JP3786748B2 - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶カラーディスプレー、ビデオカメラ等に使用される、光学的カラーフィルタの製造を目的とする着色組成物およびこの着色組成物を用いたカラーフィルタに関する。さらに詳しくは、一般的にストライプフィルタまたはマトリックスフィルタと称されるパターン部分を形成するためのカラーフィルタ用着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)を平行または交差して配置したもの、あるいは微細な画素を縦横一定の配列に配置したものからなっている。画素サイズは数10〜数100ミクロンという微細な形状であり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列されるものである。このため、カラーフィルタの製造法については、従来から種々の方法が提案されている。
【0003】
カラーフィルタは高い透明性が必要とされるため、一般に染色法と呼ばれる、染料を用いて着色する方法が行われていた。例えば、被染色性の感光性物質をガラス等の基板に塗布し、続いて一つのフィルタ色のパターン露光を行い、ついで未露光部を現像工程で洗い取り、残ったパターン部を該フィルタ色の染料で染色するといった操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。この方法は染料を使用するため透過率が高く、カラーフィルタの光学特性は非常に優れているが、耐光性、耐熱性等に限界があり、耐性に優れかつ透明性の高い色材が望まれていた。
【0004】
そこで、染料のかわりに耐光性、耐熱性に優れる有機顔料が用いられるようになったが、例えば透明基板上にブルー、グリーン、レッドの光の3原色を配列してなるカラーフィルタにおいては、一般に単一の顔料だけではそれぞれカラーフィルタとしての分光スペクトルを得るのは困難であり、顔料を2種以上用いて調整することが必要とされる。すなわち、ブルーについては一般に耐性に優れた銅フタロシアニンブルー顔料が用いられているが、単一の銅フタロシアニンのみでは充分なスペクトルが得にくいため、バイオレット顔料を混合してスペクトルを調整している。また、グリーンについては、耐性に優れたフタロシアニングリーンが一般に用いられているが、ブルーと同様に単一のグリーン顔料のみでは充分な分光特性が得られないため、通常、イエロー顔料を加えてスペクトルを調整している。また、レッドについても単一の顔料で400nmから600nmの広い波長域で充分な吸収を有するものが無いため、イエロー顔料および/またはオレンジ顔料を加えてスペクトルを調整している。
【0005】
一方、液晶ディスプレーは、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっている。この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示を可能にしているが、一般に有機顔料を分散したカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰するという現象がある。ON状態とOFF状態のときのディスプレー上の輝度の比をコントラスト比と呼ぶが、特に、イエローおよびオレンジの顔料がこのコントラスト比を著しく低下させることが知られている(Ueki et al、Proceeding of the 7th Conference on Color Tehnology、 pp. 89-98(1990)参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した課題を解決し、コントラスト比が高くかつ諸耐性に優れたカラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カラーフィルタ用着色組成物に用いる顔料の一次粒子を微細にし、かつ分散度合いを特定の粒子径にコントロールすることにより透明性がよく、コントラスト比の高いカラーフィルタが得られることを見いだし本発明を完成した。
【0008】
本願発明のカラーフィルタ用着色組成物は、電子顕微鏡で測定した平均一次粒子径が0.05μm以下であるイエローまたは/およびオレンジの有機顔料を、光子相関法で測定した平均粒子径が0.08〜0.20μmとなるように透明樹脂中に分散したことを特徴とするイエローまたは/およびオレンジの着色組成物である。また、本願発明は、グリーンやレッドの顔料をこのイエローまたは/およびオレンジの着色組成物に配合し、透明樹脂中に分散し、分光スペクトルを調整したカラーフィルタ用のグリーンまたはレッドの着色組成物である。さらに、本願発明のカラーフィルタはこれらの着色組成物を、それぞれの画素に用いたことを特徴としている。
【0009】
顔料分散体は顔料の最小結晶単位である一次粒子と、それらが複数個集まった二次粒子の混合物であることが知られている。カラーフィルタに用いる顔料分散体の分散を進めると、すなわち分散粒子径を一次粒子径に近づけると透明性が向上し、コントラスト比が向上することが確かめられている。しかし、市販のイエローおよびオレンジ顔料は一般にその一次粒子径が他の有機顔料に比べて大きく、これらを一次粒子に近い状態まで分散を進めても充分なコントラスト比が得られず、それ以上コントラスト比を向上させるためには一次粒子をさらに細かくする必要がある。
