JPH1069733A - クロック生成方法 - Google Patents

クロック生成方法

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JPH1069733A
JPH1069733A JP24543396A JP24543396A JPH1069733A JP H1069733 A JPH1069733 A JP H1069733A JP 24543396 A JP24543396 A JP 24543396A JP 24543396 A JP24543396 A JP 24543396A JP H1069733 A JPH1069733 A JP H1069733A
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JP
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frequency
clock
signal
read
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JP24543396A
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Inventor
Masashi Sato
政司 佐藤
Tetsuji Kawashima
哲司 川嶌
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体から読出されれる読出信号に同期し
たクロックを短時間で生成すること。 【解決手段】 一定の線密度でデータが記録されている
ディスクから読出されたEFM信号をPLL回路に注入
し、そのEFM信号と同期したクロックを生成するクロ
ック生成方法において、基準クロックを用いてディスク
から読出されたEFM信号の周波数を計測し、その計測
値に応じた所定の電圧値をPLL回路内に設けられてい
る電圧制御発振器に供給したうえで、PLL動作を実行
させて、読出信号と同期したクロックを生成するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一定の線密度でデー
タが記録されている記録媒体から読出された読出信号と
同期したクロックを生成するクロック生成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)やCD−R
OM、DVD(Digital Versatile Disk)等の一定の線
密度でデータが記録された記録媒体(ディスク)が開発
されている。これらのディスクを再生する再生装置で
は、ディスクの回転動作については一般にCLV(線速
度一定)方式が採用されている。
【0003】例えばCDやCD−ROM等のディスクを
再生するディスク再生装置において、CLV方式の回転
サーボ制御を行うためには、まずディスクからEFM変
調(8−14変調)が施されたEFM信号を読み出し、
EFM信号に同期したクロックを生成する必要がある。
【0004】図4は上記したようなCDやCD−ROM
等のディスクを再生するディスク再生装置に搭載されて
いるクロック生成回路の一例のブロック図を示したもの
である。この図において、ディスク51はスピンドルモ
ータ(M)52によって回転駆動された状態で光学ヘッ
ド(OP)53により情報が読み取られる。光学ヘッド
53で読み取られたデータはRFアンプ54を介してE
FM信号として出力される。このEFM信号は図示しな
いデコーダへ出力されてEFM復調、CIRC処理等の
デコード処理が施され、データが復調されると共に、E
FM信号と同期した再生クロックを得るためにクロック
生成回路60に供給される。
【0005】一点鎖線で示したクロック生成回路60
は、位相比較器61、周波数比較器62、加算器63、
ローパスフィルタ(LPF)64、電圧制御発振器(V
CO)65、分周器(1/N)66によって、PLL
(Phase Locked Loop )回路を構成している。
【0006】このように構成されるクロック生成回路6
0では、先ず入力されるEFM信号の周波数とVCO6
5の出力信号PLCKN の周波数が周波数比較器62で比較
され、周波数比較信号が加算器63、LPF64を介し
てVCO65に差信号電圧として供給される。VCO6
5はこの差信号電圧によって発振周波数が制御されてE
FM信号のN倍近辺の周波数で発振することになる。
【0007】さらに、この状態で分周器66から出力さ
れるクロック信号PLCKを位相比較器61にフィードバッ
クして、位相比較器61でEFM信号の位相と比較し
て、その比較結果である位相誤差信号が加算器63に供
給される。従って、この状態では加算器63から位相誤
差信号と周波数誤差信号が加算された差信号電圧がVC
