JPH11146641A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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JPH11146641A
JPH11146641A JP30298797A JP30298797A JPH11146641A JP H11146641 A JPH11146641 A JP H11146641A JP 30298797 A JP30298797 A JP 30298797A JP 30298797 A JP30298797 A JP 30298797A JP H11146641 A JPH11146641 A JP H11146641A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DC−DCコンバータなどに用いられるスイ
ッチング電源回路において、スイッチングノイズおよび
スイッチング損失の低減を両立して実現する。 【解決手段】 パルストランスTの1次側の電流をスイ
ッチング素子Q1によって負荷に対応したデューティで
スイッチングすることで2次側に所望とする電圧を発生
させるスイッチング電源装置11において、2次側に負
荷状態検出回路S1を設け、その検出結果をフォトカプ
ラPC2でプライマリレギュレータ12にフィードバッ
クし、軽負荷であるときには、PWM比較器CMP1か
らスイッチング素子Q1への駆動信号ラインに介在され
るゲート抵抗R4と並列にバイパス抵抗R11を接続す
る。したがって、通常負荷時は、ゲート抵抗R4で規定
された比較的遅いスイッチング速度で低ノイズでスイッ
チング動作を行い、スイッチングノイズの小さくなる待
機時には、スイッチング速度を速くして低消費電力化で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるDC−D
Cコンバータなどとして好適に実施されるスイッチング
電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯型小型電子機器などに用いられ、商
用交流を整流・平滑化して得られた直流電流またはバッ
テリーからの直流電流を、たとえば100kHz程度の
高周波でスイッチングし、小型の変圧器で、所望とする
電圧に高効率に変換するようにしたスイッチング電源装
置が広く用いられている。
【0003】図5は、典型的な従来技術のスイッチング
電源装置1の電気的構成を示すブロック図である。入力
端子in1,in2から入力された商用交流は、ノイズ
除去用のフィルタfiから突入防止抵抗r1を介して、
整流回路d1に入力される。整流回路d1で全波整流さ
れた入力電流は、平滑コンデンサc1で平滑化された
後、電源ライン2,3間に出力される。前記電源ライン
2,3間には、パルストランスtの1次巻線t1および
Nチャネル型のパワーMOSFETで実現されるスイッ
チング素子qから成る直列回路が介在されている。
【0004】前記電源ライン2への直流電流はまた、起
動抵抗r2から、内部定電流源tdを介してコンデンサ
c2に与えられるとともに、前記起動抵抗r2からは、
内部基準電圧源vsに入力される。この内部基準電圧源
vsによって作成された基準電圧Vsによって、発振器
oscが所定の周波数で発振動作を行い、また前記基準
電圧Vsは、ダイオードd2と抵抗r3とフォトカプラ
pc1のフォトトランジスタとから成る直列回路に印加
される。前記直列回路において、抵抗r3とフォトトラ
ンジスタとの接続点4の電位は、PWM比較器cmpに
入力される。
【0005】前記PWM比較器cmpにはまた、前記発
振器oscの発振出力と、前記コンデンサc2の端子電
圧と、内部基準電圧源vrefで作成された基準電圧V
refとが入力されている。PWM比較器cmpは、前
記コンデンサc2の端子電圧と、接続点4の電位と、基
準電圧Vrefとのうち、最も低い電位と、発振器os
cの発振出力とに基づいて、出力パルス幅、すなわちデ
ューティが決定された駆動信号を作成する。前記駆動信
号は、スイッチング素子qの導通時のスイッチング速度
