JPH11143110A - 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置 - Google Patents

画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置

Info

Publication number
JPH11143110A
JPH11143110A JP32531597A JP32531597A JPH11143110A JP H11143110 A JPH11143110 A JP H11143110A JP 32531597 A JP32531597 A JP 32531597A JP 32531597 A JP32531597 A JP 32531597A JP H11143110 A JPH11143110 A JP H11143110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
temperature
image forming
image recording
forming substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32531597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Magai
勝 真貝
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP32531597A priority Critical patent/JPH11143110A/ja
Publication of JPH11143110A publication Critical patent/JPH11143110A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成物質に対して、良好な定着性と良好
な離型性とを両立させた画像記録媒体、該画像記録媒体
に画像除去促進液の塗布又は含浸を施すことなく、該画
像記録媒体からの画像形成物質の除去を行う画像形成物
質除去方法、及び、該画像形成物質除去方法を用いた画
像形成物質除去装置を提供する。 【解決手段】 図2の定着温度領域t1では領域gに属
し、且つ、剥離温度領域t2では領域gに属さないよう
な表面エネルギーの温度特性を有する物質を表面に被覆
された画像記録媒体は、バインダー樹脂としてポリエチ
レンを含有する画像形成物質に対して、定着性と剥離性
という相反する特性を両立させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンター、印刷機等の画像形成装置によって熱軟
化性の画像形成物質が、もしくは、筆記具や印具等を用
いた人的な手段によって画像形成物質の溶液が、接着さ
れる画像記録媒体と、該画像記録媒体からそれら画像形
成物質を除去することで該画像記録媒体を再生する画像
形成物質除去方法と、該画像形成物質除去方法を用いた
画像形成物質除去装置とに係り、詳しくは、表面に被覆
層を有する画像記録媒体、該画像記録媒体からの画像形
成物質の除去方法及び該画像形成物質除去方法を用いた
画像形成物質除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法、熱転写法、ホットメ
ルト・インクを用いるインクジェット法や印刷法等のよ
うな画像形成方法を用いたプリンターや複写機、印刷機
が普及し、紙が大量に使用されている。ところが、画像
が形成される画像記録媒体として一般に用いられる紙は
木材より得られるパルプを原料とするので、紙を大量に
消費することは、森林の伐採、地球環境の悪化につなが
ることになり、近年、社会問題となってきつつある。更
に、これらの画像形成方法により画像が形成された画像
記録媒体が大量に廃棄されて、ごみの処分が困難となる
という問題も生じている。
【0003】また、オーバーヘッド・プロジェクター
(OHP)用の画像記録媒体である透明シートは、通
常、ポリエステル・フィルム、アセテート・フィルム等
のプラスチック・フィルムがべース材料として用いられ
る。フィルムの原材料は石油等の化石材料から合成され
たり、紙と同様に木材から製造されたりするものであ
り、オーバーヘッド・プロジェクター(OHP)用の画
像記録媒体である透明シートを大量に使用することは、
石油資源の保護、地球環境の保全の観点から好ましくな
い。また、OHPシートの場合には、シュレッダーで処
理するとシュレッダーの刃の摩耗が著しい、紙等の画像
記録媒体とOHPシートとが混合するために処理された
画像記録媒体の再利用が不可能になるという問題が生じ
る。このため、従来は、OHPシートをそのまま廃棄す
る場合が多く、OHPシートに形成された画像情報の機
密保持の点でも問題があった。
【0004】これらの問題を解決するための手段とし
て、表面に付着させた画像形成物質の剥離・除去が容易
となる画像記録媒体もしくは付着物易被覆や、画像記録
媒体に付着している画像形成物質を除去することにより
該画像記録媒体の再利用を可能にする画像形成物質除去
方法及びこの方法を用いる画像形成物質除去装置が多数
提案されている(例えば、特開平6−222604号公
報、特開平7−13383号公報、特開平8−1527
31号公報、特開平9−204060号公報、特開平9
−204060号公報、特開平9−204061号公報
等。なお、以下、該画像形成物質除去方法を画像記録媒
体再生方法と、画像形成物質除去装置を画像記録媒体再
生装置とも称する。)。
