JP3129961B2 - 高分子固体電解質、それを用いた電池及び固体電気二重層コンデンサ、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
高分子固体電解質、それを用いた電池及び固体電気二重層コンデンサ、並びにそれらの製造方法Info
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Description
以上の多価アルコールのウレタン結合を有するオキシア
ルキレン誘導体を含を有するモノマー混合物を用いた新
規な重合体及び電解質からなる複合体を用いた高イオン
伝導性の高分子固体電解質、該高分子を用いた電極とそ
の製造方法、該高分子固体電解質または該電極を用いた
電池とその製造方法及び該高分子固体電解質を用いた電
気二重層コンデンサとその製造方法に関する。
グ、全固体化という流れの中で、従来の電解質溶液にか
わる新しいイオン伝導体として、固体電解質を用いた全
固体一次電池や二次電池及び電気二重層コンデンサへの
応用が盛んに試みられている。現在の電解質溶液を用い
た電池では、電池外部への液漏れあるいは電極物質の溶
出などが発生し易いために長期信頼性に問題がある。そ
れに対して、固体電解質を用いた製品はそのような問題
がなく、また薄型化することも容易である。さらに固体
電解質は耐熱性にも優れているため、電池などの製品の
作製工程においても有利である。
を使用したものは、無機物に比較して、電池の柔軟性が
増し、種々の形状に加工できるというメリットがある。
しかしながら、これまで検討されてきたものは、高分子
固体電解質のイオン伝導度が低いため、取り出し電流が
小さいという問題を有していた。これら高分子電解質の
例として、「ブリティッシュ・ポリマー・ジャーナル
(Br. Polym. J. ),第319巻、137頁、1975
年」には、ポリエチレンオキサイドと無機アルカリ金属
塩との複合物がイオン伝導性を示すことが記載されてい
るが、その室温でのイオン伝導度は10-7S/cmと低
い。
した櫛型高分子が、イオン伝導性を担っているオキシエ
チレン鎖の熱運動性を高め、イオン伝導性が改良される
ことが多数報告されている。例えば、「ジャーナル・オ
ブ・フィジカル・ケミストリイ(J. Phys. Chem.)、第
89巻、987頁、1984年」には、ポリメタクリル
酸の側鎖にオリゴオキシエチレンを付加したものにアル
カリ金属塩を複合化した例が記載されている。さらに、
「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィ(J. Am. Chem. Soc. )、第106巻、6854頁、
1984年」には、オリゴオキシエチレン側鎖を有する
ポリホスファゼンにアルカリ金属塩を複合化した例が記
載されている。一方、ポリエチレンオキサイドの連続ネ
ットワーク中に金属塩及び非プロトン性溶剤からなる電
解液が含浸された高分子固体電解質が提案されている
(米国特許4792504号)。しかしながらこれは強
度の強いフィルム状に製造することが難しく、また架橋
剤の構造上、イオン伝導度を満足するものは得られてな
い。また、米国特許4357401号に架橋高分子を用
いた高分子固体電解質が提案されているが、50℃で1
0-4〜10-5S/cmと高温においても満足のいくイオ
ン伝導度は得られていない。
MnO2 、MoS2 等の金属酸化物、金属硫化物を正極
に用いたリチウム二次電池が多く研究されている。例え
ば、「ジャーナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサエ
ティ(J.Electrochem.Soc.)、第138巻(No.
3)、665頁、1991年」には、MnO2 あるいは
NiO2 を正極とする電池が報告されている。これら
は、重量当りもしくは体積当りの容量が高く、注目され
ている。また、導電性高分子を電極活物質として用いる
電池についての報告も多く、例えば、ポリアニリン類を
正極に用いたリチウム二次電池は、例えば「第27回電
池討論会、3A05L及び3A06L、1986年」で
報告されているように、ブリヂストン社及びセイコー社
により、バックアップ電源用途のコイン型電池としてす
でに上市されている。またポリアニリンは、高容量で柔
軟性の優れた正極活物質として注目されている。
用などに、活性炭、カーボンブラックなど比表面積の大
きい炭素材料を分極性電極として、その間にイオン伝導
性溶液を配置する電気二重層コンデンサが多用されてき
ている。例えば、「機能材料1989年2月号33頁」
には、炭素系分極性電極と有機電解液を用いたコンデン
サが、「第173回エレクトロケミカルソサエティ・ミ
ーティング・アトランタ・ジョージア,5月号,No.
18,1988年」には、硫酸水溶液を用いた電気二重
層コンデンサが記載されている。また、特開昭63−2
44570号公報では、高電気伝導性を有するRb2 C
u3 I3 Cl7 を無機系固体電解質として用いるコンデ
ンサが開示されている。しかしながら、現在の電解質溶
液を用いた電気二重層コンデンサでは、長期間の使用や
高電圧が印加された場合などの異常時には、コンデンサ
の外部への液漏れなどが発生し易いために長期使用や信
頼性に問題がある。一方、従来の無機系イオン伝導性物
質を用いた電気二重層コンデンサは、イオン伝導性物質
の分解電圧が低く、出力電圧が低いという問題があっ
た。
ファゼン系高分子を電池や電気二重層コンデンサのイオ
ン伝導性物質として用いることを提示しており、このよ
うな高分子を主成分とした固体イオン伝導性物質を使用
したものは、無機系イオン伝導性物質に比較して出力電
圧が高く、種々の形状に加工でき、封止も簡単であると
いうメリットがある。しかしながら、この場合では、高
分子固体電解質のイオン伝導度が10-4〜10-6S/c
mと充分ではなく、取り出し電流が小さいという欠点が
あった。また高分子固体電解質に可塑剤を加えてイオン
伝導度を高めることも可能であるが、流動性を付与する
こととなるため、完全な固体としては取り扱えず、膜強
度や成膜性劣り、電気二重層コンデンサや電池に応用す
ると短絡が起こり易いうえ、液体系イオン伝導性物質同
様に封止上の問題が発生する。一方、固体電解質を分極
性電極とともにコンデンサに組み立てる場合には、固体
同士の混合であることから、比表面積の大きい炭素材料
に電解質を均一に複合するのが難しいという問題もあっ
た。
のイオン伝導度は、室温における値で10-4〜10-5S
/cm位まで改善されたものの、液体系イオン伝導性物
質に比較するとなお二桁以上低いレベルである。また、
0℃以下の低温になると、一層極端にイオン伝導性が低
下する。さらに、これらの固体電解質を電気二重層コン
デンサ等の素子に組み込む場合や、これらの固体電解質
を薄膜にして電池に組み込む場合、電極との複合化や接
触性確保等の加工技術が難しく製造法でも問題点があっ
た。これらの問題を解決するために、本発明者らはウレ
タン結合を有するオキシアルキレン誘導体を含有する
(メタ)アクリレートモノマー混合物を用いた重合体及
び電解質からなる複合体を用いたイオン伝導性の高分子
固体電解質(特開平6−187822)を提案した。こ
の高分子固体電解質のイオン伝導度は、室温あるいはそ
れより低温であっても10-3S/cm以上と改善されて
いる。しかし、10μmより薄い薄膜にすると、膜強度
に劣り、電気二重層コンデンサや電池に応用すると短絡
が起こり易いという問題を有していた。
解質層は、イオン移動だけを担っており、薄くすればす
るほど電池及びコンデンサ全体の体積を薄くでき、電池
のコンデンサのエネルギー密度を高くすることができ
る。また。高分子固体電解質層を薄くすれば、電池及び
コンデンサの電気抵抗を低下でき、取り出し電流、充電
電流を増加でき、電池のパワー密度を向上することがで
きる。また、イオンの腐食及び短絡が起こりにくく、サ
イクル寿命が改善される。従って、できるだけ膜強度が
良好で、薄膜化できる高分子固体電解質が望まれてい
た。
下の厚さでも自立フィルムを製造することができ、特に
10μmより薄い薄膜とした場合にも強度が良好で電池
や電気二重層コンデンサに使用でき、室温、低温でのイ
オン伝導度が高く、加工性に優れた高分子固体電解質を
提供することを目的とする。また、本発明は、この高分
子固体電解質を使用することにより、薄膜化が容易であ
り、高容量、高電流で作動できる一次電池及び二次電
池、さらにはサイクル性が良好であり、信頼性に優れた
二次電池を開発することを目的とする。また、本発明
は、高い電気化学的活性と柔軟性を有する電極及びそれ
を用いた二次電池を提供することを目的とする。また、
本発明は、電気二重層コンデンサにおいて用いられる、
分極性が良く、また、膜とした場合にも強度が良好で、
固体電解質との接触性のよい電極を提供することを目的
とする。また、さらに、本発明は、室温あるいはそれよ
り低温であってもイオン伝導度が大きく、膜強度、加工
性に優れた高分子固体電解質を利用することにより、出
力電圧が高く、取り出し電流が大きく、加工性、信頼性
に優れた電気二重層コンデンサを提供することを目的と
する。
として3価以上の多価アルコールのウレタン結合を有す
るオキシアルキレン誘導体を含む重合体及び電解質から
なる複合体が、膜強度が良好で、イオン伝導度が高い高
分子固体電解質となることを見出した。尚、本明細書の
記載において、『オキシアルキル』という表現にはオキ
シアルキレン基を少なくとも1個以上含むオリゴオキシ
アルキレン及びポリオキシアルキレンも含まれる。
いることにより、上記イオン伝導度、膜強度、加工性等
の問題が改善されることを見出した。さらに、本発明者
らは、例えば、この高分子固体電解質を用いて、薄型固
体電池を作製する場合に、電極の薄膜化が重要であると
の認識にたち検討を行なったところ、電極活物質として
優れている、導電性高分子であるポリアニリン及びその
誘導体、即ちアニリン系重合体であって有機溶媒に可溶
な重合体、もしくはその他の導電性高分子、金属酸化
物、金属硫化物または炭素材料、あるいはその他の電極
活物質(正極活物質または負極活物質)と、ウレタン結
合を有するオキシアルキル側鎖が導入された高分子を用
いることにより、かかる電極活物質の電気化学的活性度
を損なうことなく、高い電気化学的活性と柔軟性を有す
る電極とすることができ、さらに例えば、溶媒キャスト
法あるいはその他の方法により電極の薄膜成膜が可能で
あることを見出した。
ンサの分極性電極として用いられる分極性材料である、
後述のような炭素材料と、ウレタン結合を有するオキシ
アルキル側鎖が導入された高分子を用いることにより、
かかる分極性材料の分極特性を損なうことなく、該コン
デンサに適した分極性の電極とすることができ、さらに
例えば、溶媒キャスト法あるいはその他の方法により電
極の薄膜成膜が可能であることを見出した。さらに、本
発明者らは、上記の高分子固体電解質を用いることによ
って、出力電圧が高く、取り出し電流が大きく、加工
性、信頼性に優れた電気二重層コンデンサが得られるこ
と、とりわけ、全固体型電気二重層コンデンサとするこ
とができることを見出した。
酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO OR2 − …(1) [式中、R1 は水素またはメチル基を表し、R2 はオキ
シアルキレン基を含む2価の有機基を表す。該有機基は
直鎖状、分岐状、環状構造のいずれからなるものでもよ
く、炭素、水素及び酸素以外の元素が1個以上含まれて
いてもよい。x及びyはそれぞれ0または1〜5の整数
を、zは0または1〜10の数値を示す。但しx=0及
びy=0のときはz=0である。また(CH2 )と(C
H(CH3))は不規則に配列してもよい。但し、同一
分子中の複数個の上記一般式(1)で表されるユニット
中のR1 、R2 及びx、y、zの値は、それぞれ独立で
あり、同じである必要はない。]で表されるユニットで
置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種か
ら得られる重合体及び/または該化合物を共重合成分と
した共重合体(以下両者を(共)重合体という。)及び
少なくとも一種の電解質を含む複合体からなる高分子固
体電解質。
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[1]記載の高分子固体電解質。
とも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO (OR3 )n − …(2) [式中、R1 は水素またはメチル基を表し、R3 はそれ
ぞれに−(CH2 )2 −または−CH(CH3 )CH2
−を表し、nは1以上の整数を表す。x、y及びzは一
般式(1)と同じ。]で表されるユニットで置換されて
いる構造を有する化合物の少なくとも一種から得られた
重合体及び/または該化合物を共重合成分とした共重合
体並びに少なくとも一種の電解質を含む複合体からなる
高分子固体電解質。
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[3]記載の高分子固体電解質。
ンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、または遷移金属塩
から選ばれた少なくとも一種である[1]〜[4]の高
分子固体電解質。
[1]〜[5]いずれかに記載の高分子固体電解質。
を用いる電池。
金またはリチウムイオンを吸蔵放出できる炭素材料を含
む電極からなる[7]の電池。
ニリン系重合体もしくはその他の導電性高分子、金属酸
化物、金属硫化物または炭素材料を含む電極からなる
[7]〜[8]の電池。
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は前記[1]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマ
ー混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノ
マー混合物を、電池構成用構造体内に入れ、または支持
体上に配置し、かかる重合性モノマー混合物を重合する
ことを特徴とする電池の製造方法。
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む前記[10]記載の電
池の製造方法。
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は前記[3]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマ
ー混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノ
マー混合物を、電池構成用構造体内に入れ、または支持
体上に配置し、かかる重合性モノマー混合物を重合する
ことを特徴とする電池の製造方法。
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む前記[12]記載の電
池の製造方法。
の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子
がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO OR2 − …(1) (式中の記号は前記[1]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種から得られた(共)重合体、並びに電極活物質または
分極性材料を含む電極。
