JP2014161146A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロック周波数を高く維持したままで運転できる領域を増やす。
【解決手段】周波数制御回路8は、入力電圧Vinの取り得る範囲(0からVin(max))を2つの領域に区分する電圧しきい値Vth(=(R33+R34)/R34×Vr)と、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkの取り得る範囲(Ipk(min)からIpk(max))を2つの領域に区分する電流しきい値Ith(=R37/(R36+R37)×Vr)を有する。入力電圧VinがVthよりも高く、ピーク電流IpkがIthよりも低いときに、切替信号ScがHレベルになってクロック周波数を下げる。その結果、オンパルス幅が最小オンパルス時間Ton(min)よりも長くなるので、出力電圧Voの持ち上がりを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流モード制御を実行するスイッチング電源装置に関する。
電圧モード制御方式のスイッチング電源装置は、出力電圧に基づいてのみフィードバック制御を行うため、出力電圧の変動に対する応答が遅くなる。そこで、近年では、出力電圧に加えてインダクタ電流をフィードバック制御に用いる電流モード制御方式のスイッチング電源装置が多く用いられている。このスイッチング電源装置は、所定周波数を持つクロック信号の立ち上がりごとに、出力トランジスタの駆動信号をオンレベルにする。そして、目標電圧と出力電圧との差分に基づいて誤差信号としての指令電流を生成し、検出したインダクタ電流が指令電流を超えると駆動信号をオフレベルに戻す(ピーク電流検出方式)。
電流モード制御方式では、クロック信号の立ち上がりごとに出力トランジスタがオンする。制御系には種々の遅延要素が存在するので、一旦オンした出力トランジスタは、少なくとも最小オンパルス時間だけオンし続ける。従って、100%オフする制御期間を設けることができない。その結果、出力電圧を目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅が上記最小オンパルス時間よりも短くなると、出力電圧が目標電圧よりも上昇する持ち上がりが生じてしまう。
これに対しては、目標電圧と出力電圧との差分を検出し、出力電圧が目標電圧よりも高いほど出力トランジスタのスイッチング周期を長くする(つまりクロック周波数を下げる)制御が提案されている(特許文献1)。
特開2007−159275号公報
上記従来構成では、オーバーシュートが生じたときにもクロック周波数が下げられるので応答性が低下する。その結果、電源の立ち上げ時または外乱に対して出力電圧の整定時間が長くなる。また、クロック周波数が下がると、制御系が発振し易くなる。このような理由により、クロック周波数を可能な限り高く維持することが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、オンパルス幅の減少による出力電圧の持ち上がりを抑制する手段において、従来構成に比べ、クロック周波数を高く維持したままで運転できる領域を増やすことができるスイッチング電源装置を提供することにある。
請求項1に記載した手段は、ピーク電流検出方式で電流モード制御を行うスイッチング電源装置である。主回路は、スイッチング素子とインダクタを有する。駆動信号がオンレベルになると、スイッチング素子がオンしてインダクタに流れる電流が増加し、駆動信号がオフレベルになると、スイッチング素子がオフしてインダクタに流れる電流が出力側に還流する。
電流検出回路は、インダクタに流れる電流に対応した電流検出信号を出力する。電圧検出回路は、主回路の出力電圧に対応した検出電圧を出力する。誤差増幅回路は、主回路の目標出力電圧に対応した基準電圧を非反転入力とし、検出電圧を反転入力として、誤差信号を出力する。駆動信号生成回路は、クロック信号に同期して駆動信号をオンレベルにし、電流検出信号が増加して誤差信号に達したことにより駆動信号をオフレベルにする。
周波数制御回路は、1または複数の電圧しきい値に基づいて、主回路に入力される電圧の取り得る範囲を複数の領域に区分する。また、1または複数の電流しきい値に基づいて、インダクタに流れるピーク電流の取り得る範囲を複数の領域に区分する。周波数制御回路は、1または複数の電圧しきい値で区分された特定の高電圧側の領域であって、且つ、1または複数の電流しきい値で区分された特定の低ピーク電流側の領域に対し、クロック信号の周波数を低下させるように制御する。
主回路の入力電圧の上昇、インダクタのピーク電流(負荷)の減少などによりオンパルス幅が減少すると、出力電圧が目標出力電圧よりも上昇する持ち上がりが発生し易くなる。本手段を採用すると、持ち上がりの発生要因となる主回路の入力電圧とインダクタのピーク電流にしきい値を設け、これら電圧しきい値と電流しきい値とを組み合わせて運転領域を区分する。そして、真に出力電圧が持ち上がる高電圧側且つ低ピーク電流側の領域に対してだけ、クロック周波数を低下させることができる。
これにより、従来構成に比べ、出力電圧を目標出力電圧よりも上昇させることなく、クロック周波数を高く維持したままで運転できる領域を増やすことができる。その結果、従来構成に比べて広い運転領域で、電流モード制御系を安定に動作させることができる。また、出力電圧の持ち上がり検出に基づかないので、オーバーシュートの発生時に不必要にクロック周波数を下げることもない。従って、電源の立ち上げ時または外乱に対して出力電圧の整定が遅れることがない。
