JPH1114824A - カラーフィルター用赤色組成物およびカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用赤色組成物およびカラーフィルター

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JPH1114824A
JPH1114824A JP30879497A JP30879497A JPH1114824A JP H1114824 A JPH1114824 A JP H1114824A JP 30879497 A JP30879497 A JP 30879497A JP 30879497 A JP30879497 A JP 30879497A JP H1114824 A JPH1114824 A JP H1114824A
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啓祐 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色特性に優れ、特に透過度が高く、したがっ
て明度が高いカラーフィルター用赤色組成物を提供し、
それを用いて色特性のよいカラーフィルターを提供する 【解決手段】 バインダー樹脂および赤の主顔料を含有
するカラーフィルター用赤色組成物であって、その主顔
料として、C.I.ピグメントレッド177(曲線(2)
の透過スペクトルを示す)より黄味で透過スペクトルの
立ち上がり波長が530〜560nmの範囲にある赤色顔
料、例えばC.I.ピグメントレッド242(その微粒化
品は曲線(1)の透過スペクトルを示す)、を用いる。
この組成物は、調色顔料として、C.I.ピグメントレッ
ド177やC.I.ピグメントレッド254を含有するの
が有利である。この赤色組成物を赤色画素に用いたカラ
ーフィルターも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレイ、カラービデオカメラなどに使用されるカラーフ
ィルターの製造に有用な赤色着色組成物および、この赤
色組成物を用いたカラーフィルターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶ディスプレイ、カラービデオ
カメラなどに使用されるカラーフィルターは、一般に、
ガラスなどの透明基板またはシリコンなどの不透明基板
上に、赤(R)、緑(G)および青(B)などの3色の
透明着色微細パターンを形成することにより製造され
る。
【0003】カラーフィルターの製造には、ゼラチンな
どの感光層を染色とフォトリソグラフィーによりパター
ニングし、これを3回繰り返して3色の透明着色微細パ
ターンを形成する、いわゆる染色法が従来多く用いられ
ていた。この染色法に用いる染料は、色特性に優れるも
のの、耐光性や耐熱性に限界があることから、カラーフ
ィルター形成用の色材として、染料の代わりに、耐光性
および耐熱性に優れる有機顔料が用いられるようになっ
てきた。
【0004】有機顔料を用いてカラーフィルターを製造
する場合、要求される色特性を得るためには、2種類以
上の顔料を用いて調色するのが普通である。そして、赤
フィルターについては一般に、主顔料として、色特性、
耐光性および耐熱性に優れたアントラキノン系の赤色顔
料であるC.I.ピグメントレッド177が、また調色用
として、黄色顔料であるC.I.ピグメントイエロー83
やC.I.ピグメントイエロー139が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透過
度、すなわち明度を高め、また色純度を上げるなど、カ
ラーフィルターに対する色特性の要求が日増しに高まる
なか、赤フィルターについては、上記の主顔料および調
色顔料を用いた場合、その微粒子化や微分散化を行って
も、これら顔料種の組合せだけではカラーフィルターと
しての色特性の向上に限界があった。
【0006】本発明の目的は、色特性に優れた、特に透
過度が高く、したがって明度の高いカラーフィルター用
赤色組成物を提供することにある。本発明の別の目的
は、この赤色組成物を用いて作成された色特性のよいカ
ラーフィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために、市販の赤色、橙色および黄色顔料
ならびにこれらの微粒化品を用いて、種々調色検討を行
った結果、赤の主顔料として特定のものを用いることに
より、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を
完成するに至った。さらには、その赤色主顔料を特定の
調色顔料と組み合わせることにより、一層好ましい結果
が得られることを併せて見出した。
【0008】すなわち本発明は、バインダー樹脂およ
び、C.I.ピグメントレッド177より黄味で、透過ス
ペクトルの立ち上がり波長が530〜560nmの範囲に
ある赤色の主顔料を含有するカラーフィルター用赤色組
成物を提供するものである。本発明はまた、上記のバイ