または共重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[14]記載の電極。
の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子
がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO (OR3 )n − …(2) (式中の記号は前記[3]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種から得られた(共)重合体、並びに電極活物質または
分極性材料を含む電極。
または共重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(2)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[16]記載の電極。
有機溶媒可溶性のアニリン系重合体もしくはその他の導
電性高分子、金属酸化物、金属硫化物または炭素材料で
ある[14]〜[17]の電極。
電極を配置した電気二重層コンデンサにおいて、イオン
伝導性物質が[1]〜[6]の高分子固体電解質である
電気二重層コンデンサ。
電極を配置した電気二重層コンデンサにおいて、分極性
電極が炭素材料と3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO OR2 − …(1) (式中の記号は前記[1]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種から得られた(共)重合体とを含む複合物からなる電
気二重層コンデンサ。
重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[20]記載の電気二重層コンデンサ。
性電極を配置した電気二重層コンデンサにおいて、分極
性電極が炭素材料と3価以上の多価アルコールの少なく
とも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は前記[3]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種から得られた重合体及び/または該化合物を共重合成
分とした共重合体とを含む複合物からなることを特徴と
する電気二重層コンデンサ。
重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(2)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む前
記[22]記載の電気二重層コンデンサ。
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は前記[1]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマ
ー混合物またはこれに可塑剤が添加された重合性モノマ
ー混合物を電気二重層コンデンサ構成用構造体内に入
れ、または支持体上に配置し、かかる重合性モノマー混
合物を重合することを特徴とする電気二重層コンデンサ
の製造方法。
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)を
その重合体が全重合体の50重量%以上となるように重
合性モノマー混合物中に含む前記[24]記載の電気二
重層コンデンサの製造方法。
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は前記[3]と同じ。)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物の少なくとも一
種及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマ
ー混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノ
マー混合物を、電気二重層コンデンサ構成用構造体内に
入れ、または支持体上に配置し、かかる重合性モノマー
混合物を重合することを特徴とする電気二重層コンデン
サの製造方法。
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む前記[26]記載の電
気二重層コンデンサの製造方法。を開発することにより
前記の目的を達成した。
用いる3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水
酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式(1)あるいは
(2)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物は、分子中に2つまたはそれ以上のエチレン性
不飽和基を有する化合物である。3価以上の多価アルコ
ールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前
記一般式(1)あるいは(2)で表されるユニットで置
換されている構造を有する化合物は高分子固体電解質を
製造するためのモノマーであり、例えばCH2=C(R
1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z N
COとオキシエチレン基を含有する3価以上の多価アル
コールとの反応により得ることができる(但し、式中R
1 、x、y,zはそれぞれ一般式(1)と同じ。)。
一般式(1)あるいは(2)で表されるユニットで置換
されていない多価アルコール中の水酸基の水素原子は、
アルキル基または少なくともひとつのオキシアルキレン
基を含んでいるアルキル鎖のような有機基で置換されて
いることが好ましい。この有機基は直鎖状、枝わかれ
状、環状の飽和または不飽和の有機基であってもよく、
また炭素、水素、酸素以外の元素をひとつもしくはそれ
以上含んでいてもよい。このような有機基は例えばC1
〜C20の直鎖状、枝わかれ状の飽和もしくは不飽和アル
キル基、または脂環式基、メトキシメチル、メトキシエ
チル、エトキシエチル、プロポキシプロピル、または他
のアルコキシ−オリゴアルキレンオキシアルキル基、フ
ェニル基、C1 〜C20のアルキル置換フェニル基が挙げ
られる。
コールの2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式
(1)あるいは(2)で表されるユニットで置換されて
いる構造を有する化合物は、例えばメタクリロイルイソ
シアナート系化合物(以下MI類と略記する。)あるい
はアクリロイルイソシアナート系化合物(以下AI類と
略記する。)と、グリセリンにアルキレンオキサイドを
付加重合させたトリオールの1つの水酸基をメトキシキ
ャップしたジオールとを、2:1のモル比で反応させる
ことにより容易に得られる。
水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式(1)あるいは
(2)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物としては、例えばMI類及び/またはAI類
と、グリセリン等の3価のアルコールにアルキレンオキ
サイドを付加重合させたトリオールとを、3:1のモル
比で反応させることにより容易に得られる。また、4価
以上の多価アルコールの4つの水酸基の水素原子がそれ
ぞれ前記一般式(1)あるいは(2)で表されるユニッ
トで置換されている構造を有する化合物としては、例え
ばMI類及び/またはAI類と、ペンタエリスリトール
等の4価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加重
合させたテトラオールとを、4:1のモル比で反応させ
ることにより容易に得られる。また、5価以上の多価ア
ルコールの5つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般
式(1)あるいは(2)で表されるユニットで置換され
ている構造を有する化合物としては、例えばMI類及び
/またはAI類と、α−D−グルコピラノースにアルキ
レンオキシドを付加重合させたペンタオールとを、5:
1のモル比で反応させることにより容易に得られる。ま
た、6価以上の多価アルコールの6つの水酸基の水素原
子がそれぞれ前記一般式(1)あるいは(2)で表され
るユニットで置換されている構造を有する化合物として
は、例えばMI類及び/またはAI類と、マンニットに
アルキレンオキシドを付加重合させたヘキサオールと
を、6:1のモル比で反応させることにより容易に得ら
れる。
たは一部は、一般式(2): CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO (OR3 )n − …(2) [式中、R1 は水素またはメチル基を表し、複数のR3
はそれぞれに独立に−(CH2 )2 −、−CH(CH
3 )CH2 −または−CH2 CH(CH3 )−を表し、
nは1以上の整数を表す。x、y及びzは一般式(1)
と同じ。]で表される構造を有するものでもよい。一般
式(2)で表されるユニットで置換されている構造を有
する化合物は、薄膜にしたときの膜強度が大きく、得ら
れる重合体中にオキシアルキレン基をより多く導入でき
るので、室温、低温でのイオン伝導度が高くなる。本発
明の高分子固体電解質の重合体に用いるモノマーの少な
くとも一種は、3価以上の多価アルコールの少なくとも
2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式(1)あ
るいは(2)で表されるユニットで置換されている構造
を有する化合物であることが必要である。一般式(1)
あるいは(2)で表されるユニットを1つしか有さない
化合物を重合してできる重合体を、電解質と共に高分子
固体電解質の重合体として用いた場合には、10μmよ
り薄い薄膜にして電池に用いると、膜の強度不足のため
短絡する危険が大きい。このように、できた固体電解質
の薄膜強度を考慮すると、1分子中に含まれる一般式
(1)あるいは(2)で表されるユニットの数は、2つ
より3つ以上がより好ましい。これら3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ前記一般式(1)で表されるユニットで置換されてい
る構造を有する化合物の中で、一般式(2)で表される
ユニットで置換されている構造を有する化合物が、薄膜
にしたときの膜強度が大きく、得られる重合体中にオキ
シアルキレン基をより多く導入できるので、室温、低温
でのイオン伝導度が高くなることから好ましい。
体は、3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水
酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式(1)で表される
ユニットで置換されている構造を有する化合物の少なく
とも一種を重合し、あるいは該化合物を共重合成分とし
て重合することにより得られる。3価以上の多価アルコ
ールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前
記一般式(1)で表されるユニットで置換されている構
造を有する化合物と共重合可能な他の重合性化合物とし
ては、特に制限はない。
ω−メチルオリゴオキシエチルエステル、メタクリロイ
ルオキシエチルカルバミド酸ω−メチルオリゴオキシエ
チルエステル等の前記一般式(1)で表されるユニット
を1分子中に1つ有し、かつ分子中の他のユニットには
エチレン性不飽和基を有さない化合物(以下、この化合
物をオキシアルキレン鎖を有する単官能ウレタン(メ
タ)アクリレートという。)、メタクリル酸ω−メチル
オリゴオキシエチルエステル等のオキシアルキレン鎖を
有する単官能(メタ)アクリルエステル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタク
リロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系
化合物、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系
化合物、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムア
ミド等のN−ビニルアミド系化合物、エチルビニルエー
テル等のアルキルビニルエーテルを挙げることができ
る。これらの中で好ましいのは、オキシアルキレン鎖を
有する単官能ウレタン(メタ)アクリレート、オキシア
ルキレン鎖を有する単官能(メタ)アクリルエステル、
(メタ)アクリルアミド系化合物である。これらの中
で、重合体中にウレタン基やオキシアルキレン基をより
多く導入できることを考慮すると、オキシアルキレン鎖
を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレートが特に好
ましい。
基もしくはメタクリロイル基の重合性を利用した一般的
な方法を採用することができる。即ち、3価以上の多価
アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれ
ぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで置換されて
いる構造を有する化合物単独、あるいはかかる化合物と
他の前記の共重合可能な重合性化合物の混合物に、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等
のラジカル重合触媒、CF3 COOH等のプロトン酸、
BF3 、AlCl3 等のルイス酸等のカチオン重合触
媒、あるいはブチルリチウム、ナトリウムナフタレン、
リチウムアルコキシド等のアニオン重合触媒を用いて、
ラジカル重合、カチオン重合あるいはアニオン重合させ
ることができる。さらに、3価以上の多価アルコールの
少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般
式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有
する化合物とオキシアルキレン鎖を有する単官能ウレタ
ン(メタ)アクリレートの合計の含有量が全モノマー重
量に対して、20重量%を越えるような場合は、無酸素
条件下で温度を70℃以上に昇温するだけで重合を行う
ことができる。
等の形に成形後重合させることも可能である。3価以上
の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子
がそれぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで置換
されている構造を有する化合物の少なくとも一種から得
られる重合体及び/または該化合物を共重合成分とする
共重合体を、本発明のような高分子固体電解質の重合体
に用いる場合には、特にこのように、重合性モノマー混
合物を成膜後に重合することが有利である。即ち、3価
以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素
原子がそれぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで
置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種と
アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウ
