JPH11145731A - 増幅装置における雑音抑止回路 - Google Patents

増幅装置における雑音抑止回路

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JPH11145731A
JPH11145731A JP9321942A JP32194297A JPH11145731A JP H11145731 A JPH11145731 A JP H11145731A JP 9321942 A JP9321942 A JP 9321942A JP 32194297 A JP32194297 A JP 32194297A JP H11145731 A JPH11145731 A JP H11145731A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成により電源投入の際の雑音発生を
抑止でき、増幅出力信号の品質を向上する。 【解決手段】 電源投入直後においては、第2のバイア
ス生成回路8により電流出力型の第2のアンプ2にのみ
第2のバイアス電流IB2が供給される一方、第1のバイ
アス生成回7による第1のアンプ1に対する第1のバイ
アス電流IB1は零となるため、第1のアンプ1は遮断状
態とされ、スピーカ5には、第2のアンプ2の緩慢な立
ち上がりの出力信号が印加され、その後、第2のバイア
ス電流IB2が徐々に減少するに伴い、第1のバイアス電
流IB1が増大し、最終的には第2のバイアス電流IB2
零となり、第1のバイアス電流IB1は所定値となるた
め、第2のアンプ2に代わって第1のアンプ1が動作す
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅装置の雑音抑
止回路に係り、特に、低周波増幅装置の電源投入時にお
ける雑音の発生を抑止するものに関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる低周波信号を増幅する増幅装置
としては、従来から種々の構成のものがあるが、例え
ば、図3に示されたような構成の低周波増幅装置が公知
・周知となっている。以下、同図を参照しつつその構
成、動作について概略的に説明することとする。この低
周波増幅装置は、差動増幅器によるアンプ1を中心に構
成されたもので、その反転入力端子(−)に第3の抵抗
器26を介して外部から低周波信号が入力される一方、
非反転入力端子(+)は、スイッチ42を介して電源電
圧Vccとアースとの間に直列接続された第1及び第2の
抵抗器24,25の相互の接続点が接続されたものとな
っており、出力信号のいわゆるDCレベルを定める基準
電圧が印加されるようになっている。さらに、第2の抵
抗器25には、第1のコンデンサ40が並列接続されて
おり、この基準電圧のいわゆる平滑化が図られている。
【0003】このため、アンプ1の非反転入力端子に印
加される基準電圧は、電源投入時には、第1及び第2の
抵抗器24,25の抵抗値と第1のコンデンサ40の容
量値によって定まるいわゆる時定数に応じた速度で暫増
して所定電圧に到達するようになっている(図4(A)
及び図4(B)参照)。また、この低周波増幅装置は、
ON/OFF制御回路4Aを有し、これによって、次のように
その動作が制御されるようになっている。すなわち、図
示されない電源スイッチが閉成されると、ON/OFF制御回
路4Aにより、スイッチ42が閉成されると共に、アン
プ1には必要なバイアス電流が供給されるようになって
いる。そして、第3の抵抗器26を介してアンプ1の反
転入力端子に印加された低周波入力信号は、アンプ1に
より増幅され、その結果、スピーカ5が鳴るようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の装置においては、電源スイッチの投入と同時に、
アンプ1にバイアス電流が供給されても、内部のいわゆ
るバイアス回路が十分に安定した状態に至っていないた
めに、アンプ1の出力レベルは、電源スイッチの投入と
同時に瞬時、あるレベル上昇した後、不安定な暫増状態
を経て、安定した出力が得られるようなこととなり、こ
のような出力状態に起因して、スピーカには雑音が生ず