を遅くするためのゲート抵抗r4と、遮断時のスイッチ
ング速度を速くするためのゲート引抜きダイオードd3
との並列回路を介して、前記スイッチング素子qのゲー
トに与えられる。
【0006】前記パルストランスtの1次巻線t1に
は、並列にスナバ回路suが設けられている。このスナ
バ回路suは、前記1次巻線t1と並列に接続されるコ
ンデンサc3およびダイオードd4から成る直列回路
と、コンデンサc3に並列に設けられる抵抗r5とを備
えて構成されている。このスナバ回路suは、スイッチ
ング素子qがONからOFFに移るときに発生するサー
ジを、ダイオードd4を介してコンデンサc3に取込
み、コンデンサc3の電荷を抵抗r5で消費することに
よって、前記サージの吸収を行う。
【0007】一方、パルストランスtの2次側では、2
次巻線t2に誘起された電圧は、ダイオードd5および
平滑コンデンサc4によって直流電流に変換された後、
電源ライン5,6を介して出力端子out1,out2
に出力される。前記電源ライン5,6間には、分圧抵抗
r6,r7の直列回路と、フォトカプラpc1の発光ダ
イオードおよびシャントレギュレータd6から成る直列
回路とが介在されている。
【0008】シャントレギュレータd6には、出力端子
out1,out2への出力電圧の分圧抵抗r6,r7
による分圧値が与えられており、前記出力電圧が低くな
る程、シャントレギュレータd6がフォトカプラpc1
の発光ダイオードから大きな電流を引込む。これによっ
て、フォトカプラpc1のフォトトランジスタを流れる
電流が大きくなり、接続点4の電位が低下して、PWM
比較器cmpから出力されるパルス幅が大きくなる。こ
のようにして、出力端子out1,out2間の出力電
圧が一定となるように制御されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、たとえば、
1993年の米国でのEnergy Star Com
puter Program基準設定では、パーソナル
コンピュータの待機時における消費電力を30W以下に
設定しており、また我国では、1995年に、VTRの
待機時の消費電力を10%削減するというように、全世
界的に低消費電力化の動きがあり、スイッチング電源の
省エネルギー化が求められている。ここで、上述のよう
に構成されるスイッチング電源装置1の待機時における
電力消費の割合を、表1および図6で示す。
【0010】
【表1】
【0011】これらの表1および図6から明らかなよう
に、総損失0.834(W)に対して、スイッチング素
子qの損失0.42(W)は、50%以上にも及び、省
電力化のためには、このスイッチング素子qでの損失の
削減が最も効果的であることが理解される。そこで、図
7を用いて、スイッチング素子qでの損失のメカニズム
について説明する。
【0012】上述のように構成されたスイッチング電源
装置1は、前述のように、ゲート抵抗r4によって、P
WM比較器cmpからスイッチング素子qのゲートへの
駆動信号の電流レベルが抑制されて、ゲートへの電荷の
蓄積時間が長くされて、スイッチングノイズを小さくす
るように構成されている。したがって、ゲート電圧VGS
は、図7(a)で示すように、時刻τ1で前記駆動信号
がハイレベルに立上がってから、ゲートへ電荷が蓄積さ
れてゆくことによって、緩やかに上昇してゆく。
【0013】前記ゲート電圧VGSが、所定の閾値電圧V
thとなった時刻τ2において、該スイッチング素子q
が導通し、ドレイン−ソース間電圧VDSが、図7(b)
で示すように低下してゆき、これに伴って、図7(c)
で示すように、ドレイン電流ID が上昇してゆく。前記
ゲート電圧VGSは、ミラー容量に対応した電圧VM に到
達した時刻τ3において、一端平坦となった後、再び上
昇を開始する。前記ドレイン−ソース間電圧VDSおよび
ドレイン電流ID も、前記時刻τ3からは緩やかに変化
する。
【0014】したがって、ドレイン−ソース間のON時
刻が遅くなり、ドレイン電流のON開始時刻も遅くな
り、ドレイン−ソース間電圧VDSとドレイン電流ID
の積、すなわち、図7(d)において斜線を施して示す
領域で表わされるスイッチング素子qでの損失が大きく
なる。