【0005】上記特開平7−13383号公報の画像記
録媒体再生方法は、セルロース繊維を主成分とした紙質
層で構成され、且つ該紙質層に熱可撓性トナーよりなる
疎水性画像の形成がなされている画像記録媒体に、液体
の画像除去促進剤(以下、画像除去促進液と称する)を
含浸させて該疎水性画像を該紙質層から剥離・除去する
ものである。このように、画像記録媒体に画像除去促進
液を塗布又は含浸させる画像記録媒体再生方法において
は、該画像除去促進液によって該画像記録媒体からの画
像形成物質の除去が促進されるので、広範な材質の画像
記録媒体に対応できるという利点がある一方、画像除去
促進液を塗布するための手段や画像記録媒体を乾燥する
ための手段を設ける必要があるので、装置が大がかりに
なるという問題がある。さらに、画像記録媒体に液体を
塗布する弊害として、乾燥後の該画像記録媒体に「し
わ」「波打ち」「伸び」などが生じ易いという問題があ
る。
【0006】上記特開平8−152731号公報の画像
記録媒体再生方法は、画像形成物質を付着させた画像記
録媒体の片面又は両面に極微量の画像除去促進液を塗布
した後、画像形成物質の剥離手段と画像記録媒体の乾燥
手段とを兼ね備えた画像剥離手段で画像記録媒体と画像
剥離体とを加熱・加圧接触させることにより、画像記録
媒体から画像形成物質を剥離するものである。この画像
記録媒体再生方法によれば、画像記録媒体への画像除去
促進液の塗布量が極微量であるので、画像記録媒体の乾
燥手段を簡易にすることができる。しかし、極微量なが
ら画像除去促進液を塗布しなければならないので、画像
記録媒体に画像除去促進剤を塗布する手段が必要とな
り、また、乾燥後の画像記録媒体に発生する「しわ」
「波打ち」「伸び」を完全に防止するものではない。
【0007】上記特開平8−152731号公報の画像
記録媒体は、少なくとも一部が紙層で構成された画像記
録媒体の表面に、界面活性剤、水溶性ポリマー水溶液も
しくはこれらの混合水溶液を付着させたものである。こ
の画像記録媒体によれば、表面に付着した界面活性剤も
しく水溶性ポリマーが画像除去促進剤の該画像記録媒体
への浸透を助長するので、極微量の画像除去促進剤で該
画像記録媒体に付着する画像形成物質が剥離される。し
かし、表面に付着させた界面活性剤もしく水溶性ポリマ
ーが、画像形成物質の画像記録媒体への定着性を低下さ
せるという問題がある。
【0008】上記特開平6−222604号公報の付着
物易除去被覆は、物体の表面に固定化され、水によって
膨潤するが流出せず、親水性で、且つ、空気中常温で固
体状である樹脂を主成分とする膜からなる被覆である。
この付着物易除去被覆の発明者らは、該付着物易除去被
覆を用いれば、付着物の除去を容易に且つ繰り返し行う
ことができるという実施結果を得ている。しかし、この
付着物易除去被覆においては、画像形成物質等の付着物
を除去する手段に、液体としての水が使用されることを
前提としているので、該付着物易除去被覆を施した画像
記録媒体に「しわ」「波打ち」「伸び」などが生じ易い
という問題がある。
【0009】上記特開平9−204060号公報の画像
記録媒体は、基体と、該基体の表面に形成され、ベック
の平滑度計において200秒以下の表面平滑度である剥
離性の記録面をもった皮膜とを有するものである。この
画像記録媒体によれば、普通紙のイメージを損なわずに
画像形成物質の定着性と剥離性という相反する特性を有
するので、画像形成物質の剥離が容易であり、且つ、形
成画像の保存性も維持することができる。また、上記特
開平9−204061号公報の画像記録媒体は、主とし
てパルプ繊維で構成されている基材上に、シリコーン化
合物と微粒子とを含有する皮膜からなる記録面を有する
ものである。この画像記録媒体によれば、上記皮膜のシ
リコーン化合物が基材の表面のOH基や微粒子表面のO
H基と化学反応することによって硬化・結合するので、
該皮膜の該基材からの離脱を防止しすることができる。
さらに、上記皮膜に画像形成物質との離型性が良好なシ
リコーン化合物を用いているので、容易に該画像形成物
質を除去することができる。しかし、上記特開平9−2
04060号公報及び上記特開平9−204061号公
報は、これら公報の発明に係る画像記録媒体からの画像
形成物質の除去を補助する手段の一例として、画像記録
媒体に有機溶媒や界面活性剤等の水溶液を含浸させる手
段を提示しており、画像除去促進液の使用が望ましいこ
とを示唆している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、室温におい
て画像形成物質の画像記録媒体への定着性を保つために
は、該画像形成物質を該画像記録媒体に接触させるとき
に、両者を接着させ易い状態にすることが必要である。
【0011】例えば、室温の環境下において、筆記具や
印具等を用いる人的な手段によって画像形成物質を画像
記録媒体に定着させる場合には、インクや朱肉等の画像
形成物質の溶液を用いることによって該画像形成物質と
該画像記録媒体との接着性を高めることができる。
【0012】また、画像形成装置等の機械的な手段によ
って熱軟化性トナー等の熱軟化性画像形成物質を画像記
録媒体に定着させる場合には、該熱軟化性画像形成物質
を加熱・軟化させることによって該熱軟化性画像形成物
質と該画像記録媒体との接着性を高めることができる。
【0013】このように、画像形成物質の溶液を用いた
り、熱軟化性画像形成物質を加熱・軟化させたりするこ
とにより、これらの画像形成物質と画像記録媒体との接
着性を高めることができるという現象は、経験によって
見いだしたものであり、画像形成物質と画像記録媒体と
