JPH11147313A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH11147313A
JPH11147313A JP10243534A JP24353498A JPH11147313A JP H11147313 A JPH11147313 A JP H11147313A JP 10243534 A JP10243534 A JP 10243534A JP 24353498 A JP24353498 A JP 24353498A JP H11147313 A JPH11147313 A JP H11147313A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1ノズル内に2つの電気熱変換素子を設けた
記録ヘッドを前提として、大液滴のリフィル時間を短く
することにより、より高速印字が可能な高画質、高階調
のインクジェット記録ヘッド及び該記録ヘッドを用いた
記録装置を提供する。 【解決手段】 1ノズル内に2つの電気熱変換素子5
3,54を設けた構成のインクジェット記録ヘッドにお
いて、オリフィス40から遠い方の電気熱変換素子54
の液滴吐出方向の長さを、近い方の電気熱変換素子53
のそれに比ベ短くすることにより、発泡中心がより後方
(反オリフィス側)に移動し、発泡中心から後方の流抵
抗が減少し、インクがノズル後端よりリフィルされ易く
なり、リフィル時間が短くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置、特に文字や画像の記録に必要なときのみインク
を吐出させて記録するオンデマンド型インクジェット記
録装置に関するものである。また、本発明はオフィスで
用いられる紙だけでなく、布、糸、シート等のインク付
与を受けるインク支持体全ての媒体に対して記録を行う
産業用装置ヘも適用することができる。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを液体に作用させることで
起こる気泡の発生によって所望の液体を吐出させ記録を
行なうインクジェット記録方法は、小型の装置で高解像
度のカラー記録画像を高速かつ低騒音で得られるという
優れた点を有している。このためインクジェット記録方
法は、近年、プリンター、複写機、ファクシミリなど多
くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置
などの産業用システムにまで利用されるようになってい
る。
【0003】このようにインクジェット記録技術が多方
面の製品に利用されるに従い、更なる高階調化、高画質
化が求められている。
【0004】高階調化、高画質化を実現する方法の1つ
として、ディザ等の疑似多値記録方式がある。これは記
録ヘッドのノズル密度を高くし、液滴の体積を小さくし
て一画素をより多くのドットで形成する方法である。し
かし被記録紙1枚あたりの液滴の吐出回数が増えるた
め、ヘッド寿命が短くなる。また記録ヘッドのノズル密
度を高くするためへッド製作コストが高くなるなどの問
題点がある。
【0005】そこで高階調化、高画質化を実現する別の
方法として、特開昭55-132259号公報、特開平08-332727
号公報では、1ノズル内に2つ以上の電気熱変換素子を
設ける構造が提案されている。具体的には、1ノズル内
に2つの電気熱変換素子が配列された場合、大きな吐出
量の液滴(大液滴)を得るときには2つの電気熱変換素
子を両方とも駆動し、小さな吐出量の液滴(小液滴)を
得るときはいずれか片一方の電気熱変換素子を駆動する
ことで吐出量を変化させる。このように、ノズル密度を
従来の記録ヘッドと変えることなく、非常に簡単な構成
で吐出量を変化させ、高階調、高画質を実現するもので
ある。
【0006】この1ノズル内に複数の電気熱変換素子を
設け、吐出する液体の量に応じて駆動パターンを変える
方法による記録ヘッドでは、従来の記録ヘッドの製造装
置を流用することで低コスト化が実現できる。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】ところで、上述の更な
る高階調化、高画質化に対する要求と並行して、インク
ジェット記録方法には、更なる印字速度の向上が求めら
れている。高速に印字を行なうためには高周波数で電気
熱変換素子を駆動することが必要となる。ここで、高速
化を妨げる要因の一つとして、ヘッドの昇温がある。イ
ンクジェット記録ヘッドの場合、投入エネルギーのおよ
そ3割が吐出に使用され、残りはほとんど熱エネルギー
となり、ヘッドの温度を上げることになる。ヘッドを高
速駆動すればするほど、ヘッドは昇温し、液滴の吐出状
態を不安定にさせる要因となる。
【0008】そこで、発泡効率を上げ、ヘッド昇温を抑
える為に、電気熱変換素子の保護膜厚を薄くする方法が
提案されている。図10(a)にその平面図を示す。こ
こでノズル109の中に電気熱変換素子53が配置され
ている。また図10(b)は、図10(a)に示した電
気熱変換素子部分のC−C線に沿った断面構造の模式図
である。ここで71は蓄熱層を形成したシリコン基板で
あり、その上にHfB2などの抵抗体材料による抵抗層
72、ALの配線層73、PSGなど絶縁材料による保
護膜下層75、SiO2など絶縁材料による保護膜上層
76などが形成される。保護膜下層75は電気熱変換素
子部分のみエッチングにより除去されており、保護膜下