O65に供給されることになる。
【0008】この結果、VCO65は入力されるEFM
信号のN倍の周波数でロック状態になり、クロック生成
回路60からはEFM信号と同期した同期したクロック
信号PLCKが生成されることになる。
【0009】このクロック生成回路60で生成されたク
ロックPLCKは、CLVサーボ回路56に供給され、CL
Vサーボ回路56では、図示していないクリスタル等に
より得られる基準クロックと比較してCLV方式による
回転制御を行うための回転誤差情報を得るようにしてい
る。そして、この回転誤差情報をスピンドルモータ52
に対してフィードバックしてディスク51を一定の線速
度で回転させるように制御している。また、クロックPL
CKは図示していないデコーダにも供給されEFM信号の
デコード処理用のクロックとして用いられることにな
る。
【0010】ところで、上記したようなディスク再生装
置では、ディスク51のデータ読出のためにシーク動作
を行った場合は、ディスク51の回転速度が新たなアド
レス位置でのCLV速度になるように制御する必要があ
る。そして、ディスク再生装置に搭載されているクロッ
ク生成回路60では新たなアドレス位置から読出される
EFM信号に同期したクロックを生成する必要がある。
【0011】通常、音楽用のCDなどを再生するディス
ク再生装置では、ディスク51の回転速度(CLV速
度)が比較的低速とされており、ディスク半径方向の位
置での回転速度差は小さいため、シーク後の新たなアド
レス位置でCLV速度の整定を行った後、EFM信号に
対するクロック生成回路60のPLL引き込みを行って
PLL回路がロック状態とされるまでの時間はさほど長
くなく、シーク時間に大きく影響することはなかった。
【0012】しかしながら、近年、一定の線密度で記録
されているCD−ROM等のディスク51は、例えばコ
ンピュータ装置などの電子機器に用いられており、その
ような電子機器においては、転送レートを上げるために
音楽用のCDの4倍速、若しくは8倍速といった回転速
度でデータの読み出しが行われている。このため、この
ような電子機器によってシーク動作を行った場合は、デ
ィスク51の内周側と外周側で回転速度が大きく異な
り、新たなアドレス位置でのスピンドルモータ52のC
LV速度への整定、及びEFM信号に対するクロック生
成回路60のPLL回路の引き込みの時間が大幅に増大
する。よって、このようなクロック生成回路60が搭載
されている従来のディスク再生装置では、シーク時間が
増大するという問題点があった。
【0013】そこで、このような問題を解決するため、
例えばディスク51を回転させるスピンドルモータ52
のトルクを上げてディスクを高速で可変できるようにす
ることが考えられ、これによってスピンドルモータのC
LV速度への整定時間を短縮できるが、この場合は再生
装置のコスト及び消費電力が増大するなどの問題点があ
った。
【0014】また、クロック生成回路60のPLL回路
のキャプチャーレンジを拡大し、ディスク51から読出
されるEFM信号がPLL回路のキャプチャーレンジに
引き込まれるまでの時間を短縮させるワイドキャプチャ
ーレンジ機能を備えたPLL回路が提案されている。こ
の場合は、シーク動作が行われた際、光学ヘッド53の
移動が終了した時点でディスク51から読出されるEF
M信号の周波数がズレていてもEFM信号に対してPL
L回路の引き込みを行い再生クロックを生成できるた
め、CLV速度の整定を待つことなく、ディスク51か
らのデータ読出が可能となる。従ってシーク時間を短く
することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようなワイドキャプチャーレンジ機能のPLL回路を
備えたクロック生成回路においても、シーク距離が長
く、シーク後の位置でVCO65の発振周波数とディス
ク51から再生したEFM信号の周波数差が大きい場合
は、PLL回路のキャプチャーレンジにEFM信号を引
き込む時間が数10ms〜数100msとかかるため、
やはりシーク時間の短縮化に有効とはいえなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するためになされたものであり、一定の線密度
でデータが記録されている記録媒体から一定線速度の再
生走査により読出された読出信号をPLL回路に注入
し、その読出信号と同期したクロックを生成するクロッ
ク生成方法において、基準クロックを用いて記録媒体か
ら読出された読出信号の周波数を計測し、その計測値に
応じた所定の電圧値をPLL回路内に設けられている電
圧制御発振器に供給したうえで、PLL動作を実行させ
て、読出信号と同期したクロックを生成するようにし
た。
【0017】また、読出信号の位置を検出し、その検出
位置から周波数を算出し、その算出値に応じた所定の電