の接着の正確な機構については全てを解明するに至って
いない。
【0014】しかし、近年、多くの研究者らにより、物
質同士の接着の機構が、ある程度までは解明されつつあ
る。例えば、井本稔は、論文「接着の基礎理論としての
表面張力および溶解度因子について」(日本接着学会
誌,Vol.25,N0.10(1989))におい
て、溶解度パラメーター値が近いほど物質同士の接着性
は高くなり、さらに、溶解度パラメーター値は表面エネ
ルギー値の平方根と正の相関があること報告している。
従って、表面エネルギー値が近い物質同士は互いに接着
し易く、表面エネルギー値が離れた物質同士は接着し難
いことになる。
【0015】また、物質の表面エネルギー値は一般的に
マイナスの温度係数を有し、温度が上昇するほど小さな
値を示す。
【0016】例えば、画像形成物質のバインダー樹脂と
して用いられるポリエチレン高分子の表面エネルギー
と、温度とは、図1の直線pに示すような関係があり、
この直線pは表面エネルギーγ[mN/m]=−0.0
67×温度t[℃]+36.6という関数で表すことが
できる(S.Wu:J.Macromol.Sci.,
CI0,1(1974))。
【0017】図1に示すt1は、画像形成装置が、画像
記録媒体への熱軟化性画像形成物質の定着時において該
画像記録媒体及び該熱軟化性画像形成物質を変化させる
温度領域(以下、定着温度領域と称する)であり、該熱
軟化性画像形成物質の軟化温度よりも若干高い温度とし
て、摂氏75℃から摂氏80℃までの範囲内で設定され
るのが一般的である。また、t2は、画像形成物質除去
装置が、画像記録媒体からの画像形成物質の剥離時にお
いて該画像記録媒体及び該画像形成物質を変化させる温
度領域(以下、剥離温度領域と称する)であり、摂氏9
0℃から摂氏130℃までの範囲内で設定されるのが一
般的である。
【0018】図1において、直線pと平行な点線Max
と点線Minとで囲まれる領域gを、ポリエチレン高分
子と接着し易い物質の表面エネルギー値の領域であると
仮定すると、直線aや直線bのような表面エネルギーの
温度特性を有する物質は、定着温度領域t1内ではポリ
エチレン高分子と接着し易く、且つ、剥離温度領域t2
内ではポリエチレン高分子と接着し難い、つまり、分離
し易い、特性を有することになる。従って、画像記録媒
体の表面に、定着温度領域t1内では上記領域gに属し
且つ剥離温度領域t2内では該領域gに属さない表面エ
ネルギーの温度特性を有する物質を被覆することによ
り、バインダー樹脂としてのポリエチレン高分子と着色
性樹脂粒子とを結合させた画像形成物質の定着性と離型
性とを両立させた画像記録媒体を得ることができる。但
し、この画像記録媒体から上記画像形成物質が除去され
るためには、剥離温度領域において上記領域gに属する
表面エネルギーの温度特性を有する材料が剥離部材とし
て用いられることが条件となる。
【0019】そして、本発明者らは上記領域gを特定す
るために、コロナ放電処理を施すことで異なった表面エ
ネルギー値に調整した複数のプラスチックフィルムに対
して、バインダー樹脂として用いられる種々の物質を付
着させて、それらの接着性を試験した。この試験の結
果、プラスチックフィルムとバインダー樹脂との表面エ
ネルギー値の差が、±4[mN/m]の範囲内であれ
ば、両者の接着性は良好であるが、この範囲を超えると
離型性が良好になるという結果を得た。
【0020】そこで、本発明は、上記の問題点、物質の
表面エネルギーの温度特性、上記定着温度領域、上記剥
離温度領域、及び、上記領域gに鑑みなされたものであ
り、その第1の目的とするところは、画像形成物質に対
して、良好な定着性と良好な離型性とを両立させた画像
記録媒体を提供することである。
【0021】また、その第2の目的とするところは、画
像記録媒体に画像除去促進液の塗布又は含浸を施すこと
なく、該画像記録媒体からの画像形成物質の除去を行う
ことができる画像形成物質除去方法を提供することであ
る。
【0022】また、その第3の目的とするところは、画
像記録媒体に画像除去促進液の塗布又は含浸を施すこと
なく、該画像記録媒体からの画像形成物質の除去を行う
ことができる画像形成物質除去装置を提供することであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、室温の温度領域、及び、
所定の画像形成物質の軟化温度に近い温度領域である定
着温度領域では、該画像形成物質の剥離処理を施される
ときに変化される剥離温度領域よりも、該画像形成物質
との接着性を高める材料を基材の表面に被覆したことを
特徴とするものである。なお、本発明に係る画像記録媒
体において、室温の温度領域とは、摂氏0℃程度から摂
氏50℃程度までの温度領域をいう。
【0024】請求項1の発明においては、基材の表面に
被覆された被覆層は、室温の環境下で画像形成物質の溶
液を接触されるときには、該画像形成物質との接着性を
高め、また、画像形成装置内で熱軟化性画像形成物質を
定着されるときには、その温度を定着温度領域内に変化
されることにより、軟化された該熱軟化性画像形成物質
との接着性を高める。このため、画像形成物質の溶液又
は熱軟化性画像形成物質は、上記被覆層の表面に安定し
て接着される(以下、画像形成物質の溶液における該画
像形成物質、及び、熱軟化性画像形成物質、を画像形成
物質と総称する)。また、上記被覆層は、室温と同温度
であるときには、その表面に接着させている画像形成物
質の定着性を維持し、該画像形成物質を該表面上に保持
する。一方、上記被覆層は、その表面から画像形成物質
