JPH11146674A - 超音波モータのステータ及び超音波モータ - Google Patents

超音波モータのステータ及び超音波モータ

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JPH11146674A
JPH11146674A JP9310215A JP31021597A JPH11146674A JP H11146674 A JPH11146674 A JP H11146674A JP 9310215 A JP9310215 A JP 9310215A JP 31021597 A JP31021597 A JP 31021597A JP H11146674 A JPH11146674 A JP H11146674A
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JP
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vibration
stator
ultrasonic motor
driving
piezoelectric element
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JP9310215A
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English (en)
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Masahiko Komoda
晶彦 菰田
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】定在波型の超音波モータにおいて、回転効率の
向上を図ることができる超音波モータのステータ及び超
音波モータを提供する。 【解決手段】ステータ2には、ロータ1と接触する複数
の駆動用突起5を有した振動板3と、振動板3の下部に
分極処理されて設けられ、駆動用突起5に楕円振動を発
生させるために定在波振動を発生する圧電素子4とが備
えられている。振動板3は、圧電素子4が発生する定在
波振動の極値の位置を補正し、駆動用突起5が振動の中
腹に位置するように補正するための補助突起6を有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波モータに係
り、詳しくは、そのステータの構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータとしては、図11に
示すような定在波型のものがある。この超音波モータは
ロータ50とステータ51とを備えている。ステータ5
1は振動板52と圧電素子53とを備えている。
【0003】振動板52は円環状の鋼体にて形成され、
該振動板52には12個の突起54が櫛歯状に形成され
ている。振動板52の下面には圧電素子53が固着され
る。圧電素子53は定在波振動を発生させるために、1
2個に分割して分極処理が施されている。詳述すると、
圧電素子53は隣り合う極性が逆となるように等間隔で
5個に分極された第1分極領域群A1〜A5と、隣り合
う極性が逆となるように等間隔で5個に分極された第2
分極領域群B1〜B5と、第1分極領域群A1〜A5と
第2分極領域群B1〜B5との両端間にそれぞれ位置す
る第1及び第2フィードバック用分極領域F1,F2と
に分極処理されている。前記第1フィードバック用分極
領域F1は、第2フィードバック用分極領域F2より周
方向の間隔が広くなっている。
【0004】このように分極処理された圧電素子53
と、前記突起54との位置関係は図12(A)に示す該
略図のようになっている。図12(A)は、圧電素子5
3の周方向の間隔を直線上に展開して示した該略図であ
る。第1及び第2フィードバック用分極領域F1,F2
と対応する各突起54は、それぞれの領域F1,F2内
において中間位置に配置されている。そして、各第1及
び第2分極領域A1〜A5,B1〜B5と対応する各突
起54は、それぞれの領域A1〜A5,B1〜B5内に
おいて中間位置より第1フィードバック用分極領域F1
側に偏った位置に配置されている。
【0005】このように構成されたステータ51の上
面、即ち振動板52の各突起54の上面には円環状のロ
ータ50が摺動回転可能に圧接される。このように構成