【0015】これに対して、図8で示すように、スイッ
チング素子qのゲートへの電荷の蓄積を速くし、ゲート
電圧VGSの立上がりを速くすると、スイッチング素子q
での損失は小さくなる。なお、この図8において、
(a)(b)(c)(d)は、それぞれ図7の(a)
(b)(c)(d)に対応している。
【0016】すなわち、図9で示すように、スイッチン
グ速度が速くなる程、スイッチング損失が増大する。し
かしながら、スイッチング速度を速くすると、スイッチ
ングノイズが大きくなるという問題がある。このため、
前述のように、ゲート抵抗r4がPWM比較器cmpか
らスイッチング素子qへの駆動信号ラインに介在されて
いる。またこの点、1990年のVCCI(情報処理装
置等電波障害自主規制協議会)の自主規制により、更な
る低ノイズ化が求められている。
【0017】本発明の目的は、低損失化と低ノイズ化と
を両立することができるスイッチング電源装置を提供す
ることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るス
イッチング電源装置は、制御回路からの駆動信号に応答
してスイッチング素子が変圧器の1次電流をスイッチン
グし、所望とする電圧の2次電流を得るようにしたスイ
ッチング電源装置において、負荷状態検出手段と、前記
負荷状態検出手段の検出結果に応答して、前記駆動信号
の電流レベルを変化し、前記スイッチング素子のスイッ
チング速度を変化させるスイッチング速度変化手段とを
含むことを特徴とする。
【0019】上記の構成によれば、DC−DCコンバー
タなどとして用いられるスイッチング電源装置におい
て、制御回路とスイッチング素子との間の駆動信号ライ
ンに介在されるスイッチング速度変化手段が、負荷状態
検出手段の検出結果に応答して、駆動信号の電流レベル
を変化する。
【0020】したがって、スイッチングノイズの小さい
軽負荷時には、スイッチング速度を速くして低損失化を
図ることができ、スイッチングノイズの大きい重負荷時
には、スイッチング速度を遅くして、低ノイズ化を図る
ことができ、こうして低損失化と低ノイズ化とを両立す
ることができる。
【0021】また、請求項2の発明に係るスイッチング
電源装置では、前記スイッチング速度変化手段は、軽負
荷状態であるときには、前記駆動信号の電流レベルを大
きくし、スイッチング速度を速くさせることを特徴とす
る。
【0022】上記の構成によれば、元々スイッチングノ
イズの小さい軽負荷時にスイッチング速度を速くするの
で、周辺機器に対してスイッチングノイズによる障害を
招くことなく、待機電力を小さくすることができる。
【0023】さらにまた、請求項3の発明に係るスイッ
チング電源装置では、前記スイッチング速度変化手段
は、重負荷状態であるときには、前記駆動信号の電流レ
ベルを小さくし、スイッチング速度を遅くさせることを
特徴とする。
【0024】上記の構成によれば、元々スイッチングノ
イズの大きい重負荷時にスイッチング速度を遅くするの
で、スイッチングノイズを小さくすることができる。
【0025】また、請求項4の発明に係るスイッチング
電源装置は、前記制御回路およびスイッチング速度変化
手段を1チップ化し、スイッチング素子との2チップを
1パッケージ化することを特徴とする。
【0026】上記の構成によれば、CMOS回路などで
実現される制御回路およびスイッチング速度変化手段
と、NMOSFETなどで実現されるスイッチング素子
とを、それぞれ個別に、最適プロセス、かつ最適設計値
で作成し、それらを任意に組合わせて、1パッケージ化
することで、高性能化および汎用性の向上を図ることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1および図2に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。
【0028】図1は、本発明の実施の一形態のスイッチ
ング電源装置11の電気的構成を示すブロック図であ
る。入力端子IN1,IN2から入力された商用交流
は、ノイズ除去用のフィルタFIから突入防止抵抗R1
を介して、整流回路D1に入力される。整流回路D1で
全波整流された入力電流は、平滑コンデンサC1で平滑
