JP2000127405A - 液体吐出ヘッド、その駆動方法および液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、その駆動方法および液体吐出装置

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JP2000127405A
JP2000127405A JP30910498A JP30910498A JP2000127405A JP 2000127405 A JP2000127405 A JP 2000127405A JP 30910498 A JP30910498 A JP 30910498A JP 30910498 A JP30910498 A JP 30910498A JP 2000127405 A JP2000127405 A JP 2000127405A
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electrothermal
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discharge
ink
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Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質記録を可能にする液体吐出ヘッド、そ
の駆動方法および液体吐出装置を提供する。 【解決手段】 液体を吐出するための吐出口40を有す
る複数の液流路104の中の一つの液流路に対応して、
前記液体を吐出させることなく発泡させるためのみの第
1の電気熱変換素子(ヒータ2a)および前記液体を発
泡させて吐出させるための第2の電気熱変換素子(ヒー
タ2b)が設けられている。第1のヒータ2aを駆動す
ることで、メニスカスの位置を変動させ、その後所定の
タイミングで第2のヒータ2bを駆動することで液滴体
積を変調して吐出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、ワープロ、ホストコンピュータの記録のための出
力用端末としてのプリンタ、ビデオプリンタ等に用いら
れる液体吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド、該
ヘッドにタンクを含めたインクジェットヘッドカートリ
ッジ、その駆動方法および液体吐出装置としてのインク
ジェット装置に関し、特にインクを吐出するためのエネ
ルギとして熱エネルギを発生する電気熱変換素子を形成
した基体を有する液体吐出ヘッド、その駆動方法および
該ヘッドを用いる液体吐出装置に関する。
【0002】ここで、記録とは、布、糸、紙、シート材
等のインク付与を受けるインク支持体全てへのインク付
与等(プリント)を含むもので、また、文字等の意味の
ある画像だけでなく、パターン画像等の無意味な画像を
も含むものである。液体吐出装置のうち記録装置は、各
種情報処理装置全てあるいはその出力器としてのプリン
タを含むものであり、本発明はこれらへの用途が可能な
ものである。
【0003】
【従来の技術】インクを吐出して記録紙等の被記録媒体
上に記録を行うインクジェット記録装置に関しては、装
置の小型化の容易性や低騒音性等の観点から多くの製品
が製造されている。
【0004】そして、近年さらに小型化を図ることや高
画質、特に高画質カラー記録を行うことに対する要求が
高まってきている。このような要求を満たすための構成
として、一つの基板上に形成される吐出エネルギ発生素
子の数を増し、吐出ノズルの数を増やすことにより高密
度高速印字を行う方法が主として採用されている。
【0005】また、高画質化の一つの方向性として、特
公昭62−48585号公報には、1ノズル内に複数の
電気熱変換素子を設けた構成が開示され、このような電
気熱変換素子を夫々独立に制御駆動することで、発熱面
積を異ならせ吐出されるインク滴のサイズを変調し、高
画質記録を実現する階調記録方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者ら
が、1ノズル内に設けた複数の電気熱変換素子を用い
て、電気熱変換素子を夫々独立に制御駆動することで、
発熱面積を異ならせ吐出されるインク滴のサイズを変調
して高画質の多階調記録を行う階調記録方法を検討した
ところ以下のことが判明した。
【0007】1ノズル内から種々の体積の液滴を吐出さ
せる場合、その液滴速度と吐出体積との間には相関があ
り、吐出体積の大きい液滴は速度が速く、吐出体積の小
さい液滴は速度が小さいことが判明した。このことは、
液滴の吐出体積によって液滴の吐出速度が異なることを
意味し、複数のノズルを配設して多値画像を形成しよう
とした場合に、被記録媒体への着弾位置が異なり、画質
を劣化させ、精細な多値画像を形成できないことを意味
するものである。
【0008】また、最も大きな課題として、吐出体積の
小さい液滴の速度が極めて遅く勢いの無いものとなり、
吐出方向が曲がったりして安定しないという問題があ
る。
【0009】さらに、吐出しない時間が比較的長くなる
