JP2001229730A - 電解質材料及びその用途 - Google Patents

電解質材料及びその用途

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JP2001229730A
JP2001229730A JP2000042132A JP2000042132A JP2001229730A JP 2001229730 A JP2001229730 A JP 2001229730A JP 2000042132 A JP2000042132 A JP 2000042132A JP 2000042132 A JP2000042132 A JP 2000042132A JP 2001229730 A JP2001229730 A JP 2001229730A
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JP
Japan
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electrolyte
compound
electrolyte material
carbon atoms
less carbon
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JP2000042132A
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English (en)
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Masataka Takeuchi
正隆 武内
Shiyuuichi Uchijiyou
秀一 内條
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Abstract

(57)【要約】 【課題】高性能な電解質、その電解質を用いた高容量、
高電流で作動可能で、高寿命で信頼性に優れた一次電池
及び二次電池、並びに出力電圧が高く、取出し電流が大
きく、加工性が良好で高寿命で信頼性に優れた電気二重
層コンデンサの提供。 【解決手段】アミド、ウレタン、イミド及びウレア構造
から選ばれる構造を部分構造として有する窒素化合物を
含む電解質材料にホウ素化合物を添加することにより、
アミド、ウレタン、イミド及びウレア構造から選ばれる
構造を有する化合物の電気化学的安定範囲が広く、高性
能な電解質を実現し、前記電解質を用ることで目的の特
性を有する一次電池、二次電池及び電気二重層コンデン
サを得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は誘電率が高いため電
解質塩を溶解しやすく、高イオン伝導化可能で、さらに
高電位側で安定な挙動を示す窒素化合物、特にアミド、
イミド、ウレタン、及びウレア構造から選ばれる構造を
部分構造として有する窒素化合物を添加した電気化学素
子用電解質材料、並びに、この電解質材料を用いた電池
または電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器の普及に伴い、各種電池
や電気二重層コンデンサ等の蓄電素子が注目され、生産
高も急激に増えている。さらに最近環境面で期待されて
いるハイブリッド自動車や電気自動車等が今後普及して
いくには、上記蓄電素子の大型化、高性能化が望まれて
いる。電池の中では特にLi一次電池やLiイオン二次
電池のような非水系電池がその高電圧、高エネルギー密
度という特徴から伸びている。また、高比表面積の活性
炭電極を分極性電極に用いた電気二重層コンデンサもそ
の高パワー密度という特徴から伸びている。
【0003】これら蓄電素子に用いられる電解質材料の
要求特性としては、高イオン伝導度、広い電気化学的安
定範囲、各種電極への含浸性、耐熱性、耐環境性、安全
性等が挙げられる。現在、特に非水系蓄電素子であるL
i(イオン)電池や非水系電気二重層コンデンサが高電
圧、高エネルギー密度として注目されているが、これら
に用いられる電解質材料は非水系の欠点である低イオン
伝導性を改善すること、高電圧使用に耐えうるように電
気化学的安定範囲がひろいことが特に要求される。
【0004】例えば溶媒として、アミド、ウレタン、イ
ミド及びウレア構造から選ばれる構造等を部分構造とし
て有する窒素化合物を用いた電解質材料は極性、誘電率
が高い為に高イオン伝導度であるが、逆に電気化学的安
定性、特に還元側の電気化学的安定性が劣る為、あまり
使われていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、極性、誘
電率が高い為に高イオン伝導度である電解質材料に好適
なアミド、ウレタン、イミド及びウレア構造から選ばれ
る構造等を部分構造として有する窒素化合物を用いた電
解質材料の電気化学的安定性を改善することにより、優
れた液体、固体またはゲル系電解質を提供することを特
徴とする。また、本発明は上記窒素化合物系電解質を用
いた高容量、高電流で作動でき、高寿命で信頼性に優れ
た一次電池及び二次電池を提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は上記窒素化合物系電解質を用いた
出力電圧が高く、取り出し電流が大きく、加工性が良好
で、高寿命で信頼性に優れる電気二重層コンデンサを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意検討した結果、アミド、ウレタン、
イミド及びウレア構造から選ばれる構造を部分構造とし
て有する窒素化合物を含む電解質材料にホウ素化合物を
添加することにより、アミド、ウレタン、イミド及びウ
レア構造から選ばれる構造を有する化合物の電気化学的
安定範囲が広くなり、高性能な電解質を実現できた。
【0007】さらに上記電解質を用いることにより、高
容量、高電流で作動でき、高寿命で信頼性に優れた一次
電池及び二次電池並びに出力電圧が高く、取り出し電流
が大きく、加工性が良好で、高寿命で信頼性に優れる電
気二重層コンデンサを完成するに至った。すなわち本発
明は、以下の電解質材料、この電解質材料を用いた電
池、電気二重層コンデンサを提供する。
【0008】1)窒素化合物を含む電解質材料にホウ素
化合物が添加されていることを特徴とする電気化学素子
用電解質材料、 2)下記の一般式(1)
【0009】
【化5】 〔式中、R1は水素原子、炭素数10以下のアルキル
基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下の
アルコキシアルキル基を表し、直鎖状、分岐状または環
状のいずれの構造を有するものでもよく;Xは酸素原
子、NR(Rは水素原子、炭素数10以下のアルキル
基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下の
アルコキシアルキル基を表し、直鎖状、分岐状または環
状のいずれの構造を有するものでもよい。)またはイオ
ウ原子を表し;同一分子中に存在する複数のR1、Rは
同一でも異なっていてもよく;m及びnは独立に0また
は1であるが、(m,n)=(1,1)の組み合わせは
除く。〕で表される構造を部分構造として有する窒素化
合物を含む電解質材料にホウ素化合物が添加されている
ことを特徴とする電気化学素子用電解質材料、 3)アミド、イミド、ウレタン及びウレア構造から選ば
れる構造を部分構造として有する窒素化合物を含む電解
質材料にホウ素化合物が添加されていることを特徴とす
る前記1)または2)に記載の電気化学素子用電解質材
料、 4)下記の一般式(2)、(3)、(4)、(5)
【0010】
【化6】 (式中、R2、R3は水素原子、炭素数10以下のアルキ
ル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下
のアルコキシアルキル基を表わし、直鎖状、分岐状また
は環状のいずれの構造を有するものでもよく、同一分子
中に存在する複数のR2、R3は同一でも異なっていても
よい。)で表されるアミド、イミド、ウレタン及びウレ
ア構造から選ばれる構造を部分構造として有する窒素化
合物を含む電解質材料にホウ素化合物が添加されている
ことを特徴とする前記3)に記載の電気化学素子用電解
質材料、 5)ホウ素化合物の添加量がアミド、イミド、ウレタ
ン、及びウレア構造から選ばれる構造を部分構造として
有する窒素化合物の窒素原子に対して0.1倍当量から
5倍当量の範囲であることを特徴とする前記1)乃至
4)のいずれかに記載の電気化学素子用電解質材料、 6)窒素化合物が重合性官能基を有する重合性化合物で
あることを特徴とする前記1)乃至5)のいずれかに記
載の電気化学素子用電解質材料、 7)窒素化合物が下記の一般式(6)
【0011】
【化7】 〔式中、R6はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1
0以下の2価基で直鎖状、分岐状または環状のいずれの
構造を有するものでもよく;R4は水素原子、炭素数1
0以下のアルキル基を表し;R5は水素原子、炭素数1
0以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、
炭素数10以下のアルコキシアルキル基を表し、直鎖
状、分岐状または環状のいずれの構造を有するものでも
よく;Xは酸素原子、NR(Rは水素原子、炭素数10
以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭
素数10以下のアルコキシアルキル基を表し、直鎖状、
分岐状または環状のいずれの構造を有するものでもよ
い。)またはイオウ原子を表し、同一分子中に存在する
複数のR5、Rは同一でも異なっていてもよく;pは0
または1〜10の整数;q及びrは独立に0または1で
あるが、(q,r)=(1,1)の組み合わせは除
く。〕で表される構造を部分構造として有する重合性化
合物であることを特徴とする前記6)に記載の電気化学
素子用電解質材料、 8)ウレタンまたはウレア構造を部分構造として有する
窒素化合物が下記の一般式(7)で表されるウレタンア
クリレート系重合性官能基及び/または下記の一般式
(8)で表されるウレアアクリレート系重合性官能基を
有する重合性化合物であることを特徴とする前記6)ま
たは7)に記載の電気化学素子用電解質材料、
【0012】
【化8】 (式中、R6、R7は独立にヘテロ原子を含んでいてもよ
い炭素数10以下の2価基で直鎖状、分岐状または環状
のいずれの構造を有するものでもよく;R4は水素原
子、炭素数10以下のアルキル基を表し;R5、R8は水
素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下
のアルコキシ基、炭素数10以下のアルコキシアルキル
基を表し、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を
有するものでもよく;pは0または1〜10の整数を示
す。但し、同一分子中に複数個の上記一般式(7)及び
/または一般式(8)で表される重合性官能基が含まれ
る場合、それぞれの重合性官能基中のR4、R5、R6
7、R8及びpは、同一でもよいし異なってもよい。) 9)重合性化合物を重合し硬化させた前記7)または
8)に記載の電気化学素子用電解質材料、 10)ホウ素化合物が熱的に安定で、電気化学的安定な
化合物であることを特徴とする前記1)乃至9)のいず
れかに記載の電気化学素子用電解質材料、 11)ホウ素化合物がホウ酸エステル、テトラフルオロ
ホウ素塩または有機ホウ素塩のいずれかであることを特
徴とする前記1)乃至10)のいずれかに記載の電気化
学素子用電解質材料、 12)ホウ素化合物がホウ酸エステルまたはテトラフル
オロホウ素塩であることを特徴とする前記1)乃至1
1)のいずれか記載の電気化学素子用電解質材料、 13)炭酸エステル類、脂肪族エステル類、エーテル