を剥離されるときにその温度を剥離温度領域内に変化さ
れることにより、該画像形成物質との接着性を低める。
このため、上記被覆層の表面に接着していた画像形成物
質は、該被覆層の表面から剥離され易くなる。従って、
室温及び定着温度領域の環境下における上記被覆層の画
像形成物質との定着性を良好にし、剥離温度領域の環境
下における該被覆層の該画像形成物質との離型性を良好
にする。
【0025】請求項2の発明は、請求項1の画像記録媒
体において、上記画像形成物質のバインダー樹脂との表
面エネルギー値の差が、室温の温度領域及び上記定着温
度領域では±4[mN/m]以内であり、且つ、上記剥
離温度領域では±4[mN/m]を超える材料を基材の
表面に被覆したことを特徴とするものである。
【0026】請求項2の発明においては、室温及び定着
温度領域の環境下における上記画像記録媒体の上記バイ
ンダー樹脂との定着性を良好にし、剥離温度領域の環境
下における該画像記録媒体の該バインダー樹脂との離型
性を良好にする。このため、室温及び定着温度領域の環
境下においては、着色性樹脂粒子と上記バインダー樹脂
とが結合された画像形成物質と上記画像記録媒体との定
着性を良好にする一方、剥離温度領域の環境下において
は、該画像形成物質と該画像記録媒体との離型性を良好
にする。 (以下、余白)
【0027】請求項3の発明は、請求項2の画像記録媒
体において、摂氏0℃から摂氏80℃までの温度領域に
おける表面エネルギー値の変化が、摂氏温度を記号tで
表すと、−0.067×t+32.6[mN/m]以上
から−0.067×t+40.6[mN/m]以下まで
の範囲に属し、且つ、摂氏90℃から摂氏130℃まで
の温度領域における表面エネルギー値の変化が該範囲に
属さない材料を基材の表面に被覆したことを特徴とする
ものである。
【0028】請求項3の発明においては、ポリエチレン
の表面エネルギー値γ[mN/m]=−0.067×t
[℃]+36.6との差が、摂氏0℃から摂氏80℃ま
での温度領域では±4[mN/m]内であり、且つ、摂
氏90℃から摂氏130℃までの温度領域では±4[m
N/m]を超える材料を基材の表面に被覆することによ
り、摂氏0℃から摂氏80℃までの温度領域ではポリエ
チレンのバインダー樹脂を含有する画像形成物質との定
着性を良好にし、且つ、摂氏90℃から摂氏130℃ま
での温度領域では該画像形成物質との離型性を良好にす
る画像記録媒体を得ることができる。
【0029】請求項4の発明は、請求項3の画像記録媒
体であって、基材の表面に被覆される材料がポリエチレ
ングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレングリコ
ールとポリプロピレングリコールの共重合体、又は、ポ
リテトラメチレングリコールとポリプロピレングリコー
ルの共重合体であることを特徴とするものである。
【0030】請求項4の発明においては、基材の表面に
被覆する材料に、化粧品に広く用いられており、且つ、
人体への影響が少ない、非イオン系界面活性剤であるポ
リエチレングリコールのジメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、
又は、ポリテトラメチレングリコールとポリプロピレン
グリコールの共重合体を用いることにより、安全性の高
い画像記録媒体を得ることができる。
【0031】上記第2の目的を達成するために、請求項
5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像記録媒体と
共に温度を変化されることにより、該画像記録媒体の被
覆層上に接着している画像形成物質のバインダー樹脂の
表面エネルギー値に対して、該被覆層よりも近い表面エ
ネルギー値に変化される剥離部材を、該被覆層と圧接・
分離させる剥離処理を施して、該画像記録媒体から該画
像形成物質を剥離・除去することを特徴とする画像形成
物質除去方法である。
【0032】請求項5の発明においては、画像形成物質
の剥離処理時に請求項1、2、3又は4の画像記録媒体
及び上記剥離部材の温度を変化させることにより、該画
像記録媒体と上記バインダー樹脂との表面エネルギー値
の差を大きくする。この結果、上記剥離部材と上記バイ
ンダー樹脂との表面エネルギー値の差が、上記画像記録
媒体と該バインダー樹脂との表面エネルギー値の差より
も小さくなり、該剥離部材と該バインダー樹脂との接着
力が、該画像記録媒体と該バインダー樹脂との接着力よ
りも強くなる。従って、上記画像記録媒体と上記剥離部
材との上記分離時に、上記バインダー樹脂を含有する画
像形成物質を該画像記録媒体から容易に剥離・除去する
ことができる。このように、画像形成物質の剥離処理時
に請求項1、2、3又は4の画像記録媒体及び上記剥離
部材の温度を変化させることにより、該画像記録媒体に
水、界面活性剤の水溶液又は水溶性ポリマーの水溶液な
どの画像除去促進液を塗布又は含浸することなく、該画
像記録媒体に定着する該画像形成物質を除去することが
できる。
【0033】上記第3の目的を達成するために、請求項
6の発明は、剥離部材の表面を請求項1、2、3又は4
の画像記録媒体の表面と圧接・分離させることにより、
該画像記録媒体の表面に接着している画像形成物質を剥
離・除去する剥離装置を有し、さらに、該剥離装置の内
部に、該剥離部材の表面及び該画像記録媒体の温度を変
化させる温度変化装置と、該剥離部材と該画像記録媒体
とを分離する分離装置とを備える画像形成物質除去装置
であって、該剥離部材が、該温度変化装置によって変化
される温度領域において、該画像形成物質のバインダー