された超音波モータは、図示しない電圧制御装置より第
1分極領域群A1〜A5に高周波交流電圧が印加される
と、該第1分極領域群A1〜A5の位置の圧電素子53
が振動し、振動板52が図12(B)の実線と破線に示
すような定在波振動を発生する。尚、この定在波振動
は、理論上、各領域A1〜A5の各中間位置がそれぞれ
振動の極値(山と谷、即ち振幅をとる位置)となる振動
である。従って、各第1分極領域A1〜A5内において
中間位置より第1フィードバック用分極領域F1側に偏
った位置に配置された突起54では、楕円振動が生じ
る。そして、この楕円振動は、突起54がロータ50と
接触するとき(振動の中腹となるとき)、ロータ50を
図12(B)において右方向に押し出すように作用す
る。よって、ロータ50は反時計回り方向に回転する。
【0006】逆に、電圧制御装置より第2分極領域群B
1〜B5に高周波交流電圧が印加されると、同様の原理
で図12(C)の実線と破線に示すような定在波振動が
発生し、突起54では楕円振動が生じる。そして、この
楕円振動は、突起54がロータ50と接触するとき(振
動の中腹となるとき)、ロータ50を図12(c)にお
いて左方向に押し出すように作用する。よって、ロータ
50は時計回り方向に回転する。尚、図12(B),
(C)では、動作を分かりやすく説明するために振動板
52の振動幅を大きく図示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
振動板52が定在波振動を発生する際には、該振動板5
2に形成された各突起54の質量等が影響して、該振動
の極値(山と谷)が理論上の位置と異なることになる。
詳述すると、例えば第1分極領域群A1〜A5に高周波
交流電圧が印加されると、該第1分極領域群A1〜A5
の位置の圧電素子53は、各領域A1〜A5の各中間位
置がそれぞれ振動の極値(山と谷)となるように振動し
ようとするが、突起54の質量等が影響して、該中間位
置より突起54側に偏った位置が該振動の極値となる。
即ち、各駆動用突起5が振動の中腹からずれてしまい振
動の極値(山と谷)の位置や極値に近い位置になってし
まう。このことは、突起54で生じる楕円振動の水平方
向の振動成分を理論上より小さくしてしまう。従って、
超音波モータの回転効率を低下させてしまう原因となっ
ている。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、定在波型の超音波モ
ータにおいて、回転効率の向上を図ることができる超音
波モータのステータ及び超音波モータを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、可動体と接触する複数の駆動用突起を有した振動板
と、前記振動板の下部に分極処理されて設けられ、前記
駆動用突起に楕円振動を発生させるために定在波振動を
発生する圧電素子とを備えた超音波モータのステータで
あって、前記振動板は、前記圧電素子が発生する定在波
振動の極値の位置を補正するための振動補助部を有する
ことを要旨としている。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の超音波モータのステータにおいて、前記振動補助部
は、前記駆動用突起が振動の中腹に位置するように補正
することを要旨としている。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の超音波モータのステータにおいて、前記振動補
助部は、前記圧電素子が発生する定在波振動の極値の位
置を、前記分極処理された1つの範囲内における中間位
置にするように補正することを要旨としている。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の超音波モータのステータにおい
て、前記振動補助部は、前記隣り合う駆動用突起の間に
設けられ、前記可動体と接触しない補助突起であること
を要旨としている。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の超音波モータのステータにおいて、前記補助突起は、
前記隣り合う駆動用突起の間に複数個設けられたことを
要旨としている。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の超音波モータのステータにおい
て、前記振動補助部は、隣り合う前記駆動用突起の間に