るという問題がある。
【0005】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、簡易な構成により電源投入の際の雑音発生を抑止で
き、増幅出力信号の品質を向上することのできる増幅装
置における雑音抑止回路を提供するものである。本発明
の他の目的は、雑音をいわゆるマスクするための特別の
回路を必要とすることのない増幅装置における雑音抑止
回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る増幅装置における雑音抑止回路は、差動増幅を行う第
1のアンプと、差動増幅を行う電流出力型の第2のアン
プとが、前記第1及び第2のアンプの出力端子同士が接
続される一方、相互の非反転入力端子には、電源投入
後、時間経過に略比例するようにして暫増して所定電圧
となる基準電圧が印加され、相互の反転入力端子には被
増幅信号が印加されるよう設けられてなる増幅装置にお
ける雑音抑止回路であって、電源が投入されてから所定
時間の間、前記第2のアンプに対してのみバイアス電流
を供給し、その後、前記第1のアンプに対してのみバイ
アス電流を供給するよう構成されてなるバイアス手段を
設けてなるものである。
【0007】かかる構成においては、特に、バイアス手
段を設けて第1のアンプと第2のアンプへ対するバイア
ス電流の供給を制御するようにして、いわゆる電流出力
型の第2のアンプを電源投入の直後に用いるようにし、
その後、本来の第1のアンプを用いるようにしたこと
で、電源投入直後のいわゆる回路の立ち上がりにおいて
は、出力レベルが急激に立ち上がるようなことのない第
2のアンプにより被増幅信号が増幅され、その後、回路
状態が安定したところで、第1のアンプによる増幅がな
される構成であるので、従来と異なり、電源投入直後の
雑音の発生が抑止されることとなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1及び図2を参照しつつ説明する。図1には、本発
明の実施の形態における雑音抑止回路を有してなる増幅
装置の回路構成例が示されており、同図を参照しつつ最
初に回路構成について説明する。なお、図3に示された
回路例と同一の構成要素には、同一の符号を付するもの
とする。この低周波増幅装置は、第1のアンプ1と、第
2のアンプ2と、バイアス回路3と、ON/OFF制御回路
(図1においては「ON/OFF CONT」と表記)4とに大別
されて構成されたものとなっている。第1のアンプ1
は、差動増幅器となっているもので、その反転入力端子
には、第3の抵抗器(図1においては「R3」と表記)
26を介して入力信号が印加されるようになっている。
【0009】また、この第1のアンプ1の出力端と反転
入力端子との間には、帰還抵抗としての第4の抵抗器
(図1においては「R4」と表記)27が接続されてい
る。さらに、この第1のアンプ1の出力端は、第2のア
ンプ2の出力端と共に、第2のコンデンサ(図1におい
ては「C2」と表記)41を介してスピーカ5の一方の
端子に接続されており、スピーカ5の他端はアースされ
ている。一方、第1のアンプ1の非反転入力端子は、第
2のアンプ2の非反転入力端子と共に、電源電圧Vccと
アースとの間に第1のスイッチ(図1においては「SW
1」と表記)42を介して直列接続されている第1及び
第2の抵抗器(図1においてはそれぞれ「R1」,「R
2」と表記)24,25の相互の接続点に接続されてお
り、出力信号のいわゆるDCレベルを定める基準電圧が
印加されるようになっている。
【0010】そして、第1及び第2の抵抗器24,25
の相互の接続点は、後述するバイアス回路3の第1のト
ランジスタ(図1においては「Q1」と表記)10のベ
ースに接続されている。さらに、第2の抵抗器25に
は、第1のコンデンサ(図1においては「C1」と表
記)40が並列接続されており、上述した基準電圧の平
滑化が図られるようになっている。一方、第1のアンプ
1の第1のバイアス電流IB1及び第2のアンプ2の第2
のバイアス電流IB2は、後述するバイアス回路3により
それぞれ供給されるようになっている。第2のアンプ2
は、いわゆるコンダクタンスアンプと称される電流出力
