JPH10148711A - カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

Info

Publication number
JPH10148711A
JPH10148711A JP30966296A JP30966296A JPH10148711A JP H10148711 A JPH10148711 A JP H10148711A JP 30966296 A JP30966296 A JP 30966296A JP 30966296 A JP30966296 A JP 30966296A JP H10148711 A JPH10148711 A JP H10148711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
red
color filter
resin
coloring composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30966296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Fujita
健一 藤田
Hisashi Iino
久 飯野
Katsuto Miura
克仁 三浦
Akio Haneda
昭夫 羽田
Takeshi Itoi
健 糸井
Shinji Ito
慎次 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd, Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP30966296A priority Critical patent/JPH10148711A/ja
Publication of JPH10148711A publication Critical patent/JPH10148711A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分光特性が良好でかつ透明性が高く、耐熱性
など諸耐性に優れたレッドのカラーフィルタ用着色組成
物およびこれを用いたカラーフィルタの提供すること。 【解決手段】 本願発明のカラーフィルタ用着色組成物
は、透明樹脂に顔料を分散したものであって、該顔料と
して、下記一般式で示されるアゾレーキレッド顔料とイ
エロー顔料とを配合した顔料を用いることを特徴とす
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶カラーディス
プレー、ビデオカメラ等に使用される、光学的カラーフ
ィルタの製造を目的とする着色組成物およびこの着色組
成物を用いたカラーフィルタに関する。さらに詳しく
は、一般的にストライプフィルタまたはマトリックスフ
ィルタと称されるパターン部分を形成するためのカラー
フィルタ用着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタは、ガラス等の透明な基
板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライ
プ)を平行または交差して配置したもの、あるいは微細
な画素を縦横一定の配列に配置したものからなってい
る。画素サイズは数10〜数100μmという微細な形
状であり、しかも色相毎に所定の順序で整然と配列され
る。このため、カラーフィルタの製造法については、従
来から種々の方法が提案されている。
【0003】カラーフィルタは高い透明性が必要とされ
るため、一般に染色法と呼ばれる、染料を用いて着色す
る方法が行われている。例えば、被染色性の感光性物質
をガラス等の基板に塗布し、続いて一つのフィルタ色の
パターン露光を行い、ついで未露光部を現像工程で洗い
取り、残ったパターン部を該フィルタ色の染料で染色す
るといった操作を全フィルタ色について順次繰り返すこ
とによりカラーフィルタを製造することができる。この
方法は染料を使用するため透過率が高く、カラーフィル
タの光学特性は非常に優れているが、耐光性、耐熱性等
に限界があり、耐性に優れかつ透明性の高い色材が望ま
れていた。
【0004】そこで、染料のかわりに耐光性、耐熱性に
優れる有機顔料が用いられるようになったが、現在市販
されている顔料はカラーフィルタ用として開発されたも
のではないため、一般に単一の顔料だけではカラーフィ
ルタとしての分光スペクトルを得るのは困難であり、顔
料を2種以上用いて分光特性を調整することが必要とさ
れる。特に、レッドについては、耐性に優れたアントラ
キノンレッドが一般に用いられているが、単一のレッド
顔料のみでは充分な分光特性が得られないため、調色顔
料を加えてスペクトルを調整する必要がある。
【0005】調色顔料としては、色相、透明性の点から
イエロー顔料であるC.I. Pigment Yel
low 83やC.I. Pigment Yello
w139が一般に用いられている。しかし、これらの顔
料を含むレッドのフィルタは545nm付近の吸光度が
低いため、染色法に比べて色純度が劣り、カラーディス
プレーとしての色再現に限界があった。
【0006】また、顔料を用いたカラーフィルタでは染
料のような透明性を得ることは困難であった。また、顔
料固有の分光スペクトルからカラーフィルタの膜厚で色
相が変わってしまい、透過光の主波長がカラーフィルタ
の膜厚で変化してしまうという問題があった。
【0007】通常の塗料、インキなどでは、一般に顔料
の分散度を上げていくと透明性が向上するが、サンドミ
ル、3本ロールミル、ボールミル等の通常の分散機では
一次粒子まで分散されるとそれ以上透明性が上がらなく
なる。通常の分散機での分散工程は、主に顔料の一次粒
子の凝集体である二次粒子をほぐして一次粒子に近い状
態の分散体を得る工程であり、それ以上透明性を向上さ
せるためには一次粒子をさらに細かくする必要がある。
【0008】高速のサンドミルは顔料の微粒子化に優れ
ており、顔料によっては一次粒子をさらに細かくするこ
とも可能だが、この場合は非常に多大なエネルギーを要
する。
【0009】一次粒子を細かくする手段として、顔料を
濃硫酸、ポリリン酸等の強酸に溶解したものを冷水に投
入して、顔料を微細粒子として析出させる方法が知られ
ているが、この方法では顔料の強酸に対する溶解性や安
定性の点で用い得る顔料が著しく限定される。また、こ
の方法で微細化した顔料は、乾燥すると強い二次凝集を
起こすため、一次粒子にまで再分散するのは一般に非常
に困難である。
【0010】また、他の方法として、顔料と固形樹脂を
加熱しながら2本ロールやニーダー等で強力に練り込む
方法も知られている。しかし、顔料は一般に高温下では
結晶成長するため、本法は機械的な破砕力と結晶成長が
平衡状態になったときに終点となり、顔料の微細化には
限界がある。