と、オリフィス(吐出口)近傍のインク粘度が水分の蒸
発によって高くなり、その増粘物によりオリフィスが詰
まり、インクの不吐出を招いたりして安定して液滴を吐
出することが困難で、実質的に吐出量を変調できる範囲
が極めて限られているのが現状である。
【0010】このように、吐出体積の小さい液滴の速度
が極めて遅いことに起因して安定した記録を行えない原
因として、吐出液滴の体積を決定する要因の一つである
吐出エネルギ発生素子と吐出口との間の距離を極めて短
く構成することが、ヘッドの製法上あるいはヘッドの機
械的強度における信頼性上の観点から困難であることが
挙げられる。このことは、吐出エネルギ発生素子前方の
インク体積を少なくすることには限界があり、吐出エネ
ルギ発生素子前方の流路抵抗が大きく、小さい液滴を安
定して吐出することが困難であることを意味している。
【0011】そこで、本発明は、前記した課題を解決
し、高階調の高画質記録を可能にし、特に、小さい液滴
も速度を低下させることなく安定して吐出することので
きる液体吐出ヘッド、その駆動方法および液体吐出装置
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するための吐
出口を有する複数の液流路と、一つの液流路に対応して
設けられた、前記液体を吐出させることなく発泡させる
ためのみの第1の電気熱変換素子および前記液体を発泡
させて吐出させるための第2の電気熱変換素子と、を有
することを特徴とする。
【0013】前記第1および第2の電気熱変換素子は、
前記液流路に、その長さ方向に直交する方向に並列に配
列されていてもよい。
【0014】また、前記第1および第2の電気熱変換素
子は、前記液流路に、その長さ方向に直列に配列されて
いてもよい。
【0015】さらに、前記吐出口は前記第1および第2
の電気熱変換素子の上面に沿う方向に配されているか、
前記第1および第2の電気熱変換素子に対向する方向に
配されていてもよい。
【0016】前記第2の電気熱変換素子は、前記液流路
の前記吐出口と前記第1の電気熱変換素子との間に配列
されていることが好ましい。
【0017】なお、前記第1および第2の電気熱変換素
子の上には、それぞれ異なる厚さの保護膜が設けられて
おり、これらの膜厚の相違により前記第1および第2の
電気熱変換素子が前記液体に与える熱エネルギが異なる
か、または、前記第1および第2の電気熱変換素子は、
それぞれ異なる面積を有し、これらの面積の相違により
前記第1および第2の電気熱変換素子が前記液体に与え
る熱エネルギが異なってもよい。
【0018】さらに、前記液体はインクであってもよ
い。
【0019】また、上記課題を解決するための本発明の
液体吐出ヘッドの駆動方法は、前記液体吐出ヘッドの駆
動方法であって、前記第2の電気熱変換素子の駆動周期
の中、少なくとも一回前記第1の電気熱変換素子を駆動
し、メニスカス位置が吐出口に対して凸あるいは凹状態
のときに液体の吐出を行うことを特徴とする。
【0020】ここで、前記第1および第2の電気熱変換
素子の駆動はパルス電圧を印加することにより行われ、
前記第1の電気熱変換素子の駆動電圧が前記第2の電気
熱変換素子の駆動電圧より低いか、前記第1および第2
の電気熱変換素子の駆動パルス電圧を印加することによ
り行われ、前記第1の電気熱変換素子のパルス幅が前記
第2の電気熱変換素子のパルス幅より狭いものであって
もよい。
【0021】さらに、上記課題を解決するための本発明
の液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドが搭載される
液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの駆動条件
を異ならせて吐出を行わせるモード切換制御手段を備え
ることを特徴とする。
【0022】ここで、前記モード切換制御手段は、前記
第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少なくとも一回
前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位置が
吐出口に対して凸あるいは凹状態のときに液体の吐出を
行う第1のモードと、前記第2の電気熱変換素子の駆動
周期の中、少なくとも一回前記第1の電気熱変換素子を
駆動し、メニスカス位置が吐出口に対して凹状態のとき
に液体の吐出を行う第2のモードと、少なくとも前記第
2の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位置が吐出口
に対して定常状態のときに液体の吐出を行う第3のモー
ドと、に切換可能であることが好ましい。
【0023】本発明の液体吐出ヘッドによれば、一つの
液流路に対応して、液体を吐出させることなく発泡させ
るためのみの第1の電気熱変換素子および液体を発泡さ
せて吐出させるための第2の電気熱変換素子が設けられ
ているので、まず第1の電気熱変換素子を駆動すること
で液体を吐出させることなく発泡させることができ、こ
れによって吐出口におけるメニスカスの位置を変動させ
ることができる。次いで、このメニスカスの所定の位置