型の差動増幅器が構成されたもので、反転入力端子と出
力端子とが接続されており、いわゆるボルテージフォロ
ア的な回路構成となっている。
【0011】バイアス回路3は、第1及び第2のトラン
ジスタ10,11による差動増幅回路6と、第1のアン
プ1のための第1のバイアス電流IB1を生成するため第
1のバイアス生成回路7と、第2のアンプ2のための第
2のバイアス電流IB2を生成するための第2のバイアス
生成回路8とに大別されて構成されたものとなってい
る。以下、具体的にその構成を説明すれば、差動増幅回
路6は、pnp形の第1及び第2のトランジスタ10,
11を用いてなり、第1及び第2のトランジスタ10,
11のエミッタは、共に第1の定電流源30に接続され
ている。
【0012】また、第1のトランジスタ10のベース
は、このバイアス回路3の一方の入力端となっており、
先に述べたように第1及び第2の抵抗器24,25の相
互の接続点の電圧が印加されるようになっている。ま
た、第2のトランジスタ(図1においては「Q2」と表
記)11のベースは、このバイアス回路3の他方の入力
端となっており、電源電圧Vccとアースとの間に、第2
のスイッチ(図1においては「SW2」と表記)43を
介して直列接続されている第5及び第6の抵抗器(図1
においてはそれぞれ「R5」,「R6」と表記)28,2
9の相互の接続点に接続されている。なお、第1のスイ
ッチ42と第2のスイッチ43は、いわゆるオン抵抗が
等しいスイッチとし、第1の抵抗器24の抵抗値と第2
の抵抗器25の抵抗値とが等しく、また、第5の抵抗器
29の抵抗値と第6の抵抗器28の抵抗値とが等しく設
定されたものとなっているとする。
【0013】一方、第1のトランジスタ10のコレクタ
側には、第2のバイアス生成回路8が接続された構成と
なっている。すなわち、この第2のバイアス生成回路8
は、いわゆるカレントミラー回路により構成されたもの
となっており、この回路例では、3つのいわゆるカレン
トペア45〜47が設けられたものとなっている。第1
のカレントペア45を構成するnpn形の第3及び第4
のトランジスタ12,13は、相互のベースが接続され
ると共に、相互のエミッタがアースされている。そし
て、第3のトランジスタ(図1においては「Q3」と表
記)12のベースとコレクタとが第1のトランジスタ1
0のコレクタに接続され、第4のトランジスタ(図1に
おいては「Q4」と表記)13のコレクタは、次段のカ
レントペア46を構成する第5のトランジスタ(図1に
おいては「Q5」と表記)14のコレクタと共に、第2
の定電流源31に接続されている。
【0014】第2のカレントぺア46は、npn形の第
5及び第6のトランジスタ14,15により構成され、
第5及び第6のトランジスタ14,15は、相互のベー
スが接続されると共に、相互のエミッタがアースされて
いる。そして、第5のトランジスタ14のベースは、コ
レクタと接続され、第6のトランジスタ(図1において
は「Q6」と表記)15のコレクタは、次段のカレント
ペア47を構成する第7のトランジスタ(図1において
は「Q7」と表記)16のコレクタと共に、第3の定電
流源32に接続されている。
【0015】第3のカレントペア47は、npn形の第
7及び第8のトランジスタ16,17により構成され、
第7及び第8のトランジスタ16,17は、相互のベー
スが接続されると共に、相互のエミッタがアースされて
いる。そして、第7のトランジスタ16のベースは、コ
レクタと接続され、第8のトランジスタ(図1において
は「Q8」と表記)17のコレクタは、第2のアンプ2
のバイアス電流端子に接続されており、後述するように
第2のアンプ2へ第2のバイアス電流IB2が供給される
ようになっている。
【0016】一方、第2のトランジスタ11のコレクタ
側には、第1のバイアス生成回路7が接続された構成と
なっている。すなわち、第1のバイアス生成回路7も第
2のバイアス生成回路8同様、いわゆるカレントミラー
回路により構成されたものとなっており、この回路例で
は、3つのいわゆるカレントペア48〜50が設けられ
たものとなっている。第4のカレントペア48を構成す
るnpn形の第9及び第10のトランジスタ18,19