設けられた補助凹部であることを要旨としている。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれか1項に記載の超音波モータのステータにおい
て、前記可動体、前記振動板及び前記圧電素子は円環状
に形成されたことを要旨としている。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7
のいずれか1項に記載のステータを備えた超音波モータ
を要旨としている。請求項1に記載の発明によれば、振
動板は圧電素子が発生する定在波振動の極値の位置を補
正するための振動補助部を有するため、駆動用突起が振
動の中腹に位置するように、又圧電素子が発生する定在
波振動の極値の位置を、分極処理された1つの範囲内に
おける中間位置にするように補正することができる。従
って、駆動用突起の質量等の影響を抑えて理論上と同様
の定在波振動を発生させることができる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、駆動用突
起が振動の中腹に位置するように補正するため、圧電素
子は駆動用突起の質量等に影響されず理論上と同様の定
在波振動を発生することができる。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、振動補助
部は圧電素子が発生する定在波振動の極値の位置を、分
極処理された1つの範囲内における中間位置にするよう
に補正するため、圧電素子は駆動用突起の質量等に影響
されず理論上と同様の定在波振動を発生することができ
る。
【0019】請求項4及び5に記載の発明によれば、前
記振動補助部は、前記隣り合う駆動用突起の間に設けら
れ、前記可動体と接触しない補助突起であるため、駆動
用突起の質量等が圧電素子の振動におよぼす影響は該補
助突起にて相殺される。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、前記振動
補助部は、隣り合う前記駆動用突起の間に設けられた補
助凹部であるため、駆動用突起の質量等が圧電素子の振
動におよぼす影響は該補助突起にて解消される。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、前記振動
板及び前記圧電素子は円環状に形成されているため、可
動体は駆動用突起にて回転駆動される。請求項8に記載
の発明によれば、超音波モータにおける圧電素子は駆動
用突起の質量等の影響を抑えて理論上と同様の定在波振
動を発生させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を定在波型の超音波モータに具体化した第1の実施の
形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示すよう
に、超音波モータは可動体としてのロータ1とステータ
2とを備えている。尚、図1ではロータ1の一部を切り
欠いて図示している。前記ステータ2は、振動板3と、
圧電素子4とを備えている。
【0023】図2に示すように、振動板3は円環状の鋼
体にて形成され、該振動板3の周方向には複数の駆動用
突起5及び振動補助部としての複数の補助突起6が交互
に形成されている。詳述すると、振動板3には、切削又
は研削加工にて、径方向に内周面から外周面まで延びた
12個の駆動用突起5が周方向に等間隔(突起の中心が
各30°間隔)で形成されている。そして、その隣り合
う各駆動用突起5の間には、それぞれ径方向に内周面か
ら外周面まで延びた補助突起6が形成されている。本実
施の形態では、この補助突起6の高さは、駆動用突起5
の高さの2分の1となっている。又、駆動用突起5と補
助突起6がそれぞれ等間隔(突起の中心が各15°間
隔)で形成されている。
【0024】振動板3の下面には、環状の圧電素子4が
固着される。圧電素子4は定在波振動を発生させるため
に、本実施の形態では、12個に分割して分極処理が施
されている。詳述すると、圧電素子4は隣り合う極性が
逆となるように等間隔(各30°間隔)で5個に分極さ
れた第1分極領域群A1〜A5と、隣り合う極性が逆と
なるように等間隔(各30°間隔)で5個に分極された
第2分極領域群B1〜B5と、第1分極領域群A1〜A
5と第2分極領域群B1〜B5との両端間にそれぞれ位
置する第1及び第2フィードバック用分極領域F1,F
2とに分極処理されている。前記第1フィードバック用