に対応させて液体を発泡させて吐出させるための第2の
電気熱変換素子を駆動することで、吐出体積が変調され
た液滴を吐出することができる。従って、多値の高階調
画像記録を行うことができる。
【0024】本発明の液体吐出ヘッドの駆動方法によれ
ば、第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少なくとも
一回前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位
置が吐出口に対して凸あるいは凹状態のときに液体の吐
出を行うので、上述のように、吐出体積が変調された液
滴を吐出することができ、多値の高階調画像記録を行う
ことができる。なお、メニスカス位置が凹状態のときに
第2の電気熱変換素子を駆動すれば、小さい液滴であっ
ても吐出速度を低下させることなく安定して吐出させる
ことができる。
【0025】さらに、本発明の液体吐出装置によれば、
液体吐出ヘッドの駆動条件を異ならせて吐出を行わせる
モード切換制御手段を備えているので、記録画像に応じ
た最適のモードに切り換えることができ、便利である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0027】図1は、本発明の液体吐出ヘッドとしての
インクジェットヘッド(以下、単にヘッドともいう)の
基本的態様の一例を示す断面図であって、(a)〜
(e)は本発明の作動原理を説明するためのものであ
る。
【0028】本実施形態におけるヘッドでは、インクが
液流路104の後方の共通液室110より供給され、イ
ンク吐出口40から吐出されるが、該液流路104には
第1および第2の電気熱変換素子としての第1および第
2のヒータ2a、2bがその長さ方向に沿って前後に直
列に配設されている。ここで、第1のヒータ2aはイン
クを吐出させることなく発泡させるためのみのメニスカ
ス位置制御用であり、第2のヒータ2bはインクを発泡
させて吐出させる吐出用である。図1(a)に示す第1
および第2のヒータ2a、2bが共に駆動されない定常
時には、メニスカスMは吐出口40の外表面近傍に形成
されている。
【0029】そこで、第1のヒータ2aに、図2に示す
ような駆動電圧パルスが印加されると、図1(b)に示
すように、インクの発泡が生じ、吐出口40においてメ
ニスカスMが凸状態に突出するが、この第1のヒータ2
aは上述のように、インクを吐出させることなく発泡さ
せるためのみに設定されておりインクは吐出されない。
【0030】次いで、図1(c)に示すように、第1の
ヒータ2aの駆動によって発生された気泡の消泡に伴い
上述の突出したメニスカスMが戻り、さらに慣性により
メニスカスMはノズルの液流路104内に引き込まれた
凹状態となる。このメニスカスMの後退位置は発生した
気泡の大きさと、液流路104の後部への共通液室11
0からのインクリフィルのし易さ、すなわち、電気熱変
換素子後部の液流路抵抗とによって決定される。
【0031】さらに、図1(d)に示すように、例えば
メニスカスMの後退位置において、第2のヒータ2bを
図2に示すような駆動電圧パルス(電圧の大きさまたは
パルス幅が第1のヒータ2aの場合とは異なる)を印加
して駆動することにより、図1(e)に示すように、小
体積のインク液滴Dを吐出させる。このメニスカスMの
後退位置においては、上述のように、第2のヒータ2b
前部のインク液の量が通常のメニスカスを後退させない
場合よりも少なく、流路抵抗が小さいので、小さい液滴
でも高速で安定して吐出することが可能となる。
【0032】なお、第2のヒータ2bを図1(b)から
図1(c)に移行する間の所定のメニスカス位置におい
て駆動することにより、インク液滴Dの体積を変えるこ
とができる。すなわち、メニスカスMが凸状態において
第2のヒータ2bを駆動すれば、定常的なインク液滴よ
りも大きな体積の液滴が吐出され、メニスカスMが凹状
態において第2のヒータ2bを駆動すれば、定常的なイ
ンク液滴よりも小さな体積の液滴が吐出される。
【0033】このように、記録画像の濃度に応じて、各
ノズル毎にメニスカスの位置を制御して吐出体積を変調
することにより多値の画像記録を行う(第1モード)こ
ともできるし、メニスカスが後退した位置で小体積のイ
ンク液滴を安定に吐出させることで高画質記録を行う
(第2モード)こともできるし、さらに、メニスカスの
位置制御を行うことなく通常の大きさのインク液滴で記
録する(第3モード)こともできる。
【0034】また、第1および第2のヒータ2a、2b
の駆動方法としては、図2に示すように、所定電圧をプ
レパルスとメインパルスに分割して付与するのが好まし
い。本発明においては、インク発泡の制御、すなわち、
メニスカスの位置の制御は、電圧(Vop)やプレパル
ス、メインパルスのパルス幅(t1,t3)およびパル
ス間隔(t2)を変えるか、あるいはプレパルスを複数
にするか等の第1のヒータ2aの駆動条件を、第2のヒ
ータ2bの駆動条件に対して変えることにより行うこと
ができる。
【0035】なお、インク発泡の制御のために、ヒータ
2a、2bを同一の駆動パルスで駆動しても構わない。