類、ラクトン類、スルホキシド類、アミド類から選ばれ
る少なくとも一種の有機溶媒を含むことを特徴とする前
記1)乃至12)いずれかに記載の電気化学素子用電解
質材料、 14)有機溶媒の含有量が重合性化合物に対して200
質量%以上1500質量%以下の範囲にあることを特徴
とする前記13)に記載の電気化学素子用電解質材料、 15)電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アンモニウム
塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、プロトン酸から
選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記
1)乃至14)のいずれかに記載の電気化学素子用電解
質材料、 16)少なくとも一種の電解質塩がLi塩であることを
特徴とする前記15)に記載の電気化学素子用電解質材
料、 17)少なくとも一種の電解質塩がLiPF6、LiB
4、LiAsF6、及びLiN(A−SO22(式中、
Aは炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基を
表わす。)から選択される化合物であることを特徴とす
る前記16)に記載の電気化学素子用電解質材料、 18)前記1)乃至17)のいずれかに記載の電解質材
料を用いた電気化学素子、 19)前記1)乃至17)のいずれかに記載の電解質材
料を用いた電池、 20)前記19)に記載の電解質材料を用いたLi一次
またはLi二次電池、及び 21)前記1)乃至17)のいずれかに記載の電解質材
料を用いた電気二重層コンデンサ。
【0013】
【発明の実施の形態】
【0014】(1)電解質 本発明の電解質は溶媒及び電解質塩、場合によっては高
分子を含んでいてもよい。これらの材料のいずれかにア
ミド、イミド、ウレタン及びウレア構造から選ばれる構
造を部分構造として有する窒素化合物を含み、さらにホ
ウ素化合物が添加されていることを特徴とする。
【0015】(1−1)溶媒 本発明の溶媒としては、高誘電率、低粘性で電解質塩の
溶解性が高く、沸点が70℃以上であり、電気化学的安
定範囲が広い化合物が好ましい。特に電気化学的安定範
囲の広さから水溶液よりも非水系が好ましい。アミド、
イミド、ウレタン及びウレア構造から選ばれる構造を部
分構造として有する溶媒としては、ジメチルホルムアミ
ド、N−エチルカルバミン酸メチル、N,N−ジエチル
カルバミン酸メチル、N,N’−ジエチルウレア等が挙
げられ、これらは高誘電率で低粘性という点で好まし
い。その他の溶媒としても、高誘電率、低粘性で電解質
塩の溶解性が高く、沸点が70℃以上であり、電気化学
的安定範囲が広い溶媒が適している。さらに、含有水分
量が低い有機溶媒(非水有機溶媒)がより好ましい。
【0016】そのような溶媒としては、トリエチレング
リコールメチルエーテル、テトラエチレングリコールジ
メチルエーテル等のオリゴエーテル類;エチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、炭酸ビニレン等の炭酸エステル類;プロピオン酸メ
チルや蟻酸メチル等の脂肪族エステル類;ベンゾニトリ
ル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ジメチルホル
ムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;スル
ホラン等の硫黄化合物;N−メチルピロリドン、N−ビ
ニルピロリドン、リン酸エステル類等が挙げられる。こ
の中で、炭酸エステル類、脂肪族エステル類、エーテル
類が好ましく、カーボネート類が特に好ましい。これら
は単独で用いてもよいし、2種類以上混合した混合溶媒
として用いてもよい。重合性化合物に用いる溶媒量はイ
オン伝導度など電気特性、粘性などの点から、該溶媒は
重合性化合物に対して約200質量%以上含有させるこ
とができるが、約200質量%以上約1500質量%以
下の範囲に含有させるのが好ましい。
【0017】(1−2)高分子及びそれを得る為の重合
性化合物 本発明の電解質に高分子材料を用いることにより、高分
子固体電解質及び/または高分子ゲル電解質とすること
ができる。その場合、高分子を他の電解質材料と直接混
合する方法や、重合性化合物を混合後に重合し高分子化
するという方法が挙げられる。電解質を電極等の他の材
料と複合する場合や素子化する場合には後者の方法がプ
ロセス的、コスト的にも有利であり好ましい。用いる高
分子及び/または重合性化合物としては、高誘電率、低
粘性で電解質塩の溶解性が高く、電気化学的安定範囲が
広い化合物が好ましい。重合性化合物は重合しやすいと
いう特性も重要である。
【0018】そのような観点から用いる高分子としては
下記の一般式(7)で表されるウレタンアクリレート系
重合性官能基及び/または下記の一般式(8)で表され
るウレアアクリレート系重合性官能基を有する重合性化
合物を重合することにより得られる材料が好ましい。
【0019】
【化9】 (式中、R6、R7は独立にヘテロ原子を含んでいてもよ
い炭素数10以下の2価基で直鎖状、分岐状または環状
のいずれの構造を有するものでもよく;R4は水素原
子、炭素数10以下のアルキル基を表し;R5、R8は水
素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下
のアルコキシ基、炭素数10以下のアルコキシアルキル
基を表し、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を
有するものでもよく;pは0または1〜10の整数を示
す。但し、同一分子中に複数個の上記一般式(7)及び
/または一般式(8)で表される重合性官能基が含まれ
る場合、それぞれの重合性官能基中のR4、R5、R6
7、R8及びpは、同一でもよいし異なってもよい。)
【0020】一般式(7)及び/または(8)で示され
るいずれか一つの官能基を有する重合性化合物の中で、
7がオキシアルキレン、フルオロカーボン、オキシフ
ルオロカーボン及び/またはカーボネート基を含む2価
の基で示されるいずれか一つの官能基を有する重合性化
合物が特に好ましい。これらはウレタン及び/またはウ
レア構造を有する(メタ)アクリレート構造とオキシア
ルキレン、フルオロカーボン、オキシフルオロカーボン
及び/またはカーボネート基を含む部分とからなる。
(メタ)アクリレート構造は、重合反応により架橋また
は主鎖を形成する。ウレタン及び/またはウレア基、オ
キシアルキレン、フルオロカーボン、オキシフルオロカ
ーボン、カーボネート基を含む部分は重合後、架橋及び
/または側鎖構造を形成する。これらの構造においてヘ
テロ原子が誘電率を大きくし、電解質塩のイオン化を促
進させ、電解質のイオン伝導性を向上させるとともに、
ラジカル重合における硬化性をも促進させる。この結
果、少ない重合開始剤添加量においても残存2重結合が
非常に少なく重合が完全に進む。
【0021】式(7)あるいは式(8)のR7に含まれ
るオキシアルキレンは特に制限されないが、好ましくは
次式
【0022】
【化10】 で表される構造を含むオリゴ乃至ポリオキシアルキレン
鎖である。上記式中、R8は水素原子または炭素数10
以下のアルキル側鎖である。アルキル側鎖としては好ま
しくはメチル基である。繰り返し数sは1〜1000、好ま
しくは1〜50の範囲の整数である。もっとも、R8
各繰り返し単位ごとに異なっていても良い 。
【0023】式(7)あるいは式(8)のR7に含まれ
るフルオロカーボンは特に制限されないが、好ましくは
炭素数20以下のアルキレン鎖において炭素に結合する
水素がフッ素で置換されたものである。炭素鎖の骨格は
直鎖状、分岐状、環状のいずれの構造を有するものでも
よい。
【0024】式(7)あるいは式(8)のR7に含まれ
るオキシフルオロカーボンは特に制限されないが、好ま
しくは次式
【0025】
【化11】 で示される構造を含むオリゴ乃至ポリオキシフルオロカ
ーボン鎖である。上記式中、R9はフッ素原子、または
炭素数10以下のフルオロカーボン側鎖である。フルオ
ロカーボン側鎖としては、好ましくはペルフルオロメチ
ル基である。繰り返し数tは1〜1000、好ましくは1〜
50の範囲の整数である。もっとも、R9は各繰り返し
単位ごとに異なっていても良い。
【0026】式(7)あるいは式(8)のR7に含まれ
るカーボネート基は特に制限されないが、好ましくは次
【0027】
【化12】 で示されるポリまたはオリゴカーボネート鎖である。上
記式中、R10は炭素数が1〜10の鎖状、分岐状及び/
または環状の、ヘテロ原子を含んでいてもよい2価の基
を表わし、uは1〜10の整数であり、wは2〜1000の
整数である。上記一般式でuが10を越えると、高分子
化合物中のカーボネート基が少なくなり、誘電率が低下
し、電解質塩が解離しにくくなり好ましくない。好まし
いuは1〜5である。
【0028】上記一般式でR10の炭素数が多すぎると、
高分子化合物中のカーボネート基が少なくなり、誘電率
が低下し、電解質塩が解離しにくくなり好ましくない。
また、高分子化合物の疎水性が増加し、各種極性溶媒と
の相溶性が低下し、好ましくない。好ましいR10の炭素
数は1〜6であり、更に好ましくは1〜4である。繰り
返し数wは2〜1000の範囲であり、3〜100の範囲が
好ましく、5〜50が特に好ましい。
【0029】なお、式(7)あるいは式(8)のR7
残りの部分は、上記いずれの場合においても、直鎖状、
分岐状もしくは環状のいずれの構造を含んでもよく、発
明の目的に反しない限りにおいてヘテロ原子を含んでも
よい。また、式(7)、(8)のR6は、好ましくは −(CH2)y(CH(CH3))z− である。式中、y及びzはそれぞれ0または1〜5の整
数を示す。但しy=z=0のときはy=0である。(O
6)pにおいてpが2以上の場合、−CH2−と−CH
(CH3)−はそれぞれが連続せずに不規則に配列しても
よい。
【0030】式(7)で表わされる重合性官能基を有す
る重合性化合物の製造方法は特に限定されないが、例え
ばR7にオキシアルキレン基を有する化合物の合成方法
としては
【0031】
【化13】 (式中、R4、R6、pは一般式(7)と同じ。)で表さ
れるイソシアネート化合物と末端にヒドロキシル基を有
するオリゴオキシアルキレンオールとを反応させること
により容易に得ることができる。
【0032】式(8)で表わされる重合性官能基を有す
る重合性化合物の製造方法は特に限定されないが、例え
ばR7にオキシアルキレン基を有する化合物の合成方法
としては
【0033】
【化14】 (式中、R4、R6、pは一般式(8)と同じ。)で表さ
れるイソシアネート化合物と末端に一級及び/または二
級アミノ基を有するアミノオリゴオキシアルキレンとを
反応させることにより容易に得ることができる。
【0034】上記重合性化合物は、重合開始剤の存在
下、加熱や紫外線、電子線等の活性光線照射により重合
して高分子固体電解質及び/または高分子ゲル電解質を
形成する。重合性化合物はそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ここで、重
合性官能基を1つしか有さない化合物を重合してできる
高分子は、架橋構造を有しておらず膜強度不足のため、
薄膜にすると短絡する場合がある。したがって、重合性
官能基を2つ以上有する重合性化合物と共重合し、架橋
させるか、重合性官能基を2つ以上有する重合性化合物
から得られる高分子と併用することが好ましい。これら
高分子を薄膜として使用する場合、その強度を考慮し
て、1分子中に含まれる重合性官能基の数は、3つ以上
がより好ましい。
【0035】前記一般式(7)及び/または(8)で表
される重合性官能基を有する重合性化合物以外の重合性
化合物としては、特に制限はない。例えば、メタクリル