分極領域F1は、第2フィードバック用分極領域F2よ
り周方向の間隔が広くなっている。
【0025】このように分極処理された圧電素子4と、
前記各突起5,6との位置関係は図3(A)に示す該略
図のようになっている。図3(A)は、圧電素子4の周
方向の間隔を直線上に展開して示した該略図である。第
1及び第2フィードバック用分極領域F1,F2と対応
する各駆動用突起5は、それぞれの領域F1,F2内に
おいて中間位置に配置されている。各第1及び第2分極
領域A1〜A5,B1〜B5と対応する各駆動用突起5
は、それぞれの領域A1〜A5,B1〜B5内において
中間位置より第1フィードバック用分極領域F1側に偏
った位置に配置されている。又、各第1及び第2分極領
域A1〜A5,B1〜B5と対応する各補助突起6は、
それぞれの領域A1〜A5,B1〜B5内において中間
位置より第2フィードバック用分極領域F2側に偏った
位置に配置されている。
【0026】圧電素子4の下面には、電極板(図示しな
い)が設けられている。詳述すると、第1分極領域群A
1〜A5と対応した位置の下面には第1電極板が被覆形
成されている。第2分極領域群B1〜B5と対応した位
置の下面には第2電極板が被覆形成されている。フィー
ドバック用分極領域F1,F2とそれぞれ対応した位置
の下面にはいずれか一方にフィードバック用電極板が被
覆形成されている。そして、第1及び第2電極板には、
高周波交流電圧を印加するための電圧制御装置(図示し
ない)が接続される。尚、フィードバック用電極板は、
圧電素子4に発生する振動の情報を検出するために使用
される。
【0027】このように構成されたステータ2の上面に
はロータ1が摺動回転可能に圧接されている。詳述する
と、ロータ1は円環状のロータ本体7と、該ロータ本体
7の下面に固着されたライニング材8を備えている。そ
して、前記ステータ2の上面、即ち振動板3の各駆動用
突起5の上面にライニング材8の下面が圧接されること
により、ロータ1がステータ2上を摺動回転可能とされ
ている。尚、このように圧接されたロータ1とステータ
2では、前記各補助突起6の上面にライニング材8の下
面が当接することはない。
【0028】このように構成された超音波モータは、電
圧制御装置より第1電極板に高周波交流電圧が印加され
ると、第1分極領域群A1〜A5の位置の圧電素子4が
振動し、振動板3が図3(B)の実線と破線に示すよう
な定在波振動を発生する。詳述すると、第1電極板に高
周波交流電圧が印加されると、該第1分極領域群A1〜
A5の位置の圧電素子4は、各領域A1〜A5の各中間
位置がそれぞれ振動の極値(山と谷)となるように、即
ち各駆動用突起5が振動の中腹となるように振動しよう
とする。このとき、駆動用突起5に対して補助突起6が
設けられているため、駆動用突起5の質量等が影響し
て、該振動の極値(山と谷)が該中間位置より駆動用突
起5側に偏ってしまうことは低減される。即ち、各駆動
用突起5が振動の中腹からずれてしまい振動の極値(山
と谷)になってしまうことは低減される。従って、各領
域A1〜A5の各中間位置がほぼ振動の極値(山と谷)
となり、各駆動用突起5が振動の中腹となるように振動
する。すると、各駆動用突起5では、水平方向の振動成
分が大きな理論上と同様の楕円振動が生じる。そして、
この楕円振動は、駆動用突起5がロータ1と接触すると
き(振動の中腹となるとき)、ロータ1を図3(B)に
おいて右方向に押し出すように作用する。よって、ロー
タ1は反時計回り方向に回転する。尚、図3(B)で
は、動作を分かりやすく説明するために振動板3の振動
幅を大きく図示している。
【0029】逆に、電圧制御装置より第2電極板に高周
波交流電圧が印加されると、第2分極領域群B1〜B5
の位置の圧電素子4が振動し、振動板3が図3(C)の
実線と破線に示すような定在波振動を発生する。詳述す
ると、第2電極板に高周波交流電圧が印加されると、該
第2分極領域群B1〜B5の位置の圧電素子4は、各領
域B1〜B5の各中間位置がそれぞれ振動の極値(山と
谷)となるように、即ち各駆動用突起5が振動の中腹と
なるように振動しようとする。このとき、駆動用突起5
に対して補助突起6が設けられているため、駆動用突起
5の質量等が影響して、該振動の極値(山と谷)が該中
間位置より駆動用突起5側に偏ってしまうことは低減さ
れる。即ち、各駆動用突起5が振動の中腹からずれてし
まい振動の極値(山と谷)になってしまうことは低減さ