ンダー樹脂および赤色主顔料に加えて、C.I.ピグメン
トレッド177および/またはC.I.ピグメントレッド
254を調色顔料として含有するカラーフィルター用赤
色組成物を提供するものでもある。さらに本発明は、こ
れらの赤色組成物を赤色画素に用いたカラーフィルター
をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いるバインダー樹脂
は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂などであ
ることができる。このようなバインダー樹脂は、着色組
成物中の全固形分に対して、一般的には5〜90重量
%、好ましくは20〜70重量%の範囲で使用される。
【0010】熱硬化性または熱可塑性のバインダー樹脂
としては例えば、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アミノ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、グアナミン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ビ
ニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム系樹
脂、環化ゴム、マレイン化油系樹脂、ブチラール系樹
脂、ポリブタジエン系樹脂、セルロース系樹脂、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ
る。
【0011】また、感光性樹脂としては例えば、水酸
基、カルボキシル基またはアミノ基のような反応性の置
換基を有する線状高分子に、必要によりイソシアナート
基、アルデヒド基、エポキシ基などを介して、(メタ)
アクリル系化合物、ケイ皮酸系化合物またはビニルエス
テル系化合物のような反応性不飽和結合を有する化合物
から導かれる光架橋性基を導入した樹脂などが挙げられ
る。さらには、スチレン/無水マレイン酸共重合体やα
−オレフィン/無水マレイン酸共重合体のような酸無水
物を構造単位に含む線状高分子が、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートのような水酸基を有する(メタ)
アクリル系化合物でハーフエステル化されたものも、感
光性樹脂として用いることができる。
【0012】本発明では、赤の主顔料として、C.I.ピ
グメントレッド177より黄味で、透過スペクトルの立
ち上がり波長が530〜560nmの範囲にあるものを使
用する。ここでいうC.I.ピグメントレッド177より
黄味とは、その顔料の透過スペクトルの立ち上がり波長
が、C.I.ピグメントレッド177の立ち上がり波長よ
り黄色側、すなわち短波長側にあることを意味する。こ
の条件を満たす赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグ
メントレッド149、C.I.ピグメントレッド224、
C.I.ピグメントレッド242などが挙げられる。顔料
の透過スペクトルは、その顔料を透明樹脂に均一に分散
させた状態で測定される。また、本発明で用いる赤の主
顔料は、700nm以上の波長の光の透過率が85%以
上、さらには90%以上であるものが好ましく、 特に
650nm以上の波長の光の透過率も85%以上、さらに
は90%以上であるものがより好ましい。
【0013】図1は、C.I.ピグメントレッド242を
ニーダーで微粒化して、比表面積を140m2/gとした
顔料〔曲線(1)〕、およびC.I.ピグメントレッド1
77〔曲線(2)〕の、それぞれ透過スペクトルを測定
したグラフである。これらの透過スペクトルはいずれ
も、酸価100mg-KOH/gで重量平均分子量約 50,000
のメタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体樹脂
に、それぞれの顔料を40重量%濃度で均一に分散させ
た厚さ1μm のフィルムについて測定したものである。
赤の主顔料として公知のC.I.ピグメントレッド177
〔曲線(2)〕は、約570nmの波長で立ち上がってい
るのに対し、C.I.ピグメントレッド242〔曲線
(1)〕は、約550nmの波長で立ち上がっている。ま
た、曲線(1)および(2)は、700nm以上の波長に
おいて、さらには650nm以上の波長においても、85
%以上、さらには90%以上の透過率を示している。
【0014】図1を参照した以上の説明から分かるよう
に、本発明でいう透過スペクトルの立ち上がり波長と
は、その顔料の透過スペクトル曲線において、透過率が
急激に立ち上がりはじめる波長を意味する。より具体的
には、その波長より10nm長い波長における透過率が、
パーセント表示で少なくとも5ポイント高くなりはじめ
る波長と定義することもできる。
【0015】透過スペクトルの立ち上がり波長が530
〜560nmの範囲にある赤色顔料には、図1に透過スペ
クトル曲線を示したC.I.ピグメントレッド242のほ
か、先に挙げたC.I.ピグメントレッド149やC.I.
