JPH11149703A - 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法 - Google Patents

回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法

Info

Publication number
JPH11149703A
JPH11149703A JP9318492A JP31849297A JPH11149703A JP H11149703 A JPH11149703 A JP H11149703A JP 9318492 A JP9318492 A JP 9318492A JP 31849297 A JP31849297 A JP 31849297A JP H11149703 A JPH11149703 A JP H11149703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
circuit
clv
signal
run
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9318492A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Nakazawa
徹二 中沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9318492A priority Critical patent/JPH11149703A/ja
Priority to US09/193,749 priority patent/US6185172B1/en
Priority to GB9825289A priority patent/GB2331619B/en
Priority to DE19853449A priority patent/DE19853449A1/de
Priority to KR1019980049755A priority patent/KR19990045421A/ko
Publication of JPH11149703A publication Critical patent/JPH11149703A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/20Driving; Starting; Stopping; Control thereof
    • G11B19/28Speed controlling, regulating, or indicating
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B19/00Driving, starting, stopping record carriers not specifically of filamentary or web form, or of supports therefor; Control thereof; Control of operating function ; Driving both disc and head
    • G11B19/20Driving; Starting; Stopping; Control thereof
    • G11B19/24Arrangements for providing constant relative speed between record carrier and head
    • G11B19/247Arrangements for providing constant relative speed between record carrier and head using electrical means
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B20/00Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
    • G11B20/10Digital recording or reproducing
    • G11B20/10009Improvement or modification of read or write signals
    • G11B20/10222Improvement or modification of read or write signals clock-related aspects, e.g. phase or frequency adjustment or bit synchronisation
    • G11B20/1024Improvement or modification of read or write signals clock-related aspects, e.g. phase or frequency adjustment or bit synchronisation wherein a phase-locked loop [PLL] is used
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B20/00Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
    • G11B20/10Digital recording or reproducing
    • G11B20/10009Improvement or modification of read or write signals
    • G11B20/10305Improvement or modification of read or write signals signal quality assessment
    • G11B20/10398Improvement or modification of read or write signals signal quality assessment jitter, timing deviations or phase and frequency errors
    • G11B20/10425Improvement or modification of read or write signals signal quality assessment jitter, timing deviations or phase and frequency errors by counting out-of-lock events of a PLL
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B20/00Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
    • G11B20/10Digital recording or reproducing
    • G11B20/10527Audio or video recording; Data buffering arrangements
    • G11B2020/1062Data buffering arrangements, e.g. recording or playback buffers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B20/00Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
    • G11B20/10Digital recording or reproducing
    • G11B20/12Formatting, e.g. arrangement of data block or words on the record carriers
    • G11B20/1217Formatting, e.g. arrangement of data block or words on the record carriers on discs
    • G11B2020/1218Formatting, e.g. arrangement of data block or words on the record carriers on discs wherein the formatting concerns a specific area of the disc
    • G11B2020/1242Formatting, e.g. arrangement of data block or words on the record carriers on discs wherein the formatting concerns a specific area of the disc the area forming one or more zones, wherein each zone is shaped like an annulus or a circular sector
    • G11B2020/1245CLV zone, in which a constant linear velocity is used
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B20/00Signal processing not specific to the method of recording or reproducing; Circuits therefor
    • G11B20/10Digital recording or reproducing
    • G11B20/14Digital recording or reproducing using self-clocking codes
    • G11B20/1403Digital recording or reproducing using self-clocking codes characterised by the use of two levels
    • G11B20/1423Code representation depending on subsequent bits, e.g. delay modulation, double density code, Miller code
    • G11B20/1426Code representation depending on subsequent bits, e.g. delay modulation, double density code, Miller code conversion to or from block codes or representations thereof
    • G11B2020/14618 to 14 modulation, e.g. the EFM code used on CDs or mini-discs

Abstract

(57)【要約】 【課題】 CLVサーボ制御系の回路構成の簡略化及び
安定した再生動作。 【解決手段】 PLL回路がロックするまで、EFM信
号のエッジ数カウントに基づいて検出したCLV速度カ
ウンタ33のCLV速度情報と比較周波数との誤差に応
じてスピンドルモータ2の回転速度を制御する。この
際、CLVターゲット可変設定回路35Aによって、E
FM信号周波数に基づいて設定された最大値〜最小値の
範囲で上記比較周波数(減算器34への出力)を可変す
るようにして、中心周波数固定で動作しているとされる
PLL回路にロックするようにスピンドルモータ2の回
転速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状記録媒
体を一定線速度で回転駆動することによりデータ再生を
行う再生装置と、このような再生装置に適用される回転
速度制御装置及び回転速度制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)等のディス
クを記録媒体としたシステムが普及している。このよう
なシステムでは、ランレングスリミテッド符号の一種で
あるEFM変調(8−14変調)を施した記録データを
ディスクに記録するようにしている。また、ディスクの
回転動作についてはCLV(線速度一定)方式が採用さ
れている。
【0003】CLV回転サーボのためには、例えば従来
においては、ディスクから読み出したEFM信号をフェ
ーズロックドループ回路(以降PLL(Phase Locked Lo
op)回路という)に注入してクロックを再生し、そのク
ロックをクリスタルにより得られる基準クロックと比較
して回転誤差情報を得る。そしてその回転誤差情報をデ
ィスクを回転させるスピンドルモータに対してフィード
バックすることで、線速度一定の回転状態が得られるよ
うにしている。このようなCLVサーボ回路が機能する
ためには、まずPLL回路がロックし、クロックが正確
に抽出された状態でなければならない。このため、スピ
ンドルモータの立ち上げの際にはまず抽出されるEFM
信号をPLL回路のキャプチャーレンジに引き込むため
のラフサーボ制御を行う構成が必要となる。つまり、デ
ィスク再生装置では、例えばスピンドル回転起動時に
は、まずラフサーボ回路により或る程度の回転サーボ制
御を行ない、その後PLL回路がロックした時点で、C
LVサーボ動作をラフサーボ回路から通常のCLVサー
ボ回路に切り換えるようにしている。
【0004】図13にディスク再生装置におけるCLV
サーボ系の構成を示す。この図に示すようにCLVサー
ボ系は、ラフサーボ回路100及びCLV速度検出回路
110を備えて構成されている。ラフサーボ回路100
においては、先ず、ディスクから再生されたEFM信号
がピット長計測回路101に入力される。EFM信号
は、その符号列の最大反転間隔が11T、最小反転間隔
が3Tとなるように規定されたランレングスリミテッド
符号であるが、上記ピット長計測回路101は、入力さ
れたEFM信号のエッジ間のピット長をクリスタル(X
TAL)による基準測定クロックに基づいて計測し、そ
の計測値の情報を最大値ホールド回路102に供給す
る。最大値ホールド回路102では、ピット長計測回路
101から入力されたピット長の測定情報のうちから最
大値をホールドして後段の最小値ホールド回路103に
出力する。最小値ホールド回路103では、最大値ホー
ルド回路102から出力される最大値のうちから最小値
をホールドして出力するようにされる。ここで、最小値
ホールド回路103におけるホールド値は、最大値ホー
ルド回路102にて得られた最大ピット長のうちから、
最小ピット長を取ることになる。即ち、例えばディスク
上の傷などによる読み出しエラー等によって、EFM信
号に11T以上の反転間隔が生じたとしてもそれらがキ
ャンセルされ、ほぼ11Tに近い最大ピット長の情報が
得られることになる。
【0005】このようにして最小値ホールド回路103
では、ある範囲内において最大反転間隔である11Tに
近いピット長の情報が得られることになるが、11T検
出回路104では、最小値ホールド回路103にてホー
ルドされているピット長(反転間隔値)と基準となる1
1Tのピット長とを比較することにより、3値による誤
差信号を出力する。つまり、最小値ホールド回路103
におけるホールド値と基準となる11Tのピット長につ
いて、両者が等しい場合と、基準となる11Tのピット
