JP2015006120A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング電源電圧を安定して供給できるようにしたスイッチング制御装置を提供する。
【解決手段】電圧スルーレート制御回路6は、予め定められるノイズ許容量に応じてトランジスタM1のゲートに接続されるゲート抵抗の合成抵抗値を変更制御する。ここで、ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G、又は、ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×Gとする。出力電圧Voutおよび入力電圧Vin間の降圧比が大きい場合には、降圧比が小さいときに比較してノイズ許容量を大きくできる。
【選択図】図5
【解決手段】電圧スルーレート制御回路6は、予め定められるノイズ許容量に応じてトランジスタM1のゲートに接続されるゲート抵抗の合成抵抗値を変更制御する。ここで、ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G、又は、ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×Gとする。出力電圧Voutおよび入力電圧Vin間の降圧比が大きい場合には、降圧比が小さいときに比較してノイズ許容量を大きくできる。
【選択図】図5
Description
本発明は、スイッチング素子をオンオフすることで入力電圧を変換して出力電圧を負荷に供給するスイッチング電源装置に関する。
この種のスイッチング電源装置は、オン期間とオフ期間を有する制御信号をスイッチング素子に印加することで、インダクタに電気的エネルギーを蓄積し、この蓄積エネルギーをコンデンサに充電することで電源電圧を生成する。
このオン期間とオフ期間のデューティ比は入出力電圧(Vout/Vin)の比に応じて設定され、入出力電圧差が小さいときにはオン期間を広く設定し、入出力電圧差が大きいときにはオン期間を狭く設定する。したがって、スイッチング電源装置が出力電圧Voutを一定に保持するため、入力電圧Vinを低く検出するときにはオン期間を広く制御し、入力電圧Vinを高く検出するときにはオン期間を狭く制御する。
一般に、フィードバック電流制御を行うときには、インダクタの電流を検出する検出回路を備える。しかし、スイッチング素子のターンオン時の突入電流に応じたノイズ、ローサイドの寄生ダイオードなどによるノイズを検出してしまうと、インダクタの電流量を誤検出してしまい、電源動作が不安定となる虞がある。
入力電圧Vin/出力電圧Voutの降圧比が極端に大きい場合、急激に出力電圧Voutを降下させるため通電電流量を多く制御しなければならない。他方、降圧比が大きいとPWM信号のデューティ比は低く制御される。
スイッチング電源装置において、スイッチング素子の通電電流は、PWM信号のオン期間中にインダクタの通電電流に応じて上昇し、オフ期間中にインダクタの通電電流に応じて下降する。スイッチング素子のオン期間中に通電電流がパルス状に大きく生じてしまうと、通電電流の上昇度が大きくなるため、PWM信号をオフするためのしきい値を超えてしまう。すると、意図しないタイミングでPWM信号がオフされてしまう要因となる。そこで、マスク回路を設け当該ノイズの影響を排除することが考えられる。なお、本願の関連技術としては例えば特許文献1に示されている。
マスク時間が一定幅に設定されていると、当該マスク時間がオン期間と同等又はオン期間より大きくなってしまう。したがって、入力電圧Vinが極端に高いとき、スイッチング周波数が極端に高いとき等にはこの技術を使用できない。仮に、この技術を無理に使用すると、本来設定すべきオン期間よりも広いオン期間に設定されることになり、オンオフスイッチング処理が繰り返されることで、出力電圧Voutが徐々に上昇し、本来の目標電圧よりも高く制御されてしまう。これにより制御不能に陥ることも想定される。最悪のケースでは、出力電圧Vout、出力電流ILが最大定格を超えてしまい、負荷にダメージを与えてしまうことも想定される。
また、入力電圧Vinが高いほど、スイッチング素子に瞬間的に流れるリカバリー電流のピーク値は大きくなり、サージ電流の発生時間も長くなる。このため、スイッチング素子の適切な制御が困難になってしまう。また、特許文献1記載の技術を適用したとき、入力電圧が高いときには電圧モードで動作しなければならないため、位相補償回路を複雑な設計を施さなければならず回路サイズが大きくなってしまう。
本発明の目的は、スイッチング電源電圧を安定して供給できるようにしたスイッチング制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、主スイッチング素子を通じて入力電圧をインダクタに通電し、PWM信号による主スイッチング素子のスイッチング動作に応じて入力電圧を所定の出力電圧に変換し負荷に供給するスイッチング電源装置を対象としている。駆動回路は、オン駆動信号を主スイッチング素子に出力した後、インダクタの通電電流に応じた第1電圧と負荷の印加電圧に応じた第2電圧とを比較し第2電圧が第1電圧以上になるとオフ駆動信号を主スイッチング素子に出力する。
制御部は、駆動信号のデューティ比が高くなる又は入力電圧が低くなるに応じてスルーレートを低くし、駆動信号のデューティ比が低くなる又は入力電圧が高くなるに応じてスルーレートを高くするように、駆動部が駆動する主スイッチング素子のスルーレートを変更制御している。すると、低デューティ比、高入力電圧の条件においてスイッチング電源装置の耐ノイズ性が向上する特徴を有効利用でき、駆動部が駆動する駆動信号のスルーレートを適切な値に制御することができ、スイッチング電源電圧を安定して供給できるようになる。
請求項2記載の発明によれば、制御部は入力電圧および出力電圧に応じて定められる下記のノイズ許容量式に応じて主スイッチング素子のスルーレートを変更制御する。ここで、ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G、又は、ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×Gと定義している。
すると、このノイズ許容量までのノイズであれば許容できるようになる。この式で表されるノイズ許容量は、例えば出力電圧Voutおよび入力電圧Vin間の降圧比が大きい場合には、降圧比が小さいときに比較して大きくできる。したがって、たとえ入力電圧と出力電圧の差が大きくなり、駆動信号のパルス幅が極端に狭くなったとしても、スイッチング電源電圧を安定して供給できる。
以下、スイッチング電源装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態において実質的に同一又は類似部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1はスイッチング電源装置の概略的な回路構成例を示し、図2は図1に示す回路を機能的に記載し直した回路ブロック構成を示す。
(第1の実施形態)
図1はスイッチング電源装置の概略的な回路構成例を示し、図2は図1に示す回路を機能的に記載し直した回路ブロック構成を示す。
図1において、スイッチング電源装置1は、主回路2、電流検出回路3、電圧検出回路4、入力電圧検出回路5を備えた電圧スルーレート制御回路6、駆動回路7、デッドタイム生成回路8、マスク回路9、トランジスタ(短絡回路)10、遅延回路11、PWM信号生成回路12、クロック生成回路13、および、コンパレータ14を備える。