請求項2に記載した手段によれば、電圧しきい値は、当該電圧しきい値が設定されるピーク電流領域内の最小電流がインダクタに流れている状態で、周波数を低下させる前のクロック信号を用いて主回路の出力電圧を目標出力電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンレベルのパルス幅が最小オンパルス時間に等しくなるときの主回路の入力電圧に等しく設定されている。
最小オンパルス時間は、電流モード制御系において、ターンオンしたスイッチング素子をターンオフさせるのに要する最小時間である。これにより、上記ピーク電流領域内であれば、ピーク電流(負荷)の大小にかかわらず、出力電圧の持ち上がりを防止できる電圧しきい値が設定される。この電圧しきい値は、特に上記最小電流に対して持ち上がりが発生する際の臨界値となる。
請求項3に記載した手段によれば、電流しきい値は、当該電流しきい値が設定される電圧領域内の最大電圧が主回路に入力されている状態で、周波数を低下させる前のクロック信号を用いて主回路の出力電圧を目標出力電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンレベルのパルス幅が最小オンパルス時間に等しくなるときのインダクタに流れるピーク電流に等しく設定されている。これにより、上記電圧領域内であれば、電圧の高低にかかわらず、出力電圧の持ち上がりを防止できる電流しきい値が設定される。この電流しきい値は、特に上記最大電圧に対して持ち上がりが発生する際の臨界値となる。
請求項4に記載した手段によれば、誤差増幅回路は、入出力間に抵抗とコンデンサとの直列回路を備え、周波数制御回路は、クロック信号の周波数を低下させたとき、直列回路の時定数を低減する。これにより、クロック信号の周波数を下げた場合でも制御系の位相余裕を確保でき、不安定による発振等の発生を防止することができる。
請求項5に記載した手段によれば、周波数制御回路は、第1比較器、第2比較器および切替制御回路を備える。第1比較器は、主回路の入力電圧と電圧しきい値とを比較して第1切替信号を出力し、第2比較器は、誤差信号と電流しきい値とを比較して第2切替信号を出力する。切替制御回路は、第1切替信号および第2切替信号に基づいてクロック信号の周波数を切り替える。この構成によれば、入力電圧に係る第1切替信号とインダクタのピーク電流に係る第2切替信号とが別々に生成され、切替制御回路で両切替信号が論理合成されるので、切替制御回路の論理を種々に組み替えて複雑な切替条件を容易に設定できる。
請求項6に記載した手段によれば、周波数制御回路は、第1比較器、選択回路、第2比較器および切替制御回路を備える。第1比較器は、主回路の入力電圧と電圧しきい値とを比較して選択信号を出力する。選択回路は、複数の電流しきい値の中から選択信号に応じた電流しきい値を選択する。第2比較器は、誤差信号と選択した電流しきい値とを比較して切替信号を出力する。切替制御回路は、切替信号に基づいてクロック信号の周波数を切り替える。この構成によれば、区分された電圧領域ごとに電流しきい値が設定されるので、クロック信号の周波数を低下させる領域を一層絞り込むことができる。
請求項7に記載した手段によれば、周波数制御回路は、インダクタに流れるピーク電流を検出するピーク電流検出回路を備えている。ピーク電流検出方式における誤差信号は、インダクタに流れるピーク電流を指令する信号であり、両信号は実質的に等価である。そこで、第2比較器は、誤差信号に替えてピーク電流検出回路で検出したピーク電流と電流しきい値とを比較して切替信号を出力してもよい。
請求項8に記載した手段によれば、ピーク電流検出回路は、駆動信号がオンレベルにある時の電流検出信号を積分処理してインダクタに流れるピーク電流を検出する。これにより、電流検出回路を、電流モード制御とクロック信号の周波数制御とに兼用できる。その他、請求項9に記載したように、インダクタと直列に抵抗性素子を備え、抵抗性素子の端子間電圧に基づいてインダクタに流れるピーク電流を検出することもできる。
本発明の第1の実施形態を示すスイッチング電源装置の構成図 電流モード制御の波形図 入力電圧Vin、ピーク電流Ipkとクロック周波数との対応を示す図 開ループ制御系のボード線図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 本発明の第4の実施形態を示す図1相当図 本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
各実施形態において実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1から図4を参照しながら説明する。図1に示すスイッチング電源装置1は、車載バッテリから電圧Vinを入力してピーク電流検出方式の電流モード制御を行い、車載機器などの負荷2に対し電圧Voを出力する降圧型のレギュレータである。
このスイッチング電源装置1は、主回路3、電流検出回路4、電圧検出回路5、誤差増幅回路6、駆動信号生成回路7、周波数制御回路8、駆動回路9、ブートストラップ回路10などを備えている。主回路3とブートストラップ回路10を除き、電源ICとして構成されている。
主回路2は、入力電圧Vinを供給する電源線11とグランドとの間に直列に接続されたスイッチング素子12とダイオード13、これらスイッチング素子12とダイオード13の共通接続ノードNaと出力端子14との間に接続されたインダクタ15、および出力端子14とグランドとの間に接続されたコンデンサ16から構成されている。抵抗17はインダクタ15の抵抗分を表しており、抵抗18はコンデンサ16のESR(等価直列抵抗)を表している。
スイッチング素子12は、Nチャネル型FETから構成されているが、FETに替えてバイポーラトランジスタ、IGBTなどから構成してもよい。駆動回路9の入力信号および出力信号(スイッチング素子12のゲート信号)は、駆動信号に相当する。駆動信号がオンレベル(Hレベル)になるとスイッチング素子12がオンし、電源線11からスイッチング素子12を通してインダクタ15に流れる電流が増加する。駆動信号がオフレベル(Lレベル)になると、スイッチング素子12がオフし、インダクタ15に流れていた電流がダイオード13を介して出力側に還流する。ダイオード13に替えてスイッチング素子を用いてもよい。