圧値をPLL回路内に設けられている電圧制御発振器に
供給したうえで、PLL動作を実行させて、読出信号と
同期したクロックを生成するようにした。
【0018】本発明によれば、基準クロックを用いて記
録媒体から読出された読出信号の周波数を計測し、周波
数を算出し、その計測値に応じた所定の電圧値をPLL
回路内に設けられている電圧制御発振器に供給したうえ
で、PLL動作を実行させて、読出信号と同期したクロ
ックを生成するようにしているため、読出信号に同期し
たクロックを短時間で生成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本実施の形態としてのクロック生成
回路を搭載した、CDやCD−ROM等のディスクを再
生するディスク再生装置の一例のブロック図を示したも
のである。この図において、ディスク1はスピンドルモ
ータ(M)2によって回転駆動された状態で光学ヘッド
(OP)3により情報が読み取られる。光学ヘッド3で
読み取られたデータはRFアンプ4を介してEFM信号
として出力される。このEFM信号はデコーダ22、ク
ロック生成回路10及び周波数測定器5に出力される。
【0020】周波数測定器5は、入力される信号の周波
数を水晶系のクロックを発生させる基準信号発生器6か
らの基準クロックによって計測するようにしている。以
下、本明細書ではこのような基準クロックによってEF
M信号の周波数を計測することを絶対周波数計測、その
計測値を絶対周波数計測値という。
【0021】マイクロコンピュータ(以下「マイコン」
という)7は、ディスク再生装置の全体の制御を行うと
共に、後述するがシーク動作、周波数計測器5から出力
される絶対周波数計測値に応じてRAM8に記憶されて
いるデジタル電圧情報をD/Aコンバータ9に出力す
る。D/Aコンバータ9は、マイコン8から出力される
デジタル電圧情報をアナログ電圧に変換して加算器15
に出力する。
【0022】一点鎖線で囲ったクロック生成回路10
は、位相比較器11、周波数比較器12、加算器13、
15、ローパスフィルタ(LPF)14、電圧制御発振
器(VCO)16、分周器(1/N)17によって構成
され、位相比較器11、周波数比較器12、ローパスフ
ィルタ(LPF)14、電圧制御発振器(VCO)16
によってPLL回路を構成している。
【0023】クロック生成回路10の位相比較器11は
入力される位相を比較して位相比較信号を出力する。周
波数比較器12は入力される信号の周波数を比較して周
波数比較信号を出力する。加算器13、15は入力され
る信号電圧を加算して、その加算結果を出力する。LP
F14は入力信号電圧の高周波成分(ノイズ)を除去す
ると共に、この入力信号電圧をチャージするようにされ
ている。VCO16は入力信号電圧によって発振周波数
が制御される電圧制御発振器であり、その発振周波数は
精度を上げるため実際に生成するクロックのN倍(但
し、Nは整数)とされている。分周器(1/N)17は
入力される信号を1/N倍に分周する分周器である。
【0024】つまり、このように構成されるクロック生
成回路10では、例えば、入力されるEFM信号の1フ
レームの先頭に存在する最大反転間隔とされる11Tの
パターン(シンクパターン)から得られる周波数とVC
O16の出力信号PLCKN の周波数を周波数比較器12で
比較し、その周波数比較信号が加算器13、LPF1
4、加算器15を介してVCO16に差信号電圧として
供給される。これによりVCO16はこの差信号電圧に
よって発振周波数が制御されてEFM信号のN倍の周波
数に近付くことになる。
【0025】さらに、この状態で分周器17から出力さ
れるクロック信号PLCKを位相比較器11にフィードバッ
クして、位相比較器11でEFM信号の位相と比較し
て、その比較結果である位相誤差信号が加算器13に供
給するようにしている。従って、この状態では加算器1
3から位相誤差信号と周波数誤差信号が加算された差信
号電圧がVCO16に供給されることになる。この結
果、VCO16は入力されるEFM信号のN倍の周波数
でロック状態になり、EFM信号と同期した同期したク
ロック信号PLCKが生成されることになる。
【0026】このクロック生成回路10で生成されたク
ロックPLCKは、CLVサーボ回路21に供給され、CL
Vサーボ回路21ではクリスタル等により得られる基準
クロックと比較してCLV方式による回転制御を行うた
めの回転誤差情報を得るようにしている。そして、この
回転誤差情報をスピンドルモータ20に対してフィード
バックすることで、ディスク1が一定の線速度で回転す
ることになる。
【0027】また、このクロック生成回路10で生成さ
れたクロックPLCKはデコーダ22に供給にも供給されて
おり、デコーダ22ではこのクロックPLCKに基づいてE