【0010】
本発明に用いられるイエローおよびオレンジ顔料を以下にカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、イエローでは、
C.I. Pigment Yellow 1、3、12、13、14、16、17、24、55、60、65、73、74、81、83、93、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、126、127、128、129、138、139、150、151、152、153、154、156、175。また、オレンジでは、
C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、59、60、61、62、64、などがある。
【0011】
これらの顔料の平均一次粒子径は、おおよそ、0.07〜0.8μmの範囲であるが、本発明では、さらに細かい、平均一次粒子径が0.05μm以下、好ましくは0.04μm以下の顔料を使用する。透明性やコントラスト比からみると、平均一次粒子径は小さいほど良く、下限値は本願発明の原理上限定されるものではないが、平均一次粒子径を0.005μ以下まで微細化することは技術的に困難であり、現実的には平均一次粒子径が0.005〜0.05μmのものが使用される。平均一次粒子径が0.05μmを超えるような顔料を用いるとコントラスト比が低下する傾向が認められる。
【0012】
この平均一次粒子径は電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法によって知ることができる。
【0013】
このような平均一次粒子径が0.05μm以下の微細化された顔料をサンドミル等の分散機を用いて透明樹脂に分散すると、一次粒子が複数個集まった二次粒子からなる分散粒子の状態で分散され、分散状態の進行によりこの分散粒子は徐々に小さくなり、最終的には一次粒子の状態で分散されているようになるものであるが、本発明では分散状態を分散粒子の大きさで制御し、分散粒子の平均径が0.08μmから0.20μmの範囲内となるように分散させたものである。分散が進むにつれ分散粒径は小さくなり、透明性が増し、コントラスト比は上昇するため、分散粒径は小さくなるほどよく、0.3μmくらいから良好なコントラスト比が得られるようになる。一方、分散が進行し、分散粒径が小さくなると分散体の粘度が上昇し、かつチキソトロピック性が大きくなる傾向がみられる。カラーフィルタ用の着色組成物では、薄膜塗布されかつ塗膜表面が平滑であることが要求されるため、低粘度でかつニュートニアンフローであることが要求される。このため、通常の使用に好ましい粘度やチキソトロピック性を考慮すると、分散粒径を0.08μm程度に抑えることが好ましい。このように、平均一次粒子径が0.05μm以下の顔料を用い、分散粒子の平均粒径を0.08μmから0.20μmの範囲内となるように分散度合いを制御することにより、粘度上昇およびチキソトロピック性が最小限に抑えられ、かつ平均一次粒子径が0.05μmを超える顔料での同一分散粒径の分散体に比べて、コントラスト比が非常に高い顔料分散体を得ることができる。
【0014】
なお、この下限値は単に塗工性等を考慮して定めたものであるが、塗工性はカラーフィルタのパターンの形成方法などにより使用できる粘度やチキソトロピック性などは変化するものである。従って、これらに応じて分散粒径が0.08μmを下回るものであっても使用することができ、これらの分散粒径が0.08μmを下回るものは、コントラスト比の点でさらにすぐれた特性を与えるものである以上、本発明の目的を達成することは明らかである。
【0015】
この分散粒子の平均粒径は顔料分散体をサンプリングし、溶剤で希釈し懸濁液を調製し、光子相関法を用いて測定することができる。
【0016】
本発明で用いるグリーン顔料としては、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I. Pigment Green 1、1:x、2、2:x、4、7、10、36、などがあり、カラーフィルタに要求される分光スペクトルを調整するために、イエローまたは/およびオレンジの着色組成物を配合する。従って、イエローまたは/およびオレンジの着色組成物の配合量はグリーン顔料の種類や要求される分光スペクトルによって変化するが、一般にグリーンの顔料に対して5〜40重量%くらいの範囲で用いられる。なお、グリーンの場合にはイエローを用いてスペクトルを調整する場合が一般的である。
【0017】
また、本発明で用いられるレッドの顔料には、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、C.I. Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:3、81:x、83、88、90、112、119、122、123、144、146、149、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、224、226、などがあり、イエローまたは/およびオレンジの着色組成物を用いて分光スペクトルを調整する。従って、イエローまたは/およびオレンジの着色組成物の配合量はレッド顔料の種類や要求される分光スペクトルによって変化するが、一般に、イエローまたはオレンジの着色組成物を単独で用いる場合は、レッドの顔料に対してそれぞれイエローまたはオレンジの顔料が、5〜40、10〜60重量%くらいの範囲で用いられる。また、イエローとオレンジの着色組成物の両者を併用する場合には、一般に、イエローとオレンジの着色組成物の割合は組成物中に含まれる顔料重量比で10:90〜90:10の範囲で、レッドの顔料に対してイエローおよびオレンジの顔料が5〜60重量%くらいの範囲で使用される。
