JPH09286106A - インクジェットプリントヘッドおよびインクジェットプリント装置 - Google Patents

インクジェットプリントヘッドおよびインクジェットプリント装置

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JPH09286106A
JPH09286106A JP10057096A JP10057096A JPH09286106A JP H09286106 A JPH09286106 A JP H09286106A JP 10057096 A JP10057096 A JP 10057096A JP 10057096 A JP10057096 A JP 10057096A JP H09286106 A JPH09286106 A JP H09286106A
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JP
Japan
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ink
print head
ink jet
inkjet
flow path
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Application number
JP10057096A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kubota
雅彦 久保田
Teruo Ozaki
照夫 尾崎
Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い階調性を得ることができる多値ヒータを
用いた上、インク吐出口に連通する流路内における後方
への流動抵抗を部分的に変化させることにより、インク
の吐出速度を大きく変化させることなくインクの吐出量
を制御して、高品位の画像をプリントすること。 【解決手段】 インク吐出口に連通するインク流路50
5に、発熱量が異なる発熱素子201(1),201
(2)を備え、発熱量が多い発熱素子201(1)上方
のインク流路505内の高さよりも、発熱量が少ない発
熱素子201(2)上方のインク流路505内の高さを
低くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機・ファクシ
ミリ・ワープロ・ホストコンピュータ等の出力用端末と
してのプリンタ、ビデオプリンタ等に適用可能なインク
ジェットプリントヘッドおよびインクジェットプリント
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリント装置は、ノンイ
ンパクトプリントとして、サイレントの要求される現代
のビジネスオフィスやその他の事務処理部門において広
く利用され、高密度で高速プリントが可能であるという
点、および保守が比較的容易でメンテナンスフリーに成
り得るという点もあって、開発,改良が進められてい
る。
【0003】そのようなインクジェットプリント装置の
中において、例えば、特開昭54−59936号に開示
されているインクジェットプリント装置は、その構造的
な特徴から高密度プリントおよび高速プリントが充分可
能であり、かつプリント媒体の幅方向の全域に渡って延
在するいわゆるフルラインプリントヘッドの設計製造が
極めて容易であるため、その実現が熱望されている。
【0004】しかしながら、かかるインクジェットプリ
ント装置においても、高密度でフルライン化のプリント
を実現しようとすると、そのプリントヘッドの構造上の
設計的問題や、プリント精度、プリントの確実性、耐久
性等に直結するプリントヘッドの生産性、量産性の点に
おいて、解決すべき点が未だ残されている。
【0005】このような問題の解決策として、例えば、
特開昭57−72867号や特開昭57−72868号
には、プリントの高密度・高速化を図るために、インク
ジェットプリントヘッドを高度に集積化した構造をもつ
インクジェットプリント装置が開示されている。
【0006】一方、インクジェットプリントヘッドとし
ては、例えば、特公平62−48585号に記載されて
いるように、インク吐出用のノズルを形成するインク流
路内に、複数の発熱素子を設けた多値出力のカラーイン
クジェットプリントヘッドが提案されている。このプリ
ントヘッドは、1つのインク流路内にn個の発熱素子を
設けて、それぞれを個別に駆動ドライバに接続して独立
して駆動できるように構成され、さらに、それぞれの発
熱素子の発熱量を異らせるように、それらの素子のサイ
ズが異なっている。したがって、n個の発熱素子による
印字等のプリントドットは大きさがそれぞれ異なり、
nn-1 nn-2 +…+ n2 n1 +1}通り
のプリントドットを形成することができる。つまり、1