は、相互のベースが接続されると共に、相互のエミッタ
がアースされている。そして、第9のトランジスタ(図
1においては「Q9」と表記)18のベースとコレクタ
とが第2のトランジスタ11のコレクタに接続され、第
10のトランジスタ(図1においては「Q10」と表記)
19のコレクタは、次段のカレントペア49を構成する
第11のトランジスタ(図1においては「Q11」と表
記)20のコレクタと共に、第4の定電流源33に接続
されている。
【0017】第5のカレントペア49は、npn形の第
11及び第12のトランジスタ20,21により構成さ
れ、第11及び第12のトランジスタ20,21は、相
互のベースが接続されると共に、相互のエミッタがアー
スされている。そして、第11のトランジスタ20のベ
ースは、コレクタと接続され、第12のトランジスタ
(図1においては「Q12」と表記)21のコレクタは、
次段のカレントペア50を構成する第13のトランジス
タ(図1においては「Q13」と表記)22のコレクタと
共に、第5の定電流源34に接続されている。
【0018】第6のカレントペア50は、npn形の第
13及び第14のトランジスタ22,23により構成さ
れ、第13及び第14のトランジスタ22,23は、相
互のベースが接続されると共に、相互のエミッタがアー
スされている。そして、第13のトランジスタ22のベ
ースは、コレクタと接続され、第14のトランジスタ
(図1においては「Q14」と表記)23のコレクタは、
第1のアンプ1のバイアス電流端子に接続されており、
後述するように第1のアンプ1へ第1のバイアス電流I
B1が供給されるようになっている。
【0019】ON/OFF制御回路4は、第1及び第2のスイ
ッチ42,43の開閉成と、バイアス回路3の第1乃至
第5の定電流源30〜34の動作を制御するもので、図
示されない電源スイッチの投入が検出されると、第1及
び第2のスイッチ42,43が閉成されると同時に、第
1乃至第5の定電流源30〜34に電圧が印加されて、
これら第1乃至第5の定電流源30〜34が動作するよ
うになっている。
【0020】次に、上記構成におけるバイアス回路3に
より第1及び第2のアンプ1,2に供給されるバイアス
電流IB1,IB2について解析的に説明する。まず、図示
されない電源スイッチが投入(閉成)されると、ON/OFF
制御回路4により第1及び第2のスイッチ42,43が
閉成されると同時に、第1乃至第5の定電流源30〜3
4に電圧が供給され(図2(A)参照)、これら第1乃
至第5の定電流源30〜34は動作状態となる。第1の
スイッチ42の閉成により、バイアス回路3の第1のト
ランジスタ10のベース電圧は、第1のコンデンサ40
のために、いわゆる時定数の大きさに応じて指数関数的
に増大してゆく(図2(B)参照)一方、第2のトラン
ジスタ11のベース電圧は、第2のスイッチ43の閉成
と同時に所定電圧、すなわち、第5及び第6の抵抗器2
8,29によるいわゆる分圧電圧となる。
【0021】このため、第1のトランジスタ10が導通
状態、第2のトランジスタ11が非導通状態となり、第
1のトランジスタ10のコレクタ電流IC1が、第3及び
第4のトランジスタ12,13に供給されることとな
る。ここで、カレントペア45〜47を構成する各トラ
ンジスタ12〜17の各エミッタ面積を、説明の便宜
上、第3のトランジスタ12から順に、A3、A4、A
5、A6、A7、A8と、また、第9乃至第12のトラ
ンジスタ18〜21の各エミッタ面積を、第9のトラン
ジスタ18から順に、A9、A10、A11、A12と
定義する。
【0022】そして、この発明の実施の形態において
は、各エミッタ面積は、A4/A3=1(第3及び第4
のトランジスタ12,13のエミッタ面積が同一)、A
6/A5=3(第6のトランジスタ16のエミッタ面積
は第5のトランジスタ14のエミッタ面積の3倍)、A
7=A8(第7及び第8のトランジスタ16,17のエ
ミッタ面積が同一)、A10/A9=3(第10のトラ
ンジスタ19のエミッタ面積は第9のトランジスタ18
のエミッタ面積の3倍)、A12/A11=1.5(第
12のトランジスタ21のエミッタ面積は第11のトラ
ンジスタ20のエミッタ面積の1.5倍)のように設定
