JPH11148575A - スリ−ブの製造方法およびそのスリ−ブを用いた電磁スプール弁 - Google Patents

スリ−ブの製造方法およびそのスリ−ブを用いた電磁スプール弁

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JPH11148575A
JPH11148575A JP32945397A JP32945397A JPH11148575A JP H11148575 A JPH11148575 A JP H11148575A JP 32945397 A JP32945397 A JP 32945397A JP 32945397 A JP32945397 A JP 32945397A JP H11148575 A JPH11148575 A JP H11148575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁スプール弁の製品コストを削減し得るス
リ−ブの製造方法およびそのスリ−ブを用いた電磁スプ
ール弁を提供する。 【解決手段】 アルミダイカスト鋳造法によって成形さ
れるスリーブ中間材51は、リニアソレノイドに流す励
磁電流の増加に伴って制御ポート圧がほぼ直線的に増大
する特性又はその逆の特性に拘らず、電磁スプール弁の
スリーブとして必要な孔等、即ち、滑動孔52a、調整
孔54、各ポート58a〜f、58h、オリフィス58
g、各環状溝61〜64、コイルばね室66、シャフト
室67およびフィードバック路68を形成した上で、正
逆の特性により内径の異なる調整孔54だけを後工程に
より所定の内径d1 、d2 に拡径したり、正逆の特性に
よって不要となるポートをハウジング等により閉塞した
りする。これにより、正逆2種類の異なった特性を有す
る電磁スプール弁に対し1種類のスリーブ中間材51で
対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力制御用の電磁
スプール弁に用いられるスリ−ブの製造方法およびその
スリ−ブを用いた電磁スプール弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧力制御用の電磁スプール弁
には、リニアソレノイドに流す励磁電流の増加に伴って
制御ポート圧がほぼ直線的に増大する図6に示すような
特性(以下「正特性」という。)を有するタイプと、こ
れとは逆にこの励磁電流の増加に伴って制御ポート圧が
ほぼ直線的に減少する図7に示すような特性(以下「逆
特性」という。)を有するタイプとに大別されるものが
存在する。そして、このような制御ポート圧の特性を得
るため、正特性タイプの電磁スプール弁は例えば図8に
示す構成を採り、また逆特性タイプの電磁スプール弁は
図9に示す構成を採る。双方の図を比較すると判るよう
に、この2種類の電磁スプール弁の構成の相違はスリー
ブ92、97およびスプール93、98の形状がそれぞ
れ異なることであり、これにより制御圧の増減特性を正
反対にして、油圧回路等の要求に応じた油圧制御を可能
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た電磁スプール弁によると、正逆2種類の異なった特性
を得るため、スリーブ92、97を異なる形状にアルミ
ダイカスト鋳造によって成形しなければならず、鋳造型
を2種類用意しなければならない。つまり、図8および
図9に示すように、正特性タイプのスリーブ92と逆特
性タイプのスリーブ97とを比較すると、軸方向に形成
される案内孔92aおよび97a、内周壁に形成される
環状溝92b〜eおよび97b〜e、径方向に形成され
る供給ポート921および制御ポート971、制御ポー
ト922および供給ポート972、ドレンポート925
および975は共通化できたとしても、形成位置が双方
全く異なるメインドレンポート923および973、フ
ィードバックポート924および974、フィードバッ
ク溝927および977については正逆の特性別に異な
る鋳造型によって形成しなければならない。したがっ
て、電磁スプール弁の特性ごとに異なる鋳造型が必要に
なるため、鋳造型の製造、管理等に要する費用が製品コ
ストの削減を妨げるという問題を生じている。
【0004】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、電磁ス
プール弁の製品コストを削減し得るスリ−ブの製造方法
およびそのスリ−ブを用いた電磁スプール弁を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1のスリーブの製造方法では、励磁電流の増
加に対し制御圧が増加する正特性を有する電磁スプール
弁と、励磁電流の増加に対し制御圧が減少する逆特性を
有する電磁スプール弁とに用いるスリーブを製造するた
めの方法であって、ダイカスト成形によって、スプール
を摺動可能に収容するための案内孔、この案内孔の一端
に形成される案内孔よりも小径の調整孔、正特性および
逆特性に必要な各ポート、前記案内孔と調整孔との間に
形成されるフィードバック室を備えた正特性と逆特性に
共通のスリーブ中間材を製造し、このダイカスト成形の
後に、前記スリーブ中間材の調整孔を、正特性として用
いる場合には前記案内孔の内径より大径に仕上げ加工
し、逆特性として用いる場合には、前記案内孔の内径よ
り小径に仕上げ加工して、正特性あるいは逆特性に応じ