層75の厚み0.6μm分保護膜が薄くなり、それによ
り熱伝導性が良くなり、発泡効率が上がる。上記のよう
な構成により、保護膜に吸収され、熱に変わるエネルギ
ーの量が減少し、記録ヘッドの昇温を抑えることができ
る。
【0009】一方、熱特性以外の主な要因としては、吐
出口から吐出された液滴に相当する液体がノズル後端よ
りリフィルされるのに要する時間が挙げられる。特に、
1ノズル内に2つの電気熱変換素子を設けた構成の吐出
量変調ヘッドにおいては、小液滴のリフィル時間より大
液滴のリフィル時間の短縮が高速印字化達成には大きな
鍵となる。これは、吐出量のばらつきなどを考慮する
と、実用的には大液滴の量に対し小液滴の量はなるべく
小さく(例えば大液滴が40plに対し、小液滴が10〜15p
l)することが階調性を上げるためには望ましく、その
ため、小液滴では大液滴に比べリフィルしなければなら
ない液の量も少なくて済むためである。
【0010】そこで、本発明者らは大液滴の発泡中心の
2つのヒータに対する位置に注目することで、従来のノ
ズルの製造装置を流用するなどのノズルの設計の自由度
を確保しつつ、リフィル時間の短縮を図る本願発明を想
起するに至った。
【0011】すなわち、本願発明の目的は、上述した1
ノズル内に2つの電気熱変換素子を設けて吐出量の変調
を行なう記録ヘッドを前提として、大液滴のリフィル時
間を短くすることにより、より高速印字が可能な高画
質、高階調のインクジェット記録ヘッド及び該記録ヘッ
ドを用いた記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドは、インクを吐出するための吐出口と、該イ
ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る2つの電気熱変換素子と、該2つの電気熱変換素子を
備えるとともに前記吐出口に連通するインク流路と、を
備え、前記2つの電気熱変換素子のうち吐出口に近い側
の電気熱変換素子が駆動信号を受けて前記熱エネルギー
を発生し、前記吐出口から液滴を吐出する第1の吐出モ
ードと、前記2つの電気熱変換素子の両方が駆動信号を
受けて前記熱エネルギーを発生し、前記吐出口から前記
第1のモードより大きな吐出量の液滴を吐出する第2の
吐出モードと、を有するインクジェット記録ヘッドにお
いて、前記2つの電気熱変換素子のうち吐出口から遠い
側の前記電気熱変換素子のインク吐出方向の長さが、も
う一方の電気熱変換素子のそれに比ベ短いことを特徴と
する。
【0013】すなわち、本発明によれば、上述の構成を
とることにより、大液滴の発泡中心(2つの電気熱変換
素子を1つの電気熱変換素子としたときの重心位置)
を、2つの電気熱変換素子を1つの大きな電気熱変換素
子としてとらえた場合の電気熱変換素子の中央部より後
方(インク供給方向における上流側)に配置することが
できるので、発泡中心がより後方(反オリフィス側)に
移動し、発泡中心から後方の流抵抗が減少し、インクが
ノズル後端よりリフィルされ易くなり、リフィル時間は
短くなる。
【0014】本発明は上述の構成だけでも本願発明の課
題を解決し、高速かつ高階調・高画質な記録を実現する
ことができるが、さらに前記2つの電気熱変換素子は前
記インクを吐出するために必要な最低印加電圧が実質的
に同一とすることは以下の点から望ましいものである。
すなわち、一般的には電気熱変換素子のインク供給方向
における長さが増大すると吐出するために必要な最低印
加電圧も異なるが、本発明のより望ましい構成ではこれ
を実質的に同一とすることで、複数種類の印加回路によ
る装置本体のコスト上昇や複雑化の問題点を解消するこ
とができる。
【0015】ここで、実質的に同一にさせるための具体
的手段としては、「オリフィスから遠い方の前記電気熱
変換素子の保護膜の厚みが、もう一方の電気熱変換素子
のそれに比べ厚いこと」、「オリフィスから遠い方の前
記電気熱変換素子の保護膜の熱伝導率が、もう一方の電
気熱変換素子のそれに比べ低いこと」などにより、実現
することが可能である。
【0016】従って、吐出量変調ヘッドのリフィル時間
が短くなることにより、上述の課題を解決し、より高速
印字が可能な高画質、高階調を実現しうるインクジェッ
ト記録ヘッドを提供することができる。
【0017】また、本発明のインクジェット記録装置
は、インクを吐出するための吐出口と、該インクを吐出
するために利用される熱エネルギーを発生する2つの電
気熱変換素子と、該2つの電気熱変換素子を備えるとと
もに前記吐出口に連通するインク流路と、を備えるイン
クジェット記録ヘッドと、該ヘッドを載置するための載
置手段と、を具備し、前記2つの電気熱変換素子のうち
吐出口に近い側の電気熱変換素子が駆動信号を受けて前
記熱エネルギーを発生し、前記吐出口から液滴を吐出す
る第1の吐出モードと、前記2つの電気熱変換素子の両
方が駆動信号を受けて前記熱エネルギーを発生し、前記
吐出口から前記第1のモードより大きな吐出量の液滴を
吐出する第2の吐出モードと、を有するインクジェット
記録装置において、前記2つの電気熱変換素子のうち、
吐出口から遠い側の前記電気熱変換素子のインク吐出方
向の長さが、もう一方の電気熱変換素子のそれに比ベ短
いことを特徴とすることで、上述の課題を解決し、より
高速印字が可能な高画質、高階調インクジェット記録装
置を提供することができる。
【0018】なお、本願発明において、「2つの電気熱
変換素子のうち吐出口から近い側」とは、インク流路内