れる。従って、各領域B1〜B5の各中間位置がほぼ振
動の極値(山と谷)となり、各駆動用突起5が振動の中
腹となるように振動する。すると、各駆動用突起5で
は、水平方向の振動成分が大きな理論上と同様の楕円振
動が生じる。そして、この楕円振動は、駆動用突起5が
ロータ1と接触するとき(振動の中腹となるとき)、ロ
ータ1を図3(C)において左方向に押し出すように作
用する。よって、ロータ1は時計回り方向に回転する。
尚、図3(C)では、動作を分かりやすく説明するため
に振動板3の振動幅を大きく図示している。
【0030】次に、上記のように構成した超音波モータ
のステータの特徴を以下に記載する。 (1)第1の実施の形態では、振動板3はロータ1に圧
接されロータ1を回転駆動する駆動用突起5と、ロータ
1と接触しない補助突起6を備えている。そして、補助
突起6は、第1電極板に高周波交流電圧が印加されたと
き、第1分極領域A1〜A5の各中間位置がそれぞれ定
在波振動の極値(山と谷)となるように、各駆動用突起
5が振動の中腹となるように働く。又、補助突起6は、
第2電極板に高周波交流電圧が印加されたとき、第2分
極領域B1〜B5の各中間位置がそれぞれ定在波振動の
極値(山と谷)となるように、各駆動用突起5が振動の
中腹となるように働く。即ち、駆動用突起5の質量等が
圧電素子4の振動におよぼす影響は補助突起6にてほぼ
相殺される。従って、振動板3及び圧電素子4では理論
上と同様の定在波振動が発生する。その結果、各駆動用
突起5では、理論上と同様の楕円振動が生じるため、ロ
ータ1を効率良く回転させることができる。
【0031】(第2の実施の形態)以下、本発明を定在
波型の超音波モータに具体化した第2の実施の形態を図
4,図5に従って説明する。尚、本実施の形態の超音波
モータは、第1実施の形態の超音波モータの振動板3を
変更したのみの構成であるため、同様の部分については
その詳細な説明は省略する。図4に示すように、超音波
モータは可動体としてのロータ1とステータ2とを備え
ている。尚、図4ではロータ1の一部を切り欠いて図示
している。前記ステータ2は、振動板11と、圧電素子
4とを備えている。
【0032】振動板11は円環状の鋼体にて形成され、
該振動板11の周方向には複数の駆動用突起5及び振動
補助部としての複数の補助凹部12が交互に形成されて
いる。詳述すると、振動板11には、切削又は研削加工
にて、径方向に内周面から外周面まで延びた12個の駆
動用突起5が周方向に等間隔(突起の中心が各30°間
隔)で形成されている。そして、その隣り合う各駆動用
突起5の間には、それぞれ径方向に内周面から外周面ま
で貫通した補助凹部12が形成されている。尚、本実施
の形態では、駆動用突起5と補助凹部12がそれぞれ等
間隔(各15°間隔)で形成されている。
【0033】振動板11の下面には、第1の実施の形態
と同様の圧電素子4が固着される。圧電素子4と、前記
駆動用突起5及び補助凹部12との位置関係は図5
(A)に示す該略図のようになっている。図5(A)
は、圧電素子4の周方向の間隔を直線上に展開して示し
た該略図である。第1及び第2フィードバック用分極領
域F1,F2と対応する各駆動用突起5は、それぞれの
領域F1,F2内において中間位置に配置されている。
各第1及び第2分極領域A1〜A5,B1〜B5と対応
する各駆動用突起5は、それぞれの領域A1〜A5,B
1〜B5内において中間位置より第1フィードバック用
分極領域F1側に偏った位置に配置されている。又、各
第1及び第2分極領域A1〜A5,B1〜B5と対応す
る各補助凹部12は、それぞれの領域A1〜A5,B1
〜B5内において中間位置より第2フィードバック用分
極領域F2側に偏った位置に配置されている。
【0034】圧電素子4の下面には、第1の実施の形態
と同様に第1及び第2電極板が設けられている。このよ
うに構成されたステータ2の上面には、第1の実施の形
態と同様にロータ1が摺動回転可能に圧接されている。
【0035】このように構成された超音波モータは、電
圧制御装置より第1電極板に高周波交流電圧が印加され
ると、第1分極領域群A1〜A5の位置の圧電素子4が
振動し、振動板3が図5(B)の実線と破線に示すよう
な定在波振動を発生する。詳述すると、第1電極板に高
周波交流電圧が印加されると、該第1分極領域群A1〜
A5の位置の圧電素子4は、各領域A1〜A5の各中間
位置がそれぞれ振動の極値(山と谷)となるように、即