酸メチル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル;各種ウレタンアクリレート;アク
リルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、炭酸
ビニレン、(メタ)アクリロイルカーボネート、N−ビ
ニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、メタクリロ
イルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合
物;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合
物;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド
等のN−ビニルアミド系化合物;エチルビニルエーテル
等のアルキルビニルエーテルを挙げることができる。
【0036】(1−3)電解質塩 本発明で用いる電解質の種類は特に限定されるものでは
なく、電荷でキャリアーとしたいイオンを含んだ電解質
を用いればよいが、電解質中特に非水電解質中での解離
定数が大きいことが望ましい。
【0037】これらの中でアミド、イミド、ウレタン及
びウレア構造から選ばれる構造を部分構造として有する
電解質塩としては、LiN(CF3SO2)2、LiN(CF
3CF2SO2)2、[(C25)4N][N(CF3SO2)2]、L
iN(CF3CF2SO2)2などのパーフロロアルカンスル
ホン酸イミド塩、LiN(CF3CO)2、LiN(CF3
2CO)2、[(C25)4N][N(CF3CO)2]、LiN
(CF3CF2SO2)2などのパーフロロアルカンカルボン
酸イミド塩が挙げられる。特に非水溶媒中での解離定数
の大きさから、パーフルオロアルカンスルホン酸イミド
塩が好ましい。
【0038】その他の電解質塩としてはLiCF3
3、NaCF3SO3、KCF3SO3などのトリフロロ
メタンスルホン酸のアルカリ金属塩;LiPF6、Na
PF6、KPF6などのヘキサフロロ燐酸のアルカリ金属
塩;LiClO4、NaClO4などの過塩素酸アルカリ
金属塩;LiBF4、NaBF4などのテトラフロロ硼酸
塩;LiSCN、LiAsF6、LiI、NaI、Na
AsF6、KIなどのアルカリ金属塩などが例示され
る。アンモニウム塩としては過塩素酸テトラエチルアン
モニウムなどの過塩素酸の四級アンモニウム塩;(C2
54NBF4などのテトラフロロ硼酸の四級アンモニ
ウム塩;(C254NPF6などの四級アンモニウム
塩、(CH34P・BF4、(C254P・BF4など
の4級ホスホニウム塩などが例示される。これら電解質
の中では、有機溶媒中での溶解性、イオン伝導度から、
LiPF6、LiBF4、LiAsF6、パーフロロアル
カンスルホン酸イミドのアルカリ金属塩や四級アンモニ
ウム塩が好ましい。本発明の電解質中の溶媒及び/また
は高分子成分と電解質塩の複合比は、溶媒及び/または
高分子の質量に対し、電解質0.1〜50質量%が好まし
く、1〜30質量%がさらに好ましい。複合に用いる電
解質が50質量%以上の比率で存在すると、イオンの移
動が大きく阻害され、逆に0.1質量%以下の比率では、
イオンの絶対量が不足となってイオン伝導度が小さくな
る。
【0039】(1−4)ホウ素化合物 本発明では窒素化合物を含む電解質にホウ素化合物を添
加することを特徴とする。添加により窒素化合物の高誘
電率を維持したまま電気化学的安定範囲を広くすること
が見出された。この添加効果の要因は、ホウ素化合物を
添加することにより窒素化合物の窒素原子周辺の各種分
析による構造が特異的に変化することから、ホウ素/窒
素間に特異的な相互作用が起こり、窒素原子が電気化学
的に安定化するものと推定している。添加するホウ素化
合物は特に限定されず、結晶性、液状、非晶質、イオン
性その他種々の化合物が用いられる。窒素化合物との相
互作用を効率的に行う為に、できるだけ分子量が小さ
く、他の電解質材料との相溶性が良好で、電解質中に均
一に混合するものが好ましい。また、他の材料同様に電
気化学的安定性が良好なものが好ましい。
【0040】このような化合物としてはトリアルコキシ
ボランあるいはトリアリロキシボラン(B(O
R)3)、オルガノボロン酸エステル(RB(O
R’)2)、ジオルガノボリン酸エステル(R2BO
R’)等のホウ酸エステル;ホウ酸(H3BO3)、ホウ
酸ナトリウム、ホウ酸カルシウム、アンモニウムホウ酸
塩、金属ホウ酸塩等のホウ素含有無機化合物;テトラフ
ルオロホウ素塩(BF4塩)等のテトラハロゲノボレー
ト;テトラフェニルボレート、ブチルトリフェニルボレ
ート等の有機ホウ素塩が挙げられる。これらの中で電解
質中での相溶性、広い電気化学的安定性という観点でホ
ウ酸エステル、NH4BF4、NaBF4、LiBF4、テ
トラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート等のB
4塩が好ましい。ホウ酸エステルであるトリアルコキ
シボランまたはトリアリロキシボランは、通常、ホウ酸
とアルコールまたはヒドロキシアリールの反応で合成で
きるが、熱的に安定で加水分解性が低く、酸素等に侵さ
れにくいものが好ましく用いられる。そのようなものと
しては一般式(9)
【0041】
【化15】 (式中、R11、R12、R13は各々独立にメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル等のC1〜C10
のアルキル基;ベンジル、エチルフェニル等のC7〜C
20のアルキルフェニル基;1−ナフチル、2−ナフチ
ル、アルコキシフェニル、フェノール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール等のアリール基を表し、R11
12、R13は同一でもよいし異なってもよい。また、R
11、R12がホウ素原子、ホウ素原子に結合している2つ
の酸素原子を含む環状構造を形成していてもよく、R13
を介して複数のホウ酸エステルを有してもよい。)で表
される化合物である。例えば、以下の構造のものが挙げ
られる。
【0042】
【化16】 これらホウ素化合物の添加量はできるだけ多い方が窒素
化合物の安定化に効果があるが、多すぎると電解質のイ
オン伝導度の低下や粘度向上等の問題が生じるので好ま
しくない。好ましい添加量としては、窒素化合物中の窒
素原子の数に対して、ホウ素化合物中のホウ素原子の数
が0.1から5倍当量程度であり、0.5から3倍当量
程度がさらに好ましい。
【0043】(1−5)無機微粒子 以上、本発明の電解質の構成成分を列挙したが、本発明
の目的を損なわない限り、他の成分を添加することも可
能である。例えば、各種無機微粒子を添加した複合電解
質として使用でき、溶媒保持性や熱安定性が改善され、
耐久性、安全性、信頼性が改善される。また、高分子固
体電解質や高分子ゲル電解質に添加した場合には、膜と
した場合の強度や熱安定性、溶媒保持性が向上する。ま
た、場合によっては液、固体、ゲル系電解質に限らず、
無機微粒子と他材料との相互作用により、逆にイオン伝
導度、移動度を増加することもある。使用する無機微粒
子としては非電子伝導性、電気化学的に安定なものが選
ばれる。またイオン伝導性で有ればさらに好ましい。具
体的にはα、β、γ−アルミナ、シリカ等のイオン伝導
性または非電導性セラミックス製微粒子が挙げられる。
【0044】複合電解質の電解液保持性向上や固体系の
場合の強度の観点から、無機微粒子は一次粒子が凝集し
た二次粒子構造をもつものが好ましい。このような構造
を持つ無機微粒子の具体例としてはアエロジル(日本ア
エロジル(株)製)のようなシリカ超微粒子、アルミナ
超微粒子が挙げられ、安定性、複合効率からアルミナ超
微粒子がさらに好ましい。電解質中の電解質含有液の保
有量を多くし、イオン伝導性、移動度を増加させるとい
う目的では、無機微粒子の比表面積はできるだけ大きい
ことが好ましく、BET法で約5m2/g以上が好まし
く、約50m2/g以上がさらに好ましい。
【0045】このような無機微粒子のサイズとしては、
重合性組成物と混合できれば特に限定はないが、平均粒
径としては0.01μm〜100μm程度が好ましく、0.01
μm〜20μm程度がさらに好ましい。また、形状とし
ては球形、卵形、立方体状、直方体状、円筒ないし棒状
等の種々の形状のものを用いることができる。無機微粒
子の添加量は多すぎると電解質のイオン伝導性低下、粘
度増大、強度低下等の問題を生じる。従って好ましい添
加量としては、電解質に対して50質量%程度以下が好
ましく、0.1から30質量%程度の範囲 が好ましい。
【0046】(2)高分子固体電解質及び/または高分
子ゲル電解質の製造(重合性組成物の重合) 本発明の電解質に高分子材料を用いることにより、高分
子固体電解質及び/または高分子ゲル電解質とすること
ができる。本発明で高分子固体電解質及び/または高分
子ゲル電解質を製造する方法は特に限定されないが、好
ましい製造方法としては重合性化合物及び電解質塩を含
む重合性組成物を調製した後、重合性組成物を重合、硬
化する方法が挙げられる。重合性化合物として前述した
ように、一般式(7)及び/または(8)で表されるウ
レタンアクリレート系及び/またはウレアアクリレート
系重合性官能基を有するものを重合性組成物に用いると
さらに好ましい。
【0047】重合性組成物を硬化する方法としては特に
限定されないが、各種重合開始剤を添加後、加熱及び/
または紫外線、電子線等の活性光線照射により、重合性
組成物重合性化合物を重合する方法が挙げられる。重合
性組成物を加熱で硬化する場合の好ましい硬化条件とし
ては、所望する成形温度、重合性化合物の種類や硬化
性、溶剤の沸点などに応じて過酸化物、アゾ化合物、レ
ドックス開始剤等の熱重合開始剤を選択し、例えば、有
機過酸化物ではその開始剤の活性酸素量
【0048】活性酸素量(質量%)=(有機過酸化物の
量/重合性組成物の量)×(16×過酸化結合の数/有
機過酸化物分子量) が半分になる半減期に要する温度(半減期温度)を参考
に決めることが出来る。重合性組成物中の種々の材料の
熱安定性等を考慮すると硬化条件としては、温度40℃
以上100℃以下、時間20時間以下となるように、最
も適合する開始剤、その他材料を選択する方が好まし
い。重合性組成物を活性光線で硬化する場合も重合性化
合物の種類や硬化性、溶剤の沸点などに応じて重合開始
剤を選択する。これら開始剤は単独または任意の組み合
わせで使用することができ、2種以上組み合わせて使っ
ても差し支えない。重合性組成物(重合開始剤、重合性
化合物、有機溶媒等)の成分の種類や組成によって異な
るが重合抑制剤を使用することができる。本発明の電解
質の使用態様に関しては、以下、電池及び電気二重層コ
ンデンサに関連してより具体的に説明する。
【0049】(3)電池及びその製造方法 本発明の電池として、薄膜電池の一例の概略断面図を図
1に示す。図中、1は正極、2は多孔性セパレータ、3
は負極、4は集電体、5は熱融着高分子フィルム、6は
素子ケース、7は電解質である。
【0050】本発明の電池の構成において、正極1に金
属酸化物、金属硫化物、導電性高分子あるいは炭素材料
のような高酸化還元電位の電極活物質(正極活物質)を
用いることにより、高電圧、高容量の電池が得られる。
このような電極活物質の中では、充填密度が高く体積容
量密度が高くなるという点で、酸化コバルト、酸化マン
ガン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化モリブデン
等の金属酸化物、硫化モリブデン、硫化チタン、硫化バ
ナジウム等の金属硫化物が好ましく、特に酸化マンガ
ン、酸化ニッケル、酸化コバルト等が高容量、高電圧と
いう点から好ましい。
【0051】この場合の金属酸化物や金属硫化物を製造
する方法は特に限定されず、例えば、「電気化学」第2