のインク吐出方向に対して吐出口側を前方、と定義した
とき、2つの電気熱変換素子のうち、電気熱変換素子の
後端部(もっとも吐出口から遠い側の端部)がより前
方、すなわちより吐出口側に近い側(インク供給方向に
対して下流側)にある電気熱変換素子を指すものとす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき図面を参照して詳細に説明する。なお、以下
の各実施例では同様の機能を有するものには同一の符号
をつけて説明する。
【0020】(第1実施例)図1は、本発明の第1実施
例のインクジェット記録ヘッドのノズル周りの斜視図で
ある。これはエッジシユータータイプと呼ばれる構成で
あり、吐出ノズル109内のインクを電気熱変換素子5
3及び54で加熱発泡して、側方に解放されたオリフィ
ス40から吐出させるものである。
【0021】それぞれの電気熱変換素子53、54はス
ルーホール2を介して下層の層間絶縁膜下にあるコモン
配線(不図示)と接続されており、このコモン配線より
電圧を印加される。電気熱変換素子53、54に設けら
れた配線3は、それぞれ下層の層間絶縁膜下にあるスイ
ッチングトランジスタ(不図示)に接続される。そし
て、トランジスタのON、OFFを制御するため、信号
配線がトランジスタと図8などに示されるシフトレジス
タ・ラッチ回路に接続してある。
【0022】また、基板23はベースプレート41に接
着されており、ノズル壁5は天板101に設けられてい
る。ノズル壁5と基板23により形成されるノズルのイ
ンク供給方向上流側の端部(吐出口と反対側の端部)は
共通液室になっており、この共通液室に不図示のインク
供給手段(インクタンクなど)から液体が供給される。
【0023】図2は図1に示す本発明の第1の実施例の
インクジェット記録ヘッドの説明図であり、(a)はノ
ズル詳細図、(b)は図1のA−A線に沿った電気熱変
換素子の断面図、(c)はB−B線に沿った電気熱変換
素子の断面図である。図2(a)において、吐出ノズル
109の中に、電気熱変換素子53と電気熱変換素子5
4の2つの電気熱変換素子が配置されている。110は
ノズル109の後端であり、ノズル長Lは300μmで
ある。ノズル109の先端にはオリフィス40が設けら
れる。
【0024】また、図2(a)において電気熱変換素子
53の長さHlは120μm、電気熱変換素子54の長
さH2は90μmとなっている。そして、オリフィス4
0の後端から電気熱変換素子53、54までの距離をそ
れぞれEl,E2とすると、本実施例ではEl=80μ
m、E2=150μmである。このように、本発明の記
録ヘッドは、2つの電気熱変換素子のうち、吐出口から
近い方の電気熱変換素子53のインク吐出方向における
長さH1より、吐出口から遠い方の電気熱変換素子54
のインク吐出方向における長さH2が短くなっている。
【0025】まず最初に、このへッドを用いた階調制御
の説明を図3に示す模式図を使って簡単に行う。なお、
以下の各実施例において使用したインクの組成は以下の
とおりであるが、本発明の効果は、このインクに限られ
るものではない。 水 82.8% グリセリン 5% エチレングリコール 5% 尿素 5% 染料(ダイレクトブラック 195) 2.2% 図3(a)において、ノズル壁5で囲まれた吐出ノズル
109にはインクが満たされ、ノズル109には電気熱
変換素子53と電気熱変換素子54が備えられている。
ここで電気熱変換素子53に駆動信号を加え電気熱変換
素子53が加熱されると、図3(a)のように発泡泡1
13により圧力が発生し、オリフィス40より小液滴
(小ドロップ)114が吐出される。この時の吐出量は
約30ng、吐出速度は12m/sであった。図3
(b)は両方の電気熱変換素子53、54を共に加熱
し、大液滴(大ドロップ)を吐出する状態を示す。電気
熱変換素子53が加熱されると発泡泡113が発生し、
電気熱変換素子54が加熱されると発泡泡112が発生
し、この2つの発泡により大ドロップ115が吐出され
る。この時の吐出量は80ng、吐出速度は16m/s
であった。このように、本発明の記録ヘッドは、吐出量
のばらつきなどを考慮に入れて、大液滴に対する小液滴
の量をなるべく小さく(具体的には大液滴の量/小液滴
の量≧2)することで、階調性をより高めている。本実
施例では2つのヒータの面積比をほぼ1:1としてい
る。
【0026】このような大ドロップを吐出するための発
泡について考えると、その発泡の中心は、便宜的に2つ
の電気熱変換素子を一つの電気熱変換素子として捉えた
場合の、電気熱変換素子の重心位置となる。従って、本
発明の記録ヘッドの場合、吐出口から遠い方の電気熱変
換素子54の後端部から大ドロップの発泡中心までの距
離C2は、吐出口から遠い方の電気熱変換素子54の後
端部から吐出口に近い側の電気熱変換素子53の前端部
と吐出口に遠い側の電気熱変換素子54の後端部との中
点までの距離C1より短くなる。すなわち、発泡中心が
より後方(反オリフィス側)に移動させることができ
る。
【0027】ここで、本発明の特徴である、大ドロップ
の発泡中心について、比較例を用いて説明する。図4は
本発明の第1実施例と比較例の大液滴の発泡状態を比較
した模式図であり、(a)は第1実施例、(b)及び
(c)は比較例の発泡状態を示す。
【0028】図4(a)〜(c)に示すそれぞれの記録
ヘッドの電気熱変換素子53は面積が等しく、長さはH
1である。また、電気熱変換素子53の前端部(吐出口