長の方が大きい場合と、基準となる11Tのピット長の
方が小さい場合とでそれぞれ異なる3値の比較信号を出
力するようにされる。このようにして得られる誤差信号
を引き込みサーボ信号CLV−1として、ここでは図示
しないスピンドルモータに供給することで、CLVのた
めのラフサーボ制御が行われることになる。
【0006】CLV速度検出回路110においては、先
ず、シンクパターン検出回路111が備えられており、
図のようにEFM信号と、クロック抽出のためのPLL
回路(ここでは図示せず)から出力されるクロックに相
当する信号PLCK(例えば4.3218MHz)が入力され
る。ここで、EFM信号の1フレーム(588ビット)
の先頭には24ビットによるシンクパターンがエンコー
ドされており、このシンクパターンは、先頭から11
T,11T,2Tの固定パターンにより形成されてい
る。そして、上記シンクパターン検出回路111では、
信号PLCKを基準クロックとして、入力されたEFM
信号をピット単位でカウントする(即ち588ビットご
とにカウントを行っていく)ことにより、上記シンクパ
ターンを検出する。
【0007】シンクパターン検出回路111の検出出力
は、内挿保護回路112に供給され、例えば、再生信号
のドロップアウトやジッター等の影響により本来の位置
にシンクパターンが検出されなかったり、本来シンクパ
ターンが存在しない位置にシンクパターンが検出された
場合には、シンクパターンの内挿及びウインドウ保護等
の処理を実行する。内挿保護回路112から出力された
シンクパターンの情報は、フレームシンク生成回路11
3及び速度カウンタ114に対して分岐して供給され
る。フレームシンク生成回路113では、入力されたフ
レームシンクの検出信号に基づいてフレームシンク信号
が生成され、このフレームシンク信号は所要の信号処理
等に利用されることになる。また、速度カウンタ114
では、信号PLCKに同期したタイミングのフレームシ
ンクをクリスタル系による所定周波数でカウントするこ
とにより、速度誤差情報を得るようにされ、この速度誤
差情報が速度検出信号CLV−2として出力される。こ
の速度検出信号CLV−2をここでは図示しないスピン
ドルモータのドライバに供給することで、シンクパター
ンが検出されている状態(即ちPLL回路がロックして
いる状態)でのCLV制御を実行することができる。な
お、ここでは図示しないが、CLV制御には、例えば速
度検出信号CLV−2と共に、PLL回路にて生成され
るクロックをクリスタル系の所定周波数信号と位相比較
して得た位相誤差信号も用いるようにされる。
【0008】このような構成のCLVサーボ系において
は、例えばスピンドルモータの回転起動時には、ラフサ
ーボ回路100の系を利用してラフサーボ制御を行うこ
とにより、前述のように、PLL回路がキャプチャーレ
ンジに引き込まれるまでスピンドルモータの回転速度を
制御する。そして、PLL回路がロックしたとされる状
態では、ラフサーボ回路系からCLV速度検出回路11
0の系に切り換えるようにすることで、ディスク回転速
度を線速度一定に制御するようにされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13に示
したようなCLVサーボ系の構成では、例えば前述した
スピンドルモータ起動時や、外部から加えられた振動な
どによってCLVサーボがはずれたり長期間にわたって
信号が欠落したような場合においては、ラフサーボ回路
100の系に切り替えて、再度ラフサーボ制御に移行す
ることになるのであるが、前述のようにラフサーボ回路
100では引き込みサーボ信号CLV−1として3値し
か取り得ないために、例えば1Hz以下の狭い帯域でし
かサーボ制御を行うことができない。このため、再度P
LL回路がロックする状態にまで復帰させるのには比較
的時間がかかってしまっていた。近年はCDプレーヤな
どにおいても携帯用の製品が広く普及してきているので
あるが、例えば、このような携帯用のCDプレーヤ等の
再生動作中において、ディスク回転方向に沿った揺れに
よる外乱が生じた場合、この外乱によって光学ピックア
ップに対するディスク回転速度の相対的変化が顕著なも
のとなるため、このような状態では、特に再生動作の復
帰は困難を極めていた。また、図13に示したようなC
LVサーボ系の構成では、当然のこととして、通常のサ
ーボ制御のためのCLV速度検出回路110を備えた系
と、ラフサーボ制御のためのラフサーボ回路100の系
との2系統のCLVサーボ回路系を必要とするため、そ
れだけ回路規模が大きくなってしまっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を考慮して、より簡略な構成によっても、PLL
回路にロックさせるまでの引き込み制御から通常のCL
Vサーボ制御に移行する過程において安定した動作が得
られるようにすることを目的とする。
【0011】このため、ディスク状記録媒体から再生さ
れたランレングスリミテッド符号を抽出する符号抽出手
段と、所定の周波数による基準信号を発生する基準信号
発生手段と、符号抽出手段から抽出したランレングスリ
ミテッド符号の周波数を基準信号発生手段により発生さ
れた基準信号に基づいて計測する周波数計測手段と、ラ
ンレングスリミテッド符号のフレーム単位の周期ごとに
発生する符号列の反転回数の平均値に基づいて設定した
ランレングスリミテッド符号の下限周波数と上限周波数
の値が保持される周波数保持手段と、符号抽出手段から
抽出したランレングスリミテッド符号に同期したクロッ
クを抽出するフェーズロックドループ回路がロックして
いるか否かを判別するロック判別手段と、このロック判
別手段によりフェーズロックドループ回路がロックして
いないと判別されている状態では、周波数計測手段によ
り計測されたランレングスリミテッド符号の周波数に対
する比較対照となる比較周波数を下限周波数と上限周波
数の範囲で可変する比較周波数可変手段と、ロック判別
手段によりフェーズロックドループ回路がロックしてい
ると判別されたときに比較周波数可変手段において最後
に得られた比較周波数を固定的に保持させる比較周波数
保持手段と、周波数計測手段により計測したランレング
スリミテッド符号の周波数と上記比較周波数可変手段か
ら出力された比較周波数との差分情報を演算する差分演
算手段と、この差分演算手段により得られた差分情報に
基づいて上記ディスク状記録媒体の回転速度制御を行う
ことのできる回転速度制御手段とを備えて回転速度制御
装置を構成することとした。
【0012】また、ランレングスリミテッド符号が記録
されているディスク状記録媒体を線速度一定に回転駆動
することにより再生動作を行う再生装置として、ディス
ク状記録媒体から上記ランレングスリミテッド符号を再
生する再生手段と、所定の周波数による基準信号を発生
する基準信号発生手段と、再生手段により再生されたラ
ンレングスリミテッド符号の周波数を基準信号発生手段
により発生された基準信号に基づいて計測する周波数計
測手段と、ランレングスリミテッド符号のフレーム単位
の周期ごとに発生する符号列の反転回数の平均値に基づ
いて設定した、ランレングスリミテッド符号の下限周波
数と上限周波数が保持される周波数保持手段と、再生手
段により再生されたランレングスリミテッド符号に同期
したクロックを抽出するフェーズロックドループ回路が
ロックしているか否かを判別するロック判別手段と、こ
のロック判別手段により上記フェーズロックドループ回
路がロックしていないと判別されている状態では周波数
計測手段により計測されたランレングスリミテッド符号
の周波数に対する比較対照となる比較周波数を下限周波
数と上限周波数の範囲で可変する比較周波数可変手段
と、ロック判別手段によりフェーズロックドループ回路
がロックしていると判別されたときには比較周波数可変
手段において得られた比較周波数を固定的に保持させる
比較周波数保持手段と、周波数計測手段により計測した
ランレングスリミテッド符号の周波数と比較周波数可変
手段から出力された比較周波数との差分を算出する差分
演算手段と、この差分演算手段により得られた差分情報
に基づいて上記ディスク状記録媒体の回転速度制御を行
う回転速度制御手段と、ロック判別手段によりフェーズ
ロックドループ回路がロックしていると判別されたとき
には回転速度制御手段からの速度信号に対して、所定の
基準信号とフェーズロックドループ回路の発振周波数と
の位相誤差情報を加算する加算手段と、この加算手段の
出力信号に基づいて上記ディスク状記録媒体の回転駆動
を行う駆動手段とを備えることとした。
【0013】また、回転速度制御方法として、ディスク
状記録媒体が回転している状態において、フォーカスサ
ーボループ及びトラッキングサーボループをオンとする
ことにより、上記ディスク状記録媒体に記録されている
ランレングスリミテッド符号を読み出し可能とする符号
読み出し処理と、この符号読み出し処理により得られた
ランレングスリミテッド符号の周波数を所定の周波数に
よる基準信号に基づいて計測する周波数計測処理と、こ
の周波数計測処理により計測されたランレングスリミテ
ッド符号の周波数と比較周波数との差分情報を算出する
差分情報演算処理と、フォーカスサーボループ及びトラ
ッキングサーボループがオンとされた状態の後におい
て、符号読み出し処理により得られたランレングスリミ
テッド符号に基づいてクロックを抽出するフェーズロッ
クドループ回路がロックしているか否かを判別する判別
処理とを実行させることとした。そして、上記判別処理
によって、フェーズロックドループ回路がロックしてい
ないと判別された状態が所定時間以上継続された場合に
はフェーズロックドループ回路により発生される発振周
波数が所要の中心周波数にて固定されるように制御する
処理と、ランレングスリミテッド符号のフレーム単位の
周期ごとに発生する符号列の反転回数の平均値に基づい
て予め設定したランレングスリミテッド符号の下限周波
数と上限周波数の範囲で上記比較周波数を可変出力する
処理とを実行する引き込み対応処理を実行させることと
し、判別処理によって、引き込み対応処理の実行期間中
に、フェーズロックドループ回路がロックしたと判別さ
れたときには、引き込み対応処理を停止させ、フェーズ
ロックドループ回路がロックしたとされる時点において
最後に得られたとされる比較周波数を保持して出力する
比較周波数保持処理を実行させるようにした。そして、
このうえで、上記差分情報演算処理により算出された差
分情報に基づいてディスク状記録媒体を線速度一定とな
るように回転駆動する回転駆動制御を実行させることと
した。
【0014】上記構成によれば、計測されたランレング
スリミテッド符号の周波数を比較周波数と比較して得ら
れる誤差情報に基づいてCLV速度制御信号を得るよう
にされるが、この際、クロック抽出のためのPLL回路
がロックしていないとされる状態では、上記比較周波数
を当該ランレングスリミテッド符号の符号列の反転周期
の平均に基づいて設定した下限周波数と上限周波数の範
囲内で可変させるようにすることで、PLL回路がロッ
クする時点における所要のCLV速度(ディスク回転速
度)を得るようにされる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図12を参照して本
発明の実施の形態について説明を行う。なお、以降の説
明は次の順序で行うこととする。 1.再生装置の構成 2.PLL/CLVサーボ回路 (2−a.PLL/CLVサーボ回路の構成) (2−b.CLVターゲット設定回路の構成) (2−c.ノーマルモード時の動作) (2−d.ソフトウェアによるCLVターゲット可変設
定動作) (2−e.ワイドモード時の動作) (2−f.可変速再生動作)
【0016】1.再生装置の構成 図1は、本発明の実施の形態としてのCLVサーボ制御
のための回転速度制御装置および回転駆動装置が備えら
れるとされる再生装置として、CDプレーヤの要部の構
成例を示すブロック図である。なお、本実施の形態のC
Dプレーヤは、例えば携帯用とされて、これに対応して
CDプレーヤ携帯時の振動や揺れなどによる外乱に関わ
らずできるだけ安定的に再生音声の出力を可能とするた
めの耐振モード(ワイドモード)と、通常再生動作を行
うノーマルモードとの切り換えが設定可能とされる構成
を有するものである。
【0017】図1において、ディスク1はスピンドルモ
ータ2により線速度一定(CLV)により回転駆動され
た状態で光学ヘッド3により情報が読みとられる。光学
ヘッド3はディスク1に対してレーザ光を照射し、その
反射光から、例えばディスク1にピット形態で記録され
ている情報を読みとる。
【0018】上記のようにしてディスク1からのデータ
読み出し動作を行うため、光学ヘッド3はレーザ出力を
行うレーザダイオード3cや、偏光ビームスプリッタ、
1/4波長板などから構成される光学系3d、レーザ出
力端となる対物レンズ3a、及び反射光を検出するため
のディテクタ3bなどが備えられている。対物レンズ3
aは2軸機構4によってディスク半径方向(トラッキン
グ方向)及びディスクに接離する方向に変移可能に保持
されており、また、光学ヘッド3全体はスレッド機構5
によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0019】上記した光学ヘッド3の再生動作により、
ディスク1から検出された情報はRFアンプ6に供給さ
れる。この場合、RFアンプ6においては、入力された
情報について増幅処理、及び所要の演算処理等を施すこ
とにより、再生RF信号、トラッキングエラー信号、フ
ォーカスエラー信号等を得る。光学系サーボ回路12で
は、RFアンプ6から供給されたトラッキングエラー信
号、フォーカスエラー信号、及びシステムコントローラ
14からのトッラクジャンプ指令、アクセス指令などに
より基づいて各種サーボ駆動信号を発生させ、2軸機構
4及びスレッド機構5を制御してフォーカス及びトラッ
キング制御を行う
【0020】また、RFアンプ6にて得られた再生RF
信号は、信号処理回路7内の2値化回路20に供給され
ることで、2値化されたEFM信号(8−14変調信
号)として出力され、レジスタ21、PLL/CLVサ
ーボ回路25、及び同期検出回路26に対して供給され
る。また、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー
信号は光学系サーボ回路12に供給される。
【0021】上記2値化回路20からレジスタ21を介
してEFMデコード回路22に供給されたEFM信号
は、ここでEFM復調される。即ち、14−8変換処理
が行われる。EFMデコード回路22によりEFM復調
されたデータはECC/デインターリーブ処理回路23
に供給される。ECC/デインターリーブ処理回路23
では、RAM24に対して供給されたデータの書き込み
及び読み出し動作を所定タイミングで行いながらエラー
訂正処理及びデインターリーブ処理を実行していく。E
CC/デインターリーブ処理回路23によりエラー訂正
処理及びデインターリーブ処理が施されたデータは、後
述するメモリコントローラ8に対して供給される。
【0022】PLL/CLVサーボ回路25では、2値
化回路20から供給されたEFM信号を入力してPLL
回路を動作させることにより、EFM信号に同期した再
生クロックとしての信号PLCKを出力する。この信号
PLCKは、マスタークロックとして、信号処理回路7
内における処理基準クロックとなる。従って、信号処理
回路7の信号処理系の動作タイミングは、スピンドルモ