この実施の形態の場合には、発泡エネルギを変えるべく
第1および第2のヒータ2a、2bの面積を異ならせる
か、保護膜の膜厚あるいは膜材質を変えればよい。すな
わち、第1のヒータ2aの表面積に比べ第2のヒータ2
bの表面積を大きくする。また、表面積を等しくする場
合には、第1のヒータ2aの保護膜に比べ第2のヒータ
2bの保護膜を薄くするのである。
【0036】また、上述の実施の形態では、第1および
第2のヒータ2a、2bが液流路104の長さ方向に沿
って前後に直列に配設されている例につき説明したが、
これらの第1および第2のヒータ2a、2bは液流路1
04の長さ方向に直交する方向に並列に配設されてもよ
い(図8参照)。
【0037】さらに、本実施の形態では、図1に示すよ
うに、ヒータ2a、2bの上面に沿う方向に液体を吐出
させる、いわゆるエッジシュータタイプのヘッドを例示
して説明したが、本発明はこれに限定されることなく、
ヒータに対向する方向に液体を吐出させる、いわゆるサ
イドシュータタイプのヘッドにも適用されるものであ
る。
【0038】
【実施例】以下図面を参照しながら本発明について詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではないことは言うまでもない。また本実施例において
は、吐出に利用される液体として水系インクを例として
取扱っているが、これらに限定されることなく、本発明
を利用して吐出可能な液体噴射記録ヘッドであれば、い
かなる液体であっても構わない。まず、本発明の実施例
に係るインクジェットヘッドの基本的構成と製造方法に
ついて記載する。
【0039】本発明において、電気熱変換素子は、一つ
の液流路(以下、ノズルともいう)に対して二種類設け
られており、各電気熱変換素子の構成は、例えば図3
(a)、(b)に示されている。
【0040】図3は、電気熱変換素子基板に形成した変
換素子の形状を示す平面図(a)とそのA−A断面図
(b)である。
【0041】電気熱変換素子は、熱を発生する発熱抵抗
素子(以下、ヒータとも称する)2と、このヒータ2に
半導体の生産に用いられる薄膜プロセスによって接続さ
れた電極3A,3Bとで構成されている。そして、前記
二つの電極間に電圧を印加することで、ヒータ2に電流
を流して発熱させる。ヒータ2で生じた熱には図3
(a)で示す矢印107の方向、すなわち、平面方向に
放熱するものと、同図(b)で示す断面方向で放熱する
成分がある。
【0042】ヒータ2は熱伝導性の低い材料で構成され
る蓄熱層105とインクに対するヒータ2の保護のため
に形成される保護膜103、および発泡したインクが消
泡する際に生じる衝撃波に対する耐キャビテーション膜
102とで挟まれたサンドイッチ構造となっている。基
体106としてはシリコン基板が用いられる。それぞれ
の層の厚みは、ヒータ2の熱がより効率良くインク10
8に伝えられるように決められ、本発明の場合は、耐キ
ャビテーション膜102は0.1〜1.0μm、保護膜
103は0.3〜2.0μm、蓄熱層105は0.5〜
5.0μm程度のものが用いられ、基体106は0.5
〜1.0mmとされる。
【0043】これら各層の成膜やパターニング、エッチ
ング等の加工は、汎用的な半導体製造プロセスを応用し
て作製することが可能である。また、基板を用いてイン
クジェット記録ヘッドを作製する手段の一例としては、
射出成形でインク供給口、共通インク室、およびノズル
を形成した樹脂製の天板にエキシマレーザによりインク
吐出口を形成して、ノズルとヒータを位置合わせしつつ
接合し、バネ等で固定した後、接合面を封止材等により
封止することでインクジェットヘッドを作製できる。
【0044】ここで、インクを水系インクとした場合、
耐キャビテーション層102とインク108の接する面
の温度を約300℃とすることにより、インク10に発
泡が生じる。ヒータ2は、耐熱温度や保護膜103や蓄
熱層105との熱膨張係数の差による応力のため、前記
表面温度が約700〜800℃を越えると耐久性が急激
に悪くなる。従って、表面温度を上記の範囲にコントロ
ールすることが望ましい。
【0045】このことを、図4のヒータの表面温度分布
を示すグラフを用いて説明する。図4中のa−a′は図
3(a)のヒータ2の幅に対応するものであり、耐キャ
ビテーション層102の表面温度分布をTempAで示
す。ΔT1は発泡開始温度で約300℃であり、ΔT2
は耐久性が急激に変化する温度であり、用いる薄膜材料
によって変化するが、通常約700〜800℃である。
TempAでΔT1〜ΔT2温度領域の範囲が実際にヒ
ータ表面でインクが発泡する領域であり、b−b′で示
される範囲である。
【0046】ここで、図4に示すように、ヒータ中央部
の温度分布はフラットである。フラット部分では極めて
安定的に発泡/消泡が繰り返されるため、この領域が大
きい方が安定的な印字性能を得ることができる。ヒータ
端部に近ずくと、図3(a)の矢印で示した平面方向の
放熱があるため、徐々に温度が低くなってゆき、WAで
はヒータ上でありながらインクを発泡させられない非発
泡領域となる。さらに、ヒータの外側WBは、前記平面
方向の放熱により、いくらかの昇温が観察されるのみで
ある。