このスイッチング電源装置1は、車載のバッテリ電圧VBから入力電圧Vin(例えば6V〜10V〜40V)を入力してスイッチング制御を行い、負荷15に安定電源となる出力電圧Voutを出力する降圧型レギュレータである。
主回路2は、入力電圧Vinが供給される電源線及びグランド間に直列接続された主スイッチング素子となるトランジスタM1とトランジスタM2、さらにこれらのトランジスタM1及びM2の共通接続ノードN1−出力端子OUT間に接続されたインダクタL1、および、出力端子OUT−グランド間に接続されたコンデンサC1を備える。
本実施形態では、主スイッチング素子としてのトランジスタM1、M2は、それぞれ例えばMOSトランジスタ,またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電圧制御型トランジスタにより構成されている。
本実施形態の図1では、MOSトランジスタの記号を用いて簡略的に示している。本実施形態では、トランジスタM1、M2のゲート信号が駆動信号となる。駆動信号がオンレベルになると、トランジスタM1がオンすると共にトランジスタM2がオフし、入力電圧Vinの電源線からトランジスタM1を通じてインダクタL1に流れる電流が増大する。また、駆動信号がオフレベルになると、トランジスタM1がオフすると共にトランジスタM2がオンし、インダクタL1の通電電流がトランジスタM2を通じて還流する。なお、トランジスタM2に代えてノードN1をカソードとするダイオードを用いても良い。
入力電圧Vinの供給端子とトランジスタM1との間にはシャント抵抗R1が接続されている。このシャント抵抗R1の両端子には検出電流変換回路16が接続されている。検出電流変換回路16は、このシャント抵抗R1の両端子の電圧を入力し、インダクタL1の通電電流に応じて例えば比例する電流検出信号を検出電圧Vsense2として出力する。電流検出回路3は、これらのシャント抵抗R1と検出電流変換回路16を備えて構成されている。シャント抵抗R1の挿入位置は前述の位置に限られない。例えば、シャント抵抗R1はトランジスタM1とM2との間に接続されていても良い。また、これらの検出方法に代えて、トランジスタM1、M2のドレイン−ソース間電圧を検出してもインダクタL1の通電電流を検出できる。
また、出力端子OUTとグランドとの間には、複数の抵抗R2およびR3による電圧検出回路4が構成されている。この電圧検出回路4は、出力電圧Voutに比例した検出電圧をコンパレータ14に出力する。コンパレータ14は、この検出電圧と検出電流変換回路16の検出電圧Vsense2とを比較し、この比較結果をPWM信号生成回路12に出力する。
検出電圧Vsense2の出力ノードとグランドとの間には、短絡回路となるトランジスタ10が構成されている。このトランジスタ10は、例えば、バイポーラトランジスタ,FET,またはIGBTなどにより構成され、本実施形態の図1ではFETの記号を用いて簡略的に示している。
このトランジスタ10は、その制御端子にマスク回路9を接続して構成され、マスク回路9からマスク信号が出力されると、検出電流変換回路16の出力ノードN2をグランドに短絡し、検出電流変換回路16の検出結果を無効化する。
このマスク回路9を設けている理由は、PWM信号のオン期間の初期タイミングにおいて、駆動回路7の駆動信号のスルーレートが高いときに特に初期振動ノイズが大きいためであり、この影響を極力排除するために設けられている。トランジスタ10は、マスク回路9からマスク信号が制御端子に入力されないと、電圧Vsense2の出力ノードN2とグランドとの間を開放し、検出電流変換回路16の検出結果を有効化する。
さて、クロック生成回路13はクロックパルスを生成し、当該クロックパルスを所定数カウントすると、セット信号SETをPWM信号生成回路12に出力する。このセット信号SETはオンレベルをセットする信号であり、本実施形態ではPWM信号の周期Tc毎に出力される信号となっている。
PWM信号生成回路12は、このセット信号SETを受けてPWM信号をオンレベルとする。また、コンパレータ14は電流検出回路3の出力ノードN2の電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較し、電圧検出回路4の検出電圧VcがノードN2の電圧Vsense2より高くなるとリセット信号RESETをPWM信号生成回路12に出力する。
PWM信号生成回路12は、セット信号SETが与えられるタイミングからリセット信号RESETが与えられるタイミングまでオン期間とし、逆にリセット信号RESETが与えられるタイミングからセット信号SETが与えられるタイミングまでオフ期間とする周期Tc、デューティ比Duのパルス信号をデッドタイム生成回路8に出力する。また、このPWM信号は遅延回路11を通じてマスク回路9にも与えられる。デッドタイム生成回路8は、各トランジスタM1、M2のオン期間の間に所定のオフ期間を設けたオンオフ駆動信号を生成し駆動回路7に出力する。
他方、電圧スルーレート制御回路6は、入力電圧検出回路5およびバッファ17、18を備える。入力電圧検出回路5は、コンパレータ19を備え、コンパレータ19がバッテリ電圧VBの入力電圧Vinと基準電圧Vb1とを比較し、この比較結果をバッファ17、18に出力する。バッファ17、18は、このコンパレータ19の比較結果に応じたオンオフ制御信号を駆動回路7のスイッチ20、21にそれぞれ出力する。
駆動回路7は、波形整形用のバッファ22と、抵抗23と、スルーレート調整用の抵抗24と、この抵抗24に直列接続されたスイッチ20とをトランジスタM1の駆動用に備える。また、駆動回路7は、波形整形用のバッファ25と、抵抗26、スルーレート調整用の抵抗27と、スイッチ21とをトランジスタM2の駆動用に備える。バッファ22はバッファ17と同等の駆動能力と耐圧特性を有する。バッファ25はバッファ18と同等の駆動能力と耐圧特性を有する。
駆動回路7は、デッドタイム生成回路8を通じて生成されたオンオフ駆動信号を使用し電圧スルーレート制御回路6のバッファ17、18から出力されるオンオフ制御信号に応じてスルーレートを制御し、各トランジスタM1、M2のゲートに出力する。
駆動回路7は、トランジスタM1の入力容量と抵抗23、24及びスイッチ20のオン抵抗の合成抵抗値とで求められる時定数に応じてトランジスタM1のオンオフスルーレートを調整できる。さらに、駆動回路7は、トランジスタM2の入力容量と抵抗26、27及びスイッチ21のオン抵抗の合成抵抗値とで求められる時定数に応じてトランジスタM2のオンオフスルーレートを調整できる。なお、図2は、これらの回路構成を概略的なブロック図で示しており、同一機能又は類似機能を備えた構成には同一符号を付して説明を省略する。この図2において、制御回路28は、遅延回路11、PWM信号生成回路12、クロック生成回路13を備える。
上記構成の作用について説明する。図3は動作中の各ノードの信号レベルをタイミングチャートで示している。バッテリ電圧VBは各種要因(負荷状態、環境温度等)に応じて様々に電圧変化を生じ、スイッチング電源装置1はこのバッテリ電圧VBによる入力電圧Vinの変化に応じて出力電圧Voutを所定範囲に収まるように制御する。図3において、期間Aは入力電圧Vinが基準電圧Vb1より低い期間を示し、期間Bは入力電圧Vinが基準電圧Vb1より高い期間を示している。