たスリーブにするようにしたことを技術的特徴とする。
【0006】また、請求項2記載のスリ−ブの製造方法
では、励磁電流の増加に対し制御圧が増加する正特性を
有する電磁スプール弁と、励磁電流の増加に対し制御圧
が減少する逆特性を有する電磁スプール弁とに用いるス
リーブを製造するための方法であって、ダイカスト成形
によって、スプールを摺動可能に収容するための案内
孔、この案内孔の一端に形成される案内孔よりも小径の
調整孔、正特性および逆特性に必要な各ポート、前記案
内孔と調整孔との間に形成されるフィードバック室を備
えた正特性と逆特性に共通のスリーブ中間材を製造し、
このダイカスト成形の後に、前記スリーブ中間材の案内
孔を所定の内径に仕上げ加工するとともに、前記フィー
ドバック室に開口するオリフィスを形成し、また、前記
スリーブ中間材の調整孔を、正特性として用いる場合に
は前記案内孔の内径より大径に仕上げ加工し、逆特性と
して用いる場合には、前記案内孔の内径より小径に仕上
げ加工して、正特性あるいは逆特性に応じたスリーブに
するようにしたことを技術的特徴とする。
【0007】また、請求項3記載のスリ−ブを用いた電
磁スプール弁では、一端側に形成される第1ポート、こ
の第1ポートに連通し他端側に向かって軸方向に形成さ
れる案内孔、この案内孔を経由して前記第1ポートに連
通し前記第1ポートよりも他端側に形成される第2ポー
ト、前記案内孔を経由して前記第1および第2ポートに
連通しこの第2ポートよりも他端側に形成される第3ポ
ート、前記第2ポートに連通し外壁に形成される連通
路、この連通路を経由して前記第2ポートに連通すると
ともに前記案内孔の他端側開口端と連通するフィードバ
ック室、および、このフィードバック室の反案内孔側内
壁に形成される差圧孔を有するスリーブと、前記案内孔
に摺動可能に収容され軸方向変位により前記各ポートを
選択的に連通させるランド部および前記差圧孔内に摺接
しこのランド部と異なった外径に形成される差圧生成部
が形成されるスプールと、前記スリーブの一端側に位置
し、前記スリーブの他端側に前記スプールを付勢する付
勢手段と、通電により前記付勢手段の付勢力に抗して前
記スプールを軸方向に変位させるリニアソレノイド部と
を備える電磁スプール弁であって、前記差圧生成部は、
励磁電流の増加に対し制御圧が増加する正特性を有する
電磁スプール弁にあっては、前記スプールの前記ランド
部の外径より大径に設定され、励磁電流の増加に対し制
御圧が減少する逆特性を有する電磁スプール弁にあって
は、前記スプールの前記ランド部の外径より小径に設定
され、前記ポートのうち正逆の特性で不要となるポート
を閉塞するようにしたことを技術的特徴とする。
【0008】請求項1の発明では、スプールを摺動可能
に収容するための案内孔、この案内孔の一端に形成され
る案内孔よりも小径の調整孔、正特性および逆特性に必
要な各ポート、前記案内孔と調整孔との間に形成される
フィードバック室を備えた正特性と逆特性に共通のスリ
ーブ中間材を製造する。そして、該スリーブ中間材の調
整孔を、正特性として用いる場合には案内孔の内径より
大径に仕上げ加工し、逆特性として用いる場合には、案
内孔の内径より小径に仕上げ加工して、正特性あるいは
逆特性に応じたスリーブにするようにした。これによ
り、正逆2種類の異なった特性を有する電磁スプール弁
であっても、スリーブ中間材を共通して用いることがで
きる。
【0009】請求項2の発明では、スプールを摺動可能
に収容するための案内孔、この案内孔の一端に形成され
る案内孔よりも小径の調整孔、正特性および逆特性に必
要な各ポート、前記案内孔と調整孔との間に形成される
フィードバック室を備えた正特性と逆特性に共通のスリ
ーブ中間材を製造する。そして、該スリーブ中間材の案
内孔を所定の内径に仕上げ加工するとともに、フィード
バック室に開口するオリフィスを形成し、また、スリー
ブ中間材の調整孔を、正特性として用いる場合には案内
孔の内径より大径に仕上げ加工し、逆特性として用いる
場合には、案内孔の内径より小径に仕上げ加工して、正
特性あるいは逆特性に応じたスリーブにするようにし
た。これにより、正逆2種類の異なった特性を有する電
磁スプール弁であっても、スリーブ中間材を共通して用
いることができる。
【0010】請求項3の発明では、正特性タイプの電磁
スプール弁にあっては、スプールのランド部の外径より
大径に設定される差圧生成部が摺接可能な径にスリーブ
中間材の調整孔を加工してスリーブの差圧孔とする工程
を含み、逆特性タイプの電磁スプール弁にあっては、ス
プールのランド部の外径より小径に設定される差圧生成
部が摺接可能な径にスリーブ中間材の調整孔を加工して
スリーブの差圧孔とする工程を含む。即ち、正逆の特性
に拘らずスリーブとして必要な案内孔、各ポート等の孔
や通路が形成されたスリーブ中間材を用い、電磁スプー
ル弁の正逆の特性に合わせた差圧生成部の摺接可能な径
にスリーブ中間材の調整孔の径だけを加工し、加工後の
調整孔をスリーブの差圧孔とする工程を含む。これによ
り、正逆2種類の異なった特性を有する電磁スプール弁
であっても、共通したスリーブ中間材を用いて製造する
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスリ−ブの製造方
法およびそのスリ−ブを用いた電磁スプール弁の実施形
態を図に基づいて説明する。まず、本発明の一実施形態