2巻,第574頁(1954年)に記載されているような、
一般的な電解法や加熱法によって製造される。また、こ
れらを電極活物質としてリチウム電池に使用する場合、
電池の製造時に、例えば、LixCoO2やLixMn
2等の形でLi元素を金属酸化物あるいは金属硫化物
に挿入(複合)した状態で用いるのが好ましい。このよ
うにLi元素を挿入する方法は特に限定されず、例え
ば、電気化学的にLiイオンを挿入する方法や、米国特
許第4,357,215号に記載されているように、Li2CO3
等の塩と金属酸化物を混合、加熱処理することによって
実施できる。
【0052】また柔軟で、薄膜にしやすいという点で
は、導電性高分子が好ましい。導電性高分子の例として
は、ポリアニリン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポ
リパラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びそ
の誘導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジ
ンジイル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及
びその誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレ
ノフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレ
ン、ポリチエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、
ポリナフテニレンビニレン、ポリセレノフェンビニレ
ン、ポリピリジンジイルビニレン等のポリアリーレンビ
ニレン及びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも有機
溶媒に可溶性のポリアニリン誘導体、ポリチエニレン誘
導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニ
レンビニレン誘導体がさらに好ましい。
【0053】本発明の電池の負極3に用いる負極活物質
としては、前述のアルカリ金属、アルカリ金属合金、炭
素材料、金属酸化物や金属カルコゲナイドのようなアル
カリ金属イオンをキャリアーとする低酸化還元電位のも
のを用いることにより、高電圧、高容量の電池が得られ
るので好ましい。このような負極活物質の中では、リチ
ウム金属あるいはリチウム/アルミニウム金属、リチウ
ム/鉛合金、リチウム/アンチモン合金等のリチウム合
金類が最も低酸化還元電位であるため特に好ましい。ま
た炭素材料もリチウムイオンを吸蔵した場合、低酸化還
元電位となり、しかも安定、安全であるという点で特に
好ましい。リチウムイオンを吸蔵放出できる材料として
は、酸化錫のような無機化合物、天然黒鉛、人造黒鉛、
気相法黒鉛、石油コークス、石炭コークス、ピッチ系炭
素、ポリアセン、C60、C70等のフラーレン類等が
挙げられる。
【0054】集電体4は電子伝導性で電気化学的に耐食
性があり、できるだけ比表面積の大きい材料を用いるこ
とが好ましい。例えば、各種金属及びその燒結体、電子
伝導性高分子、カーボンシート等を挙げることができ
る。
【0055】本発明の電池の製造方法の一例について説
明する。正極1、負極3を多孔性セパレータ2を介して
お互いに接触しないように集電体4を含む電池構成用構
造体内に入れる。次に本発明の電解質材料を注入含浸さ
せ電池が得られる。
【0056】また、電解質材料に重合性組成物系電解質
を注入した場合は、注入含浸後に加熱や活性光線照射に
より、重合性組成物を硬化させ固体化及び/またはゲル
化することにより、電極と均一に密着した高分子固体電
解質及び/または高分子ゲル電解質を含む電池が得られ
る。その後、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の絶
縁性樹脂で封止する。なお、前記電池構成用構造体はS
US等の金属、ポリプロピレン、アルミラミネート熱融
着樹脂、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラス等のセラミ
ックス材料であればよいが、特にこれらの材料からなる
ものに限定されるものではなく、また、その形状は、筒
状、箱状、シート状その他いかなる形状でもよい。
【0057】高分子固体電解質及び/または高分子ゲル
電解質を含む電池は本発明の電解質を正極及び/又は負
極に含浸させ、どちらか一方の電極上に本発明の重合性
組成物系電解質を均一な厚みとなるように塗布後、前述
した方法で重合することにより、電極上に均一な厚みの
高分子固体電解質膜及び/または高分子ゲル電解質膜を
形成する方法を採ってもよい。次いで、もう一方の電極
を高分子固体電解質層及び/または高分子ゲル電解質層
に貼り合わせ、電池構成用構造体内に入れ、ポリオレフ
ィン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止すること
により目的の電池を得ることもできる。
【0058】(4)電気二重層コンデンサ及びその製造
方法 次に本発明の電気二重層コンデンサについて説明する。
本発明の前記電解質を用いることにより、出力電圧が高
く、取り出し電流が大きく、あるいは加工性、寿命、信
頼性に優れた電気二重層コンデンサが提供される。
【0059】本発明の電気二重層コンデンサの一例の概
略断面図を図2に示す。この例は、大きさ約1cm×1
cm、厚み約0.5mmの薄型セルで、11は集電体であ
り、集電体の内側には一対の分極性電極8、10が配置
されており、その間に本発明の電解質14が含浸した多
孔性セパレータ9が配置されている。13は素子ケー
ス、12は熱融着高分子フィルムである。
【0060】分極性電極8,10は、炭素材料等の分極
性材料からなる電極であれば良く、比表面積が大きけれ
ば特に制限はない。比表面積の大きいほど電気二重層の
容量が大きくなり好ましい。例えば、ファーネスブラッ
ク、サーマルブラック(アセチレンブラックを含む)、
チャンネルブラック等のカーボンブラック類や、椰子が
ら炭等の活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、気相法で製造し
たいわゆる熱分解黒鉛、ポリアセン及びC60、C70
を挙げることができる。集電体11は電子伝導性で電気
化学的に耐食性があり、できるだけ比表面積の大きい材
料を用いることが好ましい。例えば、各種金属及びその
燒結体、電子伝導性高分子、カーボンシート等を挙げる
ことができる。
【0061】電気二重層コンデンサの形状としては、図
2のようなシート型のほかに、コイン型、あるいは分極
性電極、電解質のシート状積層体を円筒状に捲回し、円
筒管状のコンデンサ構成用構造体に入れ、封止して製造
された円筒型等であっても良い。本発明の電気二重層コ
ンデンサに用いる電解質の種類は特に限定されるもので
はなく、電荷キャリアーとしたいイオンを含んだ化合物
を用いればよいが、高分子固体電解質中での解離定数が
大きく、分極性電極と電気二重層を形成しやすいイオン
を含むことが望ましい。このような化合物としては、
(CH34NBF4、(CH3CH24NClO4等の4
級アンモニウム塩、AgClO4等の遷移金属塩、(C
34PBF4等の4級ホスホニウム塩、LiCF3SO
3、LiPF6、LiClO4、LiI、LiBF4、Li
SCN、LiAsF6、Li(CF3SO 22、NaCF
3SO3、NaPF6、NaClO4、NaI、NaB
4、NaAsF6、KCF3SO3、KPF6、KI等の
アルカリ金属塩、パラトルエンスルホン酸等の有機酸及
びその塩、塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。この
中で、出力電圧が高く取れ、解離定数が大きいという点
から、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、アル
カリ金属塩が好ましい。4級アンモニウム塩の中では、
(CH3CH2)(CH3CH2CH2CH23NBF4のよ
うな、アンモニウムイオンの窒素上の置換基が異なって
いるものが、高分子固体電解質への溶解性あるいは解離
定数が大きいという点から好ましい。
【0062】次に本発明の電気二重層コンデンサの製造
方法の一例について説明する。分極性電極8,10を本
発明の多孔性セパレータ9を介してお互いに接触しない
ように集電体11を含む電気二重層コンデンサ構成用構
造体内に入れる。次に本発明の電解質材料を注入含浸さ
せ電気二重層コンデンサが得られる。また、電解質材料
に重合性組成物系電解質を注入した場合は、注入含浸後
に加熱や活性光線照射により、重合性組成物を硬化させ
固体化及び/またはゲル化することにより、電極と均一
に密着した高分子固体電解質及び/または高分子ゲル電
解質を含む電気二重層コンデンサが得られる。その後、
ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封
止する。
【0063】高分子固体電解質及び/または高分子ゲル
電解質を含む電気二重層コンデンサは本発明の電解質を
2つの分極性電極に含浸させ、どちらか一方の電極上に
本発明の重合性組成物系電解質を均一な厚みとなるよう
に塗布後、前述した方法で重合することにより、電極上
に均一な厚みの高分子固体電解質膜及び/または高分子
ゲル電解質膜を形成する方法を採ってもよい。次いで、
もう一方の電極を高分子固体電解質層及び/または高分
子ゲル電解質層に貼り合わせ、電気二重層コンデンサ構
成用構造体内に入れ、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹
脂等の絶縁性樹脂で封止することにより目的の電気二重
層コンデンサを得ることもできる。なお、前記電気二重
層コンデンサ構成用構造体あるいは前記支持体はSUS
等の金属、ポリプロピレン、アルミラミネート熱融着樹
脂、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラス等のセラミッ
クス材料であればよいが、特にこれらの材料からなるも
のに限定されるものではなく、また、その形状は、筒
状、箱状、シート状その他いかなる形状でもよい。
【0064】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。なお、これらは説明のための単な
る例示であって、本発明はこれらに何等制限されるもの
ではない。
【0065】実施例1:電解質Aの調製 市販のN−エチルカルバミン酸メチル(ECM)をモレ
キュラーシーブ5Aで脱水(含水量50ppm以下)したもの
を1.0g、各電池グレードのジエチルカーボネート(D
EC)5.0g、エチレンカーボネート(EC)2.0g、L
iPF6、1.0g、LiBF4、0.25gをアルゴン雰囲気中
でよく混合し、電解質Aを調製した。この電解質Aの含
水量は20ppmであった。この電解質の25℃、−20℃
でのイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、10.0×10-3、1.5×10- 3S/cmであっ
た。この電解質Aの13C−NMRを測定したところ、E
CMのウレタン結合に帰因する39、65、160ppm
付近の各ピークが2本に分裂しており、ウレタン結合の
構造が変化していることが示唆された。
【0066】比較例1:電解質Bの調製 各電池グレードのDEC、6.0g、EC、2.0g、LiP
6、1.0g、LiBF4、0.25gをアルゴン雰囲気中でよ
く混合し、電解質Bを調製した。この電解質Bの含水量
は18ppmであった。この電解質の25℃、−20℃での
イオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、