ム塩または遷移金属塩のごとき少なくとも一種の電解質
とを混合し、場合によってはさらに他の重合性化合物及
び/または可塑剤及び/または溶媒を添加混合し、これ
ら重合性モノマー混合物を前記触媒の存在下あるいは非
存在下に、場合によっては加熱及び/または光等の電磁
波を照射して重合させる。特に、該重合性モノマー混合
物を膜状、板状、円盤状、繊維状等の形状に成形後に、
例えば加熱及び/または光等の電磁波を照射して重合さ
せ、膜状、板状、円盤状、繊維状等の重合物とすること
により、加工面での自由度が広がり応用上の大きなメリ
ットとなる。
重合触媒の有無にもよるが、重合を阻害しない溶媒であ
ればいかなる溶媒でも良く、例えばテトラヒドロフラ
ン、アセトニトリル、トルエン等を用いることができ
る。重合させる温度としては、3価以上の多価アルコー
ルの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記
一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造
を有する化合物の種類によるが、重合が起こる温度であ
ればよく、通常は0℃から200℃の範囲で行えばよ
い。電磁波照射により重合させる場合には、3価以上の
多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子が
それぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで置換さ
れている構造を有する化合物の種類によるが、例えばベ
ンジルメチルケタール、ベンゾフェノン等の開始剤を使
用して数mW以上の紫外光またはγ線等を照射して重合
させることができる。
は、前記のように、3価以上の多価アルコールの少なく
とも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物の単独重合体であっても、該カテゴリーに属す
る2種以上の化合物の共重合体であっても、あるいは該
化合物の少なくとも一種と他の重合性化合物との共重合
体であってもよい。また本発明の高分子固体電解質に用
いる重合体は、3価以上の多価アルコールの少なくとも
2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式(1)で
表されるユニットで置換されている構造を有する化合物
の少なくとも一種から得られる重合体及び/または該化
合物を共重合成分とする共重合体と、他の重合体との混
合物であってもよい。例えば、3価以上の多価アルコー
ルの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記
一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造
を有する化合物の少なくとも一種から得られる重合体及
び/または該化合物を共重合成分とする共重合体と、ポ
リエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリブ
タジエン、ポリメタクリル(またはアクリル)酸エステ
ル類、ポリスチレン、ポリホスファゼン類、ポリシロキ
サンあるいはポリシラン等のポリマーとの混合物を本発
明の高分子固体電解質に用いてもよい。
ールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前
記一般式(1)で表されるユニットで置換されている構
造を有する化合物由来の構造単位の量は、その他の共重
合成分あるいは重合体混合物成分の種類によって異なる
が、オキシアルキレン鎖を有する単官能ウレタン(メ
タ)アクリレートを共重合成分として含まない場合は、
高分子固体電解質に用いたときのイオン伝導度及び膜強
度を考慮すると、この共重合体全量あるいは重合体混合
物全量に対し20重量%以上含有することが好ましく、
さらに好ましくは50重量%以上含有することである。
鎖を有する単官能ウレタン(メタ)アクリレートを共重
合成分として含む場合には、3価以上の多価アルコール
の少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一
般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を
有する化合物由来の構造単位の量が、共重合体全量に対
し1〜100重量%含有することが必要であり、好まし
くは10〜100重量%であり、さらに好ましくは20
〜100重量%である。3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物由来の構造単位の量が、共重合体全量に対し1
重量%未満であると、高分子固体電解質に用いたときの
膜強度が著しく損なわれ、50μm以下の薄膜にしたも
のを電池や電気二重層コンデンサに用いると短絡する危
険性が大きい。オキシアルキレン鎖を有する単官能ウレ
タン(メタ)アクリレート由来の構造単位の量は、共重
合体全量に対し95重量%以下でなくてはならず、好ま
しくは90重量%以下であり、さらに好ましくは80重
量%以下である。さらに、3価以上の多価アルコールの
少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般
式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有
する化合物由来の構造単位とオキシアルキレン鎖を有す
る単官能ウレタン(メタ)アクリレート由来の構造単位
の総量は、高分子固体電解質に用いたときのイオン伝導
度及び膜強度を考慮すると、この共重合体全量に対し2
0重量%以上含有することが望ましく、さらに好ましく
は50重量%以上である。
とも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物を共重合成分とする共重合体の量が、高分子固
体電解質に用いる重合体の総量に対して50重量%以上
になることが望ましい。3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造を有す
る化合物由来の構造単位が、上記指定量範囲である場合
は、重合体の膜強度を十分に発現でき、また、高分子固
体電解質としたときのイオン伝導度も大きい。
重合体を得るために用いられる3価以上の多価アルコー
ルの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記
一般式(1)あるいは一般式(2)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物は、エチレン性不
飽和基を2つ以上有しているので、重合により網目状高
分子が得られる。従って、これらの化合物(モノマー)
に前記一般式(1)あるいは一般式(2)で表されるユ
ニットを1分子中に1つ有する化合物を混合し、重合す
ることにより、熱運動性が大きく、膜強度が良好な重合
体を得ることも可能である。重合体の側鎖となるオキシ
アルキル基中のオキシアルキレン鎖数(即ち前記一般式
(1)におけるR2 中に含まれるオキシアルキレン基の
数、あるいは例えば、前記一般式(2)におけるnは1
〜1000の範囲が好ましく、5〜50の範囲が特に好
ましい。
(共)重合体中の重合性モノマーは、3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ前記一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH3 ))y ]z NHCO OR2 − …(1) で表されるユニットにおいて、(a)xが0または1、
yが0または1、zが0または1(但しx=0、y=0
のときはz=0)の場合は、原料として対応イソシアネ
ート化合物 CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NCO を用いることができるが、これは反応性が高く、種々の
オキシアルキレン化合物との反応が容易にできる。また
これらの化合物は液体で粘性が低く、溶媒系での反応が
容易という利点がある。
体中の必須成分である重合性モノマーにおいて、(b)
x=2〜5、y=0、z=1〜10、(c)x=1〜
5、y=1〜5(ランダム配列)、z=1〜10または
(d)x=0、y=1〜5、z=1〜10の化合物は重
合性は低くなるため、保存安定性が良好となり、重合性
モノマーとしての取扱い性は良好である。特に(c)及
び(d)の場合において、オキシプロピレン基を導入す
ると、オキシエチレン系よりも誘電率は低下するが、融
点、粘性が高くならない特徴があり、用途によっては極
めて有利な高分子量(zが大きい)な重合性モノマーで
ある。従って、これら重合性モノマーの特性を利用し、
適したこれら重合性モノマーを組合せることにより、あ
るいは他の重合性化合物や重合体と組合わせることによ
り用途に適した高分子固体電解質とすることができる。
としての有機化合物を添加するときは、固体電解質のイ
オン伝導度がさらに向上するので好ましい。使用できる
可塑剤としては、本発明の高分子固体電解質に用いるモ
ノマーとの相溶性が良好で、誘電率が大きく、沸点が1
00℃以上であり、電気化学的安定範囲が広い化合物が
適している。そのような可塑剤としては、トリエチレン
グリコールメチルエーテル、テトラエチレングリコール
ジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、炭酸ビニレン等のカーボネート類、ベンゾニトリ
ル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、N−ビニルピロリドン、スルホラン等の硫黄化合
物、リン酸エステル類等が挙げられる。この中で、オリ
ゴエーテル類及びカーボネート類が好ましく、カーボネ
ート類が特に好ましい。
質のイオン伝導度は高くなるが、多過ぎると高分子固体
電解質の機械的強度が低下する。好ましい添加量として
は、本発明の高分子固体電解質に用いるモノマー重量の
5倍量以下である。また、可塑剤として炭酸ビニレン、
N−ビニルピロリドンのような重合性の化合物を、適度
に非重合性可塑剤と併用して3価以上の多価アルコール
の少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一
般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を
有する化合物と共重合することにより、機械的強度を低
下させずに、可塑剤の添加量を増加させ、イオン伝導度
を改善することもできるので好ましい。
多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子が
それぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで置換さ
れている構造を有する化合物の少なくとも一種から得ら
れる重合体及び/または該化合物を共重合成分とする共
重合体との複合に用いる電解質の複合比は、側鎖のエー
テル酸素原子2〜100個に対し、電解質分子1個の割
合が好ましい。尚、本明細書でいう電解質の分子とは、
イオン性化合物である電解質を便宜上分子性化合物と同
様に表現したものであり、例えばLiBF4 の1分子と
は1個のLi+と1個のBF4 -からなる塩を意味する。
複合に用いる電解質分子がエーテル酸素原子の1/2以
上の比率で存在すると、イオンの移動が大きく阻害さ
れ、逆に1/100以下の比率では、イオンの絶対量が
不足となってイオン伝導度が小さくなる。側鎖のエーテ
ル酸素原子4〜100個に対し、電解質分子1個の割合
がさらに好ましい。複合に用いる電解質の種類は特に限
定されるものではなく、電荷でキャリアーとしたいイオ
ンを含んだ電解質を用いればよいが、高分子固体電解質
中での解離定数が大きいことが望ましく、アルカリ金属
塩、(CH3 )4 NBF4 等の4級アンモニウム塩、
(CH3 )4 PBF4 等の4級ホスホニウム塩、AgC
lO4等の遷移金属塩あるいは塩酸、過塩素酸、ホウフ
ッ化水素酸等のプロトン酸が推奨される。
は,後述のように、アルカリ金属、アルカリ金属合金、
炭素材料のようなアルカリ金属イオンをキャリアーとす
る低酸化還元電位のものを用いることにより、高電圧、
高容量の電池が得られるので好ましい。従って、かかる
負極を用い、アルカリ金属イオンをキャリアーとする電
池に用いる場合の高分子固体電解質中の電解質としては
アルカリ金属塩が必要となる。このアルカリ金属塩の種
類としては、例えば、LiCF3 SO3 、LiPF6、
LiClO4 、LiI、LiBF4 、LiSCN、Li
AsF6 、NaCF3SO3 、NaPF6 、NaClO4
、NaI、NaBF4 、NaAsF6 、KCF3 SO3
、KPF6 、KI等を挙げることができる。この中
で、アルカリ金属としては、リチウムまたはリチウム合
金を用いた場合が高電圧、高容量であり、かつ薄膜化が
可能である点から最も好ましい。また、炭素材負極の場
合には、アルカリ金属イオンだけでなく、4級アンモニ
ウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、各種プロト
ン酸が使用できる。
用いる電解質の種類は特に限定されるものではなく、電
荷キャリアーとしたいイオンを含んだ化合物を用いれば
よいが、高分子固体電解質中での解離定数が大きく、分
極性電極と電気二重層を形成し易いイオンを含むことが
望ましい。このような化合物としては、(CH3 )4N
BF4 、(CH3 CH2 )4 NClO4 等の4級アンモ
ニウム塩、AgClO4 等の遷移金属塩、(CH3 )4
PBF4 等の4級ホスホニウム塩、LiCF3SO3 、
LiPF6 、LiClO4 、LiI、LiBF4 、Li
SCN、LiAsF6 、NaCF3 SO3 、NaPF
6 、NaClO4 、NaI、NaBF4 、NaAsF
6 、KCF3 SO3 、KPF6 、KI等のアルカリ金属
塩、パラトルエンスルホン酸等の有機酸及びその塩、塩
酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。この中で、出力電
圧が高く取れ、解離定数が大きいという点から、4級ア
ンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、アルカリ金属塩が
好ましい。4級アンモニウム塩の中では、(CH3 CH
2 )(CH3 CH2 CH2 CH2 )3 NBF4 のよう
な、アンモニウムイオンの窒素上の置換基が異なってい
るものが、高分子固体電解質への溶解性あるいは解離定
数が大きいという点から好ましい。
カリ金属、アルカリ金属合金、炭素材料のようなアルカ
リ金属イオンをキャリアーとする低酸化還元電位の電極
活物質(負極活物質)を用いることにより、高電圧、高
容量の電池が得られるので好ましい。このような電極活
物質の中では、リチウム金属あるいはリチウム/アルミ
ニウム合金、リチウム/鉛合金、リチウム/アンチモン
合金等のリチウム合金類が最も低酸化還元電位であるた
め特に好ましい。また、炭素材料もLiイオンを吸蔵し
た場合低酸化還元電位となり、しかも安定、安全である
という点で特に好ましい。Liイオンを吸蔵放出できる
炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相法炭素及
びその黒鉛化物、石油コークス、石炭コークス、ピッチ
系炭素、ポリアセン、C60、C70等のフラーレン類等が
挙げられる。
酸化物、金属硫化物、導電性高分子あるいは炭素材料の