ブートストラップ回路10は、電源線11とノードNaとの間に直列に接続されたダイオード19とコンデンサ20から構成されている。駆動回路9は、コンデンサ20の上端電圧を用いてスイッチング素子12のゲート信号を生成する。
電源線11とスイッチング素子12との間にはシャント抵抗21が接続されている。電流変換回路22は、このシャント抵抗21の両端子間の電圧を入力し、スイッチング素子12のオン期間にインダクタ15に流れる電流に対応した電流検出信号を出力する。これらシャント抵抗21と電流変換回路22により電流検出回路4が構成されている。電圧検出回路5は、抵抗5a、5bからなる分圧回路により構成されており、出力電圧Voに対応した検出電圧を出力する。
基準電圧発生回路23は、出力電圧Voの目標電圧に対応した基準電圧Vrを出力するバンドギャップリファレンスである。誤差増幅回路6は、オペアンプ24を備えており、非反転入力の基準電圧Vrと反転入力の検出電圧との差に応じた誤差信号を出力する。オペアンプ24の入出力端子間には、コンデンサ25と抵抗26との直列回路からなる位相補償回路が接続されている。アナログスイッチ28がオンすると、抵抗26に抵抗27が並列接続されてCR直列回路の時定数が低下する。
駆動信号生成回路7は、クロック生成回路29、コンパレータ30およびRSフリップフロップ31を備えている。クロック生成回路29は、切替信号Scに応じてクロック信号の周波数fを切り替える。すなわち、切替信号ScがLレベルのときには周波数f1(例えば2MHz)のクロック信号を出力し、切替信号ScがHレベルのときには周波数f2(例えば400kHz)のクロック信号を出力する。
コンパレータ30は、非反転入力端子に入力される電流検出信号と反転入力端子に入力される誤差信号とを比較し、電流検出信号が増加して誤差信号に達したことによりHレベルのリセット信号を出力する。RSフリップフロップ31は、駆動回路9に対し駆動信号を出力する。すなわち、クロック信号の立ち上がりで駆動信号をオンレベル(Hレベル)にし、リセット信号の立ち上がりで駆動信号をオフレベル(Lレベル)にする。駆動回路9は、駆動信号に基づくゲート信号をスイッチング素子12に出力する。
周波数制御回路8は、主回路3に入力される電圧Vinと誤差増幅回路6から出力される誤差信号とに基づいて、切替信号Scを生成する。コンパレータ32は、抵抗33、34で分圧した電圧Vinと基準電圧Vrとを比較して第1切替信号Svを出力する第1比較器である。コンパレータ35は、誤差信号と抵抗36、37で分圧した基準電圧Vrとを比較して第2切替信号Siを出力する第2比較器である。ANDゲート38は、第1切替信号Svと第2切替信号SiのAND信号である切替信号Scを出力する切替制御回路である。なお、上述したアナログスイッチ28は、切替信号ScがHレベルのときにオンし、Lレベルのときにオフする。
次に、図2から図4を参照しながら本実施形態の作用について説明する。以下の説明では、出力電圧Voの持ち上がりの主原因を電流変換回路22の検出遅れ時間tdとしているが、コンパレータ30、駆動回路9、スイッチング素子12などに遅れが生じる場合でも同様の作用として説明できる。
図2に示すように、時刻t1でクロック信号が立ち上がると、駆動信号生成回路7のRSフリップフロップ31が出力する駆動信号がHレベルになり、スイッチング素子12がオンする。これにより、ノードNaの電圧Vaが電圧Vinに近付く。インダクタ15のインダクタンスをLとすれば、インダクタ15に流れる電流ILは、ほぼ(Vin−Vo)/Lに比例して増加する。スイッチング素子12がオンしている期間、インダクタ電流ILはシャント抵抗21に流れる。
電流変換回路22は、上述したように検出遅れ時間tdを有しており、インダクタ電流ILに対応した電流検出信号を、時刻t1から検出遅れ時間tdだけ遅れた時刻t2で出力する。コンパレータ30は、電流検出信号と誤差信号とを比較し、電流検出信号が誤差信号に達した時刻t3でHレベルのリセット信号を出力する。これにより、RSフリップフロップ31から出力される駆動信号がLレベルになり、スイッチング素子12がオフする。その結果、ノードNaの電圧Vaがほぼ0Vになり、インダクタ電流ILがダイオード13を介して還流する。電流変換回路22が出力する電流検出信号は、時刻t3から検出遅れ時間tdだけ遅れた時刻t4でゼロになる。
誤差増幅回路6は、基準電圧Vrと出力電圧Voの検出電圧との差に応じた誤差信号を出力する。ピーク電流検出方式の電流モード制御において、この誤差信号は、インダクタ電流ILのピーク電流を指令する信号に相当する。負荷2に流れる出力電流をIo、ダイオード13の順方向電圧をVf、スイッチング素子12のオン抵抗とシャント抵抗21とを合わせた抵抗値をRon、抵抗17の抵抗値をRL、クロック信号の周波数をfとすれば、駆動信号のオンパルス幅Tonは(1)式で表すことができる。
Ton=(Vo+RL・Io+Vf)/(Vin−Ron・Io+Vf)/f …(1)
この(1)式から明らかになるように、入力電圧Vinが高く、出力電流Ioが小さいほどオンパルス幅Tonが短くなる。図2において、入力電圧Vinが高くなるに従いオンパルス幅Tonが短くなり(時刻t1、t5、t6、t7のオン駆動パルス)、出力電流Ioが小さくなるに従いオンパルス幅Tonがさらに短くなっている(時刻t7のオン駆動パルス、時刻t8の仮想のオン駆動パルス)。これに対し、時刻t8でクロック信号の周波数fを下げると、オンパルス幅Tonが長くなる(時刻t10のオン駆動パルス)。