ノズルで{nn-1 nn-2 +…+ n2 n1
1}値の階調性を得ることができる。この素子構成を、
以下「多値ヒーター」と称する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構成では、それぞれのインク吐出口に連通する流路内の
形状は、1つの流路内に配置した複数の発熱体のそれぞ
れから発生する気泡に対し、同じ流動抵抗を与える形状
となっており、それらの気泡に対して異なった流体抵抗
を与えるような構造にはなっていなかった。
【0008】そのために、1つの流路内に発熱量が異な
る複数の発熱抵抗体を配置して、1つの吐出口から吐出
するインク滴の吐出量を変化させる場合、インクの吐出
量と同時に、その吐出速度も変化してしまう。このよう
に、インクの吐出速度が変化してしまうことは、プリン
ト媒体上に着弾するインク滴の位置がずれることにな
り、高品位の画像が得られなくなる。
【0009】本発明の目的は、高い階調性を得ることが
できる多値ヒーターを用いた上、インク吐出口に連通す
る流路内における上流側への流動抵抗を部分的に変化さ
せることにより、インクの吐出速度を大きく変化させる
ことなくインクの吐出量を制御して、高品位の画像をプ
リントすることができるインクジェットプリントヘッド
およびインクジェットプリント装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリントヘッドは、複数のインク吐出口のそれぞれに連
通する流路に備わる発熱素子からの熱エネルギーを利用
して、前記インク吐出口からインクを吐出させるインク
ジェットプリントヘッドであって、前記複数の流路のそ
れぞれに対して前記発熱素子を複数備え、前記各流路内
において、各発熱素子に対応した上流側への流動抵抗が
異なっていることを特徴とする。
【0011】本発明のインクジェットプリント装置は、
複数のインク吐出口のそれぞれに連通する流路に備わる
発熱素子からの熱エネルギーを利用して、前記インク吐
出口からインクを吐出させるインクジェットプリントヘ
ッドを用いて、プリント媒体に画像をプリントするイン
クジェットプリント装置であって、前記インクジェット
プリントヘッドとして前記本発明のインクジェットプリ
ントヘッドを用い、前記インクジェットプリントヘッド
と前記プリント媒体とを相対移動させる手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0013】(第1の実施形態)図1は、本発明のイン
クジェットプリントヘッド用基体100のインク路に対
応する基本的な構成部分の断面図を示すものである。図
1において、101はシリコン基板、102は蓄熱層と
してのシリコンの熱酸化膜を示す。103は蓄熱層を兼
ねる層間膜としてのSiO2 膜またはSi3 4 膜、1
04は抵抗層、105はAlまたはAl−Si,Al−
Cu等のAl合金配線、106は保護膜としてのSiO
2 膜またはSi3 4 膜を示す。107は、抵抗層10
4の発熱に伴う化学的・物理的衝撃から保護膜106を
守るためのTa等で構成される耐キャビテーション膜で
ある。また、108は、電極配線105が形成されてい
ない抵抗層104の領域からの熱の作用を受ける熱作用
部である。
【0014】抵抗層104は、電極としての配線105
間に、発熱素子としての発熱抵抗体(電気熱変換体)を
形成しており、その発熱抵抗体は無論のこと、抵抗層1
04全体がTaN0.8 を含む構成となっている。このT
aN0.8 を含む発熱抵抗体は、製造上のばらつきが少な
く、同一基体に多数形成しても機能の安定性が得られ
た。さらに、その発熱抵抗体への通電を各種の条件で行
っても、その抵抗変化が少なく、多数の発熱抵抗体各々
の機能が安定して同等の作用を発揮することができた。
【0015】図2は、図1の基体100の構成を応用し
て多値ヒーターをレイアウトしたインクジェットプリン
トヘッド用基体の要部の平面図であり、2ノズル分のイ
ンク流路に相当する部分を示している。多値ヒーター
は、図1の構成部分を発熱抵抗体201として備えてお
り、その発熱抵抗体201としての201(1),20
1(2),…,201(n)のn個の発熱素子(以下、
「ヒータ」ともいう)が1組のセグメントSを成し、そ
のセグメントSが1ノズル分となっている。多値ヒータ
ーを構成するn個の発熱素子201(1),201
(2),…201(n)の相互間は、数μmとされてい
る。素子201(1),201(2),…201(n)
のそれぞれは、後述する駆動トランジスタに接続されて
いる。203は、各々の素子201(1),…,201
(n)に電力を供給する電極配線である。
【0016】図3は、図2におけるヘッド基体にて構成
される電気回路の等価回路であり、1ノズルを形成する
インク流路内の多値ヒーターと、その多値ヒーターを成
