JPH1114871A - テープ心線の撚返し付き挿入方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＳＺ溝付き線条体のＳＺ溝へテープ心線を挿
入するときにその弾性的な跳ね上がりをなくし、またテ
ープ心線自体の伝送特性も向上させる。 【解決手段】 テープ心線３をＳＺ溝付き線条体１のＳ
Ｚ溝２に落し込み挿入する方法であって、その落し込み
挿入位置の近傍における集合分線板８がＳＺ溝付き線条
体１の走行に伴って回転するときその回転角度を検出す
る工程と、挿入位置の適宜上流位置に配置された回転分
線板４を集合分線板８と同方向に回転角度に応じた適宜
角度回転させる工程と、ＳＺ溝２と同数のテープ心線３
を回転分線板４の等角的位置を通過して送りつつこれに
回転分線板４の回転と逆方向の適宜角度の撚返しを付与
する工程とを有することを特徴とするテープ心線の撚返
し付き挿入方法であり、またそのための装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はテープ心線の撚返
し付き挿入方法および装置、特にテープ心線に撚返しを
付与することを特徴とするテープ心線の撚返し付き挿入
方法および装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＳＺ溝付き線条体１のＳＺ溝２の中にテ
ープ心線３を落し込み挿入する技術はこれまでに種々の
ものが発明開発さているが、これまでの技術について共
通して言えることは、図（２）の（ａ）群に示すように
テープ心線３を何枚か重ね合わせたその積層面をＳＺ溝
２の底面に平行に挿入するものであり、常識的にこうい
う仕方でするものと無批判的に考えられてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら回転分線
板４を通過するテープ心線３の本数はかなり多く、これ
らのテープ心線がＳＺ溝付き線条体１の周りに速い速度
で、しかも１回転に近い角度（ＳＺ溝の反転周期の角度
は約３６０度前後）も左、右に振り回されることはテー
プ心線にとっても機械にとっても好ましくなく、特にＳ
Ｚ溝付き線条体１の長手方向のどの位置においてもテー
プ心線３の積層面をＳＺ溝２の底面に平行にして納めよ
うとするとテープ心線３自体をその中心軸線のまわりに
撚回しなければならず、従ってねじり応力が増大して伝
送特性を損なうおそれがあった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上述の課題を
解決するためになされたものであって、請求項１の発明
によるその解決手段は、テープ心線をＳＺ溝付き線条体
のＳＺ溝に落し込み挿入する方法であって、その落し込
み挿入位置の近傍における集合分線板がＳＺ溝付き線条
体の走行に伴って回転するときその回転角度を検出する
工程と、前記挿入位置の適宜上流位置に配置された回転
分線板を前記集合分線板と同方向に前記回転角度に応じ
た適宜角度回転させる工程と、前記ＳＺ溝と同数のテー
プ心線を前記回転分線板の等角的位置を通過して送りつ
つこれに前記回転分線板の回転と逆方向の適宜角度の撚
返しを付与する工程とを有することを特徴とするテープ
心線の撚返し付き挿入方法である。

【０００５】また請求項２によるその解決手段は、集合
ダイスに近接した上流に回転可能に設けられ、ＳＺ溝付
き線条体のＳＺ溝に係合する爪を備え、前記ＳＺ溝と同
数の等角的位置に自身の軸線の周りに回転可能な撚返し
筒の取り付けられた集合分線板と、前記集合分線板の上
流にこれと同軸的に回転自在に設けられ、前記撚返し筒
に対応する等角的位置に自身の軸線の周りに回転可能な
心線案内筒が設けられた回転分線板と、前記回転分線板
が回転するのに従ってその回転方向と逆方向に前記心線
案内筒を回転駆動する機構と、前記ＳＺ溝付き線条体が
走行するとき前記集合分線板の正逆の回転角度を測定す
る角度検出器と、前記角度検出器によって測定された角
度量に応じて前記回転分線板を回転駆動する装置とを有
するテープ心線の撚返し付き挿入装置である。