【0047】上記基本的特性に基づいて本発明の一実施
例を説明する。
【0048】図5は、1ノズル内に2種の電気熱変換素
子を形成した素子基板の基本的態様を示している。基板
100上には第1および第2の電気熱変換素子2A,2
Bが形成され、第1の電気熱変換素子2Aには3A、3
Bの配線によって電圧パルスが印加される。また同様
に、第2の電気熱変換素子2Bに対しては配線3A、3
Cによって電圧パルスが印加される。なお、配線3Aに
対しては絶縁膜の下を這い回したアルミ配線がスルーホ
ールを介して接続されている。図5において、上方側に
(不図示の)吐出口が位置され、第2の電気熱変換素子
2Bは、液流路の吐出口と第1の電気熱変換素子2Aと
の間に配列されている。そして、第2の電気熱変換素子
2Bの表面積は、第1の電気熱変換素子2Aの表面積よ
りも大きく形成されている。
【0049】図6は本発明の実施例に係わるインクジェ
ットヘッドの素子基板を構成する素子の配置を示す。素
子基板の上にはノズル壁5が設けられ、各ノズル壁5の
間の吐出ノズル内には表面積の小さな発熱抵抗体2aと
大きな発熱抵抗体2bの二つのヒータが配設されてい
る。夫々のヒータはスルーホール4を介してヒータの下
層の層間絶縁膜の下にあるコモン配線1と接続されてお
り、このコモン配線1より電圧を印加される。配線6お
よび7は夫々、ヒータ2aおよび2bをスイッチングト
ランジスタ11および10にスルーホール16を介して
接続する。
【0050】スイッチングトランジスタ10および11
も、ヒータ下層の層間絶縁膜の下に配設されている。さ
らにトランジスタ10および11のON/OFFを制御
するため、信号配線17および18がトランジスタ10
および11とシフトレジスタラッチ回路19および20
に接続されている。これにより、ヒータの駆動を、シフ
トレジスタラッチ回路で取込んだデータによりトランジ
スタをON/OFFさせて制御する。また、グランド配
線12,13,14および15は夫々スイッチングトラ
ンジスタ8,9,10および11のエミッタに接続され
る。
【0051】図6のインクジェットヘッドを駆動させる
等価回路を図7に示す。図7ではシフトレジスタラッチ
回路19,20を詳細に示す。シフトレジスタ36に
は、CLK信号線37とシリアルデータ線35とが入力
され、シリアルデータをクロック信号によりシフトレジ
スタ36に展開する。シフトレジスタ36に入力された
データはラッチ33にラッチ信号線34からのラッチ信
号で保持される。次に、イネーブル信号線32はAND
ゲート31に接続され、ラッチ33のデータをトランジ
スタ11に印加するタイミング信号を入力する。イネー
ブル信号線32が2本あるためヒータ2a,2bは同時
でも、あるいはタイミングをずらしても駆動可能であ
る。
【0052】実際の記録時における第1ないし第3モー
ドの選択に関しては、2本のイネーブル信号線32での
スイッチングのタイミングを制御することにより行うこ
とができる。
【0053】すなわち、記録画像の濃度に応じて、各ノ
ズル毎にメニスカスの位置を制御して吐出体積を変調す
ることにより多値の画像記録を行う第1モードの場合に
は、イネーブル信号線32の一方でトランジスタ11を
ONさせ、第1のヒータ2aを駆動することによりインク
の発泡のみを生じさせる。そして、この発泡に伴いメニ
スカス位置が変動するが、所定の変動位置に対応するタ
イミングで、イネーブル信号線32の他方でトランジス
タ10をONさせ第2のヒータ2bを駆動することにより
インクを吐出させる。
【0054】また、メニスカスが後退した位置で小体積
のインク液滴を安定に吐出させることで高画質記録を行
う第2モードの場合には、第1モードの場合と同様に、
まずイネーブル信号線32の一方でトランジスタ11を
ONさせ、第1のヒータ2aを駆動することによりインク
の発泡のみを生じさせた後、この発泡に伴うメニスカス
の後退位置に対応するタイミングで、イネーブル信号線
32の他方でトランジスタ10をONさせ第2のヒータ2
bを駆動することによりインクを吐出させるのである。
【0055】さらに、メニスカスの位置制御を行うこと
なく通常の大きさのインク液滴で記録する第3モードの
場合には、イネーブル信号線32の両方でトランジスタ
10および11を同時にONさせ、第1のヒータ2aおよ
び第2のヒータ2bを同時に駆動することによりインク
を吐出させる。
【0056】従来、1ノズル内に二つのヒータを設けて
吐出体積を変調する場合、二つのヒータの面積を異なら
せ、小さい吐出ヒータによる吐出、大きい吐出ヒータに
よる吐出および二つのヒータを同時に駆動することによ
る吐出の3種の液滴を吐出させ、4値の多値画像を形成
する方法が提案されているが、前記したように単に吐出
体積を小さくした場合、液滴の吐出速度は遅くなって画
像の信頼性が低下する場合が多かった。
【0057】ところが、本発明においては、一つのヒー
タにて発生した気泡によりメニスカス位置の変動を誘発
させ、例えば、消泡によりメニスカスが最も後退した位
置に対応するタイミングで他方のヒータを駆動すること
で流路抵抗を小さくし、小液滴の場合でも吐出速度を十
分に速くすることを可能としているのである。