期間A中においては、入力電圧Vinが基準電圧Vb1より低いためコンパレータ19は「L」レベルを出力する。するとコンパレータ19の出力レベルVSR1は「L」レベルとなる。駆動回路7は、この出力レベルVSR1の「L」レベルを受けて、各スイッチ20、21をオフ状態に保持する。すると、抵抗24、27は開放状態となるため、バッファ17の出力端子とトランジスタM1のゲートの間には抵抗23のみ接続されると共に、バッファ18の出力端子とトランジスタM2のゲートの間には抵抗26のみ接続されることになる。すると、バッファ22とトランジスタM1のゲートとの間の抵抗値は抵抗24が接続されている場合に比較して高くなり、これに応じて、各トランジスタM1、M2のゲートの入力回路の時定数も高くなる。するとスルーレートを低く設定できる。
この後、クロック生成回路13が信号SETを1パルス出力すると、この信号SETを受けてPWM信号生成回路12はPWM信号を「H」(=ON)にする。PWM信号生成回路12がPWM信号のオンレベルを出力すると、これに応じて、デッドタイム生成回路8は駆動回路7にオン制御信号を出力する。
駆動回路7は、このPWM信号のオン期間に応じたパルス電圧をトランジスタM1のゲートに印加する。前述したようにスルーレートが低く設定されているため、トランジスタM1に流れる電流の当初の上昇勾配も低くなる。したがって、期間A2、A3中に示すように、シャント抵抗R1の検出電圧Vsense1の上昇勾配は低くなる(上昇勾配X1参照)。
この作用と同時に、PWM信号のオンレベルは遅延回路11を通じてマスク回路9にも入力される。マスク回路9は、図3に示すように、クロック生成回路13が信号SETをPWM信号生成回路12に出力した後、遅延回路11の内部に予め設定された時間の間、マスク信号を「H」レベルとしてトランジスタ10の制御端子に出力する。トランジスタ10は、制御端子に「H」レベルを入力すると、電流検出回路3の出力端子をグランドに短絡することで電流検出回路3の検出電圧Vsense2を無効化する(期間A2参照)。
その後、マスク回路9のマスク期間が終了すると、トランジスタ10は短絡状態を開放し電流検出回路3の出力端子を開放する。これにより電流検出回路3の検出電圧Vsense2を有効化する。この時点から、コンパレータ14はこの電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較する(期間A3参照)。その後PWM信号がオンレベルである間、検出電圧Vsense2は振動しながら徐々に上昇し続けることになり、この間インダクタL1の通電電流ILは徐々に上昇し続ける。
この間、コンパレータ14は、電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較し、電流検出回路3の検出電圧Vsense2が検出電圧Vcに達したタイミングで、PWM信号生成回路12にリセット信号RESETを「H」として出力する。
PWM信号生成回路12は、信号RESETの「H」を受けてPWM信号のオフレベルをデッドタイム生成回路8及び遅延回路11に出力する。デッドタイム生成回路8は、このオフレベルに応じてトランジスタM1にオフ駆動信号を与えデッドタイム期間後トランジスタM2にオン駆動信号を与えて電流を還流する。このとき、インダクタL1の電流が徐々に減少する(期間A4参照)。この後、クロック生成回路13がセット信号SETを「H」出力したタイミングから前述の期間A2〜A4における動作が繰り返されることになる。
次に図3の期間Bを参照し、バッテリ電圧Vbの入力電圧Vinが基準電圧Vb1よりも高いときの作用を説明する。図3に示すように、期間B中においては、入力電圧Vinが比較的高いためコンパレータ19の出力VSR1は「H」レベルとなる。駆動回路7はこの出力レベルVSR1の「H」を受けて各スイッチ20、21をオン状態に保持する。
すると、抵抗24はバッファ22の出力とトランジスタM1のゲートとの間に接続されることになり、バッファ22の出力とトランジスタM1のゲートとの間には、抵抗23及び24の並列回路が接続される。すると、これらの抵抗23及び24の合成抵抗値は単一の抵抗23の抵抗値より低くなる。これに応じて、各トランジスタM1のゲートの入力回路の時定数も低くなる。するとスルーレートを高く設定できる。
他方、スイッチ21がオンになると、抵抗27はバッファ25の出力とトランジスタM2のゲートとの間に接続されることになり、バッファ25の出力とトランジスタM2のゲートとの間には、抵抗26及び27の並列回路が接続される。すると、これらの抵抗26及び27の合成抵抗値は単一の抵抗26の抵抗値より低くなる。これに応じて、各トランジスタM2のゲート入力回路の時定数も低くなる。するとスルーレートを高く設定できる。
さて、クロック生成回路13がセット信号SETを出力すると、この信号SETを受けてPWM信号をオンレベルにする。PWM信号生成回路12がPWM信号のオンレベルを生成出力すると、これに応じて、デッドタイム生成回路8は駆動回路7にオンレベルを出力する。
駆動回路7は、このPWM信号のオンレベル出力期間に応じたパルス電圧をトランジスタM1のゲートに印加する。前述したように、スルーレートが高く設定されているため、トランジスタM1に流れる電流の当初の上昇勾配が高くなる。したがって、期間B2,B3中に示すように、シャント抵抗R1による検出電圧Vsense1の上昇勾配は高くなる(上昇勾配X2参照)。その後、PWM信号がオンレベルになっている間、検出電圧Vsense2は振動しながら徐々に上昇し続けることになり、この間、インダクタL1の通電電流ILは徐々に上昇し続ける。ここで、期間B中の電流上昇勾配X2は電流上昇勾配X1より高い。このため、期間B中のインダクタL1の電流ILの上昇勾配もまた期間A中のインダクタL1の電流ILの上昇勾配より高くなる。
この作用と同時に、PWM信号のオンレベルは遅延回路11を通じてマスク回路9にも入力される。マスク回路9は、クロック生成回路13がセット信号SETをPWM信号生成回路12に出力した後、遅延回路11の内部に予め設定された時間の間、マスク信号をアクティブレベル(「H」)とし、トランジスタ10に出力する(期間B2参照)。
トランジスタ10はマスク信号のアクティブレベルを入力すると、電流検出回路3の出力ノードN2をグランドに短絡することで電流検出回路3の検出電圧Vsense2を無効化する。すると、コンパレータ14は、このグランドレベルを電圧検出回路4による検出電圧Vcと比較した結果「L」を出力し続ける(期間B2期間参照)。すると、マスク信号の発生期間B2においては、電流上昇勾配X2が比較的高く設定されていたとしても、マスク回路9の作用に応じて検出電圧Vsense2が電圧Vc以上となることがなくなる。
その後、マスク回路9のマスク期間が終了すると、トランジスタ10はオフし電流検出回路3の出力ノードN2を開放することで電流検出回路3の検出電圧Vsense2を有効化する。すると、コンパレータ14はこの電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較する(期間B3参照)。
コンパレータ14は、電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較し、電流検出回路3の検出電圧Vsense2が電圧検出回路4の検出電圧Vcに達したタイミングにおいて、PWM信号生成回路12にリセット信号RESETをアクティブ出力する。
すると、PWM信号生成回路12はPWM信号のオフレベルをデッドタイム生成回路8及び遅延回路11に出力する。デッドタイム生成回路8は、このPWM信号のオフレベルに応じてトランジスタM1をオフすると共にトランジスタM2をオンし電流を還流させる。このときインダクタL1の電流が徐々に減少する(期間B4参照)。この後、クロック生成回路13がセット信号SETを「H」出力したタイミングから前述の期間B2〜B4における動作を繰り返す。このようにしてPWM信号のデューティ比を低く保持しながら制御できる。