によるスリーブ中間材52の構成を図1、図2、図3に
基づいて説明する。
【0012】スリーブ52の軸線上ほぼ中央部には、円
柱状の長孔である滑動孔52a(案内孔)が軸方向に形
成されており、この滑動孔52aの内径は後述するスプ
ール56のランド部57a、57bが滑動孔52a内を
摺接可能な大きさに設定されている。そして、この滑動
孔52aの周壁には、一端側から他端側に向かって所定
間隔を隔てて環状溝61、62、63、64が順に形成
されている。
【0013】スリーブ中間材51内の軸線上一端側端部
には滑動孔52aに直接連通するコイルばね室66が形
成され、また他端側端部には滑動孔52aに調整孔54
を介して連通するシャフト室67が形成されている。コ
イルばね室66は滑動孔52a内のスプール56を付勢
するコイルばね59を収容する部屋であり、またシャフ
ト室67はリニアソレノイド部30から突出するシャフ
ト38の端部を収容する部屋である。
【0014】滑動孔52aとシャフト室67とを連通さ
せる調整孔54は、所定の内径に拡径されて後述する差
圧孔54aまたは差圧孔54bとして用いられる加工前
の孔で、電磁スプール弁20の制御圧特性によって加工
すべき孔径が選択されるものある。つまり、この調整孔
54を加工して滑動孔52aの内径より大きい内径d1
の差圧孔54aにすると、正特性タイプの電磁スプール
弁20に用いられるスリーブ52に成形され、また調整
孔54を加工して滑動孔52aの内径より小さい内径d
2 の差圧孔54bにすると、逆特性タイプの電磁スプー
ル弁20に用いられるスリーブ52に成形される。この
ように調整孔54を拡径した後の差圧孔の内径の設定に
より、正特性タイプ用または逆特性タイプ用のスリーブ
52に振り分けをすることができるのは、差圧孔54a
の内径d1 が滑動孔52aの内径より大径に設定され、
また差圧孔54bの内径d2 が滑動孔52aの内径より
小径に設定されていることによる。つまり、後述するよ
うに、差圧孔54と滑動孔52aとの内径の大小関係が
スプール56のランド部57の受圧面積差を生じさせ、
ひいてはフィードバック油圧力の作用方向を決定するた
めである。
【0015】スリーブ52の外周壁には長溝状のフィー
ドバック路68(連通路)が軸方向に形成されている。
このフィードバック路68は次に述べるポート58fお
よびオリフィス58gとともに環状溝62と環状溝64
とを連通させるために用いられる。前述した環状溝61
〜64、コイルばね室66には、スリーブ52の筒壁の
内外を連通する各ポート58a、58b、58c、58
d、58e、58f、58h、およびオリフィス58g
が形成されており、特に環状溝61〜64には電磁スプ
ール弁の正逆の特性によってその必要性が左右されるポ
ート58a、58c、58d、58eを含めて全てポー
トが形成されている。即ち、コイルばね室66にはポー
ト58hが形成され、環状溝61にはポート58a(第
1ポート)およびポート58e(第1ポート)が形成さ
れ、環状溝62にはポート58b(第2ポート)および
ポート58f(連通路)が形成され、環状溝63にはポ
ート58c(第3ポート)およびポート58d(第3ポ
ート)が形成され、環状溝64にはオリフィス58g
(連通路)が形成される。このオリフィス58gとポー
ト58fは筒壁の内外を連通するだけではなく、外周壁
に形成されたフィードバック路68に開口可能な位置に
形成されており、環状溝62内の圧油を後述するフィー
ドバック室65に帰還可能にしている。なお、各ポート
58a〜eのうち、電磁スプール弁の正逆の特性によっ
ては不要となるものは、電磁スプール弁が嵌入固定され
るミッションハウジング22によりその開口端を閉塞す
ることにより、その機能を失わせる。
【0016】上記したスリーブ52は、アルミダイカス
ト鋳造法によって成形されるスリーブ中間材51から作
成される。スリーブ中間材51は、図1に示すように、
ダイカスト鋳造時に、滑動孔52a、調整孔54、各ポ
ート58a〜f、58h、各環状溝61〜64、コイル
ばね室66、シャフト室67およびフィードバック路6
8を成形される。そしてダイカスト成形の後、スリーブ
中間材51の調整孔54が孔径d1もしくはd2に仕上
げ加工され、差圧孔54a、54bとされる。同時に、
滑動孔52aが所定の孔径に仕上げ加工されるととも
に、オリフィス58gが追加加工される。また、スリー
ブ中間材51の外周、端面および後述する蓋栓60がね
じ込まれるねじ孔が加工され、スリーブ52として完成
される。このように、共通のスリーブ中間材51から正
および逆特性の電磁スプール弁に用いられる2種類のス
リーブ52が製造される。なお、上記実施の形態におい
ては、ダイカスト成形の後、調整孔54の他に、滑動孔
52a、オリフィス58g等も加工するようにしたが、
これはあくまでもダイカスト成形の精度上あるいは成形
上の関係であって、ダイカスト成形によって必要な精度
が確保されたり、ダイカスト成形できるものであれば、
必ずしも必要なものではない。
【0017】次に、前述したスリーブ52を用いて製造
する電磁スプール弁20の構成を図2〜図5に基づいて
説明する。図2は、本実施形態における電磁スプール弁
20が油圧回路等を形成するミッション等のハウジング
22に嵌入固定された場合の構成を示す部分断面図であ
り、図3は図2におけるIII −III 線断面図を示すもの
である。なお、図2〜図4に基づいて説明する電磁スプ
