JPH11147639A - 紙葉類処理装置 - Google Patents

紙葉類処理装置

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JPH11147639A
JPH11147639A JP31485597A JP31485597A JPH11147639A JP H11147639 A JPH11147639 A JP H11147639A JP 31485597 A JP31485597 A JP 31485597A JP 31485597 A JP31485597 A JP 31485597A JP H11147639 A JPH11147639 A JP H11147639A
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JP
Japan
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bill
reversing
sheet
transport path
paper
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JP31485597A
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Yutaka Nagasawa
豊 長沢
Hikari Kawano
光 川野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】腰の弱い紙葉類が斜行して搬送されてきた場合
であっても、斜行による搬送遅れを防止し、高速で安定
した紙葉類の反転動作が行える紙葉類処理装置及びこれ
を用いた紙葉類取扱自動機を提供する。 【解決手段】逆送手段による引込み力は紙幣の中央側よ
り側方側で大きくなるように側方に反転補助ローラを有
しているので、スキュー紙幣の後端コーナー部からいち
早く引き込まれ紙幣の搬送遅れが防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、紙葉類を
搬送する途中において、この紙葉類の表面と裏面との反
転を行う紙葉類処理装置、及びこれを用いた紙葉類取扱
自動機に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行等の金融機関では、近年、顧客によ
る現金自動取引装置(以下適宜、ATMという)を使用し
ての現金預入れ・払出しが定着してきている。このAT
Mには、紙幣の表裏を取り揃える表裏反転機能付きのも
のが主流となっている。
【0003】この表裏反転機能は、表裏が混在している
紙幣の表裏を取り揃える機能である。この機能によっ
て、利用客により入金された紙幣は、表裏を取り揃えた
後に金種箱内に収納し、また他の利用客に出金するとき
には、紙幣の表裏を取り揃えた状態で出金できる。さら
に紙幣を回収するときに表裏を取り揃えること等もでき
ることから、利用客及び係員に対するサービス向上の一
環として必須の機能となりつつある。
【0004】従来、このような反転機能を揃えた紙葉類
処理装置には、羽根車方式,スイッチバック方式,双方
向スタック方式等があるが、このうち、スイッチバック
方式は、連続反転が可能であり装置の小型化,低コスト
化が可能であることを特徴としている。
【0005】このスイッチバック方式の紙葉類反転で高
速化を図る場合は、反転時に紙葉類が停止部材に衝突し
た後、反転ケース内での紙葉類の遊びや反転ルートへの
引込み力が弱い場合は、引出し時の時間遅れ(以下、反
転搬送遅れと称する)が生じ、これが大きいと後続紙葉
類と干渉してジャムが発生したり、下流で表券と合流し
た時に紙葉類間隔の大きなばらつきが発生して表券と干
渉してジャムを発生したりする場合がある。紙葉類が斜
行して搬送されてくる場合はこれが一層顕著となる。し
たがって、紙葉類反転の高速化では、特に斜行して搬送
されてきた紙葉類の反転時に生ずる反転搬送遅れを短く
することが必要となる。
【0006】この方式の紙葉類処理装置の公知技術例と
しては例えば特開平6−24619号公報がある。
【0007】この公知技術においては、反転チャネルの
中央付近に設けたスチールドライバの両側に位置する2
つの追加されたプラスチックドライバ(駆動部)によっ
て反転装置を通過するコピーシートは波形にされると共
に、プラスチックロールがコピーシートに対し更なる力
を付加することによって、コピーシートの速度をよりす
ばやく零にし、より速く反転するとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術において、以下のような課題が存在する。
【0009】すなわち、特に腰の弱い紙葉類が斜行して
高速で搬送されてくる場合についての配慮がされていな
い。つまり、反転チャネルの中央付近に設けたスチール
ドライバと波形アイドラロール等による波形形成システ
ムは、腰の弱い紙葉類の場合、波形形成部の入り込み
(オーバーラップ部)は、進入抵抗力となり特に紙葉類
が紙幣で腰の弱い流通券で折れぐせや耳折れがある場合
では、入り込まず座屈してジャムとなる場合がある。
【0010】また、波形形成ニップにより更なる搬送力
を増すということであるが、紙葉類の搬送路幅方向につ
いての搬送力分布についての記載はなく不明であり、斜
行紙葉類に対する配慮がなされていない。
【0011】本発明の目的は、腰の弱い紙葉類が斜行状
態で搬送されてきた場合にも、斜行状態により前記紙葉
類に反転搬送遅れが発生するのを防止して、安定した紙
葉類の反転動作が行える紙葉類処理装置及びこれを用い
た紙葉類取扱自動機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、紙葉類が搬入される第1の搬送路
と、この第1の搬送路に設けられ、少なくとも紙葉類の
第1の面及び第2の面を鑑別する鑑別部と、前記第1の
搬送路の下流側に設けられ前記紙葉類の面を反転しつつ
搬送する反転部と、前記第1の搬送路の下流側に設けら
れ前記紙葉類の面を反転せずそのまま搬送する非反転部
と、前記鑑別部での鑑別結果に応じ前記紙葉類を前記反
転部及び非反転部のいずれか一方に選択的に導く切換手
段と、前記反転部及び前記非反転部の下流側に接続さ