【0011】さらに、顔料の一次粒子を細かくする方法
として、顔料と食塩等の水溶性無機塩の混合物を少量の
溶剤で湿潤したものを、ニーダー等で強く練り込んだ
後、無機塩と溶剤を水洗除去、乾燥して一次粒子の細か
い顔料を得る方法がある。しかし、この方法でのアゾ系
の顔料の微細化は、顔料の色相変化が起こるため、一般
に行われていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、色純
度が高く、透明性が良好でかつ膜厚による主波長変化の
少ないレッドのカラーフィルタ用着色組成物および赤色
画素に、これを用いたカラーフィルタの提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レッドの
着色組成物用の顔料として、アゾレーキレッド顔料を用
いることにより本願目的を達成できることを見出し、本
発明を完成した。すなわち、本発明の透過型カラー液晶
表示装置に用いるカラーフィルタ用着色組成物は、透明
樹脂に顔料を分散したものであって、該顔料として、下
記一般式で示されるアゾレーキレッド顔料とイエロー顔
料とを配合した顔料を用いることを特徴とし、さらに、
該顔料として、アントラキノンレッドも配合した顔料を
用いることも特徴としている。
【0014】
【化4】 (式中、XはMn、Ba、Ca、Srを示す)また、本
発明は、顔料を水溶性の無機塩および水溶性の有機溶剤
とを含む混合物とともに機械的に混練し、該無機塩およ
び水溶性の有機溶剤とをを水洗して除去し、乾燥して得
られた処理顔料を用いて透過型カラー液晶表示装置に用
いるカラーフィルタ用着色組成物を調製することも特徴
としている。
【0015】さらに、本発明のカラーフィルタは、以上
の着色組成物を赤色画素の形成に用いた、透過型のカラ
ーフィルタであることを特徴とする。
【0016】本発明で用いるアゾレーキレッド顔料は、
下記一般式で示されるような構造を有するもので、この
ような顔料をカラーインデックスナンバー(C.I.)
で示すと、例えば、C.I. Pigment Red
48:1〜48:4などが該当する。
【0017】アゾレーキレッド顔料は、他のレッド顔料
に比べて着色力が高く、545nm付近の吸光度が高い
ものであり、単独で用いても、また他のレッド顔料、例
えばアントラキノンレッドと混合して用いても色純度の
高いレッドのスペクトルが得られる。
【0018】イエロー顔料は分光特性を調整するため、
アゾレーキレッド顔料のようなレッド顔料とともに用い
るもので、このようなイエロー顔料としては、C.I.
Pigment Yellow 1、3、12、1
3、14、16、17、24、55、60、65、7
3、74、81、83、93、95、97、98、10
0、101、104、106、108、109、11
0、113、114、116、117、119、12
0、126、127、128、129、138、13
9、150、151、152、153、154、15
6、175などがあり、ノバパームイエローHR(商品
名、ヘキスト社製、C.I. Pigment Yel
low 83)やパリオトールイエローD1819(商
品名、BASF社製、C.I. Pigment Ye
llow 139)などの市販品を用いることができ
る。
【0019】本発明のレッドの着色組成物は、レッドの
顔料として上記のアゾレーキレッド顔料を単独で、また
は他のレッド顔料とともに用い、分光特性を調整するた
めにイエロー顔料を配合したものである。他のレッド顔
料と混合してアゾレーキレッド顔料を用いる場合、アゾ
レーキレッド顔料の添加効果が明瞭に現れるためには、
少なくともレッド顔料全体に対して10重量%以上アゾ
レーキレッド顔料を含むことが必要となる。一方、イエ
ロー顔料の配合量は、用いたレッド顔料の組成やカラー
フィルタに要求される分光特性によって変化するが、ア
ゾレーキレッド顔料を単独に用いイエロー顔料でスペク
トルを調製する場合には、顔料全体に対して、アゾレー
キレッド顔料が70〜90重量%、好ましくは、75〜
85重量%、また、イエロー顔料が30〜10重量%、
好ましくは、25〜15重量%とすることにより必要と
されるスペクトルを得ることができる。
【0020】アゾレーキレッド顔料とともに用いる他の
レッド顔料のアントラキノンレッドは諸耐性に優れ、か
つ着色力、透明性にも優れているため、レッドのカラー
フィルタ用顔料として用いられている。しかし、この顔
料は500nm以下の吸収が十分ではないため、一般に
イエロー顔料を併用してスペクトルを調整している。し
かしながらこの2種類の顔料の組み合わせでは535〜
550nmの吸収が十分ではなく膜厚の変化により色相
の変化が生じてしまう。
【0021】本発明は、レッドの色純度を向上させると
ともに膜厚による主波長変化を少なくするため、アゾレ
ーキレッド顔料を併用したものである。すなわち、これ
は535〜550nmの吸収の高いアゾレーキレッド顔
料を配合することで、レッドの吸収域である400nm
〜600nmの吸光度のばらつきを抑えることが膜厚に
よる色相変化を抑え、主波長変化抑制に最も効果的であ
ることを見出した結果得られたものである。
【0022】本発明で用いるアントラキノンレッドは、
C.I. Pigment Red177であり、この
ような顔料としてはチバガイギー社製のクロモフタルレ
ッドA2B(商品名、チバガイギー社製)やクロモフタ
ルレッドA3B(商品名、チバガイギー社製)などを用
いることができる。
【0023】レッド、グリーン、ブルーの3色の加色混
合によりフルカラーを再現するカラー液晶ディスプレー
などに用いるレッド用の着色組成物としては、アントラ
キノンレッドとアゾレーキレッドとを併用するのが好ま
しく、アゾレーキレッド顔料の割合は、全顔料に対して
10重量%以上、好ましくは25重量%、さらに好まし
くは30重量%以上を占めていることが必要である。ア
ゾレーキレッド顔料の比率が10重量%を下回ると、5
45nm付近での十分な吸光度が得られず、色純度が低
下する傾向がみられる。
【0024】このように配合したレッド顔料に分光特性
を調整するために、イエロー顔料を配合する。レッド顔
料とイエロー顔料との混合割合は用いるイエロー顔料の
種類や要求される分光特性で異なるものの、一般に、重
量比で70:30〜90:10、好ましくは75:25
〜85:15となるように配合すると好ましい結果が得
られる。従って、各顔料の最終的な配合量は、全顔料に
対してそれぞれアゾレーキレッド顔料が、10〜70重
量%、好ましくは20〜60重量%で、アントラキノン
レッドが、20〜80重量%、好ましくは30〜70重
量%であり、イエロー顔料が、3〜30重量%、好まし
くは5〜25重量%の範囲のものである。
【0025】なお、アゾレーキレッド顔料としては、上
記一般式で示される顔料を2種以上を組み合わせて用い
ることもでき、また、イエロー顔料としても上記C.