【0018】
【発明の実施の形態】
上述のように、市販のイエローおよびオレンジの顔料は、一般にその一次粒子径が他の有機顔料に比べて大きいため、一次粒子をさらに細かくする必要がある。
【0019】
顔料の一次粒子を細かくする手段として、顔料を機械的に粉砕して粒径を細かくする方法(磨砕法と呼ぶ)、良溶媒に溶解したものを貧溶媒に投入して粒径の細かい顔料を析出させる方法(析出法と呼ぶ)、および合成時に粒径の細かい粒子を製造する方法(合成析出法と呼ぶ)等がある。使用する顔料の合成法や化学的性質等により、個々の顔料について適当な方法を選択して行うことができる。
【0020】
磨砕法は顔料をボールミル、サンドミルまたはニーダーなどを用いて、食塩などの磨砕剤とともに磨砕した後、食塩を水洗除去して、一次粒子を細かくする方法で、比較的均一な顔料粒子が得られる。
【0021】
析出法は、顔料を適当な良溶媒に溶解させたのち、貧溶媒と混ぜ合わせて、微細な結晶粒子を析出させる方法で、溶媒の種類や量、析出温度、析出速度などにより一次粒子の大きさが制御できる。一般に顔料は溶媒に溶けにくいため、使用できる溶媒は限られるが、例として濃硫酸、ポリリン酸、クロロスルホン酸などの強酸性溶媒または液体アンモニア、ナトリウムメチラートのジメチルホルムアミド溶液などの塩基性溶媒などが知られている。
【0022】
特殊な析出法としてロイコ法がある。フラバントロン系、ペリノン系、ペリレン系、インダントロン系等の建染染料系顔料は、アルカリ性ハイドロサルファイトで還元すると、キノン基がハイドロキノンのナトリウム塩(ロイコ化合物)になり水溶性になる。この水溶液に適当な酸化剤を加えて酸化することにより、水に不溶性の微細な顔料を析出させることができる。
【0023】
合成析出法は、顔料を合成すると同時に微細な結晶粒子として析出させる方法である。しかし、生成した微細顔料を溶媒中から取り出す場合、顔料粒子が凝集して大きな二次粒子になっていないと一般的な分離法である濾過が困難になるため、通常、二次凝集が起きやすい水系で合成されるアゾ系等の顔料に適用されている。
【0024】
なお、顔料の一次粒子を細かくする手段として、顔料を高速のサンドミル等で長時間分散することにより、顔料の分散と同時に一次粒子を細かくすることも可能であるが、多大なエネルギーを要すること、および、このような方法で得られた微細な顔料粒子は一般にフロキュレーションと呼ばれる弱い凝集を起こしやすく、分散体が高粘度でかつチキソトロピックになる傾向があり、均一なカラーフィルタの塗膜が得にくいという問題がある。従って、一次粒子を微細化した後に、分散を行う方が好ましい。
【0025】
本発明に用いる顔料は上記微細化方法のいずれを用いてもよいが、これらの方法のうち比較的材料が限定されない磨砕法について以下に詳しく述べる。本法は、有機顔料を、食塩等の水溶性の無機塩およびそれを溶解しない水溶性有機溶剤とともに機械的に混練(以下、この工程をソルトミリングと呼ぶ)した後、無機塩と有機溶剤を水洗除去し、乾燥することにより一次粒子の細かな顔料を得る方法である。ただし、ソルトミリング処理により、顔料が結晶成長する場合があるため、処理時に上記有機溶剤に少なくとも一部溶解する固形の樹脂や顔料分散剤を加えて、結晶成長を防ぐ方法が有効である。
【0026】
顔料と無機塩の比率は無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は良くなるが、顔料の処理量が少なくなるために生産性が低下する。一般的には、顔料が1重量部に対して無機塩が1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部用いるのが良い。また、上記湿潤剤は、顔料と無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、顔料と無機塩との配合比にもよるが、通常顔料の50重量%〜300重量%の量が用いられる。
【0027】
上記ソルトミリングについてさらに具体的には、有機顔料と水溶性の無機塩の混合物に湿潤剤として少量の水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して乾燥することにより、一次粒子が微細化された顔料を得ることができる。
【0028】
上記方法により得られた微細化されたイエローまたはオレンジ顔料を、カラーフィルタを形成するための透明樹脂および溶剤、必要により分散剤とともにサンドミル等の分散機で分散することにより、カラーフィルタ用の顔料分散体を得ることができる。この顔料分散体はそのままカラーフィルタ用の着色組成物として使用することもできるが、この分散体を用いてさらにインキやレジスト剤(感光性着色組成物)のような着色組成物とすることもできる。なお、上記分散剤としては一般に顔料分散剤と称される化合物、例えば界面活性剤、顔料誘導体、樹脂型分散剤などを用いることができる。
【0029】