化された後、電源ライン13,14間に出力される。前
記電源ライン13,14間には、パルストランスTの1
次巻線T1と、プライマリレギュレータ12内で端子V
DS,GND間に設けられており、Nチャネル型のパワ
ーMOSFETで実現されるスイッチング素子Q1とか
ら成る直列回路が介在されている。
【0029】前記電源ライン13への直流電流はまた、
起動抵抗R2を介して、プライマリレギュレータ12の
電源入力端子Vccに与えられる。前記電源入力端子V
ccに入力された直流電流は、内部定電流源TDによっ
て定電流化された後、制御端子CAに外付けされている
コンデンサC2に与えられる。さらにまた、前記電源入
力端子Vccに入力された直流電流は、内部基準電圧源
VSに入力される。この内部基準電圧源VSによって作
成された基準電圧Vsによって、発振器OSCが所定の
周波数で発振動作を行う。また、前記基準電圧Vsは、
ダイオードD2と、抵抗R3と、フィードバック端子F
B1に接続されたフォトカプラPC1のフォトトランジ
スタとから成る直列回路に印加される。前記直列回路に
おいて、フィードバック端子FB1の電位は、PWM比
較器CMP1に入力される。
【0030】前記PWM比較器CMP1には、前記発振
器OSCの発振出力と、前記制御端子CAの電圧、すな
わちコンデンサC2の端子電圧と、内部基準電圧源VR
EF1で作成された基準電圧Vref1とが入力されて
いる。PWM比較器CMP1は、前記コンデンサC2の
端子電圧と、フィードバック端子FB1の電位と、基準
電圧Vref1との電位のうち、最も低い電位と、発振
器OSCの発振出力とに基づいて、出力パルス幅、すな
わちデューティが決定された駆動信号を作成する。前記
駆動信号は、スイッチング素子Q1の導通時のスイッチ
ング速度を遅くするためのゲート抵抗R4と、遮断時の
スイッチング速度を速くするためのゲート引抜きダイオ
ードD3との並列回路を介して、前記スイッチング素子
Q1のゲートに与えられる。
【0031】前記パルストランスTの1次巻線T1に
は、並列にスナバ回路SUが設けられている。このスナ
バ回路SUは、前記1次巻線T1と並列に接続されるコ
ンデンサC3およびダイオードD4から成る直列回路
と、コンデンサC3に並列に設けられる抵抗R5とを備
えて構成されている。このスナバ回路SUは、スイッチ
ング素子Q1がONからOFFに移るときに発生するサ
ージを、ダイオードD4を介してコンデンサC3に取込
み、コンデンサC3の電荷を抵抗R5で消費することに
よって、前記サージの吸収を行う。
【0032】一方、パルストランスTの2次側では、2
次巻線T2に誘起された電圧は、ダイオードD5および
平滑コンデンサC4によって直流電流に変換された後、
電源ライン16,17を介して出力端子OUT1,OU
T2に出力される。前記電源ライン16,17間には、
分圧抵抗R6,R7の直列回路と、フォトカプラPC1
の発光ダイオードおよびシャントレギュレータD6から
成る直列回路とが介在されている。
【0033】シャントレギュレータD6には、出力端子
OUT1,OUT2への出力電圧の分圧抵抗R6,R7
による分圧値が与えられており、前記出力電圧が低くな
る程、シャントレギュレータD6がフォトカプラPC1
の発光ダイオードから大きな電流を引込む。これによっ
て、フォトカプラPC1のフォトトランジスタを流れる
電流が大きくなり、フィードバック端子FB1の電位が
低下して、PWM比較器CMP1から出力されるパルス
幅が大きくなる。このようにして、出力端子OUT1,
OUT2間の出力電圧が一定となるように制御されてい
る。
【0034】注目すべきは、このスイッチング電源装置
11では、負荷側に負荷状態検出回路S1が設けられて
おり、この負荷状態検出回路S1によって検出された負
荷状態が、フォトカプラPC2の発光ダイオードから、
プライマリレギュレータ12のフィードバック端子FB
2a,FB2b間に接続されているフォトカプラPC2
のフォトトランジスタに伝達され、このフォトトランジ
スタと直列に接続されて前記ゲート抵抗R4と並列に接
続されるバイパス抵抗R11によって、前記PWM比較
器CMP1からスイッチング素子Q1のゲートへの駆動