FM復調、CIRC等のデコード処理が施されてデータ
が復調される。
【0028】ところで、このような構成とされているク
ロック生成回路においては、シーク動作時には、周波数
計測器5でディスク1から読出された読出信号の絶対周
波数計測を行うようにしている。そして、マイコン7か
ら周波数計測器5で計測された絶対周波数計測値に応じ
たデジタル電圧情報をRAM8から読出してD/Aコン
バータ9に出力するようにしている。RAM8には、例
えば図3(b)に示すように、各種周波数(f1 〜f
n )に応じて設定されて電圧V1 〜Vn が、テーブルデ
ータとして保持されている。従って、D/Aコンバータ
9からは、絶対周波数計測値に応じたアナログ電圧VE
が加算器15に出力されることになる。また、この場合
はマイコン7はLPF14の電圧をディスチャージする
ようにされている。よって、VCO16の発振周波数は
D/Aコンバータ9から出力される絶対周波数計測値に
応じたアナログ電圧VE によって制御されることにな
り、電圧V1〜Vn のそれぞれが、VCO16において
周波数f1 〜fn を発生させるための電圧値として設定
されていることにより、VCO16の発振周波数は、シ
ーク後のディスク1から読み出されるEFM信号の周波
数に近い周波数となる。
【0029】この後、VCO16の出力信号PLCKN を周
波数比較器12にフィードバックすると共に、分周器1
7で分周されたクロックPLCKを位相比較器11にフィー
ドバックすることにより、VCO16は入力されるEF
M信号のN倍の周波数でロック状態となり、クロック生
成回路10からは入力されるEFM信号と同期したクロ
ック信号が出力されることになる。
【0030】つまり、このような構成とされるクロック
生成回路においては、シーク動作時、周波数比較器5に
よってディスク1から読出されたEFM信号の絶対周波
数計測を行い、その絶対周波数計測値に応じてた電圧に
よってVCO16の発振周波数を制御するようにしてい
るため、非常に短い時間(例えば1ms以下)でEFM
信号をクロック生成回路10のPLL回路に引き込むこ
とができるようになる。
【0031】以下、上記したようなマイコン7の動作を
図2に示すフローチャートを参照して説明する。ディス
ク1の新たなアドレス(目的アドレス)へのシーク動作
として光学ヘッド3を移動する場合は、先ず光学ヘッド
3の現在のアドレス(現在位置)を確認した後(F00
1)、現在位置がアクセス先である新たなアドレス(目
標位置)と等しいかどうか判別する(F002)。ここで、
現在位置と目標位置と等しい判別した場合は、シーク動
作が終了することになるが、現在位置と目標位置が異な
っていると判別した場合は、ステップF003で「目標位置
−現在位置」の演算を行い、この演算値が所定の閾値よ
り大きいかどうか判別する。
【0032】ここで、「目標位置−現在位置」の演算値
が所定の閾値より大きいと判別された場合は、粗シーク
(大トラックジャンプ;例えば光学ヘッド3を大きくス
ライド移動させる動作)を行った後(F004)、LPF1
4の電圧をディスチャージして、周波数計測器5で絶対
周波数計測を行うように制御される(F005、F006)。そ
して、マイコン7はこの絶対周波数計測値に基づいてR
AM8からVCO16に供給する電圧情報を読出して、
D/Aコンバータ9に出力するため絶対周波数計測値に
応じた電圧VE が、加算器17に入力される。これによ
りVCO16の発振周波数は、その時点のEFM信号の
周波数に近い周波数で発振することになり、新たなアド
レス位置でのEFM信号がクロック生成回路60のPL
L回路によって迅速に引き込まれることになる(F00
7)。そして、再びステップF001に戻って現在位置の確
認が行われることになる。
【0033】一方、ステップF003で、「目標位置−現在
位置」の値が所定の閾値より小さいと判別された場合
は、VCO16の発振周波数をホールドした後(F00
8)、密シーク(小トラックジャンプ;例えば光学ヘッ
ド3をスライド移動させないか、もしくはわずかに移動
させるのみで、主に対物レンズのトラッキング制御によ
るシーク)を行う。この場合、新たなアドレス位置での
EFM信号の周波数は大きく変化しておらず、従って発
振周波数がホールドされているクロック生成回路60の
PLL回路では、迅速に引き込みが実現される(F009、
F010)。そして、再びステップF001に戻って現在位
置の確認が行われることになる。
【0034】つまり本例では、粗シークにより再生走査
位置が大きく変化し、CLV速度の差によりEFM信号
の周波数が大きく変化したような場合でも、すばやくP
LL引込及び再生クロックPLCKの生成を実現できる。
【0035】通常シーク動作としては、まず粗シークと
して大まかにトラックジャンプを行う。そしてシーク後