発明者らは、図1、図2に示す回路を用い、検出電圧Vsense2と検出電圧Vcとの関係について図3に示すようにノイズ許容量Y1、Y2を定義した場合、次式(1)に示すような関係を導出した。このノイズ許容量Y1、Y2は、PWM信号のオンレベル出力タイミングにおいて誤検出を生じない程度のノイズ量を示すものである。
ノイズ許容量=Ton×ΔIrise×G …(1)
ここで、TonはPWM信号のオン期間、ΔIriseはインダクタの電流上昇度、Gは電流検出回路3のアンプのゲイン、を示す。ここで、インダクタL1のインダクタンスLが十分に大きな値であると仮定すると、ΔIriseは、
ΔIrise=(Vin−Vout)/L …(2)
で転換できる。ここでVinは入力電圧、Voutは出力電圧、Lはインダクタのインダクタンスを示す。すると、
ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G …(3)
となる。ここで、TcはPWM信号の周期、DuはPWM信号のオンデューティ比、を示す。この(3)式に示すように、出力電圧Vout、インダクタのインダクタンス値L、周期Tcが予め設定された状態で降圧電源電圧を生成するときには、ノイズ許容量は、センシング用の電流検出回路3のアンプのゲインG、デューティ比Du、入力電圧Vinにより決定されることになる。
ここで、TonはPWM信号のオン期間、ΔIriseはインダクタの電流上昇度、Gは電流検出回路3のアンプのゲイン、を示す。ここで、インダクタL1のインダクタンスLが十分に大きな値であると仮定すると、ΔIriseは、
ΔIrise=(Vin−Vout)/L …(2)
で転換できる。ここでVinは入力電圧、Voutは出力電圧、Lはインダクタのインダクタンスを示す。すると、
ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G …(3)
となる。ここで、TcはPWM信号の周期、DuはPWM信号のオンデューティ比、を示す。この(3)式に示すように、出力電圧Vout、インダクタのインダクタンス値L、周期Tcが予め設定された状態で降圧電源電圧を生成するときには、ノイズ許容量は、センシング用の電流検出回路3のアンプのゲインG、デューティ比Du、入力電圧Vinにより決定されることになる。
(2)式を(3)式に代入すると、
ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×G …(4)
で求められる。
ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×G …(4)
で求められる。
すなわち、一定の出力電圧Voutを得るため、入力電圧Vinが大きいときには降圧比が大きくなるが、このような場合、ノイズ許容量は降圧比が小さいときより大きくなる。そこで、入出力電圧の降圧比(Vout/Vin)が高く低デューティ比Duのときには、駆動回路7のスルーレートを高く制御することで高速動作できるようにし、入出力電圧の降圧比が低く高デューティ比Duのときには、駆動回路7のスルーレートを低く制御する。これによりノイズの影響が悪影響とならないように制御できる。
図4は、デューティ比Duとノイズ許容量の関係を表している。また、図5は入力電圧Vinとノイズ許容量の関係を表している。これらの図4、図5は、例えば、出力電圧Vout=1.25[V]、周期Tc=2.5[μsec]、インダクタL=10[μH]と仮定したときのノイズ許容量を電圧単位で示した一例である。
これらの図4に示すように、デューティ比Duが高くなればこれにほぼ比例してノイズ許容量が減少し、図5に示すように入力電圧Vinが低ければ低いほどノイズ許容量が急峻に減少することがわかる。
特に、図5に示すように、入力電圧Vinが極端に低く(例えば10[V]未満)なり出力電圧Vout(=1.25[V])に近づくとノイズ許容量が急激に減少する。本実施形態では、これらの影響を考慮し、スイッチング電源装置1内の各種回路パラメータが設定されている。
本実施形態では、図5のノイズ許容量−入力電圧特性に応じて回路の各種パラメータ(例えば抵抗値、インダクタのインダクタンス値等)が定められる。本実施形態では、入力電圧Vinの値に応じて駆動回路7の電圧スルーレートを変更制御するため、基準電圧Vb1の電圧値、ゲート抵抗23、24、26、27の抵抗値は、図5に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められている。
また、リップル電流がインダクタL1のインダクタンス値に応じて変化するため、このインダクタL1のインダクタンス値もノイズ許容量と相関する関係にあり、当該インダクタンス値は図5に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められている。また、電圧検出回路4の検出電圧Vcの重畳ノイズは、当該電圧検出回路4の各抵抗R2、R3の抵抗値に応じて変化する。このため、これらの抵抗R2、R3の抵抗値もノイズ許容量と相関する関係にあり、当該抵抗R2、R3の抵抗値、電圧検出回路4の検出電圧Vcは図5に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められている。
ただし、電流検出回路3のシャント抵抗R1の抵抗値は電流検出目的となるものであり、通常ノイズに影響しない程度に予め低く設定される。このため、このシャント抵抗R1の抵抗値はノイズ許容量には関与しないものと見做すことができる。また、入力電圧Vinを平滑することを目的とするコンデンサC1は、直流電圧の出力端子OUTに安定化して出力するために設けられるため、このコンデンサC1の容量値もノイズ許容量には関与しないものと見做すことができる。このような事情を考慮しつつ、スイッチング電源装置1内の回路パラメータが定められる。
ここで、入力電圧Vinが、入力電圧検出回路5により基準電圧Vb1より低く検出されれば、電圧スルーレート制御回路6は駆動回路7のスイッチ20、21をオフ制御することによりトランジスタM1、M2のゲート入力抵抗の合成抵抗値を大きい値に設定する。これにより駆動回路7の電圧スルーレートを低く設定できる。逆に、入力電圧Vinが、入力電圧検出回路5により基準電圧Vb1以上に検出されれば、電圧スルーレート制御回路6は駆動回路7のスイッチ20、21をオン制御することによってトランジスタM1、M2のゲート入力抵抗の合成抵抗値を小さい値に設定する。これにより駆動回路7の電圧スルーレートを高く設定できる。
本実施形態によれば、予め定められるノイズ許容量の数式(4)式を参酌すれば、入力電圧Vinが高い場合にノイズ許容量が大きいことを算出できる。このため、電圧スルーレート制御回路6は、入力電圧Vinが高い場合にトランジスタM1、M2のゲートに接続される抵抗の合成抵抗値を低く変更制御することでスルーレートを高く設定する。逆に、入力電圧Vinが低い場合にはノイズ許容量が小さい。このため、電圧スルーレート制御回路6は、入力電圧Vinが低い場合にトランジスタM1、M2のゲートに接続される抵抗の合成抵抗値を高く変更制御することでスルーレートを低く設定する。