信号の電流レベルが変化される。
【0035】前記負荷状態検出回路S1は、前記電源ラ
イン17に介在される電流検知抵抗R12と、基準電圧
源VREF2と、前記フォトカプラPC2の発光ダイオ
ードと直列に電源ライン16,17間に介在されるトラ
ンジスタQ2と、前記電流検知抵抗R12の端子間電圧
が前記基準電圧源VREF2で定められた基準電圧Vr
ef2よりも低くなった軽負荷時には、ハイレベルの出
力を導出し、前記トランジスタQ2を導通する比較器C
MP2とを備えて構成されている。
【0036】したがって、軽負荷の待機状態となると、
フォトカプラPC2の発光ダイオードが発光し、これに
よって、フォトカプラPC2のフォトトランジスタが導
通して、バイパス抵抗R11がゲート抵抗R4と並列に
接続されることになり、PWM比較器CMP1からスイ
ッチング素子Q1のゲートへの駆動信号の電流レベルが
増加され、スイッチング速度を、前記図8で示すように
速くすることができる。
【0037】したがって、上述のように構成されるスイ
ッチング電源装置11は、出力電流が前記基準電圧Vr
ef2に対応した閾値電流Ith1以下となる待機状態
では、スイッチング素子Q1のスイッチング速度が速く
なり、図2で示すように、スイッチング損失を低減する
ことができる。このようにして、重負荷時におけるスイ
ッチングノイズを増大することなく、該スイッチングノ
イズの小さい軽負荷時におけるスイッチング損失を低減
し、負荷機器が実際に使用される時間に比べて圧倒的に
長い時間である待機時の消費電力を削減することができ
る。
【0038】また、上述のように構成されるスイッチン
グ電源装置11では、スイッチング素子Q1に関連する
前記駆動信号の発生のためのPWM比較器CMP1、発
振器OSC、内部基準電圧源VS等で構成される制御回
路が1チップ化されており、この制御回路と、スイッチ
ング素子Q1とが1パッケージ化されて、プライマリレ
ギュレータ12を構成している。したがって、CMOS
回路などで実現される制御回路と、NMOSFETなど
で実現されるスイッチング素子Q1とを、それぞれ個別
に、最適なプロセス、かつ最適な設計値で作成すること
ができ、またそれらを任意に組合わせることによってプ
ライマリレギュレータ12を作成するので、高性能化お
よび汎用性の向上を図ることができる。
【0039】本発明の実施の他の形態について、図2〜
図4に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0040】図3は、本発明の実施の他の形態のスイッ
チング電源装置21の電気的構成を示すブロック図であ
る。このスイッチング電源装置21は、前述のスイッチ
ング電源装置11に類似し、対応する部分には、同一の
参照符号を付してその説明を省略する。
【0041】このスイッチング電源装置21では、プラ
イマリレギュレータ22において、前述のバイパス抵抗
R11に代えて、選択的に駆動信号電流を供給するトラ
ンジスタQ21および抵抗R21の直列回路と、トラン
ジスタQ22および抵抗R22の直列回路と、前記駆動
信号電流を引込むトランジスタQ23と、制御回路CT
Lとが設けられている。
【0042】トランジスタQ21および抵抗R21の直
列回路と、トランジスタQ22および抵抗R22の直列
回路とは、前記電源入力端子Vccに接続されるハイレ
ベルの電源ラインと前記ゲート抵抗R4との間に、相互
に並列に介在されている。トランジスタQ23は、抵抗
R4と、接地端子GNDに接続されるローレベルの電源
ラインとの間に介在されている。
【0043】トランジスタQ21,Q22は、制御回路
CTL内のトランジスタQ24,Q25によって、それ
ぞれ導通/遮断制御される。一方、前記フォトカプラP
C2のフォトトランジスタは、抵抗R23と直列に接続
されて、前記ハイレベルの電源ラインとローレベルの電
源ラインとの間に介在されている。このフォトトランジ
スタと抵抗R23との接続点23の電位は、比較器CM
P3の非反転入力端子に与えられており、この比較器C
MP3は、基準電圧源VREF4から反転入力端子に入
力される基準電圧Vref4よりも前記接続点23の電