の着地地点でアドレスを確認し、目的アドレスとの差を
求める。その後密シークにより目的アドレスに向かう小
トラックジャンプが実行され、現在アドレスが目的アド
レスと一致した時点でシークが終了される。このような
シーク動作では、粗シーク及び密シークの直後にアドレ
スを確認することが必要になり、また、そのアドレス確
認のためには再生クロックPLCKの生成が必要になる。
【0036】ここで、密シーク後には、シーク前後の位
置がさほど離れておらず、CLV速度差も小さいため、
PLL回路の引込にはさほど時間はかからない。ところ
が粗シークの場合は、シーク前後の位置が大きく離れて
おり、CLV速度差も大きいため、PLL回路のロック
引込及び再生クロックの出力までかなり時間がかかる。
【0037】本例では、このような粗シーク後におい
て、その時点でのEFM信号の周波数を計測し、その周
波数での発振動作を実行させる電圧VE を加算器15に
与える。従ってPLL回路はその時点のEFM信号に近
い周波数で発振することになり、例えCLV速度が整定
されていなくても、即座にPLL引込及び再生クロック
PLCKの出力を行うことができる。つまり粗シーク後のア
ドレス確認処理にほとんど時間がかからず、これによっ
て一連のシーク動作時間を大幅に短縮できる。
【0038】なお、このようにPLL引込時に所定の電
圧VE を与え、迅速な引込を実現させるが、その後のC
LVサーボ回路21の動作により除々にCLV速度に整
定されていく期間は、PLL回路自体の動作により、V
COの発振周波数がEFM信号の周波数変化に追従して
いくことになる。
【0039】次に、上記したようなRAM8に記憶され
ている電圧情報のテーブルの作成方法を図3を参照して
説明する。なお、一般にVCO16の入力電圧−発振周
波数特性は、VCOの個体差や使用温度によって異なる
ため、テーブルの作成は工場出荷時だけでなく、電源投
入時などに、その都度行うようにするとよい。テーブル
作成方法としては、マイコン7は、図3(a)に示すよ
うにD/Aコンバータ9を介してVCO16に所定の入
力電圧V1 ,V2 ,V3 ,・・・Vn を順次出力すると
共に、この時のVCO16の発振周波数(分周器17の
出力)f1 ,f2 ,f3 ,・・・fn をとりこんで測定
する。そして、この測定結果に基づいて、図3(b)に
示すような入力周波数−出力電圧のテーブルを作成して
RAM8に記憶するようにしている。
【0040】なお、このようなテーブルのデータは、お
おまかなものでよく周波数比較器5からの絶対周波数値
に対応する出力電圧のデータがない場合でも、そのテー
ブルに記憶されている前後の周波数を線形補間して出力
電圧を求めるようにすれば良い。
【0041】なお、本実施の形態であるクロック生成方
法によれば、入力されるEFM信号の1フレームの先頭
に存在する最大反転間隔とされる11Tのパターン(シ
ンクパターン)から得られる周波数によって絶対周波数
計測を行う場合について説明したが、これに限定される
ことなく物理的に一定の間隔で記録されている特定のパ
ターン、例えば最も短いパターンの周期を測定すること
も可能である。
【0042】また、ディスクがDVDの場合は、ディス
クから読出される読出信号の1フレームの先頭に存在す
る14Tのパターン(シンクパターン)の周波数によっ
て絶対周波数計測を行うことももちろん可能である。ま
たさらに、ディスクから読出される読出信号のパターン
がランダムとされる場合には、任意に設定した時間内で
パターンの反転回数や反転間隔の平均値を測定すること
により絶対周波数計測を行うこともできる。
【0043】また、本実施の形態であるクロック生成方
法は、一定の線密度で記録されたディスクからCAV
(Constant Angular Velocity )方式(角速度一定)で
読出すディスク再生装置に適用することも可能であり、
この場合は、ディスクから読出される読出信号の周波数
は、ディスクの半径方向の読出位置から演算で求めるこ
とができる。従って、ディスクの半径方向の読出位置を
測定するセンサ等を設け、このセンサから検出される検
出信号によってVCOに供給する電圧を算出しても良
い。また、シーク時の目的アドレスの値から、目的アド
レス位置での読出信号の周波数を演算で求めることも可
能である。そして、これらの演算で求めた周波数に応じ
て、図1の例と同様に所定の電圧VE をPLL回路の発
振器に供給することで、粗シーク後などに迅速な再生ク
ロックPLCKの生成を行うことができ、シーク動作時間を
短縮できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明のクロック生
成方法によれば、基準クロックを用いて記録媒体から読
出された読出信号の周波数を計測し、もしくは読出位置
に応じた読出信号の周波数を算出し、その計測値(又は