I.の顔料を2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0026】また、本発明のカラーフィルタ用の着色組
成物では、上記一般式で示されるアゾレーキレッド顔
料、イエロー顔料ならびにレッド顔料などを次のように
処理し、処理した顔料を用いてカラーフィルタ用の着色
組成物を調製すると、透明性をさらに向上させることが
できる。
【0027】すなわち、この処理は、上記一般式で示さ
れるアゾレーキレッド顔料あるいはイエロー顔料または
レッド顔料を、水溶性の無機塩および水溶性の有機溶剤
と混合し、この混合物を機械的に混練(以下、この工程
をソルトミリングと呼ぶ)し、水溶性の無機塩および水
溶性の有機溶剤とを水洗により除去した後乾燥すること
によって行うことが好ましい。ソルトミリング時には乾
燥後の処理した顔料の再分散性をよくするために室温で
固体、かつ水不溶性であって水溶性の有機溶剤に少なく
とも一部溶解する樹脂を添加することができる。
【0028】上記ソルトミリングの方法についてさらに
アゾレーキレッド顔料を例として具体的に説明すれば、
アゾレーキレッド顔料(A)と、室温で固体であって、
水不溶性の樹脂(B)と、水溶性の無機塩(C)と、湿
潤剤として少量の有機溶剤(D)とを混合し、ニーダー
等で強く練り込んだ後、水中に投入しハイスピードミキ
サー等で撹拌しスラリー状とする。次に、このスラリー
をろ過、水洗して乾燥することにより、樹脂(B)で被
覆された顔料(以下、処理顔料と呼ぶ)が得られる。
【0029】水溶性の無機塩(C)としては、例えば、
食塩などを使用することができ、顔料(A)と無機塩と
の比率は無機塩の比率が多くなると顔料の微細化効率は
よくなるが、顔料の処理量が少なくなるため生産性が低
下する。従って、一般的には、顔料1重量部に対して無
機塩が1〜20重量部、好ましくは2から10重量部用
いるのがよい。また上記湿潤剤は、顔料と無機塩が均一
な固まりとなるように加えるもので、 アルコール系や
グリコール系などの水溶性有機溶剤などを用いることが
できる。また、湿潤剤の配合量は、顔料と無機塩の配合
比にもよるが、通常顔料の50重量%〜300重量%の
範囲の量が用いられる。
【0030】樹脂(B)は、室温で固体で、水不溶性で
あって、かつソルトミリング時の湿潤剤に用いる水溶性
溶剤に可溶である必要があり、天然樹脂、変性天然樹
脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用い
られる。室温で液状の樹脂を用いてもソルトミリングを
行うことはできるが、水洗し乾燥したときに処理顔料が
ブロッキングを起こし、乾燥あるいは再分散に特別な工
夫を要するため好ましくない。ただし、二種類以上の樹
脂を併用してソルトミリングする場合は、一部液状の樹
脂を用いても混合物が室温で固体であれば、本発明に用
いることができる。
【0031】天然樹脂としてはロジンが代表的であり、
変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、
ゴム誘導体、タンパク誘導体およびそれらのオリゴマー
が挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエス
テル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂
としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェ
ノール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中では、ソ
ルトミリングの効果およびカラーフィルタとしての諸耐
性の点から、合成樹脂および天然樹脂で変性された合成
樹脂、特にエポキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂、
マレイン酸樹脂を用いることが好ましい。
【0032】上記エポキシ樹脂とは、エポキシ基を少な
くとも1個有するエポキサイドをいい、硬化剤で架橋し
たエポキシ樹脂は一般に溶剤に対する溶解性がほとんど
ないため、本発明には用いられない。エポキサイドとし
てはビスフェノール系、ノボラック系、アルキルフェノ
ール系、レゾルシン系、ポリグリコール系、エステル
系、N−グリシジルアミンなどのグリシジル型や、環状
脂肪族エポキサイド等が用いられる。
【0033】本発明のカラーフィルタ用着色組成物はイ
ンクや塗料としてカラーフィルタの製造に用いるばかり
でなく感光性着色樹脂組成物(レジスト剤)としてカラ
ーフィルタの製造に用いることができる。すなわち、顔
料を光重合性あるいは光架橋性の媒体に分散し、パター
ン露光して、未露光部を現像液で除去することによって
カラーフィルタを製造する方法であり、現在広く採用さ
れているものであるが、この方式に用いる場合は、現像
液に不溶性の樹脂は現像に悪影響を与えるため、樹脂
(B)の選択にあたっては、このことを考慮しなければ
ならず、この点から樹脂(B)は現像液に溶解するもの
が好ましい。
【0034】最近は、環境問題から現像液として有機溶
剤を用いるのは稀で、一般にアルカリ現像液が用いられ
ている。従って、アルカリに可溶な樹脂としては(メ
タ)アクリル酸を含む(メタ)アクリル系樹脂、あるい
はマレイン酸系樹脂が用いられる。ただし、アルカリ不
溶性の樹脂でも、カラーフィルタ用着色組成物の不揮発
分の10重量%以下、好ましくは5重量%以下となるよ
うに使用量を調整すれば、現像性に影響がないことが確
かめられている。
【0035】上記の(メタ)アクリル樹脂は、アクリル
酸やメタクリル酸と、それらのエステルの1種または2
種以上のモノマーとの共重合体であり、60モル%以下
のスチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等のラジカル
重合性のモノマーと共重合したものも含まれる。しか
し、多官能性モノマーとの共重合体のように、三次元架
橋されたポリマーは溶解性が劣るため、本発明では使用
が制限される場合がある。用いられる(メタ)アクリル
樹脂の酸価は、20〜160のものが好ましく、アルカ
リ現像の場合は、酸価40〜160が着色組成物とした
ときの現像性から好ましく、分子量は、1000〜10
0000、特にアルカリ現像の場合は1000〜600
00が現像液への溶解性の点で好ましい結果を与える。
【0036】また、上記マレイン酸樹脂あるいはロジン
変性マレイン酸樹脂としては、酸価が20〜300のも
のが用いられるが、アルカリ現像の場合は、酸価40〜
300、好ましくは80〜300のものが現像液への溶
解性の点で好ましい。
【0037】有機溶剤(D)は、樹脂(B)を少なくと
も一部溶解し、水溶性であれば特に限定されないが、ソ
ルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態
になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。例
えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノー
ル、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘ
キシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレン
グリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エ
トキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパ
ノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等
が用いられる。
【0038】また、必要により、上記化合物の他に、ソ
ルトミリング時に分散剤、可塑剤等の添加剤や一般に体
質顔料として用いられている炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、シリカ等の無機顔料を併用しても良く、またアゾ
レーキレッド顔料とアントラキノンレッド顔料、またア
ゾレーキレッド顔料とイエロー顔料、またはアゾレーキ
レッド顔料とアントラキノンレッド顔料とイエロー顔料
とを混合して処理してもよい。
【0039】なお、上記分散剤としては一般的に顔料分
散剤と称される化合物、たとえば界面活性剤、顔料誘導
体、樹脂型分散剤などを用いることができる。
【0040】このようにして処理された顔料を、カラー
フィルタを形成するための透明樹脂および溶剤等と共に
サンドミル、3本ロールミル等の通常の分散機で分散す
ることにより、未処理(ソルトミリング処理をしていな
い)顔料を用いた場合に比べ、顔料が微細に分散された
カラーフィルタ用着色組成物が短時間でかつ容易に得る
ことができる。得られた着色組成物を赤色画素用の形成
に用い、透過型液晶ディスプレイ用カラーフィルタを作
製することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタ用着色組
成物は、必要に応じて上記ソルトミリング処理を行った
顔料を透明樹脂および溶剤等とともに分散するか、ある
いは、顔料を予め透明樹脂と機械的に混練したのち溶剤
ないし樹脂溶液を加えて分散して製造する。顔料と透明
樹脂とは、固形分比において、1:4〜10:1の割合
で配合される。
【0042】顔料の透明樹脂への分散には、三本ロール
ミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー等の各種
分散手段を使用できる。また、これらの分散を良好とす
るために、適宜、各種界面活性剤、顔料の誘導体等の分
散助剤を添加できる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、
分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので透明
性に優れたカラーフィルタが得られる。この他、無機顔
料のような体質顔料、また感光性着色組成物(レジスト
剤)とした場合のように貯蔵安定性を考慮する場合は、
重合禁止剤を少々加えてもよい。
【0043】透明樹脂は、可視光領域の400〜700
nmの全波長領域において透過率が80%以上、好まし
くは95%以上の樹脂である。透明樹脂としては、熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂や、放射線照射に
より硬化して樹脂と同様の塗膜を形成するモノマー、オ
リゴマー等があり、これらを単独または2種以上混合し
て用いることができる。紫外線照射により硬化を行うと
きには、光開始剤等が用いられる。
【0044】しかしながら、カラーフィルタの製造にお
ける後の工程において、高温加熱の処理が行われるた
め、加熱処理においても耐性のよい樹脂を用いることが
必要とされる。また、後の工程において種々の溶剤や薬
品による処理も行われるため、形成された画像の耐溶剤
性も必要とされる。
【0045】熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂としては、例
えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合
体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、フェノール樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド、アクリル系樹脂、アルキッ
ド樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、
環化ゴム、エポキシ樹脂、セルロース類、ポリブタジエ
ン、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
【0046】感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子
にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介
して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等の光架橋性
基を導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水
マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸
共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メ
タ)アクリル化合物によりハーフエステル化した重合物
も用いられる。
【0047】放射線照射により硬化して樹脂と同様の塗
膜を形成するモノマー、オリゴマーとしては、アクリル
酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、各種
アクリル酸エステル、各種メタクリル酸エステル、アク
リロニトリル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレートプレポリマー等が挙げられる。
【0048】光開始剤としては、アセトフェノン系、ベ
ンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、カ
ルバゾール系、イミダゾール系、トリアジン系等の化合
物が用いられる。また、増感剤として、α−アシロキシ
ムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフ
ェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナ
ンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキ
ノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベン
ゾフェノン等の化合物も併用することができる。
【0049】カラーフィルタ用着色組成物には、顔料を
十分に分散させ、ガラス基板上に乾燥膜厚が0.5〜5
μmの膜厚となるように塗布するために溶剤を用いるこ
とができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、
エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテ
ート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エ
チレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチル
セロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等