れ、前記反転部から搬送されてきた紙葉類と前記非反転
部から搬送されてきた紙葉類とを合流させて搬送する第
2の搬送路とを有し、前記第1の搬送路に搬入された紙
葉類の面を取り揃えて前記第2の搬送路から搬出する紙
葉類処理装置において、前記反転部は、前記第1の搬送
路から腰の弱い紙葉類が斜行状態で搬送されてきた場合
にも、前記紙葉類に反転搬送遅れが生じるのを防止する
反転搬送遅れ防止手段を有することを特徴とする紙葉類
処理装置が提供される。
【0013】好ましくは、前記紙葉類処理装置におい
て、前記非反転部は、前記鑑別部で前記紙葉類の第1の
面が鑑別されたときに該紙葉類が搬送される第3の搬送
路を備えており;前記反転部は、前記鑑別部で前記紙葉
類の第2の面が鑑別されたときに該紙葉類が搬送される
第4の搬送路と、前記第4の搬送路を搬送されてくる紙
葉類を該第4の搬送路途中で一旦停止させる停止手段
と、この停止手段によって一旦停止している紙葉類を停
止前の搬送方向と逆方向に送り出すことによりさらに第
4の搬送路に搬送させる逆送手段とを備えており;前記
反転搬送遅れ防止手段として、逆送手段による紙葉類の
逆送搬送路への引込み力に対して、前記第4の搬送路幅
方向に分布を持たせ、逆送する紙葉類前端の両側方にお
いて、中央側よりも大きな引込み力を有する逆送手段を
有したことを特徴とする紙葉類処理装置が提供される。
【0014】また好ましくは、前記紙葉類処理装置にお
いて、反転搬送遅れ防止手段として、逆送手段による紙
葉類の逆送搬送路への引込み力を、逆送する紙葉類の搬
送路幅方向に対し両側方側が中央側よりも大きな引込み
力を有するように前記第4の搬送路幅方向に分布を持た
せるため、逆送手段を少なくとも前記第4の搬送路幅方
向に配置した複数の羽根車或いはブラシ車と、これに対
向する軸に設けた複数の反転ローラとで構成し、搬送路
幅方向において該複数の反転ローラのうち両側端側で、
前記複数の羽根車或いはブラシ車の両側端側のものと対
向する位置かこれより外側で紙葉類の搬送路幅よりも内
側に反転補助ローラを設けたことを特徴とする紙葉類処
理装置が提供される。
【0015】さらに好ましくは、前記紙葉類処理装置に
おいて、前記反転補助ローラは、外周にゴムを施し反転
ローラよりも外径が小さいことを特徴とする紙葉類処理
装置が提供される。
【0016】また好ましくは、紙葉類処理装置におい
て、前記非反転部は、前記鑑別部で前記紙葉類の第1の
面が鑑別されたときに該紙葉類が搬送される第3の搬送
路を備えており;前記反転部は、前記鑑別部で前記紙葉
類の第2の面が鑑別されたときに該紙葉類が搬送される
第4の搬送路と、前記第4の搬送路を搬送されてくる紙
葉類を該第4の搬送路途中で一旦停止させる停止手段
と、この停止手段によって一旦停止している紙葉類を停
止前の搬送方向と逆方向に送り出すことによりさらに第
4の搬送路に搬送させる逆送手段とを備えており;前記
反転搬送遅れ防止手段として、前記停止手段を前記第4
の搬送路幅方向中央側に配置され該中央側で前記紙葉類
に当接可能な中央側爪状部材と前記第4の搬送路幅方向
両端側に配置され該両端側で前記紙葉類に当接可能な両
端側爪状部材とで構成するとともに、前記両端側爪状部
材と前記逆送手段との搬送方向における距離を、前記中
央側爪状部材と前記逆送手段との搬送方向における距離
よりも大きくし、中央側爪状部材からそれぞれ両端側爪
状部材側へ延伸し前記逆送手段の剛性及び前記紙葉類の
剛性よりも低い剛性の板ばねを有し、この板ばねのそれ
ぞれ両端側爪状部材側が、初期位置にあるときと前記逆
送手段との搬送方向における距離を、斜行していない通
常紙葉の搬送方向有効長さよりも小さく設定したことを
特徴とする紙葉類処理装置が提供される。
【0017】さらに好ましくは、前記紙葉類処理装置に
おいて、前記第3の搬送路及び前記第4の搬送路は途中
位置まで共通の搬送路として構成し、前記切換手段及び
前記停止手段は、先端が前記共通の搬送路の前記途中位
置に突出可能な可動式の爪状部材であるとともに、前記
鑑別部で前記紙葉類の第1の面が鑑別されたときには、
先端が前記共通の搬送路から待避し該共通の搬送路を搬
送されてくる紙葉類をそのまま通過させて前記途中位置
より下流側の前記第3の搬送路へと導き、前記鑑別部で
前記紙葉類の第2の面が鑑別されたときには、先端が前
記共通の搬送路に突出して該共通の搬送路を搬送されて
くる紙葉類を一旦停止させ、前記逆送手段は、前記一旦
停止している紙葉類を停止前の搬送方向と逆方向に送り
出して紙葉類を前記第4の搬送路へと導くことを特徴と
する紙葉類処理装置が提供される。
【0018】さらに上記目的を達成するために、好まし
くは、前記紙葉類処理装置を備え、装置外部から供給さ
れた紙葉類の面を取り揃えて装置内部に収納する機能,
装置内部に収納されている紙葉類の面を取り揃えて装置
外部へ搬出する機能、及び装置外部から供給された紙葉
類の面を取り揃えて装置外部へ搬出する機能、さらに装
置内部に一旦収納されている紙葉類の面を取り揃えて装
置内部に再度収納する機能のうち少なくとも1つの機能
を有することを特徴とする紙葉類取扱自動機が提供され
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
図14により説明する。
【0020】本発明の第1の実施例を図1〜図11によ
り説明する。本実施例は、本発明を紙幣処理装置に適用
した実施例である。
【0021】本実施例の紙幣処理装置の側面図を図2に
示す。
【0022】図2において、本実施例の紙幣処理装置1
00は、紙幣の表・裏を判定する鑑別部1と、鑑別部1
の鑑別結果に応じて紙幣の面の向きを同一に取り揃える
取り揃え機構50とを有する。
【0023】鑑別部1は、図示しない紙幣が入口2から
1枚ずつ投入されると、モータM1で駆動されるローラ
対3で下流側に搬送する間に紙幣の面がどちら向きであ
るか(例えば図示上方が表面であるか裏面であるか)が
鑑別され、出口4から排出されるようになっている。
【0024】取り揃え機構50は、モータM2で駆動さ
れるプーリ19及び他のプーリ17,18と、これらの
プーリ17〜19にかけられているベルト5と、プーリ
17と対向して配置されたプーリ23及び他のプーリ2
0,21,22と、これらのプーリ20〜23にかけら