ール弁20は正特性タイプのもので、図5に基づいて説
明する電磁スプール弁21は逆特性タイプのものある。
【0018】図2および図3に示すように、電磁スプー
ル弁20はその構成を大きく分けると、リニアソレノイ
ド部30とスプール弁部50aに分けられ、リニアソレ
ノイド部30がスプール弁部50aを作動させるように
互いに同軸線上に位置している。スプール弁部50a
は、主に、前述したスリーブ中間材51に所定の精密加
工を施して成形されたスリーブ52と、このスリーブ5
2内に軸方向に摺動可能に収容されるスプール56と、
スリーブ52のコイルばね室66内に収容されリニアソ
レノイド部30方向にスプール56を付勢するコイルば
ね59と、コイルばね室66の反リニアソレノイド部3
0側開口を閉塞する蓋栓60とから構成されている。
【0019】スリーブ52は前述したスリーブ中間材5
1に所定の精密加工を施したものであるから、その構成
は、滑動孔52aよりも大径d1 に成形される差圧孔5
4aと、新たに形成したオリフェス以外はスリーブ中間
材51の構成と基本的に同様である。つまり、図2〜図
4に示す電磁スプール弁20は正特性タイプのものであ
るため、スリーブ中間材51の調整孔54は内径がd1
になるように拡径加工されて差圧孔54aを有するスリ
ーブ52に成形されるのである。
【0020】ここで、ミッション等の油圧回路に用いら
れる電磁スプール弁20では、前述したポート58a、
58b、58c、58d、58e、58g、58hがど
のような油路に接続されるかについて説明する。環状溝
61に連通するポート58aは、図示しないポンプから
圧油が圧送される供給通路に接続されている。環状溝6
2に連通するポート58bは出力通路に接続され、図示
しない油圧回路の構成要素に圧力制御された圧油を出力
可能にしている。環状溝63に連通するポート58dは
大気開放されたメインドレン通路に接続され、スプール
56の変位による圧力調整に用いられている。コイルば
ね室66に連通するポート58hも大気開放されるドレ
ン通路に接続され、スプール56の変位によるコイルば
ね室66内の圧力変動を吸収している。なお、ポート5
8cおよびポート58eは、電磁スプール弁20では使
用しないため、ハウジング22により閉塞されている。
【0021】滑動孔52aに摺接可能に収容されるスプ
ール56には、小径部56aよりも大径に形成されるラ
ンド部57a、57b、57cがそれぞれ所定箇所に軸
方向に分散して形成されている。つまり、ランド部57
aについてはスプール56の軸方向変位に応じて変化す
る「ランド部57aの外周壁と滑動孔52aの周壁との
ラップ量La 」が得られるような位置に形成され、また
ランド部57bについてはスプール56の軸方向変位に
応じて変化する「ランド部57bの外周壁と滑動孔52
aの周壁とのラップ量Lb 」が得られるような位置に形
成される。さらに、ランド部57c(差圧生成部)につ
いては、ランド部57bよりも大径に、かつ、スプール
56の軸方向変位に拘らず所定量以上のランド部57c
の外周壁と滑動孔52aの周壁とラップ量が得られるよ
うな位置に形成される。そしてまた、ランド部57bお
よびランド部57cは、環状溝64と滑動孔52aとか
らなる空間を軸方向から挟み込み、受圧面積の異なるラ
ンド部57b、57cのそれぞれの端面と滑動孔52a
および環状溝64の内周壁とによりフィードバック室6
5を区画形成するように位置している。
【0022】このようにスプール56を構成することに
よって、スプール56の軸方向変位によりラップ量La
とラップ量Lb とが互いに相反して増減することから、
例えば環状溝62内に充満する圧油の大半をラップ量の
少ない方のランド部(図2では符号57b)の外周壁と
滑動孔52aの周壁とのクリアランスを介して隣合う環
状溝(図2では符号63)に流れ込ませることができ
る。つまり、前述した環状溝61、環状溝62および環
状溝63のうち、隣合った環状溝同士間、即ち環状溝6
1と環状溝62の間、または環状溝62と環状溝63の
間の圧油流量をスプール56の軸方向変位によって制御
可能にしている。
【0023】また、ランド部57bよりもランド部57
cを大径に形成することにより、それぞれの端面に受圧
面積の差を設けることができる。このため、ランド部5
7bとランド部57cとによりフィードバック室65の
両側壁を構成することによって、フィードバック室65
の内圧上昇による油圧力(以下「フィードバック油圧
力」という。)を受圧面積の大きい側のランド部、即ち
ランド部57cに作用させることができる。これによ
り、フィードバック室65の内圧変化によるフィードバ
ック油圧力をリニアソレノイド部30側方向に作用させ
ている。
【0024】圧縮コイルスプリングであるコイルばね5
9(付勢手段)は、コイルばね室66内に収容されてお
り、前述したスプール56をリニアソレノイド部30方
向に付勢している。つまり、コイルばね59は、その一
端側をスプール56のランド部57aの端面に当接さ
せ、他端側をコイルばね室66の開口を閉塞する蓋栓6
0に当接させることによって、スプール56と蓋栓60
とにより挟まれて押し縮められるように位置している。
【0025】蓋栓60はコイルばね室66の反リニアソ
レノイド部30側開口部を閉塞するとともに、前述した
コイルばね59をコイルばね室66内に押し込むように
スリーブ52の端部にねじ込まれている。そして、ねじ