時刻t8では、出力電流Ioの低下に伴い誤差信号が低下している。このため、時刻t8から検出遅れ時間tdだけ遅れた時刻t9に電流変換回路22から電流検出信号が出力されると、駆動信号生成回路7は直ちにスイッチング素子12をオフする。これから分かるように、駆動信号のオンパルス幅Tonは、検出遅れ時間tdよりも短く設定することはできない。従って、検出遅れ時間tdは、一旦ターンオンしたスイッチング素子12をターンオフさせるのに必要な最小時間である最小オンパルス時間Ton(min)となる。
出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅が最小オンパルス時間Ton(min)よりも短くなると、出力電圧Voが目標電圧よりも上昇する持ち上がりが発生する。本実施形態では時刻t8以降でクロック信号の周波数を下げるので、時刻t8ではオン駆動パルスを出力せず、時刻t10まで待ってオン駆動パルスを出力している。
周波数制御回路8は、入力電圧Vinの取り得る範囲(0からVin(max))を2つの領域に区分する1つの電圧しきい値Vthを有している。抵抗33、34の抵抗値をR33、R34とすれば、電圧しきい値Vthは(R33+R34)/R34×Vrとなる。第1切替信号Svは、入力電圧Vinが電圧しきい値Vthよりも高いときにHレベルになり、電圧しきい値Vth以下のときにLレベルになる。
また、周波数制御回路8は、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkの取り得る範囲(Ipk(min)からIpk(max))を2つの領域に区分する1つの電流しきい値Ithを有している。ピーク電流検出方式では、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkは誤差信号に等しく制御される。抵抗36、37の抵抗値をR36、R37とすれば、電流しきい値IthはR37/(R36+R37)×Vrとなる。第2切替信号Siは、誤差信号(ピーク電流Ipk)が電流しきい値Ithより低いときにHレベルになり、誤差信号が電流しきい値Ith以上のときにLレベルになる。
これを図に表すと、図3(a)に示すように入力電圧Vinとピーク電流Ipkとからなる範囲が4つの領域に区分される。入力電圧Vinが電圧しきい値Vthよりも高く、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ithよりも低いときに、切替信号ScがHレベルになってクロック周波数がf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げられる。ただし、後述するように、クロック周波数を下げると制御系が不安定になり易い。
上記電圧しきい値Vthは、クロック周波数をf1とし、ピーク電流領域(Ipk(min)からIpk(max))内の最小ピーク電流Ipk(min)が流れている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときの入力電圧Vinに等しく設定されている。この電圧しきい値Vthは、クロック信号の周期をT(=1/f)、最小ピーク電流Ipk(min)が流れるときの出力電流をIo(min)とし、Vfの項を省略すると(2)式で表すことができる。
Vth≒T/Ton(min)×(Vo+RL・Io(min))+Ron・Io(min) …(2)
ピーク電流Ipkが上記ピーク電流領域内であって、入力電圧Vinが電圧しきい値Vth以下であれば、ピーク電流Ipk(換言すれば出力電流Ioまたは負荷2)の大小にかかわらず、出力電圧Voの持ち上がりを防止することができる。この電圧しきい値Vthだけに基づいてクロック信号の周波数を変更する場合には、図3(b)に示すようにクロック周波数が変更される。
しかし、(2)式で示す電圧しきい値Vthは、図中のC点に対応する出力電圧Voの持ち上がりの臨界値である。ピーク電流Ipkが大きくなれば、より高い入力電圧Vinまで持ち上がりが生じなくなる。制御系の安定化を図るためには、出力電圧Voの持ち上がりが生じない限り、クロック周波数を高く維持することが望ましい。そこで、周波数制御回路8は、電圧しきい値Vthに加え電流しきい値Ithを用いている。
電流しきい値Ithは、クロック周波数をf1とし、電圧領域(0からVin(max))内の最大電圧Vin(max)が入力されている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときのピーク電流Ipkに等しく設定されている。クロック周波数fが十分に高い場合、ピーク電流Ipkと出力電流Ioとはほぼ等しくなるので、電流しきい値Ithは、Vfの項を省略するとほぼ(3)式で表すことができる。
Ith≒(Vin(max)−Vo・T/Ton(min))/(Ron+RL・T/Ton(min)) …(3)
入力電圧Vinが上記電圧領域内であって、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ith以上であれば、入力電圧Vinの高低にかかわらず、出力電圧Voの持ち上がりを防止することができる。従って、周波数制御回路8は、入力電圧Vinが電圧しきい値Vthよりも高い領域(特定の高電圧側の領域)であって、且つ、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ithよりも低い領域(特定の低ピーク電流側の領域)に対してのみ、クロック周波数をf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げる。
