JPH11148008A - ポリイミド前駆体樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

ポリイミド前駆体樹脂組成物及び半導体装置

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JPH11148008A
JPH11148008A JP31201297A JP31201297A JPH11148008A JP H11148008 A JPH11148008 A JP H11148008A JP 31201297 A JP31201297 A JP 31201297A JP 31201297 A JP31201297 A JP 31201297A JP H11148008 A JPH11148008 A JP H11148008A
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JP
Japan
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polyimide precursor
polyimide
group
general formula
resin composition
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JP31201297A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Honda
善彦 本田
Toshio Takizawa
寿夫 瀧澤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気中での熱処理又は長時間の熱処理によっ
ても透明性が低下しないポリイミド前駆体樹脂組成物及
び空気中での熱処理又は長時間の熱処理によっても透明
性が低下せず紫外線によるメモリ消去時間が長くならな
い保護膜を有する半導体装置を提供する。 【解決手段】 イミド化反応により、一般式(I) 【化1】 (式中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基
を示し、R1及びR2のいずれか一方は脂肪族基である)
に示される構成単位を有するポリイミドを形成すること
ができるポリイミド前駆体樹脂と、一般式(II) 【化2】 (式中、R3及びR4は、2価の炭化水素基を示し、R5
は炭化水素基を示す)で示される化合物を必須成分とし
て含有してなるポリイミド前駆体樹脂組成物並びにこの
ポリイミド前駆体樹脂組成物を用いて得られるポリイミ
ド樹脂膜を保護膜として有してなる半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の保護
膜、層間絶縁膜等として有用なポリイミド前駆体樹脂組
成物及びこれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミドは、一般にジアミンと
テトラカルボン酸二無水物を溶媒中で反応させてポリア
ミド酸を生成し、これを脱水閉環するかまたはジイソシ
アネートとテトラカルボン酸二無水物を反応させて直接
ポリイミドを生成させる等の方法で得られている。こう
して得られたポリアミド酸及びポリイミドの特性は、用
いるジアミン、ジイソシアネート、テトラカルボン酸二
無水物等の選択とこれらの組み合わせで決まり、耐熱性
に優れるもの、可とう性に優れるもの、溶解性に優れる
もの等、種々知られている。
【0003】その中で、テトラカルボン酸二無水物とし
て芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いたポリイミド
は、優れた耐熱性及び機械特性を有しているが、ポリイ
ミドを作製するための温度は300℃以上を必要とし、
得られたポリイミドは、外観は褐色に着色している。一
方、ポリイミドは種々の分野へ応用されるになってきて
おり、例えば、液晶表示素子の配向膜などの光デバイス
分野にも用いられるようになっている。しかしながら、
上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いたポリイ
ミドでは透明性が低いこと、及び液晶表示素子自身が耐
熱性が乏しいため、ポリイミド化の工程で素子そのもの
が分解することから使用する事が難しい。このため、低
温でポリイミド化し、かつ得られたポリイミドの透明性
が良好であるテトラカルボン酸二無水物として、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪
族テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロ
ヘキシルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テ
トラカルボン酸二無水物などが知られている。
【0004】しかし、良好な透明性を発揮させるには、