ピグメントレッド224も該当する。したがって、本発
明に用いるのに好適な赤の主顔料としては、C.I.ピグ
メントレッド149、C.I.ピグメントレッド224、
C.I.ピグメントレッド242などが挙げられる。色特
性などの観点からは、特にC.I.ピグメントレッド24
2が好ましく用いられる。
【0016】これらの赤色主顔料は、市販品をそのまま
用いてもよいし、また、市販品をニーダー法、硫酸法、
アルカリ還元溶解法などの公知の方法により微粒化した
ものを用いてもかまわないが、比表面積が60m2/g以
上であるものが好ましく、さらには比表面積が80m2
g以上であるものがより好ましい。
【0017】本発明のカラーフィルター用赤色組成物
は、顔料として、以上説明した主顔料のみを含むもので
あってもよいが、通常は、調色用に他の顔料を含有す
る。調色用の顔料は、一般に赤色顔料の調色に用いられ
る各種の黄色顔料であることができるほか、適当な橙色
顔料や赤色顔料などを用いることもできる。特に本発明
においては、調色顔料として、C.I.ピグメントレッド
177やC.I.ピグメントレッド254を用いるのが好
ましい。
【0018】これらの調色用の顔料は、市販品をそのま
ま用いてもよいし、また、市販品をニーダー法、硫酸
法、アルカリ還元溶解法などの公知の方法により微粒化
したものを用いてもかまわない。これらの調色顔料は、
それぞれ単独で、または組み合わせて用いることができ
る。
【0019】顔料は、調色顔料を用いる場合はその量も
含めて、着色組成物の全固形分に対して、一般的には5
〜80重量%、好ましくは20〜50重量%の範囲で使
用される。また主顔料と調色顔料の重量比は、カラーフ
ィルター用赤色組成物中で、一般的には100:0〜5
0:50の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは1
00:0〜60:40の範囲である。
【0020】本発明のカラーフィルター用赤色組成物
は、以上説明したバインダー樹脂および顔料を、溶剤や
分散剤などと、また必要に応じて、光重合性モノマーや
光重合開始剤などと適宜混合し、ロールミル、ボールミ
ル、サンドミルまたはビーズミルのような分散機を用い
て分散させ、さらに必要に応じてレットダウン(希釈)
することにより、製造することができる。
【0021】溶剤としては、エチレングリコールモノア
ルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエ
ーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテ
ート類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテ
ート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、
エステル類、環状エステル類などが挙げられる。これら
の溶剤は、それぞれ単独で、または2種類以上組み合わ
せて用いることができる。溶剤は、着色組成物中の全固
形分に対して、一般的には0.2〜50重量倍、好ましく
は1〜20重量倍の範囲で使用される。
【0022】分散剤としては、公知のものが広く使用で
き、例えば、ポリエステル系高分子分散剤、アクリル系
高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤、顔料誘導
体、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノ
ニオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤
は、それぞれ単独で、または2種類以上組み合わせて用
いることができる。分散剤は、着色組成物中の顔料10
0重量部に対して、一般的には1〜50重量部、好まし
くは5〜40重量部の範囲で使用される。
【0023】光重合性モノマーとしては、ノニルフェニ
ルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカ
ルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レートおよびN−ビニルピロリドンのような単官能モノ
マーのほか、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレートおよびビスフェノールAジアクリレ
ートのような2官能モノマー、トリメチロールプロパン
トリアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアク
リレートのような3官能モノマー、ジペンタエリスリト
ールペンタおよびヘキサアクリレートのようなその他の
多官能モノマーなどが挙げられる。これらの光重合性モ
ノマーは、2種類以上使用することも可能である。光重
合性モノマーは、着色組成物中の全固形分に対して、一
般的には5〜90重量%、好ましくは20〜70重量%
の範囲で使用される。
【0024】光重合開始剤としては、ベンゾインおよび
そのアルキルエーテル類、アセトフェノン類、チオキサ
ントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、アントラキ
ノン類、キサントン類、トリアジン類、ヘキサアリール
ビスイミダゾール系化合物などが挙げられる。これらの
光重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種類以上組
み合わせて用いることができる。光重合開始剤は、バイ
ンダー樹脂および光重合性モノマーの合計量に対して、
一般的には0.2〜30重量%、好ましくは2〜20重量
%の範囲で使用される。
【0025】本発明のカラーフィルター用赤色組成物を
用いて、顔料分散法、電着法、印刷法などの公知の方法
により、ガラスなどの透明基板上に赤の透明着色パター
ンを形成することができる。 例えば、上記のようにし
て調製した赤色組成物を基板上に塗布し、乾燥させた
後、マスクを介して紫外線を照射し、次に硬化の終了し
た塗膜を希アルカリ水溶液または適当な有機溶剤に接触
させて未硬化部を溶解させ、現像することにより、目的
とする赤の画素が得られる。また、カラーフィルターは
赤の画素のほか、緑および青の画素を有するが、緑およ
び青の各画素は、公知の各種着色組成物から上の方法に
準じて作成することができる。赤、緑および青の各画素
の作成順序は任意である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。例中、部は重量基準である。また、以下
の例で用いた材料は次のとおりであり、場合によりそれ
ぞれの記号で表示する。
【0027】(1) 赤色顔料 C.I.ピグメントレッド242微粒−1: クラリアン
ト(Clariant)社製の“Sandorin Scarlet 4RF”をニー
ダーで微粒化した比表面積91m2/gのもの。 C.I.ピグメントレッド242微粒−2: クラリアン
ト(Clariant)社製の“Sandorin Scarlet 4RF”をニー
ダーで微粒化した比表面積140m2/gのもの(図1の
曲線(1)に透過スペクトルを示した顔料)。 C.I.ピグメントレッド177−1:“Cromophtal Red