このため、電圧スルーレート制御回路6がこのノイズ許容量の(4)式に合わせて駆動回路7のスルーレートを変更制御することによりノイズの影響を極力回避しつつトランジスタM1、M2を駆動することで、安定したスイッチング電源電圧を負荷15に供給できる。これにより、高入力電圧等に起因して降圧比が大きくなり、トランジスタM1のオン期間が短く設定される場合であっても安定してスイッチング電源電圧を供給できる。
(第1実施形態の変形例)
図6は第1実施形態の変形例を示すもので、前述実施形態と異なるところは、駆動回路7の抵抗切換用のスイッチを2つ以上設けることでスルーレートを3以上の複数段階に切換可能に構成したところにある。
図6は第1実施形態の変形例を示すもので、前述実施形態と異なるところは、駆動回路7の抵抗切換用のスイッチを2つ以上設けることでスルーレートを3以上の複数段階に切換可能に構成したところにある。
電圧スルーレート制御回路6に代わる電圧スルーレート制御回路106は、入力電圧検出回路105、および、バッファ17a、17b、18a、18bを備える。入力電圧検出回路105は、複数の比較部としての2つのコンパレータ19aおよび19bを備え、これらの2つのコンパレータ19a、19bが、バッテリ電圧VBの入力電圧Vinと基準電圧Vb1、Vb2とをそれぞれ比較する。
ここで、基準電圧Vb1と基準電圧Vb2は互いに異なる電圧に設定されており、各コンパレータ19a、19bは、入力電圧Vinの高低に応じて異なる比較結果を出力する。各コンパレータ19a、19bは比較結果をバッファ17a、17b、18a、18bに出力する。これらのバッファ17a、17b、18a、18bは、コンパレータ19a、19bの比較結果に応じたオンオフ制御信号を駆動回路107のスイッチ20a、20b、21a、21bに出力する。
駆動回路7に代わる駆動回路107は、波形成型用のバッファ22と、抵抗23と、スルーレート調整用の抵抗24a、24bと、これらの抵抗24a、24bにそれぞれ直列接続されたスイッチ20a、20bと、を備える。この駆動回路107はデッドタイム生成回路8とトランジスタM1のゲートとの間に接続されている。
また、駆動回路107は、波形成型用のバッファ25と、抵抗26と、スルーレート調整用の抵抗27a、27bと、これらの抵抗27a、27bにそれぞれ直列接続されたスイッチ21a、21bと、を備える。この駆動回路107はデッドタイム生成回路8とトランジスタM2のゲートとの間に接続されている。
駆動回路107のバッファ22の出力とトランジスタM1のゲートとの間には、抵抗23、抵抗24a及びスイッチ20aの直列回路、並びに、抵抗24b及びスイッチ20bの直列回路、が並列接続されている。駆動回路107のバッファ25の出力とトランジスタM2のゲートとの間には、抵抗26、抵抗27a及びスイッチ21aの直列回路、並びに、抵抗27b及びスイッチ21bの直列回路、が並列接続されている。
駆動回路107は、電圧スルーレート制御回路106から出力されるオンオフ制御信号に応じて電圧スルーレートを制御し、デッドタイム生成回路8により生成されたオンオフ駆動信号をトランジスタM1、M2のゲートに出力する。トランジスタM1の電圧スルーレートは、当該トランジスタM1の入力容量と抵抗23、24a、24bの合成抵抗値との時定数に応じて段階的に調整できる。また、トランジスタM2の電圧スルーレートは、当該トランジスタM2の入力容量と抵抗26、27a、27bの合成抵抗値との時定数に応じて段階的に調整できる。
本実施形態によれば、トランジスタM1の駆動信号のデューティ比が高くなる又は入力電圧が低くなるに応じてスルーレートを低くし、トランジスタM1の駆動信号のデューティ比が低くなる又は入力電圧が高くなるに応じてスルーレートを高くするように、スルーレートを変更制御している。これにより、低デューティ比又は高入力電圧において、スイッチング電源装置1の耐ノイズ性を向上できることを利用してスルーレートを制御できるようになり、安定したスイッチング電源電圧を供給できる。
また、トランジスタM1、M2のゲート電圧のスルーレートを段階的に調整制御でき、前述した(4)式のノイズ許容量の特性式に極力合わせて制御できる。抵抗24aおよびスイッチ20aの直列回路、抵抗24bおよびスイッチ20bの直列回路を2つ並列に設けることによって電圧スルーレートを3段階に切換可能にした形態を示したが、このような抵抗およびスイッチを3つ以上並列に設けることでゲート電圧のスルーレートを4段階以上に切換制御できるようにしても良い。
(第2の実施形態)
図7〜図9は第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スナバ回路を用いてMOSトランジスタの電流スルーレートを制御できるようにしたところにある。
図7〜図9は第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スナバ回路を用いてMOSトランジスタの電流スルーレートを制御できるようにしたところにある。
図7はスイッチング電源装置の概略的な回路構成例を示し、図8は図7に示す回路を機能的に記載し直した回路ブロック構成を示す。図7において、スイッチング電源装置201は、主回路2、電流検出回路3、電圧検出回路4、入力電圧検出回路5を備えた電流スルーレート制御回路206、駆動回路207、デッドタイム生成回路8、マスク回路9、短絡回路となるトランジスタ10、遅延回路11、PWM信号生成回路12、クロック生成回路13、コンパレータ14、および、スナバ回路215を備える。ここで、駆動回路207は、前述実施形態の電圧スルーレート調整用の抵抗23、24、26、27、スイッチ20、21を備えておらず、バッファ22、25が各トランジスタM1、M2のゲートにそれぞれ直接接続されている。
各トランジスタM1、M2のドレイン−ソース間にはスナバ回路215が接続されている。このスナバ回路215は、トランジスタM1、M2の各ドレイン−ソース間に、スイッチ29およびコンデンサ30、スイッチ31およびコンデンサ32、をそれぞれ直列接続したスイッチ付きのスナバ回路となっている。
スナバ回路215は、電流スルーレート制御回路206からスイッチ29、31が切換制御されることにより各トランジスタM1、M2のドレイン−ソース間の容量値を制御できる。電流スルーレート制御回路206は、入力電圧検出回路5によりバッテリ電圧VBからの入力電圧Vinを基準電圧Vb1と比較し、その比較結果について反転バッファ33、34を通じてそれぞれスイッチ29、31の制御端子に出力する。反転バッファ33はバッファ22と同等の駆動能力および耐圧特性を有しており、反転バッファ32はバッファ25と同等の駆動能力および耐圧特性を有する。図8は、これらの概要を機能ブロック図により示している。
本実施形態では、図5に示すノイズ許容量−入力電圧特性に応じて回路の各種パラメータ(例えば抵抗値、インダクタンス値等)が定められる。本実施形態では、入力電圧Vinの値に応じてスナバ回路215による電流スルーレートを変更制御するため、基準電圧Vb1の電圧値、各スナバコンデンサ30、32の容量値は、図5に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められる。
また、前述実施形態と同様に、インダクタL1のインダクタンス値、抵抗R2、R3の抵抗値、電圧検出回路4の検出電圧Vcは、図5に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められる。さらに、前述実施形態と同様に、電流検出回路3のシャント抵抗R1の抵抗値、コンデンサC1の容量値はノイズ許容量には関与しないものと見做すことができる。このような事情を考慮しつつ、スイッチング電源装置1内の回路パラメータが定められている。なお、図9には、このとき定められるノイズ許容量Z1、Z2の定義を示している。