されているものとする。
【0023】さらに、第1乃至第5の定電流源30〜3
4の各出力電流をI1、I2、I3、I4、I5と定義し、
この発明の実施の形態においては、I1=I2=I3=I4
=I5=Iであるとする。かかる前提の下、上述したよ
うに第1のトランジスタ10のコレクタ電流IC1が第3
のトランジスタ12に流れることにより、第4のトラン
ジスタ13には下記する式1で表される大きさのコレク
タ電流IC4が流れることとなる。
【0024】 IC4=IC1×(A4/A3)・・・(式1)
【0025】そして、第5のトランジスタ14のコレク
タには、第2の定電流源31の出力電流I2からコレク
タ電流IC4を差し引いた電流が流れ込み、同時に、第6
のトランジスタ16のコレクタには、第5のトランジス
タ14のコレクタ電流IC5に、第5のトランジスタ14
のエミッタ面積に対する第6のトランジスタ16のエミ
ッタ面積の比を乗じた電流が流れ込むこととなる。すな
わち、第6のトランジスタ16のコレクタ電流IC6は、
下記する式2で表されるものとなる。
【0026】 IC6=(I2−IC4)×(A6/A5)・・・(式2)
【0027】第7のトランジスタ16のコレクタには、
第3の定電流源32の出力電流I3から第6のトランジ
スタ16のコレクタ電流IC6を差し引いた電流が流れ込
み、しかも、第7及び第8のトランジスタ16,17の
エミッタ面積は同一であることから、第8のトランジス
タ17のコレクタ電流IC8は、第7のトランジスタ16
のコレクタ電流と同一となる。すなわち、コレクタ電流
C8は、下記する式3で表されるものとなる。
【0028】IC8=I3−IC6・・・(式3)
【0029】この式8を先の式1及び式2を用いて整理
すると、コレクタ電流IC8は下記する式4で表される。
【0030】 IC8=I3−{I2−IC1×(A4/A3)}×(A6/A5)・・・(式4)
【0031】第2のアンプ2の第2のバイアス電流IB2
は、コレクタ電流IC8そのものであるので、結局、第2
のアンプ2には、式4で表される大きさの電流が、第2
のバイアス電流IB2として供給されることとなる(図2
(C)参照)。ここで、初期状態において、第1のトラ
ンジスタ10のコレクタ電流IC1が第1の定電流源30
の出力電流I1であること、及び先の前提条件で示され
た具体的な数値を式4に代入すると、IC8=Iとなり、
第2のアンプ2には、第1乃至第5の定電流源30〜3
4の出力電流Iと同一電流が第2のバイアス電流IB2
して供給されることとなる。
【0032】そして、この第2のアンプ2へ供給される
第2のバイアス電流IB2は、電源スイッチの投入後、第
1のトランジスタ10のベース電圧が徐々に上昇するに
伴い、第1のトランジスタ10に代わって第2のトラン
ジスタ11が動作状態となることから、逆に減少してゆ
くこととなる(図2(C)参照)。具体的には、第2の
バイアス電流IB2としてのIC8が減少し始める条件は、
第6のトランジスタ16のコレクタ電流IC6が正の値に
なるときであり、先の式1及び式2を用いてその条件を
整理すると下記するとおりとなる。
【0033】IC6={I2−IC1×(A4/A3)}×
(A6/A5)>0
【0034】したがって、コレクタ電流IC6が正の値を
採るには、上記式中、中括弧の中が零以上となればよい
こととなる。すなわち、I2−IC1×(A4/A3)>
0が成立すればよいこととなり、これより、下記する式
5を得ることができる。
【0035】 IC1<I2×(A3/A4)・・・(式5)
【0036】すなわち、先に示された前提条件における
具体的数値の下では、IC1<I1となったときに、第2
のバイアス電流IB2としてのIC8が減少し始めることと
なる。そして、この第2のバイアス電流IB2としてのI
C8が零となるのは、I3<IC6が成立するときであり、
この不等式を先の式1及び式2を用いて整理すると下記
するとおりとなる。
【0037】 I3<{I2−IC1×(A4/A3)}×(A6/A5)
【0038】IC1×(A4/A3)×(A6/A5)<I
2×(A6/A5)−I3
【0039】IC8が零となるのは、上記不等式の左右が
等しくなるときであるので、上記式を整理して下記する