込み深さの度合いによりコイルばね59の初期圧縮率が
変動することから、調整された所定のねじ込み位置に蓋
栓60を合わせることによってコイルばね59の初期ば
ね力を所定値に設定している。この初期ばね力によっ
て、スプール56の端面がリニアソレノイド部30のシ
ャフト38に常時当接するため、シャフト38をリニア
ソレノイド部30の反吸引方向に付勢している。
【0026】リニアソレノイド部30は、主に、磁性体
からなる円筒形状のコア32と、このコア32の外周に
装着されるボビン33と、このボビン33に巻回される
コイル34と、コア32の中空孔に挿入され非磁性体か
らなるシャフト38と、コア32の中空孔に位置するよ
うにシャフト38に取付けられた磁性体からなるプラン
ジャ42と、カップ形状を有しコイル34を覆うカバー
36とから構成されている。
【0027】コア32のスプール弁部50a側端部には
フランジ部32aが形成されており、このフランジ部3
2aに前述したスリーブ52のリニアソレノイド部30
側端部が固着されている。また、コア32には、シャフ
ト38が軸受け40を介して軸方向に摺動可能な中空孔
が形成されるとともに、シャフト38に取付けられたプ
ランジャ42を電磁吸引可能な図示しないヨーク部が形
成されている。
【0028】コア32の外周に装着されるボビン33の
外周には、導電線が所定の回数巻き付けられて電磁コイ
ルであるコイル34を形成している。そして、外部に設
けられた図示しない電源制御部から励磁電流が通電され
ると、コイル34は磁力線を発生し、磁性体からなるコ
ア32、カバー36およびプランジャ42を磁路として
磁気回路を形成する。これにより、シャフト38に取付
けられ軸方向に移動可能なプランジャ42が、コイル3
4の通電によってコア32のヨーク部に電磁吸引され、
スプール弁部50a方向に移動する。
【0029】シャフト38は、コア32の中空孔に固定
された軸受40に挿入され、その一端部にはプランジャ
42が取付けられており、他端部には、前述したコイル
ばね59の付勢力によってスプール56の端面が常時当
接している。これにより、シャフト38はリニアソレノ
イド部30の反吸引方向に常時付勢されている。
【0030】カップ形状に形成されるカバー36は、上
述したコア32、ボビン33、コイル34、シャフト3
8、軸受け40およびプランジャ42を覆い隠すように
コイル34の周囲に位置しており、その開口端周縁部は
コア32のフランジ部32aおよびスリーブ52のリニ
アソレノイド部30側端部に固着されている。そして、
このカバー36によって、外部から加わる衝撃やリニア
ソレノイド部30内への異物等の侵入を防止するとと
も、潤滑、絶縁、冷却等の目的でリニアソレノイド部3
0の内部空間に充填される油を保持している。
【0031】以上の構成により、スリーブ52の滑動孔
52a内に滑動自在に収容されたスプール56の軸方向
変位が、リニアソレノイド部30による電磁吸引力とコ
イルばね59による付勢力とフィードバック室65の内
圧変化によるフィードバック油圧力とのバランスにより
制御され、滑動孔52aに対するランド部57aのラッ
プ量La とランド部57bのラップ量Lb との比を変動
させている。
【0032】続いて、正特性タイプの電磁スプール弁2
0の作動を図4および図6に基づいて説明する。図4
(A)に示すように、リニアソレノイド部30に励磁電
流が通電されていない状態(または励磁電流による制御
範囲内の最小電流通電時)ではコイル34の磁力線が発
生しないため、コイルばね59の初期ばね力により、ス
プール56およびプランジャ42は図4で最も左側に位
置している。つまり、スプール56はリニアソレノイド
部30に最も接近するとともに、ランド部57aの外周
壁と滑動孔52aの周壁のラップ量La が最大となる一
方でランド部57bの外周壁と滑動孔52aの周壁のラ
ップ量Lb が最小となる位置に移動し、またシャフト3
8はプランジャ42とヨーク部の離隔量が最大になる位
置に移動している。これにより、ラップ量La とラップ
量Lb の大小関係はLa >Lb であるから、図示しない
ポンプから供給通路、ポート58aおよびラップ量La
のクリアランス(ランド部57aの外周壁と滑動孔52
aの周壁との重なり部分)を介して環状溝62に圧送さ
れる圧油量よりも、環状溝62からラップ量Lb のクリ
アランス(ランド部57bの外周壁と滑動孔52aの周
壁との重なり部分)およびポート58dを介して大気開
放されるメインドレンに流出する圧油量の方がはるかに
多くなる。したがって、リニアソレノイド部30の非通
電状態(または励磁電流による制御範囲内の最小電流通
電時)では、ポンプから環状溝62に供給される圧油よ
りも、環状溝62からメインドレンに流出する圧油(図
4(A)に示す矢印α)の方が大量になることから、図
6に示すようにポート58bから出力される圧油は最も
低い制御圧として油圧回路等に出力される。
【0033】一方、リニアソレノイド部30に制御範囲
内の最小電流を超えた励磁電流が通電されると、コイル
34に磁力線が発生し、コア32、カバー36およびプ
ランジャ42を磁路とする磁気回路を形成する。これに
より、励磁電流の大きさに応じた電磁吸引力がヨーク部
とプランジャ42との間に働くことから、ヨーク部に電
磁吸引されたプランジャ42の移動によりシャフト38
がコイルばね59の付勢力に抗してコイルばね59方向