クロック周波数fが低下するとオンパルス幅Tonが長くなり、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅が最小オンパルス時間Ton(min)よりも長くなる(時刻t10のオン駆動パルス)。その結果、出力電圧Voの持ち上がりを防止することができる。周波数制御回路8は、時刻t8でクロック周波数をf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げている。このため、時刻t8ではオン駆動パルスを出力しない。
ところで、クロック周波数fを下げると、電流モード制御系が不安定になり易い。電圧検出回路5の入力端子(抵抗5aの上端)から出力端子14までの開ループ制御系の伝達関数G(s)は、抵抗5a、17、18、26の抵抗値をRin、RL、Rc、Ra、コンデンサ16、25の容量値をC、Ca、電流検出回路4の変換係数(=IL/電流検出信号の電圧レベル)をKi、クロック信号をF(s)とすれば、(4)式で表すことができる。
G(s)=(1+sCaRa)/(sCaRin)×Ki(1+sCRc)/(1+sCVo/Io)×F(s) …(4)
図4は、入力電圧Vin=16V、出力電圧Vo=1.25V、出力電流Io=100mA(最小負荷に相当)の条件における開ループ伝達関数G(s)のゲインと位相を示すボード線図である。(a)、(b)は、それぞれクロック周波数が2MHz、400kHzの場合であって、アナログスイッチ28がオフの場合を示している。クロック周波数を2MHz(F1(s))から400kHz(F2(s))に下げると、クロック信号F2(s)によりポールが低周波側に移動するので、位相余裕は49.9degから34degに減少する。
そこで、クロック周波数を400kHzに下げるとともにアナログスイッチ28をオンして、抵抗26に抵抗27を並列接続する。抵抗27の抵抗値をRbとすれば、伝達関数G(s)は、(4)式においてRaをRaRb/(Ra+Rb)に置き替えたものとなる。これにより、ゼロ点が高周波側に移動するので位相が持ち上げられる。図4(c)は、クロック周波数を400kHzに下げるとともに、アナログスイッチ28をオンした場合を示している。位相が持ち上げられて、位相余裕が34degから48.9degに改善していることが分かる。
以上説明したように、本実施形態のスイッチング電源装置1が備える周波数制御回路8は、入力電圧Vinの取り得る範囲を電圧しきい値Vthにより2つの領域に区分するとともに、ピーク電流Ipkの取り得る範囲を電流しきい値Ithにより2つの領域に区分する。そして、電圧しきい値Vthで区分された高電圧側の領域であって且つ電流しきい値Ithで区分された低ピーク電流側(換言すれば低負荷側)の領域に対し、クロック周波数を下げるように制御する。
これにより、真に出力電圧Voが持ち上がる特定の高電圧側且つ低ピーク電流側の領域に対してだけ、クロック周波数を低下させることができる。その結果、従来構成に比べ、出力電圧Voを上昇させることなく、クロック周波数を高く維持したままで運転できる領域を増やすことができ、制御系を安定に動作させることができる。また、本制御は、出力電圧の持ち上がり検出に基づかないので、電源立ち上げ時などのオーバーシュートの発生時に、不必要にクロック周波数を下げることもない。
電圧しきい値Vthは、クロック周波数をf1とし、最小ピーク電流Ipk(min)が流れている状態で、駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときの入力電圧Vinに等しく設定されている。また、電流しきい値Ithは、クロック周波数をf1とし、最大電圧Vin(max)が入力されている状態で、駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときのピーク電流Ipkに等しく設定されている。これにより、0からVin(max)までの電圧範囲内、Ipk(min)からIpk(max)までのピーク電流範囲内であれば、入力電圧Vinの高低およびピーク電流Ipk(負荷2)の大小にかかわらず、出力電圧Voの持ち上がりを防止することができる。
さらに、周波数制御回路8は、クロック周波数を下げるとき、誤差増幅回路6の位相補償回路の時定数も下げるので、制御系の位相余裕が確保され、発振現象などの安定性の低下を防止することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図5および図6を参照しながら説明する。図5に示すスイッチング電源装置41は、クロック周波数を切り替えるために2つの電圧しきい値Vth1、Vth2と1つの電流しきい値Ithを用いている。電圧しきい値が増えたので、図1に示したスイッチング電源装置1とは、誤差増幅回路42と周波数制御回路43の構成が異なる。
誤差増幅回路42は、位相補償回路の時定数を3段階に変更することができる。そのため、誤差増幅回路6に対しさらに抵抗44とアナログスイッチ45を備えている。アナログスイッチ28、45は、それぞれ後述する切替信号Sc1、Sc2がHレベルのときにオンする。
周波数制御回路43は、入力電圧Vinと誤差信号とに基づいて切替信号Sc1、Sc2を生成する。コンパレータ32は、抵抗33と抵抗47、48とで分圧した電圧Vinと基準電圧Vrとを比較して第1切替信号Sv1を出力する第1比較器である。このときの電圧しきい値Vth1は、抵抗33、47、48の抵抗値をR33、R47、R48とすれば、(R33+R47+R48)/(R47+R48)×Vrとなる。コンパレータ46は、抵抗33、47と抵抗48とで分圧した電圧Vinと基準電圧Vrとを比較して第1切替信号Sv2を出力する第1比較器である。このときの電圧しきい値Vth2は、(R33+R47+R48)/R48×Vrとなる。