式6を得ることができる。
【0040】 IC1={I2−I3×(A5/A6)}×(A3/A4)・・・式(6)
【0041】ここで、IC1は、最終的にはI1の1/2
の電流値まで減少するために、式6により設定値として
求められるコレクタ電流IC1は、それより小さな値に設
定するのが好適である。例えば、先の前提条件の下で
は、IC1=(2/3)×I1となったときにIC8が零と
なる。
【0042】次に、第1のアンプ1の第1のバイアス電
流IB1について同様に解析する。まず、第2のトランジ
スタ11のコレクタ電流をIc2とすれば、このコレクタ
電流Ic2は、第9のトランジスタ18のコレクタに流れ
込む。したがって、第10のトランジスタ19のコレク
タ電流IC10としては、下記する式7に表される大きさ
の電流が流れることとなる。
【0043】 IC10=IC2×(A10/A9)・・・(式7)
【0044】さらに、第11のトランジスタ20のコレ
クタには、定電流I4から上述のコレクタ電流IC10を差
し引いた電流が流れ、したがって、第12のトランジス
タ21のコレクタには、第11のトランジスタ20のコ
レクタ電流を、(A12/A11)倍した電流が流れ込
むこととなる。すなわち、第12のトランジスタ21の
コレクタ電流IC12は、下記する式8で表されるものと
なる。
【0045】 IC12=(I4−IC10)×(A12/A11)・・・(式8)
【0046】そして、第13のトランジスタ22のコレ
クタには、定電流I5から上述のコレクタ電流IC12を差
し引いた電流が流れ込むことから、第14のトランジス
タ23のコレクタ電流IC14は、下記する式9で表され
るものとなる。
【0047】IC14=I5−IC12・・・(式9)
【0048】したがって、この式9を先の式7及び式8
を用いて整理すれば、下記する式10を得る。
【0049】 IC14=I5−{I4−IC2×(A10/A9)}×(A12/A11)・・・ (式10)
【0050】すなわち、第1のアンプ1の第1のバイア
ス電流IB1として、式10で表される電流が供給される
こととなる。実際には、電源スイッチの投入時におい
て、IC2の初期値は零となり、また、先の前提条件か
ら、式10は、下記する式11で表される。
【0051】IC14=I5−1.5×I4・・・(式11)
【0052】ここで、先の前提条件からI5=I4である
ことから、I5−1.5×I4<0であり、このことは、
図示されない電源スイッチ投入時においては、第1のア
ンプ1の第1のバイアス電流IB1としての電流IC14
流れないことを意味し(図2(D)参照)、結局、第1
のアンプ1は、遮断状態とされることとなる。
【0053】そして、第1のバイアス電流IB1としての
電流IC14が流れ出す条件は、IC14>0であり、この条
件式を先の式9、式8及び式7を用いて整理すると下記
する式12を得る。
【0054】 IC2>{I4−I5×(A11/A12)}×(A9/A10)・・・(式12 )
【0055】そして、前提条件における数値を代入する
と、具体的には、IC2>I/9となる。すなわち、IC2
=I/9に達すると第1のバイアス電流IB1としての電
流IC14が流れ出すこととなる(図2(D)参照)。こ
のIC2カ゛最終値に達するのは、先の式8よりIC12=0
となるときであり、その値は、下記する式13で表され
る。
【0056】 IC2=I4×(A9/A10)・・・(式13)
【0057】最終的には、IC2は、定電流I1の1/2
となるため、式13による設定値は、それより小さい値
に設定するのが好適である。そして、先の前提条件の下
では、IC2=I1×(1/3)となる。
【0058】次に、上記構成における回路動作につい
て、図2を参照しつつ説明する。図示されない電源スイ
ッチが投入されると、ON/OFF制御回路4により、第1及
び第2のスイッチ42,43が閉成されると同時に、第
1乃至第5の定電流源30〜34が動作状態とされ、回
路は動作状態とされる(図2(A)参照)。
【0059】第1のスイッチ42の閉成により、バイア
ス回路3の一方の入力端である第1のトランジスタ10
のベースの電圧は、指数関数的に上昇する(図2(B)