上記カラーフィルタを形成するための透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が80%以上、好ましくは95%以上の樹脂が用いられる。透明樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂や放射線照射により硬化して樹脂と同様の塗膜を形成するモノマーもしくはオリゴマー等があり、これらを単独または2種以上混合して用いることができる。紫外線照射により硬化を行うときには、光開始剤等が用いられる。
【0030】
しかしながら、カラーフィルタの製造における後の工程において、高温加熱の処理が行われるため、加熱処理においても耐性のよい樹脂を用いることが必要とされる。また、後の工程において種々の溶剤や薬品による処理も行われるため、形成された画像の耐溶剤性も必要とされる。
【0031】
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム、エポキシ樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
【0032】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等の光架橋性基を導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物も用いられる。
【0033】
上記レジスト剤(感光性着色組成物)は一般に熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂または感光性樹脂とモノマー、光開始剤を配合した組成物中に顔料を分散してなっている。
【0034】
上記レジスト剤に用いることができるモノマー、オリゴマーとしては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、各種アクリル酸エステル、各種メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートプレポリマー等が挙げられる。
【0035】
光開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光開始剤およびカルバゾール系光開始剤、イミダゾール系光開始剤等の化合物が用いられる。
【0036】
上記光開始剤は単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物も併用することができる。
【0037】
カラーフィルタ用着色組成物には、着色剤を充分に分散させ、ガラス基板上に乾燥膜厚が0.5〜3ミクロンの膜厚となるように塗布するために溶剤を用いることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独にもしくは混合して用いる。
【0038】
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト剤のようなものにすることができる。
【0039】
これらの印刷インキ、着色レジスト剤等は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて5μ以上の粗大粒子、好ましくは1μ以上の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μ以上の粒子および混入した塵の除去を行い製造する。
【0040】
上記印刷インキは、印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。
【0041】
印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、ブランケットの膨潤、溶解等があると、それに伴うパターンの再現性の低下や透明性の低下を招くので印刷インキの溶剤の選択には、種々の注意を要する。さらに、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整も行うことができる。
【0042】
上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材は、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、ロールコート等の塗布方法により塗布される。必要により乾燥された膜は0.5〜3ミクロンであり、所定のパターンを有するマスクを接触あるいは非接触で通して紫外線露光を行う。その後溶剤あるいはアルカリ現像液に浸漬もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未露光部すなわち未硬化部を除去してパターン形成をした後、同様の操作を他色について繰り返して、カラーフィルタを製造する。更にレジスト材の重合を促進するため、加熱を施すことも必要に応じ行える。
【0043】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ソーダ、苛性ソーダ等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
【0044】
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト剤を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0046】