れるとともにベルト5に圧接し、べルト5に連動して回
動するベルト6と、モータM2で駆動されるプーリ30
及びプーリ21に対向して設けられたプーリ29並びに
他のプーリ28と、これらのプーリ28〜30にかけら
れるとともにベルト6を圧接し回動するベルト9と、ベ
ルト6に圧接しベルト6に連動して回転する反転ローラ
27,プーリ26と、プーリ24,25とこれらプーリ
24,25にかけられるとともにベルト9に圧接しベル
ト9に連動して回動するベルト7とを有している。な
お、矢印はプーリやローラの回転方向を示している。こ
のようなベルトなどによる組み合わせにより、図示しな
い紙幣の一連の搬送ルートを形成する。
【0025】すなわち具体的には、紙幣入口2から鑑別
部1の出口4間での紙幣の搬送ルートが第1の搬送路を
構成している。
【0026】また、プーリ17とプーリ23とが対向す
る位置Aを通り羽根車或いはブラシ車とする回転部材1
3の端部近傍でベルト5,6が離れる位置Bまでの間、
すなわちベルト5とベルト6とにより形成されるA−B
搬送路101と、ベルト5と搬送ガイド12及びローラ
40とにより形成される搬送路であるとともに裏向き紙
幣を一時的に停滞させる(後述)反転空間部102、及び
位置Cからベルト6,9が接する位置Dまでの間、すな
わちベルト7と案内ガイド10,ベルト7とベルト9、
及び案内ガイド11とベルト9とにより形成されるC−
D搬送路103までの紙幣搬送ルートが非反転部に備え
られる第3の搬送路を構成している。
【0027】さらに、A−B搬送路101と、位置Bか
ら紙幣停止手段としての紙幣停止部材15(後述)が突
出する位置Cまでの間、すなわち、ベルト5と搬送ガイ
ド12及びローラ40とにより形成される搬送路である
とともに裏向き紙幣を一時的に停滞させる(後述)反転
空間部102、及び位置Bから位置Dまでの間、すなわ
ちベルト6と反転ローラ27,プーリ26、及びベルト
6と案内ガイド11とにより形成されるB−D搬送路1
05までが反転部に備えられる第4の搬送路を構成して
いる。
【0028】また、位置Dからプーリ29とプーリ21
とが対向する位置Eまでの間、すなわちベルト6とベル
ト9とにより形成されるD−E搬送路104が、反転部
から搬送されてきた紙幣と非反転部から搬送されてきた
紙幣とを合流させて搬送する第2の搬送路を構成してい
る。
【0029】さらに、紙幣停止部材15は鑑別結果に応
じ紙幣を選択的に導く切換手段及び第4の搬送路途中で
紙葉類を一旦停止させる停止手段を兼用で構成し、回転
部材13,ベルト6,反転ローラ27及び反転補助ロー
ラ14が一旦停止した紙葉類を逆方向に送り出す逆送手
段を構成する。
【0030】ベルト6がかけられるプーリ20には、プ
ーリ20と同軸上に回転部材13を設けているが、プー
リ20と同期して図示矢印方向に回転する構造となって
いる。また、反転空間部102近傍の上方には、シャフ
ト31で支持され前述した位置Cに突出・待避可動が可
能な紙幣切換手段及び紙幣停止手段兼用の紙幣停止部材
15を設けている。なおこの紙幣停止部材15は突出し
た状態を実線で、待避した状態を破線で示している。さ
らに反転ローラ27の両サイドには、反転補助ローラ1
4を設けている。
【0031】回転部材13,反転ローラ27,反転補助
ローラ14及び紙幣停止部材15の詳細構造を表す平面
図を図1に、また図1に示した紙幣停止部材15を動作
させるリンク機構110の側面図を図3に示す。なお、
図1では、構造をわかりやすくするためにプーリ18、
及び搬送ガイド12等の図示を一部省略するとともに、
回転部材13の構成を簡略化して表示してある。また、
参考のために、紙幣38が斜行状態で搬送されてきた場
合の位置を実線で、斜行状態でなく真っ直ぐな状態で搬
送されてきた場合の位置を破線で併せて示す。
【0032】図1において、反転ローラ27は、表面が
ゴム部材からなりプーリ20に対向して設けてある。ま
た、反転補助ローラ14は、反転ローラと同様に表面が
ゴム部材からなりその外径は、反転ローラ27よりも若
干小さくしており、搬送幅方向、両端側回転部材13の
外方側に設けてこの位置が紙幣の側方になるようにして
ある。
【0033】また、回転部材13は、ナイロン毛の束や
シート等の可とう性部材13Aを、プーリ20と同一軸
心の中心部材13Bから放射状に複数箇所設けた構造で
ある。この可とう性部材13Aは、紙幣38の後端部3
8bに接触してベルト6,反転ローラ27及び反転補助
ローラ14との協動により図示左側への反転引込み力8
が作用するようになっている(図1参照)。この可とう
性部材13Aの外径が小さい場合や、中央側停止部材1
5a(後述)の設定位置が回転部材13から遠く離れす
ぎている場合は、紙幣38の反転時に紙幣の後端38b
と回転部材13の可とう性部材13Aと接触がなかった
り少なかったりして、反転引込み力の不足による裏向き
紙幣38の搬送遅れが大きくなり、搬送異常が生じたり
するので注意を要する。
【0034】また、紙幣停止部材15は、搬送路幅方向
(図示上下方向)4箇所に設けた4つの爪状の部材からな
り、これら4つのうち中央側の2つは中央側停止部材1
5a,15aであり、両端の2つは両端側停止部材15
b,15bである。そして、両端側停止部材15b,1
5bは、中央側停止部材15a,15aよりも回転部材
13から搬送路方向(図示左右方向)において遠い位置
に配置され、すなわち図示右方に後退して配置してい
る。
【0035】具体的には、回転部材13の回転力の作用
点(=搬送方向すなわち図示左右方向における位置が、
プーリ20にかかったベルト6の端面位置に等しい点)
である反転入口44から中央側停止部材15aの紙幣3
8との当接位置までの距離Lsiは約76mm(≒斜行して
いない場合の通常紙幣の搬送方向有効長)であり、反転
入口44から両端側停止部材15bの紙幣38との当接
位置までの距離Lsoは76mmより大きくしている。した
がって、このとき図1上において、中央側停止部材15
aの紙幣38との当接面と両端側停止部材15bの紙幣
38との当接面とを結んだ直線mと、搬送面幅方向とは
零でないある角度θをもつことになる。
【0036】また紙幣停止部材15を動作させるリンク
機構110は、紙幣停止部材15が取り付けられるシャ
フト31と、シャフト31を軸心として回転可能な支持