樹脂の表面エネルギー値に対して、該画像記録媒体より
も近い表面エネルギー値に変化することを特徴とするも
のである。
【0034】請求項6の発明においては、上記剥離装置
内で上記温度変化装置によって請求項1、2、3又は4
の画像記録媒体及び上記剥離部材の温度を変化させるこ
とにより、該画像記録媒体と上記バインダー樹脂との表
面エネルギー値の差を大きくする。この結果、上記剥離
部材と上記バインダー樹脂との表面エネルギー値の差
が、上記画像記録媒体と該バインダー樹脂との表面エネ
ルギー値の差よりも小さくなり、該剥離部材と該バイン
ダー樹脂との接着力が、該画像記録媒体と該バインダー
樹脂との接着力よりも強くなる。このため、上記剥離装
置内における上記画像記録媒体と上記剥離部材との上記
分離時に、上記バインダー樹脂を含有する画像形成物質
を該画像記録媒体から容易に剥離・除去する。このよう
に、上記剥離装置内で上記温度変化装置によって請求項
1、2、3又は4の画像記録媒体及び上記剥離部材の温
度を変化させることにより、該画像記録媒体に水、界面
活性剤の水溶液又は水溶性ポリマーの水溶液などの画像
除去促進液を塗布又は含浸することなく、上記バインダ
ー樹脂を含有する画像形成物質を該画像記録媒体上から
除去することができる。
【0035】請求項7の発明は、請求項6の画像形成物
質除去装置であって、上記温度変化装置が加熱装置であ
り、且つ、該加熱装置により変化させる請求項1、2、
3又は4の画像記録媒体の温度領域を、画像形成物質の
軟化温度と同等か或いは該画像形成物質の軟化温度より
も高くすることを特徴とするものである。
【0036】請求項7の発明においては、上記剥離部材
と請求項1、2、3又は4の画像記録媒体を、上記加熱
装置によって画像形成物質の軟化温度と同等か或いは該
画像形成物質の軟化温度よりも高くすることにより、該
画像記録媒体から該画像形成物質を剥離・除去する。請
求項1、2、3又は4の画像記録媒体は、摂氏0℃程度
の低い温度でも画像形成物質との接着性を維持するの
で、冷却によって該画像形成物質を剥離・除去する場合
には、該画像記録媒体及び上記剥離部材を摂氏0℃未満
に冷却するための複雑な構成の冷却装置が必要となる。
一方、加熱によって画像形成物質を剥離・除去する場合
には、上記剥離部材と請求項1、2、3又は4の画像記
録媒体の温度を、該画像形成物質の軟化温度と同等か或
いは該画像形成物質の軟化温度よりも高くするための加
熱装置が必要となるが、この種の加熱装置は上記冷却装
置よりも構成が簡単である。従って、上記温度変化装置
を、加熱装置にすることにより、冷却装置にする場合よ
りも画像形成物質除去装置の構成を簡単にする。
【0037】請求項8の発明は、請求項7の画像形成物
質除去装置であって、上記加熱装置によって、上記剥離
部材の表面、及び、請求項1、2、3又は4の画像記録
媒体を加熱する時間を、該加熱によって該剥離部材の表
面温度及び該画像記録媒体の温度を飽和させるために必
要な時間よりも長くすることを特徴とするものである。
【0038】請求項8の発明においては、上記加熱装置
の加熱温度が上記剥離温度領域内であれば、上記剥離部
材の表面温度及び請求項1、2、3又は4の画像記録媒
体の温度は上記剥離装置内で該剥離温度領域に飽和され
る。このため、上記加熱温度を上記剥離温度領域より高
く設定しなくても、上記剥離部材の表面温度及び請求項
1、2、3又は4の画像記録媒体の温度を該剥離温度領
域内に変化させることができる。つまり、最小限の上記
加熱温度で上記剥離部材の表面温度及び上記画像記録媒
体の温度を上記剥離温度領域内に変化させることができ
る。
【0039】請求項9の発明は、請求項8の画像形成物
質除去装置であって、上記分離装置の温度を、画像形成
物質の軟化温度と同等か或いは画像形成物質の軟化温度
よりも高くすることを特徴とするものである。
【0040】請求項9の発明においては、上記加熱装置
を経由した後の請求項1、2、3又は4の画像記録媒体
及びその表面の画像形成物質が、放熱によって、それら
の温度を上記剥離温度領域より低く変化させても、上記
分離装置内で再び該剥離温度領域内に加熱される。従っ
て、上記剥離装置内における画像記録媒体の通過速度を
遅く設定する場合でも、上記分離時における上記画像記
録媒体及びその表面の画像形成物質の温度を上記剥離温
度領域に変化させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る画像記録媒体
の実施形態として、ポリエチレンのバインダー樹脂を含
有する画像形成物質との定着性及び離型性を良好にし、
且つ、請求項1、2、3及び4の構成を適用した画像記
録媒体の実施形態について説明する。
【0042】図2は図1と同様に、物質の表面エネルギ
ーの温度特性を示すグラフであり、縦軸に表面エネルギ
ーを、横軸に温度をプロットしたものである。そして、
図2のpは、ポリエチレンの表面エネルギー値の温度特
性を示す直線である。この直線pの関数式は上述したよ
うに、表面エネルギー値γ[mN/m]=−0.067
×温度t[℃]+36.6である。
【0043】一方、上述したように、本発明者らの鋭意
な研究により、表面エネルギー値の差が±4[mN/
m]の範囲内にある物質同士は、互いに接着し易い状態
にあることが判明している。従って、ある物質のt
[℃]における表面エネルギー値が、直線pに4[mN
/m]を加算した直線Max(γ=−0.067×t+
40.6)と、直線pから4[mN/m]を除算した直
線Min(γ=−0.067×t+32.6)とに囲ま
れる領域gに属する場合は、その物質のt[℃]におけ
