JP2002337343A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JP2002337343A
JP2002337343A JP2001146540A JP2001146540A JP2002337343A JP 2002337343 A JP2002337343 A JP 2002337343A JP 2001146540 A JP2001146540 A JP 2001146540A JP 2001146540 A JP2001146540 A JP 2001146540A JP 2002337343 A JP2002337343 A JP 2002337343A
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recording head
ink
ink jet
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Nobuyuki Hatasa
延幸 畑佐
Yukuo Yamaguchi
裕久雄 山口
Hironori Tajima
裕基 但馬
Hiroshi Koizumi
寛 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺の記録幅を有する基板からなり、または
高記録密度のものからなるインクジェット記録ヘッドに
おいても、吐出エネルギー発生素子が配設された基板を
ベースプレート上に接合するに際して、この吐出エネル
ギー発生素子が配設された基板にソリや割れが生じるこ
とがなく、そのために、この吐出エネルギー発生素子が
配設された基板と天板とを平行かつ平滑に接合すること
ができ、高品位の記録を達成することができる。 【解決手段】 ベースプレート基板が、第1のベースプ
レート基板と第2のベースプレート基板から成り、前記
吐出エネルギー発生素子が形成された基板と、前記吐出
エネルギー発生素子が形成された基板と直接に接する第
1のベースプレート基板とが同一素材からなることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッドおよびインクジェット記録装置に係わるもので
あり、特に詳しくは、天板と基板とを備え、これらを接
合することによってインク吐出口に連通する複数のイン
ク流路と共通液室が形成され、吐出エネルギー発生素子
により記録を行うためのインクを吐出するように構成し
たインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記
録ヘッドを用いて構成されたインクジェット記録装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式は、記録に際し、イ
ンクジェット記録ヘッドに設けられた微細な吐出口によ
りインク滴を飛翔させて、そのインク滴を記録媒体に着
弾させることにより所望の記録を行うものである。
【0003】吐出口に連通する液路と、この液路の一部
に対応して設けられる液体を吐出するためのエネルギー
発生体とを有している。
【0004】従来、紙、布、プラスチックシート、OH
P用シート等の記録媒体に対して記録を行う記録装置と
しては、種々の記録方式、例えば、ワイヤードット方
式、感熱記録方式、熱転写方式、インクジェット方式を
用いたインクジェット記録ヘッドを搭載したものが提案
されている。これらのうち、インクジェット方式を用い
た記録装置(インクジェット装置)については、情報処
理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、
電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークスステー
ション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソ
ナルコンピュータ、ホストコンピュータ、ディスク装
置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブ
ルプリンタとして利用され、商品化されている。
【0005】このような従来のインクジェット記録装置
のインクジェット記録ヘッドには、吐出口からインクを
吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発
生素子として、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた
もの、レーザー等の電磁波を照射して発熱させ、この発
熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発
熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱さ
せてインク滴を吐出させるもの等を用いたものがある。
【0006】また、前記インクジェット記録装置におい
て、最近では、ソフトおよびコンピュータの進歩により
カラー画像の出力が求められる状況となり、この状況に
応じてインクジェット記録ヘッドもまたカラー対応を行
っている。このようなカラー化の状況に加えて、画像出
力の高精細化も求められており、インクジェット方式に
おいては印字密度の高密度化やインクの濃度変化で、よ
り高精細、高画質を実現しようとしている。