側)から吐出口までの距離(図2(a)におけるE
1)、及びノズル長(図2(a)におけるL)は図4
(a)〜(c)に示すそれぞれの記録ヘッドで互いに等
しくなっている。
【0029】図4(a)に示すヘッドにおいて、吐出ノ
ズル109内の電気熱変換素子54,53に駆動信号を
加え電気熱変換素子54,53が加熱されると、発泡泡
112,113が発生する。このとき、上述した大液滴
の発泡泡の発泡中心と、ノズル109の後端110との
距離CRlは、約130μmとなり、リフィル時間は約
83μsecであった。駆動周波数に換算すると、約1
2kHzに相当する。このとき、電気熱変換素子54の
後端部59からノズルの共通液室側の端部までの距離l
1は60μmであった。
【0030】これに対し、図4(b)に示す比較例1
は、本発明の第1実施例に対し、吐出口から遠い方の電
気熱変換素子54を、面積はそのままで長さを電気熱変
換素子53と同じにするとともに、電気熱変換素子54
の前端部(吐出口側)から吐出口までの距離(図2
(a)におけるE2)を短くすることで、電気熱変換素
子54の後端部59からノズルの共通液室側の端部まで
の距離l1が第1実施例と等しくなるように配置してい
る。
【0031】比較例1のヘッドについて、吐出ノズル1
09内の電気熱変換素子53、54に駆動信号を加え、
発泡泡113,114が発生させると、電気熱変換素子
53と54の長さと幅が等しいので、合体液滴の発泡中
心は、吐出口に近い側の電気熱変換素子53の前端部
と、吐出口に遠い側の電気熱変換素子54の後端部との
中点になる。従って、上述した大液滴の発泡泡の発泡中
心と、ノズル109の後端110との距離CR2は約1
40μmとなる。その結果、リフィル時間は100μs
ecであり、駆動周波数に換算すると、10kHzとな
る。
【0032】この第1実施例、及び比較例1の2つのヘ
ッドについて、駆動周波数を変化させ、印字特性を試験
したところ、表1に示すような結果を得た。
【0033】
【表1】 この表より明らかなように、比較例1のヘッドでは、1
0kHzぐらいまでは、ほぼ正常な印字結果であるが、
12kHzではサテライトが目立ってくる。これはイン
クのリフィルが間に合っていないために、発生するもの
である。つまり、インクのメニスカス面が静的な初期状
態まで、戻らない内に次の発泡が開始されるため、若
干、吐出が炸裂状態になり、インク滴がバラバラな状態
でメディアに着弾することにより、印字品位が悪化する
ものである。これに対し、本願発明のヘッドでは、リフ
ィルが間に合うために、印字結果も良好であり、高階調
・高画質を実現すると同時により一層の高速化をはかる
ことができる。
【0034】一方、図4(c)に示す比較例2は、本発
明の第1実施例に対し、吐出口から遠い方の電気熱変換
素子54を、面積はそのままで長さを電気熱変換素子5
3と同じにするとともに、電気熱変換素子54の後端部
59からノズルの共通液室側の端部までの距離l2が4
0μmと、l1より短くなるように配置している。
【0035】比較例2のヘッドについて、吐出ノズル1
09内の電気熱変換素子53、54に駆動信号を加え、
発泡泡113,114が発生させると、比較例1と同
様、合体液滴の発泡中心は、吐出口に近い側の電気熱変
換素子53の前端部と、吐出口に遠い側の電気熱変換素
子54の後端部との中点になる。従って、上述した大液
滴の発泡泡の発泡中心と、ノズル109の後端110と
の距離はCR1と等しくなる。
【0036】そこで、この第1実施例、及び比較例2の
2つのヘッドについて、駆動周波数を変化させ、印字特
性を試験したところ、表2に示すような結果を得た。
【0037】
【表2】 比較例2の場合、ノズル後端から発泡中心までの距離は
実施例1と同じであるが、駆動周波数が高くなってくる
と不吐出するノズルが発生し、12kHzでは不吐出が
多くなった。これは、比較例2のl2が実施例1のl1
よりも短いために、駆動周波数の上昇によりヘッドが昇
温して発泡する泡自身も大きくなると、電気熱変換素子
54により発生する泡がノズル後端からはみだし、リフ
ィルが大幅に遅れ、その状態で電気熱変換素子に次の発
泡のための印可が加えられることにより、不吐出が引き
起こされると考えられる。
【0038】これに対し、本発明のヘッドによれば、吐
出口から遠い方の電気熱変換素子により発生する泡がノ
ズル後端からあふれない一定の間隔を保ちつつ、大液滴
吐出時の発泡中心を共通液室側(吐出口から遠い側)に
移動させ、リフィル時間を短縮させるとともに安定した
吐出により、高階調・高画質の記録を得ることができ
る。
【0039】このように、本発明の記録ヘッドは高階調
・高画質をより高速に行うことができるが、一般的には
電気熱変換素子のインク供給方向における長さが増大す
ると吐出するために必要な最低印加電圧も異なってしま
う。これでは、記録装置側で複数種類の印加回路を用意
することになり、その分装置自体が複雑化する。
【0040】そのため、本実施例の記録ヘッドでは、発
泡に必要な最低印加電圧を合わせる構成を備えている。
そこで、この構成について図2(b)、(c)を用いて
説明する。
【0041】図2(b)は図1のA−A線に沿った電気
熱変換素子の断面図、図2(c)はB−B線に沿った電
気熱変換素子の断面図である。図2(b)の71は蓄熱
層を形成したシリコン基板であり、その上にHfB2、
などの抵抗体材料による抵抗層72、ALの配線層7
3、SiO2など絶縁材料による保護膜層74(厚み