ータ2の回転速度に追従したものとなる。ここで、ディ
スク1がn倍速によりCLVで駆動されている条件のも
とでPLL回路がロックした状態での信号PLCKの周
波数は、例えばn×4.3218MHzとされる。
【0023】本実施の形態では、信号処理回路7がスピ
ンドルモータ2の回転速度に応じたクロックで動作する
ことで、例えばスピンドルモータ2が特定のCLV速度
で回転していない状態とされていても、PLL回路がロ
ックしてシンクパターンが検出可能とされている限り読
み出しデータについての処理を実行することが可能であ
る。
【0024】また、PLL/CLVサーボ回路25で
は、上記PLL回路の動作により得られる信号や入力さ
れたEFM信号等を利用してCLV制御のためのCLV
サーボ信号を生成してモータドライバ13に供給する。
なお、PLL/CLVサーボ回路25の内部構成につい
ては後述する。モータドライバ13は、PLL/CLV
サーボ回路25から供給されたCLVサーボ信号に基づ
いてモータ駆動信号を生成してスピンドルモータ2に供
給する。これにより、スピンドルモータ2は、ディスク
に対して一定線速度で回転するように駆動される。
【0025】同期検出回路26では、PLL/CLVサ
ーボ回路25から入力される信号PLCKを基準クロッ
クとして、2値化回路20から入力されるEFM信号か
らフレームシンクを検出するための動作を行う。ここ
で、図8にEFM信号の1フレームの構造を示すが、こ
の1フレームを形成する588ビットのうち、先頭の2
4ビットがシンクパターンとされている。このシンクパ
ターンは図のように11T,11T,2Tの反転間隔の
連続により形成される固定パターンとされる。また、同
期検出回路26では、ドロップアウトやジッターの影響
でデータ中のフレームシンクパターンが欠落したり、同
じフレームシンクパターンが検出されたりした場合のた
めに、フレームシンクの内挿処理及びウィンドウ保護等
の処理も実行する。レジスタ21は、同期検出回路26
の出力に応じて動作することになる。また、この同期検
出回路26において、例えばフレームシンクのビット数
‘24’が信号PLCKのタイミングで適正にカウント
値として得られる状態では、フレームシンクが適正に検
出されている状態であることを示す信号GFSが出力さ
れ、この場合にはシステムコントローラ14に対して出
力される。
【0026】ここで、上記のようにして同期検出回路2
6フレームシンクが適正に検出される状態とは、PLL
/CLVサーボ回路25におけるPLL回路がロックし
ている状態に相当することから、システムコントローラ
14では、信号GFSが出力されている期間において
は、PLL回路がロックしている状態にあることを示す
ロック信号S・LOCKを出力可能とされている。ロッ
ク信号S・LOCKは、図1には示されていないが、後
述するようにしてPLL/CLVサーボ回路25におけ
る動作切り換えに利用される。
【0027】前述のようにして信号処理回路7のECC
/デインターリーブ処理回路23から出力されたデータ
は、16ビット量子化及び44.1KHz サンプリングに基づ
く、いわゆるデジタルオーディオデータとされるが、こ
のデジタルオーディオデータはメモリコントローラ8に
対して供給される。
【0028】例えば、前述した耐振モードが設定されて
いる場合には、スピンドルモータ2がノーマルモード時
(1倍速)よりも高速な速度範囲にて回転制御されるこ
とで信号処理回路7における信号処理も、スピンドルモ
ータ2の回転測度に応じて、ノーマルモード時より高速
レートで行われるようにされる。そして、高速レートに
より信号処理回路7から出力されるデジタルオーディオ
データを、メモリコントローラ8の制御によりRAM
(バッファメモリ)9に対して書き込みを行ってデータ
の蓄積を行い、RAM9に対する読み出しは、メモリコ
ントローラ8が通常レートに従って制御を行うようにさ
れる。これにより、D/Aコンバータ10によりアナロ
グ信号に変換され、オーディオ出力端子11から出力さ
れるオーディオ信号としては、通常のピッチ及び速度に
よるものとなる。また、ノーマルモードが設定されてい
る場合には、スピンドルモータ2がノーマルモード時に
対応する速度範囲で回転制御され、この回転速度に応じ
たレートにより信号処理回路7における信号処理が実行
される。この場合、データの時間軸補正は、メモリコン
トローラ8のRAM9に対する書き込み及び読み出し制
御によって行われるようにされ、これにより、ノーマル
モード時においてオーディオ出力端子11から出力され
るオーディオ信号のピッチ及び速度が通常のものとなる
ようにしている。なお、メモリコントローラ8の動作は
システムコントローラ14により制御される。
【0029】システムコントローラ14は、マイクロコ
ンピュータ等を備えて構成され、当該CDプレーヤを構
成する各機能回路部が実行すべき所要の動作に応じて適
宜制御処理を実行する。また、操作部15には、ユーザ
が、再生、一時停止、停止、サーチ等をはじめとする各
種所要の動作を実行させる操作を行うための各種キーが
設けられているものとされ、その操作情報はシステムコ
ントローラ14に対して供給される。システムコントロ
ーラ14では入力された操作情報に基づいて適宜所要の
制御動作を実行する。特に本実施の形態においては、操
作部15において、前述したノーマルモードと耐振モー
ドとの切り換え設定を行うためのモード切り換えキーが
設けられているものとされる。
【0030】2.PLL/CLVサーボ回路 (2−a.PLL/CLVサーボ回路の構成)図2は、
図1に示した信号処理回路7内のPLL/CLVサーボ
回路25の構成例を示すブロック図である。この図に示
すように、PLL/CLVサーボ回路25はCLVサー
ボ回路系25A及びPLL回路系25Bから成る。CL
Vサーボ回路系25Aにおいては、例えば分周器30に
より所定の分周比に基づいて分周されたEFM信号と、
水晶発振器31から出力される発振周波数(例えば16.9
34MHz)を分周器32により分周した周波数信号FSがC
LV速度カウンタ33に対して入力されるようになって
いる。ここで、分周器32から出力される周波数信号F
Sは、 FS=n×RFCK/64 で表されるものとされる。RFCKはリードフレームク
ロックであり、クリスタル系による7.35KHzの周
波数信号とされる。また、変数nは、ディスク1が1倍
速によりCLVで駆動されている速度を基準とした倍速
度を示すものとする。従って、ディスク1が1倍速によ
りCLVで駆動されているとすれば、n=1となること
から、周波数信号FSは FS=1×7350/64=114.84375Hz となり、ほぼ115Hzとされることになる。これは時
間に換算して約9ms程度の比較的長い周期となる。
【0031】CLV速度カウンタ33では、例えば上記
周波数信号FSをサンプリング周期として、入力された
EFM信号のエッジ数をカウントする。本実施の形態で
は、周波数信号FSの周期ごとに得られるEFM信号の
エッジ数の情報に基づいて検出され得るEFM信号の周
波数値をCLV速度情報として扱うようにされ、その計
測結果を出力する。CLV速度カウンタ33の計測出力
は、減算器34及びPLL回路系25A側のPLLター
ゲット可変回路39に供給される。減算器34では、C
LVターゲット設定回路35から出力されるCLVター
ゲット値に対してCLV速度カウンタ33の計測出力を
減算することによって、目標となるCLV速度に対する
現在のCLV速度誤差の誤差情報である速度誤差信号C
LV−Sを得る。なお、本実施の形態では、スピンドル
モータ2の起動時や再生途中でサーボ落ちや信号の長期
欠落等によってPLL回路のロックがはずれたような状
態時にはPLL回路をキャプチャーレンジに引き込むた
めの「CLVスキャンモード」が設定される。そして、
ノーマルモード時におけるCLVスキャンモードでは、
CLVターゲット設定回路35においては、CLVター
ゲット値を、後述するようにして、EFM信号が取り得
る周波数範囲に対応した範囲でスイープさせるように可
変させる。また、対振モード時においては通常のCLV
サーボ制御モード時とCLVスキャンモード時とに関わ
らず、所定の固定値によるCLVターゲット値が設定さ
れる。この制御はシステムコントローラ14より供給さ
れる制御信号SC1について行われる。
【0032】上記減算器34から出力された速度誤差信
号CLV−Sは加算器36に出力される。この加算器3
6の他方の入力には、スイッチSW1を介して位相誤差
信号CLV−P(端子T・L側)もしくは‘0’による
固定値(端子T・UL側)が入力されるようになってい
る。この場合、スイッチSW1は、端子Toutが端子
T・L又は端子T・ULの何れか一方に対して択一的に
接続されるものとされ、ノーマルモード時においては、
図1に示したシステムコントローラ14から出力される
ロック信号S・LOCKによりその切り換え状態が制御
される。ロック信号S・LOCKは、前述のようにPL
L回路系がロックしているか否かを示す信号とされ、こ
こでは、PLL回路系がロックしていればHレベル、ロ
ックしていなければLレベルであるものとする。
【0033】そして、スイッチSW1は、ロック信号S
・LOCKがHレベルであれば端子Toutが端子T・
Lに対して接続され、Lレベルであれば端子Toutが
端子T・ULに対して接続される。従って、加算器36
に対しては、PLL回路がロックしているとされる状態
では位相誤差信号CLV−Pが供給され、ロックしてい
ないとされる状態では、‘0’による固定値が供給され
ることになる。ただし、スイッチSW1には、システム
コントローラ14から出力されてノーマル/ワイドモー
ドに対応するモード切り換え信号S・NWも入力されて
いる。そして、モード切り換え信号S・NWとしてワイ
ドモード時に対応する場合においては、ロック信号S・
LOCKはスイッチSW1の切り換え制御に対して無効
とされ、スイッチSW1は、端子T・ULに対して固定
される。つまり、PLL回路がロックしているか否かに
関わらず、定常的に‘0’による固定値がスイッチSW
1から出力されることになる。
【0034】なお、位相誤差信号CLV−Pは、例えば
PLL回路系25Bの電圧制御発振器(VCO)44の
発信周波数と、クリスタル系の基準周波数信号とについ
て位相比較を行うことにより得られる信号であり、CL
Vサーボにおける回転位相誤差情報として扱われるもの
である。
【0035】加算器36の出力は、例えばデジタルロー
パスフィルタとバイパス回路等が組み合わされて形成さ
れるローブースト回路37を介することにより低域成分
が抽出され、D/Aコンバータ38に対して供給され
る。D/Aコンバータ38においては、デジタル信号と
してのローブースト回路37の出力をアナログ値に変換
して、CLVサーボ制御信号としてモータドライバ13
(図1参照)に供給する。モータドライバ13では、供
給されたCLVサーボ制御信号に基づいて生成したモー
タ駆動信号をスピンドルモータ2に供給するようにさ
れ、これにより、スピンドルモータ2は、CLVサーボ
制御信号に応じてその回転速度が可変制御されることに
なる。
【0036】また、PLL回路25Bにおいては、再生
クロックとしての周波数信号PLCKを生成する電圧制
御発振回路(VCO)44が備えられる。このVCO4
4の発振周波数は、後述する加算器43の出力に応じて
可変制御される。なお、この図においては、便宜上、V
CO44から直接、周波数信号PLCKが出力されてい
るものとしているが、実際にはVCO44の発振周波数
を1/2分周した周波数が周波数信号PLCKとされ、
例えば、1倍速によりディスクを回転駆動している状態
でPLL回路がロックしているときには、周波数信号P
LCK=4.3218MHz となる。
【0037】位相比較器としてのアナログPCO回路4
1では、EFM信号について再生クロック信号PLCK
との位相を比較し、その検出出力をフィルタ42に出力
する。フィルタ42はアナログPCO回路41の検出出
力を濾波してVCO44の発振周波数を制御するための
誤差制御信号S・Eとして出力する。この誤差制御信号
S・Eは、スイッチSW4を介して加算器43に供給さ
れる。
【0038】スイッチSW4は、システムコントローラ
14から出力されるトレーニング信号S・TRNによっ
てオン/オフ制御される。本実施の形態の場合であれ
ば、ノーマルモード時において、例えばディスク回転起
動時やディスク読み出し信号の欠落が生じた場合など
に、PLL回路に対してEFM信号が入力されない状態
がある長期間にわたって得られるような状態が検出され
た場合には、PLL回路の動作として、VCO44の発
振周波数が中心周波数で維持されるようにするトレーニ
ングモードが設定されるようになっている。あるいは、
所定のマニュアル操作によりトレーニングモードを設定
可能ともされている。上記トレーニング信号S・TRN
は、上記トレーニングモードが設定されたときに出力さ
れる信号であって、このトレーニング信号S・TRNに
より、スイッチSW4は、トレーニングモード時にはオ
フとされ、トレーニングモード時以外の通常動作時には
オンとなるように制御される。つまり、トレーニングモ
ード時においては、アナログPCO回路41の検出出力
に基づく信号成分は、VCO44の発振周波数制御には
利用されない。ここでは、詳しい説明は省略するが、ト
レーニングモード時には、後述するFCOカウンタ45
の計測出力をPLLターゲット固定値レジスタ40から
出力されるPLLターゲット値により減算した誤差信号
を得て、この誤差信号を積分回路48により積分して得
られる制御信号によってVCO44の発振周波数を制御
する。この結果、VCO44の発振周波数が所要の中心
周波数で維持されるように収束する動作が得られること
になる。
【0039】PLL回路25Bとしての基本的構成は、
上記アナログPCO回路41→フィルタ42→(スイッ
チSW4→加算器43)→VCO44のループにより形
成されるが、これに加えて、FCO(Frequency Conpar
ator Output )カウンタ45を備えて成るVCO44の
中心周波数の自動調整回路系と、PCI(Phase Compara
tor Integration)回路50を備えることによりPLL回
路のロックレンジを拡大するワイドロック回路系とが備
えられる。また、上記自動調整回路系においては、FC
Oカウンタ45の計測出力と比較を行うPLLターゲッ
ト値を可変とすることで、PLL回路のキャプチャーレ
ンジを拡大するようにも構成される。
【0040】本実施の形態においては、上記したキャプ
チャーレンジ及びロックレンジを拡大するための回路動
作は対振モード時に行われるものとされる。従って、以
降、対振モード時におけるPLL/CLVサーボ回路2
5の動作モードについては、特に「ワイドモード」とも
いうことにする。
【0041】FCOカウンタ45は、クリスタル系の周
波数信号FSをサンプリング周期として、周波数信号P
LCK/36をカウントすることにより、周波数信号P
LCKの周波数を計測する。FCOカウンタ45の計測
出力は、減算器46に供給される。減算器46では、ス
イッチSW2を介して入力されるPLLターゲット値に
対して、FCOカウンタ45の計測出力を減算する。P
LLターゲット値は、VCO44において設定されるべ
き中心周波数に収束させるための周波数信号PLCKの
周波数の目標値であり、従って、減算器46からは、現
在の周波数信号PLCKの周波数の誤差情報が得られる
ことになる。