実施例に先立ち、顔料の平均粒子径およびコントラスト比の測定法について説明する。
【0047】
顔料の一次粒子径は電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で行った。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均一次粒子径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果が得られる。
【0048】
分散粒子径は清浄なガラス容器内で、顔料分散体を顔料濃度が500〜1000ppmとなるように溶剤で希釈し、公知の方法で超音波バスで30秒処理し、均一な懸濁液として、超音波処理直後に光子相関法により平均粒径を測定した。なお、希釈溶剤は超音波処理後、粒径測定まで平均粒径が安定して再現できることを確認して選択する必要がある。超音波処理後経時で平均粒径が大きくなる場合は、顔料の凝集が起きており、正確な測定はできないため、少量の活性剤、分散剤あるいは樹脂溶液を加えて、少なくとも希釈、超音波処理後10分好ましくは30分経時しても実質的に平均粒径が変化しない希釈液を調製する必要がある。なお、粒径測定はダイナミック光散乱光度計DLS−700(大塚電子社製)を用いた。
【0049】
次に、コントラスト比の測定法について説明する。図1に測定装置の概念図を示す。液晶ディスプレー用バックライト・ユニット7から出た光は偏光板▲2▼6を通過して偏光され、ガラス基板5上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜4を通過し、偏光板▲1▼3に到達する。偏光板▲2▼6と偏光板▲1▼3の偏光面が平行であれば、光は偏光板▲1▼3を透過するが、偏光面が直行している場合は光は偏光板▲1▼3により遮断される。しかし、偏光板▲2▼6によって偏光された光が、着色組成物の乾燥塗膜4を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面が一部ずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板▲1▼3を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板▲1▼3を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と直行のときの輝度の比をコントラスト比と呼ぶ。
【0050】
【数1】
【0051】
従って、着色組成物の乾燥塗膜4の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
【0052】
なお、輝度計1は株式会社トプコン社製、色彩輝度計BM−5A、偏光板はサンリツ社製、偏光フィルムLLC2−92−18を用いた。なお測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク2を当てて測定を行った。
【0053】
次に、微細化処理顔料を分散するための樹脂溶液の製造例を下記に示す。
【0054】
(樹脂溶液製造例)
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、100℃に加熱し、同温度で表1に示すモノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下し、重合を行った。
【0055】
【表1】
滴下後さらに100℃にて3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解したものを添加し、さらに1時間反応を続け樹脂溶液を合成した。得られた樹脂の分子量はGPCによる測定で48,000であった。
【0056】
樹脂溶液の一部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が20%となるように得られた樹脂溶液にシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
【0057】
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
【0058】
実施例1
(ソルトミリング処理顔料の製造法)
イエロー顔料(BASF社製「パリオトールエローD1819」:P.Y.139)250g、塩化ナトリウム700g、水素添加ロジンエステル(荒川化学社製「エステルガムHP」)62.5gおよびポリエチレングリコール300(東京化成社製)160gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、60℃の熱風オーブンで約24時間乾燥してソルトミリング処理顔料を得た。この処理顔料の平均一次粒径を電子顕微鏡で測定したとこと0.035μmであった。なお、同様の方法で測定した処理前の顔料の平均一次粒子径は0.085μmであった。
【0059】
(顔料分散体の製造法)