1.3μm)などが形成される。図2(c)の71は蓄
熱層を形成したシリコン基板であり、その上にHfB2
などの抵抗体材料による抵抗層72、ALの配線層7
3、PSGなどの絶縁材料による保護膜下層75(厚み
0.6μm)、SiO2など絶縁材料による保護膜上層
76(厚み0.7μm)などが形成される。このような
電気熱変換素子部分のみの薄膜化は製造工程において保
護膜下層75のパターンニング後に電気熱変換素子部分
のみをエッチングすることによって形成される。
【0042】このように、本発明の第1実施例では、前
記オリフィスから遠い方の前記電気熱変換素子54の保
護膜の厚みが、もう一方の電気熱変換素子53のそれに
比べ厚くすることで、保護膜が薄い電気熱変換素子53
はインクに熱エネルギーを伝える効率が他方の電気熱変
換素子54に比べて良くなり、保護膜の厚さが電気熱変
換素子54の厚みと同じ場合に比べ、低い電圧でも発泡
することができるようになる。従って、長さの差にあわ
せて適当な厚みを選択することで、発泡に必要な最低印
加電圧を合わせ、複数種類の印加回路による装置本体の
コスト上昇や、複雑化の問題を解消することができる。
【0043】なお、電気熱変換素子54は大液滴吐出時
のみに駆動されるが、電気熱変換素子53は小液滴吐出
時、大液滴吐出時両方に駆動される。本発明では電気熱
変換素子54の保護膜薄化は行っていないが、電気熱変
換素子54の使用頻度がそれほど高くないため、ヘッド
昇温において実用上問題はなかった。
【0044】(第2実施例)次に図5、図6を用いて、
本発明の第2実施例の説明を行なう。
【0045】前述の第一の実施例では、保護膜の厚みを
変えることにより電気熱変換素子の長さを短くし、リフ
ィル時間を短縮したが、本発明者は、鋭意研究努力した
結果、保護膜の熱伝導率を電気熱変換素子によって変え
ることによっても、電気熱変換素子の長さを短くし、リ
フィル時間を短縮可能なことを見いだした。
【0046】図5(a)において、吐出ノズル109の
中に、電気熱変換素子55と電気熱変換素子56の2つ
の電気熱変換素子が配置されている。110はノズル1
09の後端であり、ノズル長Lは300μmである。ノ
ズルの先端にはオリフィス40が設けられる。また、図
5(b)は図5(a)の断面D−D線に沿った断面図で
あり、71は蓄熱層を形成したシリコン基板であり、そ
の上にHfB2などの抵抗体材料による抵抗層72、A
Lの配線層73、SiO2など絶縁材料による熱伝導性
の高い保護膜層77などが形成されている。
【0047】本実施例において、電気熱変換素子55の
長さH3は120μm、電気熱変換素子56の長さH4
は80μmである。またオリフィス40の後端から電気
熱変換素子55,56までの距離をそれぞれE3,E4
とすると、本実施例ではE3=80μm、E4=160
μmである。
【0048】本実施例では、発泡に必要な最低印加電圧
を合わせるために、電気熱変換素子56の保護膜の熱伝
導率が、電気熱変換素子55の保護膜の熱伝導率に比ベ
低くなっている。そのため、電気熱変換素子56は、電
気熱変換素子55と同じ保護膜の場合に比べ、インクに
熱エネルギーを伝える効率が悪くなることにより、より
高い電圧が必要となる。従って、長さの差にあわせて適
当な厚みを選択することで、発泡に必要な最低印加電圧
を合わせ、複数種類の印加回路による装置本体のコスト
上昇や、複雑化の問題を解消することができる。
【0049】なお、本実施例の場合も、第1実施例同
様、電気熱変換素子56に比べ使用頻度の低い電気熱変
換素子55について熱伝導率のより低い部材を使用して
いるため、ヘッド昇温において実用上問題はなかった。
【0050】このような構成によって、大液滴を吐出し
た揚合の発泡状態を図6に示す。電気熱変換素子56,
55に駆動信号を加え電気熱変換素子56,55が加熱
されると、発泡泡115,113が発生する。ノズル1
09の後端110からの発泡泡115と発泡泡113の
中心までの距離CR3は、120μmであり、リフィル
時間は約77μsecであった。そこで、13kHzで
駆動すると、このとき、電気熱変換素子56の泡が共通
液室側に抜けることによる不吐の問題も発生せず、安定
した吐出を行うことを確認できた。これは、吐出口から
遠い方の電気熱変換素子の後端部とノズルの共通液室側
の端部までの距離が、第1実施例同様、十分にあるため
であると考えられる。
【0051】(第3実施例)次に、図7(a)及び
(b)を用いて、本発明の第3実施例の説明を行なう。
【0052】前述の第1、第2の実施例では、電気熱変
換素子は吐出方向に対し平行に配置されていたが、本実
施例では直列方向に配置されている点が異なっている。
電気熱変換素子を平行に配置した場合、ノズル密度を高
くするには限界がある。高密度化の1つの方法として、
電気熱変換素子を直列に配置する方法があるが、この場
合においても、オリフィスから遠い電気熱変換素子の長
さを短くすることにより、リフィル時間を短縮化するこ
とができる。
【0053】図7(a)は本発明の第3実施例によるイ
ンクジェット記録ヘッドのノズル詳細図であり、(b)
は比較例のインクジェット記録ヘッドのノズル詳細図で
ある。図7(a)において、ノズル109の中に、電気
熱変換素子57と電気熱変換素子58の2つの電気熱変
換素子が配置されている。110はノズル109の後端
であり、ノズル長Lは300μmである。ノズル109
の先端にはオリフィス40が設けられる。図7(a)に