部材33と、一方側(図示右側)にソレノイド16が他
方側(図示左側)にスプリング37が連結されている駆
動部材36と、支持部材33と駆動部材36とを連結す
る中間部材35とを有している。
【0037】このような構成により、ソレノイド16に
おいて図示右方向へ吸引力が発生すると、駆動部材3
6,中間部材35,支持部材33を介してシャフト31
が回転して、紙幣停止部材15がシャフト31の中心ま
わりに回転し、図示破線で示すように下降して反転空間
部102(図2参照)内に突出する。ソレノイド16に
よる吸引力がなくなると、スプリング37の復原力によ
って、紙幣停止部材15は実線位置に戻る。
【0038】次に、上記のような構成の取り揃え機構5
0における、紙幣搬送処理動作を説明する。
【0039】鑑別部1に搬入された紙幣38が、表向き
紙幣(例えば図示上方が表面である紙幣、以下同様)と
判定された場合、ソレノイド16は復旧状態(図3の実
線の状態)となって、前述したように紙幣停止部材15
は反転空間部102から上方に退避する。これにより、
紙幣38は、鑑別部1の出口4から、回転部材13によ
りA−B搬送路101さらには反転空間部102へ送り
込まれ、そのまま案内ガイド10に沿ってC−D搬送路
103へと搬送される。この状態を図4に示す。さらに
C−D搬送路103から案内ガイド11に沿ってD−E
搬送路104へと導かれ、位置Eから装置外へと搬出さ
れる。
【0040】一方、鑑別部1に搬入された紙幣38が、
裏向き紙幣(例えば図示上方が裏面である紙幣、以下同
様)と判定された場合は、ソレノイド16は吸引状態
(図3の破線の状態)となって、前述したように紙幣停
止部材15は反転空間部102から下方に突出する。こ
れにより、紙幣38は、鑑別部1の出口4から、回転部
材13によりA−B搬送路101さらには反転空間部1
02へ送り込まれた後、紙幣38の前端38aが紙幣停
止部材15に当接して一旦停止する。この状態を図5に
示す。
【0041】ここで、回転部材13,ベルト6,反転ロ
ーラ27及び反転補助ローラ14はそのまま回転し続け
ていることから、紙幣38は後端38bからB−D搬送
路105へ送り込まれ(図6)、さらに案内ガイド11に
沿ってD−E搬送路104へと導かれて前述した表向き
紙幣の搬送ルートと合流する。このような過程をたどる
ことによって、裏向きだった紙幣38は面が反転されて
表向きとなる。
【0042】次に、本実施例の作用を説明する。
【0043】まず、本実施例の比較例を図7により説明
する。本実施例と同等の部材には同一の符号を付す。図
7は、裏向き紙幣が斜行して搬送されてきた場合におけ
る、本比較例の回転部材13,反転ローラ27及び紙幣
停止部材115による裏向き紙幣の反転動作を示してい
る。
【0044】図7の本比較例の逆送手段は、回転部材1
3,ベルト6及び反転ローラ27であり、図1で示した
第1の実施例の反転補助ローラ14がない状態である。
【0045】具体的には、特に図示していないが、図1
で反転補助ローラ14がない状態の場合は、両端側の回
転部材13は、搬送路幅方向,反転ローラ27より側方
にあり、逆送手段による紙幣の反転引込み力は、側方側
では側方側回転部材13と紙幣とが接触するが、対向す
る位置や対向する位置で且つこれより更に側方の位置に
反力が生成するローラがないため、図7上において紙幣
が図の裏面方向に変形して逃げるために反転引込み力が
小さくなっている。
【0046】また、図7に示した本比較例の紙幣停止部
材115は、第1の実施例の紙幣停止部材15とを比較
すると、紙幣停止部材115が4つの爪状部材115
a,115b,115b,115aで構成される点は同
一であるが、両端側停止部材115b,115bは、中
央側停止部材115a,115aと搬送方向直角方向
(図示上下方向)に一列に配置され、すなわち図示しな
い回転部材13から搬送方向において等距離に配置され
ている点も異なる。
【0047】これは、回転部材13の回転力の作用点で
ある反転入口44から両端側停止部材115bまでの距
離Lso、及び反転入口44から中央側停止部材15aま
での距離Lsiはともに約76mm(≒斜行していない場合
の通常紙幣の搬送方向有効長)としている。つまり、図
7上において、中央側停止部材115aの紙幣38との
当接面と両端側停止部材115bの紙幣38との当接面
とを結んだ直線nは搬送面幅方向を向いている。
【0048】すなわち図7において、例えば図7(a)
のように紙幣38が斜行して搬送されて進入してきたと
すると、紙幣38の図示右下側コーナー部38ao 近傍
が図示下方にある両端側停止部材115bの1つに衝突
する(図7(b))。この衝突により紙幣38には矢印で
示すようなモーメント力がはたらいて紙幣38の向きは
回転移動し、紙幣38の図示左上後端コーナー部38b
o と回転部材13との距離は紙幣38が斜行している分
接近しているので、回転部材13の可とう性部材13A
(図1参照)による回転力が後端コーナー部38bo
強く作用しようとするが、対向側或いはこの近傍に反力
を作用させる部材がない。
【0049】反転引込み力である搬送力は、この反力と
接触部での摩擦係数に比例して変化するがこの反力が小
さいために反転引込み力が弱いため、可とう性部材13
Aと紙幣停止部材115との間で紙幣が移動した後紙幣
38と可とう性部材13Aとの接触部分が多くなり、全
体での反転引込み力が大きくなって紙幣38は、反転搬
送遅れが大きく生じながらも引出されていく(図7
(c))。
【0050】もし、紙幣の後端側に上向きの折れぐせ
(財布に入れていた紙幣は折れぐせが多い)などがあっ
た場合は、この部分が可とう性部材13Aにより折り曲
げられやすくなり、上向きの耳折れが発生する場合があ
り、この耳折れが発生しかつ斜行したままの状態で回転
部材13により図示左方向に排出(図7(d))が開始さ
れ反転されることがある。
【0051】このように耳折れが発生するばかりでな
く、前述の可とう性部材13Aと紙幣停止部材115と
の間での紙幣の移動を含めた滞留に伴う時間遅れが紙幣
38の反転搬送遅れとなって、表向き紙幣とD−E搬送
路104(図2参照)で合流する際に搬送間隔がうまく
合致せずジャムが発生する場合がある。
【0052】これに対し、本実施例による紙幣処理装置