上記構成の作用について説明する。図9は動作中の各ノードの信号レベルをタイミングチャートによって示す。バッテリ電圧VBは各種要因(負荷状態、環境温度等)に応じて様々に電圧変化を生じ、スイッチング電源装置201はこのバッテリ電圧VBによる入力電圧Vinの変化に応じて出力電圧Voutが所定範囲に収まるように制御する。図9において、期間Cは入力電圧Vinが基準電圧Vb1より低い期間を示し、期間Dは入力電圧Vinが基準電圧Vb1より高い期間を示している。
期間C中においては入力電圧Vinが比較的低いため、コンパレータ19は「L」レベルを出力し、反転バッファ33、34の出力レベルVSN1、VSN2は共に「H」レベルとなる。スナバ回路215は、出力レベルVSN1、VSN2=「H」を受けて各スイッチ29、31をオン状態に保持する。するとコンデンサ30、32が、各トランジスタM1、M2のドレインソース間に接続されることになる。これにより、スナバ回路215の作用に応じてスルーレートを低く設定できる。
クロック生成回路13が、信号SETを1パルス出力すると、この信号SETを受けてPWM信号生成回路12はPWM信号をオンレベル=「H」にする。PWM信号生成回路12がPWM信号のオンレベルを生成出力すると、これに応じて、デッドタイム生成回路8は駆動回路207にオン制御信号を出力する。
駆動回路207は、このPWM信号のオンレベルをトランジスタM1のゲートに印加する。前述したように、スルーレートが低く設定されているため、トランジスタM1に流れる電流の当初の上昇勾配も低くなる。したがって、期間C2、C3中に示すように、シャント抵抗R1による検出電圧Vsense1の上昇勾配は低くなる(上昇勾配X3参照)。
この作用と同時に、PWM信号のオンレベルは遅延回路11を通じてマスク回路9にも与えられる。マスク回路9は、図9に示すように、クロック生成回路13が信号SETをPWM信号生成回路12に出力した後、遅延回路11の内部に予め設定された時間の間、マスク信号をアクティブレベル「H」としトランジスタ10に出力する。トランジスタ10はアクティブレベル「H」を入力すると、電流検出回路3の出力端子をグランドに短絡することにより電流検出回路3の検出電圧Vsense2を無効化する(期間C2参照)。
その後、マスク回路9のマスク期間が終了すると、トランジスタ10は短絡状態を開放し電流検出回路3の出力端子を開放する。これにより電流検出回路3の検出電圧Vsense2を有効化する。この時点から、コンパレータ14はこの電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較する(期間C3参照)。その後、PWM信号がオンレベルとなっている間、検出電圧Vsense2は振動しながら徐々に上昇し続けることになり、この間、インダクタL1の電流ILは徐々に上昇し続ける。
コンパレータ14は、電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較し、電流検出回路3の検出電圧Vsense2が検出電圧Vcに達したタイミングで、PWM信号生成回路12に信号RESETをアクティブとする。
PWM信号生成回路12は、信号RESETを受けてPWM信号のオフレベルをデッドタイム生成回路8及び遅延回路11に出力する。デッドタイム生成回路8は、このオフレベルに応じてトランジスタM1をオフしデッドタイム期間を経てトランジスタM2をオンし電流を還流させる。このとき、インダクタL1の電流ILが徐々に減少する(期間C4参照)。この後、クロック生成回路13が信号SETをアクティブ出力したタイミングから前述の期間C2〜C4における動作を繰り返すことになる。
次に、図9の期間Dを参照し、バッテリ電圧Vbの入力電圧Vinが基準電圧Vb1よりも高いときの作用説明を行う。図9に示すように期間D中においては、入力電圧Vinが比較的高いため、反転バッファ33および34は出力レベルVSN1及びVSN2を共に「L」レベルとする。すると、トランジスタM1、M2のドレイン−ソース間に接続されるコンデンサ30、32は開放されることになり、スナバ回路215の動作は無効化される。すると、スルーレートを高く設定できる。
クロック生成回路13が、信号SETをパルス出力すると、この信号SETを受けてPWM信号をオンレベルにする。PWM信号生成回路12がPWM信号のオンレベルを生成出力すると、これに応じてデッドタイム生成回路8は駆動回路207にオン制御信号を出力する。駆動回路207は、このPWM信号のオンレベルをトランジスタM1の制御端子に印加する。前述したように、スルーレートが高く設定されているため、トランジスタM1に流れる電流の当初の上昇勾配が高くなる。したがって、期間D2、D3中に示すように、シャント抵抗R1による検出電圧Vsense1の上昇勾配は高くなる(上昇勾配X4参照)。
その後、PWM信号がオンレベルになっている間、検出電圧Vsense2は振動しながら徐々に上昇し続けることになり、この間、インダクタL1の電流ILは徐々に上昇し続ける。ここで、期間D中の上昇勾配X4は上昇勾配X3より高い。このため、期間B中のインダクタL1の電流の上昇勾配もまた、期間A中のインダクタL1の電流の上昇勾配より高くなる。
この作用と同時に、PWM信号のオンレベルは遅延回路11を通じてマスク回路9にも入力される。マスク回路9は、クロック生成回路13がセット信号SETをPWM信号生成回路12に出力した後、遅延回路11の内部で設定された時間の間、マスク信号をアクティブレベル「H」としトランジスタ10に出力する(期間D2参照)。
トランジスタ10はアクティブレベル「H」を入力すると、電流検出回路3の出力ノードN2をグランドに短絡することで電流検出回路3の検出電圧Vsense2を無効化する。すると、コンパレータ14はこのグランドレベルを電圧検出回路4の検出電圧Vcと比較した結果「L」を出力し続ける(期間D2参照)。すると電流上昇勾配X4が比較的高く設定されていたとしても、マスク回路9の作用に応じて検出電圧Vsense2が電圧Vc以上となることがなくなる。
その後、マスク回路9のマスク期間が終了すると、トランジスタ10はオフし電流検出回路3の出力ノードN2を開放することで、電流検出回路3の検出電圧Vsense2を有効化する。すると、コンパレータ14はこの電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較する(期間D3参照)。
コンパレータ14は、電流検出回路3の検出電圧Vsense2と電圧検出回路4の検出電圧Vcとを比較し、電流検出回路3の検出電圧Vsense2が検出電圧Vcに達したタイミングにおいて、PWM信号生成回路12に信号RESETをアクティブレベル「H」として出力する。
すると、PWM信号生成回路12はPWM信号のオフレベルをデッドタイム生成回路8及び遅延回路11に出力する。デッドタイム生成回路8は、このPWM信号のオフレベルに応じてトランジスタM1をオフ制御すると共にトランジスタM2をオン制御し電流を還流させる。このとき、インダクタL1の電流が徐々に減少する(期間D4参照)。この後、クロック生成回路13が信号SETをアクティブレベルとして出力したタイミングから前述の期間D2〜D4における動作を繰り返す。このようにして、PWM信号のデューティ比Duを低く制御できる。