おいて電気熱変換素子57の長さH5は100μm、電
気熱変換素子58の長さH6は60μmである。このと
き、大液滴の発泡中心とノズル後端との距離CR5は、
約130μmとなった。
【0054】これに対し、図7(a)に示すように、電
気熱変換素子58の長さを電気熱変換素子57の長さと
同じにし、電気熱変換素子57の吐出口側からの位置関
係を変えずに、かつ、電気熱変換素子58の後端部とノ
ズルの共通液室側の端部までの距離が第3実施例と同じ
になるような比較例3を作成したところ、大液滴の発泡
中心とノズル後端との距離CR4はCR5に比べて大き
くなり、また、ノズル長L1もLに比べて長くなった。
前述の第1実施例と同様の印字試験を行なったところ、
駆動周波数が低い領域ではいずれも良好に印字を行なえ
たが、駆動周波数が高い領域では、実施例3が良好なま
まであるのに対し、比較例3ではサテライトが目立つよ
うになっていた。
【0055】このように、本実施例の場合でも、リフィ
ル時間を短縮し、高速駆動することが可能となる。
【0056】なお、本実施例において、それぞれの電気
熱変換素子の最低印加電圧をそろえる方法としては、第
1実施例、第2実施例いずれの方法でもよく、これらを
組み合わせたものであってもよい。これは、前述の各実
施例についても適用することができる。
【0057】以上、本発明の要部の実施例について説明
を行なったが、本発明に適用可能な他の適用例につい
て、以下に説明する。なお、特に断りのない限り、以下
の各適用例は本発明のいずれの実施例にも適用可能であ
る。
【0058】まず、2つの電気熱変換素子の面積につい
て補足する。
【0059】上述の各実施例では、2つの電気熱変換素
子の面積はほぼ等しかったが、大液滴の発泡中心を、2
つの電気熱変換素子の中央部より後方にするためには、
吐出口に近い側の電気熱変換体の面積より、吐出口から
遠い側の電気熱変換体の面積が等しいか、大きいことが
望ましい。このことは、2つのヒータによる小液滴、大
液滴の階調記録を行なう場合、吐出ばらつきなどまで考
慮に含めた実際の階調性を高めることになるので、高階
調の点からも望ましいものである。なお、2つの電気熱
変換素子の面積が等しい場合は、大液滴の発泡中心は、
それぞれの電気熱変換素子の重心同士を結ぶ線分の中点
となる。
【0060】次に、本発明の記録ヘッドを従来のインク
ジェット記録装置に搭載する場合について説明する。
【0061】本発明の記録ヘッドは、その設計の条件に
よれば、従来の記録ヘッドが搭載されるインクジェット
記録装置に搭載すると、本来のヘッドの記録特性(すな
わち、大小の液滴による階調記録)は実現されないにし
ても大液滴の吐出により従来の記録ヘッドと同等の記録
性能を達成させることもできる。
【0062】この場合、新しいインクジェット記録ヘッ
ドは、従来ヘッドとの互換性を維持するために、記録時
に消費する電力量も従来のインクジェット記録ヘッドの
それよりも大きくなることは許されない。しかし、電気
熱変換素子を1つから2つに分割した場合、電気熱変換
素子の全面が発泡に寄与するわけではないので、電気熱
変換素子の合計面積が1つの電気熱変換素子の面積より
も大きくしないと、同じ大きさのインク滴は吐出できな
くなる。よって、2つの電気熱変換素子の場合、1つの
電気熱変換素子の場合と同じ吐出量になるよう電熱変換
素子の面積を設定すると、当然消費される電力量も大き
くなるとともに、ヒータの配置によっては上述した各種
比較例のように、高速記録に不向きなヒーターは位置に
ならざるをえない場合がある。
【0063】そこで、本願発明を適用することにより、
高速記録にも対応でき、かつ、記録時に消費する電力量
も従来と同じ記録ヘッドを提供することができる。この
場合、流用するノズル形状などに応じて、発泡中心の位
置、及びノズル内でのヒータ位置を適宜定めることで、
従来の記録装置に搭載した場合には従来ヘッドに対する
完全な互換性を実現すると共に、本来の性能を発揮させ
ることのできる記録装置に搭載したときには、高速かつ
高階調・高画質な記録を実現することができる。
【0064】このように従来の記録ヘッドに対する互換
性を保持させることで、消費量の増大が見込まれること
から大量に生産することが可能となり、単に製造装置の
一部流用による生産コストの低減より一層の生産コスト
を引き下げることが可能となり、製品をより安価に提供
することができる。
【0065】次に、上述の各実施例の記録ヘッドを駆動
可能な等価回路の一例について説明する。
【0066】図8は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドを駆動する等価回路の一例を示す説明図である。図8
では前述したシフトレジスターラッチ回路19,20を
詳細に示す。シフトレジスター36には、CLK信号線
37とシリアルデーター線35とが入力され、シリアル
データーをクロック信号によりシフトレジスタ36に展
開する。シフトレジスタ36に入力されたデーターはラ
ッチ33にラッチ信号線34からのラッチ信号で、保持
される。次に、イネーブル信号32はANDゲート31
に接続され、ラッチ33のデーターをトランジスター1
1に印加するタイミング信号を入力する。イネーブル信
号32がある2本あるため吐出ヒーター22a,22b
は同時でもタイミングをずらしても駆動可能である。実
際の小液滴吐出と大液滴吐出の選択は該2本のイネーブ
ル信号線にスイッチングすることにより、吐出ヒーター