【0007】ところで、発熱抵抗体によって液体を加熱
させてインク滴を吐出させるインクジェット方式におい
ては、吐出エネルギー発生素子(例えば、電気熱変換素
子)が設けられている基板は、従来、一般的にシリコン
により形成されている。
【0008】そして、インクジェット記録ヘッドは、こ
のような基板を、複数のインク吐出口にそれぞれ連通す
る複数のインク流路を形成するための溝と該複数のイン
ク流路に連通する共通液室とを形成するための凹部を有
する天板とを接合させ、それによってインク吐出口に連
通する複数のインク流路と共通液室を形成し、該吐出エ
ネルギー発生素子により記録を行うためのインクを吐出
させるように構成されている。このような、従来のイン
クジェット記録ヘッドにおいては、インクを吐出させる
吐出エネルギー発生素子を設けたシリコン基板は、ヘッ
ドとしての基準を持つアルミ製のベースプレート基板の
上に直接ダイボンディングされている。
【0009】そして、このダイボンディングに際して
は、銀ペースト等の熱伝導率の良好な接着剤が用いら
れ、熱エネルギーを発生させて熱くなったシリコン基板
の熱を、すばやくアルミ製のベースプレート基板に移動
させて放熱するようにしている。これにより、前記シリ
コン基板内に高熱が蓄熱されることがなくなり、高い周
波数での印字においても良好な印字が得られることにな
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記した構成のインクジェット記録ヘッドにおいて
は、上記シリコン基板がアルミ製のベースプレート基板
上に直接ダイボンディングされているために、このダイ
ボンディングに使われている接着剤の強力な接着力に依
って、シリコン基板のソリや割れ等の不具合が生じてし
まう。具体的には、1インチ以上の印字幅をもつシリコ
ン基板をアルミ製のベースプレート基板上にダイボンデ
ィングした場合に、シリコン基板の熱膨張率が0.42
×10−5に対して、アルミのベースプレートの熱膨張
率が2.37×10−5と非常に大きく、通常、両者の
接合は、約120℃〜150℃と高い温度のキュアで接
合されるために、常温に戻した時にシリコン基板とアル
ミのベースプレートとの収縮する割合が異なっており、
例えば、図7に示されるように,シリコン基板101を
接着剤103によりアルミベースプレート基板102に
接着した場合に、図示されるように、シリコン基板10
1の吐出エネルギー発生素子の配列方向にソリが生じ
る。その結果、天板と基板とを平行かつ平滑に接合する
ことができないことになり、隣り合うインク流路間で基
板との間に隙間が生じ、吐出エネルギー発生素子で発生
した吐出圧が隣のインク流路へと分散され、記録が行わ
れる際にインク吐出速度が不安定となり、また、着弾精
度が低下し、印字の乱れが生じ易くなり、高品位の記録
を達成することが困難となる。
【0011】一方、上記のようなシリコン基板の割れや
ソリを嫌って、両者の熱膨張率を吸収できるようなシリ
コンゴム系の接着剤等でダイボンディングした場合に
は、高記録密度になるほど、アルミベースプレートへの
放熱がスムーズにいかなくなって、結果的にシリコン基
板内に余熱が蓄積されてしまい、特に、高い周波数での
印字が得られなくなる。
【0012】さらに、従来のインクジェット記録ヘッド
では、インクジェット記録装置との位置決め基準をアル
ミベースプレートにもたせてあるために、印字中に発生
熱によって膨張したアルミによって、インクジェット記
録装置の突き当て基準から吐出ノズルまでの距離が延び
てしまい、インクジェット記録ヘッドから吐出されたイ
ンク滴の着弾位置の精度が出難くなってしまう等の問題
がある。
【0013】そこで、本発明は、上記した従来のものに
おける課題を解決し、インクジェット記録ヘッド、とり
わけ、長尺の記録幅を有する基板からなり、または高記
録密度のものからなるインクジェット記録ヘッドにおい
ても、吐出エネルギー発生素子が配設された基板をベー
スプレート上に接合するに際して、この吐出エネルギー
発生素子が配設された基板にソリや割れが生じることが
なく、そのために、この吐出エネルギー発生素子が配設
された基板と天板とを平行かつ平滑に接合することがで
き、高品位の記録を達成することが可能なインクジェッ
ト記録ヘッド、およびインクジェット記録装置を提供す
ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、インクジェット記録ヘッド、およびイン
クジェット記録装置を、次のように構成したことを特徴
とするものである。
【0015】すなわち、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドは、天板と、上面にインクを吐出するための複数の
吐出エネルギー発生素子が形成されベースプレート基板
上に支持されている基板とを備え、前記天板は複数のイ
ンク吐出口にそれぞれ連通する複数のインク流路を形成
するための溝と該複数のインク流路に連通する共通液室
とを形成するための凹部を有し、前記基板との接合によ
って前記インク吐出口に連通する複数のインク流路と共
通液室が形成され、前記エネルギー発生素子により記録
を行うためのインクを吐出させるインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記ベースプレート基板が、第1のベー