ここで、入力電圧Vinが基準電圧Vb1以上となるか未満となるかに応じてトランジスタM1、M2のドレインソース間に接続されるコンデンサ30、32の容量値を変更制御する。すなわち、入力電圧Vinが入力電圧検出回路5により基準電圧Vb1より低く検出されれば、電流スルーレート制御回路206はスイッチ29,31をオン制御することで、各トランジスタM1、M2のドレインソース間にコンデンサ30,32を接続することになる。これにより、スナバ回路215の機能によりスルーレートを低く設定できる。
逆に、入力電圧Vinが入力電圧検出回路5により基準電圧Vb1以上に検出されれば、電流スルーレート制御回路206はスイッチ29、31をオフ制御することによりコンデンサ30、32を開放することになる。これによりスナバ回路215の機能によりスルーレートを高く設定できる。(4)式によれば、出力電圧Voutおよび入力電圧Vin間の降圧比が大きい場合には、降圧比が小さいときよりノイズ許容量を大きくできる。このためスルーレートを変更制御することによりノイズの影響を極力回避してトランジスタM1、M2を駆動できる。これにより、入力電圧Vinが高い場合に起因して降圧比が大きくなり、トランジスタM1のオン期間が短く設定される場合であってもスイッチング電源電圧を安定して供給できる。
(第2実施形態の変形例)
図10は第2実施形態の変形例を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スナバ回路を構成するコンデンサの切換スイッチを2つ以上設けることにより、スルーレートを3以上の複数段階以上に切換可能に構成したところにある。
図10は第2実施形態の変形例を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スナバ回路を構成するコンデンサの切換スイッチを2つ以上設けることにより、スルーレートを3以上の複数段階以上に切換可能に構成したところにある。
電流スルーレート制御回路206に代わる電流スルーレート制御回路306は、入力電圧検出回路305および反転バッファ33a、33b、34a、34bを備える。入力電圧検出回路305は2つのコンパレータ19aおよび19bを備え、これらの2つのコンパレータ19a、19bが、バッテリ電圧VBの入力電圧Vinと基準電圧Vb1、Vb2とをそれぞれ比較する。
ここで、例えば基準電圧Vb1と基準電圧Vb2とは互いに異なる電圧に設定され、各コンパレータ19a、19bは、各基準電圧Vb1、Vb2と入力電圧Vinとの高低に応じて比較結果を出力する。コンパレータ19aは比較結果を反転バッファ33a、33bに出力し、コンパレータ19bは比較結果を反転バッファ34a、34bに出力する。
これらの反転バッファ33a、33bはオンオフ制御信号をスナバ回路315内のスイッチ29a、29bに出力し、反転バッファ34a、34bはオンオフ制御信号をスナバ回路315内のスイッチ31a、31bに出力する。
トランジスタM1に接続されるスナバ回路315は、コンデンサ30aおよび30bを並列接続した状態でトランジスタM1のドレイン−ソース間に接続されており、これらのコンデンサ30a、30bがそれぞれスイッチ29a、29bにより接続切換可能に構成されている。
トランジスタM2に接続されるスナバ回路315は、コンデンサ32aおよび32bを並列接続した状態でトランジスタM2のドレイン−ソース間に接続されており、これらのコンデンサ32a、32bがそれぞれスイッチ31a、31bにより接続切換可能に構成されている。
トランジスタM1に接続されるスナバ回路315は、反転バッファ33a、33bにより出力されるオンオフ制御信号に応じてコンデンサの合成容量が変更される。同様に、トランジスタM2に接続されるスナバ回路315は、反転バッファ34a、34bにより出力されるオンオフ制御信号に応じてコンデンサの合成容量が変更される。これによりスルーレートを変更制御できる。
本実施形態によれば、トランジスタM1、M2のドレインソース間のコンデンサの合成容量を段階的に調整制御できるようになり、前述した(4)式のノイズ許容量に合わせて段階的に制御できる。
例えばトランジスタM1については、コンデンサ30a、30bおよびスイッチ29a、29bの直列回路を2つ並列に設けることで3段階にスルーレートを切換可能にした形態を示したが、3つ以上並列に設けることによりスルーレートを4段階以上に切換えるようにしても良い。
(第3実施形態)
図11〜図13は第3実施形態を示すもので、カウンタ回路によりPWM信号を生成するためのクロックパルスをカウントし、このクロックパルス数に応じてスルーレートを変更制御するところにある。
図11〜図13は第3実施形態を示すもので、カウンタ回路によりPWM信号を生成するためのクロックパルスをカウントし、このクロックパルス数に応じてスルーレートを変更制御するところにある。
スイッチング電源装置1に代わるスイッチング電源装置401は、図11に示すように、電圧スルーレート制御回路6に代わるスルーレート制御回路406を備える。このスルーレート制御回路406は、カウンタ回路417、ラッチ回路418、遅延回路419、および、バッファ17、18を備える。
図12に回路構成例を示すように、カウンタ回路417はDフリップフロップ420を従属接続して構成され、クロック生成回路13による生成クロックCLKのパルスをカウントする。各Dフリップフロップ420のリセット端子/RにはPWM信号生成回路12により生成されるPWM信号が与えられる。このカウンタ回路417は、クロックCLKのパルス数をカウントし、所定カウント以上になるとラッチ回路418にアクティブレベル「L」を保持させる。
ラッチ回路418がカウンタ回路417の出力アクティブレベルを保持すると、遅延回路419がこのラッチ回路418の保持レベルを次のPWM信号のパルスまで待機した上で、このアクティブレベルをバッファ17、18に出力し、これらのバッファ17、18は、駆動回路7のスイッチ20、21にオン制御信号を出力する。
この図11に示す形態では、図4のノイズ許容量−デューティ比特性に応じて回路の各種パラメータ(例えば抵抗値、インダクタL1のインダクタンス値等)が定められる。本実施形態では、PWM信号のデューティ比Duに応じて駆動回路7の電圧スルーレートを変更制御する。このため、ゲート抵抗23、24、26、27の抵抗値は、図4に示すノイズ許容量の絶対量に応じて予め定められる。また、前述実施形態と同様に、インダクタL1のインダクタンス値、抵抗R2、R3の抵抗値、電圧検出回路4の検出電圧Vcもまた、図4に示すノイズ許容量の絶対量に応じて予め定められる。
さらに、前述実施形態と同様に、電流検出回路3のシャント抵抗R1の抵抗値、コンデンサC1の容量値はノイズ許容量に関与しないものと見做すことができる。このような事情を考慮しつつ、スイッチング電源装置1内の回路パラメータが定められており、これによりスルーレートを変更制御できる。
このスルーレート制御回路406は、PWM信号生成回路12のPWM信号のオンレベル出力期間を計測し、このオンレベル出力期間が所定期間以上のときに、次のPWMパルスにおける電圧スルーレートを高く制御する。逆に、スルーレート制御回路406は、PWM信号のオンレベル出力期間が所定期間未満のときに、次のPWMパルスにおける電圧スルーレートを低く制御する。例えば、PWM信号のデューティ比Duが所定デューティ比より高いときには、ラッチ回路418は遅延回路419を通じて「L」レベルを出力しスイッチ20、21をオフさせる。するとスルーレートを低く設定できる。
また逆に、PWM信号のオンデューティ比Duが所定デューティ比より低いときには、ラッチ回路418は「H」レベルを出力し、スイッチ20、21をオンさせる。するとスルーレートを高く設定できる。つまり、駆動回路7は、ラッチ回路418の出力レベルに応じてスイッチ20、21を切換えできるため、スルーレートの高低を調整制御できる。