参照)一方、バイアス回路3の他方の入力端である第2
のトランジスタ11のベースの電圧は、第2のスイッチ
43の閉成と略同時に第5及び第6の抵抗器28,29
によるいわゆる分圧電圧となる。
【0060】このため、ON/OFF制御回路4のオン直後に
あっては、差動増幅回路6を構成する第1のトランジス
タ10が動作状態となり、第2のトランジスタ11は非
動作状態となる。したがって、第2のトランジスタ11
のコレクタ電流は、零であることから第1のバイアス生
成回路7の終段の第14のトランジスタ23には電流が
流れず、第1のアンプ1への第1のバイアス電流IB1
供給がなされないため、第1のアンプ1は遮断状態とな
る(図2(D)参照)。
【0061】一方、第1のトランジスタ10のコレクタ
には、定電流I1がコレクタ電流として流れると同時
に、各カレントぺア45〜47の動作により、第2のバ
イアス生成回路8の終段の第8のトランジスタ17に
は、先の式4で表されるコレクタ電流IC8が流れ、これ
が第2のアンプ2の第2のバイアス電流IB2として供給
されることとなる(図2(C)参照)。
【0062】ON/OFF制御回路4のオン直後にあっては、
第2のアンプ2も第1のアンプ1同様に、いわゆる回路
の立ち上がり状態にあるため、第2のバイアス電流IB2
が供給されても、入力される低周波信号の電圧レベルに
対応する本来の出力レベルで電流出力するには至らず、
回路の立ち上がりに応じて徐々に出力レベルが増大する
状態となる(図2(E)参照)。この点、いわゆる電流
出力型のコンダクタンスアンプではない第1のアンプ1
の場合には、回路が立ち上がり状態であっても、バイア
ス電流が供給されると、出力レベルが急激に立ち上がる
のとは異なる。そのため、第2のアンプ2の場合には、
上述のような動作開始直後の出力状態において、従来と
異なり、雑音を生ずるようなことがない。
【0063】電源スイッチの投入から時間を経るに伴
い、第1のトランジスタ10のベース電圧が上昇し、第
1のトランジスタ10のコレクタ電流が徐々に減少する
一方、第2のトランジスタ11のコレクタ電流が徐々に
流れ始める。これによって、第2のバイアス電流IB2
徐々に減少する(図2(C)参照)一方、第1のバイア
ス電流IB1が徐々に流れ始める(図2(D)参照)。そ
して、第1のトランジスタ10のベース電圧が所定値と
なったところで、第2のバイアス電流IB2は零となる一
方、第2のトランジスタ11には、式13で表される所
定の電流が流れ、第1のバイアス電流IB1が所定値に達
し(図2(D)参照)、第2のアンプ2に代わって出力
状態が安定した第1のアンプ1により、入力信号が増幅
出力されることとなる(図2(D)及び図2(E)参
照)。
【0064】なお、上述した回路例においては、npn
形のバイポーラトランジスタを用いたが、勿論pnp形
であってもよく、さらには、FET等の他の種類のトラ
ンジスタであってもよいものである。
【0065】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
電流出力型のアンプを電源投入時に用いるようにし、そ
の後、非電流出力型の従来構成のアンプを用いて増幅出
力を得るように構成することにより、従来と異なり、電
源投入時にあっても出力レベルが緩慢に立ち上がるの
で、電源投入時に従来のような耳障りな雑音を生ずるこ
とがなく、増幅装置の出力信号の品質の向上を図ること
ができる。また、従来のような雑音をマスクするための
擬音を発生するような特別の回路を用いることがないの
で、比較的簡易な構成により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における回路構成例を示す
回路図である。
【図2】図1に示された回路例の動作を説明するための
主要部における波形図であり、図2(A)はON/OFF制御
回路のオン・オフに対するタイミングチャート、図2
(B)はON/OFF制御回路のオン・オフに対する第1及び
第2の抵抗器の相互の接続点における電圧変化を示す波
形図、図2(C)はON/OFF制御回路のオン・オフに対す
る第2のアンプに供給されるバイアス電流の変化を示す
波形図、図2(D)はON/OFF制御回路のオン・オフに対