スプレート基板と第2のベースプレート基板から成り、
前記吐出エネルギー発生素子が形成された基板と、前記
吐出エネルギー発生素子が形成された基板と直接に接す
る第1のベースプレート基板とが同一素材からなること
を特徴としている。
【0016】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐出エネルギ
ー発生素子が形成された基板と直接に接する第1のベー
スプレート基板とがシリコンからなることを特徴として
いる。
【0017】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐出エネル
ギー発生素子が形成された基板と直接に接する第1のベ
ースプレート基板とがお互いに直接に接する面の面積が
同一であることを特徴としている。
【0018】さらにまた、本発明のインクジェット記録
ヘッドは、前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐出エ
ネルギー発生素子が形成された基板と直接に接する第1
のベースプレート基板との厚さが同一であることを特徴
としている。
【0019】本発明のインクジェット記録ヘッドは、第
2のベースプレートがアルミからなることを特徴として
いる。
【0020】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、第2のベースプレートがアモルファスカーボンから
なることを特徴としている。
【0021】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、第2のベースプレートが窒化アルミからなること
を特徴としている。
【0022】さらにまた、本発明のインクジェット記録
ヘッドは、第2のベースプレートがアルミナからなるこ
とを特徴としている。
【0023】本発明のインクジェット記録ヘッドは、第
2のベースプレートにおいて第1のベースプレートと接
する面とは反対の面に対して吐出方向に溝が形成されて
いることを特徴としている。
【0024】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、第2のベースプレートにおいて第1のベースプレー
トと接する部分のみ、その他の部分の肉厚と比べて薄く
することを特徴としている。
【0025】さらに、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドは、肉厚の厚い面と薄い面とを接合する面と吐出エネ
ルギー発生素子が形成された基板とが接していないこと
を特徴としている。
【0026】さらにまた、本発明のインクジェット記録
ヘッドは、第1のベースプレートにおいて第2のベース
プレートに接する面に穴または溝が形成されたことを特
徴としている。
【0027】本発明のインクジェット記録ヘッドは、第
2のベースプレートにおいて第1のベースプレートに形
成された穴または溝に嵌まる凸部が形成されていること
を特徴としている。
【0028】また、本発明のインクジェット記録装置
は、複数のインク吐出口にそれぞれ連通する複数のイン
ク流路を形成するための溝と該複数のインク流路に連通
する共通液室とを形成するための凹部を有する天板と、
上面にインクを吐出するための複数のインク流路と共通
液室が形成され、吐出エネルギー発生素子により記録を
行うためのインクを吐出させるインクジェット記録ヘッ
ドを有するインクジェット記録装置において、前記イン
クジェット記録ヘッドが上記いずれかのインクジェット
記録ヘッドによって構成されていることを特徴としてい
る。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、上記した構成によっ
て、インクジェット記録ヘッドを、とりわけ、1インチ
以上の印字幅を有する基板によって形成し、あるいは6
00dpi以上の記録密度のものとした場合において
も、吐出エネルギー発生素子が配設された基板をベース
プレート上に接合するに際して、両者の熱膨張率の差に
よって、この吐出エネルギー発生素子が配設された基板
にソリや割れが生じることなく、そのためにこの吐出エ
ネルギー発生素子が配設された基板と天板とを平行かつ
平滑に接合することができ、高品位記録を達成すること
が可能となる。
【0030】本発明のその他の目的、特徴および利点は
以下の添付図面に沿っての詳細な説明により明らかにな
ろう。
【0031】以下に、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】(実施例1)図1(a)乃至図1(c)
は、本発明の実施例における1インチ以上の印字幅を有
する基板によって形成したインクジェット記録ヘッドの
構成を概略的に示す図である。図1(a)において、本
発明のインクジェット記録ヘッドは、ベースプレート基
板1と、アルミベースプレート基板2と、シリコン基板
3と、天板部材4と、印刷回路板5と、チップタンク6
と、フェイス8とを有しており、アルミベースプレート
基板2の上にベースプレート基板1が設けられた2層構
造に構成されており、アルミベースプレート基板2に、
インクジェット記録ヘッドとしてのX基準、Y基準が設
けられている。この場合に、アルミベースプレート基板
2はアルミ材から成り、そして、ベースプレート基板1