【0042】スイッチSW2は、端子Toutに対して
端子T・W又は端子T・Nが択一的に接続され、その接
続切り換えはシステムコントローラ14から供給される
ノーマル/ワイドモードに対応するモード切り換え信号
S・NWにより制御される。モード切り換え信号S・N
Wとして、ノーマルモードの場合には端子Toutは端
子T・Nに接続され、ワイドモードの場合には端子T・
Wに接続される。ここで、スイッチSW2の端子T・N
には所定のPLLターゲット値が固定値として設定され
たPLLターゲット固定値レジスタ40が接続され、端
子T・Wには、PLLターゲット可変回路39の出力が
供給されている。PLLターゲット可変回路39では、
CLV速度カウンタ33の出力である速度情報信号CL
V−Sについて、後述するように所定範囲内で可変を行
って出力する。この速度情報信号CLV−Sの値の可変
制御は、システムコントローラ14から出力される制御
信号SC2によって行われるものとされる。
【0043】減算器46から出力された誤差情報は、ア
ンプ47を介してスイッチSW3の端子T・ULに供給
される。ここで、スイッチSW3は、前述したスイッチ
SW1と同様に、ロック信号S・LOCKがHレベル
(PLL回路がロック状態)では、端子Toutが端子
T・Lに接続され、Lレベル(PLL回路がロックして
いない状態)では、端子Toutが端子T・ULに接続
される。なお、端子T・ULには、後述するPCI回路
50の検出出力がアンプ51、スイッチSW5を介して
供給される。
【0044】積分回路48は、スイッチSW3の端子T
outから出力される情報値について積分を行い、その
積分出力をD/Aコンバータ49に対して出力する。D
/Aコンバータ49においては、デジタル情報としての
端子Toutからの情報値をアナログ信号による情報信
号に変換して加算器43に出力する。加算器43では、
D/Aコンバータ49の出力とアナログPCO回路41
側から供給される位相誤差信号を加算して、その加算信
号をVCO44の発振周波数を制御するための制御電圧
として出力する。
【0045】PCI(Phase Comparator Integration)回
路50は、デジタル回路により形成される位相情報検出
回路とされ、入力されたEFM信号に対する周波数信号
PLCKの位相誤差の低域成分を検出して出力する。と
ころで、例えばアナログPCO回路41がアナログ回路
とされ、PCI回路50がデジタル回路とされることに
起因して、両者の位相検出出力には誤差が生じるのであ
るが、本実施の形態においては、この誤差に対応するオ
フセット値をPCI回路50の検出出力に与えるように
していることで、両者の誤差を解消している。このPC
I回路50の出力は、位相がロックしている範囲ではE
FM信号と周波数信号PLCKの周波数差を表す情報と
みることができる。PCI回路50の出力信号は、アン
プ51及びスイッチSW5を介してスイッチSW3の端
子T・Lに供給される。ここで、PCI回路50の出力
信号がスイッチSW5→スイッチSW3を介して積分回
路48に入力されたとした場合には、積分回路48から
出力される積分値がD/Aコンバータ49によりアナロ
グ信号に変換されて、位相誤差信号S・PCとして出力
される。
【0046】(2−b.CLVターゲット設定回路の構
成)続いて、CLVサーボ回路系25Aに備えられるC
LVターゲット設定回路35の構成について説明する。
ノーマルモードでのCLVスキャンモード時には、中心
周波数の自動調整モードによりPLL回路系25BのV
CO44が中心周波数(PLCK=4.3218MHz)で固定さ
れるように動作することを前提として、CLVサーボ回
路系25AのCLVターゲット設定回路35において
は、CLVスキャンモード時には、制御信号SC1に従
って、そのCLVターゲット値が所定範囲でスイープす
るようにして可変される。これにより、従来のようにラ
フサーボ制御を併用することなく、PLL回路がロック
するようにCLV制御を行うことが可能となる。
【0047】ここで、CLVターゲット設定回路35に
おいて設定されるターゲット値のスイープ範囲の設定方
法について説明する。CLVターゲット値は、CLV速
度カウンタ33にて検出されるCLV速度情報と比較を
行うのであるが、図1により説明したようCLV速度カ
ウンタ33にて検出されるCLV速度情報としては、周
波数信号RFCK/64をサンプルクロックとしてEF
M信号のエッジ数をカウントすることに基づいて得られ
るEFM信号の周波数情報である。このため、CLVタ
ーゲット値が取り得る値としては、EFM信号が取り得
るとされる周波数に対応させる必要がある。ただし、E
FM信号は、3T〜11Tの反転間隔からなる符号列の
状態に従って、ある範囲内でその周波数が変化する。そ
こで、本実施の形態においては、次のようにして、可変
されるべきCLVターゲット値の最大値と最小値を求め
ることとする。
【0048】ここで、図9、図10、図11、図12
に、0〜FFまでの元の8ビットデータのそれぞれに対
応してEFMエンコードされる256とおりのEFMワ
ード(14ビット)を示す。つまりEFM変換テーブル
である。このEFMワードはいわゆるNRZI方式のパ
ルス反転信号とされるもので、従って各EFMワードに
ついて『1』の位置がパルス反転位置になる。各図には
EFMワードとともにそのEFMワードのパルス反転回
数(つまり『1』の数)を記している。
【0049】このEFMワードは、14ビットで可能な
16384(2の14乗)個のパターンの中から、8ビ
ットデータに対応するために256とおり選択されたも
ので、特に『1』と『1』の間に『0』が2つ以上入る
ものであるという条件が満たされ、また反転間隔
(『1』と『1』の間隔)として最小反転間隔が3T、
最大反転間隔が11Tとされているものである。
【0050】ここで、図9、図10、図11、図12各
EFMワードについて示した1ワード内の反転回数を集
計してみると次のようになる。 反転回数1回のEFMワード : 4ワード 反転回数2回のEFMワード : 56ワード 反転回数3回のEFMワード : 120ワード 反転回数4回のEFMワード : 70ワード 反転回数5回のEFMワード : 6ワード
【0051】これより、1ワード内の平均の反転回数
は、 (4×1+56×2+120×3+70×4+6×5)
/256=786/256 となり、ほぼ3回強となる。
【0052】ここで、図8に示すように、EFMフレー
ムは11T+11T+2T(つまり反転3回)であるシ
ンクパターンと、14ビットの各EFMワード間に配さ
れている3ビットのマージンビットがある。そこで、E
FMエンコードされるデータが乱数であると仮定し、ま
た各マージンビットでの反転発生確率を1/2とする
と、1つのEFMフレーム内での平均反転回数は、 (786/256)×33+(1/2)×34+3 ≒121.32[回] となる。なお、『33』はメインデータ、パリティ、サ
ブコードとしてのワード数であり、『34』はマージン
ビットの数、『3』はシンクパターンの反転回数であ
る。(図8参照)
【0053】このため、EFM信号の平均周波数は、 (121.32×7.35[KHz])=891.17
02[KHz] と考えることができる。なお、通常のCDシステムに従
ったフォーマットでは、EFM変調されるPCMオーデ
ィオデータは完全な乱数とはならないため、EFM信号
の平均周波数としては多少信頼性に欠ける場合も発生す
るが、大体においては適正な値となる。そこで、上記E
FM信号の平均周波数である891.1702に基づ
き、本実施の形態では、これに対して周波数の高い側に
おけるある程度のマージンを考慮して、CLVターゲッ
ト値の最大値として900Kを設定することとする。
【0054】また、例えば無音パターンや−60dB以
下のランダムパターンがEFM信号に含まれた場合に
は、1サンプル周期あたりの平均ビット数が2.27ビ
ットとなり、このときのEFM信号の周波数が790K
Hz程度となり、これが理論的に取りうる最低値と見な
される。
【0055】ここで、例えば、CLVターゲット値とし
てある程度のマージンを有させるために、EFM変換に
おいて数値が小さい方に2エッジ(2回反転)パターン
(2回反転)が集中していることを考慮して、各メイン
データ(図8参照)のシンボルの反転回数数が平均2.
85程度であるのに対して、メインデータの各シンボル
のみの反転回数が2回であると仮定すると、EFM信号
の周波数は約750KHz程度となることが分かってい
る。よって、EFM信号の周波数の中心は、ほぼ900
KHz〜750KHzの範囲に存在するものとして見る
ことができる。従って、CLV速度としては900K〜
750Kの間に中心速度があるものとされることにな
る。これまでの説明に従い、本実施の形態においては、
CLVターゲット設定回路35において設定されるCL
Vターゲット値のスイープ範囲として、最大値を900
K、最小値を750Kと設定するものとする。
【0056】CLVターゲット設定回路35として、ノ
ーマルモード時に機能するCLVターゲット可変設定回
路をハードウェアにより構成した場合には、例えば図3
のブロック図に示すようにして構成することができる。
なお、図3においては、図2に示したCLVサーボ回路
系25Aの構成も共に示されているが、この構成につい
ては図2と同様であり、図2と同一符号を付して説明を
省略する。
【0057】図3には、CLVターゲット設定回路35
として、ノーマルモード時においてのみ動作するとされ
るCLVターゲット可変設定回路35Aの構成が示され
ている。CLVターゲット可変設定回路35Aにおい
て、カウンタ部60は、CLVターゲット値についてア
ップダウンカウントを行う。また、セレクタ61は、最
小値レジスタ62及び最大値レジスタ63にそれぞれ保
持されているCLVターゲット値の最大値(900K)
と最小値(750K)とを選択して出力する。また、セ
ット/リセット部64は、カウンタ部60におけるカウ
ント値が最大値(900K)となったときにカウンタ部
60をセットし、カウント値が最小値(750K)とな
ったとき、或いはロード信号LDのエッジが検出された
ときにカウンタ部60にリセット動作を行わせる。セッ
ト/リセット部64のセット入力端子には、カウンタ部
60のカウント値(CLVターゲット値)が最大値とな
ったことを検出する最大値検出部65の検出出力が入力
されるようになっている。また、リセット入力端子に対
しては、カウンタ部60のカウント値が最小値となった
ことを検出する最小値検出部66の検出出力と、ロード
信号のエッジをエッジ検出回路67により検出した検出
出力とが入力されるORゲート68の論理和が供給され
るようになっている。ここで、CLVターゲット可変設
定回路35Aに供給される制御信号SC1としては、ロ
ード信号LD、ロック信号S・LOCKとされる。
【0058】例えばカウンタ部60に対してロード信号
LDがシステムコントローラ14より供給されたとする
と、カウンタ部60はカウント初期値をロードしてカウ
ント動作を開始する。ここでの初期値は最大値(900
K)と最小値(750K)のうちから適切な値が任意に
設定されればよいが、例えば最大値を初期値として設定
した場合には、900KのCLVターゲット値をロード
して、最小値である750Kを目標値としてダウンカウ
ントを開始する。このカウントタイミングは、例えばR
FCK/64による周波数信号FSに同期したタイミン
グで行われるものとされる。つまり、ここでは図示しな
いが、カウンタ部60がカウントを行うためのタイミン
グクロックとして例えば周波数信号FSが供給される。
ここで、上記カウンタ部60によるダウンカウント動作
が最小値(750K)まで継続されたとすると、最小値
検出部66においてCLVターゲット値が最小値になっ
たことを検出した検出信号を出力し、セット/リセット
部64からはリセット信号が出力される。これによっ
て、カウンタ部60では最大値(900K)をカウント
目標値としてアップカウントを行う動作に切り替わるこ
とになる。なお、ロード信号の反転が得られるタイミン
グによっても、リセットがかかりアップカウントに切り
替わるようにされる。
【0059】そして、カウンタ部60のアップカウント
動作が最大値(900K)まで継続されたとすると、最
大値検出部65ではCLVターゲット値が最大値になっ
たことを示す検出信号を出力する。これにより、セット
/リセット部64からはセット信号が出力されるが、こ
れによって、カウンタ部60は最小値(750K)をカ
ウント目標値としてダウンカウントを行う動作に切り替
わるようにされる。カウンタ部60は、イネーブル反転
入力端子にHレベルのロック信号S・LOCK(システ
ムコントローラ14から出力される)が入力されるま
で、つまり、PLL回路がロックしたとされる状態とな
るまで、上記のようにして、最小値レジスタ62及び最
大値レジスタ63に保持されている最大値から最小値の
範囲でCLVターゲット値を可変するようにされる。そ
して、PLL回路がロックした状態とされて、イネーブ
ル反転入力端子にHレベルのロック信号S・LOCKが
入力されると、カウンタ部60はそのカウント動作を停
止すると共に、このときのカウント値(CLVターゲッ
ト値)を保持して出力するようにされる。以上の動作
が、次に説明するノーマルモード時におけるCLVスキ
ャンモード時に行われるものである。
【0060】なお、上記構成において、カウンタ部60
のアップカウントとダウンカウントの切り換えは、EF
Mピット長の計測結果に基づいて行うようにすることも
考えられる。例えば、図示しないEFMピット長計測回
路において11T(最大反転間隔)のパターンのピット
長を計測し、この計測結果の所要の基準値に対する比較
結果に基づいてカウンタ部60のアップカウントとダウ
ンカウントのモード切り換え行われるようにすることが
できる。
【0061】(2−c.ノーマルモード時の動作)続い
て、上記構成によるPLLサーボ回路25のノーマルモ
ード時の動作について説明する。ノーマルモードとは、
前述したように当該CDプレーヤに対して対振機能を与
えない通常再生モードであり、定常状態ではディスク1
は1倍速のCLVにより回転駆動されるよう制御される
と共に、RAM9を利用したデータの高速書き込み及び
定常速度による読み出し制御は行われないものとされ
る。
【0062】ノーマルモード時において、図2に示すP
LLサーボ回路25では、システムコントローラ14か
ら出力されるモード切り換え信号S・NWによってスイ
ッチSW2は端子T・Nに接続されることで、PLLタ
ーゲット固定値レジスタ40にて保持されているPLL
ターゲット固定値が減算器46に供給するようにされ
る。また、スイッチSW5は、モード切り換え信号S・
NWによってオフとなるように制御されることで、PC
I回路の50の動作は無効となるようにされる。
【0063】ここで、例えばスピンドルモータの起動
時、或いはサーボ落ちやディスク1のゴミ、傷等による
ドロップアウトによってPLL回路のロックが所定時間
以上はずれたような場合には、PLL回路をロックさせ
て再生動作が行われるようにするためのCLVスキャン
モードに移行する。この段階では、PLL回路がロック
していないことから、ロック信号S・LOCKにより制
御されるスイッチSW1,SW3については、端子To
utが端子T・ULに対して接続されるように制御され
る。従って、CLVサーボ回路系25Aにおける加算器
36に対しては、信号CLV−Pとして‘0’の値が入