ち各駆動用突起5が振動の中腹となるように振動しよう
とする。このとき、駆動用突起5に対して補助凹部12
が設けられているため、駆動用突起5の質量等が影響し
て、該振動の極値(山と谷)が該中間位置より駆動用突
起5側に偏ってしまうことは低減される。即ち、各駆動
用突起5が振動の中腹からずれてしまい振動の極値(山
と谷)になってしまうことは低減される。従って、各領
域A1〜A5の各中間位置がほぼ振動の極値(山と谷)
となり、各駆動用突起5が振動の中腹となるように振動
する。すると、各駆動用突起5では、水平方向の振動成
分が大きな理論上と同様の楕円振動が生じる。そして、
この楕円振動は、駆動用突起5がロータ1と接触すると
き(振動の中腹となるとき)、ロータ1を図5(B)に
おいて右方向に押し出すように作用する。よって、ロー
タ1は反時計回り方向に回転する。尚、図5(B)で
は、動作を分かりやすく説明するために振動板3の振動
幅を大きく図示している。
【0036】逆に、電圧制御装置より第2電極板に高周
波交流電圧が印加されると、第2分極領域群B1〜B5
の位置の圧電素子4が振動し、振動板3が図5(C)の
実線と破線に示すような定在波振動を発生する。詳述す
ると、第2電極板に高周波交流電圧が印加されると、該
第2分極領域群B1〜B5の位置の圧電素子4は、各領
域B1〜B5の各中間位置がそれぞれ振動の極値(山と
谷)となるように、即ち各駆動用突起5が振動の中腹と
なるように振動しようとする。このとき、駆動用突起5
に対して補助凹部12が設けられているため、駆動用突
起5の質量等が影響して、該振動の極値(山と谷)が該
中間位置より駆動用突起5側に偏ってしまうことは低減
される。即ち、各駆動用突起5が振動の中腹からずれて
しまい振動の極値(山と谷)になってしまうことは低減
される。従って、各領域B1〜B5の各中間位置がほぼ
振動の極値(山と谷)となり、各駆動用突起5が振動の
中腹となるように振動する。すると、各駆動用突起5で
は、水平方向の振動成分が大きな理論上と同様の楕円振
動が生じる。そして、この楕円振動は、駆動用突起5が
ロータ1と接触するとき(振動の中腹となるとき)、ロ
ータ1を図5(C)において左方向に押し出すように作
用する。よって、ロータ1は時計回り方向に回転する。
尚、図5(C)では、動作を分かりやすく説明するため
に振動板3の振動幅を大きく図示している。
【0037】次に、上記のように構成した超音波モータ
のステータの特徴を以下に記載する。 (1)第2の実施の形態では、振動板11はロータ1に
圧接されロータ1を回転駆動する複数の駆動用突起5
と、隣り合う駆動用突起5の間に補助凹部12を備えて
いる。そして、補助凹部12は、第1電極板に高周波交
流電圧が印加されたとき、第1分極領域A1〜A5の各
中間位置がそれぞれ定在波振動の極値(山と谷)となる
ように、各駆動用突起5が振動の中腹となるように働
く。又、補助凹部12は、第2電極板に高周波交流電圧
が印加されたとき、第2分極領域B1〜B5の各中間位
置がそれぞれ定在波振動の極値(山と谷)となるよう
に、各駆動用突起5が振動の中腹となるように働く。即
ち、駆動用突起5の質量等が圧電素子4の振動におよぼ
す影響は補助凹部12にてほぼ解消される。従って、振
動板11及び圧電素子4では理論上と同様の定在波振動
が発生する。その結果、各駆動用突起5では、理論上と
同様の楕円振動が生じるため、ロータ1を効率良く回転
させることができる。
【0038】上記実施の形態は、以下のように変更して
実施してもよい。 ○上記第1の実施の形態の振動板3は、駆動用突起5の
質量等の影響を相殺し、圧電素子4が理論上と同様の定
在波振動を発生するように働く補助突起を備えていれば
よく、その数及び形状等をどのように変更してもよい。
【0039】○例えば、図6に示すように、振動板21
は隣り合う各駆動用突起5の間にそれぞれ3個の補助突
起21aを備えたものでもよい。このようにしても、前
記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
尚、図6では、円環状の振動板21の一部を直線状にし
て示している。
【0040】○例えば、図7に示すように、振動板22
は、隣り合う各駆動用突起5の間にそれぞれ駆動用突起
5より幅の広い補助突起22aを備えたものでもよい。
尚、図7では、円環状の振動板22の一部を直線状にし
て示している。
【0041】このようにしても、駆動用突起5の質量等