ANDゲート38は、第1切替信号Sv1と第2切替信号SiのAND信号である切替信号Sc1を出力する切替制御回路である。ANDゲート49は、第1切替信号Sv2と第2切替信号SiのAND信号である切替信号Sc2を出力する切替制御回路である。
クロック生成回路29は、図6に示すように、切替信号Sc1、Sc2がともにLレベルのとき、すなわち入力電圧Vinが電圧しきい値Vth1以下であるか或いはピーク電流Ipkが電流しきい値Ith以上のときに、周波数f1(例えば2MHz)のクロック信号を出力する。切替信号Sc1がHレベル、切替信号Sc2がLレベルのとき、すなわち入力電圧Vinが電圧しきい値Vth1よりも高く、電圧しきい値Vth2以下であって、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ithよりも低いときに、周波数f2(例えば1MHz)のクロック信号を出力する。切替信号Sc1、Sc2がともにHレベルのとき、すなわち入力電圧Vinが電圧しきい値Vth2よりも高く、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ithよりも低いときに、周波数f3(例えば400kHz)のクロック信号を出力する。
電圧しきい値Vth1は、クロック周波数をf1とし、ピーク電流領域(Ipk(min)からIpk(max))内の最小ピーク電流Ipk(min)が流れている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときの入力電圧Vinに等しく設定されている。電圧しきい値Vth2は、クロック周波数をf2とし、最小ピーク電流Ipk(min)が流れている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときの入力電圧Vinに等しく設定されている。電流しきい値Ithは、第1の実施形態で説明した通りに設定されている。
本実施形態によれば、周波数制御回路43は、入力電圧Vinの取り得る範囲を電圧しきい値Vth1、Vth2により3つの領域に区分するとともに、ピーク電流Ipkの取り得る範囲を電流しきい値Ithにより2つの領域に区分する。そして、電流しきい値Ithで区分された低ピーク電流側の領域について、電圧しきい値Vth1、Vth2で区分された領域に対し段階的にクロック周波数を下げるように制御する。
これにより、入力電圧VinがVth1からVth2の領域では、クロック周波数の低下量を1MHz(=2MHz−1MHz)に低減することができるので、第1の実施形態に比べ、当該領域での制御系の安定性を高めることができる。また、周波数制御回路43は、クロック周波数の低下量に応じて誤差増幅回路42の位相補償回路の時定数を段階的に下げるので、応答性をなるべく高く維持しながら安定性の低下を防止することができる。その他、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図7および図8を参照しながら説明する。図7に示すスイッチング電源装置51は、図1に示したスイッチング電源装置1に対し、周波数制御回路52の構成が異なる。
周波数制御回路52は、入力電圧Vinから3つの分圧電圧を生成する抵抗56〜59と、当該各分圧電圧と基準電圧Vrとを比較するコンパレータ53〜55を備えている。コンパレータ53〜55は、分圧電圧が基準電圧Vrよりも高いときにHレベルの選択信号S1、S2、S3を出力する第1比較器である。
このときの電圧しきい値Vth1、Vth2、Vth3は、抵抗56〜59の抵抗値をR56〜R59とすれば以下のようになる。
Vth1=(R56+R57+R58+R59)/(R57+R58+R59)×Vr
Vth2=(R56+R57+R58+R59)/(R58+R59)×Vr
Vth3=(R56+R57+R58+R59)/R59×Vr
周波数制御回路52は、基準電圧Vrを分圧して電流しきい値Ith0、Ith1、Ith2、Ith3を生成する抵抗60〜63と、各分圧ノードとグランドとの間に接続されたアナログスイッチ64〜66を備えている。抵抗60〜63の抵抗値をR60〜R63とすれば、電流しきい値Ith0、Ith1、Ith2、Ith3は以下のようになり、Ith0<Ith1<Ith2<Ith3の関係を有する。
Ith0=0
Ith1=R61/(R60+R61)×Vr
Ith2=(R61+R62)/(R60+R61+R62)×Vr
Ith3=(R61+R62+R63)/(R60+R61+R62+R63)×Vr
アナログスイッチ64〜66は、複数の電流しきい値Ith0〜Ith3の中から選択信号S1〜S3に応じた電流しきい値Ithを選択する選択回路である。コンパレータ35は、誤差信号と選択した電流しきい値Ithとを比較して切替信号Scを出力する第2比較器である。コンパレータ35は、切替信号Scに基づいてクロック周波数を切り替える切替制御回路の機能も兼ねている。
これを図に表すと、図8の二点鎖線で示すように入力電圧Vinとピーク電流Ipkとからなる範囲が16の領域に区分される。入力電圧Vinが電圧しきい値Vth1以下の場合には、アナログスイッチ64〜66が全てオンするので、ゼロである電流しきい値Ith0が選択される。これにより、切替信号Scは誤差信号(ピーク電流Ipk)にかかわらず常にLレベルとなり、クロック周波数はf1(2MHz)に設定される。
入力電圧Vinが電圧しきい値Vth1より高く、電圧しきい値Vth2以下の場合には、アナログスイッチ65、66がオンするので、電流しきい値Ith1が選択される。これにより、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ith1よりも低い領域に対して、クロック周波数がf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げられる。