力され、PLL回路系25Bにおいては、FCOカウン
タ45側のVCO中心周波数の自動調整回路系が有効と
されていることになる。
【0064】上記のようにして各スイッチの切り換え状
態が制御されていることで、CLVスキャンモード時の
初期状態では、PLL回路系25A側においては、VC
O44が中心周波数となるようにするための自動調整モ
ードとなる。つまり、スイッチSW4がオフとされてい
ることで、アナログPCO回路41の検出出力に基づい
て得られる誤差制御信号S・Eは加算器43に供給され
ないようにされる。そして、スイッチSW3において端
子T・ULが端子Toutに対して接続されていること
で、FCOカウンタ45を備えてなる自動調整回路系の
出力が加算器43を介してVCO44に供給されること
になる。
【0065】このときのPLL回路系25Bの動作とし
ては、FCOカウンタ45にてクリスタル系の周波数信
号FS(RFCK/64)を基準クロックとして、VC
O44の発振周波数に基づいて得られる周波数信号PL
CK/36の周波数値が計測され、この計測結果を、減
算器46においてPLLターゲット固定値(PLLター
ゲット固定値レジスタ40の出力)と比較する。そし
て、この減算器46の出力がアンプ47→スイッチSW
3→積分回路48→D/Aコンバータ49を介して周波
数誤差信号S・FCとして加算器43に供給される。こ
のとき、説明の簡単のために、トレーニングモードが設
定されている状態にあるとすると、加算器43にはアナ
ログPCO回路41の出力は供給されないことから、V
CO44は、FCOカウンタ45側の周波数誤差信号S
・FCが帰還されるループのみによって、その周波数信
号PLCK/36がPLLターゲット固定値に近づくよ
うに制御されることになる。これにより、VCO44の
発振周波数がノーマルモードに対応して設定された中心
周波数(PLCK=4.3218MHz)となるように収束して
固定されるように制御されることになる。つまり、ノー
マルモードでのCLVスキャンモード時においては、P
LL回路系25BはVCO44が中心周波数で固定され
た状態にあるものと見ることができる。
【0066】これに対して、CLVサーボ回路系25A
では、CLV速度カウンタ33から出力される速度情報
信号を、CLVターゲット設定回路35より出力される
CLVターゲット値に対して減算器34にて比較を行う
際、CLVターゲット設定回路35では、そのCLVタ
ーゲット値を可変するようにされる。つまり、CLVタ
ーゲット設定回路35としては、図3にて説明したCL
Vターゲット可変設定回路35Aが機能し、PLL回路
がロック(ロック信号S・LOCK=H)したとされた
状態が得られるまで、図3により説明した動作により、
CLVターゲット値を最大値(900K)〜最小値(7
50K)の範囲でスイープさせるようにして可変させる
ことになる。従って、スピンドルモータ2は、可変され
るCLVターゲット値に対する現在のCLV速度情報
(CLV速度カウンタ33の出力)の差分により得られ
る速度誤差情報に基づいて、EFM信号の周波数がPL
L回路の引き込み範囲にくるよにその回転速度が制御さ
れることになる。なお、このときにはスイッチSW1が
端子T・ULに接続されていることで、CLVスキャン
モード時においては、制御成分として不要となる位相誤
差信号CLV−Pは加算器36に対しては供給されず、
値として‘0’が供給されている。
【0067】ここで、スピンドルモータ2の回転速度が
PLL回路の引き込み範囲に対応する程度に至ったこと
でEFM信号のフレームシンクの検出が可能とされ、シ
ステムコントローラ14からHレベルによるロック信号
S・LOCKが出力されたとすると、以降はPLL回路
がロックしたとされる状態が維持される「通常動作モー
ド」に移行するのであるが、この通常動作モードに移行
したとされると、CLVターゲット設定回路35のカウ
ンタ部60において可変されていたCLVターゲット値
はこの時点で固定され、以降の通常動作モードにおける
CLV制御に用いるCLVターゲット値として設定され
ることになる。このような動作により、本実施の形態で
のCLVサーボ回路系は、常に1つの伝達特性が得られ
るようにすることができることになる。また、ロック信
号S・LOCKがHレベルとされることにより、CLV
サーボ回路系25Aでは、スイッチSW1が端子T・L
に切り替わることで加算器36に対して現在の位相誤差
信号CLV−Pが入力されて、現在の速度誤差情報CL
V−Sと加算される。そして、この加算器36の出力に
基づいて得られるモータ駆動信号によりスピンドルモー
タ2がCLV制御されることになる。
【0068】また、「通常動作モード」とされること
で、PLL回路系25Bにおいては、ロック信号S・L
OCK(Hレベル)によってスイッチSW3が端子T・
ULから端子T・Uに切り替わることになるのである
が、ノーマルモードでは、スイッチSW5はオフとされ
ていることにより、PCI回路50の出力はオフとな
り、従って、積分回路48の入力はオープンとなる。こ
のため、通常動作モード時には、PLL回路がロックし
たとされる時点の積分回路48において保持された積分
値(スキャンモード時における最終値)が保持され、周
波数誤差信号S・FCとして加算器43に入力される。
このとき、トレーニングモードが設定される場合以外は
スイッチSW4がオンとされていることで、アナログP
CO回路41の位相比較出力に基づいて得られる誤差制
御信号S・Eも加算器43に入力されている。これによ
り、通常動作モード時のPLL回路系25Bでは、誤差
制御信号S・Eに対して上記周波数誤差信号S・FCを
加算して得られる電圧値により、VCO44の発振周波
数を制御することで、ロックした状態を維持するように
される。
【0069】このように本実施の形態では、ノーマルモ
ード時のCLVスキャンモードでは、CLV速度をPL
L回路のキャプチャーレンジに対応する速度にまで引き
込むための動作として、約115Hz(≒9ms)とい
う従来のCLVサーボ回路系より長い周期によりEFM
信号のエッジ数(反転回数)をカウントすることにより
CLV速度を計測し、この計測値と、EFM信号の周波
数に基づいて設定された最大値と最小値の間で可変され
るCLVターゲット値との誤差に基づいてCLV制御を
実行するようにしている。これにより、本実施の形態で
は従来のようにラフサーボ回路系を別途設けることな
く、非常に簡略な回路規模によりCLV引き込みサーボ
から、通常のCLV制御に移行することができる。ま
た、従来のようにラフサーボ制御、アクセス制御、及び
通常再生時のCLV制御とで回路系を切り換える必要が
無く、常に一系統の回路系によってCLV制御を実行す
ることから、それだけ安定的なCLVサーボ制御が実現
されることにもなる。
【0070】また、例えばCLV速度の計測周期は、従
来では約136μsであるのに対して、本実施の形態で
は上記のように9msとされて、この場合には、約64
倍程度の長い周期となることから、1サンプル欠落時の
信号の乱れも1/64とすることが可能となる。また、
CLVターゲット値が可変とされた状態から遷移して、
通常動作モードに適合するCLVターゲット値が設定さ
れることになるため、CLVターゲット値は可変であり
ながら、最終的に1つに決定することができる。従っ
て、例えば変速再生を行うような構成とされている場合
でも、本実施の形態のPLL/CLVサーボ回路により
容易に対応することが可能である。
【0071】更に、本実施の形態では、CLV速度の計
測値はEFM信号のエッジ数に基づいたものであること
から、この計測値を例えばシステムコントローラ14が
監視することで、ディスクの暴走や逆転が発生する以前
の段階でこれらの兆候を検出するように構成することが
可能とされ、従来では困難とされていた、上記ディスク
の暴走や逆転等によるエラー状態を未然に防止するよう
に制御を行うことが可能とされる。例えば、CLV速度
カウンタ33にて計測されたCLV速度値のCLVター
ゲット値に対する誤差が所定の範囲(例えば±50%)
を越えた場合は、予め設定しておいたキックレベルによ
りスピンドルモータのキック制御を実行して、上記CL
V速度値のCLVターゲット値に対する誤差がある範囲
内(例えば±30%以内)になるのを待機し、この範囲
内に誤差が収まったことが検出されたら定常再生に戻る
ための制御を実行するようにされる。
【0072】(2−d.ソフトウェアによるCLVター
ゲット可変設定動作)ところで、ノーマルモードでのC
LVスキャンモード時においてCLVターゲット値を可
変するための構成は、図3に示したようなハードウェア
としてのCLVターゲット可変設定回路35Aに代え
て、システムコントローラ14の制御によるものとして
ソフトウェアにより実現することも可能とされる。この
場合には、例えば、CLVターゲット可変設定回路35
Aを省略して、システムコントローラ14により発生さ
れるCLVターゲット値を減算器34に入力するように
構成すればよいことになる。
【0073】そこで、ノーマルモードでのCLVスキャ
ンモード時の動作として、ソフトウェアによりCLVタ
ーゲット値を可変する場合の構成について、図4及び図
5のフローチャートを参照して説明する。これらの図に
示す処理動作は、システムコントローラ14が実行する
ものとされる。また、以降の処理動作は、CLVスキャ
ンモードに移行するための状況として、スピンドルモー
タ2を回転起動させる場合を例として挙げることとす
る。
【0074】例えば、停止状態からディスクの再生のた
めの操作が操作部15において行われたことを検出する
と、システムコントローラ14は、図4に示すステップ
S100に移行し、内部のタイマーの時間計測値TIM
Eを0にリセットした後、続くステップS101におい
てスピンドルモータ2を強制的に回転駆動させるための
所定レベルのキック電圧を所定時間印加するための制御
を実行する。つまり、いわゆるスピンドルキックといわ
れる動作が行われ、これによりスピンドルモータ2は回
転を開始することになる。なお、所定時間によるスピン
ドルキックの実行が終了された後は、例えばスピンドル
モータ2は、CLV制御がかけられるまでの待機期間は
慣性回転を行っている状態にある。
【0075】ステップS101の処理が終了した後は、
ステップS102においてフォーカスサーボをオンとす
るためのコマンドを出力する。これにより、光学系サー
ボ回路12(図1参照)を備えて形成されるフォーカス
サーボ回路系では、フォーカスサーチ制御からフォーカ
スサーボループ制御に移行するまでのフォーカシング制
御を実行することになる。この状態の元で、システムコ
ントローラ14では、ステップS103においてフォー
カスサーボ制御が適正に行われた状態となったか否かに
ついて判別を行っており、閉じられたフォーカスサーボ
ループによるサーボ制御が実行された状態となったこと
が判別されるとステップS104に進む。ステップS1
04では、トラッキングサーボをオンとするためのコマ
ンドを出力する。これにより、光学系サーボ回路12に
おけるトラッキングサーボ回路系では、トラッキングサ
ーボ制御を開始することになる。これにより、光学ヘッ
ド3によりディスク1に記録された信号の読み出しが可
能な状態が得られることになる。
【0076】ステップS105では、ロック信号S・L
OCKをHレベルとして出力している状態であるか、即
ち、PLL回路がロックした状態(EFM信号からフレ
ームシンクが適正に検出可能される状態)にあるか否か
が判別される。なお、ここまでの処理段階において、P
LL回路がロックした状態になければ(ロック信号S・
LOCK=Lであれば)、図2にて説明したようにPL
L回路系25Bは、FCOカウンタ45の回路系を利用
したVCO中心周波数の自動調整動作を行うようにその
回路形態が形成されている状態にあるものとされる。
【0077】ステップS105において、先のスピンド
ルキック処理(S101)によって回転させられたスピ
ンドルモータ2の回転速度がPLL回路のキャプチャー
レンジに対応する適正範囲にあり、既にPLL回路がロ
ックした状態にあってロック信号S・LOCK=Hであ
ることが判別されると、ステップS111に進み、時間
計測値TIMEを‘0’にリセットして、ステップS1
12に進む。ステップS112では、PLL回路がロッ
クしている状態のもとでの通常動作モードに従った再生
動作のための制御処理が実行され、所定時間ごとにステ
ップS105に戻ることにより、PLL回路の状態を監
視するようにされる。なお、ステップS105及び後述
するステップS202におけるPLL回路のロック状態
の判別処理は、前述したように、信号GFSに応じてロ
ック信号S・LOCKを生成することから、例えば同期
検出回路26から入力される信号GFSの状態を検出す
ることによっても可能である。従って、PLL回路がロ
ックしている限り、ステップS111→S112→S1
05のループ処理によって、現在ノーマルモードである
かワイドモードであるかに関わらず、これら再生モード
に応じた通常動作モードが継続されることになる。ま
た、再生途中で何らかの外乱等によって、サーボ落ちや
長期信号欠落などのエラー状態が発生してロックがはず
れたのであれば、ステップS105からS106に進む
ようにされる。
【0078】ステップS105において、PLL回路が
ロックしていないと判別された場合には、ステップS1
06→S107→S105による処理が実行されること
で、所定時間だけ、このままの状態でPLL回路がロッ
ク状態に復帰して、通常動作モードに移行するのを待機
することになるが、スピンドルモータ2の回転速度が依
然不適正で、所定時間待機してもPLL回路がロックせ
ず通常動作モードに移行することが不可能である状態で
は、ステップS107からステップS108に進み、現
在、当該CDプレーヤの再生モードとして、ノーマルモ
ードとワイドモードとの何れのモードが設定されている
かについて判別を行う。このモード設定は、ユーザの操
作部15に対する操作によって何れか一方のモードが既
に選択されている状態にあるものとされる。
【0079】ステップS108において、ノーマルモー
ドであると判別された場合には、ステップS109とし
てのノーマルモードに対応するCLVスキャンモードと
しての処理に移行する。このステップS109としての
処理ルーチンは次に図5により説明するようなものとな
る。また、ワイドモードであると判別された場合には、
ステップS110のワイドモードにおけるCLVスキャ
ンモードのための処理に移行するが、ステップS110
としての処理ルーチンについては後述する。
【0080】図5に示すルーチンにおいては、先に図3
に示したCLVターゲット可変設定回路35Aに代わる
動作がシステムコントローラ14により行われる。ここ
で、システムコントローラ14に対しては、少なくとも
CLVターゲット値の最大値(900K)と最小値(7
50K)の情報がセットされているものとする。
【0081】図5に示す処理としては、先ずステップS
201において、例えば、減算器34に入力すべきCL
Vターゲット値(図にはCLVTGとして示している)
を最大値に設定した後、ステップS202において、P
LL回路がロックしているか否かについて判別を行うよ
うにしている。
【0082】ステップS202においてPLL回路がロ
ックしていると判別されたのであれば、ステップS21
0に進み、これまでCLVターゲット値を可変制御して
いたのであればこのためのカウント動作を停止して、最
後のCLVターゲット値を保持した後、図4に示したス