【0058】次に、以上説明した構成のヘッドの要部の
具体的態様の一例を図8に示す。基板素子上には前記し
た第1および第2のヒータ2a,2bが形成(但し、本
例では液流路の長さ方向に直交する方向に並列に配置)
されており、素子基板100は放熱を良好に行うためア
ルミ等で形成したベースプレート41上に接着してあ
る。ベースプレートには基板後方に記録装置とのコンタ
クトを行うための配線基板(図示せず)を接着し、この
配線基板と素子基板は不図示のワイヤーボンディングに
より接続されている。また、天板101は前記したよう
に射出成形で作製され、ノズル104がノズル壁5で仕
切られて形成されている。ノズル前方にはインク吐出口
40がエキシマレーザ加工によって形成されている。
【0059】現在一般的なインクジェットヘッドはノズ
ルピッチが約70.5μmであり解像度360dpiで
作製されている。更に高解像度化を図り、720dpi
のヘッドを作製するためには、ノズルピッチを約35μ
m程度とする必要があるが、このような微細な加工を行
うには製造方法の大幅な変更が必要となる。しかし、本
発明によれば、上述の第2モードを用いて吐出体積を小
さくし、2パスでの印字を行うことにより720dpi
の記録を行うことが可能であり、従来のインクジェット
ヘッドの製造技術を用いたまま高解像度化を図ることが
できる。
【0060】図9は、本発明のインクジェットヘッド5
00と該ヘッドにインクを供給するためのインクタンク
501を結合して作製したインクジェットヘッドカート
リッジを示す斜視図である。
【0061】図10は、以上のようにして構成されるイ
ンクジェット記録ヘッドを用いる本発明の液体吐出装置
としてのインクジェット記録装置の一構成例を示す模式
的斜視図である。このインクジェット記録装置IJRA
は、駆動モータ2010の正逆回転に連動して駆動力伝
達ギア2020,2030を介して回転するリードスク
リュ2040を有する。インクジェット記録ヘッドとイ
ンクタンクとが一体化されたインクジェットカートリッ
ジIJCが載置されるキャリッジHCは、キャリッジ軸
2050およびリードスクリュ2040の螺旋溝204
1に対して係合するピン(図示せず)を有しており、リ
ードスクリュ2040の回転に伴って、矢印a,b方向
に往復移動される。
【0062】2060は紙押さえ板であり、キャリッジ
移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ2070に対
して押圧する。2080および2090はフォトカップ
ラで、これらは、キャリッジHCに設けられたレバー2
100のこの域での存在を確認してモータ2010の回
転方向切替等を行うためのホームポジション検知手段と
して動作する。2110は記録ヘッドの前面をキャップ
するキャップ部材であり、支持部材2120により支持
されている。
【0063】2130はこのキャップ内を吸引する吸引
手段であり、キャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引
回復を行う。記録ヘッドの端面をクリーニングするクリ
ーニングブレード2140は、前後方向に移動可能に部
材2150に設けられており、これらは本体支持板21
60に支持されている。ブレード2140はこの形態に
限定されず、周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることは言うまでもない。また2170は吸引回復
の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジHC
と係合するカム2180の移動に伴って移動するように
なっており、これにより駆動モータ2010からの駆動
力がクラッチ切替等の公知の伝達手段で移動制御され
る。
【0064】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域に
きたときにリードスクリュ2040の作用によってそれ
らの対応位置で所望の処理が行えるように構成されてい
るが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。
【0065】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0066】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0067】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0068】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0069】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0070】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0071】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0072】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0073】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液体吐出ヘッドによれば、一つの液流路に対応して、