るポリエチレンとの接着性が良好である。反対に、t
[℃]における表面エネルギー値が領域gに属しない場
合は、その物質のt[℃]におけるポリエチレンとの分
離性が良好となる。従って、図2の定着温度領域t1で
は領域gに属し、且つ、剥離温度領域t2では領域gに
属さないような表面エネルギーの温度特性を有する物質
を表面に被覆された画像記録媒体は、バインダー樹脂と
してポリエチレンを含有する画像形成物質に対して、定
着性と剥離性という相反する特性を両立させることがで
きる。
【0044】このような表面エネルギーの温度特性を有
する物質としては、ポリエチレングリコールのジメチル
エーテル(図2の直線c:γ=−0.095×t+3
4.8)、ポリエチレングリコールとポリプロピレング
リコールの共重合体(図2の直線d:γ=−0.086
×t+34.1)、ポリテトラメチレングリコールとポ
リプロピレングリコールの共重合体(図2の直線e:γ
=−0.079×t+33.5)が挙げられる。なお、
直線c、d及びeの関数式は、文献(J.Brandr
up,E.H.lmmergut:POLYMER H
ANDBOOK)から引用したものである。
【0045】以上、本実施形態の画像記録媒体によれ
ば、室温及び定着温度領域t1の環境下において、ポリ
エチレンのバインダー樹脂を含有する画像形成物質と該
画像記録媒との定着性を良好にするので、該画像記録媒
体上に該画像形成物質を安定して保持させることができ
る。また、剥離温度領域t2の環境下において、ポリエ
チレンのバインダー樹脂を含有する画像形成物質と上記
画像記録媒体との離型性を良好にするので、水、界面活
性剤の水溶液又は水溶性ポリマーの水溶液などの画像除
去促進液の塗布又は含浸がなされなくても、該画像形成
物質が表面から剥離される。また、画像除去促進液の塗
布又は含浸がなされなくても、上記画像形成物質が表面
から剥離されるので、「しわ」「波打ち」「伸び」など
を形成されることなく、該画像形成物質が除去される。
【0046】次に、上記実施形態の画像記録媒体におい
て、請求項4の構成を適用した第1実施例について説明
する。
【0047】酸化チタンを含浸させたポリエチレン・テ
レフタレート・フィルム(東レ、E20、厚み100μ
m)を基材として用い、この基材の両面に、ポリエチレ
ングリコールのジメチルエーテルであるポリオキシエチ
レン・ジメチル・エーテル(分子量400)をワイヤー
バーを用いて2.5[g/m2]塗布した後、65℃の
環境下で乾燥させる処理を施した。基材に対してこのよ
うな処理を施すことにより、図3に示すように、ポリエ
チレン・テレフタレート・フィルムの基材1aの両面
に、ポリオキシエチレン・ジメチル・エーテルの被覆層
1bを有する画像記録媒体1を作製することができる。
【0048】この画像記録媒体1上に複写機(リコー
製、FT5500)を用いて、ポリエチレンのバインダ
ー樹脂を含有するトナーによるトナー像を形成させた
後、該トナー像を指で擦り、指に付着したトナーの反射
濃度(Smear,スミア)を測定することで、画像記録媒
体1のトナーの定着性を試験した。この試験の結果、ス
ミアの値は0.17〜0.20[OD]であり、一般に
広く用いられるPPC用紙でのスミアの値(0.3[O
D]以下)と同等であった。即ち、本第1実施例の画像
記録媒体は、一般に広く用いられるPPC用紙と同等の
定着性を有する。
【0049】従って、本第1実施例の画像記録媒体は、
例えば、画像形成装置内での定着不良による画像の抜
け、オフセット、衣服への付着、及び、消しゴムによる
画像の脱落などを発生させない。
【0050】また、次に掲げる条件で、上記トナー像が
形成された上記画像記録媒体からの該トナー像の除去を
試みることで、該画像記録媒体の剥離性を試験した。 (1)剥離温度領域=摂氏90[℃]〜130[℃]。 (2)剥離部材の材質=PEEK(ポリ・エーテル・エ
ーテル・ケトン:上記剥離温度領域でポリエチレンとの
接着性を維持する)。 (3)剥離部材との圧接強さ=2〜3[kgf/c
2]。 (4)剥離部材との圧接時間=1〜1.5[sec]。 この結果、上記画像記録媒体から容易に上記トナー像を
除去することができた。
【0051】さらに、酸化チタンを含浸させたポリエチ
レン・テレフタレート・フィルム(東レ、E20、厚み
100μm)を基材として用い、この基材の両面に、ポ
リエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共
重合体であるポリオキシエチレンとポリオキシプロピレ
ンの共重合体(ポリオキシプロピレンのモル分率が85
%)をワイヤーバーを用いて2.5[g/m2]塗布し
た後、65℃の環境下で乾燥させた画像記録媒体、及
び、酸化チタンを含浸させたポリエチレン・テレフタレ
ート・フィルム(東レ、E20、厚み100μm)を基
材として用い、この基材の両面に、ポリテトラメチレン
グリコールとポリプロピレングリコールの共重合体であ
るポリオキシテトラメチレンとポリオキシプロピレンの
共重合体(ポリオキシプロピレンのモル分率が85%)
をワイヤーバーを用いて2.5[g/m2]塗布した
後、65℃の環境下で乾燥させた画像記録媒体につい
て、上記と同様に定着性及び剥離性の試験を行った。そ
して、これらの試験結果は、上記の画像記録媒体の試験
結果と同等であった。
【0052】なお、基材を被覆する材料として用いた非
イオン系界面活性剤であるポリエチレングリコールのジ
メチルエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピ
レングリコールの共重合体、及び、ポリテトラメチレン
グリコールとポリプロピレングリコールの共重合体は、
いずれも化粧品に広く用いられており、その安全性の高
さが広く知られている。
【0053】以上、本第1実施例の画像記録媒体によれ
ば、安全性の高い材料を被覆するので、一般ユーザーに
対する安全性を十分に確保することができる。
【0054】次に、上記実施形態の画像記録媒体におい
て、請求項4の構成を適用した第2実施例について説明
する。
【0055】次に掲げる合成記録紙に対して、上記第1
実施例と同様の定着性及び剥離性の試験を行った (1)酸化チタンを含浸させたPPC用紙(リコー製P
PC用紙S)を基材として用い、この基材の両面に、ポ
リエチレングリコールのジメチルエーテルであるポリオ
キシエチレン・ジメチル・エーテル(分子量400)を
ワイヤーバーを用いて2.5[g/m2]塗布した後、
65℃の環境下で乾燥させた合成記録紙。 (2)酸化チタンを含浸させたPPC用紙(リコー製P
PC用紙S)を基材として用い、この基材の両面に、ポ
リエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共
重合体であるポリオキシエチレンとポリオキシプロピレ
ンの共重合体(ポリオキシプロピレンのモル分率が85
%)をワイヤーバーを用いて2.5[g/m2]塗布し
た後、65℃の環境下で乾燥させた合成記録紙。 (3)酸化チタンを含浸させたPPC用紙(リコー製P
PC用紙S)を基材として用い、この基材の両面に、ポ
リテトラメチレングリコールとポリプロピレングリコー
ルの共重合体であるポリオキシテトラメチレンとポリオ
キシプロピレンの共重合体(ポリオキシプロピレンのモ
ル分率が85%)をワイヤーバーを用いて2.5[g/
2]塗布した後、65℃の環境下で乾燥させた合成記
録紙。
【0056】この結果、それぞれの記録紙において、ス
ミアの値はいずれも0.3[OD]以下であり、一般に
広く用いられるPPC用紙と同等であり、また、トナー
像も容易に除去された。
【0057】以上、本第1実施例の合成記録紙によれ
ば、安全性の高い材料を被覆するので、一般ユーザーに
対する安全性を十分に確保することができる
【0058】なお、請求項1、2又は3の発明に係る画
像記録媒体においては、対象となる画像形成物質のバイ
ンダー樹脂が上記ポリエチレンに限られるものではな
く、ポリスチレン及びこの共重合体、ポリエステル及び
この共重合体、エポキシ樹脂、アクリレート及びこの共
重合体、メタアクリレート系樹脂及びこの共重合体等に
対しても適用することができる。 (以下、余白)
【0059】また、本発明に係る画像記録媒体において
は、被覆される材料の表面エネルギーの関数式γ[mN
/m]=−α×t[℃]+βの変数αは、小数点以下第
4位以下の数値を四捨五入して小数点以下第3位を有効
桁数とし、定数βは、小数点以下第2位以下の数値を四
捨五入して小数点以下第1位を有効桁数とし、表面エネ
ルギー値γは、小数点以下第2位以下の数値を四捨五入
して小数点以下第1位を有効桁数とする。
【0060】また、本発明における、物質の表面エネル
ギーの温度特性に着目することによって物質同士の接着
と分離を容易にするという技術的思想は、物質同士の温
度を変化させることによって接着・分離を繰り返し行う
ようなシステム、例えば、加熱によってシート状ラベル
の貼り付けと引き剥がしとを繰り返し行うようなシステ
ムに応用することができる。
【0061】次に、上記実施形態及び上記実施例の第1
比較例として、ポリエチレンのバインダー樹脂を含有す
るトナーが定着されない画像記録媒体について説明す
る。
【0062】酸化チタンを含浸させたポリエチレン・テ
レフタレート・フィルム(東レ、E20、厚み100μ
m)を基材として用い、この基材の両面に、PTFE
(ポリ・テトラフルオロエチレン)を接着剤または粘着
材等でラミネートして画像記録媒体を作製した。
【0063】このようにして基材上に被覆されたPTF
Eの表面エネルギー値は、室温の温度領域の範囲内であ
る20℃では11.4[mN/m]を、定着温度領域t
1の範囲内である75℃では10.9[mN/m]を、
それぞれポリエチレンの表面エネルギー値から減じた値
である。即ち、PTFEは、室温の温度領域及び定着温
度領域では、図2の領域gに属さず、ポリエチレンと接
着し難い特性を有する。
【0064】この第1比較例の画像記録媒体上に複写機
(リコー製、FT5500)を用いて、ポリエチレンの
バインダー樹脂を含有するトナーによるトナー像を形成
させた。しかし、形成されたトナー像は、指に触れられ
ると簡単に画像記録媒体表面より除去された。
【0065】以上、本第1比較例の画像記録媒体では、
室温及び定着温度領域t1におけるポリエチレンとの接
着性が極めて悪いので、上記トナーを表面上に定着させ
ることができない。
【0066】次に、上記実施形態及び上記実施例の第2
比較例として、ポリエチレンのバインダー樹脂を含有す
るトナーが定着され、且つ、該トナーが剥離されない画
像記録媒体について説明する。
【0067】酸化チタンを含浸させたポリエチレン・テ
レフタレート・フィルム(東レ、E20、厚み100μ
m)を基材として用い、この基材の両面に、ポリエチレ
ンと酢酸ビニルの共重合体(酢酸ビニルの重量比25
%)をワイヤーバーを用いて2.5[g/m2]塗布し
た後、65℃の環境下で乾燥させて画像記録媒体を作製
した。
【0068】このようにして基材上に被覆された上記共
重合体とポリエチレンとの表面エネルギー値の差は、室
温の温度領域の範囲内である20℃と、定着温度領域t