テップS105に進むようにされる。これによって、P
LL回路がロックした状態にある限り、ステップS11
1→S112→S105のループ処理によって通常動作
モードとなる。これに対して、ステップS202におい
てPLL回路がロックしていないと判別されたのであれ
ば、ステップS203に進み、CLVターゲット値のカ
ウントモードが現在アップカウントモードとされている
か否かについて判別が行われる。なお、ステップS20
1→S202の処理を経てステップS203に移行して
きた場合には、ダウンカウントモードが設定されている
ものとする。ステップS203において、アップカウン
トモードであると判別された場合には、ステップS20
4に進んでCLVターゲット値について、1ステップイ
ンクリメントしてステップS206に進むようにされ
る。また、ダウンカウントモードであると判別された場
合には、ステップS205において、1ステップデクリ
メントしてステップS206に進むことになる。
【0083】ステップS206においては、現在のCL
Vターゲット値が最大値とされているか否かについて判
別が行われ、CLVターゲット値が最大値とされている
場合には、ステップS207に進んでダウンカウントモ
ードにカウントモードを切り換え、ステップS202に
戻るようにされる。これに対して、CLVターゲット値
が最大値に至っていないと判別された場合にはステップ
S208に進み、CLVターゲット値が最小値に至った
か否かについて判別が行われる。そして、CLVターゲ
ット値が最小値に至ったと判別された場合にはステップ
S209に進むことによりアップカウントモードに切り
換えが行われた後にステップS202に戻るようにされ
る。また、ステップS208において否定結果が得られ
たのであれば、これまでのカウントモードを維持した状
態でステップS202に戻るようにされる。これまで説
明した動作が実行されることで、図3により説明したC
LVターゲット可変設定回路35Aと等価の動作がシス
テムコントローラ14の処理として実行されることにな
る。
【0084】なお、上記処理動作においては、図3によ
り説明したハードウェアとしての構成に準じて、アップ
カウントモードとダウンカウントモードの切り換えが、
EFMピット長の計測結果に基づいて行われるようにす
ることが可能である。
【0085】(2−e.ワイドモード時の動作)続い
て、PLLサーボ回路25の対振モード時(ワイドモー
ド時)における動作について補足的に説明する。対振モ
ード時においては、基本的に1倍速より高速の特定のデ
ータ転送レートレートによってディスクからの信号の読
み出しと信号処理回路7内における信号処理、及びRA
M9へのデータの書き込みを行ってRAM9にデータを
蓄積し、RAM9からのデータの読み出しは1倍速に対
応する通常レートで読み出すことにより、再生データが
とぎれないように出力させることで対振機能を得るもの
である。そして、本実施の形態においては、更に対振機
能の強化を図るために、PLLサーボ回路25の動作と
して、次に説明するようにして、PLL回路のキャプチ
ャーレンジとロックレンジの拡大が図られるように「ワ
イドモード」としての動作を行うものである。
【0086】この場合、リードフレームクロック信号R
FCKについては、CLV速度があるn倍速(n>1)
とされることに対応して、RFCK=n×RFCKによ
り表される周波数信号となる。また、これに対応してV
CO44の発振周波数もノーマルモード時に対してn倍
の周波数を有するものとされ、従って、ワイドモード時
の信号PLCKの周波数も、PLCK=n×PLCKに
より表されることになる。
【0087】ワイドモード時における各スイッチの切り
換え状態としては、ワイドモードに対応するモード切り
換え信号S・NWによって、スイッチSW2が端子T・
W側に切り換えられる。これにより、PLL回路系25
Bの減算器46に対しては、PLLターゲット可変回路
39の出力が入力されることになる。つまり、PLL回
路系25BにおけるVCO44の中心周波数の自動調整
回路系では、CLV速度カウンタ33により計測された
EFM信号周波数の情報がPLLターゲット値として減
算器46に供給されることになる。
【0088】また、スイッチSW5では、ワイドモード
に対応するモード切り換え信号S・NWによりオンとな
るように制御され、PCI回路50の出力がスイッチS
W3の端子T・Lに対して供給可能な状態とされる。ま
た、ロック信号S・LOCKにより制御されるスイッチ
SW1,SW4の切り換え状態については、ノーマルモ
ード時と同様となる。
【0089】また、ワイドモード時では、CLVサーボ
回路系25Aにおいては、CLVターゲット設定回路3
5から、所定の固定値によるCLVターゲット値を減算
器34に対して出力するようにされる。つまり、後述す
るCLVスキャン動作時であっても、ノーマルモード時
のようにCLVターゲット値は可変制御されない。これ
により、ワイドモード時には、CLVサーボ回路系25
Aでは、CLV速度カウンタ33から出力されるCLV
速度情報が上記固定値としてのCLVターゲット値に一
致する収束状態が得られるように、スピンドルモータ2
の回転速度を制御することになる。また、ワイドモード
時においてPLL回路がロックしていないとされる状態
では、加算器36に対して‘0’としての固定値による
位誤差信号CLV−Pが入力されている状態にある。
【0090】上記のような回路形態がPLL/CLVサ
ーボ回路25において形成されることを前提として、ワ
イドモード時におけるCLVサーボ回路系25AのCL
Vスキャン動作(PLL回路をロックさせるための動作
である)について説明する。
【0091】ここで、例えばPLL回路がロックしてい
ない状態として、ディスクの回転速度がCLVターゲッ
ト設定回路35にて設定されている固定値に達していな
いとされるとき、PLL回路系25Bにおいては、FC
Oカウンタ45側の周波数誤差信号S・FCが帰還され
るループのみによってVCO44が中心周波数に収束す
るように制御する中心周波数の自動調整動作が行われて
いる。
【0092】ただし、ワイドモードでは、前述のように
減算器46においてFCOカウンタ45の出力と比較す
るPLLターゲット値は、PLLターゲット可変回路3
9からの出力となる。このとき、PLLターゲット可変
回路39は、CLV速度カウンタ33のEFM信号周波
数値を入力して、FCOカウンタ45の出力が目標とす
る所定の目標値とCLVターゲット値との比に従って、
例えばRFCK/64の周期で可変を行うようにされ
る。なお、このPLLターゲット値の可変動作について
は後述する。
【0093】上記のように、FCOカウンタ45の周波
数計測値に対して目標となるPLLターゲット値が現在
のEFM信号周波数値に基づく周波数値とされ、このP
LLターゲット値に基づいて生成された周波数誤差信号
S・FCによってVCO44の発振周波数を制御するこ
とで、VCO44は現在のEFM信号周波数値にロック
可能なVCO周波数、或いは、D/Aコンバータ49
と、加算器43、及びVCO44の特性によって決定さ
れる最低周波数により固定するように収束する。一方、
CLVサーボ回路系25Aでは、前述したように、固定
値によるCLVターゲット値を目標としてスピンドルモ
ータ2の回転速度を制御する動作をしている。このと
き、PLL回路系25Bでは、上記VCOの中心周波数
の自動調整動作を行って、PLL回路がロックする(即
ち、現在のEFM信号周波数がPLCK周期と一致す
る)までに、スピンドルモータ2の回転速度が上昇する
のを待機している。
【0094】上記アンロック時の動作状態は、例えば現
在のディスク回転速度に対して、VCO44の発振周波
数が近づいていくように制御される状態と見ることがで
きる。このため、例えば、VCO44の発振周波数を1
/2分周して得られる周波数信号PLCKの周波数可変
範囲が2MHz〜30MHzであると仮定すると、本実
施の形態では、信号PLCKとして最低周波数である2
MHzが得られた時点でPLL回路がロックして信号の
読み取りが可能となる。即ち、CLVサーボの引き込み
段階からPLL回路による追従が可能となる。例えば、
従来として、2倍速による再生動作が行われているとす
ると、信号PLCKが4.3218MHz×2でPLL
回路が初めてロックするため、例えばスピンドルモータ
2の回転起動から信号読み取りが可能となるのに4秒程
度の時間を要していた。これに対して、本実施の形態で
は約1秒程度で信号の読み取りが可能となる。更に、例
えばトラックジャンプ時などにおいて、PLL回路を再
ロックさせる際にも、上記したCLVスキャン動作が実
行されることで、従来の100倍程度の速度によってデ
ィスク速度に追従させるように収束させることが可能と
なる。これは、従来はPLLターゲット値が固定とされ
ていることでスピンドルモータ2の回転速度のみが可変
制御要素であったのに対し、本実施の形態では、PLL
回路の中心周波数自動調整系の動作によって、VCO4
4の発振周波数がEFM信号周波数に対応する現在のス
ピンドルモータ2の速度に追従するように制御されるこ
とに依る。
【0095】上述のようにしてPLL回路がロックして
いない状態から、EFM信号周波数がPLCK周期と一
致して同期検出回路26においてフレームシンクが適正
に検出され、PLL回路がロックしたとされる状態に遷
移したとされると、システムコントローラ14から出力
されるロック信号S・LOCKがHレベルにより出力さ
れる。
【0096】これにより、スイッチSW3は端子T・U
Lから端子T・Lに切り換えが行われることになる。ま
た、スイッチSW4がオンとされることになる。なお、
スイッチSW1は、ワイドモード時には端子T・UL
(固定値‘0’側)で固定である。このため、CLVサ
ーボ回路系におけるスピンドルモータ2のCLV制御に
ついては、アンロック時から継続して速度誤差信号CL
V−Sに基づいて行われることになる。
【0097】また、PLL回路系25Bにおいては、ス
イッチSW3を介して積分回路48に出力される信号
が、FCOカウンタ45側からPCI回路50側のワイ
ドロック回路系に切り換えられることになる。また、ア
ナログPCO回路41の検出出力に基づいて得られる誤
差制御信号S・EがスイッチSW4を介して加算器43
に対して供給されることになる。PLL回路がロックし
た状態では、PCI回路50の位相誤差低域成分の検出
出力を積分回路48により積分して得られる位相誤差信
号S・PCは、周波数信号PLCKに対するEFM信号
の周波数誤差情報に相当する。このため、スイッチSW
3の出力がFCOカウンタ45側からPCI回路50側
の系に切り替わった時点では、これまでFCOカウンタ
45側から供給されていた周波数誤差信号S・FCの最
終値を、位相誤差信号S・PCが引き継ぐようにして動
作する状態が得られることになる。
【0098】上記動作により、PLL回路がロックして
以降は、PCI回路50側のワイドロック回路系の出力
に基づいてD/Aコンバータ49を介して得られる位相
誤差信号S・PCと、アナログPCO回路41の検出出
力である誤差制御信号S・Eを加算器43により合成し
た電圧値によってVCO44の発振周波数を制御するこ
とになる。このとき、PCI回路50の出力に基づいて
得られる位相誤差信号S・PC(D/Aコンバータ49
の出力)は、EFM信号周波数に追従するようにしてV
CO44の中心周波数を決定する作用を有する位相低域
成分とされ、一方、誤差制御信号S・Eの元となるアナ
ログPCO回路41の検出出力(位相比較結果)は位相
高域成分となる。従って、このときPLL回路系25B
において、ロックレンジ及びキャプチャーレンジを決定
する要素は、D/Aコンバータ49、加算器43の特性
と、VCO44の周波数可変範囲のみとなり、結果的に
ロックレンジ及びキャプチャーレンジを上記決定要素に
よって制限される範囲内にまで拡大することが可能とな
る。
【0099】ここで、図7に、これまで説明したPLL
/CLVサーボ回路25のワイドモード時の動作を、C
LV制御信号(CLVサーボ回路系25Aからモータド
ライバへ供給するドライブ出力)、周波数誤差信号S・
FC/位相誤差信号S・PC、及びロック信号S・LO
CKとの関係により示す。例えば、時点t0においてス
ピンドルモータ2を回転起動するための動作が開始され
たとする。このとき、PLL回路はロックしていないの
で、図7(c)に示すようにロック信号S・LOCKは
Lレベルとされている。この状態では、PLL回路系2
5Aでは、FCOカウンタ45側の系が動作すること
で、例えば図7(b)に示す周波数誤差信号S・FCに
よりVCO発振周波数が制御されることになる。また、
この初期段階ではでは、スピンドルモータ2の回転速度
がCLVターゲット値に対して相当に離れていることか
ら、図7(a)のように比較的大きなレベルのCLV制
御信号を供給して、ディスク回転速度を高速にもってい
く。時点t0以降、先に説明したCLVスキャンモード
としての動作が行われ、PLL回路がロックしたとされ
る状態となると、図7(c)に示すロック信号S・LO
CKはHレベルに変化する。これにより、前述のよう
に、PLL回路系25Aでは、FCOカウンタ45側の
系が有効な状態からPCI回路50側の系が有効な状態
に切り替わるように動作する。そして、このとき図7
(b)に示すように、加算器43に入力される信号とし
ては、周波数誤差信号S・FCの最終値を引き継ぐよう
にして位相誤差信号S・PCに切り替わる。以降は、図
7(a)のCLV制御信号及び図7(b)の位相誤差信
号S・PCのレベル遷移から分かるように、CLVサー
ボ回路系25AのCLVターゲット値に一致するように
してCLV制御が行われると共に、PLL回路系25B
では、ロックされた状態を維持しながらVCO44の発
振周波数が定常状態の中心周波数となるように制御され
ることになる。
【0100】例えば、本実施の形態のPCI回路50に
よるワイドロック系が備えられないPLL回路系25B
のワイドモードとしての動作を考えてみた場合、引き込
み制御動作は、FCOカウンタ45側の系により得られ
る周波数誤差信号S・FCに基づいて行われることで、
前述した動作によってキャプチャーレンジの拡大は実現
される。ただし、アナログPCO回路41の出力(S・
E)とFCOカウンタ45側の検出出力(S・PC)と
では位相が異なることから、PCI回路50が備えられ
ない場合、PLL回路がロックした状態では、FCOカ
ウンタ45側の検出出力である周波数誤差信号S・FC
についてPLL回路がロックした時点の最終値を保持し
て、この保持値としての周波数誤差信号S・FCを、ア
ナログPCO回路41の誤差制御信号S・Eに対するオ
フセット成分として加算する方法しか採り得なかった。
このときの周波数誤差信号S・FCは固定値となり、E
FM信号周波数に追随して変化するものではないため、
ロックレンジの拡大は困難であった。これに対して、本
実施の形態においては、前述のようにして、アナログP
CO回路41の出力に対して、PCI回路50の動作に
より得られる出力が加算されることによって、VCO4
4の中心周波数をEFM信号周波数に追従するようにし
て可変制御することが可能となる。
【0101】続いて、上記したワイドモード時のシステ
ムコントローラ14の処理動作として、主として、PL
Lターゲット可変回路39に対するPLLターゲット値
の可変制御処理について、図4及び図6を参照して説明
する。ワイドモード時においても、例えばスピンドルモ