液体を吐出させることなく発泡させるためのみの第1の
電気熱変換素子および液体を発泡させて吐出させるため
の第2の電気熱変換素子が設けられているので、まず第
1の電気熱変換素子を駆動することで液体を吐出させる
ことなく発泡させることができ、これによって吐出口に
おけるメニスカスの位置を変動させることができる。次
いで、このメニスカスの所定の位置に対応させて液体を
発泡させて吐出させるための第2の電気熱変換素子を駆
動することで、吐出体積が変調された液滴を吐出するこ
とができる。従って、多値の高階調画像記録を行うこと
ができる。
【0075】また、本発明の液体吐出ヘッドの駆動方法
によれば、第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少な
くとも一回前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニス
カス位置が吐出口に対して凸あるいは凹状態のときに液
体の吐出を行うので、上述のように、吐出体積が変調さ
れた液滴を吐出することができ、多値の高階調画像記録
を行うことができる。なお、メニスカス位置が凹状態の
ときに第2の電気熱変換素子を駆動すれば、小さい液滴
であっても吐出速度を低下させることなく安定して吐出
させることができる。
【0076】さらに、本発明の液体吐出装置によれば、
液体吐出ヘッドの駆動条件を異ならせて吐出を行わせる
モード切換制御手段を備えているので、記録画像に応じ
た最適のモードに切り換えることができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作動原理を説明するための液体吐出ヘ
ッドとしてのインクジェットヘッドの要部を示す断面図
であり、(a)は停止状態、(b)は一つのヒータの駆
動による発泡でメニスカスが凸状態となったとき、
(c)は消泡でメニスカスが凹状態となったとき、
(d)は他のヒータの駆動により発泡が生じたとき、お
よび、(e)は(d)における発泡により小液滴が吐出
された状態を示す。
【図2】ヒータに印加する電圧パルスの形状を示したグ
ラフである。
【図3】電気熱変換素子基板に形成した変換素子の形状
を示す平面図(a)とA−A断面図(b)である。
【図4】電気熱変換素子の発泡領域を説明するためのグ
ラフである。
【図5】二つのヒータを1つの流路内に配置する構成の
一例を示した平面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るインクジェット記録ヘ
ッドの基体を構成する基板上の素子配置を示す平面図で
ある。
【図7】図6の等価回路を示す図である。
【図8】本発明の液体吐出ヘッドとしてのインクジェッ
トヘッドの要部を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の液体吐出ヘッドを含むインクジェット
ヘッドカートリッジの基本的態様を示す概略斜視図であ
る。
【図10】本発明のインクジェットヘッドカートリッジ
を搭載して記録を行う記録装置の基本的態様を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1 コモン配線 2A,2B,2a,2b 電気熱変換素子 3A,3B,3C,6,7 配線電極 5 ノズル壁 8,9,10,11 スイッチングトランジスタ 12,14,15 グランド配線 17,18 信号配線 19,20 シフトレジスタラッチ回路 31 ANDゲート 32 イネーブル信号 33 ラッチ 34 ラッチ信号線 35 シリアルデータ線 36 シフトレジスタ 37 CLK信号線 38 デコーダー回路 39 デコーダー信号線 40 オリフィス(吐出口) 41 ベースプレート 100 基板 101 天板 102 耐キャビテーション膜 103 保護膜 104 液流路(ノズル) 105 蓄熱層 106 基体

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための吐出口を有する複
    数の液流路と、 一つの液流路に対応して設けられた、前記液体を吐出さ
    せることなく発泡させるためのみの第1の電気熱変換素
    子および前記液体を発泡させて吐出させるための第2の
    電気熱変換素子と、を有することを特徴とする液体吐出
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の電気熱変換素子
    は、前記液流路に、その長さ方向に直交する方向に並列
    に配列されていることを特徴とする請求項1記載の液体
    吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の電気熱変換素子
    は、前記液流路に、その長さ方向に直列に配列されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記吐出口は前記第1および第2の電気