にスプール56を付勢し、コイル34による電磁吸引力
とコイルばね59によるばね力との平衡が保たれるとこ
ろまでスプール56を変位させる。すると、La >Lb
の大小関係にあるラップ量La とラップ量Lb との差が
徐々に小さくなり、励磁電流の増加に伴ってその差がよ
り小さくなり、さらにはラップ量La とラップ量Lb の
大小関係が逆転(La <Lb )し、図4(B)に示す最
も右側にスプール56が移動する。したがって、リニア
ソレノイド部30の通電状態(励磁電流による制御範囲
内の最大電流時)では、環状溝62からメインドレンに
流出する圧油よりも、ポンプから環状溝62に供給され
る圧油(図4(B)に示す矢印β)の方が大量になるこ
とから、図6に示すようにポート58bから出力される
圧油は最も高い制御圧として油圧回路等に出力される。
【0034】このようにスプール56の変位は、主に励
磁電流の電流量によって制御されているが、本実施形態
による電磁スプール弁20ではこの電流量以外の要因に
よってもスプール56の変位制御が行われている。つま
り、環状溝62内の圧油はポート58bを介して油圧回
路等に出力されるだけでなく、ポート58f、フィード
バック路68およびオリフィス58gを介してフィード
バック室65にも帰還されるため、このフィードバック
圧にランド部57bとランド部57cとの受圧面積差を
乗じた油圧がフィードバック油圧力としてコイルばね5
9によるばね力に付加されて作用し、これによって制御
圧が励磁電流に応じた値になるようにスプール56をフ
ィドバック制御しているのである。
【0035】次に、逆特性タイプの電磁スプール弁21
の構成、特にスプール弁部50bの構成とその作動を図
5および図7に基づいて説明する。逆特性タイプの電磁
スプール弁21の構成も、前述した正特性タイプの電磁
スプール弁20の構成と同様に、リニアソレノイド部3
0とスプール弁部50bに大別され、リニアソレノイド
部30の構成は電磁スプール弁20のそれと同じ構成を
採る。したがって、ここでは、スプール弁部50bの構
成を図5に基づいて説明する。
【0036】図5に示すように、スプール弁部50bの
構成は、正特性タイプ用のスプール弁部50aとほぼ同
様であり、前述したスリーブ中間材51に所定の加工を
施して成形されたスリーブ52の差圧孔54bの内径d
2 と、スプール76のランド部77cの外径とが、正特
性タイプのスプール弁部50aのそれと異なる。
【0037】スプール弁部50bのスリーブ52は前述
したスリーブ中間材51に所定の精密加工を施したもの
であるから、その構成は、滑動孔52aよりも小径d2
に成形される差圧孔54bと、新たに形成したオリフェ
ス以外はスリーブ中間材51の構成と基本的に同様であ
る。つまり、図5に示す電磁スプール弁21は逆特性タ
イプのものであるため、スリーブ中間材51の調整孔5
4は内径がd2 になるように拡径加工されて差圧孔54
bを有するスリーブ52に成形されるのである。
【0038】スプール76も正特性タイプ用のスプール
56とほぼ同様の構成からなり、ランド部77a、77
b、77cがそれぞれ所定箇所に軸方向に分散して形成
されている。これらランド部のうち、ランド部77aお
よびランド部77bについては、正特性タイプ用のスプ
ール56のランド部57aおよびランド部57bと同じ
ように構成されるため、ランド部77aの外周壁と滑動
孔52aの周壁との間にはラップ量La が得られ、また
ランド部77bの外周壁と滑動孔52aの周壁との間に
はラップ量Lb が得られる。一方、ランド部77c(差
圧生成部)については、ランド部77bよりも小径に、
かつ、スプール76の軸方向変位に拘らず所定量以上の
ランド部77cの外周壁と滑動孔52aの周壁とラップ
量が得られるような位置に形成される。そして、受圧面
積の異なるランド部77b、77cのそれぞれの端面と
滑動孔52aおよび環状溝64の内周壁とによりフィー
ドバック室65を区画形成する。
【0039】なお、電磁スプール弁21では、環状溝6
1に連通するポート58eは、大気開放されたメインド
レン通路に接続され、前述したスプール76の変位によ
る圧力調整に用いられている。また環状溝62に連通す
るポート58bは出力通路に接続され、図示しない油圧
回路の構成要素に圧力制御された圧油を出力可能にして
いる。さらに環状溝63に連通するポート58cは図示
しないポンプから圧油が圧送される供給通路に接続され
ている。そしてまたコイルばね室66に連通するポート
58hも大気開放されるドレン通路の接続され、スプー
ル76の変位によるコイルばね室66内の圧力変動を吸
収している。なお、ポート58aおよびポート58d
は、電磁スプール弁21では使用しないため、ハウジン
グ22による閉塞されている。
【0040】続いて、上述した構成を採る逆特性タイプ
の電磁スプール弁21の作動を図5および図7に基づい
て説明する。図5(A)に示すように、リニアソレノイ
ド部30に励磁電流が通電されていない状態(または励
磁電流による制御範囲内の最小電流通電時)ではコイル
34の磁力線が発生しないため、コイルばね59の初期
ばね力により、スプール76およびプランジャ42は図
5で最も左側に位置している。したがって、ランド部7
7aの外周壁と滑動孔52aの周壁とラップ量La が最
大となる一方でランド部77bの外周壁と滑動孔52a
の周壁とラップ量Lb が最小となり、ラップ量La とラ