入力電圧Vinが電圧しきい値Vth2より高く、電圧しきい値Vth3以下の場合には、アナログスイッチ66がオンするので、電流しきい値Ith2が選択される。これにより、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ith2よりも低い領域に対して、クロック周波数がf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げられる。
入力電圧Vinが電圧しきい値Vth3より高い場合には、アナログスイッチ64〜66が全てオフするので、電流しきい値Ith4が選択される。これにより、ピーク電流Ipkが電流しきい値Ith4よりも低い領域に対して、クロック周波数がf1(2MHz)からf2(400kHz)に下げられる。
上記電圧しきい値Vth1は、クロック周波数をf1とし、ピーク電流領域(Ipk(min)からIpk(max))内の最小ピーク電流Ipk(min)が流れている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときの入力電圧Vinに等しく設定されている。電圧しきい値Vth2、Vth3は、Vth1からVin(max)の間で適宜設定されている。
電流しきい値Ith1、Ith2、Ith3は、それぞれクロック周波数をf1とし、主回路3に各電圧領域(Vth1〜Vth2、Vth2〜Vth3、Vth3〜Vin(max))内の最大電圧Vth2、Vth3、Vin(max)が入力されている状態で、出力電圧Voを目標電圧に等しく制御するために必要な駆動信号のオンパルス幅Tonが最小オンパルス時間Ton(min)に等しくなるときのピーク電流Ipkに等しく設定されている。
本実施形態によれば、周波数制御回路52は、電圧Vth1、Vth2、Vth3、Vin(max)で区分される電圧領域ごとに、電流しきい値Ith1、Ith2、Ith3で区分された低ピーク電流側の領域に対し、クロック周波数を下げるように制御する。これにより、真に出力電圧Voが持ち上がる高電圧側且つ低ピーク電流側の領域を一層細かく特定して、クロック周波数を低下させることができる。その結果、出力電圧Voを上昇させることなく、クロック周波数を高く維持したままで運転できる領域を一層増やすことができ、制御系をより安定に動作させることができる。その他、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図9を参照しながら説明する。図9に示すスイッチング電源装置71の周波数制御回路72は、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkを検出するピーク電流検出回路73を備えている。ピーク電流検出回路73は、コンデンサ74とアナログスイッチ75とから構成されており、駆動信号がHレベルにある時に電流検出信号を積分処理してピーク電流Ipkを検出する。コンパレータ35は、検出したピーク電流Ipkと電流しきい値Ithとを比較して第2切替信号Siを出力する。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
ピーク電流検出方式における誤差信号は、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkを指令する信号であり、両信号は実質的に等価である。従って、誤差信号に替えて検出したピーク電流Ipkを用いて第2切替信号Siを生成しても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。また、本実施形態によれば、電流検出回路4を用いてピーク電流Ipkを検出するので、電流検出回路4を電流モード制御とクロック信号の周波数制御とに兼用できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態について図10を参照しながら説明する。図10に示すスイッチング電源装置81の周波数制御回路82は、インダクタ15に流れるピーク電流Ipkを検出するピーク電流検出回路83を備えている。ピーク電流検出回路83は、ノードNaとインダクタ15との間に設けられた抵抗84(抵抗性素子)と、抵抗84の端子間電圧をピーク電流Ipkに変換する電流変換回路85とから構成されている。コンパレータ35は、検出したピーク電流Ipkと電流しきい値Ithとを比較して第2切替信号Siを出力する。その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
第2、第3の実施形態に対しても、第4、第5の実施形態で説明した構成、すなわちピーク電流検出回路73、83を採用し、コンパレータ35がピーク電流Ipkと電流しきい値Ithとを比較する構成を採用してもよい。
クロック周波数を下げても制御系が安定していれば、誤差増幅回路6、42における位相補償回路の時定数の変更回路は不要である。
上述した電流検出回路4に替えて、スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧に基づいてインダクタ15に流れる電流を検出する回路を採用してもよい。また、スイッチング素子12と並列にセンス用の素子を配置し、その素子の両端電圧または電流に基づいてインダクタ15に流れる電流を検出する回路を採用してもよい。
第2の実施形態で示したように、電圧しきい値Vthおよび/または電流しきい値Ithを複数備えてもよい。この場合、ANDゲート38、49に替えて、複数の第1切替信号Svおよび/または第2切替信号Siを入力として切替信号Scを論理合成する種々の切替制御回路を採用することができる。