が挙げられ、これらを単独にもしくは混合して用いる。
【0050】上述のように本発明のカラーフィルタ用着
色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無し
オフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用イン
キ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト剤
のようなものにすることができる。
【0051】これらの印刷インキ、着色レジスト剤等
は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の
手段にて5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上
の粗大粒子さらに好ましくは、0.5μm以上の微少粒
子および混入した塵の除去を行い製造する。
【0052】上記印刷インキは、印刷と乾燥を繰り返す
だけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造
法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、
印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有す
る微細パターンの印刷を行うことができる。
【0053】印刷を行うためには、印刷の版上にて、あ
るいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないよ
うな組成とすることが好ましい。また、ブランケットの
膨潤、溶解等があると、それに伴うパターンの再現性の
低下や透明性の低下を招くので印刷インキの溶剤の選択
には、種々の注意を要する。さらに、印刷機上でのイン
キの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によ
るインキ粘度の調整も行うことができる。
【0054】上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着
色レジスト剤は、ガラス基板上に、スプレーコートやス
ピンコート、ロールコート等の塗布方法により塗布され
る。乾燥された膜は0.5〜5μmであり、所定のパタ
ーンを有するマスクを接触あるいは非接触で通して紫外
線露光を行う。その後溶剤あるいはアルカリ現像液に浸
漬もしくはスプレーなどにより噴霧して未硬化部を除去
してパターン形成をした後、同様の操作を他の色につい
て繰り返して、カラーフィルタを製造する。更に感光性
樹脂の重合を促進するため、加熱を施すことも必要に応
じ行える。
【0055】現像に際しては、アルカリ現像液として炭
酸ソーダ、苛性ソーダ等の水溶液が使用され、ジメチル
ベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基を
用いることもできる。また、消泡剤や界面活性剤を添加
することもできる。
【0056】なお、紫外線露光感度を上げるために、上
記着色レジスト剤を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカ
リ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性ア
クリル樹脂等を塗布乾燥し酸素阻害を防止する膜を形成
した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0057】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例および比較例中、部とは重量部を、%は重量%を
それぞれ示す。
【0058】実施例に先立ち、ソルトミリング処理顔料
の製造例および樹脂合成例を示す。 (ソルトミリング処理顔料の製造例1)アゾレーキレッ
ド顔料(C.I. Pigment Red 48:
1、東洋インキ製造社製「リオノールレッド 2B 3
303B」)250g、塩化ナトリウム700g、マレ
イン酸樹脂(荒川化学工業社製「マルキード No.3
2、酸価:140)107gおよびポリエチレングリコ
ール(三洋化成社製「PEG300」)160gとをス
テンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込
み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5リット
ルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピー
ドミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、ろ
過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、50℃
の熱風オーブンで約24時間乾燥して樹脂処理顔料1を
得た。
【0059】(ソルトミリング処理顔料の製造例2)マ
レイン酸樹脂の「マルキード No.32」を「マルキ
ード No.3002」(荒川化学工業社製、酸価:1
00)に代えた以外は、ソルトミリング処理顔料の製造
例1と同様にして樹脂処理顔料2を得た。
【0060】(ソルトミリング処理顔料の製造例3)ア
ゾレーキレッド顔料をC.I. Pigment Re
d 48:2(東洋インキ製造社製「リオノールレッド
DWG」)に代え、さらに、マレイン酸樹脂の「マル
キード No.32」を「マルキード No.6」(荒
川化学工業社製、酸価:40)に代えた以外は、ソルト
ミリング処理顔料の製造例1と同様にして樹脂処理顔料
3を得た。
【0061】(ソルトミリング処理顔料の製造例4)ア
ゾレーキレッド顔料をC.I. Pigment Re
d 48:3(東洋インキ製造社製「リオノールレッド
CPA」)に代えた以外は、ソルトミリング処理顔料
の製造例1と同様にして樹脂処理顔料4を得た。
【0062】(ソルトミリング処理顔料の製造例5)ア
ゾレーキレッド顔料をC.I. Pigment Re
d 48:4(東洋インキ製造社製「リオノールレッド
2B 3554」)に代えた以外は、ソルトミリング
処理顔料の製造例1と同様にして樹脂処理顔料5を得
た。
【0063】(ソルトミリング処理顔料の製造例6)エ
ポキシ樹脂90gおよびポリエチレングリコール160
gを、アクリル系オリゴマー(ジョンソン社製「ジョン
クリル 582」、分子量:3100、酸価:105)
100gおよびジエチレングリコール(東京化成社製)
160gに代えた以外は、ソルトミリング処理顔料の製
造例1と同様に処理して樹脂処理顔料6を得た。
【0064】(ソルトミリング処理顔料の製造例7)ア
ゾレーキレッド顔料をC.I. Pigment Ye
llow 139(BASF社製「パリオトールイエロ
ーD1819」)に代えた以外は、ソルトミリング処理
顔料の製造例1と同様にして樹脂処理顔料7を得た。
【0065】次に、透明樹脂として用いる樹脂の製造例
を示す。
【0066】(樹脂溶液製造例a)1リットルの4つ口
フラスコに、シクロヘキサノン350.0部、スチレン
26.2部、2−ヒドロキシアクリレート23.3部、
メタクリル酸35.0部、メタクリル酸メチル20.5
部、メタクリル酸ブチル70.0部を仕込み90℃に加
熱し、事前にシクロヘキサノン290.0部に、スチレ
ン26.2部、2−ヒドロキシアクリレート23.3
部、アクリル酸35.0部、メタクリル酸メチル20.