位が高くなると、ハイレベルの出力を導出する。
【0044】したがって、負荷状態検出回路S2におい
て、電流検知抵抗R12での電圧降下が基準電圧源VR
EF3からの基準電圧Vref3よりも小さい軽負荷時
には、フォトカプラPC2のフォトダイオードが発光
し、フォトトランジスタから流れる電流が大きくなっ
て、抵抗R23の端子間電圧が大きくなると、比較器C
MP3はハイレベルの出力を導出する。比較器CMP3
の出力は、トランジスタQ24,Q25に与えられてお
り、前記比較器CMP3がハイレベルの出力を導出する
と、これらのトランジスタQ24,Q25が導通する。
トランジスタQ24が導通すると、前記PWM比較器C
MP1から抵抗R24を介してトランジスタQ21に与
えられる前記駆動信号がバイパスされ、該駆動信号がハ
イレベルである期間にも、このトランジスタQ21は遮
断したままとなる。このとき、前記駆動信号は、前記ト
ランジスタQ25を介してトランジスタQ22のベース
に与えられ、該トランジスタQ22が導通する。
【0045】これに対して、電流検知抵抗R12での電
圧降下が前記基準電圧Vref3よりも大きい通常負荷
時には、フォトカプラPC2のフォトダイオードは消灯
し、フォトトランジスタがハイインピーダンスとなっ
て、比較器CMP3はローレベルの出力を導出する。こ
れによって、トランジスタQ24,Q25が遮断し、前
記PWM比較器CMP1からの駆動信号は、トランジス
タQ21のベースに与えられることになる。
【0046】したがって、スイッチング素子Q1のゲー
トへは、通常負荷時には、抵抗R21を介して駆動信号
電流が与えられ、軽負荷時には、抵抗R22を介して駆
動信号電流が与えられる。したがって、抵抗R22の抵
抗値を抵抗R21の抵抗値よりも小さく選ぶことによっ
て、軽負荷時におけるスイッチング素子Q1のスイッチ
ング速度を速くし、前述の図2で示すように、スイッチ
ング損失を低減することができる。これに対して、抵抗
R22の抵抗値を抵抗R21の抵抗値よりも大きく選ぶ
ことによって、図4で示すように、出力電流が閾値電流
Ith2以上の通常負荷時におけるスイッチングノイズ
を低減することができる。このようにして、待機時にお
ける低消費電力化と、通常負荷時におけるスイッチング
ノイズの低減とを、両立して実現することができる。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明に係るスイッチング電源
装置は、以上のように、DC−DCコンバータなどとし
て用いられるスイッチング電源装置において、制御回路
とスイッチング素子との間の駆動信号ラインにスイッチ
ング速度変化手段を介在し、負荷状態の検出結果に応答
して、駆動信号の電流レベルを変化し、前記スイッチン
グ素子のスイッチング速度を変化させる。
【0048】それゆえ、スイッチングノイズの小さい軽
負荷時には、スイッチング速度を速くして低損失化を図
ることができ、スイッチングノイズの大きい重負荷時に
は、スイッチング速度を遅くして、低ノイズ化を図るこ
とができる。
【0049】また、請求項2の発明に係るスイッチング
電源装置は、以上のように、軽負荷状態であるときに
は、前記駆動信号の電流レベルを大きくし、スイッチン
グ速度を速くさせる。
【0050】それゆえ、元々スイッチングノイズの小さ
い軽負荷時にスイッチング速度を速くするので、周辺機
器に対してスイッチングノイズによる障害を招くことな
く、待機電力を小さくすることができる。
【0051】さらにまた、請求項3の発明に係るスイッ
チング電源装置は、以上のように、重負荷状態であると
きには、前記駆動信号の電流レベルを小さくし、スイッ
チング速度を遅くさせる。
【0052】それゆえ、元々スイッチングノイズの大き
い重負荷時にスイッチング速度を遅くするので、スイッ
チングノイズを小さくすることができる。
【0053】また、請求項4の発明に係るスイッチング
電源装置は、以上のように、前記制御回路およびスイッ
チング速度変化手段を1チップ化し、スイッチング素子
との2チップを1パッケージ化する。
【0054】それゆえ、CMOS回路などで実現される
制御回路およびスイッチング速度変化手段と、NMOS