100における裏向き紙幣の反転動作を図8に示す。図
8において、本実施例による紙幣処理装置100におい
ては、反転搬送遅れ防止手段として、反転補助ローラ1
4を設けこの取り付け位置を、搬送路幅方向,回転部材
13の両端側よりも外方になるように設定している。
【0053】具体的には、前述したように、反転補助ロ
ーラ14は、紙幣の搬送幅内で、搬送される紙幣の側端
近傍に位置するようにし、両端側回転部材13よりも外
側になるように設けている。
【0054】また、停止手段として、4つの爪状部材1
5b,15a,15a,15bからなる紙幣停止部材1
5のうち、両端側停止部材15bと回転部材13との搬
送方向における距離を、中央側停止部材15aと回転部
材との搬送方向における距離よりも大きく設定してい
る。
【0055】具体的には、両端側停止部材15bから回
転部材13の反転入口44までの距離Lsoは、中央側停
止部材15aから回転部材13の反転入口44までの距
離Lsi(≒76mm)より大きくしており、このとき中央
側停止部材15aの紙幣38との当接面と両端側停止部
材15bの紙幣38との当接面とを結んだ直線mと、搬
送面幅方向とはある角度θをもっている。
【0056】従って、図8において、例えば図8(a)
のように、紙幣38がA−B搬送路101から反転空間
部102へと斜行した状態で進入してきたとすると、紙
幣38のコーナー部38ao 近傍が両端側停止部材15
bの1つに衝突するときに、中央側停止部材15aの1
つにも衝突する(図8(b))。このとき、両端側停止部
材15bが中央側停止部材15よりも回転部材13から
図示右方により後退していることから、この時に対角位
置にある紙幣38の後端コーナー部38boもその分図
示右方に進んだ状態で衝突する。したがって、比較例よ
りも後端コーナー部38bo と回転部材13との距離が
離れることとなり、回転部材13の強い回転力が作用す
ることなく耳折れが発生しにくくなっている。
【0057】このとき従来は、停止部材15a,15b
と回転部材13とによるモーメントにより、紙幣38は
図示時計方向の回転移動が大きく発生し、この紙幣の変
動による搬送時間遅れが発生して、紙幣の搬送遅れが生
じていた。本発明では、逆送手段入口側に向けられた紙
幣後端コーナ部38bo (図8(b))は、側端側の回
転部材13の可とう性部材13A及び反転補助ローラ1
4とにより、紙幣側方側で反転引込み力が大きく作用す
るようにしているためスキュー(斜行)した紙幣ほど紙
幣の側方側で強い反転搬送引込み力が作用することにな
り、図示左方向へいち早く排出が開始される(図8
(c))。
【0058】ここで、本実施例では反転補助ローラの外
径を反転ローラの外径よりも小さくしてあるので上向き
の折れぐせ紙幣が搬送されてきても外径が小さい分だけ
変形を許容しながら反転引込み力を側方で増大している
ので更に耳折れは発生しにくくなっている。
【0059】図9(a)は、反転搬送路幅方向での反転
引込み力分布を示したものであり、搬送路中央側よりも
側方側で紙幣の反転引込み力を大きくしている。また、
図9(b)は、反転搬送路幅方向での反転引込み力分布
を中央,側方側とも同じ引込み力にした場合、また側方
よりも中央側での引込み力を更にアップした場合、さら
に中央側よりも側方側での引込み力を更にアップした場
合について、それぞれ紙幣の設定スキュー角度を0度,
4度,8度に設定して紙幣処理装置に投入し、この時の
反転搬送遅れ時間を測定した結果である。
【0060】図から中央側よりも側方側での引込み力を
更にアップした場合は、他よりも反転搬送遅れ時間が短
く、この様にすることによって、搬送許容内にある斜行
紙幣38の余分な回転移動時間、及び反転引込み時のス
リップ(逆送手段と紙幣との滑り)の防止が図れ、搬送
遅れを防止することができることが分かった。ここで、
中央側での反転引込み力は、反転入口44から中央側停
止部材15aまでの距離が、紙幣の搬送方向長さと同じ
76mmとして余裕のない寸法としているので紙幣の座屈
剛性との兼ね合いから必然的に求まる。
【0061】尚、斜行せず真っ直ぐ搬送されてきた紙幣
38に対しては、中央側停止部材15a,15aが衝突
して反転を行うことで従来と同等の性能を確保すること
ができる。
【0062】以上説明したように、本実施例によれば、
裏向きの紙幣38が反転されるときにおいて、反転空間
部102に紙幣38が斜行した状態で搬送されてきた場
合であっても、紙幣38の後端コーナー部38bo に耳
折れや紙幣の反転搬送遅れを防止して反転を行うことが
できる。したがって、安定した反転動作を行うことがで
き、D−E搬送路104で表向き紙幣と合流する際に搬
送間隔がうまく合致せず、搬送異常やジャムが発生する
ことを防止できる。よって、高速でも信頼性の高い高性
能に反転を行う搬送処理装置を提供することができる。
【0063】上記実施例においては、紙幣側方側での搬
送力を高めるため、反転補助ローラ14を反転ローラ2
7の側方に設けたが、羽根車或いはブラシ車のうち中央
側よりも両側方の羽根車或いはブラシ車の羽根或いはブ
ラシの剛性,変形抵抗力や紙葉類に対する摩擦係数を高
くしてもある程度の効果が得られる。また、反転補助ロ
ーラ14は、剛性や紙葉類に対する摩擦係数を高くする
と一層効果が得られる。
【0064】本実施例では、搬送路幅方向において中央
側よりも側方側で反転引込み力が大きくなるように設定
したが、側方側だけで反転引込み力を設定しても効果が
得られることは言うまでもない。
【0065】本実施例のように反転補助ローラ14や羽
根車或いはブラシ車は、互いに摩耗による著しい寿命の
低下がない範囲での設置が望ましいが許容できる材料で
あれば反転補助ローラ14の位置は、羽根車或いはブラ
シ車の側方のものと対向する位置としても効果はある。
いずれにしても反転補助ローラ14の位置は、紙幣の搬
送路幅よりも内側に設定することになる。
【0066】また、本実施例の中で反転ローラ27を用
いているが、これをプーリとし、このプーリに掛けられ
るとともにベルト6に圧接してベルト6に連動し回動す
るベルトを用いてもよい。この際、案内ガイド11(図
2参照)は、前述のプーリまで延伸する必要がなくな
る。
【0067】さらに紙幣停止部材15は、中央側停止部
材15a及び両端側停止部材15b各2個ずつ計4個の