【０００６】また請求項３によるその解決手段は、前記
心線案内筒の入口には所望数の分線ピンが設けられると
ともに、前記撚り返し筒にはテープ心線に対応する角孔
が穿設され、かつこの両者を連結する中空撓曲性の連結
チューブが取り付けられることを特徴とする請求項２記
載のテープ心線の撚返し付き挿入装置である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１を参照してこの発明の一実施
例を説明する。全体の装置配置について言えば、図１の
左側、つまり上流側から固定分線板１２、回転分線板
４、集合分線板８および集合ダイス９がこの順に設けら
れる。

【０００８】固定分線板１２はほぼ円板状をなし、その
円周等分位置にはテープ心線３を通すための、使用する
ＳＺ溝付き線条体１のＳＺ溝２の本数と等しい通孔１２
Ａが穿設される。

【０００９】回転分線板４は概して円板状をなしフレー
ム４０に回転可能に支持される。その中心位置には固定
分線板１２から延びる中空管によって支持される太陽歯
車７が固定され、回転分線板４に対して回転自在に設け
られる中間歯車６と噛み合っている。中空管の内部をＳ
Ｚ溝付き線条体１が走行する。

【００１０】回転分線板４の円周等分位置には通孔１２
Ａと同数の、概して中空円柱状の心線案内筒５が回転可
能に取り付けられ、その外周部に設けた歯車によって中
間歯車６と噛み合う。このためこの心線案内筒５は回転
分線板４が回転するときその回転方向と逆方向に回転す
る。回転数はもちろん各歯数比によって決まる。

【００１１】心線案内筒５の入口にはテープ心線３を１
枚ないし２枚づつ分ける分線ピン５２が横切って取り付
けられる。またその出口側の先端部５１は回転分線板４
の板面より突出しており、その外周部は段部となってい
て、ここに連結チューブ３１が取り付けられる。

【００１２】回転分線板４には歯車４１が同軸的に取り
付けられ、これに噛み合う平歯車４２が駆動モータ１０
によって回転駆動されることにより回転される。

【００１３】回転分線板４の下流で集合ダイス９の直ぐ
上流側には概して円板状の集合分線板８が回転可能に設
けられる。円板外周部には半径方向外方に延びる爪８４
が形成され、ＳＺ溝２に係合する。したがってＳＺ溝付
き線条体１の走行に従って集合分線板８は左、右に交互
に回転する。

【００１４】集合分線板８にも回転分線板４と同様に円
周等分位置に同数の撚返し筒８３が回転可能に設けられ
る。この出口８３Ａはテープ心線３を走行はさせるが回
転は抑止する大きさの角孔として形成される。しかして
連結チューブ３１によって回転分線板４の心線案内筒５
と一緒に回転させられる。

【００１５】集合分線板８には歯車８１が同軸的に取り
付けられ、これに歯車８２が噛み合う。歯車８２の軸に
はたとえばロータリエンコーダのような角度検出器１１
が連結されており、集合分線板８の回転方向および回転
角度を常時計測する。

【００１６】角度検出器１１から増幅装置１３を経て駆
動モータ１０に至る制御回路が設けられ、集合分線板８
の回転方向および回転角度に対応して回転分線板４を
左、右の方向に所定角度回転させる構成になっている。

【００１７】本発明は以上の構成を有するために、ＳＺ
溝付き線条体１が進行していまＳＺ溝２のままに集合分
線板８がたとえば上流側から見て右方向に回転し始める
ときは、制御回路が働いて駆動モータ１０が回転して回
転分線板４も同じ方向に回転し、テープ心線３ができる
だけＳＺ溝２の延びるのと同じ方向から挿入されるよう
にする。