ソルトミリング処理顔料52.08g、分散剤2.17g、樹脂溶液製造例で得られたアクリル樹脂溶液158.75g、シクロヘキサノン187.0gを混合して、直径1mmのジルコニウムビーズをメディアとしてアイガー・モーターミル(アイガージャパン社製:ミニモデルM−250 MKII))で分散した。この方法で分散時間が15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間の顔料分散体8種類を作製し、それぞれの分散体について、平均分散粒径をダイナミック光散乱光度計DLS−700(大塚電子社製)を用いて測定した。また、E型粘度計を用いて回転数10rpmにおける粘度を測定した。さらに6rpmと60rpmのときの粘度の比(チキソインデックスと呼び、値が大きいほどチキソトロピック性が高い)を求めチキソトロピック性の評価を行った。
【0060】
(インキ塗膜の作製)
得られた顔料分散体をスピンコーターを用いて、回転数を変えて乾燥膜厚が約1μ前後となるように3点の塗布基板を作製した。塗布後80℃で30分、熱風オーブンで乾燥したのち、それぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1μmにおけるコントラスト比を一次相関法で求めた。
【0061】
(結果) このようにして得られた平均分散粒径と粘度、チキソインデックス、コントラスト比の関係を分散時間と共に表2に示す。
【0062】
比較例1
未処理のBASF社製「パリオトールエローD1819」:P.Y.139を用い実施例1と同じ分散剤を用いて、同一の顔料コンテントとなるように顔料分散体を作製した。即ち、「パリオトールエローD1819」41.23g、水素添加ロジンエステル(エステルガムHP)10.85g、分散剤2.17g、アクリル樹脂溶液158.75g、シクロヘキサノン187.0gを混合して、実施例1と同様の方法で、分散時間が30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間の顔料分散体7種類を作製し、それぞれの分散体について、実施例1と同様の方法で、平均分散粒径、粘度およびチキソインデックスを測定した。
【0063】
得られた分散体を実施例1と同様の方法で平均分散粒径と粘度、チキソインデックス、コントラスト比を測定し、表3の結果を得た。
【0064】
【表2】
【表3】
実施例2
実施例1のパリオトールエローD1819のかわりにリオノールエロー1805−G NO.9001(東洋インキ製造社製:C.I.Piment Yellow 83)を用いて、実施例1と同様の方法でソルトミリング処理を行い、同様に分散して評価を行い表4の結果を得た。なお本処理顔料の電子顕微鏡による平均一次粒子径は0.038μmであり、未処理顔料の平均一次粒子径は0.089μmであった。
【0065】
比較例2
比較例1のパリオトールエローD1819のかわりにリオノールエロー1805−G NO.9001を用いて同様の実験を行い、表5の結果を得た。
【0066】
【表4】
【表5】
実施例3
レッド、グリーン、ブルーの3色を配列してなるカラーフィルタの作製に用いる着色組成物の例として、レッドとグリーンのレジスト剤(感光性着色組成物)を得る目的で、レッドの顔料分散体を下記の方法で作製した。
【0067】
(レッド顔料分散体の製造)
クロモフタルレッドA2B(BASF社製:C.I.Pigment Red177)41.23g、、分散剤2.17g、樹脂溶液製造例で合成したアクリル樹脂溶液213.0g、シクロヘキサノン143.6gを混合して、実施例1と同様の方法で6時間分散し、レッド顔料分散体を作製した。
【0068】
(レッド・レジスト剤の作製)
実施例1で作製したイエロー顔料分散体(6時間分散品)および上記レッド顔料分散体を用いて、下記の表6に示すような組成となるように材料を配合した。
【0069】
【表6】
この組成物を容器中で充分攪拌し、2.5μmのフィルタで濾過してレッドレジスト剤を作製した。
【0070】
このレジストを1mm厚のガラス板上に、乾燥膜厚が1.8μmとなるようにスピンコーターで塗布し、70℃で20分乾燥した。さらに、乾燥塗膜上にポリビニルアルコール(国産化学社製:分子量約500)の5%溶液を乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、70℃で20分乾燥した。次に、50μmのラインアンドスペースのストライプパターンを有するフォトマスクを介して、紫外線を露光(積算光量:40mJ)した後、2重量%の炭酸ナトリウム水溶液に50秒間ディップし、水洗後、200℃で1時間加熱処理をして、線幅の精度が±1μ以下の良好なレッドのストライプパターンを得た。
【0071】
良好なストライプパターンが得られることを確認した後、同様の塗布基板を全面露光し、同様の現像工程、加熱処理工程を経てえられたベタ基板を用いて、カラーフィルタのコントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【0072】
比較例3
比較例1で作製したイエロー顔料分散体を用いて、実施例3と同様の方法でレッドレジスト剤を作製した。このレジストを用いて、実施例3と同様の方法でベタ基板を作製し、カラーフィルタのコントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【0073】
実施例4
レッド、グリーン、ブルーの3色を配列してなるカラーフィルタの作製に用いる着色組成物の例として、グリーンのレジスト剤(感光性着色組成物)を得る目的で、グリーンの顔料分散体を下記の方法で作製した。
【0074】
(グリーン顔料分散体の製造)