す素子201(1),201(2),…,201(n)
を個別に駆動させる駆動トランジスタとしてのN−Mo
sトランジスタ301の他、C−Mosトランジスタ構
成される駆動信号処理のためのシフトレジスタ302
と、データを保持するラッチ回路303と、各トランジ
スタ301のそれぞれに接続されるAND回路307か
ら構成されている。そのAND回路307は、ノズルを
形成するインク流路をブロック分割するためのブロック
選択信号(Block ENB)304,セレクト信号
(Select)305およびそれらのデータと駆動パ
ルス信号(Heat ENB)306を論理演算し、そ
の演算結果に基づいて対応するトランジスタ301を駆
動する。ここで、セグメントSは、インク流路の形成数
mに対応するようにS(1)〜S(m)形成されてい
る。
【0017】203は前述した電極配線であり、1ノズ
ル内に構成されるn個の多値ヒーターとしての素子20
1(1),201(2),…201(n)の一端に対し
て個別に電力を供給する。また多値ヒータのそれぞれの
他端は、共通の電源309に接続されている。さらに、
温度調整用サブヒーター311、温度センサー312、
ヒーターの抵抗値モニター用ヒーター313などが構成
されている。
【0018】図3において、VDDはロジック電源、H
−GNDはヒータ駆動電源309(VH)用のGND、
L−GNDはロジック電源VDD用のGNDである。ヒ
ータ駆動電源309は、共通配線203を介して、セグ
メントS(1)〜S(m)の全ての素子201(1)…
201(n)の端部に接続される。また、シフトレジス
タ302は、セグメントS(1),S(2),…,S
(m)毎に対応するシリアルの画像データ入力信号(I
data)と、シフトレジスタ駆動用のクロック入力信
号(Clock)を入力し、その画像データをパラレル
信号としてラッチ回路303に出力する。ラッチ回路3
03には、リセット信号(Reset)とラッチ信号
(LTCLK)が入力され、シフトレジスタ302から
入力した画像データを一時記憶してから、対応するセグ
メントS(1),S(2),…,S(m)毎のAND回
路307に出力する。駆動パルス信号(Heat EN
B)306は、セグメントS(1)〜S(m)のそれぞ
れのヒータ201(1),201(2),…,201
(n)に入力される。
【0019】図3におけるセレクト信号305は、セグ
メントS(1)〜S(m)に共通に対応する入力端子1
〜n(Select1〜n)から入力される。したがっ
て、このセレクト信号305によって、各セグメントS
(1)〜S(m)における発熱対象のヒータが選択でき
ることになる。
【0020】また、図3において314はデコーダであ
り、その入力端子1,2,3に対して、図10のように
ブロック選択信号304が入力される。その5つの出力
端子は、セグメントS(1)〜S(m)毎のAND回路
307のそれぞれに分けて接続されている。例えば、セ
グメントSの数がS(1)〜S(200)の200であ
る場合、つまりノズル数が200の場合に、5つの出力
端子の内、第1の出力端子をノズル番号1〜40に対応
するセグメントS(1)〜S(40)のAND回路30
7のそれぞれに接続し、第2の出力端子をノズル番号4
1〜80に対応するセグメントS(41)〜S(80)
のAND回路307のそれぞれに接続し、第3の出力端
子をノズル番号81〜120に対応するセグメントS
(81)〜S(120)のAND回路307のそれぞれ
に接続し、第4の出力端子をノズル番号121〜160
に対応するセグメントS(121)〜S(160)のA
ND回路307のそれぞれに接続し、また第5の出力端
子をノズル番号161〜200に対応するセグメントS
(161)〜S(200)のAND回路307のそれぞ
れに接続する。
【0021】このようにデコーダ314を接続した場合
には、ブロック選択信号304に応じて、デコーダ31
4の同一の出力端子に接続される5ブロックのノズル群
がインクを吐出するヒートノズルとして選択され、それ
らの5ブロックのノズル群からのインクの吐出タイミン
グが制御できることになる。
【0022】図3における駆動素子は、半導体技術によ
りSi基板に形成され、さらに図1のような熱作用部1
08が同一基板に形成される。
【0023】図4に、図3中の主要素子を縦断するよう
に切断した基板の模式的断面図を示す。
【0024】P導電体のSi基板401に、一般的なM
osプロセスを用いたイオンプランテーション等の不純
物導入および拡散により、N型ウェル領域402にP−
Mos450が構成され、P型ウェル領域403にN−
Mos451が構成されている。P−Mos450およ
びN−Mos451は、それぞれ厚さ数百Åのゲート絶
縁膜408を介して、4000Å以上5000Å以下の
厚さにCVD法で堆積したpoly−Siによるゲート
配線415、およびN型あるいはP型の不純物導入をし