    熱変換素子の上面に沿う方向に配されていることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記吐出口は前記第1および第2の電気
    熱変換素子に対向する方向に配されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第2の電気熱変換素子は、前記液流
    路の前記吐出口と前記第1の電気熱変換素子との間に配
    列されていることを特徴とする請求項3または4に記載
    の液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2の電気熱変換素子の
    上には、それぞれ異なる厚さの保護膜が設けられてお
    り、これらの膜厚の相違により前記第1および第2の電
    気熱変換素子が前記液体に与える熱エネルギが異なるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液
    体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2の電気熱変換素子
    は、それぞれ異なる面積を有し、これらの面積の相違に
    より前記第1および第2の電気熱変換素子が前記液体に
    与える熱エネルギが異なることを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記液体はインクであることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    液体吐出ヘッドの駆動方法であって、 前記第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少なくとも
    一回前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位
    置が吐出口に対して凸あるいは凹状態のときに液体の吐
    出を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記第1および第2の電気熱変換素子
    の駆動はパルス電圧を印加することにより行われ、前記
    第1の電気熱変換素子の駆動電圧が前記第2の電気熱変
    換素子の駆動電圧より低いことを特徴とする請求項10
    に記載の液体吐出ヘッドの駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記第1および第2の電気熱変換素子
    の駆動はパルス電圧を印加することにより行われ、前記
    第1の電気熱変換素子のパルス幅が前記第2の電気熱変
    換素子のパルス幅より狭いことを特徴とする請求項10
    に記載の液体吐出ヘッドの駆動方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    液体吐出ヘッドが搭載される液体吐出装置であって、 前記液体吐出ヘッドの駆動条件を異ならせて吐出を行わ
    せるモード切換制御手段を備えることを特徴とする液体
    吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記モード切換制御手段は、 前記第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少なくとも
    一回前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位
    置が吐出口に対して凸あるいは凹状態のときに液体の吐
    出を行う第1のモードと、 前記第2の電気熱変換素子の駆動周期の中、少なくとも
    一回前記第1の電気熱変換素子を駆動し、メニスカス位
    置が吐出口に対して凹状態のときに液体の吐出を行う第
    2のモードと、 少なくとも前記第2の電気熱変換素子を駆動し、メニス
    カス位置が吐出口に対して定常状態のときに液体の吐出
    を行う第3のモードと、に切換可能であることを特徴と
    する請求項13に記載の液体吐出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100425326B1 (ko) * 2002-06-08 2004-03-30 삼성전자주식회사 잉크젯 프린팅 헤드
KR100510814B1 (ko) * 2001-08-10 2005-08-31 캐논 가부시끼가이샤 잉크 제트 기록 장치, 잉크 제트 기록 헤드 및 잉크 제트기록 방법

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KR100510814B1 (ko) * 2001-08-10 2005-08-31 캐논 가부시끼가이샤 잉크 제트 기록 장치, 잉크 제트 기록 헤드 및 잉크 제트기록 방법
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