5部、メタクリル酸ブチル70.0部とアゾビスイソブ
チロニトリル1.75部とを混合溶解したものを3時間
で滴下し、90℃にて3時間反応させた。さらに、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.70部をシクロヘキサノン
10部で溶解させたものを添加し、さらに1時間反応を
続け樹脂溶液を合成した。得られた樹脂の分子量はGP
Cによる測定で、47000であった。
【0067】次いで、樹脂溶液の一部をサンプリングし
て180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定(不揮
発分30〜35%)し、不揮発分が20%となるように
シクロヘキサノンを添加して樹脂溶液aを調製した。
【0068】(樹脂溶液製造例b)1リットルの4つ口
フラスコに、シクロヘキサノン350.0部、スチレン
26.2部、2−ヒドロキシアクリレート43.8部、
アクリル酸35.0部、メタクリル酸ブチル70.0部
を仕込み90℃に加熱し、事前にシクロヘキサノン29
0.0部に、スチレン26.3部、2−ヒドロキシアク
リレート43.8部、アクリル酸35.0部、メタクリ
ル酸ブチル70.0部とアゾビスイソブチロニトリル
1.75部とを混合溶解したものを3時間で滴下し、9
0℃にて3時間反応させた。さらに、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.70部をシクロヘキサノン10部で溶解
させたものを添加し、1時間反応を続けた。次いで、フ
ラスコ内温を80℃とし、イソシアネートエチルメタク
リレート23.5部、オクチル酸錫0.11部をシクロ
ヘキサノン20部で溶解したものを約10分で滴下し、
滴下後2時間反応させて樹脂溶液を合成した。得られた
樹脂の分子量はGPCによる測定で、52000であっ
た。
【0069】次に、樹脂溶液aと同様にして、シクロヘ
キサノンを添加して、不揮発分20%の樹脂溶液bを調
製した。
【0070】実施例1 1.レジストの作製 (1)赤色レジスト1の作製 顔料などを表1に示すような組成に混合し、サンドミル
にて60分間分散して、赤色分散体を作製した。
【0071】
【表1】 次いで、得られた赤色分散体を用いて、表2の組成とな
るように容器中で充分に混合し、1.0μmのフィルタ
にて濾過し、不揮発分約20%の赤色レジスト1を作製
した。
【0072】
【表2】 (2)赤色レジスト2の作製 樹脂処理顔料1の代わりに、樹脂処理顔料2を用いて
(1)の赤色レジスト1の作製と同様の方法で赤色レジ
スト2を作製した。
【0073】(3)〜(6)赤色レジスト3〜6の作製 樹脂処理顔料1の代わりに、それぞれ樹脂処理顔料3〜
6を用い、(1)の赤色レジスト1の作製と同様の方法
で赤色レジスト3〜6を作製した。
【0074】(7)赤色レジスト7の作製 樹脂溶液aの代わりに、樹脂溶液bを用いて(1)の赤
色レジスト1の作製と同様の方法で赤色レジスト7を作
製した。
【0075】(8)赤色レジスト8の作製 (1)の赤色レジスト1の作製で、クロモフタルレッド
と樹脂処理顔料1の配合比を表3のように代え、これら
を混合し、サンドミルにて60分間分散して、赤色分散
体を作製した。次いで、この赤色分散体を用いて(1)
の赤色レジスト1の作製と同様の方法で赤色レジスト8
を作製した。
【0076】
【表3】 比較例1 (1)の赤色レジスト1の作製で用いた樹脂処理顔料1
を全量クロモフタルレッドに置き換えて赤色レジストの
作製1と同様の方法で赤色レジスト(比較例1)を作製
した。
【0077】比較例2 比較例1でクロモフタルレッドとパリオトールイエロー
の配合比を表4に示すように代え、これを混合し、サン
ドミルにて60分間分散して、赤色分散体を作製した。
次いで、この赤色分散体を用いて(1)の赤色レジスト
1の作製と同様の方法で赤色レジスト(比較例2)を作
製した。
【0078】
【表4】 2.カラーフィルタの作製 次ぎに、上記のようにして得られたレジストをスピンコ
ーターで乾燥膜厚が1.0、および1.6μmとなるよ
うにガラス基板に塗布し、70℃で、20分熱風オーブ
ンで乾燥し、ラインアンドスペースが100μmのスト
ライプパターンを形成したマスクフィルムを介して紫外
線露光(積算露光量:150mJ)した。次に、この塗
布基板を2%の炭酸ナトリウム水溶液に約20秒浸漬し
た後、流水で洗浄し、230℃で、30分加熱して赤色
のストライプパターンを得た。
【0079】3.カラーフィルタの評価 上記カラーフィルタを、顕微分光光度計(オリンパス光
学社製、OSP−SP100)を用いて色度を測定し
た。このカラーフィルタを250℃1時間加熱処理した
後、同様に顕微分光光度計で色度を測定し、初期の色度
との色差(ΔEab)を求めることによって耐熱性を評価
した。耐溶剤性はN−メチルピロリドンに30分浸漬し
た後、風乾したものについて浸漬部と非浸漬部の境界の
色相および表面状態の変化を目視により観察し、次の評
価基準に従い評価した。
【0080】良:乾燥後、浸漬部と非浸漬部との界面の
判別がつかないもの。
【0081】劣:乾燥後、浸漬部と非浸漬部との界面が
判別できるもの。
【0082】膜厚1.6μmの赤色のストライプパター
ンでの得られた評価結果を表5に示す。
【0083】
【表5】 表5によると、市販の染色法による赤のカラーフィルタ
は200℃1時間の加熱で9〜10程度の色差変化があ
ることから、顔料を用いたカラーフィルタの耐熱性が非
常に優れ、耐酸性などの諸耐性も優れたものであること
がわかる。
【0084】次ぎに、カラーフィルタの評価として、主
波長と刺激純度との測定を行った。すなわち、得られた
乾燥塗膜を顕微分光光度計(オリンパス光学社製:OS
P−SP100)を用いて、C光源における透過光の色
度(x、y、Y)を測定し、この値より主波長と刺激純
度とを算出した。カラーフィルタの膜厚を1.0μmお
よび1.6μmとした場合に得られた主波長と刺激純度
の測定結果を表6示す。
【0085】
【表6】 表6によれば、比較例1ではアゾレーキ顔料を全量アン
トラキノン顔料に置き換えているが実施例(赤色レジス
ト1〜8)に比べて主波長が長波長側にずれるうえ刺激
純度が低い。また比較例2は、実施例と同様にカラーフ
ィルタ膜厚1μmとしたときの主波長が610nmにな
るようにアントラキノン顔料とイエロー顔料の配合比を
調整したものであるが、膜厚1.6μmのときの主波長
が615nmと変化している。
【0086】このようにアゾレーキ顔料を配合すること
で高い刺激純度と膜厚変化に対する主波長変化が小さい
特性を併せ持つレッドのフィルタが実現できるので色特