たソース領域405、ドレイン領域406等で構成さ
れ、それらP−Mos450とN−Mos451により
C−Mosロジックが構成されている。
【0025】また、素子駆動用のN−Mosトランジス
タ301は、やはり不純物導入および拡散等の工程によ
り、P型ウェル基板402上のドレイン領域411、ソ
ース領域412およびゲート配線413等で構成されて
いる。
【0026】ここで、素子駆動ドライバとしてN−Mo
sトランジスタ301を使うと、1つのトランジスタを
構成するドレインゲート間の距離Lは、最小値で約10
μmとなる。その10μmの内訳の1つは、ソースとド
レインのコンタクト417の幅であり、それらの幅分は
2×2μmであるが、実際は、その半分が隣のトランジ
スタとの兼用となるため、その1/2の2μmである。
内訳の他は、コンタクト417とゲート413の距離分
の2×2μmの4μmと、ゲート413の幅分の4μm
であり、合計10μmとなる。
【0027】また、各素子間には、5000Å以上10
000Å以下の厚さのフィールド酸化により酸化膜分離
領域453が形成され、素子分離されている。このフィ
ールド酸化膜は、熱作用部108の下においては一層目
の蓄熱層414として作用する。
【0028】各素子が形成された後、層間絶縁膜416
が約7000Åの厚さにCVD法によるPSG,BPS
G膜等で堆積され、熱処理により平坦化処理等をされて
から、コンタクトホールを介して、第1の配線層となる
Al電極417により配線が行われている。その後、プ
ラズマCVD法によるSiO2 膜等の層間絶縁膜418
を10000Å以上15000Å以下の厚さに堆積し、
更にスルーホールを介して、抵抗層104として約10
00Åの厚さのTaN0.8,hex 膜をDCスパッタ法によ
り形成した。その後、抵抗層104によって形成される
各素子201(1),201(2),…,201(n)
への配線となる第2の配線層Al電極105を形成し
た。
【0029】次に、保護膜106としては、プラズマC
VDによるSi3 4 膜が約10000Åの厚さに成膜
される。さらに最上層には、耐キャビテーション膜10
7がTa等で約2500Åの厚さに堆積される。
【0030】プリントヘッド基体100の完成後は、図
5に示すように、インクの吐出のための吐出口500等
が形成されてインクジェットプリントヘッド510とな
る。すなわち、基板100上に位置する天板502に液
路壁501が形成され、その基板100,天板502、
およびオリフィスプレート506などからプリントヘッ
ド510が構成されている。
【0031】プリント用のインクは図示していない貯蔵
室から供給管を通してプリントヘッド510の共通液室
504内に供給される。共通液室504内に供給された
インクは、毛管現象によりインク流路505内に供給さ
れ、その先端の吐出口500でメニスカスを形成するこ
とにより安定に保持される。そして、そのインク流路5
05内の発熱部108に位置する素子201(1),2
01(2),…,201(n)に通電することにより、
その発熱部108上のインクが加熱され、発泡現象が発
生し、その発泡のエネルギーにより吐出口500からイ
ンク滴が吐出される。このような構成により、吐出口を
400dpiといった高密度に配置して、マルチ吐出口
のインクジェットプリントヘッド510が構成される。
【0032】図5においては、1つのインク流路505
内に、発熱量が比較的大きい(発熱面積が比較的に大き
い)発熱素子(以下、「大ヒータ」という)201
(1)と、発熱量が比較的小さい(発熱面積が比較的に
小さい)発熱素子(以下、「小ヒータ」という)201
(2)によって2つの発熱部108が形成されている。
【0033】本例の場合、流路505内に位置する天板
502の内面502Aは、図6のように傾斜されてい
て、大ヒータ201(1)が位置する流路505の部分
の高さよりも、小ヒータ201(2)が位置する流路5
05の部分の高さを小さくしている。そのため、図6の
ように大ヒータ201(1),小ヒータ201(2)の
発熱量に応じて発生した気泡B1,B2の圧力は、イン
クを吐出させるためのエネルギーとして効率良く変換さ
れることになる。つまり、流路505内において、大ヒ
ータ201(1)の上部から上流側(共通液室504
側)への流動抵抗よりも、小ヒータ201(2)の上部
から上流側への流動抵抗が大きくなり、大ヒータ201
(1)と小ヒータ201(2)を選択的、または同時に
発熱させた場合に、インクの吐出量のみを変化させて、
その吐出速度をほとんど同じにすることができる。この
結果、プリント媒体に対するインク滴の着弾位置のずれ
を抑えて、高品位の画像がプリントできることになる。
【0034】ちなみに、従来の場合は、図11のよう
に、ヒータ201(1),201(2)の上方に位置す