する第1のアンプに供給されるバイアス電流の変化を示
す波形図、図2(E)はON/OFF制御回路のオン・オフに
対する増幅出力の変化を示す波形図である。
【図3】従来の低周波増幅装置の回路構成例を示す回路
図である。
【図4】図3に示された回路例の動作を説明するための
主要部における波形図であり、図4(A)はON/OFF制御
回路のオン・オフに対するタイミングチャート、図4
(B)はON/OFF制御回路のオン・オフに対する差動増幅
器の非反転入力端子に印加される基準電圧の変化を示す
波形図、図4(C)はON/OFF制御回路のオン・オフに対
する増幅出力の変化を示す波形図である。
【符号の説明】
1…第1のアンプ 2…第2のアンプ 3…バイアス回路 4…ON/OFF制御回路 6…差動増幅回路 7…第1のバイアス生成回路 8…第2のバイアス生成回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差動増幅を行う第1のアンプと、差動増
    幅を行う電流出力型の第2のアンプとが、前記第1及び
    第2のアンプの出力端子同士が接続される一方、相互の
    非反転入力端子には、電源投入後、時間経過に略比例す
    るようにして暫増して所定電圧となる基準電圧が印加さ
    れ、相互の反転入力端子には被増幅信号が印加されるよ
    う設けられてなる増幅装置における雑音抑止回路であっ
    て、 電源が投入されてから所定時間の間、前記第2のアンプ
    に対してのみバイアス電流を供給し、その後、前記第1
    のアンプに対してのみバイアス電流を供給するよう構成
    されてなるバイアス手段を設けてなることを特徴とする
    増幅装置における雑音抑止回路。
  2. 【請求項2】 バイアス手段は、第2のアンプに対する
    バイアス電流が零となる際、徐々に減少させる一方、第
    1のアンプに対するバイアス電流が徐々に増大されるよ
    う構成されてなるものであることを特徴とする請求項1
    記載の増幅装置における雑音抑止回路。
  3. 【請求項3】 バイアス手段は、2つのトランジスタを
    用いてなる差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力電
    流を基にバイアス電流を出力する第1及び第2のバイア
    ス生成回路とを具備し、 前記差動増幅回路を構成する第1のトランジスタのベー
    スには、電源投入後、時間経過に略比例するようにして
    暫増して所定電圧となる基準電圧が印加される一方、前
    記差動増幅回路を構成する第2のトランジスタのベース
    には、電源投入と同時に所定電圧が印加されるよう構成
    され、 前記第1のトランジスタのコレクタ電流がカレントミラ
    ー回路を用いてなる第1のバイアス生成回路を介して第
    2のアンプのバイアス電流として供給され、前記第2の
    トランジスタのコレクタ電流がカレントミラー回路を用
    いてなる第2のバイアス生成回路を介して第1のアンプ
    のバイアス電流として供給されるよう構成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の増幅装置におけ
    る雑音抑止回路。
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JP2006229389A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 New Japan Radio Co Ltd オーディオ増幅器
JP2009017045A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Toshiba Corp 集積回路装置及びオーディオシステム
JP2011139415A (ja) * 2009-06-05 2011-07-14 Rohm Co Ltd オーディオ信号増幅回路、反転増幅器およびそれを用いた電子機器

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