22aのみによる印字及び吐出ヒーター22a,22b
の両者を駆動した印字を選択することが可能である。最
後に、各実施例の記録ヘッドを装着可能な記録装置の一
例について説明する。
【0067】図9は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドが搭載されるインクジェット記録装置の一例の外観図
を示す。このインクジェット記録装置IJRAは、駆動
モーターの2010の正逆回転に連動して駆動力伝達ギ
ア2020、2030を介して回転するリードスクリュ
ウ2040を有する。本発明のインクジェット記録ヘッ
ドとインクタンクとが一体化されたインクジェットカー
トリッジIJCが搭置されるキャリッジHCは、キャリ
ッジ軸2050及びリードスクリュウ2040に支持さ
れ、リードスクリュウ2040の螺旋溝2041に対し
て係合するピン(不図示)を有しており、リードスクリ
ュウ2040の回転にともなって、矢印a,b方向に往
復移動される。
【0068】ここで、インクジェット記録ヘッドがイン
クジェット記録装置に搭載されるときには、不図示の電
気的接続部により記録ヘッドと記録装置との電気的接続
がなされ、記録ヘッドは記録装置に設けられた不図示の
電気信号供給手段から、熱エネルギーによる発泡のため
の電気信号を受けることができる。
【0069】2060は紙押さえ板であり、キャリッジ
移動方向にわたって紙Pを被記録媒体を搬送する搬送手
段を構成するプラテンローラ2070に対し押圧する。
2080および2090はフォトカプラで、これらは、
キャリッジHCに設けられたレバー2100のこの域で
の存在を確認してモーター2010の回転方向切り換え
等を行うためのホームポジション検知手段として動作す
る。
【0070】2110は記録ヘッドの全面をキャップす
る部材であり、支持部材2120により支持されてい
る。2130はこのキャップ内を吸収する吸収手段であ
り、キャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引回復を行
う。記録ヘッドの端面をクリーニングするクリーニング
ブレード2140は、前後方向に移動可能に部材215
0に設けられており、これらは本体支持板2160に支
持されている。ブレード2140はこの形態に限定され
ず、周知のクリーニングブレードが本例に適用できるこ
とはいうまでもない。
【0071】また、2170は吸引回復の吸引を回復す
るためのレバーであり、キャリッジHCと係合するカム
2180の移動にともなって移動するようになってお
り、これにより駆動モーター2010からの駆動力がク
ラッチ切り換え等の周知の伝達手段で移動制御される。
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復はキャ
リッジHCがホームホジション側領域にきたときにリー
ドスクリュウ2040の作用によってそれらの対応位置
で所望の処理が行えるように構成されているが、周知の
タイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例には
何れも適応できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録ヘッ
ドによれば、大液滴の発泡中心(2つの電気熱変換素子
を1つの電気熱変換素子としたときの重心位置)を、2
つの電気熱変換素子を1つの大きな電気熱変換素子とし
てとらえた場合の電気熱変換素子の中央部より後方(イ
ンク供給方向における上流側)に配置することができる
ので、発泡中心がより後方(反オリフィス側)に移動
し、発泡中心から後方の流抵抗が減少し、インクがノズ
ル後端よりリフィルされ易くなり、リフィル時間は短く
なる。従って、高速かつ高階調・高画質な記録を実現す
ることができる。
【0073】さらに、本発明の記録ヘッドは、従来の記
録ヘッドの製造装置を流用することで低コスト化が実現
できるほか、従来の記録ヘッドに対する互換性を保持さ
せることも容易に実現できるので、消費量の増大が見込
まれることから大量に生産することが可能となり、より
一層の生産コストを引き下げることが可能となり、製品
をより安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるインクジェット記録
ヘッドのノズル周りの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例によるインクジェット記録
ヘッドの説明図であり、(a)はノズル詳細図、(b)
は(a)のA−A線に沿った電気熱変換素子の断面図、
(c)は(a)のB−B線に沿った電気熱変換素子の断
面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるインクジェット記録
ヘッドの発泡状態図であり、(a)は小液滴、(b)は
大液滴の発泡状態を示す。
【図4】本発明の第1実施例と比較例の大液滴の発泡状
態を比較した模式図であり、(a)は第1実施例、
(b)及び(c)は比較例の発泡状態を示す。
【図5】本発明の第2実施例によるインクジェット記録
ヘッドの説明図であり、(a)はノズル詳細図、(b)
は(a)のD−D線に沿った電気熱変換素子の断面図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例によるインクジェット記録
ヘッドの大液滴の発泡状態を説明する説明図である。
