルキレン系架橋及び/または側鎖基を有する高分子固体
電解質に比較して大電流特性、高温耐久性に優れてい
る。本発明の高分子固体電解質を用いた電池及び電気二
重層コンデンサはイオン伝導性物質が固体であるため液
漏れの危険はなく長期間安定して使用できるものであ
り、また、この固体電解質を用いることにより薄型の電
池やコンデンサを製造することができる。
【0137】また、本発明の高分子固体電解質を使用す
ることにより、薄膜化が容易であり、高容量で作動で
き、長寿命で、大電流特性、高温耐久性、信頼性、安定
性、加工性に優れた二次電池が得られる。この二次電池
は、全固体型としては高容量、高電流で作動でき、ある
いはサイクル性が良好で、安全性、信頼性に優れた電池
であり、ポータブル機器用主電源、バックアップ電源を
はじめとする電気製品用電源、電気自動車用、ロードレ
ベリング用大型電源として使用可能である。薄膜化が容
易に行なえるため、身分証明書用カード等のペーパー電
池としても使用できる。
【0138】さらに、本発明の高分子固体電解質を用い
ることによって、出力電圧が高く、取り出し電流が大き
く、長寿命で、高温耐久性、加工性、信頼性、安定性に
優れた電気二重層コンデンサが得られる。本発明の電気
二重層コンデンサは、従来のコンデンサと比較しても、
高電圧、高容量、高電流で作動でき、あるいはサイクル
性が良好で、安全性、信頼性に優れており、このためバ
ックアップ電源だけでなく、小型電池との併用で、各種
電気製品用電源として使用可能である。また、薄膜化等
の加工性に優れているため、従来の電気二重層コンデン
サの用途以外の用途も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電池の一例である薄型電池の実
施例の概略断面図。
【図2】 本発明による電気二重層コンデンサの実施例
の概略断面図。
【符号の説明】
1 正極 2 高分子固体電解質 3 負極 4 集電体 5 絶縁性樹脂封止剤 6 分極性電極 7 集電体 8 高分子固体電解質 9 絶縁性樹脂封止剤 10 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/19 C08K 5/19 5/50 5/50 C08L 55/00 C08L 55/00 H01G 9/025 H01M 6/18 E H01M 6/18 10/40 B 10/40 H01G 9/00 301G (72)発明者 西岡 綾子 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 西岡 正明 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1は炭素数が1〜10の鎖状、分岐状及び/
    または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価の基
    を表わし、mは1または2であり、nは2〜1000の整数
    である。但し、同一分子中に複数存在するR1、m及び
    nは、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。]で示
    されるポリまたはオリゴカーボネート基と、下記一般式
    (2) 【化2】 [式中、R2は、水素原子または炭素数1〜6のアルキ
    ル基を表わし、R3は炭素数1〜10の鎖状、分岐状及
    び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価
    の基を表わし、xは0または1〜10の整数である。但
    し、同一分子中に複数存在するR2、R3及びxは、それ
    ぞれ同一でもよいし異なってもよい。]で示される重合
    性官能基とを有する少なくとも一種の熱及び/または活
    性光線重合性化合物の重合体及び少なくとも一種の電解
    質塩を含む高分子固体電解質。
  2. 【請求項2】 高分子化合物及び少なくとも一種の電解
    質塩を含む高分子固体電解質において、高分子化合物が
    前記一般式(2)で示される重合性官能基による重合反
    応を利用して得られる化合物を含む、前記一般式(1)
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基を有するこ
    とを特徴とする高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】 前記一般式(2)で示される重合性官能
    基を有する少なくとも一種の化合物と、該化合物と反応
    する官能基と前記一般式(1)で示されるポリまたはオ
    リゴカーボネート基とを有する少なくとも一種の化合物
    との反応により得られる高分子化合物、及び少なくとも
    一種の電解質塩を含む高分子固体電解質。
  4. 【請求項4】 重合性官能基及び前記一般式(1)で示
    されるポリまたはオリゴカーボネート基を有する少なく
    とも一種の化合物の重合体と前記一般式(2)で示され
    る重合性官能基を有する少なくとも一種の化合物の重合
    体との混合物、及び少なくとも一種の電解質塩を含む高
    分子固体電解質。
  5. 【請求項5】 少なくとも一種の有機溶媒を含む請求項
    1乃至4のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  6. 【請求項6】 少なくとも一種の無機酸化物を含む請求
    項1乃至5のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】 電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アン
    モニウム塩、4級ホスホニウム塩から選ばれる請求項1
    乃至6のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  8. 【請求項8】 有機溶媒がカーボネート系化合物である