が圧電素子4の振動におよぼす影響は補助突起22aに
て更に相殺され、振動板22及び圧電素子4では理論上
と同様の定在波振動が発生する。
【0042】○例えば、図8に示すように、振動板23
は、隣り合う各駆動用突起5の間にそれぞれ2個の補助
突起23aを備えたものでもよい。尚、図8では、円環
状の振動板23の一部を直線状にして示している。
【0043】このようにしても、駆動用突起5の質量等
が圧電素子4の振動におよぼす影響は2個の補助突起2
3aにて更に相殺され、振動板23及び圧電素子4では
理論上と同様の定在波振動が発生する。その結果、各駆
動用突起5では、理論上と同様の楕円振動が生じるた
め、ロータ1を効率良く回転させることができる。
【0044】○例えば、図9に示すように、振動板24
に備えられる補助突起24aは、複数の駆動用突起5が
形成された振動板24の本体24bに嵌合されて取着さ
れた別体であってもよい。尚、駆動用突起5も別体であ
ってもよい。このようにしても、前記第1の実施の形態
と同様の効果を得ることができる。尚、図9では、円環
状の振動板24の一部を直線状にして示している。
【0045】○例えば、図10に示すように、振動板2
5はプレス加工にて形成されたものでもよい。詳述する
と、振動板25はプレス加工にて形成された本体25b
と、その下面に固着されたベースリング25cを備えて
いる。そして、本体25bは、第1の実施の形態と同様
に隣り合う各駆動用突起5の間にそれぞれ補助突起25
aを備えている。このようにすれば、前記第1の実施の
形態と同様の効果を得ることができるとともに、切削や
研削を用いる加工に比べて製作時間の短縮化、及びコス
トの低減を図ることができる。勿論、上記各振動板は焼
結法にて形成する等、他の製造方法で形成してもよい。
【0046】○上記第2の実施の形態の振動板11は、
駆動用突起5の質量等の影響を解消し、圧電素子4が理
論上と同様の定在波振動を発生するように働く補助凹部
を備えていればよく、その数及び形状等をどのように変
更してもよい。
【0047】○上記各実施の形態では、可動体としての
ロータ1及びステータ2は円環状に形成され、回転運動
を行なう超音波モータとしたが、可動体及びステータを
直線状に形成したリニア超音波モータとしてもよい。こ
のようにすると、可動体は駆動用突起にてリニア駆動さ
れる。
【0048】○上記各実施形態の定在波型の超音波モー
タは、上記に限定されるものではなく、定在波振動によ
り各駆動用突起5に楕円振動を発生し可動体を移動させ
るものであれば、圧電素子4の分極処理のパターンの違
うものでもよい。
【0049】上記実施の各形態から把握できる請求項以
外の技術思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (イ)請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波モ
ータのステータにおいて、前記可動体(1)、前記振動
板(3,11,21〜25)及び前記圧電素子(4)は
直線状に形成されたことを特徴とする超音波モータのス
テータ。このようにすると、可動体は駆動用突起にて直
線的に駆動される。
【0050】(ロ)請求項1乃至8及び上記(イ)のい
ずれか1つに記載の超音波モータのステータにおいて、
前記振動板(25)はプレス加工にて形成したことを特
徴とする超音波モータのステータ。このようにすると、
切削や研削を用いる加工に比べて製作時間の短縮化、及
びコストの低減を図ることができる。
【0051】(ハ)請求項3乃至6及び上記(イ)のい
ずれか1つに記載の超音波モータのステータにおいて、
前記補助突起(24a)は、前記振動板の本体(24
b)とは別体であり、該振動板(24b)に取着されて
設けられることを特徴とする超音波モータのステータ。
【0052】このようにしても、駆動用突起の質量等の
影響を抑えて理論上と同様の定在波振動を発生させるこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
定在波型の超音波モータにおいて、回転効率の向上を図
ることができる超音波モータのステータ及び超音波モー
タを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の超音波モータを説明するため
の説明図。
【図2】第1の実施形態のステータを説明するための説
明図。