それぞれ、7.0×10-3、0.8×10-3S/cmであった。
【0067】比較例2:電解質Cの調製 実施例1と同様のECM、1.0g、各電池グレードのD
EC、5.0g、EC、2.0g、LiPF6、1.25gをアルゴ
ン雰囲気中でよく混合し、電解質Cを調製した。この電
解質Cの含水量は20ppmであった。この電解質の25
℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、それぞれ、10.5×10-3、1.6×10-3
/cmであった。この電解質Cの13C−NMRを測定し
たところ、ECMのウレタン結合に帰因する39、6
5、160ppm付近の各ピークの分裂は見られず、ウレ
タン結合構造は変化していなかった。
【0068】実施例2:電解質Dの調製 常法に準じて合成、脱水したN,N−ジエチルカルバミ
ン酸メチル(DCM、含水量50ppm以下)したもの1.0g、
各電池グレードのDEC、5.0g、EC、2.0g、LiP
6、1.0g、LiBF4、0.25gをアルゴン雰囲気中でよ
く混合し、電解質Dを調製した。この電解質Aの含水量
は20ppmであった。この電解質の25℃、−20℃での
イオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、
それぞれ、9.5×10-3、1.4×10-3S/cmであった。こ
の電解質Dの13C−NMRを測定したところ、DCMの
N−エチルウレタン結合に帰因する45ppm付近のピー
クが2本に分裂しており、160ppm付近のピークが大
きくシフトしており、ウレタン結合の構造が変化してい
ることが示唆された。
【0069】比較例3:電解質Eの調製 実施例2と同様のDCM、1.0g、各電池グレードのD
EC、5.0g、EC、2.0g、LiPF6、1.25gをアルゴ
ン雰囲気中でよく混合し、電解質Cを調製した。この電
解質Cの含水量は20ppmであった。この電解質の25
℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法にて
測定したところ、それぞれ、10.0×10-3、1.5×10-3
/cmであった。この電解質Eの13C−NMRを測定し
たところ、DCMのN−エチルウレタン結合に帰因する
45、65、160ppm付近のピークの変化はなく、N
−エチルウレタン結合の構造が変化していなかった。
【0070】実施例3:コバルト酸リチウム正極の製造 11gのLi2CO3と24gのCo34を良く混合し、
酸素雰囲気下、800℃で24時間加熱後、粉砕するこ
とによりLiCoO2粉末を得た。このLiCoO2粉末
とアセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比
8:1:1で混合し、さらに過剰のN−メチルピロリド
ン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を約5
0μmのアルミ箔上に、約75μmの厚さになるように
塗布加圧成形し、コバルト酸リチウム正極シートを得
た。このシートを36mm角に切断し、電池用の正極と
した。
【0071】実施例4:黒鉛負極の製造 大阪ガス(株)製MCMB黒鉛、昭和電工(株)製気相
法黒鉛繊維(平均繊維径:0.3μm,平均繊維長:2.0μ
m,2,700℃熱処理品)、ポリフッ化ビニリデンの重量
比8.6:0.4:1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリド
ン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を約1
00μmの銅箔上に約85μmの厚さに塗布加圧成形
し、黒鉛負極シートを得た。このシートを40mm角に
切断し、電池用の負極とした。
【0072】実施例5:Liイオン二次電池の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例4で製造
したシート状の黒鉛負極及び実施例3で製造したシート
状のコバルト酸リチウム正極及び42mm角のポリオレフ
ィンマイクロポーラスフィルムを実施例1で調製した電
解質A中に静置し含浸させた後、この正極と負極を、ポ
ーラスフィルムを介在させて貼り合わせた。この際、ポ
ーラスフィルムが正負極のエッジ(4辺)からそれぞれ
若干はみ出すよう貼り合わせた。これをPP/Al/P
ET3層ラミネートで作製した袋(外装体)に入れ、両
面から1.1mm厚のガラス板を用いて加圧しながら熱融
着で封口し、図1に示すような薄型Liイオン二次電池
を得た。この電池を、25℃及び−20℃で、作動電圧
2.75〜4.1V、電流7mAで充放電したところ、最大放
電容量は29.5mAh、24.0mAhであった。そ
の際の充放電クーロン効率はほぼ100%であった。ま
た、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、充 電7mA、放電
35mAで充放電を繰り返したところ、最大放電容量は
29.0mAhで、300サイクルを越えても容量の極
端な低下は見られず初期容量の80%以上であった。
【0073】比較例4:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに比較例1で調製し
た電解質Bを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、15.0
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は28.0mAhで、300サイ
クルを越えても容量の極端な低下は見られず初期容量の
80%以上であった。
【0074】比較例5:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに比較例2で調製し
た電解質Cを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、26.0
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は29.0mAhで、200サイ
クルで初期容量の50%以下まで低下した。
【0075】実施例6:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに実施例2で調製し
た電解質Dを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、21.0
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は28.5mAhで、300サイ
クルを越えても容量の極端な低下は見られず初期容量の
80%以上であった。
【0076】比較例6:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに比較例3で調製し
た電解質Eを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、22.0
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は28.5mAhで、300サイ
クルで初期容量の70%まで低下した。
【0077】実施例6:電解質Fの調製 常法に準じて、1,3−プロパンジオールとホウ酸また
はBCl3を作用させて合成した以下の構造の化合物B
Eを合成し、モレキュラーシーブ5Aで脱水した。
【0078】
【化17】 実施例1と同様のECM、1.0g、各電池グレードのD
EC、5.0g、EC、2.0g、化合物BE、0.25g、LiP
6、1.25gをアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解質F
を調製した。この電解質Fの含水量は20ppmであった。
この電解質の25℃、−20℃でのイオン伝導度をイン
ピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、10.0×10
-3、1.4×10-3S/cmであった。
【0079】実施例7:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに実施例6で調製し
た電解質Fを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、24.0
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は28.5mAhで、300サイ
クルを越えても容量の極端な低下は見られず、初期容量
の80%以上であった。
【0080】実施例8:電解質Gの調製 各電池グレードのDEC、5.5g、EC、2.5g、Li・
N(SO2CF2CF3 2(LiBETI)、2.0g、Li
PF6、0.2g、LiBF4、0.25gをアルゴン雰囲気中で
よく混合し、電解質Gを調製した。この電解質Gの含水
量は23ppmであった。この電解質の25℃、−20℃で
のイオン伝導度をインピーダンス法にて測定したとこ
ろ、それぞれ、9.5×10-3、1.6×10-3S/cmであっ
た。
【0081】比較例7:電解質Hの調製 各電池グレードのDEC、5.5g、EC、2.5g、Li・
N(SO2CF2CF3 2(LiBETI)、2.25g、L
iPF6、0.2gをアルゴン雰囲気中でよく混合し、電解
質Hを調製した。この電解質Hの含水量は23ppmであっ
た。この電解質の25℃、−20℃でのイオン伝導度を
インピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、10.0
×10-3、1.6×10-3S/cmであった。
【0082】実施例9:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに実施例8で調製し
た電解質Gを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。
【0083】この電池を、25℃及び−20℃で、作動
電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電したところ、最
大放電容量は29.5mAh、21.5mAhであっ
た。その際の充放電クーロン効率はほぼ100%であっ
た。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、充 電7m
A、放電35mAで充放電を繰り返したところ、最大放
電容量は27.5mAhで、300サイクルを越えても
容量の極端な低下は見られず、初期容量の80%以上で
あった。
【0084】比較例8:Liイオン二次電池の製造 実施例5で用いた電解質Aの代わりに比較例7で調製し
た電解質Hを用いた以外はアルゴン雰囲気グローブボッ
クス内で実施例5と同様にして、図1に示すような薄型
Liイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−
20℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電
したところ、最大放電容量は29.5mAh、22.5
mAhであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ1
00%であった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1
V、充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返した
ところ、最大放電容量は28.0mAhで、300サイ
クルで、初期容量の80%まで低下した。
【0085】実施例10:重合性化合物(化合物3)の
合成 下記の反応式にしたがい、グリセリンエステルである化
合物1とイソシアネート基を有するメタクリレートであ