爪状部材で構成したが、図10のように簡単にしてもよ
いし、これに限らず、中央側停止部材15a及び両端側
停止部材15bは3個以上あってもよく、これらの合計
も5個以上あってもよい。
【0068】さらに、紙幣停止部材15の詳細構造を図
11に示すようにしてもよい。図11は、第1の実施例
における図1の右側にほぼ相当する図である。なお、参
考のために斜行状態で搬送されてきた場合の紙幣38の
位置を併せて示す。
【0069】図11において、紙幣停止部材215の中
央側停止部材215a,215a及び両端側停止部材2
15b,215bは、それぞれにおける紙幣38と当接
する部位の端面を、曲面形状にしている。曲面形状とす
ることにより紙幣38の前端と紙幣停止部材215との
接触角が小さくなることで力の衝撃力成分が小さくなり
傷・破れ等の発生を防止できる。また、曲面形状をした
衝撃力緩和材241としてもよい。
【0070】このようにすれば、斜行状態で搬送されて
きた紙幣38が紙幣停止部材215の両端側停止部材2
15bや中央側停止部材215aに衝突するときに紙幣
38の前端38aに傷・破れ等が発生するのを緩和でき
る。また、中央側停止部材215aにも曲面形状や衝撃
力緩和材241が設けられているので、斜行せず真っ直
ぐ搬送されてきた紙幣についても衝撃時の傷・破れ等の
発生を緩和できる。よって例えば、顧客の待ち時間の短
縮のためにATM処理速度の高速化を図る場合等には、
紙幣停止部材215に紙幣38の前端38aが強く衝突
するようになることからも有効となる。
【0071】なお、特に大きく斜行している紙幣の衝撃
緩和のみを考慮する場合は、中央側停止部材215a,
215aの衝撃力緩和材241を省略する構成も考えら
れる。
【0072】本発明の第2の実施例を図12及び図13
により説明する。本実施例は、反転搬送遅れ防止手段の
他の実施例である。第1の実施例と共通の部材には同一
の符号を付す。
【0073】本実施例による紙幣処理装置に備えられた
紙幣停止部材315の中央側停止部材315a及び両端
側停止部材315bの詳細構造を図12に示す。図12
は、中央側停止部材315a及び両端側停止部材315
bの構造を示す平面図であり、図13はその側面図であ
る。なお、参考のために斜行状態で搬送されてきた場合
の紙幣38の前端38aの位置を併せて示す。
【0074】図12において、本実施例の中央側停止部
材315a(又は両端側停止部材315b)の先端部構
造が第1の実施例の中央側停止部材215a(又は両端
側停止部材215b)と異なる主要な点は、中央側停止
部材215aにおける紙幣38と当接する端面に、回転
部材13(図2参照)や紙幣38の剛性より低い剛性を
備えた(例えば金属製・プラスチック製・ポリイミド製
の)板ばね342が中央側停止部材315aから側方両
端側停止部材315b方向へ延伸して設けられているこ
と、及び先端(図示右端)近傍に板ばね342の支点を
固定する支持部材340が設けられていることである。
【0075】また、図中点線で示すこの板ばね342の
側方停止部材側の初期位置(力が作用していない場合の
位置)においては、上述した図示しない回転部材13の
反転入口44との距離Lssが、斜行せず真っ直ぐ搬送さ
れた紙幣の搬送方向有効長Lsi(76mm)よりも小さく
なるように設定している。
【0076】その他の点は、第1の実施例の紙幣処理装
置とほぼ同様である。
【0077】本実施例によれば、第1の実施例による効
果と同様の効果があり、また板ばね342により衝撃力
緩和効果が加わることから、さらに高速処理タイプの紙
幣処理装置において特に有効である。これは、板ばね3
42の初期位置において、距離Lssが通常の紙幣の搬送
方向有効長Lsi(76mm)よりも小さくなるように設定
しているので、折れぐせ紙幣やしわ紙幣など紙幣の搬送
方向有効長が短い紙幣の反転時の搬送遅れを少なくし、
反転動作を安定に行うことができる。
【0078】なお、上記第1,第2の実施例において
は、表向き紙幣と裏向き紙幣との搬送ルートの切り換え
を紙幣停止部材15で行うタイプのスイッチバック方式
の構成であり、すなわち表向き紙幣の搬送ルートと裏向
き紙幣の搬送ルートとは、紙幣停止部材15の位置Cま
では共通であったが、本発明の適用はこのようなタイプ
に限られるものではない。
【0079】すなわち、同じスイッチバック方式であっ
ても、異なる構成、例えば、前述した特開昭59−143848
号公報や特公昭63−27759 号公報のように、裏向き紙幣
を停止・逆送させる手段を設ける位置より上流側に切換
手段を設け、表向き紙幣の搬送ルートと裏向き紙幣の搬
送ルートとをあらかじめ切り換える構成である場合にお
いても適用することができ、この場合も同様の効果を得
る。
【0080】本発明の第3の実施例を図14により説明
する。本実施例は、上述した第1の実施例及び第2の実
施例の紙幣処理装置100を備えた現金自動取引装置の
実施例である。第1,第2の実施例と同等の部材には同
一の符号を付す。
【0081】本実施例による現金自動取引装置500の
全体構造を示す側面からみた概念図を図14に示す。図
14において、現金自動取引装置500は、本体51,
本体51の中央部に設けられた紙幣処理装置100の鑑
別部1と、本体51の後方部(斜線で示した部分)に設
けられた紙幣処理装置100の取り揃え機構50と、取
り揃え機構50の下方に設けられ入金紙幣53を一時保
管する一時スタック部59とを有する。
【0082】また、現金自動取引装置500は、例えば
カセット形式で着脱が可能である金庫67と、各金種別
に分類されて配置され該当する金種の紙幣(例えば1万
円紙幣,5千円紙幣,千円紙幣)がそれぞれ収納される
第1の金種箱68,第2の金種箱69、及び第3の金種
箱70と、これら金庫67,第1の金種箱68,第2の
金種箱69、及び第3の金種箱70の上部にそれぞれ併
設され、対応する紙幣63〜66(例えば、紙幣64は
1万円紙幣、紙幣65は5千円紙幣、紙幣66は千円紙
幣、紙幣63はこれらが混合した紙幣)を1枚ずつに分
離して取り出す分離装置73,74,75,76と、本
体51の後方上部に設けられ、主として鑑別不可能な紙
幣を回収するリジエクト箱71,72とを有する。
【0083】本体51の上部前面側には、入出金口52