の上にシリコン基板3が接着され、天板部材4がその上
にばね7によって押え込まれている。さらに、後方に
は、実装済みの印刷回路板5(PCB)が設けられてお
り、上からチップタンク6が被せられていて、天板部材
4にインクを供給するためのインク供給路10が設けら
れている。また、これらベースプレート基板1と、アル
ミベースプレート基板2と、ヒーターボードをなすシリ
コン基板3と、天板部材4と、印刷回路板5と、チップ
タンク6等は、ビス9のような固着部材によって一体的
に固着されている。
【0033】図2は、図1(a)のA−A拡大断面図で
あって、本発明の特徴を最も良く表わすベースプレート
基板1とアルミベースプレート基板2とを2層構造とし
た構成を示す図である。
【0034】図示されるように、インクを吐出させるた
めの吐出エネルギーを発生させるヒーターボードとして
のシリコン基板3は、温度を上昇させるための根源であ
り、この場合に、シリコン基板3とベースプレート基板
1とは、接着力の非常に強力な、銀ペーストなどの熱伝
導率の良い接着剤によってダイボンディングされてお
り、ベースプレート基板1には同一素材であるシリコン
部材が用いられている。
【0035】これによって、ベースプレート基板1とシ
リコン基板3とは、単体の剛体と見なすことができ、ア
ルミベースプレート基板2との熱膨張率の差から生ずる
応力に対する剛性が、従来技術におけるシリコン基板3
に直接にアルミベースプレート基板2をダイボンディン
グする構成と比較して、一層高くなり、好適である。
【0036】通常、シリコン基板は0.625mm厚の
ものが標準として用いられ、また、安価であるので、ヒ
ーターボードとしてのシリコン基板3と、ベースプレー
ト基板1とも同じ0.625mm厚のシリコン基板を用
いるのが、コスト面からは望ましく好適である。
【0037】また、ヒーターボードとしてのシリコン基
板3とベースプレート基板1との接合は、図4(a)の
ようにウエハー円板状態で接合してから、実使用形状に
切り出すほうが、図4(b)に示されるように、ヒータ
ーボードのシリコン基板3とベースプレート基板1をそ
れぞれ実使用形状に切り出してから接合するよりも、工
程数を大幅に削減できて好ましい。この場合に、両者の
接合面の面積は同一になることは明らかである。
【0038】次に、図3に、各種材料の熱膨張率を示
す。これらによると、熱を発生させる根源のヒーターボ
ードとしてのシリコン基板3の熱膨張率は0.42×1
−5と非常に小さい。これに対して、アルミは2.3
7×10−5と比較的大きい値である。従って、上記の
アルミベースプレート基板2の材料として、熱膨張率が
0.32×10−5と非常に小さく、シリコンの熱膨張
率に対して極めて近いアモルファスカーボンを採用する
ことが、より一層効果的である。
【0039】また、熱膨張率の関係から見ると、窒化ア
ルミにおける熱膨張率も0.47×10−5と非常に小
さく、シリコン基板3の熱膨張率と極めて近いので、こ
れもインクジェット記録ヘッド用としては十分なもので
あり、アルミベースプレート基板2に窒化アルミを用い
ても良い。さらに、アルミベースプレート基板2にアル
ミナを用いても良い。
【0040】次に、図5に示されるように、アルミベー
スプレート基板2に対してベースプレート基板1と接す
る面とは反対の面に吐出方向に溝を形成したり、アルミ
ベースプレート基板2に対してベースプレート基板1と
接する部分のみ、その他の部分の肉厚と比べて薄くする
ことによってアルミベースプレート基板2のシリコン基
板3(ヒーターボード)およびベースプレート基板1と
の熱膨張率の差から生ずる応力に対する剛性を弱めるこ
とができる。なお、図5は、アルミベースプレート基板
2とベースプレート基板1およびシリコン基板3(ヒー
ターボード)との関係を示すために、その他の部品は省
略されている。
【0041】これによって、シリコン基板3(ヒーター
ボード)およびベースプレート基板1の方が相対的に剛
性が高まることで、シリコン基板3(ヒーターボード)
およびベースプレート基板1のソリや割れを押さえるこ
とができる。
【0042】次に、図6(a)に示されるように、ベー
スプレート基板1に貫通しない穴または溝1aを施した
り、あるいは、図6(b)に示されるようにベースプレ
ート基板1に貫通する穴または溝1aを施して、アルミ
ベースプレート基板2に施した凸部2aを上記穴または
溝1aに嵌めて接合することによって、ベースプレート
基板1とアルミベースプレート基板2との接する面積が
大きくなり、熱伝導率が向上されることによって、より
一層効果的な放熱を行うことができる。
【0043】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば、電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記
録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもの
である。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化
が達成できるからである。
【0044】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,
740,796号明細書に開示されている基本的な原理