ような高酸化還元電位の電極活物質(正極活物質)を用
いることにより、高電圧、高容量の電池が得られるので
好ましい。このような電極活物質の中では、充填密度が
高くなり、体積容量密度が高くなるという点では、酸化
コバルト、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニッケ
ル、酸化モリブデン等の金属酸化物、硫化モリブデン、
硫化チタン、硫化バナジウム等の金属硫化物が好まし
く、特に酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト等
が高容量、高電圧という点から好ましい。
する方法は特に限定されず、例えば、「電気化学、第2
2巻、574頁、1954年」に記載されているよう
な、一般的な電解法や加熱法によって製造される。ま
た、これらを電極活物質としてリチウム電池に使用する
場合、電池の製造時に、例えば、Lix CoO2 やLi
xMnO2 等の形でLi元素を金属酸化物あるいは金属
硫化物に挿入(複合)した状態で用いるのが好ましい。
このようにLi元素を挿入する方法は特に限定されず、
例えば、電気化学的にLiイオンを挿入する方法や、米
国特許第4357215号に記載されているように、L
i2 CO3 等の塩と金属酸化物を混合、加熱処理するこ
とによって実施できる。
導電性高分子が好ましい。導電性高分子の例としては、
ポリアニリン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリパ
ラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘
導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジ
イル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びそ
の誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレノフ
ェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン、ポ
リチエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、ポリナ
フテニレンビニレン、ポリセレノフェンビニレン、ポリ
ピリジンジイルビニレン等のポリアリーレンビニレン及
びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも有機溶媒に可
溶性のアニリン誘導体の重合体が特に好ましい。これら
の電池あるいは電極において電極活物質として用いられ
る導電性高分子は、後述のような化学的あるいは電気化
学的方法あるいはその他の公知の方法に従って製造され
る。また、炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気
相法炭素及び黒鉛化物、石油コークス、石炭コークス、
フッ化黒鉛、ピッチ系炭素、ポリアセン等が挙げられ
る。 また、これらの電池あるいは電極において電極活
物質として用いられる炭素材料は市販のものを用いるこ
とができ、あるいは公知の方法に従って製造される。
物質として、特に有機溶媒可溶性のアニリン系重合体を
用いると、成形を溶液塗布で行なうことができるので有
利であり、薄膜電池を作製する場合に極めて有利であ
る。アニリン系重合体としては、ポリアニリン、ポリ−
o−トルイジン、ポリ−m−トルイジン、ポリ−o−ア
ニシジン、ポリ−m−アニシジン、ポリキシリジン類、
ポリ−2,5−ジメトキシアニリン、ポリ−2,6−ジ
メトキシアニリン、ポリ−2,5−ジエトキシアニリ
ン、ポリ−2,6−ジエトキシアニリン、ポリ−o−エ
トキシアニリン、ポリ−m−エトキシアニリン及びこれ
らの共重合体を挙げることができるが、特にこれらに限
定されるものではなく、アニリン誘導体から導かれる繰
返し単位を有する重合体であればよい。また、有機溶媒
可溶性のアニリン系重合体中の側鎖の導入量は、多いほ
ど溶解性という点では都合が良いが、導入量が増加する
ほど、正極としての重量あたりの容量が低下するという
マイナス面が表れる。従って、好ましいアニリン系重合
体としては、例えば、ポリアニリン、ポリ−o−トルイ
ジン、ポリ−m−トルイジン、ポリ−o−アニシジン、
ポリ−m−アニシジン、ポリキシリジン類が挙げられ
る。
体の重合方法は特に限定されるものではないが、一般に
は、例えば、「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエテ
ィー、ケミカル・コミュニケーション、1784頁(1
987)」等で報告されているように、アニリン、o−
アニシジン等のアニリン誘導体を電気化学的または化学
的に酸化重合する方法が挙げられる。このような方法で
得られる、本発明で用いられるアニリン系重合体の分子
量は特に限定されないが、通常2000以上のものであ
れば好ましい。このような方法によって得られるアニリ
ン系重合体は、一般的に重合溶液中のアニオンをドーパ
ントとして含んだ状態で得られる場合が多く、溶解性や
重量当りの容量の面で不利となる。従って、例えば成膜
成形法により、電極に成形する前に、これらアニオンを
脱ドープし、さらに還元型にすることが好ましい。脱ド
ープの方法としては特に制限はないが、一般的にはアン
モニア水、水酸化ナトリウム等の塩基で処理する方法が
とられる。また、還元方法についても特に制限はなく、
一般的な化学的あるいは電気化学的還元を行なえばよ
い。例えば、化学的還元方法については、ヒドラジンや
フェニルヒドラジン溶液中に塩基で処理したアニリン系
重合体を室温下浸漬もしくは撹拌することで容易に還元
できる。
元型アニリン系重合体は、種々の有機溶媒に可溶であ
り、溶液状態で、3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1)で表
されるユニットで置換されている構造を有する化合物の
少なくとも一種を含有する重合性モノマー溶液と混合で
き、そのように調製した混合物を用いて、例えば塗布法
等により、種々の支持体、例えば、電極、金属板、ガラ
ス板上へ薄膜形成したり、あるいはその他の形状へ成形
することにより、電極を製造することができる。アニリ
ン系重合体が溶解する溶媒としては、ベンゼン環上の置
換基の種類によるので、特に限定されないが、N−メチ
ルピロリドンのようなピロリドン類、ジメチルホルムア
ミドのようなアミド類、m−クレゾール、ジメチルプロ
ピレンウレア等の極性溶媒に溶解し易い。
一例について説明する。本発明の電極は、例えば、3価
以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素
原子がそれぞれ一般式(1)で表されるユニットで置換
されている構造を有する化合物の少なくとも一種を、場
合によっては、さらに他の重合性化合物及び/または可
塑剤を添加して、前記の電極活物質(正極活物質または
負極活物質)と混合する。その場合、混合する各成分の
比率は目的とする電池により適切なものとする。このよ
うにして得た重合性モノマー/電極活物質混合物を膜状
等の形状に成形後、重合を行うことにより電極を製造す
る。この方法において、重合は前述の3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構
造を有する化合物(モノマー)から重合体を得る場合と
同様の重合方法によることができ、例えば、加熱及び/
または電磁波照射により重合を行なうことができる。電
極活物質が、例えば有機溶媒可溶性のアニリン系重合体
の場合のように、流動性の高い重合性モノマー/電極活
物質混合物を与える場合には、該混合物を、集電体ある
いはその他ガラス等の支持体上に塗布して成膜する等の
方法で成形後、重合することにより電極を製造する。
質を含む電極を少なくとも一方の電極とし、同様にして
製造した他の電極活物質を含む電極あるいはその他通常
用いられる電極をもう一方の電極とし、両極をお互いに
接触しないように電池構成用構造体内に入れ、または支
持体上に配置する。例えば、電極の端に適当な厚みのス
ペーサーを介して正極と負極をはり合せて、前記構造体
内に入れ、次に、正極と負極の間に、3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構
造を有する化合物の少なくとも一種と、アルカリ金属塩
のごとき前記の電解質から選ばれる少なくとも一種の電
解質を混合し、場合によっては、さらに他の重合性化合
物及び/または可塑剤を添加混合して調製した重合性モ
ノマー混合物を注入した後、例えば、加熱及び/または
電磁波照射により重合する等、前述の3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構
造を有する化合物の少なくとも一種から得られる重合体
及び/または該化合物を共重合成分とする共重合体を得
る場合の重合方法と同様の方法で重合することにより、
あるいは、さらに重合後必要に応じてポリオレフィン樹
脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止することによ
り、電極と電解質が良好に接触した電池が得られる。
持体はSUS等の金属、ポリプロピレン、ポリイミド等
の樹脂、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラス等のセラ
ミックス材料であればよいが、特にこれらの材料からな
るものに限定されるものではなく、また、その形状は、
筒状、コイン状、円盤状、箱状、シート状その他いかな
る形状でもよい。前述したように、3価以上の多価アル
コールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ
前記一般式(1)で表されるユニットで置換されている
構造を有する化合物の少なくとも一種を含むモノマー混
合物と少なくとも一種の電解質を混合して得られる混合
液を重合することにより、3価以上の多価アルコールの
少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般
式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有
する化合物の少なくとも一種から得られる重合体及び/
または該化合物を共重合成分とする共重合体と少なくと
も一種の電解質を含む複合体からなる高分子固体電解質
を製造する方法が、薄膜電池を製造する場合に特に有用
である。
一例として、薄膜固体二次電池の一例の概略断面図を図
1に示す。図中、1は正極、2は高分子固体電解質、3
は負極、4は集電体、5はスペーサーである絶縁性樹脂
フィルムであり、6は絶縁性樹脂封止剤である。捲回型
電池を製造する場合は、あらかじめ、調製しておいた高
分子固体電解質シートを介して、上記正極及び負極をは
りあわせ、捲回し、電池構成用構造体内に挿入後にさら
に前記重合性モノマー混合物を注入し、重合させるとい
う方法も可能である。
ついて説明する。本発明の固体電気二重層コンデンサに
おいて、本発明の前記高分子固体電解質を用いることに
より、出力電圧が高く、取り出し電流が大きく、あるい
は加工性、信頼性に優れた全固体電気二重層コンデンサ
が提供される。
の概略断面図を図2に示す。この例は、大きさ1cm×
1cm、厚み約0.5mmの薄型セルで、8は集電体で
あり、集電体の内側には一対の分極性電極7が配置され
ており、その間に高分子固体電解質膜9が配置されてい
る。10はスペーサーであり、この例では絶縁性フィル
ムが用いられ、11は絶縁性樹脂封止剤、12はリード
線である。集電体8は電子伝導性で電気化学的に耐食性
があり、できるだけ比表面積の大きい材料を用いること
が好ましい。例えば、各種金属及びその燒結体、電子伝
導性高分子、カーボンシート等を挙げることができる。
分極性電極7は、通常電気二重層コンデンサに用いられ
る炭素材料等の分極性材料からなる電極であればよい
が、かかる炭素材料に本発明の高分子固体電解質を複合
させたものが好ましい。分極性材料としての炭素材料と
しては、比表面積が大きければ特に制限はないが、比表
面積の大きいほど電気二重層の容量が大きくなり好まし
い。例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック
(アセチレンブラックを含む)、チャンネルブラック等
のカーボンブラック類や、椰子がら炭等の活性炭、天然
黒鉛、人造黒鉛、気相法で製造したいわゆる熱分解黒
鉛、ポリアセン及びC60、C70を挙げることができる。
製造方法の一例について説明する。前述したように、3
価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水
素原子がそれぞれ前記一般式(1)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
と少なくとも一種の電解質を混合して得られる重合性モ
ノマー混合物を重合することにより、3価以上の多価ア
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ前記一般式(1)で表されるユニットで置換されてい
る構造を有する化合物の少なくとも一種から得られる重
合体及び/または該化合物を共重合成分とする共重合体
と少なくとも一種の電解質を含む複合体を製造する方法
が、本発明の固体電気二重層コンデンサを製造する場合
に特に有用である。
て好ましく用いられる、炭素材料のごとき分極性材料と
の少なくとも一種から得られる重合体及び/または該化
合物を共重合成分とする共重合体を含む分極性電極を製
造する場合、まず、例えば3価以上の多価アルコールの
少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一般
式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有
する化合物の少なくとも一種を、場合によっては、さら
に他の重合性化合物及び/または可塑剤を添加して分極
性材料と混合する。その場合、混合する各成分の比率
は、目的とするコンデンサにより適切なものとする。こ
のようにして得た重合性モノマー/分極性材料混合物
を、支持体上、例えば集電体上に成膜した後、例えば加
熱及び/または電磁波照射により重合を行なう等、3価
以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素
原子がそれぞれ前記一般式(1)で表されるユニットで
置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種か
ら得られる重合体及び/または該化合物を共重合成分と
する共重合体を得る場合の重合方法と同様の方法により
重合することにより、分極性電極を製造する。この方法
によれば、集電体に良好に接触した複合薄膜電極を製造
できる。
お互いに接触しないようにコンデンサ構成用構造体内に
入れ、または支持体上に配置する。例えば、電極の端に
適当な厚みのスペーサーを介して両電極をはり合せて、
前記構造体内に入れ、次に、この2枚の分極性電極の間
に、モノマーと電解質を混合し、場合によってはさらに
他の重合性化合物及び/または可塑剤を添加混合して調
製した重合性モノマー混合物を注入した後、上記と同様
の方法により重合することにより、あるいはさらに、重
合後必要に応じてポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等
の絶縁性樹脂で封止することにより、電極と電解質が良