が設けられており、また、この入出金口52の一方側に
は入金紙幣53を取込むための分離装置54が設けら
れ、さらに他方側には払出し紙幣55を入出金口52に
押出す押出し板56が設けられている。なお押出し板5
6には払い出し紙幣を一時保管するスタック部が併設さ
れている。
【0084】鑑別部1は、第1の実施例で説明したよう
に入金紙幣53の表・裏を判定する。またこれに加え、
入金紙幣53及び出金紙幣55の紙幣の真偽・金種・枚
数等をも判別する。また、取り揃え機構50は、鑑別部
1の鑑別結果に応じて、表・裏の面の向きが混在してい
る紙幣を、すべて表・裏の面の向きが揃った紙幣にす
る。
【0085】また、以上の各部は、搬送手段によって連
結されており、搬送手段中の分岐部には区分ゲート77
〜82が設けられている。
【0086】次に、上記構成における動作について説明
する。
【0087】この現金自動取引装置500において、ま
ず、顧客が預金のため入出金口52に紙幣53を挿入す
ると、通常、表裏が混在した状態にあるこれらの紙幣5
3は、区分ゲート82→区分ゲート81→区分ゲート8
0を通過した後に鑑別部1へ搬送されて鑑別部1で表裏
が読み取られ、さらに区分ゲート77を通過後、取り揃
え機構50へ搬送されてここですべての紙幣の向きが揃
えられ、一時スタック部59に一時保管される。
【0088】この間、鑑別部1の鑑別に応じて入金額が
顧客に表示され、顧客によりこの金額の確認がなされる
と、一時スタック部59で保管されていた紙幣は分離装
置73で再度1枚ずつに分離されて、再度鑑別部1で金
種の確認とスキャンが行われた後に区分ゲート77→区
分ゲート78を通過し、金種別に分類される形でそれぞ
れ対応する第3の金種箱70,第2の金種箱69、及び
第1の金種箱68に収納される。また、鑑別部1のスキ
ャンの結果、出金に使用しないこととする紙幣(例えば
傷のある紙幣,不良紙幣等)は、区分ゲート77から分
岐して取り揃え機構50の搬送路の一部を通過し、最終
的にリジェクト箱71又は72に収納される。
【0089】また、顧客が出金を要求すると、これに応
じて第1の金種箱68,第2の金種箱69,第3の金種
箱70に収納されている対応する紙幣64,65,66
がそれぞれ分離装置74,75,76により1枚ずつ所
定枚数だけ取り出され、鑑別部1で金種等を確認した後
に区分ゲート77→区分ゲート78から入出金口52に
払い出し紙幣55として払い出す。
【0090】上記実施例においても、第1の実施例にお
いて得られた効果と同様の効果を得ることができる。す
なわち、紙幣に耳折れ・傷・破れ等の損傷がなく、紙幣
の搬送遅れが少なく安定した紙幣の反転動作を行うこと
が可能なので、高性能で高速かつ信頼性の高い現金自動
取引装置を提供することができる。
【0091】なお、上記第3の実施例の現金自動取引装
置500においては、入金の際、一時スタック部59に
一時保管する前に取り揃え機構50で紙幣の表裏を取り
揃えるようにしたが、入金の際には紙幣の表裏を取り揃
えず出金時に取り揃え機構50で取り揃える構成にして
もよい。
【0092】また、一旦第1の金種箱68,第2の金種
箱69,第3の金種箱70に収納されている対応する紙
幣64,65,66を取り出し、これらの紙幣の表裏を
取り揃え機構50で取り揃えた後、再度第1の金種箱6
8,第2の金種箱69,第3の金種箱70に収納するよ
うに、内部循環搬送の途中で取り揃える構成とすること
もでき、この場合も同様の効果を得る。尚、各金種箱6
8,69,70の紙幣を金庫67に回収する場合も同様
の効果を得ることは言うまでもない。
【0093】また、上記実施例の現金自動取引装置50
0においては、第1の実施例の紙幣処理装置100を備
えていたが、これに限らず、第2の実施例の紙幣処理装
置を備えていてもよい。この場合も、同様の効果を得
る。
【0094】さらに、上記第3の実施例は、本発明によ
る紙幣処理装置を現金自動取引装置に適用した例を示し
たが、これに限定されるものでなく、例えば現金自動支
払機(CD),紙幣整理機,現金自動両替機のほか、紙
幣でない紙葉類を取り扱うものとして、通帳発行機,債
権発行機,証書発行機,駅等の交通機関で使用される乗
車券類(指定券・特急券・回数券・定期券等)の自動発
券機,公共機関などで使用される住民票発行機,郵便自
動振替受付機,大学向け証明書自動発行機,プリペイド
カード他の薄板状物等の取扱装置,光学読み取り装置
等、紙葉類を取り扱う自動機に広く適用可能である。
【0095】また、上記第1〜第3の実施例において
は、いずれの紙葉類も表面であるか裏面であるかを鑑別
してその後の搬送処理を行ったが、これに限らず、紙葉
類の少なくとも2つの面を「第1の面」,「第2の面」
として鑑別しこれに応じてその後の処理を行うようなも
のであれば足りる。すなわち例えば、厚めのプリペイド
カード等の表面・裏面・側面の3つの面を鑑別する場合
や、また、ある磁気情報が、紙葉類上面の第1領域に入
力されているか、あるいは同じ紙葉類上面の第2領域に
入力されているかを鑑別する場合等があり得る。この場
合についても、本発明を適用して同様の効果を得ること
ができる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、反転部で反転されると
きに、第1の搬送路から腰の弱い紙葉類が斜行した状態
で搬送されてきた場合であっても、上述した反転搬送遅
れ防止手段によって紙葉類に反転時の搬送遅れが生じる
のを防ぐので、安定した反転動作を行うことができ、第
2の搬送路で非反転部からの紙葉類と合流する際に搬送
間隔がうまく合致せず搬送異常やジャムが発生すること
がない。したがって、高速でも信頼性の高い高性能な紙
葉類処理装置を提供することができる。
【0097】また、紙葉類停止部材には、紙葉類の前端
が停止部材の爪状部材に当接する時の衝撃力を軽減する
衝撃力緩和手段を設けられているので、斜行状態で搬送
されてきた紙葉類が爪状部材に当接するときに紙葉類に
傷・折れ・破れ等が発生するのを防止できる。また、中
央側爪状部材にも衝撃力緩和手段が設けられている場合
には、斜行せず真っ直ぐ搬送されてきた紙葉類について
も当接時に傷・破れ等が発生するのを防止できる。よっ
て、顧客の待ち時間の短縮のためにATM処理速度の高
速化を図る場合等には、紙葉類停止部材に紙葉類の前端