FETなどで実現されるスイッチング素子とを、それぞ
れ個別に、最適プロセス、かつ最適設計値で作成し、そ
れらを任意に組合わせて、1パッケージ化することで、
高性能化および汎用性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のスイッチング電源装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1および図3で示すスイッチング電源装置の
動作を説明するためのグラフである。
【図3】本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装
置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3で示すスイッチング電源装置の動作を説明
するためのグラフである。
【図5】典型的な従来技術のスイッチング電源装置の電
気的構成を示すブロック図である。
【図6】図5で示すスイッチング電源装置の待機時にお
ける電力消費の内釈を示すグラフである。
【図7】スイッチング素子のスイッチング速度が遅い場
合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】スイッチング素子のスイッチング速度が速い場
合の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】スイッチング素子のスイッチング速度とスイッ
チング損失との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11,21 スイッチング電源装置 12,22 プライマリレギュレータ C1,C4 平滑コンデンサ C2,C3 コンデンサ CMP1 PWM比較器 CMP2,CMP3 比較器 CTL 制御回路(スイッチング速度変化手段) D1 整流回路 D2,D4,D5 ダイオード D3 ゲート引抜きダイオード D6 シャントレギュレータ FI フィルタ OSC 発振器 PC1,PC2 フォトカプラ Q1 スイッチング素子 Q2,Q21〜Q25 トランジスタ R1 突入防止抵抗 R2 起動抵抗 R3,R5,R21〜R24 抵抗 R4 ゲート抵抗 R6,R7 分圧抵抗 R11 バイパス抵抗(スイッチング速度変化手
段) R12 電流検知抵抗 S1,S2 負荷状態検出回路 SU スナバ回路 T パルストランス TD 内部定電流源 VREF1〜VREF4 基準電圧源 VS 内部基準電圧源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御回路からの駆動信号に応答してスイッ
    チング素子が変圧器の1次電流をスイッチングし、所望
    とする電圧の2次電流を得るようにしたスイッチング電
    源装置において、 負荷状態検出手段と、 前記負荷状態検出手段の検出結果に応答して、前記駆動
    信号の電流レベルを変化し、前記スイッチング素子のス
    イッチング速度を変化させるスイッチング速度変化手段
    とを含むことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】前記スイッチング速度変化手段は、軽負荷
    状態であるときには、前記駆動信号の電流レベルを大き
    くし、スイッチング速度を速くさせることを特徴とする
    請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 【請求項3】前記スイッチング速度変化手段は、重負荷
    状態であるときには、前記駆動信号の電流レベルを小さ
    くし、スイッチング速度を遅くさせることを特徴とする
    請求項1記載のスイッチング電源装置。
  4. 【請求項4】前記制御回路およびスイッチング速度変化
    手段を1チップ化し、スイッチング素子との2チップを
    1パッケージ化することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のスイッチング電源装置。
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