A2B”、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Spe
cialty Chemicals)社製。 C.I.ピグメントレッド177−2:“Cromophtal Red
A3B”、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Spe
cialty Chemicals)社製(図1の曲線(2)に透過スペ
クトルを示した顔料)。 C.I.ピグメントレッド254:“IRGAPHOR RED BT-C
F”、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specia
lty Chemicals)社製。
【0028】(2) 調色用の黄色顔料 C.I.ピグメントイエロー83−1:“Seikafast Yell
ow 2720"、大日精化社製。 C.I.ピグメントイエロー83−2:“Lionol Yellow
1805-G"、 東洋インキ社製。 C.I.ピグメントイエロー139−1:“Paliotol Yel
low D1819”、 ビーエーエスエフ(BASF)社製。 C.I.ピグメントイエロー139−2:“IRGAPHOR YEL
LOW 2R-CF”、 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ci
ba)社製。
【0029】(3) バインダー樹脂 バインダー樹脂:メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル
共重合体、酸価100mg-KOH/g、重量平均分子量約 5
0,000 。
【0030】(4) 溶剤 溶剤PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート。 溶剤CYHO:シクロヘキサノン。
【0031】(5) 分散剤 分散剤ソルスパーズ:高分子分散剤“ソルスパーズ 280
00”、ゼネカ(Zeneca)社製。 分散剤ディスパービック:高分子分散剤“ディスパービ
ック 161”(30重量%濃度品)、ビーワイケー・ケミ
ー(BYK Chemie)社製。
【0032】(6) 光重合性モノマー 光重合性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート。
【0033】(7) 光重合開始剤 開始剤MMP:2−メチル−1−(4−メチルチオフェ
ニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン。 開始剤DETX:2,4−ジエチルチオキサントン。
【0034】(8) ガラスビーズ ガラスビーズ:東芝バロティーニ社製、φ=1.5〜1.
92mm。
【0035】実施例1 〈赤色組成物の作成〉140mlのマヨネーズ瓶に以下の
各成分を入れ、ペイントコンディショナーで2時間処理
して、分散させた。
【0036】 C.I.ピグメントレッド242微粒−1 3.10 部 C.I.ピグメントレッド177−1 1.70 部 バインダー樹脂 2.33 部 溶剤PGMEA 4.32 部 溶剤CYHO 16.63 部 分散剤ソルスパーズ 1.92 部 ガラスビーズ 90.00 部
【0037】その後、以下の各成分を追加し、ペイント
コンディショナーでさらに10分間レットダウンして、
赤色組成物を作成した。
【0038】 バインダー樹脂 0.89 部 溶剤PGMEA 33.71 部 光重合性モノマー 1.38 部 開始剤MMP 0.46 部 開始剤DETX 0.23 部
【0039】〈赤フィルターの作成〉ガラス基板上に、
スピンコーターを用いて、上で作成した赤色組成物(ガ
ラスビーズが入らない状態)を 700〜1,800 rpm で塗布
した後、100℃で3分間プリベークし、赤塗膜を乾燥
させた。次にこの乾燥塗膜に、高圧水銀ランプを用いて
200mJ/cm2 で露光した後、220℃で30分間ポス
トベークして赤乾燥塗膜を硬化させ、赤フィルターを作
成した。
【0040】〈色特性の評価〉上で作成した赤フィルタ
ーの色特性(x,y,Y)を、顕微分光光度計で測定し
た。ある赤の色度〔(x,y)=(0.59,0.33)〕での
明度Yを表1に示す。
【0041】比較例1 140mlのマヨネーズ瓶に以下の各成分を入れ、ペイン
トコンディショナーで2時間処理して分散させ、レット
ダウン以降は実施例1と同様に操作した。結果を表1に
示す。
【0042】 C.I.ピグメントレッド177−1 3.81 部 C.I.ピグメントイエロー83−1 0.99 部 バインダー樹脂 2.33 部 溶剤PGMEA 4.32 部 溶剤CYHO 12.15 部 分散剤ディスパービック 6.40 部 ガラスビーズ 90.00 部
【0043】比較例2 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、比較例1と
同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0044】 C.I.ピグメントレッド177−1 3.50 部 C.I.ピグメントイエロー139−1 1.30 部
【0045】
【表1】 色特性評価結果〔(x,y)=(0.59,0.33)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 赤の主顔料 赤の調色顔料 明度Y ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛242微粒-1 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-1 23.8 ──────────────────────────────── 比較例1 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-1 C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー83-1 22.1 比較例2 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-1 C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー139-1 21.6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0046】実施例2 〈赤色組成物の作成〉140mlのマヨネーズ瓶に以下の
各成分を入れ、ペイントコンディショナーで2時間処理
して、分散させた。
【0047】 C.I.ピグメントレッド242微粒−1 4.32 部 C.I.ピグメントレッド177−1 0.48 部 バインダー樹脂 2.33 部 溶剤PGMEA 4.32 部 溶剤CYHO 12.15 部 分散剤 6.40 部 ガラスビーズ 90.00 部
【0048】その後、以下の各成分を追加し、ペイント
コンディショナーでさらに10分間レットダウンして、
赤色組成物を作成した。
【0049】 バインダー樹脂 0.89 部 溶剤PGMEA 33.71 部 光重合性モノマー 1.38 部 開始剤MMP 0.46 部 開始剤DETX 0.23 部