ータ2の回転起動時以降、あるいは、サーボ落ちや信号
のドロップアウト等によりPLL回路のロックがはずれ
た直後の処理としては、図4に示す処理動作としてステ
ップS100〜S108までの処理が実行される。な
お、図4に示す処理動作は既にノーマルモード時の動作
として説明したため、ここでは説明を省略する。ただ
し、ワイドモード時は、CLVターゲット値が固定であ
ることから、CLVサーボ回路系は、このCLVターゲ
ット値に対して収束するようにCLV制御が行われてい
る状態にあるものとされる。
【0102】図4におけるステップS108において、
現在、ワイドモードであることが判別されると、ステッ
プS110に進み、ワイドモードにおけるCLVスキャ
ンモードとしての処理が実行されることになる。このス
テップS110としてのCLVスキャン処理は、図6の
処理ルーチンに示すものとなる。この処理ルーチンで
は、システムコントローラ14が制御信号SC2を出力
してPLLターゲット可変回路39を制御することで、
以降説明するようにして、PLLターゲット可変回路3
9から出力すべきPLLターゲット値を可変する。
【0103】図6に示すCLVスキャンモードの処理と
しては、先ず、ステップS301において、PLLター
ゲット可変回路39から出力されるPLLターゲット値
(図にはPLLTGとして示している)を最大値に設定
する。上記PLLターゲット値の最大値は、例えばPL
Lターゲット可変回路39に入力されたCLV速度カウ
ンタ33の出力値をSDTとすれば、この値SDTに対
して乗算を行う係数kについて最大値を設定することに
より設定されるものである。また、このPLLターゲッ
ト値の最大値は、前述したCLVターゲット値の可変範
囲の最大値である900kに対応する値が設定される。
また、PLLターゲット値の最小値も同様に、CLVタ
ーゲット値の可変範囲の最小値である750kが設定さ
れる。
【0104】この後、システムコントローラ14は、ス
テップS302において、PLL回路がロックしている
か否かについて判別を行う。上記ステップS302にお
いてPLL回路がロックしていると判別されたのであれ
ば、図4のステップS105に進む。これによって、P
LL回路がロックした状態にある限り、ステップS11
1→S112→S105のループ処理によって通常動作
モードが実行される。なお、この場合はワイドモードで
あることから、ステップS105に移行した時点では、
PLL回路系25Bにおいては、FCOカウンタ45の
側の系からPCI回路50のワイドロック回系に切り換
えが行われることは前述したとおりである。
【0105】また、ステップS302においてPLL回
路がロックしていないと判別された場合には、ステップ
S303に進み、PLLターゲット値のカウントモード
が現在アップカウントモードとされているか否かについ
て判別が行われる。ただし、ステップS301→S30
2の処理を経てステップS303に移行してきた初期段
階では、ダウンカウントモードが設定されているものと
する。ステップS303において、アップカウントモー
ドであると判別された場合には、ステップS304に進
んでアップカウント動作を行う。このアップカウント動
作は、例えば図のように、先ず、PLLターゲット値可
変演算に用いる係数kについて、ステップS304にお
いて所定値による1ステップ分のインクリメントをす
る。そして、次のステップS306において、ステップ
S305にて得られた係数kを用いて、CLV速度カウ
ンタ33の出力値SDTに対して乗算を行う。つまり、
PLLTG=SDT×kにより、PLLターゲット値を
更新する処理を実行することでアップカウントを行う。
なお、このときのカウント動作としては、PLLターゲ
ット値が先に説明したCLVターゲット値の可変範囲で
ある750K〜900Kに対応して設定される最大値〜
最小値の間で、適正なステップ値ごとに増減が行われれ
ばよく、上記ステップS304→S306、あるいは、
次に説明するステップS305→S306の処理動作に
限定されるものではない。例えば、現在のPLLターゲ
ット値に対して適切に設定されたアップカウント及びダ
ウンカウントのための各係数により、カウント処理を行
うごとに加重演算を行うようにすることも考えられる。
【0106】また、ステップS303において、ダウン
カウントモードであると判別された場合には、ステップ
S305において、係数kについて所定値による1ステ
ップ分のデクリメントをしてステップS306に進み、
この係数kによりCLV速度カウンタ33の出力値SD
Tを乗算することで、PLLターゲット値についてダウ
ンカウントする。
【0107】ステップS307においては、現在のPL
Lターゲット値が最大値とされているか否かについて判
別が行われ、PLLターゲット値が最大値とされている
場合には、ステップS307に進んでダウンカウントモ
ードにカウントモードを切り換え、ステップS302に
戻る。これに対して、PLLターゲット値が最大値に至
っていないと判別された場合にはステップS308に進
み、PLLターゲット値が最小値に至ったか否かについ
て判別する。ここで、PLLターゲット値が最小値に至
ったと判別された場合にはステップS309に進むこと
によりアップカウントモードに切り換えが行われ、ステ
ップS302に戻るようにされる。また、ステップS3
08において否定結果が得られれば、これまでのカウン
トモードを維持した状態でステップS302に戻るよう
にされる。このようにして、ワイドモードでのCLVス
キャンモードでは、CLVターゲット値が固定されるの
に対して、PLLターゲット値を可変してスキャンを行
うようにしたことで、例えばVCO44がCLV速度カ
ウンタ33の出力値SDTに対してロック可能な状態に
より高速に遷移させることを可能としている。
【0108】なお、この場合にも、係数kに対するアッ
プカウントモードとダウンカウントモードとの切り換え
は、先に説明したCLVターゲット値のスイープ時と同
様、EFMピット長の計測結果に基づいて行われるよう
に構成することが可能である。
【0109】これまでの説明のようにして、ワイドモー
ド時におけるPLL回路のロックレンジ及びキャプチャ
ーレンジレンジを拡大するように構成したことで、回転
外乱に対する耐振強度は従来のシステムでは±4フレー
ムであったのに対して、本実施の形態としてのCDプレ
ーヤがバッファメモリとして4MバイトのDRAMをR
AM9として使用した場合、ワイドモード時においては
±35000EFMフレームとなり、PLL回路のロッ
クがはずれない限り、従来に対して9000倍の強度を
有することになる。そして、PLL回路のロックがはず
れる限界は、従来±1MHz程度のロックレンジであっ
たのに対して、本実施の形態では±7MHzの程度ロッ
クレンジが得られることになり、従って、従来に対して
7倍の外乱強度に対応することが可能となる。また、本
実施の形態においては、信号処理回路7内における処理
がVCO44の発振周波数を1/2分周した信号PLC
Kに基づく周波数信号をクロックとしている。このこと
から、EFMデコード回路22だけでなくエラー訂正/
デインターリーブ処理回路23も信号PLCKにより動
作することになる。なお、データの時間軸補正はメモリ
コントローラ8のRAM9に対する書き込み及び読み出
し制御によって行われる。このため、エラー訂正時のフ
レームジッターマージンは不要となる。これにより、例
えば16Kビット程度の容量によるRAM24をもちい
た最小のシステム構成に依りながらも、フレームジッタ
ーマージンを考慮することなく、PLL/CLVサーボ
回路を設計することも可能となる。つまり、従来は約2
0Hz程度必要とされていたCLVサーボ帯域を1Hz
程度にまで設定することが可能であり、それだけCLV
サーボ回路系における消費電力を低減させることができ
る。
【0110】(2−f.可変速再生動作)ところで、こ
れまでの説明では、ワイドモード時においてCLVター
ゲット設定回路35から出力されるCLVターゲット値
は、所要のCLV速度に対応する固定値とされているこ
とを前提として説明を行ったが、本実施の形態では、P
LL回路系25Bが、上述したワイドモード時としての
動作を行っている状態の元で、CLVターゲット設定回
路35から出力されるCLVターゲット値を変更するこ
とで、いわゆる可変速再生を行うことが可能となる。つ
まり、PLL回路系25Bとしては、先に説明したワイ
ドモードとしての動作によってロックレンジが拡大され
ている状態(ロックしている状態)のもとで、CLVタ
ーゲット設定回路35のCLVターゲット値を、所要の
CLV速度に対応する値に変更するようにされる。
【0111】前述のように、本実施の形態のワイドモー
ドの動作により得られるロックレンジは、D/Aコンバ
ータ49、加算器43の特性とVCO44の周波数可変
範囲に従った範囲内が保証されているので、PLL回路
系25Bがワイドモードとしての動作によりワイドロッ
ク化された状態にあれば、CLVターゲット設定回路3
5のCLVターゲット値を変更設定しても、CLVサー
ボ回路系25Aは、変更された目的のCLVターゲット
値に対応するCLV速度が得られるように収束する一方
で、PLL回路系25Bのロックした状態は維持されて
信号読み取りが可能な状態を得ることができる。つま
り、信号読み出し中にこの読み出し動作を停止すること
なく再生速度を可変することができる。ただし、CLV
ターゲット値を目的の値にもっていくまでの可変ステッ
プ量を大きく取ると、これがアナログPCO回路41の
ロック範囲を越えることでPLL回路系25Bのロック
がはずれてしまう。このため、CLVターゲット値の可
変ステップ量は、ロックがはずれないようにして設定さ
れる必要がある。本実施の形態の場合、理論的には25
パーセントの最大ステップ幅が得られるが、実用上は、
1ステップあたり2パーセント以下とすればよいという
結果が得られた。また、ステップの可変時間間隔は、C
LVサーボ回路系25Aにおけるディスク回転速度制御
の追従速度や、同期検出回路26から入力される信号G
FSが落ちないようにすること等を考慮して設定されれ
ばよい。
【0112】例えばCDの場合、可変速再生により得ら
れるオーディオ再生信号は、基準速度に対して可変され
た割合だけ、ピッチ(音高)及び再生速度の可変された
ものとなる。従って、例えば、可変速再生により得られ
た再生信号は、カラオケなどのいわゆるキートランスポ
ーズ機能に利用することができる。ただし、カラオケの
キートランスポーズ機能に利用する際には、再生速度に
ついては、基準速度再生に対応する再生速度が要求され
るが、ピッチは可変速再生により得られたものを維持し
た上で再生速度は基準速度に対応する速度に戻す技術
は、例えば先に本出願人により各種提案されており、こ
れらの技術のうちから適当なものを選択して採用すれば
よい。
【0113】なお、上記実施の形態として説明したワイ
ドモード時の動作を実現する構成は、例えば、倍速再生
対応とされていれば、特にワイドモードが設定されない
再生装置においても適用が可能である。また、上記実施
の形態としては再生装置としてCDプレーヤを例に挙げ
たが、例えばディスク回転制御をCLVにより行う他の
ディスクメディアに対応する再生装置に対しても適用が
可能であり、この際、記録データはEFM信号に限定さ
れるものではなく、当然のこととして、他の方式による
ランレングスリミテッドコードとされていても本発明が
有効に適用されるものである。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、計測され
たランレングスリミテッド符号の周波数を比較周波数と
比較して得られる誤差情報に基づいてCLV速度制御信
号を得るようにされるが、この際、クロック抽出のため
のPLL回路がロックしていないとされる状態では、上
記比較周波数を当該ランレングスリミテッド符号の符号
列の反転周期の平均に基づいて設定した下限周波数と上
限周波数の範囲内で可変させるようにし、PLL回路が
ロックしたとされる時点で得られている比較周波数を固
定とすることで、以降のCLV制御を行うようにしてい
る。
【0115】これにより、本発明では、従来のようにラ
フサーボ制御と、アクセス制御と、通常再生時のCLV
サーボ制御とで、CLV制御のための回路系を切り換え
る必要が無く、1系統のCLV制御系によりCLVサー
ボの引き込み制御から通常再生に迅速に移行することが
できる。従って、CLV制御のための回路構成の簡略
化、及び回路規模の縮小を図ることが可能となる。ま
た、安定的なCLVサーボ制御が実現されることにな
る。
【0116】また、CLV速度の誤差検出は、ランレン
グスリミテッド符号の周波数に基づくと共に、その符号
列の反転回数(エッジ数)に基づいて得るようにしてい
るが、これにより、本発明は同期検出前にディスク回転
数の誤差を検出することが可能となる。このため、ディ
スクの暴走や逆転の現象が発生する前の段階で、その発
生可能性を検出して未然に防止するように構成すること
も可能とされる。このように、本発明は、CLVサーボ
制御に関して、簡略な構成が得られると共に、より信頼
性の高い再生動作が実現されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての再生装置の構成例
を示すブロック図である。
【図2】PLL/CLVサーボ回路系の構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】CLVターゲット可変設定回路の構成例を示す
ブロック図である。
【図4】CLV制御に伴うシステムコントローラの処理
動作を示すフローチャートである。
【図5】CLV制御に伴うシステムコントローラの処理
動作としてノーマルモード時の処理動作を示すフローチ
ャートである。
【図6】CLV制御に伴うシステムコントローラの処理
動作としてワイドモード時の処理動作を示すフローチャ
ートである。
【図7】ワイドモード時のCLV制御動作の遷移を示す
説明図である。
【図8】EFM信号のフレーム構造を示す説明図であ
る。
【図9】EFMワードを示す説明図である。
【図10】EFMワードを示す説明図である。
【図11】EFMワードを示す説明図である。
【図12】EFMワードを示す説明図である。
【図13】従来例としてのCLVサーボ制御回路系の構
成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ディスク、、2 スピンドルモータ、3a 対物レ
ンズ、3b ディテクタ、3c レーザダイオード、3
d 光学系、3 光学ヘッド、 4 二軸機構、 5
スレッド機構、6 RFアンプ、7 信号処理回路、
8 メモリコントローラ、9 RAM(バッファメモ
リ)、10 D/Aコンバータ、11 オーディオ出力
端子、12 光学系サーボ回路、13 モータドライ
バ、14 システムコントローラ、15 操作部、20
2値化回路、21 レジスタ、22EFMデコード回
路、23 エラー訂正/デインターリーブ処理回路、2
5ACLVサーボ回路系、25B PLL回路系、25
PLL/CLVサーボ回路、26 同期検出回路、3
0 分周器、31 水晶発振器、32 分周器、33
CLV速度カウンタ、34 減算器、35A ターゲッ
ト可変設定回路、35 CLVターゲット設定回路、3
6 加算器、37 ローブースト回路、38D/Aコン
バータ、39 PLLターゲット可変回路、40 ター
ゲット固定値レジスタ、41 アナログPCO回路、4