ップ量Lb の大小関係はLa >Lb である。そのため、
環状溝62からラップ量La のクリアランスおよびポー
ト58eを介して大気開放されるメインドレンに流出す
る圧油量よりも、図示しないポンプから供給通路、ポー
ト58cおよびラップ量Lb のクリアランスを介して環
状溝62に圧送される圧油量の方がはるかに多くなる。
したがって、リニアソレノイド部30の非通電状態(ま
たは励磁電流による制御範囲内の最小電流通電時)で
は、環状溝62からメインドレンに流出する圧油より
も、ポンプから環状溝62に供給される圧油(図5
(A)に示す矢印γ)の方が大量になることから、図7
に示すようにポート58bから出力される圧油は最も高
い制御圧として油圧回路等に出力される。
【0041】一方、リニアソレノイド部30に制御範囲
内の最小電流を超えた励磁電流が通電されると、励磁電
流の大きさに応じた電磁吸引力がヨーク部とプランジャ
42との間に働くことから、コイル34による電磁吸引
力とコイルばね59によるばね力との平衡が保たれると
ころまでスプール76を変位させる。すると、La >L
b の大小関係にあるラップ量La とラップ量Lb との差
が徐々に小さくなり、励磁電流の増加に伴ってその差が
より小さくなり、さらにはラップ量La とラップ量Lb
の大小関係が逆転(La <Lb )し、図5(B)に示す
最も右側にスプール76が移動する。したがって、リニ
アソレノイド部30の通電状態(励磁電流による制御範
囲内の最大電流時)では、ポンプから環状溝62に供給
される圧油よりも、環状溝62からメインドレンに流出
する圧油(図5(B)に示す矢印δ)の方が大量になる
ことから、図7に示すようにポート58bから出力され
る圧油は最も低い制御圧として油圧回路等に出力され
る。
【0042】このようにスプール76の変位は、正特性
タイプ用のスプール56とは対称的に、ポート58f、
フィードバック路68およびオリフィス58gを介して
フィードバック室65にも帰還されるフィードバック圧
にランド部77bとランド部77cとの受圧面積差を乗
じた油圧がフィードバック油圧力としてリニアソレノイ
ド部30による電磁吸引力に付加されて作用し、スプー
ル56をフィードバック制御している。
【0043】以上説明したように本実施形態によると、
アルミダイカスト鋳造法によって成形されるスリーブ中
間材51は、正特性、逆特性に拘らず電磁スプール弁の
スリーブ52として必要な孔等、即ち、滑動孔52a、
調整孔54、各ポート58a〜f、58h、オリフィス
58g、各環状溝61〜64、コイルばね室66、シャ
フト室67およびフィードバック路68を形成した上
で、正逆の特性により内径の異なる調整孔54を後工程
により所定の内径に拡径したり、正逆の特性によって不
要となるポートをハウジングにより閉塞したりする。こ
れにより、正逆2種類の異なった特性を有する電磁スプ
ール弁に対し1種類のスリーブ中間材51で対応するこ
とができるため、スリーブ中間材51、即ち加工前のス
リーブ52を成形するアルミダイカスト鋳造型を、正逆
の特性ごとに2種類用意する必要がなくなり、1種類の
鋳造型で正逆2種類の異なった特性を有する電磁スプー
ル弁のスリーブを成形できる。したがって、鋳造型の製
造、管理等に要する費用を従来の2種類分から1種類分
に減少でき、電磁スプール弁の製品コストを削減する効
果がある。
【0044】なお、上記し実施の形態においては、正逆
の特性によって不要となるポートをスーリブ52が嵌合
されるハウジング22の内周によって閉塞する例につい
て述べたが、個々のポートに詰栓をして閉塞するように
してもよい。
【0045】
【発明の効果】請求項に記載の発明では、ダイカスト成
形によってスリーブ中間材に形成された調整孔が、正特
性タイプの電磁スプール弁に用いる場合には、案内孔の
内径より大径に加工され、逆特性タイプの電磁スプール
弁に用いる場合には、案内孔の内径より小径に加工され
て電磁スプール弁のスリーブが成形される。つまり、こ
のスリーブ中間材には、正逆の特性に拘らずスリーブと
して必要な案内孔、各ポート等の孔や通路が形成されて
いるため、電磁スプール弁の正逆の特性に合わせて調整
孔の径を案内孔の内径より大径または小径に加工すれ
ば、正逆2種類の異なった特性を有する電磁スプール弁
であっても、スリーブ中間材を共通して用いることがで
きる。これにより、スリーブ中間材、例えば加工前のス
リーブを成形する鋳造型を、正逆の特性ごとに2種類用
意する必要がなくなり、1種類の鋳造型等で正逆2種類
の異なった特性を有する電磁スプール弁のスリーブを成
形できる。したがって、鋳造型等の製造、管理等に要す
る費用を減少できることから、電磁スプール弁の製品コ
ストを削減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の一実施形態によるスリー
ブ中間材を示す軸方向断面図、図1(B)は前記(A)
に示すB−B線断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスリーブ中間材を加
工したスリーブ(正特性タイプ用)を用いた電磁スプー
ル弁を示す部分断面図である。
【図3】図2に示すIII −III 線断面図である。
【図4】正特性タイプの電磁スプール弁のスプール弁部
を示す軸方向断面図で、図4(A)は非通電時のスプー
ルの状態、図4(B)は通電時のスプールの状態を示す
ものである。