比較的低温で実質的に不活性雰囲気でイミド化した場合
に限られ、また、空気中及び/又は長時間の熱処理を行
うと透明性の低下が避けられない。よって、高度の透明
性が要求される用途では、イミド化及び硬化膜の使用条
件が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、空気中での熱処理又は長時間の熱処理によっても透
明性が低下しないポリイミド前駆体樹脂組成物を提供す
るものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の
発明の課題に加え、さらに透明性低下抑制の効果が高い
ポリイミド前駆体樹脂組成物を提供するものである。請
求項3及び4記載の発明は、請求項1記載の発明の課題
に加え、さらに良好な透明性を有するポリイミド前駆体
樹脂組成物を提供するものである。請求項5記載の発明
は、空気中での熱処理又は長時間の熱処理によっても透
明性が低下せず紫外線によるメモリ消去時間が長くなら
ない保護膜を有する半導体装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、イミド化反応
により、一般式(I)
【化6】 (式中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基
を示し、R1及びR2のいずれか一方は脂肪族基である)
に示される構成単位を有するポリイミドを形成すること
ができるポリイミド前駆体樹脂と、一般式(II)
【化7】 (式中、R3及びR4は、2価の炭化水素基を示し、R5
は1価の炭化水素基を示す)で示される化合物を必須成
分として含有してなるポリイミド前駆体樹脂組成物に関
する。
【0007】また本発明は、さらに一般式(III)
【化8】 (式中、R6はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を示
し、nは0〜4の整数を示す)で示される2−ベンズイ
ミダゾールエチロール系化合物を含有する前記ポリイミ
ド前駆体樹脂組成物に関する。
【0008】また本発明は、一般式(I)で示される構
成単位が、一般式(IV)
【化9】 (式中、R2は2価の有機基を示す)で示される構成単
位である前記ポリイミド前駆体樹脂組成物に関する。ま
た本発明は、一般式(I)で示される構成単位が、一般
式(V)
【化10】 (式中、R1は4価の有機基を示す)で示される構成単
位である前記ポリイミド前駆体樹脂組成物に関する。さ
らに本発明は、前記ポリイミド前駆体樹脂組成物を用い
て得られるポリイミド樹脂膜を保護膜として有してなる
半導体装置に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)に示される構成
単位において、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の
有機基を示し、R1及びR2のいずれか一方は脂肪族基で
ある。R1で示される4価の有機基とは、ジアミンと反
応してポリイミド前駆体を形成し、その後、脱水及び/
又は脱アルコール反応によりイミド化するテトラカルボ
ン酸の残基であることが好ましい。4価の有機基として
は、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環を含む芳香族
基、脂肪族環を含む環状脂肪族基、鎖状脂肪族基、シロ
キサン結合を含む基等が挙げられる。炭素原子数の面か
らは4〜40のものが好ましく、4〜20のものがより
好ましい。なお、4価の有機基における4個の結合部位
は、環を含む有機基である場合、いずれも環上に存在す
ることが好ましい。これらの結合部位は、2個ずつの2
組に分けられ、各組の2個の結合部位が隣り合う炭素に
存在することが好ましい。芳香族基又は環状脂肪族基の
場合は、前記の2組は、同一の環に存在していてもよい
し、各種の結合基を介して結合している別々の環に存在
してもよい。
【0010】またR2は、2価の有機基であり、テトラ
カルボン酸またはその誘導体(酸無水物、ジエステル、
ジクロリド、ジアミド等)と反応してポリイミド前駆体
を形成し、その後、脱水及び/又は脱アルコール反応に
よりイミド化し得るジアミン化合物の残基であることが
好ましい。前記2価の有機基としては、芳香族基、鎖状
脂肪族基、環状脂肪族基、シロキサン結合を含む基など
が挙げられ、芳香族基、脂肪族基及び脂肪族を含む基の
場合は炭素原子数が6〜40のものが好ましい。
【0011】本発明において、R1及びR2のいずれか一
方は脂肪族基である。R1として脂肪族基を与えるテト
ラカルボン酸又はその誘導体としては、1,2,4,5
−シクロヘキシルテトラカルボン酸、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸、ジシクロヘキシル−
3,4,3′,4′−テトラカルボン酸、1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカ
ルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等
の鎖状炭化水素のテトラカルボン酸、これらのテトラカ
ルボン酸の二無水物などが好ましいものとして挙げられ
る。中では、良好な透明性の脂環式テトラカルボン酸又
はその誘導体が好ましく、低温でポリイミド化し、良好
な透明性、耐熱性及び機械特性を併せ持つ、ジシクロヘ
キシル−3,4,3′,4′−テトラカルボン酸及びそ
の二無水物が特に好ましい。即ち、前記一般式(IV)で
示される構成単位を有するポリイミドとなり得るものが
特に好ましい。
【0012】脂肪族基以外の基を与えるテトラカルボン
酸としては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン
酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、4,4′−オキシジフタル酸、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,
4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸等の芳香族
テトラカルボン酸、これらの二無水物などの誘導体等が
挙げられる。
【0013】R2として脂肪族基を与えるジアミンとし
ては、例えば、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、シクロペンチル
ジアミン、シクロヘキシルジアミンなどの環状の脂肪族
基を有するジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ブチレンジアミン等の鎖状の脂肪族基を有する
ジアミンが挙げられるが、中では、良好な透明性の環状
の脂肪族基を有するジアミンが好ましく、低温でポリイ
ミド化し、良好な透明性、耐熱性及び機械特性を併せ持
つ、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン及び2,6−ビス(アミノメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタンが特に好ましい。即ち、前記
一般式(V)で示される構成単位を有するポリイミドと
なり得るものが特に好ましい。
【0014】その他のジアミンとしては、例えば、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド、
ベンチジン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレン
ジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタ
レン、2,6−ジアミノナフタレン、1,3−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ジ(3−アミノ
フェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−
アミノフェンキシ)フェニル)プロパンなどの芳香族ジ
アミン化合物、一般式(VI)
【化11】 (式中、R7は2価の炭化水素基、R8は1価の炭化水素
基であり、mは1以上の整数である)で表されるジアミ
ノシロキサン、例えば、
【化12】 等の化合物も用いることができる。
【0015】本発明においては、得られるポリイミド膜
の短波長での光透過率の点で、テトラカルボン酸残基1
つとジアミン残基1つから構成される構成単位を1単位
として全単位中80%以上が、一般式(I)で示される
構成単位であることが好ましい。即ち、脂肪族テトラカ
ルボン酸又はその二無水物を全テトラカルボン酸成分の
80モル%以上用いるか、脂肪族ジアミンを全ジアミン
成分の80モル%以上用いることが好ましい。
【0016】本発明の組成物に用いられるポリイミド前
駆体を製造するに当たっては、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル
ホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、p−クロル
フェノール、p−ブロモフェノール、2−クロル−4−
ヒドロキシトルエン等の溶剤が用いられる。ポリイミド
前駆体としては、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステ
ル、ポリアミド酸アミド等、これらの部分イミド化物な
どが挙げられるが、下記一般式(VII)
【化13】 (式中、R1及びR2は一般式(I)と同様であり、Xは
水素原子又は炭化水素基を示す)で示される構成単位を
有するポリアミド酸、ポリアミド酸エステル又は、これ
らの部分イミド化物がイミド化反応の反応性の点で好ま
しい。
【0017】ポリアミド酸は、前記テトラカルボン酸二