【図3】(A)第1の実施形態のステータを周方向に展
開した該略図。(B)第1の実施形態のステータの動作
を説明するための説明図。(C)同じく、第1の実施形
態のステータの動作を説明するための説明図。
【図4】第2の実施形態の超音波モータを説明するため
の説明図。
【図5】(A)第2の実施形態のステータを周方向に展
開した該略図。(B)第2の実施形態のステータの動作
を説明するための説明図。(C)同じく、第2の実施形
態のステータの動作を説明するための説明図。
【図6】別例のステータを説明するための説明図。
【図7】同じく、別例のステータを説明するための説明
図。
【図8】同じく、別例のステータを説明するための説明
図。
【図9】同じく、別例のステータを説明するための説明
図。
【図10】同じく、別例のステータを説明するための説
明図。
【図11】従来の超音波モータを説明するための説明
図。
【図12】(A)従来のステータを周方向に展開した該
略図。(B)従来のステータの動作を説明するための説
明図。(C)同じく、従来のステータの動作を説明する
ための説明図。
【符号の説明】
1…ロータ、3,11,21〜25…振動板、4…圧電
素子、5…駆動用突起、6,21a〜25a…補助突
起、12…補助凹部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動体(1)と接触する複数の駆動用突
    起(5)を有した振動板(3,11,21〜25)と、 前記振動板(3,11,21〜25)の下部に分極処理
    されて設けられ、前記駆動用突起(5)に楕円振動を発
    生させるために定在波振動を発生する圧電素子(4)と
    を備えた超音波モータのステータであって、 前記振動板(3,11,21〜25)は、前記圧電素子
    (4)が発生する定在波振動の極値の位置を補正するた
    めの振動補助部(6,12,21a〜25a)を有する
    ことを特徴とする超音波モータのステータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、 前記振動補助部(6,12,21a〜25a)は、前記
    駆動用突起(5)が振動の中腹に位置するように補正す
    ることを特徴とする超音波モータのステータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の超音波モータの
    ステータにおいて、 前記振動補助部(6,12,21a〜25a)は、前記
    圧電素子(4)が発生する定在波振動の極値の位置を、
    前記分極処理された1つの範囲内における中間位置にす
    るように補正することを特徴とする超音波モータのステ
    ータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    超音波モータのステータにおいて、 前記振動補助部(6,21a〜25a)は、前記隣り合
    う駆動用突起(5)の間に設けられ、前記可動体(1)
    と接触しない補助突起(6,21a〜25a)であるこ
    とを特徴とする超音波モータのステータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超音波モータのステー
    タにおいて、 前記補助突起(21a,23a)は、前記隣り合う駆動
    用突起(5)の間に複数個設けられたことを特徴とする
    超音波モータのステータ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    超音波モータのステータにおいて、 前記振動補助部(12)は、隣り合う前記駆動用突起
    (5)の間に設けられた補助凹部(12)であることを
    特徴とする超音波モータのステータ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    超音波モータのステータにおいて、 前記可動体(1)、前記振動板(3,11,21〜2
    5)及び前記圧電素子(4)は円環状に形成されたこと
    を特徴とする超音波モータのステータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の
    ステータを備えた超音波モータ。
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