る天板502の内面502Aは傾斜面となっておらず、
そのため、インクの吐出量を変化させたときに、その吐
出速度も大きく変化してしまう。
【0035】図7は、天板502の内面502Aに段差
を設けた場合の例であり、図8(a)は、天板502の
内面502Aに、大ヒータ201(1)の後方に位置す
る比較的小さい突部502A−1と、小ヒータ201
(2)の後方に位置する比較的大きい突部502A−2
を設けた場合の例、図8(b)は、天板502の内面5
02Aに、小ヒータ201(2)の後方に位置する突部
502A−2を設けた場合の例である。これら図7,図
8(a),(b)の例の場合も前述した図6と同様の効
果を発揮することができる。
【0036】図9は、上述したインクジェットプリント
ヘッド510を装着して利用することのできるインクジ
ェットプリント装置600の一例を示す概略斜視図であ
る。
【0037】図9において601は、上述したインクジ
ェットプリントヘッドと同様に構成されたプリントヘッ
ドである。このヘッド601はキャリッジ607上に搭
載され、そのキャリッジ607は、駆動モータ602の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア603および604
を介して回転するリードスクリュ605の螺旋溝606
に対して係合している。そして、駆動モータ602の動
力によって、キャリッジ607とともにヘッド601が
ガイド608に沿って矢印aおよびb方向に往復移動さ
れるようになっている。また、図示しないプリント媒体
供給装置によってプラテン609上に搬送されるプリン
ト用紙Pは、紙押さえ板610によって、キャリッジ6
07の移動方向にわたってプラテン609に押圧され
る。
【0038】リードスクリュ605の一端の近傍には、
フォトカプラ611および612が配設されている。こ
れらは、それらの配設位置において、キャリッジ607
のレバー607aの存在を確認して、駆動モータ602
の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検
知手段を構成している。図において613は、インクジ
ェットプリントヘッド601の吐出口のある前面を覆う
キャップ部材614を支持する支持部材である。また、
615は、キャップ部材614の内部にヘッド601か
ら空吐出等されて溜ったインクを吸引するインク吸引手
段である。この吸引手段615により、キャップ内開口
部616を介してヘッド601の吸引回復が行われる。
617はクリーニングブレードであり、618はブレー
ド617を前後方向(上記キャリッジ607の移動方向
と直交する方向)に移動可能にする移動部材であり、ブ
レード617および移動部材618は本体支持体619
に支持されている。ブレード617は、この形態に限ら
ず、他の周知のクリーニングブレードであってもよい。
620は、吸引回復の吸引を開始させるためのレバーで
あり、キャリッジ607と係合するカム621の移動に
伴って移動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッ
チ切り換え等の公知の伝達手段で移動制御される。ヘッ
ド601の液路505内の発熱素子201(1),20
2(2),…,202(n)に信号を付与したり、前述
した各機構の駆動制御を司ったりするインクジェットプ
リント制御部は、装置本体側に設けられており、ここに
は図示しない。
【0039】このように構成されたインクジェットプリ
ント装置600は、図示しないプリント媒体給送装置に
よりプラテン609上に搬送されるプリント用紙Pに対
し、ヘッド601が用紙Pの全幅にわたって往復移動し
ながらプリントを行う。
【0040】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のプリ
ントヘッド(以下、「記録ヘッド」ともいう)、プリン
ト装置(以下、「記録装置」ともいう)において優れた
効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の
高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0041】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0042】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。
【0043】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0044】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0045】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0046】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0047】さらに加えて、以上説明した本発明の実施