無水物とジアミンを前記溶剤中で混合して反応させるこ
とにより製造できる。また、ポリアミド酸エステルは、
例えば、テトラカルボン酸二無水物をピリジン等の触媒
下でアルコールと反応させ、ついで塩化チオニル等によ
り酸クロライド化し、さらにジアミンを反応させること
により合成することができる。ポリアミド酸エステルを
合成する際に使用する前記アルコールとしては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素
数1〜10のアルキルアルコールなどが挙げられる。
【0018】本発明においては、前記ポリイミド前駆体
と共に、一般式(II)で示される化合物(以下ヒンダート
フェノールと総称する)が用いられる。
【化14】 (式中、R3及びR4は、2価の炭化水素基を示し、R5
は1価の炭化水素基を示す) ここでR3及びR4で示される2価の炭化水素基としては
ヘキサメチレン基、エチレン基、ブチレン基等の炭素原
子数1〜6のアルキレン基が好ましいものとして挙げら
れ、R5で示される1価の炭化水素基としては、炭素原
子数1〜6のアルキル基が好ましいものとして挙げら
れ、特にtert−ブチル基が効果が高く好ましい。
【0019】好ましい具体的化合物としては、N,N′
−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナミド)、N,N′−エチレン
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒド
ロシンナミド)、N,N′−1,4−ブタンジイルビス
(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒド
ロキシ−ベンゼンプロパンアミド)などがあげられる。
【0020】これらのヒンダートフェノールの添加量
は、ポリイミド前駆体に対して0.05〜5重量%であ
ることが好ましく、0.1〜2重量%であることがより
好ましい。0.05重量%未満であると得られるポリイ
ミド膜の透明度の耐熱劣化性が劣る傾向にあり、5重量
%を超えると化合物が樹脂へ十分溶解せず、ポリイミド
膜自体の透明度が低下する傾向にあるほかポリイミド膜
の機械特性が低下する傾向にある。
【0021】また、本発明のポリイミド前駆体樹脂組成
物においては、さらに前記一般式(III)で示される2
−ベンズイミダゾールエチロール系化合物を併用するこ
とが好ましい。この化合物を併用することによりポリイ
ミド膜の透明度の耐熱劣化性向上効果をより促進させる
ことができる。一般式(III)におけるR6はそれぞれ独
立に1価の炭化水素基を示し、nは0〜4の整数を示す
が、1価の炭化水素基としては、炭素原子数が1〜8の
アルキル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
中でもnが0で示される2−ベンズイミダゾールエチロ
ールが効果が高く好ましい。添加量は、ポリイミド前駆
体に対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜2
重量%がより好ましい。0.05重量%未満であると得
られるポリイミド膜の透明度の耐熱劣化性が劣る傾向に
あり、5重量%を超えると樹脂へ十分溶解せず、ポリイ
ミド膜自体の透明度が低下する傾向にあるほかポリイミ
ド膜の機械特性も低下する傾向にある。ヒンダートフェ
ノール及び2−ベンズイミダゾールエチロール系化合物
の添加方法には特に制限はないが、例えば、ポリイミド
前駆体の溶液に、直接又は有機溶剤に溶解させた溶液と
して添加し、撹拌混合により溶解することができる。
【0022】本発明のポリイミド前駆体樹脂組成物に
は、その他の成分として消泡剤、可塑剤、塗布性改良
剤、接着性改良剤等の添加剤を添加することもできる。
これらを添加する場合、その添加量は、特に制限されな
いが、最終硬化塗膜の機械的特性及び熱特性の点から
は、ポリイミド前駆体に対して、10重量%以下とする
ことが好ましい。
【0023】得られるポリイミド前駆体樹脂組成物は、
半導体装置の層間絶縁膜、表面保護膜等、多層配線板の
層間絶縁膜等として使用できることができる。本発明の
ポリイミド前駆体樹脂組成物は、透明性の高い、樹脂膜
が得られるので、EP−ROMやフラッシュメモリ上に
形成される保護膜として特に有用である。
【0024】半導体装置における樹脂膜の形成は、ポリ
イミド前駆体樹脂組成物を、例えば、スピンコート等に
より半導体素子上に塗布し、ホットプレートやオーブン
などで熱硬化して形成することができる。形成されたポ
リイミド樹脂膜上に、レジストを塗布し、ホトリソグラ
フィー工程によってレジストパターンを形成した後、水
酸化テトラメチルアンモニウム溶液や、ヒドラジン系エ
ッチャント等を用いたウエットエッチング、O2プラズ
マによるドライエッチング等により所定の部位にスルー
ホールを開口することができる。さらに、得られたポリ