好に接触した電気二重層コンデンサが得られる。かかる
モノマー混合物を調製する場合、混合する各成分の比率
は、目的とするコンデンサにより適切なものとする。こ
の方法により、特に薄型全固体電気二重層コンデンサを
製造することができる。尚、前記コンデンサ構成用構造
体あるいは前記支持体は、SUS等の金属、ポリプロピ
レン、ポリイミド等の樹脂、あるいは導電性あるいは絶
縁性ガラス等のセラミックス材料であればよいが、特に
これらの材料からなるものに限定されるものではなく、
また、その形状は、筒状、箱状、コイン状、円盤状、シ
ート状その他いかなる形状でもよい。
2のようなシート型の他に、コイン型、円盤型、箱型あ
るいは分極性電極及び高分子固体電解質のシート状積層
体を円筒状に捲回し、円筒管状のコンデンサ構成用構造
体に入れ、封止して製造された円筒型等であってもよ
い。捲回型コンデンサを製造する場合は、あらかじめ調
製しておいた高分子固体電解質シートを介して、上記分
極性電極をはりあわせ、捲回し、コンデンサ構成用構造
体内に挿入後に更に前記重合性モノマー混合物を注入
し、重合させるという方法も可能である。
その原料である重合性モノマー混合物から容易に成膜、
複合できるウレタン結合を有するオキシアルキル基を側
鎖に導入した櫛型高分子または網目状高分子からなる高
イオン伝導性の固体電解質であり、膜強度も良好であ
り、薄膜加工性にも優れている。
前記高分子固体電解質を用いることにより、薄膜化など
加工も容易であり、薄膜でも短絡の恐れがなく、取り出
し電流が大きく、信頼性の高い電池であり、特に全固体
型電池とすることができる。また、本発明の、負極がリ
チウムまたはリチウム合金またはリチウムイオンを吸蔵
放出できる炭素材料等の活物質を含む電極からなる電池
は、イオン伝導性物質として前記高分子固体電解質を用
いることにより、薄膜化など加工も容易であり、薄膜で
も短絡の恐れがなく、取り出し電流が大きく、信頼性の
高い電池であり、特に全固体型電池とすることができ
る。また、本発明の正極が、3価以上の多価アルコール
の少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ前記一
般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を
有する化合物の少なくとも一種から得られる重合体及び
/または該化合物を共重合成分とする共重合体と有機溶
媒可溶性のアニリン系重合体もしくはその他の導電性高
分子、金属酸化物、金属硫化物または炭素材料等の活物
質を含む電極からなり、電解質として前記高分子固体電
解質を用いることを特徴とする電池は、薄膜化など加工
も容易であり、薄膜でも短絡の恐れがなく、取り出し電
流が大きく、高容量で、信頼性の高い電池であり、特に
全固体型電池とすることができる。
ルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ
れ前記一般式(1)で表されるユニットで置換されてい
る構造を有する化合物の少なくとも一種から得られる重
合体及び/または該化合物を共重合成分とする共重合体
と有機溶媒可溶性のアニリン系重合体もしくはその他の
導電性高分子、金属酸化物、金属硫化物または炭素材料
等の電極活物質を含む電極及び該電極の製造方法におい
ては、電極としての活性度に優れた該電極活物質の電気
化学的活性度を損なうことなく、必要に応じた柔軟性を
有する電極を提供するものであり、例えば、薄膜状の電
極とすることができ、薄膜状、板状、箱状、円盤状、円
筒状など種々の電池の電極として有用である。また、本
発明の電池の製造方法によれば、種々の形状の電池を製
造することができ、特に電池の薄型化が容易であり、高
容量、高電流で作動でき、あるいはサイクル性が良好な
信頼性に優れた電池を製造することができ、特に全固体
型電池を製造することができる。
モノマー混合物から容易に成膜、複合できるウレタン結
合を有するオキシアルキル基を側鎖に導入した櫛型高分
子または網目状高分子となる重合性モノマー混合物に電
解質を溶解させたものを重合させて、高イオン伝導性で
膜強度の良好な高分子固体電解質としたものをイオン伝
導性物質として用いることによって製造される、薄膜で
も短絡がなく、出力電圧及び取り出し電流が大きく、信
頼性の高い電気二重層コンデンサであり、特に全固体型
電気二重層コンデンサとすることができる。特に、本発
明の電気二重層コンデンサ及びその製造方法によれば、
分極性電極とイオン伝導性物質である高分子固体電解質
との接触が良好になされており、薄膜でも短絡がなく、
出力電圧及び取り出し電流が大きく、信頼性の高い電気
二重層コンデンサが提供され、特に全固体型電気二重層
コンデンサが提供される。
に具体的に説明する。尚、これらは説明のための単なる
例示であって、本発明はこれらに何等制限されるもので
はないことは言うまでもない。
4.0mg/g、p/q=4):57.7g及び化合物
2:3.89gを窒素雰囲気中でよく精製したTHF1
00mlに溶解した後、0.44gのジブチルチンジラ
ウレートを添加する。その後25℃で約15時間反応さ
せることにより無色の粘稠液体を得た。その 1H−NM
R、IR及び元素分析の結果から、化合物1と化合物2
はモル比1対3で反応し、さらに化合物2のイソシアナ
ート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物
3が生成していることがわかった。
価>化合物3:1.46gをTHF100ccに溶解さ
せ、0.14gのLiCF3 SO3 を加えてよく混合し
た。次いでTHFを室温減圧下で除去し、化合物3/L
iCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠
液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラ
ス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、化
合物3重合体/LiCF3 SO3 複合体が約30μmの
透明な自立フィルムとして得られた。このフィルムの2
5℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定した
ところ、2×10-5S/cmであった。
2.7mg/g、p/q=5):38.5g及び化合物
5:2.42gを窒素雰囲気中でよく精製したTHF1
00mlに溶解した後、0.29gのジブチルチンジラ
ウレートを添加する。その後25℃で約15時間反応さ
せることにより無色の粘稠液体を得た。その 1H−NM
R、IR及び元素分析の結果から、化合物4と化合物5
はモル比1対2で反応し、さらに化合物5のイソシアナ
ート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物
6が生成していることがわかった。
価>化合物6:1.40gをTHF100ccに溶解さ
せ、0.14gのLiCF3 SO3 を加えてよく混合し
た。次いでTHFを室温減圧下で除去し、化合物6/L
iCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠
液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラ
ス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、化
合物6重合体/LiCF3 SO3 複合体が約30μmの
透明な自立フィルムとして得られた。このフィルムの2
5℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定した
ところ、7×10-5S/cmであった。
SO3 に代えて、0.15gのNaCF3 SO3を用い
た以外は実施例1と同様にして、固体電解質を約20μ
mの透明な自立フィルムとして得た。この固体電解質の
25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定し
たところ、3×10-5S/cmであった。
SO3 に代えて、0.11gのLiIを用いた以外は実
施例1と同様に行い、固体電解質を厚さ約40μmの透
明な自立フィルムとして得た。この固体電解質の25℃
でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、3×10-4S/cmであった。
Mn=550):55g、化合物2:11.1gを窒素
雰囲気中でよく精製したTHF100mlに溶解した
後、0.66gのジブチルチンジラウレートを添加す
る。その後25℃で約15時間反応させることにより無
色の粘稠液体を得た。その 1H−NMR、IR及び元素
分析の結果から、化合物7と化合物2はモル比1対1で
反応し、さらに化合物2のイソシアナート基が消失し、
ウレタン結合が生成しており、化合物8が生成している
ことがわかった。
体電解質の作製と評価>実施例1で合成した化合物3:
1.2gと化合物8:1.2gをTHF50ccに溶解
させ、0.14gのLiCF3 SO3 を加えてよく混合
した。次いでTHFを室温減圧下で除去し、化合物3/
化合物8/LiCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混
合物)を粘稠液体として得た。アルゴン雰囲気下、この
混合物をガラス板上に塗布後、100℃で1時間加熱し
たところ、[化合物3/化合物8共重合体]/LiCF
3 SO3 複合体が約30μm の透明な自立フィルムとし
て得られた。このフィルムの25℃でのイオン伝導度を
インピーダンス法にて測定したところ、1×10-4S/
cmであった。
68.0mg/g、p/q=4):57.7g、化合物
5:10.86gを窒素雰囲気中でよく精製したTHF
100mlに溶解した後、0.44gのジブチルチンジ
ラウレートを添加する。その後25℃で約15時間反応
させることにより無色の粘稠液体を得た。その 1H−N
MR、IR及び元素分析の結果から、化合物9と化合物
5はモル比1対6で反応し、さらに化合物5のイソシア
ナート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合
物10が生成していることがわかった。
体電解質の作製と評価>化合物10:1.2gと化合物
8:1.2gをTHF100ccに溶解させ、0.14
gのLiCF3 SO3 を加えてよく混合した。次いでT
HFを室温、減圧下で除去し、化合物10/化合物8/
LiCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘
稠液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガ
ラス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、
[化合物10/化合物8共重合体]/LiCF3 SO3
複合体が約30μmの透明な自立フィルムとして得られ
た。このフィルムの25℃でのイオン伝導度をインピー
ダンス法にて測定したところ、8×10-5S/cmであ
った。
価68.0mg/g、p/q=6):57.7g、化合
物2:7.78gを窒素雰囲気中でよく精製したTHF
100mlに溶解した後、0.44gのジブチルチンジ
ラウレートを添加する。その後25℃で約15時間反応
させることにより無色の粘稠液体を得た。その 1H−N
MR、IR及び元素分析の結果から、化合物11と化合
物2はモル比1対5で反応し、さらに化合物2のイソシ
アナート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化
合物12が生成していることがわかった。
体電解質の作製と評価> 得られた化合物12:0.10gと化合物3:1.0g
をTHF20ccに溶解させ、0.14gのLiCF3
SO3 を加えてよく混合した。次いでTHFを室温、減
圧下で除去し、化合物12/化合物3/LiCF3 SO
3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠液体として得
た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラス板上に塗布
後、100℃で1時間加熱したところ、[化合物12/
化合物3共重合体]/LiCF3 SO3 複合体が約20
μmの透明な自立フィルムとして得られた。このフィル
ムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測
定したところ、8×10-5S/cmであった。
SO3 に代えて、0.30gのAgIを用いた以外は実
施例7と同様にして、固体電解質を約30μmの透明な
自立フィルムとして得た。この固体電解質の25℃での
イオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、
3×10-4S/cmであった。
物8:1.40gと1.5gのプロピレンカーボネート
(PC)及び0.28gのLiCF3 SO3 をアルゴン
雰囲気中でよく混合し、化合物3/化合物8/PC/L
iCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠
液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラ
ス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、
[化合物3/化合物8共重合体]/PC/LiCF3 S
O3 複合体が約50μmの透明な自立フィルムとして得
られた。このフィルムの25℃でのイオン伝導度をイン
ピーダンス法にて測定したところ、2×10-3S/cm
であった。
ンカーボネートの代りに、テトラグライム(TG)を用
いた以外は、実施例9と全く同様の方法で、[化合物3
/化合物8共重合体]/TG/LiCF3 SO3 複合体
を約50μmの透明な自立フィルムとして得た。このフ
ィルムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ、7×10-4S/cmであった。
ンカーボネートの代りに、ジエチルカーボネート(DE
C)を用いた以外は、実施例9と全く同様の方法で、
[化合物3/化合物8共重合体]/DEC/LiCF3
SO3 複合体を約50μmの透明な自立フィルムとして
得た。このフィルムの25℃でのイオン伝導度をインピ
ーダンス法にて測定したところ、3×10-3S/cmで
あった。
gのプロピレンカーボネート(PC)、1.3gのエチ
レンカーボネート(EC)及び0.56gのLiBF4
をアルゴン雰囲気中でよく混合し、化合物3/化合物8
/PC/EC/LiBF4 混合物である重合性モノマー
混合物を粘稠液体として得た。この重合性モノマー混合
物をアルゴン雰囲気下、ガラス板上に塗布後、100℃
で1時間加熱したところ、[化合物3/化合物8共重合
体]/PC/EC/LiBF4 複合体が約50μmの透
明な自立フィルムとして得られた。このフィルムの25
℃、−10℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、それぞれ3×10-3、1×10-3S/
cmであった。
H2 CH(CH3 )NCO (化合物13) (化合物14) →CH2 =CHCOOCH2 CH(CH3 )NHCO(OCH2 CH2 )m −OCONHCH(CH3 )CH2 OCOCH=CH2 (化合物15)
価56.0mg/g):55.0g、化合物14:8.