る化合物2とを反応させ、以下の手順により、熱重合性
化合物(化合物3)を得た。
【0086】
【化18】 すなわち、化合物1(KOH価34.0mg/g、p/q=
7/3)50.0gと低水分のジメチルカーボネート20g
の混合物を、80℃、真空度3mmHgで減圧共沸さ
せ、ジメチルカーボネートとともに水を留去して、50
gの低水分の化合物1を得た。カールフィッシャー法に
より化合物1の水分を測定したところ30ppmであっ
た。次にこの低水分の化合物1(50g)及び化合物2
(4.6g)を窒素雰囲気中でよく精製したTHF(10
0ml)に溶解した後、0.44gのジブチルチンジラウレ
ートを添加した。その後、15℃で約25時間反応させ
ることにより、無色の粘稠液体を得た。1H−NMR、
13C−NMRから化合物1と化合物2が1対3で反応
し、赤外吸収スペクトルからイソシアナート基の吸収が
消失しウレタン結合が生成し、化合物3が生成している
ことがわかった。
【0087】実施例11:重合性組成物Iの調製 化合物3、1.0gとDEC、8.0g、EC、2.0g、Li
PF6、0.95g、LiBF4、0.05g、及び重合抑制剤
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(ノフ
マーMSD日本油脂(株)製)1.8mg、重合開始剤
としてt−ヘキシルパーオキシピバレート(商品名パー
ヘキシルPV、日本油脂(株)製)18mgをアルゴン
雰囲気中でよく混合し、高分子固体電解質用重合性組成
物Iを得た。この重合性組成物Iをアルゴン雰囲気下、
フッ化カルシウム板(直径2mm、1mm厚)2枚の間
に挟み込み、赤外吸収スペクトル測定用セルを作製し
た。この際、クリアランスを確保するために、5μm厚
のポリイミドフィルムの型枠を用いた。次に、このセル
を温度調製付きホットステージ(メトラー社製、ホット
ステージFP82型)にセットし、FT−IR装置(日
本分光(株)製、バロアー3型)を用いて、セルを加熱
しながら赤外吸収スペクトルを測定し、1630cm-1付近
の不飽和結合に相当するピーク面積から、残存2重結合
の定量を行った。その結果60℃60分加熱後に、残存
2重結合は定量限界の0.1%以下となった。この重合性
組成物I、1gを調製後、アルゴン雰囲気下、25℃で
放置したところ、15時間後に粘性が急に上昇し、組成
物全体の流動性がなくなり固化した。
【0088】実施例12:高分子固体電解質膜Iの調製 実施例11で調製したと同様の重合性組成物Iをアルゴ
ン雰囲気下、ポリプロピレン(PP)フィルム上に30
μm厚に塗布した後さらにPPフィルムを被せ、このP
Pフィルム一対をさらに1.1mm厚のガラス板2枚間に
挟み込んだ。次にこのガラス板組を60℃で60 分加
熱した後、ガラス板とPPフィルムを剥離したところ、
高分子固体電解質膜Iが約30μmの透明な自立膜とし
て得られた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオ
ン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、それ
ぞれ、5.0×10-3、0.5×10-3S/cmであった。
【0089】比較例9:重合性組成物J及び高分子固体
電解質膜Jの調製 化合物3、1.0gとDEC、8.0g、EC、2.0g、Li
PF6、1.00g及び重合抑制剤ノフマーMSD、1.8
mg、重合開始剤としてパーヘキシルPV、18mgを
アルゴン雰囲気中でよく混合し、高分子固体電解質用重
合性組成物Jを得た。この重合性組成物J、1gを調製
後、アルゴン雰囲気下、25℃で放置したところ、12
時間後に粘性が急に上昇し、組成物全体の流動性がなく
なり固化した。この重合性組成物Jをアルゴン雰囲気
下、PPフィルム上に30μm厚に塗布した後さらにP
Pフィルムを被せ、このPPフィルム一対をさらに1.1
mm厚のガラス板2枚間に挟み込んだ。次にこのガラス
板組を60℃で60 分加熱した後、ガラス板とPPフ
ィルムを剥離したところ、高分子固体電解質膜Jが約3
0μmの透明な自立膜として得られた。このフィルムの
25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピーダンス法
にて測定したところ、それぞれ、5.5×10-3、0.7×10 -3
S/cmであった。
【0090】実施例13:重合性組成物Kの調製 化合物3、1.0gとDEC、8.0g、EC、2.0g、Li
BETI、2.0g、LiPF6、0.05g、LiBF4、0.05
g、及び重合抑制剤ノフマーMSD、1.8mg、重合
開始剤としてパーヘキシルPV、18mgをアルゴン雰
囲気中でよく混合し、高分子固体電解質用重合性組成物
Kを得た。この重合性組成物Kをアルゴン雰囲気下、フ
ッ化カルシウム板(直径2mm、1mm厚)2枚の間に
挟み込み、赤外吸収スペクトル測定用セルを作製した。
この際、クリアランスを確保するために、5μm厚のポ
リイミドフィルムの型枠を用いた。次に、このセルを温
度調製付きホットステージ(メトラー社製、ホットステ
ージFP82型)にセットし、FT−IR装置(日本分
光(株)製、バロアー3型)を用いてセルを加熱しなが
ら赤外吸収スペクトルを測定し、1630cm-1付近の不飽
和結合に相当するピーク面積から、残存2重結合の定量
を行った。その結果60℃120分加熱後に、残存2重
結合は定量限界の0.1%以下となった。この重合性組成
物K、1gを調製後、アルゴン雰囲気下、25℃で放置
したところ、16時間後に粘性が急に上昇し、組成物全
体の流動性がなくなり固化した。
【0091】実施例14:高分子固体電解質膜Kの調製 実施例13で調製したと同様の重合性組成物Kをアルゴ
ン雰囲気下、PPフィルム上に30μm厚に塗布した後
さらにPPフィルムを被せ、このPPフィルム一対をさ
らに1.1mm厚のガラス板2枚間に挟み込んだ。次にこ
のガラス板組を60℃で120 分加熱した後、ガラス
板とPPフィルムを剥離したところ、高分子固体電解質
膜Kが約30μmの透明な自立膜として得られた。この
フィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピ
ーダンス法にて測定したところ、それぞれ、5.5×1
0-3、0.7×10-3S/cmであった。
【0092】比較例10:重合性組成物L及び高分子固
体電解質膜Lの調製 化合物3、1.0gとDEC、8.0g、EC、2.0g、Li
BETI、2.0g、LiPF6、0.10g及び重合抑制剤ノ
フマーMSD、1.8mg、重合開始剤としてパーヘキ
シルPV、18mgをアルゴン雰囲気中でよく混合し、
高分子固体電解質用重合性組成物Lを得た。この重合性
組成物L、1gを調製後、アルゴン雰囲気下、25℃で
放置したところ、15時間後に粘性が急に上昇し、組成
物全体の流動性がなくなり固化した。この重合性組成物
Lをアルゴン雰囲気下、PPフィルム上に30μm厚に
塗布した後さらにPPフィルムを被せ、このPPフィル
ム一対をさらに1.1mm厚のガラス板2枚間に挟み込ん
だ。次にこのガラス板組を60℃で120 分加熱した
後、ガラス板とPPフィルムを剥離したところ、高分子
固体電解質膜Lが約30μmの透明な自立膜として得ら
れた。このフィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導
度をインピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、
5.8×10-3、0.8×10-3S/cmであった。
【0093】実施例15:化合物4の合成
【0094】
【化19】 上式に従い、常法で1,3−プロパンジオールに窒素
下、10℃以下で過剰のホスゲンガスを吹き込み、約5
時間反応させ、化合物4を合成した。同定はGC−MS
で行なった。
【0095】実施例16:化合物4のオリゴマー化(化
合物5の合成)
【0096】
【化20】 上式に従い、常法で実施例15で合成した化合物4と
1,3−プロパンジオールとを、ピリジン存在下、25
℃以下、ジクロロメタン中で約6時間反応させた後、過
剰の水を加え、残クロロホルメート末端を水酸基化し、
両末端に水酸基を有するオリゴカーボネート(化合物
5)を合成した。GPC分析により求めた、重量平均分
子量(Mw)、平均繰り返し数zは以下の通りであっ
た。 Mw:〜約1200、z:〜約10。
【0097】実施例17:重合性化合物6の合成
【0098】
【化21】 化合物5(平均分子量1200)(60.0g)及び化合物2
(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTHF(20
0ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウレート(0.
44g)を添加した。その後、25℃で約15時間反応さ
せることにより、無色生成物を得た。その1H−NM
R、IR及び元素分析の結果から、化合物5と化合物2
は1対2で反応し、化合物2のイソシアナート基が消失
し、ウレタン結合が生成しており、化合物6が生成して
いることがわかった。
【0099】実施例18:重合性組成物Mの調製 化合物6、1.0gとDEC、8.0g、EC、2.0g、Li
BETI、2.0g、LiPF6、0.05g、LiBF4、0.05
g、及び重合抑制剤ノフマーMSD、9mg、重合開始
剤としてパーヘキシルPV、18mgをアルゴン雰囲気
中でよく混合し、高分子固体電解質用重合性組成物Mを
得た。この重合性組成物Mをアルゴン雰囲気下、フッ化
カルシウム板(直径2mm、1mm厚)2枚の間に挟み
込み、赤外吸収スペクトル測定用セルを作製した。この
際、クリアランスを確保するために、5μm厚のポリイ
ミドフィルムの型枠を用いた。次に、このセルを温度調
製付きホットステージ(メトラー社製、ホットステージ
FP82型)にセットし、FT−IR装置(日本分光
(株)製、バロアー3型)を用いてセルを加熱しながら
赤外吸収スペクトルを測定し、1630cm-1付近の不飽和
結合に相当するピーク面積から、残存2重結合の定量を
行った。その結果60℃150分加熱後に、残存2重結
合は定量限界の0.1%以下となった。この重合性組成物
M、1gを調製後、アルゴン雰囲気下、25℃で放置し
たところ、24時間後に粘性が急に上昇し、組成物全体
の流動性がなくなり固化した。
【0100】実施例19:高分子固体電解質膜Mの調製 実施例18で調製したと同様の重合性組成物Mをアルゴ
ン雰囲気下、PPフィルム上に30μm厚に塗布した後
さらにPPフィルムを被せ、このPPフィルム一対をさ
らに1.1mm厚のガラス板2枚間に挟み込んだ。次にこ
のガラス板組を60℃で150 分加熱した後、ガラス
板とPPフィルムを剥離したところ、高分子固体電解質
膜Kが約30μmの透明な自立膜として得られた。この
フィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピ
ーダンス法にて測定したところ、それぞれ、4.8×1
0-3、0.7×10-3S/cmであった。
【0101】実施例20:全固体Liイオン二次電池の
製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例4で製造
したと同様のシート状の黒鉛負極及び実施例3で製造し
たと同様のシート状のコバルト酸リチウム正極及び42
mm角のポリオレフィンマイクロポーラスフィルムを実施
例11で調製した重合性組成物I中に静置し含浸させた
後、この正極と負極を、マイクロポーラスフィルムを介
在させて貼り合わせた。これをPP/Al/PET3層
ラミネートで作製した袋(外装体)に入れ、両面から1.
1mm厚のガラス板を用いて加圧しながら熱融着で封口
後、60℃60分加熱し、電極間に高分子固体電解質が
複合された図1に示すような薄型Liイオン二次電池を
得た。この電池を、25℃及び−20℃で、作動電圧2.