算出値)に応じた所定の電圧値をPLL回路内に設けら
れている電圧制御発振器に供給したうえで、PLL動作
を実行させて、読出信号と同期したクロックを生成する
ようにしているため、読出信号に同期したクロックを非
常に短時間で生成することができる。そして、これによ
り例えば再生装置のシーク時間の短縮化などを実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるディスク再生装置に
搭載されているクロック生成回路のブロック図の一例を
示した図である。
【図2】マイコンによる処理動作を示したフローチャー
ト図である。
【図3】RAMに記憶されている入力周波数−出力電圧
テーブルの一例を示した図である。
【図4】従来のディスク再生装置に搭載されているクロ
ック生成回路のブロック図の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 ディスク、2 スピンドルモータ、3 光学ヘッ
ド、4 RFアンプ、55 周波数測定器、6 基準信
号発生器、7 マイコン、8 RAM、9 D/Aコン
バータ 10 クロック生成回路、11 位相比較器、
12 周波数比較器、13 15 加算器、14 ロー
パスフィルタ、16 電圧制御発振器、17 分周器、
20 モータドライバ、21 CLVサーボ回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の線密度でデータが記録されている
    記録媒体から一定線速度の再生走査により読出された読
    出信号をPLL回路に注入し、その読出信号と同期した
    クロックを生成するクロック生成方法において、 基準クロックを用いて前記記録媒体から読出された読出
    信号の周波数を計測し、その計測値に応じた所定の電圧
    値を前記PLL回路内に設けられている電圧制御発振器
    に供給したうえで、PLL動作を実行させて、読出信号
    と同期したクロックを生成することを特徴とするクロッ
    ク生成方法。
  2. 【請求項2】 前記読出信号の周波数計測は、記録媒体
    上に物理的に一定間隔で記録されている特定の信号パタ
    ーンの時間間隔の計測により行うことを特徴とする請求
    項1に記載のクロック生成方法。
  3. 【請求項3】 前記特定の信号パターンは、周期の最も
    長い信号パターンとされることを特徴とする請求項2に
    記載のクロック生成方法。
  4. 【請求項4】 前記読出信号の周波数の計測値は、記録
    媒体にランダムに記録されている信号の内、所定の時間
    内に読出された読出信号の反転回数、あるいは反転回数
    の平均値とされることを特徴とする請求項1に記載のク
    ロック生成方法。
  5. 【請求項5】 計測値に応じた所定の電圧値の電圧制御
    発振器への供給は、所定の距離以上のシーク動作が行わ
    れた場合のみ実行されることを特徴とする請求項1に記
    載のクロック生成方法。
  6. 【請求項6】 計測値に応じた各所定の電圧値は、所定
    の時点で予め測定されていることを特徴とする請求項1
    に記載のクロック生成方法。
  7. 【請求項7】 一定の線密度でデータが記録されている
    記録媒体から一定角速度の再生走査により読出された読
    出信号をPLL回路に注入し、その読出信号と同期した
    クロックを生成するクロック生成方法において、 読出信号の記録媒体上の位置を検出し、その検出位置か
    ら読出信号の周波数を算出し、その算出値に応じた所定
    の電圧値を前記PLL回路内に設けられている電圧制御
    発振器に供給したうえで、PLL動作を実行させて、読
    出信号と同期したクロックを生成することを特徴とする
    クロック生成方法。
  8. 【請求項8】 前記読出信号の周波数の算出は、記録媒
    体に対する走査位置を検出するセンサの検出値を用いて
    行われることを特徴とする請求項7に記載のクロック生
    成方法。
  9. 【請求項9】 前記読出信号の周波数の算出は、シーク
    目的アドレスの値を用いて算出されることをことを特徴
    とする請求項7に記載のクロック生成方法。
  10. 【請求項10】 計測値に応じた所定の電圧値の電圧制
    御発振器への供給は、所定の距離以上のシーク動作が行
    われた場合のみ実行されることを特徴とする請求項7に
    記載のクロック生成方法。
  11. 【請求項11】 計測値に応じた各所定の電圧値は、所
    定の時点で予め測定されていることを特徴とする請求項
    7に記載のクロック生成方法。
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