を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマ
ンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギを発生せしめて、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生
じさせ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号
明細書、同第4,345,262号明細書に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124
号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優
れた記録を行うことができる。
【0045】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第
4,459,600号明細書を用いた構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構
成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
れば記録を確実に効率よく行うことができるようになる
からである。
【0046】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0047】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0048】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0049】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0050】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状または固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0051】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、インクジェット記録ヘッドを、とりわけ、1インチ
以上の印字幅を有する基板によって形成し、あるいはま
た600dpi以上の記録密度のものとした場合におい
ても、吐出エネルギー発生素子が配設された基板をベー
スプレート上に接合するに際して、ベースプレートを第
1のベースプレート基板と第2のベースプレート基板と
からなる2層構造として、その第1のベースプレート基
板を、吐出エネルギー発生素子が配設された基板と同一
の素材で構成することによって、熱膨張率の差によって
吐出エネルギー発生素子が配設された基板にソリや割れ
等が生じることがなく、そのために、この吐出エネルギ
ー発生素子が配設された基板と天板とを平行かつ平滑に
接合することができ、高品位の記録を達成することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における1インチ以上の印字幅
を有する基板によって形成したインクジェット記録ヘッ
ドの構成を示す図で、(a)はその上面図、(b)はそ
の正面図で、(c)はその側面図である。
【図2】図1(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図3】各種材料の熱膨張率を表わす図である。
【図4】ウエハー円板状態時に接合してから、実使用形
状に切り出す製造工程がヒーターボードとベースプレー
ト基板をそれぞれ実使用形状に切り出してから接合する
製造工程よりも、工程数を削減できることを説明するた
めの図で、(a)は接合した後に切断する場合の図で、
(b)はそれぞれ別々に切断した後に接合する場合の図
である。
【図5】ベースプレート基板に溝を施した構成を示す図
である。
【図6】ベースプレート基板に穴または溝を施し、アル
ミベースプレート基板に施した凸部に嵌った構成を表わ
す図で、(a)はベースプレート基板に貫通しない穴ま
たは溝を施してアルミベースプレート基板の凸部を嵌め
た図で、(b)はベースプレート基板に貫通した穴また
は溝を施してアルミベースプレート基板の凸部を嵌めた
図である。
【図7】従来のシリコン基板とアルミのベースプレート
とを接合した場合、熱膨張率の差によってシリコン基板
の吐出エネルギー発生素子の配列方向にソリが生じるこ
とを説明するための図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート基板 2 アルミベースプレート基板 3 シリコン基板(ヒーターボード) 4 天板部材 5 印刷回路板 6 チップタンク(インク供給路) 7 ばね 8 フェイス 9 ビス 10 インク供給路 101 シリコン基板 102 アルミベースプレート基板 103 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 但馬 裕基 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小泉 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF69 AF93 AG60 AP02 AP24 AP77 AQ06 BA03 BA13