75〜4.1V、電流7mAで充放電したところ、最大放電
容量は29.5mAh、14.5mAhであった。その
際の充放電クーロン効率はほぼ100%で、未硬化物や
開始剤分解物由来の反応電流は観測されなかった。ま
た、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、充 電7mA、放電
35mAで充放電を繰り返したところ、最大放電容量は
28.0mAhで、300サイクルを越えても容量の極
端な低下は見られず初期容量の80%以上であった。
【0102】比較例11:全固体Liイオン二次電池の
製造 重合性組成物Iの代わりに、比較例9で調製した重合性
組成物Jを用いた以外は実施例20と同様に電極間に高
分子固体電解質が複合された図1に示すような薄型Li
イオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−20
℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電した
ところ、最大放電容量は29.5mAh、15.5mA
hであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ100
%で、未硬化物や開始剤分解物由来の反応電流は観測さ
れなかった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、充
電7mA、放電35mAで充放電を繰り返したところ、
最大放電容量は28.0mAhで、300サイクルで初
期容量の70%に低下した。
【0103】実施例21:全固体Liイオン二次電池の
製造 重合性組成物Iの代わりに、実施例13で調製した重合
性組成物Kを用いた以外は実施例20と同様に電極間に
高分子固体電解質が複合された図1に示すような薄型L
iイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−2
0℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電し
たところ、最大放電容量は29.5mAh、15.5m
Ahであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ10
0%で、未硬化物や開始剤分解物由来の反応電流は観測
されなかった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、
充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返したとこ
ろ、最大放電容量は28.0mAhで、300サイクル
を越えても容量の極端な低下は見られず初期容量の80
%以上であった。
【0104】比較例12:全固体Liイオン二次電池の
製造 重合性組成物Iの代わりに、比較例10で調製した重合
性組成物Lを用いた以外は実施例20と同様に電極間に
高分子固体電解質が複合された図1に示すような薄型L
iイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−2
0℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電し
たところ、最大放電容量は29.5mAh、15.5m
Ahであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ10
0%で、未硬化物や開始剤分解物由来の反応電流は観測
されなかった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、
充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返したとこ
ろ、最大放電容量は28.0mAhで、300サイクル
で初期容量の65%に低下した。
【0105】実施例22:全固体Liイオン二次電池の
製造 重合性組成物Iの代わりに、実施例18で調製した重合
性組成物Mを用いた以外は実施例20と同様に電極間に
高分子固体電解質が複合された図1に示すような薄型L
iイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−2
0℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電し
たところ、最大放電容量は29.5mAh、18.0m
Ahであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ10
0%で、未硬化物や開始剤分解物由来の反応電流は観測
されなかった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、
充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返したとこ
ろ、最大放電容量は28.5mAhで、300サイクル
を越えても容量の極端な低下は見られず初期容量の80
%以上であった。
【0106】実施例23:重合性化合物8の合成
【0107】
【化22】 化合物7(平均分子量550; RはHまたはCH3
H/CH3のモル比=7/3)(55.0g)及び化合物2
(15.5g)を窒素雰囲気中でよく精製したTHF(10
0ml)に溶解した後、ジブチルチンジラウレート(0.
44g)を添加した。その後、25℃で約15時間反応さ
せることにより、無色生成物を得た。その1H−NM
R、IR及び元素分析の結果から、化合物7と化合物2
は1対1で反応し、化合物2のイソシアナート基が消失
し、ウレア結合が生成しており、化合物8が生成してい
ることがわかった。
【0108】実施例24:重合性組成物Nの調製 化合物8、0.2g、化合物3、0.8gとDEC、8.0g、E
C、2.0g、LiBETI、2.0g、LiPF6、0.05g、
LiBF4、0.05g、及び重合抑制剤ノフマーMSD、1.
8mg、重合開始剤としてパーヘキシルPV、18mg
をアルゴン雰囲気中でよく混合し、高分子固体電解質用
重合性組成物Nを得た。この重合性組成物Nをアルゴン
雰囲気下、フッ化カルシウム板(直径2mm、1mm
厚)2枚の間に挟み込み、赤外吸収スペクトル測定用セ
ルを作製した。この際、クリアランスを確保するため
に、5μm厚のポリイミドフィルムの型枠を用いた。次
に、このセルを温度調製付きホットステージ(メトラー
社製、ホットステージFP82型)にセットし、FT−
IR装置(日本分光(株)製、バロアー3型)を用いて
セルを加熱しながら赤外吸収スペクトルを測定し、1630
cm-1付近の不飽和結合に相当するピーク面積から、残
存2重結合の定量を行った。その結果60℃120分加
熱後に、残存2重結合は定量限界の0.1%以下となっ
た。この重合性組成物N、1gを調製後、アルゴン雰囲
気下、25℃で放置したところ、15時間後に粘性が急
に上昇し、組成物全体の流動性がなくなり固化した。
【0109】実施例25:高分子固体電解質膜Nの調製 実施例24で調製したと同様の重合性組成物Nをアルゴ
ン雰囲気下、PPフィルム上に30μm厚に塗布した後
さらにPPフィルムを被せ、このPPフィルム一対をさ
らに1.1mm厚のガラス板2枚間に挟み込んだ。次にこ
のガラス板組を60℃で120 分加熱した後、ガラス
板とPPフィルムを剥離したところ、高分子固体電解質
膜Nが約30μmの透明な自立膜として得られた。この
フィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピ
ーダンス法にて測定したところ、それぞれ、6.3×1
0-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0110】実施例26:全固体Liイオン二次電池の
製造 重合性組成物Iの代わりに、実施例24で調製した重合
性組成物Nを用いた以外は実施例20と同様に電極間に
高分子固体電解質が複合された図1に示すような薄型L
iイオン二次電池を得た。この電池を、25℃及び−2
0℃で、作動電圧2.75〜4.1V、電流7mAで充放電し
たところ、最大放電容量は29.5mAh、16.5m
Ahであった。その際の充放電クーロン効率はほぼ10
0%で、未硬化物や開始剤分解物由来の反応電流は観測
されなかった。また、25℃で作動電圧2.75〜4.1V、
充 電7mA、放電35mAで充放電を繰り返したとこ
ろ、最大放電容量は28.0mAhで、300サイクル
を越えても容量の極端な低下は見られず初期容量の80
%以上であった。
【0111】実施例27:重合性組成物Oの調製 化合物6、1.0gとプロピレンカーボネート(PC)、
9.0g、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレート(TEMABF4)、2.0g、重合抑制剤ノフマ
ーMSD2.5mg、熱重合開始剤としてパーオクタO
(日本油脂(株)製)25mgをアルゴン 雰囲気中でよ
く混合し、高分子固体電解質用重合性組成物Oを得た。
この重合性組成物Oをアルゴン雰囲気下、フッ化カルシ
ウム板(直径2mm、1mm厚)2枚の間に挟み込み、
赤外吸収スペクトル測定用セルを作製した。この際、ク
リアランスを確保するために、5μm厚のポリイミドフ
ィルムの型枠を用いた。次に、このセルを温度調製付き
ホットステージ(メトラー社製、ホットステージFP8
2型)にセットし、FT−IR装置(日本分光(株)
製、バロアー3型)を用いてセルを加熱しながら赤外吸
収スペクトルを測定し、1630cm-1付近の不飽和結合に
相当するピーク面積から、残存2重結合の定量を行っ
た。その結果60℃60分加熱後に、残存2重結合は定
量限界の0.1%以下となった。この重合性組成物O、1
gを調製後、アルゴン雰囲気下、25℃で放置したとこ
ろ、10時間後に粘性が急に上昇し、組成物全体の流動
性がなくなり固化した。
【0112】実施例28:高分子固体電解質膜Oの調製 実施例27で調製したと同様の重合性組成物Oをアルゴ
ン雰囲気下、PPフィルム上に30μm厚に塗布した後
さらにPPフィルムを被せ、このPPフィルム一対をさ
らに1.1mm厚のガラス板2枚間に挟み込んだ。次にこ
のガラス板組を60℃で150 分加熱した後、ガラス
板とPPフィルムを剥離したところ、高分子固体電解質
膜Nが約30μmの透明な自立膜として得られた。この
フィルムの25℃、−20℃でのイオン伝導度をインピ
ーダンス法にて測定したところ、それぞれ、10.0×1
0-3、1.8×10-3S/cmであった。
【0113】実施例29:活性炭電極の製造 フェノール樹脂焼成品の水蒸気賦活活性炭(比表面積2
010m2/g、平均粒径8μm、細孔容積0.7ml
/g)、昭和電工(株)製気相法黒鉛繊維(平均繊維
径:0.3μm,平均繊維長:2.0μm,2,700℃熱処理
品)、ポリフッ化ビニリデ ンの重量比8.6:0.4:1.0の
混合物に過剰のN−メチルピロリドン溶液を加え、ゲル
状組成物を得た。この組成物を約25μmのアルミ箔上
に約150μmの厚さに塗布加圧成形し、活性炭電極シ
ートを得た。このシートを40mm角に切断し、100
℃で10時間真空乾燥し、電気二重層コンデンサ用活性
炭電極(224.0mg)を得た。
【0114】実施例30:全固体電気二重層コンデンサ
の製造 アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例29で製
造した活性炭電極(224.0mg、40mm角)2
枚、テフロン製マイクロポーラスフィルムセパレータ
(42mm角、25μm、三井フロロケミカル製)を実
施例27で調製した重合性組成物O中に2時間静置し含
浸させた後、2枚の活性炭電極をテフロン製マイクロポ
ーラスフィルムセパレタを介在させて貼り合わせた。こ
れをPP/Al/PET3層ラミネートで作製した袋
(外装体)に入れ、両面から1.1mm厚のガラス板を用
いて加圧しながら熱融着で封口後、60℃60分加熱
し、電極間に高分子固体電解質が複合された図2に示す
ような薄型電気二重層コンデンサを製造した。このコン
デンサを、25℃、−20℃で作動電圧0〜2.5V、
電流7mAで充放電を行なったところ、最大容量はそれ
ぞれ8.8F、4.8Fであった。また、25℃、14
mAで充放電を行ったところ、最大容量は8.7Fで、
その後200回充放電を繰り返してもほとんど容量に変
化はなかった。
【0115】
【発明の効果】本発明の電解質は極性が高く、高誘電率
のアミド、ウレタン、イミド、ウレア構造を部分構造と
して有している窒素化合物を用いているため高イオン伝
導度であり、さらにホウ素化合物を添加することにより
電気化学的安定性が改善された優れた材料である。さら
に、窒素化合物を重合性化合物とすることにより、高イ
オン伝導度で電気化学的安定性に優れ、重合性の良好
な、高分子固体電解質及び/または高分子ゲル電解質に
最適な重合性組成物が得られる。
【0116】本発明の電池は、上記電解質を用いること