53gを窒素雰囲気中で、よく精製したTHF100m
lに溶解した後、0.36gのジブチルチンジラウレー
トを添加する。その後25℃で約15時間反応させるこ
とにより無色の粘稠液体を得た。その 1H−NMR、I
R及び元素分析の結果から、化合物13と化合物14は
モル比1対2で反応し、さらに化合物14のイソシアナ
ート基が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物
15が生成していることがわかった。
子固体電解質の作製と評価>化合物8:1.0gと化合
物15:0.1gをTHF20ccに溶解させ、0.1
4gのLiCF3 SO3 を加えてよく混合した。次いで
THFを室温、減圧下で除去し、化合物8/化合物15
/LiCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を
粘稠液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物を
ガラス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したとこ
ろ、[化合物8/化合物15共重合体]/LiCF3 S
O3 複合体が約20μmの透明な自立フィルムとして得
られた。このフィルムの25℃でのイオン伝導度をイン
ピーダンス法にて測定したところ、2×10-5S/cm
であった。
価56.0mg/g、p/q=7):55.0g、前記
化合物5:8.53gを窒素雰囲気中で、よく精製した
THF100mlに溶解した後、0.36gのジブチル
チンジラウレートを添加する。その後25℃で約15時
間反応させることにより無色の粘稠液体を得た。その 1
H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物16
と化合物5はモル比1対4で反応し、さらに化合物5の
イソシアナート基が消失し、ウレタン結合が生成してお
り、化合物17が生成していることがわかった。
製と評価>化合物17:1.1gをTHF100ccに
溶解させ、0.14gのLiCF3 SO3 を加えてよく
混合した。次いでTHFを室温減圧下で除去し、化合物
17/LiCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合
物)を粘稠液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混
合物をガラス板状に塗布後、100℃で1時間加熱した
ところ、化合物17重合体/LiCF3 SO3 複合体が
約20μmの透明な自立フィルムとして得られた。この
フィルムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法
にて測定したところ、1×10-5S/cmであった。
ネート(PC)、1.3gのエチレンカーボネート(E
C)及び0.56gのLiBF4 をアルゴン雰囲気中で
よく混合し、化合物17/PC/EC/LiBF4 混合
物である重合性モノマー混合物を粘稠液体として得た。
この重合性モノマー混合物をアルゴン雰囲気下、ガラス
板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、化合
物17重合体/PC/EC/LiBF4 複合体が約50
μmの透明な自立フィルムとして得られた。このフィル
ムの25℃、−10℃でのイオン伝導度をインピーダン
ス法にて測定したところ、それぞれ、2.5×10-3、
0.7×10-3S/cmであった。
メチルオリゴオキシエチルメタクリレート[CH2=C
(CH3 )−C(O)−(OCH2 CH2 )n −OCH
3 (nの平均値=23)、商品名:NKエステルM−2
30G(新中村化学工業(株)製)]1.1gをTHF
100ccに溶解させ、これに0.14gのLiCF3
SO3 を加えてよく混合した。次いでTHFを室温減圧
下で除去し、化合物3/M−230G/LiCF3 SO
3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠液体として得
た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラス板上に塗布
後、100℃で1時間加熱したところ、[化合物3/M
−230G共重合体]/LiCF3 SO3 複合体が約2
0μmの透明な自立フィルムとして得られた。このフィ
ルムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、8×10-6S/cmであった。
2gのN,N−ジメチルアクリルアミドをTHF100
ccに溶解させ、0.14gのLiCF3 SO3 を加え
てよく混合した。次いでTHFを室温減圧下で除去し、
化合物3/N,N−ジメチルアクリルアミド/LiCF
3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠液体と
して得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラス板上
に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、[化合物
3/N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体]/Li
CF3SO3 複合体が約20μmの透明な自立フィルム
として得られた。このフィルムの25℃でのイオン伝導
度をインピーダンス法にて測定したところ、2×10-5
S/cmであった。
2gのポリエチレンオキサイド PEO−1(住友精化
(株)製)をTHF100ccに溶解させ、0.14g
のLiCF3 SO3を加えてよく混合した。次いでTH
Fを室温減圧下で除去し、化合物3/PEO−1/Li
CF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合物)を粘稠液
体として得た。アルゴン雰囲気下、この混合物をガラス
板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、化合
物3重合体/PEO−1/LiCF3 SO3 複合体が約
20μmの透明な自立フィルムとして得られた。このフ
ィルムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ、1×10-5S/cmであった。
し、酸素雰囲気下、800℃で24時間加熱後、粉砕す
ることによりLiCoO2 粉末を得た。このLiCoO
2 粉末と実施例13で調製した重合性モノマー混合物
を、アルゴン雰囲気下、重量比7:3で混合し、ステン
レス箔上に1cm×1cm、約200μmの厚さに塗布
した。さらに、約100℃で1時間加熱重合することに
より、酸化コバルト/高分子固体電解質複合正極(65
mg)を得た。
リチウム箔を1cm×1cmに切出し(5.3mg)、
その端部約1mm四方を5μmのポリイミドフィルム
で、スペーサーとして被覆した。次に、実施例12で調
製した重合性モノマー混合物をリチウム箔上に塗布し、
さらに実施例19で製造した酸化コバルト正極を貼り合
せ、100℃、1時間加熱後、電池端部をエポキシ樹脂
で封印し、リチウム/酸化コバルト固体二次電池を得
た。得られた電池の概略断面図を図1に示す。この電池
を作動電圧2.0〜4.3V、電流0.1mAで充放電
を繰返したところ、最大放電容量は4.0mAhで、容
量が50%に減少するまでのサイクル寿命は200回で
あった。同様の方法で製造した電池を作動電圧2.0〜
4.3V、電流0.3mAで充放電を繰返したところ、
最大放電容量は3.8mAhで、容量が50%に減少す
るまでのサイクル寿命は167回であった。
として、対極にグラファイトフォイルを用いて、1cm
×1cmステンレス箔上に、1mAの定電流法で約10
0μmの厚さに電解酸化重合した。次いで、メタノール
で洗浄後、80℃で24時間真空乾燥した。次いでこの
膜をアルゴン雰囲気のグローブボックス内に移し、実施
例12で調製した重合性モノマー混合物をしみ込ませ、
100℃、1時間で重合することにより、ポリアニリン
/高分子固体電解質複合正極(45mg)を得た。
アニリン正極を用いた以外は実施例20と同様にして、
リチウム/ポリアニリン固体二次電池を得た。この電池
を作動電圧2.0〜4.0V、電流0.1mAで充放電
を繰返したところ、最大放電容量は1.0mAhで、容
量が50%に減少するまでのサイクル寿命は356回で
あった。同様の方法で製造した電池を作動電圧2.0〜
4.0V、電流0.3mAで充放電を繰返したところ、
最大放電容量は0.9mAhで、容量が50%に減少す
るまでのサイクル寿命は280回であった。
μm、平均繊維長、2.0μm、2700℃熱処理品)
10gと2.5Mブチルリチウム含有ヘキサン溶液20
0mlを混合し、室温で8時間攬拌した。次いでヘキサ
ンで洗浄後乾燥して、リチウムイオンが予備挿入された
黒鉛繊維を得た。C/Li原子比を元素分析から求めた
ところ12/1であった。このようにして得たリチウム
含有黒鉛繊維6gと実施例15で調製した重合性モノマ
ー混合物4gを、アルゴン雰囲気下で混合し、その一部
をとってステンレス箔上に1cm×1cm、約150μ
mの厚さに塗布した。さらに、約100℃ で1時間加
熱重合することにより、気相法黒鉛/高分子固体電解質
複合負極(21mg)を得た。
負極を用いた以外は実施例20と同様にして、気相法黒
鉛/酸化コバルト固体二次電池を得た。この電池を作動
電圧1.5〜4.3V、電流0.1mAで充放電を繰返
したところ、最大放電容量は3.8mAhで、容量が5
0%に減少するまでのサイクル寿命は197回であっ
た。同様の方法で製造した電池を作動電圧1.5〜4.