【００１８】しかして本発明にとって極めて重要なこと
はこのとき、テープ心線３自体は自身の中心軸線のまわ
りに逆方向、つまり左回りに回転して自身のねじり応力
を解消させる。つまり撚返し回転をするのである。しか
もこの撚返し回転は心線案内筒５から連結チューブ３１
を介して撚返し筒８３に及ぶために撚返しの効果が確実
に出ることになる。撚返し回転の角度は心線案内筒５、
中間歯車６および太陽歯車７の各歯車の歯数の選択によ
って任意に定めることができる。

【００１９】

【発明の効果】この発明によれば、落とし込み挿入され
るテープ心線３がＳＺ溝付き線条体１の周りに挿入方向
をＳＺ溝２の延びる方向と一致させるために回転させら
れるとき、それと逆方向に撚返し回転させられるのでテ
ープ心線３自身のねじり応力を解消ないし低減でき、こ
の結果その弾性的な跳ね上がりを皆無にして安定した落
とし込み挿入を可能にするとともに、テープ心線３の伝
送特性を向上させる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例装置を示す側断面図であ
る。

【図２】テープ心線の撚返し回転の意味を説明するため
の横断面図である。

【符号の説明】

１ ＳＺ溝付き線条体 ２ ＳＺ溝 ３ テープ心線 ３１ 連結チューブ ４ 回転分線板 ５ 心線案内筒 ５１ 先端部 ５２ 分線ピン ６ 中間歯車 ７ 太陽歯車 ８ 集合分線板 ８１ 平歯車 ８２ 平歯車 ８３ 撚返し筒 ８３Ａ 角孔 ８４ 爪 ９ 集合ダイス １０ 駆動モータ １１ 角度検出器 １２ 固定分線板 １３ 増幅装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テープ心線（３）をＳＺ溝付き線条体
   （１）のＳＺ溝（２）に落し込み挿入する方法であっ
   て、その落し込み挿入位置の近傍における集合分線板
   （８）がＳＺ溝付き線条体（１）の走行に伴って回転す
   るときその回転角度を検出する工程と、前記挿入位置の
   適宜上流位置に配置された回転分線板（４）を前記集合
   分線板（８）と同方向に前記回転角度に応じた適宜角度
   回転させる工程と、前記ＳＺ溝（２）と同数のテープ心
   線（３）を前記回転分線板（４）の等角的位置を通過し
   て送りつつこれに前記回転分線板（４）の回転と逆方向
   の適宜角度の撚返しを付与する工程とを有することを特
   徴とするテープ心線の撚返し付き挿入方法。
2. 【請求項２】 集合ダイス（９）に近接した上流に回転
   可能に設けられ、ＳＺ溝付き線条体（１）のＳＺ溝
   （２）に係合する爪（８４）を備え、前記ＳＺ溝（２）
   と同数の等角的位置に自身の軸線の周りに回転可能な撚
   返し筒（８３）の取り付けられた集合分線板（８）と、
   前記集合分線板（８）の上流にこれと同軸的に回転自在
   に設けられ、前記撚返し筒（８３）に対応する等角的位
   置に自身の軸線の周りに回転可能な心線案内筒（５）が
   設けられた回転分線板（４）と、前記回転分線板（４）
   が回転するのに従ってその回転方向と逆方向に前記心線
   案内筒（５）を回転駆動する機構（６，７）と、前記Ｓ
   Ｚ溝付き線条体（１）が走行するとき前記集合分線板
   （８）の正逆の回転角度を測定する角度検出器（１１）
   と、前記角度検出器（１１）によって測定された角度量
   に応じて前記回転分線板（４）を回転駆動する装置（１
   ０，１１）とを有するテープ心線の撚返し付き挿入装
   置。
3. 【請求項３】 前記心線案内筒（５）の入口には所望数
   の分線ピン（５２）が設けられるとともに、前記撚り返
   し筒（８３）にはテープ心線（３）に対応する角孔（８
   ３Ａ）が穿設され、かつこの両者を連結する中空撓曲性
   の連結チューブ（３１）が取り付けられることを特徴と
   する請求項２記載のテープ心線の撚返し付き挿入装置。