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天板と、上面にインクを吐出するための
    複数の吐出エネルギー発生素子が形成されベースプレー
    ト基板上に支持されている基板とを備え、前記天板は複
    数のインク吐出口にそれぞれ連通する複数のインク流路
    を形成するための溝と該複数のインク流路に連通する共
    通液室とを形成するための凹部を有し、前記基板との接
    合によって前記インク吐出口に連通する複数のインク流
    路と共通液室が形成され、前記エネルギー発生素子によ
    り記録を行うためのインクを吐出させるインクジェット
    記録ヘッドにおいて、 前記ベースプレート基板が、第1のベースプレート基板
    と第2のベースプレート基板から成り、前記吐出エネル
    ギー発生素子が形成された基板と、前記吐出エネルギー
    発生素子が形成された基板と直接に接する第1のベース
    プレート基板とが同一素材からなることを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐
    出エネルギー発生素子が形成された基板と直接に接する
    第1のベースプレート基板とがシリコンからなることを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐
    出エネルギー発生素子が形成された基板と直接に接する
    第1のベースプレート基板とがお互いに直接に接する面
    の面積が同一であることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記吐出エネルギー発生素子と、前記吐
    出エネルギー発生素子が形成された基板と直接に接する
    第1のベースプレート基板との厚さが同一であることを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 第2のベースプレートがアルミからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 第2のベースプレートがアモルファスカ
    ーボンからなることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 第2のベースプレートが窒化アルミから
    なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 第2のベースプレートがアルミナからな
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  9. 【請求項9】 第2のベースプレートにおいて第1のベ
    ースプレートと接する面とは反対の面に対して吐出方向
    に溝が形成されていることを特徴とする請求項1、請求
    項5から請求項8のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 第2のベースプレートにおいて第1の
    ベースプレートと接する部分のみ、その他の部分の肉厚
    と比べて薄くすることを特徴とする請求項1、請求項5
    から請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  11. 【請求項11】 肉厚の厚い面と薄い面とを接合する面
    と吐出エネルギー発生素子が形成された基板とが接して
    いないことを特徴とする請求項10に記載のインクジェ
    ット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 第1のベースプレートにおいて第2の
    ベースプレートに接する面に穴または溝が形成されたこ
    とを特徴とする請求項1、請求項5から請求項10のい
    ずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 第2のベースプレートにおいて第1の
    ベースプレートに形成された穴または溝に嵌まる凸部が
    形成されていることを特徴とする請求項12に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 複数のインク吐出口にそれぞれ連通す
    る複数のインク流路を形成するための溝と該複数のイン
    ク流路に連通する共通液室とを形成するための凹部を有
    する天板と、上面にインクを吐出するための複数のイン
    ク流路と共通液室が形成され、吐出エネルギー発生素子
    により記録を行うためのインクを吐出させるインクジェ
    ット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置におい
    て、 前記インクジェット記録ヘッドが請求項1から請求項1
    3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドに
    よって構成されていることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
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