形態においては、インクを液体として説明しているが、
室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化
もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインク
ジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の
範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲
にあるように温度制御するものが一般的であるから、使
用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
の記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状
インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点で
はすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付
与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合
も本発明は適用可能である。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0048】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、高い階
調性を得ることができる多値ヒータを用いた上、インク
吐出口に連通する流路内における上流側への流動抵抗を
部分的に変化させることにより、インクの吐出速度を大
きく変化させることなくインクの吐出量を制御して、高
品位の画像をプリントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットプリントヘッドの基体
のインク流路部分の基本的な構成を説明するための断面
図である。
【図2】本発明の一実施形態としてのインクジェットプ
リントヘッドの基体の要部の平面図である。
【図3】図2に示す基体に構成される電気回路の等価回
路図である。
【図4】図2に示す基体の要部の断面図である。
【図5】本発明の実施形態としてのインクジェットプリ
ントヘッドの一部切欠きの斜視図である。
【図6】図5のインクジェットプリントヘッドにおける
インク流路の概略断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態としてのインクジェット
プリントヘッドにおけるインク流路の概略断面図であ
る。
【図8】(a),(b)は、それぞれ本発明の異なる他
の実施形態としてのインクジェットプリントヘッドにお
けるインク流路の概略斜視図である。
【図9】本発明の実施形態としてのインクジェットプリ
ント装置の斜視図である。
【図10】図3に示すデコーダの入出力関係の説明図で
ある。
【図11】従来のインクジェットプリントヘッドの一部
切欠きの斜視図である。
【符号の説明】
100 基体 101 シリコン基板 201 発熱抵抗体 301 駆動トランジスタ 302 シフトレジスタ 303 ラッチ回路 304 選択信号 305 セレクト信号 306 駆動パルス信号 307 AND回路 502 天板 502A 内面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク吐出口のそれぞれに連通す
    る流路に備わる発熱素子からの熱エネルギーを利用し
    て、前記インク吐出口からインクを吐出させるインクジ
    ェットプリントヘッドであって、 前記複数の流路のそれぞれに対して前記発熱素子を複数
    備え、 前記各流路内において、各発熱素子に対応した上流側へ
    の流動抵抗が異なっていることを特徴とするインクジェ
    ットプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記複数の流路のそれぞれに備えた前記
    複数の発熱素子の発熱量を異ならせたことを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記流路内において、発熱量が比較的大
    きい前記発熱素子上から上流側への流動抵抗よりも、発
    熱量が比較的小さい前記発熱素子上から上流側への流動
    抵抗を大きく設定したことを特徴とする請求項2に記載
    のインクジェットプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記複数の発熱素子の内、面積が小なる