イミド膜のイミド化が充分でない場合は、さらに熱処理
してイミド化を進めることもできる。こうして得られた
樹脂膜を形成した半導体基板は、半導体素子ごとに切り
分け、リードフレーム等の支持部材にダイボンデイング
材を用いて接合し、その後、通常のワイヤボンデイング
工程、封止材による封止工程を経て、半導体装置とする
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 合成例1 ジシクロヘキシル−3,4,3′,4′,−テトラカル
ボン酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ルからのポリアミド酸溶液の製造 温度計、撹拌機及び塩化カルシウム管を備えた200ml
の三口フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル12.014g(60ミリモル)および反応溶媒とし
てN−メチル−2−ピロリドン70.92gを入れ室温
で撹拌溶解させた。これにジシクロヘキシル−3,4,
3',4',−テトラカルボン酸二無水物18.379g
(60ミリモル)を加え、室温で8時間撹拌を加えた。
この間、反応時間の経過と共にポリアミド酸反応液の粘
度は25℃で86ポアズに達した。ついで、この反応液
を80℃で約5時間加熱(クッキング)し粘度を15ポ
アズに調整した樹脂分濃度約30重量%のポリアミド酸
溶液を得た。
【0026】実施例1 撹拌機及び塩化カルシウム管を備えた200mlの二口フ
ラスコに合成例で得られたジシクロヘキシル−3,4,
3′,4′,−テトラカルボン酸二無水物と4,4′−
ジアミノジフェニルエーテールからのポリアミド酸溶液
100gを入れ、次にN,N′−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナミド)のN−メチル−2−ピロリドン5重量%溶液
を6gを添加し混合撹拌することによりポリイミド前駆
体樹脂組成物を得た。
【0027】実施例2 実施例1でのN,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)
のN−メチル−2−ピロリドン5重量%溶液6gの代わ
りにN,N′−エチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)のN−メチル−
2−ピロリドン5重量%溶液6gを添加し、混合撹拌す
ることによりポリイミド前駆体樹脂組成物を得た。
【0028】実施例3 実施例1でのN,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)
のN−メチル−2−ピロリドン5重量%溶液6gの添加
に加え、2−ベンズイミダゾールエチロールN−メチル
−2−ピロリドン5重量%溶液6gを添加し混合撹拌す
ることによりポリイミド前駆体樹脂組成物を得た。
【0029】比較例1 合成例で製造されたポリアミド酸溶液そのままを比較用
樹脂溶液とした。 比較例2 実施例1でのN,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)
のN−メチル−2−ピロリドン5重量%溶液6gの代わ
りに2−ベンズイミダゾールエチロールN−メチル−2
−ピロリドン5%溶液6gのみを添加し混合撹拌するこ
とによりポリイミド前駆体樹脂組成物を得た。
【0030】合成例2 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物とノ
ルボルナンジアミンからのポリアミド酸溶液の製造 温度計、撹拌機及び塩化カルシウム管を備えた200ml
の三口フラスコに2,5−ビス(アミノメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6−ビス(アミノメ
チル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物(商品
名NBDA、三井化学(株)製)13.87g(90ミリ
モル)および反応溶媒としてN−メチル−2−ピロリド
ン74.0gを入れ室温で撹拌溶解させた。これに1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物17.8
4g(90ミリモル)を加え、室温で8時間撹拌を加え
た。この間、反応時間の経過と共にポリアミド酸反応液
の粘度は25℃で70ポアズに達した。ついで、この反
応液を80℃で約4時間加熱(クッキング)し粘度を1
7ポアズに調整した樹脂分濃度約30重量%のポリアミ
ド酸溶液を得た。
【0031】実施例4 撹拌機及び塩化カルシウム管を備えた200mlの二口フ
ラスコに合成例2で得られた1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボン酸二無水物とノルボルナンジアミンからの
ポリアミド酸溶液100gを入れ、次にN,N′−ヘキ
サメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシヒドロシンナミド)のN−メチル−2−ピロリド
ン5%溶液を6gを添加し混合撹拌することによりポリ
イミド前駆体組成物を得た。
【0032】評価用ポリイミドフィルムの調製 実施例1,2,3及び4の組成物、比較例1及び2の樹
脂溶液及び組成物を用い5インチシリコンウェハー上に
硬化塗膜厚が約5μmになるような回転数でスピンコー
トし、120℃のホットプレート上で1分、次に170
℃のホットプレート上で1分、最後に窒素雰囲気の縦型
拡散炉で300℃で30分硬化し、シリコンウェハー上
にポリイミド塗膜を得た。次に当該シリコンウェハーを
5重量%弗酸水溶液に浸し、ポリイミド塗膜を剥離し、
水洗後風乾させ評価用ポリイミドフィルムを得た。
【0033】評価方法 (1)光透過率 上記評価用フィルムのそのままを用いて初期の光透過率
を、また、一部を空気中200℃で30分加熱したフィ
ルムを用いて熱劣化後の光透過率を、分光光度計(日立
製作所(株)製 日立200−20型ダブルビーム分光光
度計)を用いて、波長600nm、500nm、400nmに
おいて測定した。 (2)熱分解温度 上記評価用フィルム10mgを用い、熱天秤(セイコー電
子工業(株) TG−DTA)空気気流中昇温速度10℃
/分で測定し、1%重量減少した温度を熱分解温度とし
た。
【0034】
【表1】
【0035】(3)メモリ消去性 実施例1、2及び3の樹脂組成物、比較例1及び2の樹
脂溶液及び樹脂組成物を用い、フラッシュメモリが作り
込まれた5インチシリコンウエハ上に硬化塗膜厚が約5
μmになるような回転数でスピンコートし、120℃の
ホットプレート上で1分間硬化後に窒素雰囲気の縦型拡
散炉で300℃で30分硬化し、シリコンウェハー上に
ポリイミド塗膜を得た。このウエハをそのまま、また、
一部を空気中250℃で90分加熱した後に、波長20
0〜450nmの光を照射できる紫外線ランプで光を照射
してメモリを完全に消去するまでにかかる時間を測定し
た。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】請求項1記載のポリイミド前駆体樹脂組
成物は、空気中での熱処理又は長時間の熱処理によって
も透明性が低下しない。請求項2記載のポリイミド前駆
体樹脂組成物は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さ
らに透明性低下抑制の効果が高い。請求項3及び4記載
のポリイミド前駆体樹脂組成物は、請求項1記載の発明
の効果を奏し、さらに良好な透明性を有する。請求項5
記載の半導体装置は、空気中での熱処理又は長時間の熱
処理によっても透明性が低下せず紫外線によるメモリ消
去時間が長くならない保護膜を有するするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/768 H01L 21/90 S 23/29 23/30 R 23/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イミド化反応により、一般式(I) 【化1】 (式中、R1は4価の有機基を示し、R2は2価の有機基
    を示し、R1及びR2のいずれか一方は脂肪族基である)
    に示される構成単位を有するポリイミドを形成すること
    ができるポリイミド前駆体樹脂と、一般式(II) 【化2】 (式中、R3及びR4は、2価の炭化水素基を示し、R5
    は炭化水素基を示す)で示される化合物を必須成分とし
    て含有してなるポリイミド前駆体樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに一般式(III) 【化3】 (式中、R6はそれぞれ独立に1価の炭化水素基を示
    し、nは0〜4の整数を示す)で示される2−ベンズイ
    ミダゾールエチロール系化合物を含有する請求項1記載
    のポリイミド前駆体樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される構成単位が、一
    般式(IV) 【化4】 (式中、R2は2価の有機基を示す)で示される構成単
    位である請求項1又は2記載のポリイミド前駆体樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で示される構成単位が、一
    般式(V) 【化5】 (式中、R1は4価の有機基を示す)で示される構成単
    位である請求項1、2又は3記載のポリイミド前駆体樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のポリイミ
    ド前駆体樹脂組成物を用いて得られるポリイミド樹脂膜
    を保護膜として有してなる半導体装置。
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