が強く当接するようになることから特に有効である。
【0098】さらに、紙葉類停止部材の爪状部材に設け
た板ばね材のうち搬送路幅方向外側のばね先端が初期位
置にあるときの逆送手段の逆送力の作用点との搬送方向
における距離を、斜行していない通常紙葉の搬送方向有
効長よりも短く設定するので、折れぐせ紙葉類やしわ紙
葉類等、通常の紙葉類よりも搬送方向有効長が短い紙葉
類に対する反転動作をも安定に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による紙幣処理装置を表
す平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1に示された紙幣停止部材を動作させるリン
ク機構の側面図である。
【図4】図2に示された紙幣処理装置において、表向き
紙幣がC−D搬送路へ搬送された状態を示す側面図であ
る。
【図5】図2に示された紙幣処理装置において、裏向き
紙幣が反転空間部で一旦停止している状態を示す側面図
である。
【図6】図2に示された紙幣処理装置において、裏向き
紙幣がB−D搬送路へ送り込まれている状態を示す側面
図である。
【図7】(a)ないし(d)は第1の実施例の比較例に
よる裏向き紙幣の反転動作を示す説明図である。
【図8】(a)ないし(c)は第1の実施例による裏向
き紙幣の反転動作を示す説明図である。
【図9】(a)及び(b)は第1の実施例による搬送路
幅方向での反転引込み力を示す分布図及び反転搬送遅れ
結果を示す特性図である。
【図10】本発明の第1の実施例による紙幣停止部材の
他の実施例を表す平面図である。
【図11】本発明の第1の実施例による紙幣停止部材の
他の実施例を示す平面図である。
【図12】本発明の第2の実施例による紙幣停止部材の
平面図である。
【図13】本発明の第2の実施例による紙幣停止部材の
側面図である。
【図14】本発明の第3の実施例による現金自動取引装
置の全体構造を示す側面からみた概念図である。
【符号の説明】
1…鑑別部、2…入口、3…ローラ対、4…鑑別部の出
口、5,6,7,9…ベルト、8…反転引込み力、1
0,11,12…案内ガイド、13…回転部材(逆送手
段)、13A…可とう性部材、13B…中心部材、14
…反転補助ローラ、15,115,215,315,4
15…紙幣停止部材(切換手段,停止手段)、15a,
115a,215a,315a,415a…中央側停止
部材、15b,115b,215b,315b,415
b…両端側停止部材、16…ソレノイド、17〜26,
28〜30…プーリ、27…反転ローラ、31…シャフ
ト、33…支持部材、35…中間部材、36…駆動部
材、37…スプリング、38,63〜66…紙幣、38
a…紙幣前端、38ao …紙幣前端のコーナー部、38
b…紙幣後端、38bo …紙幣後端のコーナー部、40
…ローラ、44…反転入口、50…取り揃え機構、52
…入出金口、53…入金紙幣、54…分離装置、55…
払い出し紙幣、56…押し出し板、59…一時スタック
部、67…金庫、68…第1の金種箱、69…第2の金
種箱、70…第3の金種箱、71,72…リジェクトボ
ックス、73〜76…分離装置、77〜82…区分ゲー
ト、100…紙幣処理装置、101…A−B搬送路(第
3の搬送路,第4の搬送路)、102…反転空間部(第
3の搬送路,第4の搬送路)、103…C−D搬送路
(第3の搬送路)、104…D−E搬送路(第2の搬送
路)、105…B−D搬送路(第4の搬送路)、110
…リンク機構、241…曲面形状及び衝撃力緩和材、3
40…支持部材、342…板ばね、342a…板ばねの
初期位置、342b…板ばねが変位した位置、442a
…中央側停止部材のばね、442b…両端側停止部材の
ばね、500…現金自動取引装置、A…プーリ17とプ
ーリ23とが対向する位置、B…回転部材13の端部近
傍でベルト5、6が離れる位置、C…紙幣停止部材15
が突出する位置、D…ベルト6,9が接する位置、E…
プーリ29とプーリ21とが対向する位置、k1 …中央
側停止部材415aのばね442aの剛性、k2 …両端側停
止部材415bのばね442bの剛性、kB …紙幣38
の剛性、kk …回転部材13の剛性、Lsi…反転入口4
4から中央側停止部材15aの紙幣38との当接位置ま
での距離、Lso…反転入口44から両端側停止部材15
bの紙幣38との当接位置までの距離、Lss…板ばね3
42の初期位置と反転入口44との距離、m…中央側停
止部材15の紙幣38との当接面と両端側停止部材15
bの紙幣38との当接面とを結んだ直線、M1…モー
タ、M2…モータ、W…停止部材315の幅、θ…直線
mと搬送面幅方向とのなす角。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉類が搬入される第1の搬送路と、この
    第1の搬送路に設けられ、少なくとも紙葉類の第1の面
    及び第2の面を鑑別する鑑別部と、前記第1の搬送路の
    下流側に設けられ前記紙葉類の面を反転しつつ搬送する
    反転部と、前記第1の搬送路の下流側に設けられ前記紙
    葉類の面を反転せずそのまま搬送する非反転部と、前記
    鑑別部での鑑別結果に応じ前記紙葉類を前記反転部及び
    非反転部のいずれか一方に選択的に導く切換手段と、前
    記反転部及び前記非反転部の下流側に接続され、前記反
    転部から搬送されてきた紙葉類と前記非反転部から搬送
    されてきた紙葉類とを合流させて搬送する第2の搬送路
    とを有し、前記第1の搬送路に搬入された紙葉類の面を
    取り揃えて前記第2の搬送路から搬出する紙葉類処理装
    置において、前記反転部は、前記第1の搬送路から腰の
    弱い紙葉類が斜行状態で搬送されてきた場合にも、前記
    紙葉類に反転搬送遅れが生じるのを防止する反転搬送遅
    れ防止手段を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
JP31485597A 1997-11-17 1997-11-17 紙葉類処理装置 Withdrawn JPH11147639A (ja)

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