    発熱素子の上流側の流動抵抗を、面積が大なる発熱素子
    の上流側の流動抵抗よりも大きくしたことを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットプ
    リントヘッド。
  5. 【請求項5】 前記流路内の断面積に応じて、流動抵抗
    を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載のインクジェットプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記流路を基体と天板との間に形成し、 前記流路内に位置する基体の内面または前記天板の内面
    の少なくとも一方の形状に応じて、前記流路内の断面積
    を部分的に変えることを特徴とする請求項5に記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 プリントすべき画像に対応する画像デー
    タに基づいて、前記発熱素子のそれぞれを駆動可能な駆
    動回路と、 前記画像データを、それに対応する前記複数のインク吐
    出口毎の駆動回路のそれぞれに供給する画像データ供給
    回路とを備えたことを特徴とする請求項1から6のいず
    れかに記載のインクジェットプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 前記駆動回路は、前記発熱素子と1対1
    に対応することを特徴とする請求項7に記載のインクジ
    ェットプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 前記駆動回路は、N−MOS型トランジ
    スタを有することを特徴とする請求項1から8のいずれ
    かに記載のインクジェットプリントヘッド。
  10. 【請求項10】 前記画像データ供給回路は、前記画像
    データをシリアルデータとして入力しかつ該シリアルデ
    ータを前記複数のインク吐出口に対応する数だけシフト
    するシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力デー
    タを一時記憶してから前記駆動回路に出力するラッチ回
    路を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか
    に記載のインクジェットプリントヘッド。
  11. 【請求項11】 前記駆動回路は、前記発熱体を動作可
    能状態とする選択信号を入力するものであることを特徴
    とする請求項1から10のいずれかに記載のインクジェ
    ットプリントヘッド。
  12. 【請求項12】 複数のインク吐出口のそれぞれに連通
    する流路に備わる発熱素子からの熱エネルギーを利用し
    て、前記インク吐出口からインクを吐出させるインクジ
    ェットプリントヘッドを用いて、プリント媒体に画像を
    プリントするインクジェットプリント装置であって、 前記インクジェットプリントヘッドとして請求項1から
    11のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド
    を用い、 前記インクジェットプリントヘッドと前記プリント媒体
    とを相対移動させる手段を備えたことを特徴とするイン
    クジェットプリント装置。
  13. 【請求項13】 前記インクジェットプリントヘッドを
    搭載可能なキャリッジと、 前記キャリッジを主走査方向に移動させる移動手段と、 前記主走査方向に対して略直交する副走査方向に前記プ
    リント媒体を搬送する搬送手段とを備えたことを特徴と
    する請求項12に記載のインクジェットプリント装置。
  14. 【請求項14】 前記発熱素子は電気熱変換体であるこ
    とを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のイ
    ンクジェットプリントヘッド。
  15. 【請求項15】 前記発熱素子は電気熱変換体であるこ
    とを特徴とする請求項12または13に記載のインクジ
    ェットプリント装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100417154B1 (ko) * 2000-09-29 2004-02-05 캐논 가부시끼가이샤 잉크 제트 기록 장치
JP2020099997A (ja) * 2018-12-19 2020-07-02 キヤノン株式会社 素子基板、液体吐出ヘッド、及び記録装置

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