性が優れ、色再現範囲が広いカラーフィルタが得られ
る。
【0087】実施例2 樹脂処理の効果を確認するために以下のレジストを作製
し、評価した。
【0088】1.レジストの作製 (1)赤色レジスト9の作製 顔料などを表7に示すような組成に混合し、サンドミル
にて60分間分散して、赤色分散体を作製した。
【0089】
【表7】 次いで、得られた赤色分散体を用いて、表8の組成とな
るように容器中で充分に混合し、1.0μmのフィルタ
にて濾過し、不揮発分約20%の赤色レジスト9を作製
した。
【0090】
【表8】 (2)赤色レジスト10の作製 赤色レジスト9の作製で樹脂処理顔料1を「リオノール
レッド 2B 3303B」3.15部と「マルキード
No.32」1.35部とに置き換えて赤色レジスト
9の作製と同様の方法で赤色レジスト10を作製した。
【0091】2.カラーフィルタの作製 得られたレジストをスピンコーターで乾燥膜厚が1.0
μmになるようにガラス基板に塗布し、70℃で、20
分熱風オーブンで乾燥し紫外線露光(積算露光量:15
0mJ)した。次に、この塗布基板を2%の炭酸ナトリ
ウム水溶液に約20秒浸漬した後、流水で洗浄し、23
0℃で、30分加熱して赤色のストライプパターンを得
た。
【0092】3.カラーフィルタの評価 得られた2種のカラーフィルタを顕微分光光度計で分光
スペクトルを測定した結果を比較例2とともに表9に示
す。
【0093】
【表9】 表9によれば、545nmの吸光度を比べると、実施例
が1.40で、比較例が1.22であり、実施例が13
%ほど吸光度が高いことがわかる。また、610nmの
透過率では、実施例の透過率はいずれも比較例に比べて
優れた透過率を示しており、本発明のカラーフィルタは
色純度と透明性に優れたものであることがわかる。な
お、実施例のうち赤色レジスト9および10では、両者
は最も吸光度の高い545nmの吸光度は同じである
が、赤色レジスト9の610nmの透過率が高く、顔料
処理で透明性がさらに向上していることがわかる。
【0094】
【発明の効果】本発明の構成に従い、耐熱性などの諸耐
性に優れ、かつ高い色純度を有するカラーフィルタの製
造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 克仁 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 羽田 昭夫 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 糸井 健 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 伊藤 慎次 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂に顔料を分散してなるカラーフ
    ィルタ用着色組成物であって、該顔料として、下記一般
    式で示されるアゾレーキレッド顔料とイエロー顔料とを
    配合した顔料を用いた透過型カラー液晶表示装置に用い
    るカラーフィルタ用着色組成物。 【化1】 (式中、XはMn、Ba、Ca、Srを示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式で示されるアゾレーキレッド
    顔料の配合量が顔料全体の70〜90重量%であり、イ
    エロー顔料の配合量が顔料全体の10〜30重量%であ
    る請求項1に記載の透過型カラー液晶表示装置に用いる
    カラーフィルタ用着色組成物。 【化2】 (式中、XはMn、Ba、Ca、Srを示す)
  3. 【請求項3】 さらに、アントラキノンレッドを配合し
    た顔料を用いた請求項1に記載の透過型カラー液晶表示
    装置に用いるカラーフィルタ用着色組成物。
  4. 【請求項4】 下記一般式で示されるアゾレーキレッド
    顔料の配合量が顔料全体の10〜70重量%であり、イ
    エロー顔料の配合量が顔料全体の3〜30重量%であ
    り、アントラキノンレッドの配合量が顔料全体の20〜
    80重量%である請求項3に記載の透過型カラー液晶表
    示装置に用いるカラーフィルタ用着色組成物。 【化3】 (式中、XはMn、Ba、Ca、Srを示す)
  5. 【請求項5】 前記顔料として、顔料を水溶性の無機塩
    および水溶性の有機溶剤とを含む混合物とともに機械的
    に混練し、該無機塩および水溶性の有機溶剤とを水洗し
    て除去し、乾燥して得られた処理顔料を用いた請求項1
    〜4のいずれかに記載の透過型カラー液晶表示装置に用
    いるカラーフィルタ用着色組成物。
  6. 【請求項6】 赤色画素に、請求項1〜5のいずれかに
    記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いた透過型液晶
    ディスプレイ用カラーフィルタ。
JP30966296A 1996-11-20 1996-11-20 カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ Pending JPH10148711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30966296A JPH10148711A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30966296A JPH10148711A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10148711A true JPH10148711A (ja) 1998-06-02

Family

ID=17995761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30966296A Pending JPH10148711A (ja) 1996-11-20 1996-11-20 カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10148711A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007219333A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd カラーフィルタおよびカラーフィルタ用着色組成物