2 フィルタ、43 加算器、44VCO、45 FC
Oカウンタ、46 減算器、47 アンプ、48 積分
回路、49 D/Aコンバータ、50 PCI回路、5
1 アンプ、60 カウンタ部、61 セレクタ、62
最小値レジスタ、63 最大値レジスタ、64セット
/リセット部、65 最大値検出部、66 最小値検出
部、67 エッジ検出回路、68 ORゲート、SW
1,SW2,SW3,SW4,SW5 スイッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状記録媒体から再生されたラン
    レングスリミテッド符号を抽出する符号抽出手段と、 所定の周波数による基準信号を発生する基準信号発生手
    段と、 上記符号抽出手段から抽出したランレングスリミテッド
    符号の周波数を上記基準信号発生手段により発生された
    基準信号に基づいて計測する周波数計測手段と、 上記ランレングスリミテッド符号のフレーム単位の周期
    ごとに発生する符号列の反転回数の平均値に基づいて設
    定したランレングスリミテッド符号の下限周波数と上限
    周波数の値が保持される周波数保持手段と、 上記符号抽出手段から抽出したランレングスリミテッド
    符号に同期したクロックを抽出するフェーズロックドル
    ープ回路がロックしているか否かを判別するロック判別
    手段と、 上記ロック判別手段により上記フェーズロックドループ
    回路がロックしていないと判別されている状態では、上
    記周波数計測手段により計測されたランレングスリミテ
    ッド符号の周波数に対する比較対照となる比較周波数
    を、上記下限周波数と上限周波数の範囲で可変する比較
    周波数可変手段と、 上記ロック判別手段により上記フェーズロックドループ
    回路がロックしていると判別されたときに、上記比較周
    波数可変手段において最後に得られた比較周波数を固定
    的に保持させる比較周波数保持手段と、 上記周波数計測手段により計測したランレングスリミテ
    ッド符号の周波数と上記比較周波数可変手段から出力さ
    れた比較周波数との差分情報を演算する差分演算手段
    と、 上記差分演算手段により得られた差分情報に基づいて上
    記ディスク状記録媒体の回転速度制御を行うことのでき
    る回転速度制御手段と、 を備えていることを特徴とする回転速度制御装置。
  2. 【請求項2】 ランレングスリミテッド符号が記録され
    ているディスク状記録媒体を線速度一定に回転駆動する
    ことにより再生動作を行う再生装置として、 上記ディスク状記録媒体から上記ランレングスリミテッ
    ド符号を再生する再生手段と、 所定の周波数による基準信号を発生する基準信号発生手
    段と、 上記再生手段により再生されたランレングスリミテッド
    符号の周波数を、上記基準信号発生手段により発生され
    た基準信号に基づいて計測する周波数計測手段と、 上記ランレングスリミテッド符号のフレーム単位の周期
    に発生する符号列の反転回数の平均値に基づいて設定し
    た、ランレングスリミテッド符号の下限周波数と上限周
    波数が保持される周波数保持手段と、 上記再生手段により再生された上記ランレングスリミテ
    ッド符号に同期したクロックを抽出するフェーズロック
    ドループ回路がロックしているか否かを判別するロック
    判別手段と、 上記ロック判別手段により上記フェーズロックドループ
    回路がロックしていないと判別されている状態では、上
    記周波数計測手段により計測されたランレングスリミテ
    ッド符号の周波数に対する比較対照となる比較周波数
    を、上記下限周波数と上限周波数の範囲で可変する比較
    周波数可変手段と、 上記ロック判別手段により上記フェーズロックドループ
    回路がロックしていると判別されたときには、上記比較
    周波数可変手段において得られた比較周波数を固定的に
    保持させる比較周波数保持手段と、 上記周波数計測手段により計測したランレングスリミテ
    ッド符号の周波数と上記比較周波数可変手段から出力さ
    れた比較周波数との差分を算出する差分演算手段と、 上記差分演算手段により得られた差分情報に基づいて上
    記ディスク状記録媒体の回転速度制御を行う回転速度制
    御手段と、 上記ロック判別手段により上記フェーズロックドループ
    回路がロックしていると判別されたときには、上記回転
    速度制御手段からの速度信号に対して、所定の基準信号
    とフェーズロックドループ回路の発振周波数との位相誤
    差情報を加算する加算手段と、 上記加算手段の出力信号に基づいて上記ディスク状記録
    媒体の回転駆動を行う駆動手段と、 を備えていることを特徴とする再生装置。
  3. 【請求項3】 ディスク状記録媒体が回転している状態
    において、フォーカスサーボループ及びトラッキングサ
    ーボループをオンとすることにより、上記ディスク状記
    録媒体に記録されているランレングスリミテッド符号を
    読み出し可能とする符号読み出し処理と、 上記符号読み出し処理により得られたランレングスリミ
    テッド符号の周波数を、所定の周波数による基準信号に
    基づいて計測する周波数計測処理と、 上記周波数計測処理により計測されたランレングスリミ
    テッド符号の周波数と比較周波数との差分情報を算出す
    る差分情報演算処理と、 上記フォーカスサーボループ及びトラッキングサーボル
    ープがオンとされた状態の後において、上記符号読み出
    し処理により得られたランレングスリミテッド符号に同
    期したクロックを抽出するフェーズロックドループ回路
    がロックしているか否かを判別する判別処理と、 上記判別処理によって、フェーズロックドループ回路が
    ロックしていないと判別された状態が所定時間以上継続
    された場合には、上記フェーズロックドループ回路によ
    り発生される発振周波数が所要の中心周波数にて固定さ
    れるように制御する処理と、上記ランレングスリミテッ
    ド符号のフレーム単位の周期に発生する符号列の反転回
    数の平均値に基づいて予め設定したランレングスリミテ
    ッド符号の下限周波数と上限周波数の範囲で上記比較周
    波数を可変出力する処理とを実行する引き込み対応処理
    と、 上記判別処理によって、上記引き込み対応処理の実行期
    間中に、上記フェーズロックドループ回路がロックした
    と判別されたときには、上記引き込み対応処理を停止さ
    せ、フェーズロックドループ回路がロックしたとされる
    時点において最後に得られたとされる上記比較周波数を
    保持して出力する比較周波数保持処理と、 上記差分情報演算処理により算出された上記差分情報に
    基づいて、ディスク状記録媒体を線速度一定となるよう
    に回転駆動する回転駆動制御と、 を実行するように構成されていることを特徴とする回転
    速度制御方法。
JP9318492A 1997-11-19 1997-11-19 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法 Withdrawn JPH11149703A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9318492A JPH11149703A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法
US09/193,749 US6185172B1 (en) 1997-11-19 1998-11-17 Rotation control apparatus, reproduction apparatus to which rotation control apparatus is applied, and rotation control method
GB9825289A GB2331619B (en) 1997-11-19 1998-11-18 Rotation control apparatus,reproduction apparatus to which rotation control apparatus is applied,and rotation control method
DE19853449A DE19853449A1 (de) 1997-11-19 1998-11-19 Rotationssteuerungsvorrichtung, Wiedergabevorrichtung, bei der die Rotationssteuerungsvorrichtung verwendbar ist, und Rotationssteuerungsverfahren
KR1019980049755A KR19990045421A (ko) 1997-11-19 1998-11-19 회전 제어 장치, 회전 제어 장치가 적용된 재생 장치, 및회전 제어 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9318492A JPH11149703A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11149703A true JPH11149703A (ja) 1999-06-02

Family

ID=18099730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9318492A Withdrawn JPH11149703A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6185172B1 (ja)
JP (1) JPH11149703A (ja)
KR (1) KR19990045421A (ja)
DE (1) DE19853449A1 (ja)
GB (1) GB2331619B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6489740B2 (en) * 2000-05-24 2002-12-03 Sanyo Electric Co., Ltd. Spindle motor control method of optical disk recording and reproducing apparatus
JP2001351331A (ja) * 2000-06-06 2001-12-21 Sony Corp メモリ制御装置
WO2002061740A1 (fr) * 2001-01-29 2002-08-08 Sony Disc Technology Inc. Circuit de mise en forme de signal
US6577573B2 (en) * 2001-06-25 2003-06-10 Hitachi, Ltd. Optical information reproducing method in which either a first edge signal or a second edge signal is selected depending on a length of a mark on an optical information medium
TWI251813B (en) * 2001-11-09 2006-03-21 Via Tech Inc Method for protecting phase lock loop in optical data-reading system
JP4452136B2 (ja) * 2004-03-30 2010-04-21 株式会社日立製作所 データ同期再生装置及び端末装置
KR100694125B1 (ko) * 2005-06-10 2007-03-12 삼성전자주식회사 위상 동기 루프 회로에서의 주파수 검출기 및 주파수 에러검출 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58220226A (ja) * 1982-06-15 1983-12-21 Toshiba Corp 位相ロツクル−プ制御回路
KR930005792B1 (ko) 1991-03-21 1993-06-24 주식회사 금성사 콤팩트디스크 응용기기의 스핀들모터 콘트롤장치 및 그 방법
JP3318444B2 (ja) 1994-10-14 2002-08-26 パイオニア株式会社 Pll回路の引込回路、pll回路の引込方法及び光ディスク再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE19853449A1 (de) 1999-06-02
GB2331619A (en) 1999-05-26
GB9825289D0 (en) 1999-01-13
US6185172B1 (en) 2001-02-06
KR19990045421A (ko) 1999-06-25
GB2331619B (en) 1999-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11149704A (ja) フェーズロックドループ回路、再生装置、及びフェーズロックドループ回路の引き込み制御方法
US5963518A (en) Apparatus for reproducing digital signal
JP4319259B2 (ja) アクティブ・ワイドレンジpll装置、位相ロックループ方法及びディスク再生装置
JPS58220226A (ja) 位相ロツクル−プ制御回路
KR100260066B1 (ko) 디스크 재생 장치
KR100502461B1 (ko) 위상동기루프회로및이것이내장된재생장치
JPH0294063A (ja) 記録データ読取り方式
JP4033638B2 (ja) 光記録媒体の回転制御装置
JPH1098377A (ja) Pll回路
JPH11149703A (ja) 回転速度制御装置、再生装置及び回転速度制御方法
KR19980080100A (ko) 위상 고정 루프 회로 및 재생 장치
JPH0877691A (ja) ディスク再生装置及び信号処理回路
JPH11149721A (ja) フェーズロックドループ回路、位相情報検出装置、及び位相情報検出方法
KR100197785B1 (ko) 디스크재생장치
JPH07312011A (ja) ディスク再生システム
JP2535951B2 (ja) ディスク駆動装置
JPH11238297A (ja) 光記録媒体判別方法及び光記録媒体判別装置
JP3342937B2 (ja) データ再生用pll回路の制御装置及びデータ再生システム
JPH10112141A (ja) Pll回路とこれを具備する光ディスク装置
JPH08106727A (ja) ディスク再生装置
JPH044672B2 (ja)
JPH11185396A (ja) Pllおよびディスク再生装置
KR20000043515A (ko) 디지털 비디오 디스크 재생장치의 위상폐루프 클럭주파수자동조정방법
JPH0785332B2 (ja) ディスク再生装置
JPH1069733A (ja) クロック生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050201