3V、電流0.3mAで充放電を繰返したところ、最大
放電容量は3.6mAhで、容量が50%に減少するま
でのサイクル寿命は185回であった。
−を取り付け、1規定のHCl水溶液を500ml加
え、窒素をバブルしながら20.3gのアニリンを溶解
した。次いで、撹拌下、窒素バブルしながら、11.5
gの過硫酸アンモニウムを固体のまま、少しずつ約30
分かけて添加した。反応温度は約22℃に保った。添加
後、さらに22時間反応させた後ろ過し、ろ残を500
mlの蒸留水で洗浄した。次いで、この生成物をビーカ
ーに移し、500mlの5%アンモニア水で約1時間撹
拌後、ろ過、蒸留水洗浄、減圧乾燥することにより、脱
ド−プ状態のポリアニリン粉末約16gを得た。
ラジン1水和物、150mlを加え、撹拌下、窒素フロ
ーしながら、室温で上記脱ドープポリアニリン粉末を約
1時間かけて添加した。さらに窒素フロー下、約10時
間、室温で撹拌後、窒素雰囲気中でろ過し、減圧乾燥し
た。さらに窒素雰囲気下で精製THF、精製エーテルで
洗浄、減圧乾燥することにより、還元状態のポリアニリ
ン粉末約14gを得た。この還元状態のポリアニリン粉
末の元素分析値は炭素、水素、窒素の総和が98%であ
り、炭素/水素/窒素の元素比は6.00/4.95/
1.01と理論値とほぼ一致した。この粉末はアルゴン
雰囲気下で精製N−メチルピロリドン(NMP)に約5
wt%の濃度まで溶解した。この溶液のGPC測定から
求めたポリアニリンの数平均分子量は、ポリスチレン換
算で約20000であった。
造した重合性モノマー混合物を実施例25で調製した5
wt%ポリアニリン/NMP溶液に、ポリアニリンと重
合性モノマー混合物の重量比が1:1になるように混合
した。この混合溶液を50μmのポリイミドフィルムを
3mmの幅で箔の四方の端部に貼りつけた15mm×1
5mm、厚さ100μmのステンレス箔上のポリイミド
フィルムに囲まれた部分に塗布した。次いで60℃、8
0℃、100℃で各々1時間づつ加熱することにより、
乾燥、重合を行なった。
リチウム箔を12mm×12mm(2.6mg)に切出
し、その端部約2mm四方を5μmのポリイミドフィル
ムを、スペーサーとして被覆した。次に、実施例12で
調製した重合性モノマー混合物をリチウム箔上に塗布
し、さらに実施例26で製造したポリアニリン正極を貼
り合せ、100℃、1時間加熱後、電池端部をエポキシ
樹脂で封印し、図1に概略図として示すリチウム/ポリ
アニリン固体二次電池を得た。この電池を作動電圧2〜
4V、電流0.1mAで充放電を繰返したところ、最大
放電容量は1.5mAhで、容量が50%に減少するま
でのサイクル寿命は201回であった。同様の方法で製
造した電池を作動電圧2.0〜4.0V、電流0.3m
Aで充放電を繰返したところ、最大放電容量は1.3m
Ahで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は
170回であった。
アニシジンを用いた以外は、実施例25と同様の方法
で、還元状態のポリ−o−アニシジン粉末18gを合
成、処理した。この還元状態のポリ−o−アニシジン粉
末の元素分析値は炭素、水素、窒素の総和が98%であ
り、炭素/水素/窒素の元素比は7.00/6.91/
1.03と理論値とほぼ一致した。この粉末はアルゴン
雰囲気下で精製N−メチルピロリドン(NMP)に約8
wt%の濃度まで溶解した。この溶液のGPC測定から
求めたポリアニリンの数平均分子量は、ポリスチレン換
算で約15000であった。次いで、実施例26で用い
た5wt%ポリアニリン/NMP溶液の代りに、8wt
%ポリ−o−アニシジン/NMP溶液を使用した以外
は、実施例26と同様の方法でポリ−o−アニシジン正
極(62mg)を製造した。
−o−アニシジン正極62mgを用いた以外は実施例2
7と同様にして、リチウム/ポリ−o−アニシジン固体
二次電池を得た。この電池を作動電圧1.8〜3.8
V、電流0.1mAで充放電を繰返したところ、最大放
電容量は1.1mAhで、容量が50%に減少するまで
のサイクル寿命は245回であった。同様の方法で製造
した電池を作動電圧1.8〜3.8V、電流0.3mA
で充放電を繰返したところ、最大放電容量は1.0mA
hで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は2
05回であった。
ロピレンカーボネート(PC)及び0.90gのテトラ
エチルアンモニウムパークロレート(TEAP)をアル
ゴン雰囲気中でよく混合し、化合物3/PC/TEAP
混合物である重合性モノマー混合物を粘稠液体として得
た。この重合性モノマー混合物をアルゴン雰囲気下、ガ
ラス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、
化合物3重合体/PC/TEAP複合体が約20μmの
透明な自立フィルムとして得られた。このフィルムの2
5℃、−10℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ、それぞれ、2.5×10-3、0.7
×10-3S/cmであった。
混合物を、アルゴン雰囲気下、重量比1:1で混合し、
ステンレス箔上に1cm×1cmの大きさで約150μ
mの厚さに塗布した。さらに、約100℃で1時間加熱
して重合させることにより、活性炭/高分子固体電解質
複合電極13mgを得た。
造した活性炭電極(13mg)1cm×1cmの端部約
1mm四方を厚さ5μmのポリイミドフィルムをスペー
サーとして被覆した。次に、実施例30で調製した重合
性モノマー混合物を電極上に塗布し、さらにもう一枚の
電極を貼り合せ、100℃、1時間加熱後、コンデンサ
端部をエポキシ樹脂で封止し、図2に概略図として示す
ような固体電気二重層コンデンサを製造した。このコン
デンサを作動電圧0〜2.5V、電流0.1mAで充放
電を行なったところ、最大容量は210mFであった。
また、この条件で充放電を50回繰り返してもほとんど
容量に変化はなかった。同様の方法で製造したコンデン
サを作動電圧0〜2.5V、電流0.3mAで充放電を
行ったところ、最大容量は200mFであった。また、
この条件で充放電を50回繰返してもほとんど容量に変
化はなかった。
EAPの代わりに、0.3gのリチウムパークロレート
(LiClO4 )を用いて、重合性モノマー混合物を調
製した。この重合性モノマー混合物を用いた以外は、実
施例32と同様の方法で固体電気二重層コンデンサを製
造した。このコンデンサを作動電圧0〜2.0V、電流
0.1mAで充放電を行なったところ、最大容量は15
0mFであった。また、この条件で充放電を50回繰り
返してもほとんど容量に変化はなかった。同様の方法で
製造したコンデンサを作動電圧0〜2.0V、電流0.
3mAで充放電を行ったところ、最大容量は140mF
であった。また、この条件で充放電を50回繰返しても
ほとんど容量に変化はなかった。
マー混合物を、アルゴン雰囲気下、重量比6:4で混合
し、ステンレス箔上に1cm×1cmの大きさで、約1
50μmの厚さに塗布した。さらに、約100℃で1時
間加熱重合することにより、アセチレンブラック/高分
子固体電解質複合電極14mgを得た。
を用いた以外は、実施例33と同様の方法で固体電気二
重層コンデンサを製造した。このコンデンサを作動電圧
0〜2.5V、電流0.1mAで充放電を行なったとこ
ろ、最大容量は50mFであった。また、この条件で充
放電を50回繰り返してもほとんど容量に変化はなかっ
た。同様の方法で製造したコンデンサを作動電圧0〜
2.5V、電流0.3mAで充放電を行ったところ、最
大容量は45mFであった。また、この条件で充放電を
50回繰返してもほとんど容量に変化はなかった。
混合物を、アルゴン雰囲気下、重量比1:1で混合し、
ステンレス箔上に1cm×1cmの大きさで約150μ
mの厚さに塗布した。さらに、約100℃で1時間加熱
して重合させることにより、活性炭/高分子固体電解質
複合電極13mgを得た。
造した活性炭電極(13mg)1cm×1cmの端部約1
mm四方を厚さ5μmのポリイミドフィルムをスペーサ
ーとして被覆した。次に、実施例12で調製した重合性
モノマー混合物を電極上に塗布し、さらにもう一枚の電
極をはり合わせ、100℃、1時間加熱後、コンデンサ
端部をエポキシ樹脂で封止し、図2に概略図として示す
ような固体電気二重層コンデンサを製造した。このコン
デンサを作動電圧0〜2.5V、電流0.1mAで充放
電を行なったところ、最大容量は200mFであった。
また、この条件で充放電を50回繰返してもほとんど容
量に変化はなかった。同様の方法で製造したコンデンサ
を作動電圧0〜2.5V、電流0.3mAで充放電を行
ったところ、最大容量は190mFであった。また、こ
の条件で充放電を50回繰返してもほとんど容量に変化
はなかった。
ルオリゴエチレングリコール55gを窒素雰囲気中でよ
く精製したTHF、100mlに溶解した後、0.66
gのジブチルチンジラウレートを添加する。その後、5
0℃で約3時間反応させることにより、無色の粘稠液体
を得た。その 1H−NMR、IR及び元素分析の結果か
ら、化合物5とモノメチルオリゴエチレングリコールは
モル比1対1で反応し、さらに化合物5のイソシアナー
ト基が消失し、ウレタン結合となり、化合物18が生成
していることがわかった。
9):28.2g、平均分子量600のオリゴエチレン
グリコール60gを窒素雰囲気中でよく精製したTH
F、100mlに溶解した後、0.66gのジブチルチ
ンジラウレートを添加する。その後、50℃で約3時間
反応させることにより、無色のゲル状固体を得た。その
1H−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物1
9とオリゴエチレングリコールはモル比2対1で反応
し、さらに化合物19のイソシアナート基が消失し、ウ
レタン結合となり、化合物20が生成していることがわ
かった。
2.10gの化合物18、0.51gの化合物20と
1.3gのプロピレンカーボネート(PC)、1.3g
のエチレンカーボネート(EC)及び0.56gのLi
B4 をアルゴン雰囲気中でよく混合し、化合物18/化
合物20/PC/EC/LiB4 混合物である重合性モ
ノマー溶液を粘稠液体として得た。この重合性モノマー
溶液をアルゴン雰囲気下、ガラス板上に塗布後、100
℃で1時間加熱したところ、[化合物18/化合物20
共重合体]/PC/EC/LiB4 複合体が約300μ
mの透明な自立フィルムとして得られた。このフィルム
の25℃、−10℃でのイオン伝導度をインピーダンス
法にて測定したところ、それぞれ3×10-3、1×10
-3/Scmであった。また、この重合性モノマー溶液を
アルゴン雰囲気下、ガラス板上に塗布後、100℃で1
時間加熱して、厚さ100μm以下の[化合物18/化
合物20共重合体]/PC/EC/LiB4 複合体の自
立フィルムを得ることを試みたが、100μm以下の厚
さでは自立フィルムにならなかった。
下、800℃で24時間加熱後、粉砕することによりL
i2 CoO2 粉末を得た。このLi2 CoO2 粉末と比
較例1で調製した重合性モノマー溶液をアルゴン雰囲気
下、重量比7:3で混合し、ステンレス箔上に1cm×
1cm、約200μmの厚さに塗布した。さらに、約1
00℃で1時間加熱重合することにより、酸化コバルト
/高分子固体電解質複合正極を得た。
リチウム箔を1cm×1cmに切出し、その端部約1m
m四方を5μmのポリイミドフィルムで、スペーサーと
して被覆した。次に、比較例1で調製した重合性モノマ
ー溶液をリチウム箔上に塗布し、さらに、比較例2で製
造した酸化コバルト正極を貼り合せ、100℃で1時間
加熱後、電池端部をエポキシ樹脂で封印し、リチウム/
酸化コバルト固体二次電池を得た。この電池を作動電圧
2.0〜4.3V、電流0.1mAで充放電を繰返した
ところ、最大放電容量は4.0mAhで、サイクル数5
0回で短絡した。5μmのポリイミドフィルムの代わり
に10μmのポリイミドフィルムを用いた他は、上記と
同様の方法で製造した電池を作動電圧2.0〜4.3
V、電流0.1mAで充放電を繰返したところ、最大放
電容量は4.0mAhで、サイクル寿命は200回であ
った。同様に10μmのポリイミドフィルムを用いて製
造した電池を作動電圧2.0〜4.3V、電流0.3m
Aで充放電を繰返したところ、最大放電容量は2.8m
Ahで、サイクル寿命は85回で短絡した。
8、0.51gの化合物20と1.6gのプロピレンカ
ーボネート(PC)、1.6gのエチレンカーボネート
(EC)及び0.90gのテトラエチルアンモニウムパ
ークロレート(TEAP)をアルゴン雰囲気中でよく混
合し、化合物18/化合物20/PC/EC/TEAP
混合物である重合性モノマー溶液を粘稠液体として得
た。この重合性モノマー溶液をアルゴン雰囲気下、ガラ
ス板上に塗布後、100℃で1時間加熱したところ、
[化合物18/化合物20共重合体]/PC/EC/T
EAP複合体が約300μmの透明な自立フィルムとし
て得られた。このフィルムの25℃、−10℃でのイオ
ン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それ
ぞれ3.0×10-3、1.0×10-3/Scmであっ
た。また、この重合性モノマー溶液をアルゴン雰囲気
下、ガラス板上に塗布後、100℃で1時間加熱して、
厚さ100μm以下の[化合物18/化合物20共重合
体]/PC/EC/TEAP複合体の自立フィルムを得
ることを試みたが、100μm以下の厚さでは自立フィ
ルムにならなかった。
した重合性モノマー溶液を、アルゴン雰囲気下、重量比
1:1で混合し、ステンレス箔上に1cm×1cm、約
150μmの厚さに塗布した。さらに、約100℃で1
時間加熱重合することにより、活性炭/固体電解質複合
電極を得た。
ローブボックス内で、比較例5で製造した活性炭電極1
cm×1cmの端部約1mm四方を5μmのポリイミド
フィルムで、スペーサーとして被覆した。次に、比較例
4で調製した重合性モノマー溶液を電極上に塗布し、さ
らにもう1枚の電極を貼り合わせ、100℃で1時間加
熱後、コンデンサ端部をエポキシ樹脂で封印し、固体電
気二重層コンデンサを得た。このコンデンサを作動電圧
0〜2.5V、電流0.1mAで充放電を行おうとした
が作動せずに短絡した。5μmのポリイミドフィルムの
代わりに10μmのポリイミドフィルムを用いた他は、
上記と同様の方法で製造したコンデンサを作動電圧0〜
2.0V、電流0.1mAで充放電を繰返したところ、
最大容量は150mFであった。また、この条件で充放
電を50回繰返してもほとんど容量に変化はなかった。
同様に10μmのポリイミドフィルムを用いて製造した
コンデンサを、電流0.3mAで充放電を繰返したとこ
ろ、最大容量は80mFであった。また、この条件で充
放電を50回繰返したところ、容量は初期の値の半分に
低下していた。
2(1933)に記載されているポリエーテルの重合方
法に従い、1−o−Hexadecyl−rac−Gl
ycerol(SIGMA化学社製)にアルカリ触媒下
でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを反応さ
せることにより化合物21(KOH価:21.0mg/
g、p/q=5)を得た。化合物21:53.3g及び
化合物2:1.73gを窒素雰囲気中で良く精製したT
HF100ccに溶解した後、0.29gのジブチルチ
ンジラウレートを添加する。その後25℃で約15時間
反応させることにより無色の粘稠液体を得た。その 1H
−NMR、IR及び元素分析の結果から、化合物21と
化合物2はモル比1対2で反応し、さらに化合物2のイ
ソシアナート基が消失し、ウレタン結合が生成してお
り、化合物22が生成していることが確認された。