JP2009251586A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Fujifilm Corp 顔料分散組成物、顔料分散組成物の製造方法、着色重合性組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法
JP2012177718A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ
JP2012198508A (ja) * 2011-03-08 2012-10-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 着色感光性樹脂組成物
WO2015083352A1 (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料組成物およびその製造方法、摩砕混練用の水溶性有機溶剤、並びにカラーフィルタ用顔料組成物
JP2016199653A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料組成物およびその製造方法、並びにインクジェットインキ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007219333A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd カラーフィルタおよびカラーフィルタ用着色組成物
JP2009251586A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Fujifilm Corp 顔料分散組成物、顔料分散組成物の製造方法、着色重合性組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法
JP2012177718A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ
JP2012198508A (ja) * 2011-03-08 2012-10-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 着色感光性樹脂組成物
WO2015083352A1 (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料組成物およびその製造方法、摩砕混練用の水溶性有機溶剤、並びにカラーフィルタ用顔料組成物
JP2015129258A (ja) * 2013-12-05 2015-07-16 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料組成物およびその製造方法、摩砕混練用の水溶性有機溶剤、並びにカラーフィルタ用顔料組成物
CN105764997A (zh) * 2013-12-05 2016-07-13 东洋油墨Sc控股株式会社 颜料组合物及其制造方法、磨碎混练用的水溶性有机溶剂、以及彩色滤光片用颜料组合物
KR20160094382A (ko) * 2013-12-05 2016-08-09 토요잉크Sc홀딩스주식회사 안료 조성물 및 그 제조방법, 마쇄 혼련용의 수용성 유기 용제, 및 컬러 필터용 안료 조성물
JP2016199653A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 東洋インキScホールディングス株式会社 顔料組成物およびその製造方法、並びにインクジェットインキ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3130217B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
KR101087548B1 (ko) 컬러필터용 청색 착색 조성물 및 컬러필터
JP4785222B2 (ja) カラーフィルタ用顔料およびその製造方法、それを用いたカラーフィルタ用着色組成物ならびにカラーフィルタ
JP4553128B2 (ja) 着色組成物、それを用いたカラーフィルタおよびその製造方法
JPH0812292B2 (ja) 耐熱性カラーフィルターおよびその製造方法
JP3945242B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JPH1114824A (ja) カラーフィルター用赤色組成物およびカラーフィルター
JP3756594B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JPWO2007142293A1 (ja) カラーフィルター用赤色着色組成物
JP2001264528A (ja) カラーフィルタ用顔料、それを用いたカラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JPH08295810A (ja) カラーフィルタ用顔料および着色組成物
JP2003057425A (ja) カラーフィルタ用顔料、その製造方法、およびそれを用いたカラーフィルタ用着色組成物
JPH0713016A (ja) カラーフィルタ用着色組成物
JP3786748B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP2009217241A (ja) カラーフィルタ用緑色着色組成物およびカラーフィルタ
JP3951731B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JPH10148711A (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP3277101B2 (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP4738214B2 (ja) 画素形成用着色剤およびその使用
JP2008304521A (ja) カラーフィルター用着色組成物、カラーフィルターの製造方法およびカラーフィルター
JP2007140171A (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP4336118B2 (ja) カラーフィルタ用顔料、それを用いたカラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP2003232914A (ja) 着色組成物およびそれを用いたカラーフィルター
JPH0968607A (ja) カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
JP2003057434A (ja) カラーフィルタ