リオノールグリーン6YK(東洋インキ製造社製:C.I.Pigment Green 36)41.23g、、分散剤2.17g、樹脂溶液製造例で合成したアクリル樹脂溶液213.0g、シクロヘキサノン143.6gを混合して、実施例1と同様の方法で6時間分散し、グリーン顔料分散体を作製した。
【0075】
(グリーンレジスト剤の作製)
実施例1で作製したイエロー顔料分散体(6時間分散品)および上記グリーン顔料分散体を用いて、下記表7に示す組成となるように材料を配合した。
【0076】
【表7】
この組成物を容器中で充分攪拌し、2.5μmのフィルタで濾過してグリーンレジスト剤を作製した。
【0077】
このレジストを用いて、実施例3と同様の方法で、ガラス基板上に線幅の精度が±1μ以下の良好なグリーンのストライプパターンを得た。
【0078】
良好なストライプパターンが得られることを確認した後、同様の塗布基板を全面露光し、同様の現像工程、加熱処理工程を経て得られたベタ基板を用いて、カラーフィルタのコントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【0079】
比較例4
比較例1で作製したイエロー顔料分散体を用いて、実施例4と同様の方法でグリーンレジスト剤を作製した。このレジストを用いて、実施例3と同様の方法でベタ基板を作製し、カラーフィルタのコントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【0080】
実施例5
実施例2で作製したイエロー分散体(6時間分散品)を用いて、実施例3と同様の方法でレッドレジスト剤を作製し、同様にしてカラーフィルタのコントラスト比を測定した結果を表8に示す。
【0081】
比較例5
比較例2で作製したイエロー顔料分散体を用いて、実施例3と同様の方法でレッドレジスト剤を作製した。このレジストを用いて、実施例3と同様の方法でベタ基板を作製し、コントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【0082】
実施例6
実施例2で作製したイエロー分散体(6時間分散品)を用いて、実施例4と同様の方法でグリーンレジスト剤を作製し、同様にしてカラーフィルタのコントラスト比を測定した結果を表8に示す。
【0083】
比較例6
比較例2で作製したイエロー顔料分散体を用いて、実施例4と同様の方法でレッドレジストを作製した。このレジストを用いて、実施例3と同様の方法でベタ基板を作製し、カラーフィルタのコントラスト比を測定して表8の結果を得た。
【表8】
【0084】
表2〜表5によれば、分散時間の経過とともに平均分散粒子径が小さくなり、分散が進んでいるが、平均分散粒子径が細かくなると粘度やチキソインデックスが上昇することがわかる。しかし、同じ大きさの平均分散粒子径でのコントラスト比を比べると平均一次粒子径が0.05μm以下の顔料を用いた場合にはコントラスト比が高く、一次粒子径が細かい顔料が集合した分散粒子の状態で分散したものが優れた効果を示すことがわかる。これは、光による散乱が、二次粒子とバインダーの界面および二次粒子内の一次粒子間の界面の両者で起きているためと考えられる。
【0085】
また、10時間の分散時間の点で比べると、微細化処理していない顔料ではほぼ一次粒子の大きさと同じ大きさの分散粒子となっている。従って、さらに、分散を続けてもコントラスト比の上昇はあまり期待できないが、これに比べて微細化した顔料では、分散を続けることによってさらに分散粒子を細かくすることができ、それに伴いコントラスト比もさらに上昇させることができるものであることがわかる。
【0086】
表8によると、レッドおよびグリーンの場合にも、この微細化された顔料を用いたイエローの着色組成物を配合することによりコントラスト比が大幅にアップすることがわかる。
【0087】
【発明の効果】
本願発明の構成によると、染料より諸耐性の優れた顔料を用いたカラーフィルタのコントラスト比を、実用的な方法で向上させるたことができ、コントラスト比が高いカラーフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コントラスト比を測定法するための、測定装置の概念図である。
【符号の説明】
1 輝度計
2 マスク(黒)
3 偏光板▲1▼
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板▲2▼
7 バックライト・ユニット
Claims (6)
- 電子顕微鏡で測定した平均一次粒子径が0.05μm以下であるイエローまたは/およびオレンジの有機顔料を用い、該顔料を光子相関法で測定した平均粒子径が0.08〜0.20μmになるように透明樹脂中に分散してなるカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに、グリーン顔料が、前記透明樹脂中に分散されている請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに、レッド顔料が、前記透明樹脂中に分散されている請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- イエローの画素に請求項1に記載の着色組成物を用いたカラーフィルタ。
- グリーンの画素に請求項2に記載の着色組成物を用いたカラーフィルタ。
- レッドの画素に請求項3に記載の着色組成物を用いたカラーフィルタ。
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