評価〉化合物22:1.46gをTHF100ccに溶
解させ、0.14gのLiCF3 SO3 を加えてよく混
合した。次いでTHFを室温、減圧下で除去し、化合物
22/LiCF3 SO3 混合物(重合性モノマー混合
物)を粘稠液体として得た。アルゴン雰囲気下、この混
合物をガラス板上に塗布後100℃で1時間加熱したと
ころ、化合物22重合体/LiCF3 SO3 複合体が約
30μmの透明な自立フィルムとして得られた。このフ
ィルムの25℃でのイオン伝導度をインピーダンス法に
て測定したところ、1×10-5S/cmであった。上記
の結果より、本発明の高分子固体電解質のみが、薄膜強
度が良好で、高イオン伝導性であり、電池や固体電気二
重層コンデンサの応用した場合に、良好な物性を示して
いることがわかる。これらの結果を表1及び表2にまと
めて示す。
結合により結合したオキシアルキル基を側鎖に有する高
分子と少なくとも一種の電解質との複合体から構成され
ており、膜強度が良好な薄膜として得られ易く、また、
高イオン伝導性という特徴を有している。本発明の高分
子固体電解質を用いた電池及びコンデンサはイオン伝導
性物質が固体であるため液漏れの危険はなく長期間安定
して使用できるものであり、また、この固体電解質を用
いることにより薄型の電池やコンデンサを製造すること
ができる。本発明の、ウレタン結合により結合したオキ
シアルキル基を側鎖に有する高分子及び有機溶媒可溶性
のポリアニリン系重合体もしくはその他の導電性高分
子、金属酸化物、金属硫化物または炭素材料等の電極活
物質または分極性材料を含む電極及びその製造方法は、
高い電気化学的活性と柔軟性を有する電極を提供でき、
特に薄型電極を提供でき、種々の電池または電気二重層
コンデンサ等に用いられる電極及びその製造方法として
有用である。
高容量、高電流で作動でき、あるいはサイクル性が良好
で、安全性、信頼性に優れた電池であり、ポータブル機
器用主電源、バックアップ電源をはじめとする電気製品
用電源、電気自動車用、ロードレベリング用大型電源と
して使用可能である。また、薄膜化が容易にできるの
で、身分証明書用カード等のペーパー電池としても使用
できる。さらに、本発明の電気二重層コンデンサは、従
来の全固体型コンデンサと比較しても、高電圧、高容
量、高電流で作動でき、あるいはサイクル性が良好で、
安全性、信頼性に優れた電気二重層コンデンサであり、
かかる特徴を有する全固体電気二重層コンデンサとする
ことができる。このためバックアップ電源だけでなく、
小型電池との併用で、各種電気製品用電源として使用可
能である。また、薄膜化等の加工性に優れており、従来
の固体型電気二重層コンデンサの用途以外の用途にも期
待できる。
池の実施例の概略断面図である。
概略断面図である。
Claims (27)
- 【請求項1】 3価以上の多価アルコールの少なくとも
2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) [式中、R1 は水素またはメチル基を表し、R2 はオキ
シアルキレン基を含む2価の有機基を表す。該有機基は
直鎖状、分岐状、環状構造のいずれからなるものでもよ
く、炭素、水素及び酸素以外の元素が1個以上含まれて
いてもよい。x及びyはそれぞれ0または1〜5の整数
を、zは0または1〜10の数値を示す。但しx=0及
びy=0のときはz=0である。また(CH2 )と(C
H(CH3))は不規則に配列してもよい。但し、同一
分子中の複数個の上記一般式(1)で表されるユニット
中のR1 、R2 及びx、y、zの値は、それぞれ独立で
あり、同じである必要はない。]で表されるユニットで
置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種か
ら得られる重合体及び/または該化合物を共重合成分と
する共重合体及び少なくとも一種の電解質を含む複合体
からなる高分子固体電解質。 - 【請求項2】 (A)3価以上の多価アルコールの少な
くとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1)
で表されるユニットで置換されている構造を 有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(ただし、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項1記載の高分子固体電解質。 - 【請求項3】 3価以上の多価アルコールの少なくとも
2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) [式中、R1 は水素またはメチル基を表し、R3 はそれ
ぞれに−(CH2 )2 −または−CH(CH3 )CH2
−を表し、nは1以上の整数を表す。x、y及びzは一
般式(1)と同じ。]で表されるユニットで置換されて
いる構造を有する化合物の少なくとも一種から得られた
重合体及び/または該化合物を共重合成分とした共重合
体並びに少なくとも一種の電解質を含む複合体からなる
ことを特徴とする高分子固体電解質。 - 【請求項4】 (A)3価以上の多価アルコールの少な
くとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2)
で表されるユニットで置換されている構造を 有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項3記載の高分子固体電解質。 - 【請求項5】 電解質が、アルカリ金属塩、4級アンモ
ニウム塩、4級ホスホニウム塩、または遷移金属塩から
選ばれた少なくとも一種である請求項1〜4記載の高分
子固体電解質。 - 【請求項6】 可塑剤が添加されている請求項1〜5記
載の高分子固体電解質。 - 【請求項7】 請求項1〜6記載の高分子固体電解質を
用いることを特徴とする電池。 - 【請求項8】 電池の負極がリチウム、リチウム合金ま
たはリチウムイオンを吸蔵放出できる炭素材料を含む電
極からなる請求項7記載の電池。 - 【請求項9】 電池の正極が、有機溶媒可溶性のアニリ
ン系重合体もしくはその他の導電性高分子、金属酸化
物、金属硫化物または炭素材料を含む電極からなる請求
項7〜8記載の電池。 - 【請求項10】 3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は請求項1と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマー
混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノマ
ー混合物を、電池構成用構造体内に入れ、または支持体
上に配置し、かかる重合性モノマー混合物を重合するこ
とを特徴とする電池の製造方法。 - 【請求項11】 (A)3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造 を有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有する混合物(但し、(A)+(B)の量が、(A)
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む請求項10記載の電池
の製造方法。 - 【請求項12】 3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は請求項3と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマー
混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノマ
ー混合物を、電池構成用構造体内に入れ、または支持体
上に配置し、かかる重合性モノマー混合物を重合するこ
とを特徴とする電池の製造方法。 - 【請求項13】 (A)3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(2)で表されるユニットで置換されている構造 を有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有する混合物(但し、(A)+(B)の量が、(A)
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む請求項12記載の電池
の製造方法。 - 【請求項14】 電極構成用材料として、3価以上の多
価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそ
れぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は請求項1と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
から得られた重合体及び/または該化合物を共重合成分
とした共重合体、並びに電極活物質または分極性材料を
含むことを特徴とする電極。 - 【請求項15】 電極構成用材料の重合体及び/または
共重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項14記載の電極。 - 【請求項16】 電極構成用材料として、3価以上の多
価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそ
れぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は請求項3と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
から得られる重合体及び/または該化合物を共重合成分
とする共重合体並びに電極活物質または分極性材料を含
むことを特徴とする電極。 - 【請求項17】 電極構成用材料の重合体及び/または
共重合体として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(2)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項16記載の電極。 - 【請求項18】 電極活物質または分極性材料が、有機
溶媒可溶性のアニリン系重合体もしくはその他の導電性
高分子、金属酸化物、金属硫化物または炭素材料である
請求項14〜17記載の電極。 - 【請求項19】 イオン伝導性物質を介して分極性電極
を配置した電気二重層コンデンサにおいて、イオン伝導
性物質が請求項1〜6記載の高分子固体電解質であるこ
とを特徴とする電気二重層コンデンサ。 - 【請求項20】 イオン伝導性物質を介して分極性電極
を配置した電気二重層コンデンサにおいて、分極性電極
が炭素材料と3価以上の多価アルコールの少なくとも2
つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は請求項1と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
から得られた重合体及び/または該化合物を共重合成分
とした共重合体とを含む複合物からなることを特徴とす
る電気二重層コンデンサ。 - 【請求項21】 複合物の重合体及び/または共重合体
として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(1)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項20記載の電気二重層コンデンサ。 - 【請求項22】 イオン伝導性物質を介して分極性電極
を配置した電気二重層コンデンサにおいて、分極性電極
が炭素材料と3価以上の多価アルコールの少なくとも2
つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は請求項3と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
から得られた重合体及び/または該化合物を共重合成分
とした共重合体とを含む複合物からなることを特徴とす
る電気二重層コンデンサ。 - 【請求項23】 複合物の重合体及び/または共重合体
として、 (A)3価以上の多価アルコールの少なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞ れ一般式(2)で表されるユニットで置換されている構造を有する化合物の少な くとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有するモノマー混合物の重合体(但し、(A)+
(B)の量が、(A)+(B)+(C)の量に対して2
0重量%以上含む)を全重合体の50重量%以上含む請
求項22記載の電気二重層コンデンサ。 - 【請求項24】 3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(1) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCOOR2 − …(1) (式中の記号は請求項1と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマー
混合物またはこれに可塑剤が添加された重合性モノマー
混合物を電気二重層コンデンサ構成用構造体内に入れ、
または支持体上に配置し、かかる重合性モノマー混合物
を重合することを特徴とする電気二重層コンデンサの製
造方法。 - 【請求項25】 (A)3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(1)で表されるユニットで置換されている構造 を有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有する混合物(但し、(A)+(B)の量が、(A)
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)を
その重合体が全重合体の50重量%以上となるように重
合性モノマー混合物中に含む請求項24記載の電気二重
層コンデンサの製造方法。 - 【請求項26】 3価以上の多価アルコールの少なくと
も2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式(2) CH2 =C(R1 )CO[O(CH2 )x (CH(CH
3 ))y ]z NHCO(OR3 )n − …(2) (式中の記号は請求項3と同じ。)で表されるユニット
で置換されている構造を有する化合物の少なくとも一種
及び少なくとも一種の電解質を含有する重合性モノマー
混合物、またはこれに可塑剤が添加された重合性モノマ
ー混合物を、電気二重層コンデンサ構成用構造体内に入
れ、または支持体上に配置し、かかる重合性モノマー混
合物を重合することを特徴とする電気二重層コンデンサ
の製造方法。 - 【請求項27】 (A)3価以上の多価アルコールの少
なくとも2つの水酸基の水素原子がそれぞれ一般式
(2)で表されるユニットで置換されている構造 を有する化合物の少なくとも一種 1〜100重量% (B)一般式(1)で表されるユニットを1分子中に1つ有し、かつ分子中の他 のユニットにはエチレン性不飽和基を有さない化合物の少なくとも一種 0〜95重量% (C)その他のエチレン性不飽和基を有する化合物 0〜80重量% を有する混合物(但し、(A)+(B)の量が、(A)
+(B)+(C)の量に対して20重量%以上含む)
を、その重合体が全重合体の50重量%以上となるよう
に重合性モノマー混合物中に含む請求項26記載の電気
二重層コンデンサの製造方法。
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