図13はスイッチング電源装置1に代わるスイッチング電源装置501の回路構成例を示し、スナバ回路215を構成するコンデンサの合成容量値を変更制御する例を示している。スルーレート制御回路506は、反転バッファ33、34を通じてコンデンサ30、32に直列接続されたスイッチ29、31をオンオフ制御する。図13に示す回路構成によれば、スナバ回路215はラッチ回路418の出力レベルに応じてスイッチ29、31が切換えられるため、スルーレートの高低を調整制御できる。
この図13に示す形態では、図4のノイズ許容量−デューティ比特性に応じて回路の各種パラメータが定められる。この図13に示す形態では、PWM信号のデューティ比Duに応じてスナバ回路215を用いて電流スルーレートを変更制御する。このため、スナバ回路215のコンデンサ30、32の容量値は、図4に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められている。また、前述実施形態と同様に、インダクタL1のインダクタンス値、抵抗R2、R3の抵抗値、電圧検出回路4の検出電圧Vcは、図4に示すノイズ許容量の絶対量に応じて定められている。さらに、前述実施形態と同様に、電流検出回路3のシャント抵抗R1の抵抗値、コンデンサC1の容量値はノイズ許容量には関与しないものと見做すことができる。このような事情を考慮しつつ、スイッチング電源装置1内の回路パラメータが定められており、これによりスルーレートを変更制御できる。
本実施形態の図11に係る構成によれば、カウンタ回路417がクロックパルスをカウントし、PWM信号のデューティ比Duの高低を1パルス毎に検出し、当該PWM信号の1パルス毎に駆動回路7の抵抗の合成抵抗値を変更することでスルーレートを調整制御する。また、図13に係る構成によれば、カウンタ回路417がクロックパルスをカウントし、PWM信号のデューティ比Duの高低を1パルス毎に検出し、スナバ回路215の接続をPWM信号の1パルス毎に変更制御することでスルーレートを調整制御する。これにより、前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
(他の実施形態)
前述実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。PWM信号の周期Tcを一定として制御する形態に適用したが、これに限定されるものではなく、PFM、PWFM方式を用いて周期Tcを変化させる形態に適用しても良い。この場合、周期Tcが変化するため(4)式に示すノイズ許容量も変化するが、このノイズ許容量式に合わせて各回路パラメータ(例えば抵抗値、インダクタンス値等)を設定すると良い。すると、前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
前述実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。PWM信号の周期Tcを一定として制御する形態に適用したが、これに限定されるものではなく、PFM、PWFM方式を用いて周期Tcを変化させる形態に適用しても良い。この場合、周期Tcが変化するため(4)式に示すノイズ許容量も変化するが、このノイズ許容量式に合わせて各回路パラメータ(例えば抵抗値、インダクタンス値等)を設定すると良い。すると、前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
主スイッチング素子として電圧制御型トランジスタM1,M2を適用した実施形態を示したが、他種類のスイッチング素子(例えば、バイポーラトランジスタ)を適用しても良い。
図面中、1、401はスイッチング電源装置、6、106、206、306、406はスルーレート制御回路(制御部)、7、107、207は駆動回路(駆動部)、19、19a、19bはコンパレータ(比較部)、417はカウント回路(カウント部)、M1はMOSトランジスタ(主スイッチング素子)を示す。
Claims (6)
- 主スイッチング素子(M1)を通じて入力電圧をインダクタ(L1)に通電し、周期信号による前記主スイッチング素子(M1)のスイッチング動作に応じて前記入力電圧を所定の出力電圧に変換し負荷(15)に供給するスイッチング電源装置(1、401)であり、
オン駆動信号を前記主スイッチング素子(M1)に出力し、前記インダクタ(L1)の通電電流に応じた第1電圧(Vsense2)と前記負荷(15)の印加電圧に応じた第2電圧(Vc)とを比較し前記第2電圧(Vc)が前記第1電圧(Vsense2)以上になるとオフ駆動信号を前記主スイッチング素子(M1)に出力する駆動部(7、107、207)と、
前記駆動信号のデューティ比が高くなる又は前記入力電圧が低くなるに応じてスルーレートを低くし、前記駆動信号のデューティ比が低くなる又は前記入力電圧が高くなるに応じてスルーレートを高くするように、前記駆動部(7、107、207)が駆動する前記主スイッチング素子(M1)のスルーレートを変更制御する制御部(6、106、206、306、406、506)と、を備えることを特徴とするスイッチング電源装置。 - 請求項1記載のスイッチング電源装置において、
前記制御部(6、106、206、306、406、506)は、前記入力電圧および前記出力電圧に応じて定められる下記のノイズ許容量に応じて前記駆動部(7、107、207)が駆動する前記主スイッチング素子(M1)のスルーレートを変更制御することを特徴とするスイッチング電源装置。
ノイズ許容量=Tc×Du×(Vin−Vout)/L×G、
又は
ノイズ許容量=Tc×(Vout/Vin)×(Vin−Vout)/L×G
但し、Tcは周期信号の周期、Duはオン期間/オフ期間のデューティ比、Gはインダクタの通電電流の検出アンプゲイン、Voutは出力電圧、Vinは入力電圧、Lは前記インダクタのインダクタンス。 - 請求項1又は2記載のスイッチング電源装置において、
前記入力電圧と複数の基準電圧とをそれぞれ比較する複数の比較部(19a、19b)を備え、
前記制御部(106、306)は、前記複数の比較部(19a、19b)の比較結果に応じてスルーレートを段階的に変更制御することを特徴とするスイッチング制御装置。 - 請求項1又は2記載のスイッチング電源装置において、
前記PWM信号のオン期間の時間をカウントするカウント部(417)を備え、
前記制御部(406、506)は、前記カウント部(417)のカウント数の大小に応じて前記主スイッチング素子(M1)のスルーレートを変更制御することを特徴とするスイッチング制御装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載のスイッチング電源装置において、
前記主スイッチング素子(M1)はMOSトランジスタにより構成され、
前記制御部(6、106、406)は、前記MOSトランジスタのゲートソース間電圧のスルーレートを変更制御することを特徴とするスイッチング電源装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載のスイッチング電源装置において、
前記主スイッチング素子(M1)はMOSトランジスタにより構成され、
前記制御部(206、306、506)は、前記MOSトランジスタのドレインソース間電流のスルーレートを変更制御することを特徴とするスイッチング電源装置。
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