【図5】逆特性タイプの電磁スプール弁のスプール弁部
を示す軸方向断面図で、図5(A)は非通電時のスプー
ルの状態、図5(B)は通電時のスプールの状態を示す
ものである。
【図6】正特性タイプの電磁スプール弁における励磁電
流に対する制御圧力の変化を示す特性図である。
【図7】逆特性タイプの電磁スプール弁における励磁電
流に対する制御圧力の変化を示す特性図である。
【図8】従来のスリーブ中間材を用いた正特性タイプの
電磁スプール弁のスプール弁部を示す軸方向断面図であ
る。
【図9】従来のスリーブ中間材を用いた逆特性タイプの
電磁スプール弁のスプール弁部を示す軸方向断面図であ
る。
【符号の説明】
20、21 電磁スプール弁 30 リニアソレノイド部 50a、b スプール弁部 51 スリーブ中間材 52 スリーブ 52a 滑動孔(案内孔) 54 調整孔 54a、b 差圧孔 56、76 スプール 57a、b ランド部 57c ランド部(差圧生成部) 58a、e ポート(第1ポート) 58b ポート(第2ポート) 58c、d ポート(第3ポート) 58f ポート(連通路) 58g オリフィス(連通路) 59 コイルばね(付勢手段) 65 フィードバック室 68 フィードバック路(連通路) 77a、b ランド部 77c ランド部(差圧生成部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁電流の増加に対し制御圧が増加する
    正特性を有する電磁スプール弁と、励磁電流の増加に対
    し制御圧が減少する逆特性を有する電磁スプール弁とに
    用いるスリーブを製造するための方法であって、 ダイカスト成形によって、スプールを摺動可能に収容す
    るための案内孔、この案内孔の一端に形成される案内孔
    よりも小径の調整孔、正特性および逆特性に必要な各ポ
    ート、前記案内孔と調整孔との間に形成されるフィード
    バック室を備えた正特性と逆特性に共通のスリーブ中間
    材を製造し、 このダイカスト成形の後に、前記スリーブ中間材の調整
    孔を、正特性として用いる場合には前記案内孔の内径よ
    り大径に仕上げ加工し、逆特性として用いる場合には、
    前記案内孔の内径より小径に仕上げ加工して、正特性あ
    るいは逆特性に応じたスリーブにするようにしたことを
    特徴とするスリーブの製造方法。
  2. 【請求項2】 励磁電流の増加に対し制御圧が増加する
    正特性を有する電磁スプール弁と、励磁電流の増加に対
    し制御圧が減少する逆特性を有する電磁スプール弁とに
    用いるスリーブを製造するための方法であって、 ダイカスト成形によって、スプールを摺動可能に収容す
    るための案内孔、この案内孔の一端に形成される案内孔
    よりも小径の調整孔、正特性および逆特性に必要な各ポ
    ート、前記案内孔と調整孔との間に形成されるフィード
    バック室を備えた正特性と逆特性に共通のスリーブ中間
    材を製造し、 このダイカスト成形の後に、前記スリーブ中間材の案内
    孔を所定の内径に仕上げ加工するとともに、前記フィー
    ドバック室に開口するオリフィスを形成し、また、前記
    スリーブ中間材の調整孔を、正特性として用いる場合に
    は前記案内孔の内径より大径に仕上げ加工し、逆特性と
    して用いる場合には、前記案内孔の内径より小径に仕上
    げ加工して、正特性あるいは逆特性に応じたスリーブに
    するようにしたことを特徴とするスリーブの製造方法。
  3. 【請求項3】 一端側に形成される第1ポート、この第
    1ポートに連通し他端側に向かって軸方向に形成される
    案内孔、この案内孔を経由して前記第1ポートに連通し
    前記第1ポートよりも他端側に形成される第2ポート、
    前記案内孔を経由して前記第1および第2ポートに連通
    しこの第2ポートよりも他端側に形成される第3ポー
    ト、前記第2ポートに連通し外壁に形成される連通路、
    この連通路を経由して前記第2ポートに連通するととも
    に前記案内孔の他端側開口端と連通するフィードバック
    室、および、このフィードバック室の反案内孔側内壁に
    形成される差圧孔を有するスリーブと、 前記案内孔に摺動可能に収容され軸方向変位により前記
    各ポートを選択的に連通させるランド部および前記差圧
    孔内に摺接しこのランド部と異なった外径に形成される
    差圧生成部が形成されるスプールと、 前記スリーブの一端側に位置し、前記スリーブの他端側
    に前記スプールを付勢する付勢手段と、 通電により前記付勢手段の付勢力に抗して前記スプール
    を軸方向に変位させるリニアソレノイド部とを備える電
    磁スプール弁であって、 前記差圧生成部は、励磁電流の増加に対し制御圧が増加
    する正特性を有する電磁スプール弁にあっては、前記ス
    プールの前記ランド部の外径より大径に設定され、 励磁電流の増加に対し制御圧が減少する逆特性を有する
    電磁スプール弁にあっては、前記スプールの前記ランド
    部の外径より小径に設定され、前記ポートのうち正逆の
    特性で不要となるポートを閉塞するようにしたことを特
    徴とするスリ−ブを用いた電磁スプール弁。
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