により高容量及び高電流で作動でき、高寿命で信頼性に
優れる。さらに上記重合性組成物から得られる高分子固
体電解質及び/または高分子ゲル電解質とすることによ
り、薄膜化が容易であり、さらに正極及び/または負極
及び/またはセパレータの各要素と簡便に複合化できる
ことで、固体系としても高容量及び高電流で作動でき、
高寿命、安全で信頼性に優れる。従って本発明の電池は
サイクル性が良好で信頼性に優れた電池であり、ポータ
ブル機器用主電源、バックアップ電源をはじめとする電
気製品用電源、電気自動車用、ロードレベリング用大型
電源として使用可能である。また、薄膜化が容易にでき
るので、身分証明書用カード等のペーパー電池としても
使用できる。
【0117】本発明の電気二重層コンデンサは上記電解
質を用いたことにより、出力電圧が高く、取り出し電流
が大きく高寿命で信頼性に優れる。さらに上記重合性組
成物から得られる高分子固体電解質及び/または高分子
ゲル電解質とすることにより薄膜化が容易であり、電極
及び/またはセパレータの各要素と簡便に複合化できる
ことで、固体系としても高容量及び高電流で作動でき、
高寿命、安全で信頼性に優れる。従って本発明の電気二
重層コンデンサは、サイクル性が良好で、信頼性に優れ
た電気二重層コンデンサで、このため、バックアップ電
源だけでなく、小型電池との併用で、各種電気製品用電
源として使用可能である。また、薄膜化等の加工性に優
れており、従来の電気二重層コンデンサ以外の用途にも
利用できる。
【0118】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電池の一態様を示す薄型電池の模
式的断面図。
【図2】本発明による薄型電気二重層コンデンサの一態
様を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1 正極 2 多孔性セパレータ 3 負極 4 集電体 5 熱融着高分子フィルム 6 素子ケース 7 電解質 8 分極性電極 9 多孔性セパレータ 10 分極性電極 11 集電体 12 熱融着高分子フィルム 13 素子ケース 14 電解質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/55 C08K 5/55 C08L 33/14 C08L 33/14 H01B 1/12 H01B 1/12 Z H01G 9/038 H01M 6/18 E 9/025 6/22 C H01M 6/18 10/40 B 6/22 H01G 9/00 301D 10/40 301G Fターム(参考) 4J002 BC071 BG041 BG061 BG071 BG131 BJ001 DD037 DG037 DH007 DK006 DK007 EY016 FD010 GQ00 4J100 AB02Q AB03Q AE04Q AL03Q AL08P AL08Q AL16P AM15Q AM19Q AM21Q AN04Q AQ08Q BA07P BA08P BA22P BA22Q BA31Q BA37P BA38P BA38Q BB10P BC79Q CA01 CA04 HA53 HE44 JA43 5G301 CA16 CA30 CD01 CE01 5H024 AA02 CC04 DD09 DD15 EE09 FF14 FF18 FF20 FF21 FF32 FF36 FF38 FF40 GG01 HH01 5H029 AJ02 AJ03 AJ04 AJ05 AJ06 AJ14 AJ15 AK03 AK05 AK06 AK16 AL02 AL04 AL07 AL12 AL16 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 DJ04 DJ09 EJ12 HJ02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素化合物を含む電解質材料にホウ素化合
    物が添加されていることを特徴とする電気化学素子用電
    解質材料。
  2. 【請求項2】下記の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1は水素原子、炭素数10以下のアルキル
    基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下の
    アルコキシアルキル基を表し、直鎖状、分岐状または環
    状のいずれの構造を有するものでもよく;Xは酸素原
    子、NR(Rは水素原子、炭素数10以下のアルキル
    基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下の
    アルコキシアルキル基を表し、直鎖状、分岐状または環
    状のいずれの構造を有するものでもよい。)またはイオ
    ウ原子を表し;同一分子中に存在する複数のR1、Rは
    同一でも異なっていてもよく;m及びnは独立に0また
    は1であるが、(m,n)=(1,1)の組み合わせは
    除く。〕で表される構造を部分構造として有する窒素化
    合物を含む電解質材料にホウ素化合物が添加されている
    ことを特徴とする電気化学素子用電解質材料。
  3. 【請求項3】アミド、イミド、ウレタン及びウレア構造
    から選ばれる構造を部分構造として有する窒素化合物を
    含む電解質材料にホウ素化合物が添加されていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の電気化学素子用電
    解質材料。
  4. 【請求項4】下記の一般式(2)、(3)、(4)、
    (5) 【化2】 (式中、R2、R3は水素原子、炭素数10以下のアルキ
    ル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭素数10以下
    のアルコキシアルキル基を表わし、直鎖状、分岐状また
    は環状のいずれの構造を有するものでもよく、同一分子
    中に存在する複数のR2、R3は同一でも異なっていても
    よい。)で表されるアミド、イミド、ウレタン及びウレ
    ア構造から選ばれる構造を部分構造として有する窒素化
    合物を含む電解質材料にホウ素化合物が添加されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気化学素子用電解
    質材料。
  5. 【請求項5】ホウ素化合物の添加量がアミド、イミド、
    ウレタン、及びウレア構造から選ばれる構造を部分構造
    として有する窒素化合物の窒素原子に対して0.1倍当
    量から5倍当量の範囲であることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の電気化学素子用電解質材料。
  6. 【請求項6】窒素化合物が重合性官能基を有する重合性
    化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の電気化学素子用電解質材料。
  7. 【請求項7】窒素化合物が下記の一般式(6) 【化3】 〔式中、R6はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1
    0以下の2価基で直鎖状、分岐状または環状のいずれの
    構造を有するものでもよく;R4は水素原子、炭素数1
    0以下のアルキル基を表し;R5は水素原子、炭素数1
    0以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、
    炭素数10以下のアルコキシアルキル基を表し、直鎖
    状、分岐状または環状のいずれの構造を有するものでも
    よく;Xは酸素原子、NR(Rは水素原子、炭素数10
    以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基、炭
    素数10以下のアルコキシアルキル基を表し、直鎖状、
    分岐状または環状のいずれの構造を有するものでもよ
    い。)またはイオウ原子を表し、同一分子中に存在する
    複数のR5、Rは同一でも異なっていてもよく;pは0
    または1〜10の整数;q及びrは独立に0または1で
    あるが、(q,r)=(1,1)の組み合わせは除
    く。〕で表される構造を部分構造として有する重合性化
    合物であることを特徴とする請求項6に記載の電気化学
    素子用電解質材料。
  8. 【請求項8】ウレタンまたはウレア構造を部分構造とし
    て有する窒素化合物が下記の一般式(7)で表されるウ
    レタンアクリレート系重合性官能基及び/または下記の
    一般式(8)で表されるウレアアクリレート系重合性官
    能基を有する重合性化合物であることを特徴とする請求
    項6または7に記載の電気化学素子用電解質材料。 【化4】 (式中、R6、R7は独立にヘテロ原子を含んでいてもよ
    い炭素数10以下の2価基で直鎖状、分岐状または環状
    のいずれの構造を有するものでもよく;R4は水素原
    子、炭素数10以下のアルキル基を表し;R5、R8は水
    素原子、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下
    のアルコキシ基、炭素数10以下のアルコキシアルキル
    基を表し、直鎖状、分岐状または環状のいずれの構造を
    有するものでもよく;pは0または1〜10の整数を示
    す。但し、同一分子中に複数個の上記一般式(7)及び
    /または一般式(8)で表される重合性官能基が含まれ
    る場合、それぞれの重合性官能基中のR4、R5、R6
    7、R8及びpは、同一でもよいし異なってもよい。)
  9. 【請求項9】重合性化合物を重合し硬化させた請求項7
    または8に記載の電気化学素子用電解質材料。
  10. 【請求項10】ホウ素化合物が熱的に安定で、電気化学
    的安定な化合物であることを特徴とする請求項1乃至9
    のいずれかに記載の電気化学素子用電解質材料。
  11. 【請求項11】ホウ素化合物がホウ酸エステル、テトラ
    フルオロホウ素塩または有機ホウ素塩のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    電気化学素子用電解質材料。
  12. 【請求項12】ホウ素化合物がホウ酸エステルまたはテ
    トラフルオロホウ素塩であることを特徴とする請求項1
    乃至11のいずれか記載の電気化学素子用電解質材料。
  13. 【請求項13】炭酸エステル類、脂肪族エステル類、エ
    ーテル類、ラクトン類、スルホキシド類、アミド類から
    選ばれる少なくとも一種の有機溶媒を含むことを特徴と
    する請求項1乃至12いずれかに記載の電気化学素子用
    電解質材料。
  14. 【請求項14】有機溶媒の含有量が重合性化合物に対し
    て200質量%以上1500質量%以下の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項13に記載の電気化学素子用電解
    質材料。
  15. 【請求項15】電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アン
    モニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、プロト
    ン酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とす
    る請求項1乃至14のいずれかに記載の電気化学素子用
    電解質材料。
  16. 【請求項16】少なくとも一種の電解質塩がLi塩であ
    ることを特徴とする請求項15に記載の電気化学素子用
    電解質材料。
  17. 【請求項17】少なくとも一種の電解質塩がLiP
    6、LiBF4、LiAsF 6、及びLiN(A−S
    22(式中、Aは炭素数1以上10以下のパーフルオ
    ロアルキル基を表わす。)から選択される化合物である
    ことを特徴とする請求項16に記載の電気化学素子用電
    解質材料。
  18. 【請求項18】請求項1乃至17のいずれかに記載の電
    解質材料を用いた電気化学素子。
  19. 【請求項19】請求項1乃至17のいずれかに記載の電
    解質材料を用いた電池。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の電解質材料を用いた
    Li一次またはLi二次電池。
  21. 【請求項21】請求項1乃至17のいずれかに記載の電
    解質材料を用いた電気二重層コンデンサ。
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