図面中、1、41、51、71、81はスイッチング電源装置、3は主回路、4は電流検出回路、5は電圧検出回路、6、42は誤差増幅回路、7は駆動信号生成回路、8、43、52、72、82は周波数制御回路、12はスイッチング素子、15はインダクタ、25はコンデンサ、26、27、44は抵抗、32、46、53、54、55はコンパレータ(第1比較器)、35はコンパレータ(第2比較器)、38、49はANDゲート(切替制御回路)、64、65、66はアナログスイッチ(選択回路)、73、83はピーク電流検出回路である。

Claims (9)

  1. スイッチング素子(12)とインダクタ(15)とを有し、駆動信号がオンレベルになると前記スイッチング素子がオンして前記インダクタに流れる電流を増加させ、前記駆動信号がオフレベルになると前記スイッチング素子がオフして前記インダクタに流れる電流を出力側に還流させる主回路(3)と、
    前記インダクタに流れる電流に対応した電流検出信号を出力する電流検出回路(4)と、
    前記主回路の出力電圧に対応した検出電圧を出力する電圧検出回路(5)と、
    前記主回路の目標出力電圧に対応した基準電圧を非反転入力とし、前記検出電圧を反転入力として、誤差信号を出力する誤差増幅回路(6,42)と、
    クロック信号に同期して前記駆動信号をオンレベルにし、前記電流検出信号が増加して前記誤差信号に達したことにより前記駆動信号をオフレベルにするピーク電流検出方式で電流モード制御を実行する駆動信号生成回路(7)と、
    前記主回路に入力される電圧の取り得る範囲を複数の領域に区分する1または複数の電圧しきい値と、前記インダクタに流れるピーク電流の取り得る範囲を複数の領域に区分する1または複数の電流しきい値とを備え、前記電圧しきい値で区分された特定の高電圧側の領域であって且つ前記電流しきい値で区分された特定の低ピーク電流側の領域に対し、前記クロック信号の周波数を低下させるように制御する周波数制御回路(8,43,52,72,82)とを備えていることを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記電流モード制御系において、ターンオンした前記スイッチング素子をターンオフさせるのに要する最小時間を最小オンパルス時間とすると、
    前記電圧しきい値は、当該電圧しきい値が設定されるピーク電流領域内の最小電流が前記インダクタに流れている状態で、周波数を低下させる前の前記クロック信号の周波数を用いて前記主回路の出力電圧を前記目標出力電圧に等しく制御するために必要な前記駆動信号のオンレベルのパルス幅が前記最小オンパルス時間に等しくなるときの前記主回路の入力電圧に等しく設定されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記電流モード制御系において、ターンオンした前記スイッチング素子をターンオフさせるのに要する最小時間を最小オンパルス時間とすると、
    前記電流しきい値は、当該電流しきい値が設定される電圧領域内の最大電圧が前記主回路に入力されている状態で、周波数を低下させる前の前記クロック信号の周波数を用いて前記主回路の出力電圧を前記目標出力電圧に等しく制御するために必要な前記駆動信号のオンレベルのパルス幅が前記最小オンパルス時間に等しくなるときの前記インダクタに流れるピーク電流に等しく設定されていることを特徴とする請求項1または2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記誤差増幅回路は、入出力間に抵抗(26,27,44)とコンデンサ(25)との直列回路を備え、
    前記周波数制御回路は、前記クロック信号の周波数を低下させたとき、前記直列回路の時定数を低減することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記周波数制御回路(8,43,72,82)は、
    前記主回路の入力電圧と前記電圧しきい値とを比較して第1切替信号を出力する第1比較器(32,46)と、
    前記誤差信号と前記電流しきい値とを比較して第2切替信号を出力する第2比較器(35)と、
    前記第1切替信号および前記第2切替信号に基づいて前記クロック信号の周波数を切り替える切替制御回路(38,49)とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記周波数制御回路(52)は、
    前記主回路の入力電圧と前記電圧しきい値とを比較して選択信号を出力する第1比較器(53,54,55)と、
    前記複数の電流しきい値の中から前記選択信号に応じた電流しきい値を選択する選択回路(64,65,66)と、
    前記誤差信号と前記選択した電流しきい値とを比較して切替信号を出力する第2比較器(35)と、
    前記切替信号に基づいて前記クロック信号の周波数を切り替える切替制御回路(35)とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記周波数制御回路(72,82)は、前記インダクタに流れるピーク電流を検出するピーク電流検出回路(73,83)を備え、
    前記第2比較器は、前記誤差信号に替えて前記ピーク電流検出回路で検出したピーク電流と前記電流しきい値とを比較して前記切替信号を出力することを特徴とする請求項5または6記載のスイッチング電源装置。
  8. 前記ピーク電流検出回路(73)は、前記駆動信号がオンレベルにある時の前記電流検出信号を積分処理して前記インダクタに流れるピーク電流を検出することを特徴とする請求項7記載のスイッチング電源装置。
  9. 前記ピーク電流検出回路(83)は、前記インダクタと直列に設けられた抵抗性素子(84)の端子間電圧に基づいて前記インダクタに流れるピーク電流を検出することを特徴とする請求項7記載のスイッチング電源装置。
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