【0050】〈赤フィルターの作成〉ガラス基板上に、
スピンコーターを用いて、上で作成した赤色組成物(ガ
ラスビーズが入らない状態)を 900〜3,500 rpm で塗布
した後、100℃で3分間プリベークし、赤塗膜を乾燥
させた。次にこの乾燥塗膜に、高圧水銀ランプを用いて
200mJ/cm2 で露光した後、220℃で30分間ポス
トベークして赤乾燥塗膜を硬化させ、赤フィルターを作
成した。
【0051】〈色特性の評価〉上で作成した赤フィルタ
ーの色特性(x,y,Y)を顕微分光光度計で測定し
た。ある赤の色度〔(x,y)=(0.569,0.346)〕で
の明度Yを表2に示す。
【0052】実施例3 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、実施例2と
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0053】 C.I.ピグメントレッド242微粒−2 4.09 部 C.I.ピグメントレッド177−2 0.71 部
【0054】実施例4 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、実施例2と
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0055】 C.I.ピグメントレッド242微粒−2 4.09 部 C.I.ピグメントレッド254 0.71 部
【0056】比較例3 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、実施例2と
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0057】 C.I.ピグメントレッド177−1 2.91 部 C.I.ピグメントイエロー139−1 1.89 部
【0058】比較例4 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、実施例2と
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0059】 C.I.ピグメントレッド177−2 3.46 部 C.I.ピグメントイエロー83−2 1.34 部
【0060】比較例5 顔料の組合せを以下のように変えた以外は、実施例2と
同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0061】 C.I.ピグメントレッド177−2 3.25 部 C.I.ピグメントイエロー139−2 1.55 部
【0062】
【表2】 色特性評価結果〔(x,y)=(0.569,0.346)〕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 赤の主顔料 赤の調色顔料 明度Y ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例2 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛242微粒-1 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-1 29.1 実施例3 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛242微粒-2 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-2 28.6 実施例4 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛242微粒-2 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛254 29.4 ──────────────────────────────── 比較例3 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-1 C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー139-1 23.1 比較例4 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-2 C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー83-1 25.3 比較例5 C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛177-2 C.I.ヒ゜ク゛メントイエロー139-2 23.9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0063】表1および表2に示したように、赤の主顔
料として、C.I.ピグメントレッド177より黄味で、
透過スペクトルの立ち上がり波長が530〜560nmの
範囲にある赤色顔料C.I.ピグメントレッド242を使
用することにより、明度Yが向上している。この際、調
色顔料としてC.I.ピグメントレッド177やC.I.ピ
グメントレッド254を使用するのが一層好適である。
【0064】
【発明の効果】本発明の赤色組成物を使用することによ
り、色特性に優れた、特に、透過度の高い、すなわち明
度の高いカラーフィルターを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】赤色顔料2種の透過スペクトルを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
(1)C.I.ピグメントレッド242をニーダーで微粒
化した比表面積140m2/gの顔料(立ち上がり波長約
550nm) (2)従来のC.I.ピグメントレッド177(立ち上が
り波長約570nm)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダー樹脂および、C.I.ピグメント
    レッド177より黄味で、透過スペクトルの立ち上がり
    波長が530〜560nmの範囲にある赤色の主顔料を含
    有することを特徴とするカラーフィルター用赤色組成
    物。
  2. 【請求項2】赤色の主顔料がC.I.ピグメントレッド2
    42である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】赤色の主顔料が60m2/g以上の比表面積
    を有する請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】赤色の主顔料が80m2/g以上の比表面積
    を有する請求項1または2記載の組成物。
  5. 【請求項5】さらに、C.I.ピグメントレッド177お
    よびC.I.ピグメントレッド254から選ばれる調色顔
    料を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の組成物か
    ら作成された赤色画素を含むことを特徴とするカラーフ
    ィルター。
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