    請求項5に記載の高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の高分
    子固体電解質を用いることを特徴とする電池。
  10. 【請求項10】 電池の負極として、リチウム、リチウ
    ム合金またはリチウムイオンを吸蔵放出できる炭素材
    料、リチウムイオンを吸蔵放出できる無機酸化物、リチ
    ウムイオンを吸蔵放出できる無機カルコゲナイド、リチ
    ウムイオンを吸蔵放出できる電導性高分子化合物から選
    ばれる少なくとも一つの材料を用いることを特徴とする
    請求項9に記載のリチウム電池。
  11. 【請求項11】 イオン伝導性物質を介して分極性電極
    を配置した電気二重層コンデンサにおいて、イオン伝導
    性物質が、請求項1乃至8のいずれかに記載の高分子固
    体電解質であることを特徴とする電気二重層コンデン
    サ。
  12. 【請求項12】 一般式(1) 【化3】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化4】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種
    の無機酸化物を含有する重合性組成物を支持体上に配置
    した後、重合性組成物を重合することを特徴とする高分
    子固体電解質の製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式(1) 【化5】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化6】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を
    支持体上に配置した後、重合性組成物を重合し、得られ
    た重合物を電解液と接触させることにより電解質塩を含
    浸させることを特徴とする高分子固体電解質の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 一般式(1) 【化7】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化8】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種
    の無機酸化物を含有する重合性組成物を電池構成用構造
    体内に入れ、または支持体上に配置した後、重合性組成
    物を重合することを特徴とする電池の製造方法。
  15. 【請求項15】 一般式(1) 【化9】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化10】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を
    電池構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置した
    後、重合性組成物を重合し、得られた重合物を電解液と
    接触させることにより電解質塩を含浸させることを特徴
    とする電池の製造方法。
  16. 【請求項16】 一般式(1) 【化11】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化12】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の電解質塩を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の有機溶媒及び/または少なくとも一種
    の無機酸化物を含有する重合性組成物を電気二重層コン
    デンサ構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置し
    た後、重合性組成物を重合することを特徴とする電気二
    重層コンデンサの製造方法。
  17. 【請求項17】 一般式(1) 【化13】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示されるポリまたはオリゴカーボネート基と、一般式
    (2) 【化14】 [式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。]
    で示される重合性官能基とを有する少なくとも一種の熱
    及び/または活性光線重合性化合物、及び少なくとも一
    種の有機溶媒を含有する重合性組成物、あるいはさらに
    少なくとも一種の無機酸化物を含有する重合性組成物を
    電気二重層コンデンサ構成用構造体内に入れ、または支
    持体上に配置した後、重合性組成物を重合し、得られた
    重合物を電解液と接触させることにより電解質塩を含浸
    させることを特徴とする電気二重層コンデンサの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 一般式(3) 【化15】 [式中、R1及びR3は、炭素数が1〜10の鎖状、分岐
    状及び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい
    2価の基を表わし、R2は水素原子または炭素数1〜6
    のアルキル基を表わし、R4は炭素数1〜20の鎖状、
    分岐状及び/または環状の、ヘテロ原子を含んでいても
    よい有機基を表わし、mは1または2であり、nは2〜
    1000の整数であり、xは0または1〜10の整数であ
    る。但し、同一分子中に複数存在するR1、R2、R3
    m、n及びxは、それぞれ同一でもよいし異なってもよ
    い。]で示される重合性化合物。
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