【図7】本発明の第3実施例と比較例のインクジェット
記録ヘッドを比較した模式図であり、(a)は第3実施
例、(b)は比較例のインクジェット記録ヘッドのノズ
ル詳細図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドを駆動する
ことができる等価回路の一例を示す説明図である。
【図9】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の
一例を示す斜視図である。
【図10】従来例によるインクジェット記録ヘッドのノ
ズル詳細図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の
C−C線に沿った断面図である。
【符号の説明】
40 オリフィス 53、54、55、56、57、58 電気熱変換素子 71 シリコン基板 72 抵抗層 73 配線層 74 保護膜層 75 保護膜下層 76 保護膜上層 109 吐出ノズル(ノズル) 112、113、114、115 発泡泡 114 小ドロップ(小液滴) 115 大ドロップ(大液滴)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口と、該イ
    ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
    る2つの電気熱変換素子と、該2つの電気熱変換素子を
    備えるとともに前記吐出口に連通するインク流路と、を
    備え、前記2つの電気熱変換素子のうち吐出口に近い側
    の電気熱変換素子が駆動信号を受けて前記熱エネルギー
    を発生し、前記吐出口から液滴を吐出する第1の吐出モ
    ードと、 前記2つの電気熱変換素子の両方が駆動信号を受けて前
    記熱エネルギーを発生し、前記吐出口から前記第1のモ
    ードより大きな吐出量の液滴を吐出する第2の吐出モー
    ドと、を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、 前記2つの電気熱変換素子のうち吐出口から遠い側の前
    記電気熱変換素子のインク吐出方向の長さが、もう一方
    の電気熱変換素子のそれに比ベ短いことを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記2つの電気熱変換素子は前記インク
    を吐出するために必要な最低印加電圧が実質的に同一で
    あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記吐出口から遠い側の前記電気熱変換
    素子の面積が、もう一方の電気熱変換素子の面積以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記2つの電気熱変換素子が前記インク
    流路内でインク吐出方向に関し、平行に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記2つの電気熱変換素子が前記インク
    流路内でインク吐出方向に関し、直列に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記オリフィスから遠い方の前記電気熱
    変換素子の保護膜の厚みが、もう一方の電気熱変換素子
    のそれに比べ厚いことを特徴とする請求項2記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記オリフィスから遠い方の前記電気熱
    変換素子の保護膜の熱伝導率が、もう一方の電気熱変換
    素子のそれに比べ低いことを特徴とする請求項2記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 インクを吐出するための吐出口と、該イ
    ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
    る2つの電気熱変換素子と、該2つの電気熱変換素子を
    備えるとともに前記吐出口に連通するインク流路と、を
    備えるインクジェット記録ヘッドと、 該ヘッドを載置するための載置手段と、を具備し、 前記2つの電気熱変換素子のうち吐出口に近い側の電気
    熱変換素子が駆動信号を受けて前記熱エネルギーを発生
    し、前記吐出口から液滴を吐出する第1の吐出モード
    と、 前記2つの電気熱変換素子の両方が駆動信号を受けて前
    記熱エネルギーを発生し、前記吐出口から前記第1のモ
    ードより大きな吐出量の液滴を吐出する第2の吐出モー
    ドと、を有するインクジェット記録装置において、 前記2つの電気熱変換素子のうち、吐出口から遠い側の
    前記電気熱変換素子のインク吐出方向の長さが、もう一
    方の電気熱変換素子のそれに比ベ短いことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記2つの電気熱変換素子は前記インク
    を吐出するために必要な最低印加電圧が実質的に同一で
    あるとともに、前記熱エネルギーを発生させるための電
    気信号供給手段を有することを特徴とする請求項8に記
    載のインクジェット記録装置。
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