1の範囲内である75℃と、剥離温度領域の範囲内であ
る100℃とで、それぞれ0.2[mN/m]である。
即ち、上記共重合体は、室温の温度領域、定着温度領
域、及び、剥離温度領域の全ての温度領域において、図
2の領域gに属し、ポリエチレンと接着し易い特性を有
する。
【0069】この第2比較例の画像記録媒体上に複写機
(リコー製、FT5500)を用いて、ポリエチレンの
バインダー樹脂を含有するトナーによるトナー像を形成
させて定着性の試験をした。この試験の結果は、スミヤ
の値が0.10〜0.15[OD]であり、一般に広く
用いられるPPC用紙での値(0.3[OD]以下)と
同等であった。
【0070】上記トナー像を有する第2比較例の画像記
録媒体に対して、後述する具体例の画像形成物質除去装
置を用いて剥離性の試験を行った。すると、第2比較例
の画像記録媒体と具体例に用いた剥離部材との分離がな
されず、該記録媒体が該剥離部材に接着したままの状態
でジャムを起こしてしまった。
【0071】以上、本第2比較例の画像記録媒体では、
剥離温度領域t2におけるポリエチレンとの離型性が極
めて悪いので、剥離温度領域t2内に温度変化されても
上記トナーの剥離がなされない。
【0072】次に、請求項5、6、7、8及び9の構成
を適用した、上記第2実施例の合成記録紙からの上記ト
ナーの除去方法及び除去装置の具体例について説明す
る。
【0073】図4に示す上記第2実施例の記録紙1は、
例えば、リコー社製複写機Spirio7000等の画
像形成装置により、ポリエチレンのバインダー樹脂を含
有するトナー2からなるトナー画像が形成されたもので
ある。
【0074】本具体例のトナー除去装置は、図4に示す
ように、記録紙1からトナー2を剥離して除去する剥離
装置としての剥離ユニット20、剥離ユニット20に記
録紙1を給紙する給紙ユニット10、剥離ユニット20
から記録紙1を排出する排紙ユニット40等を備えてい
る。不要となった記録紙1は、給紙ユニット10の給紙
トレイ11上に収納され、給紙コロ12によって該給紙
トレイ11から排紙される。給紙トレイ11から排紙さ
れた記録紙1は、第1給紙ローラ対13a、13b、及
び、第2給紙ローラ対14a、14bにより、搬送路1
5上を剥離ユニット20に向けて搬送される。剥離ユニ
ット20での剥離処理が終了した記録紙1は、排紙ロー
ラ対41a、41bによって排紙ユニット40の排紙ト
レイ42に排紙される。なお、剥離ユニット20内部
は、剥離部20a、分離部20b、クリーニング部20
c−1、クリーニング部20c−2に大別される。
【0075】上記剥離ユニット20には、PEEK(ポ
リ・エーテル・エーテル・ケトン)から成り、且つ、上
下に2つのエンドレス・ベルト状に加工された剥離部材
としての剥離ベルト21a、21bが、各ローラ23、
24、25、26、27、28、29、30a、30
b、31a、31b、32a、32bを介して張り巡ら
され、駆動ローラ24、26、28によって矢印方向に
回転される。ローラ23、25、27、29は、内部に
ヒーターを有し、剥離ベルト21a、21bを加熱しな
がら加圧する加熱加圧装置としての加熱加圧ローラであ
り、ローラ24、26、28は、図示しない電動機によ
りギアを介して駆動される駆動ローラであり、ローラ3
0a、30bは、内部にヒータを有し、記録紙1と剥離
ベルト21a及び21bとを分離する分離装置としての
分離ローラであり、ローラ32a、32bは、それぞれ
クリーニングローラ33a、33bの剥離ベルト21
a、21bとの摺接圧力の均一化を補助するバックアッ
プローラであり、ローラ22a、22bは、給紙ユニッ
トからの記録紙1を受け取りながら剥離ユニット20内
に搬送する入り口ローラであり、ローラ31a、31b
は、それぞれ剥離ベルト21a、21bのテンションを
調節するテンションローラである。
【0076】加熱加圧ローラ23、25、27、29
は、駆動ローラ24、26、28を、剥離ベルト21
a、21bを介して押しつけられることにより摩擦回転
する。加熱加圧ローラ23、25、27、29は、例え
ばアルミニウム、ステンレスなどの金属からなる硬質ロ
ーラであり、駆動ローラ24、26、28は、表面にシ
リコーン・ゴム等の弾性部材の被覆を設けた軟質ローラ
である。駆動ローラ24と加熱加圧ローラ23及び25
との間、駆動ローラ26と加熱加圧ローラ25及び27
との間、駆動ローラ28と加熱加圧ローラ27及び29
との間には、図示しないバネ、油圧などの付勢手段によ
り、2〜3[kgf/cm2]の圧力が加えられ、それ
ぞれのローラ間には、ニップが形成される。
【0077】表面にトナー2を有する記録紙1は、入口
ローラ22a、22bの間から、上下の剥離ベルト21
a、21bの間に挿入され、剥離ベルト21a、21b
の間に挟持されながら上記ニップ間を通過される。この
通過の際、剥離ベルト21a、21b、記録紙1の被覆
層1b及び被覆層1b上のトナー2が、加熱加圧ローラ
23、25、27、29によって剥離温度領域としての
摂氏90℃から摂氏130℃までの温度に加熱される。
被覆層1b及び被覆層1b上のトナー2が剥離温度領域
内の温度に加熱されると、図2で示したように、被覆層
1bの表面エネルギー値と、トナー2のバインダー樹脂
としてのポリエチレンの表面エネルギー値との差が、4
[mN/m]よりも大きくなる。つまり、ポリエチレン
の表面エネルギー値が領域gの範囲に属さなくなる。一
方、PEEKから成る剥離ベルト21a及び21bの表
面エネルギー値は、上記の剥離温度領域内において領域
gに属する。このため、被覆層1b上のトナー2は、
水、界面活性剤の水溶液又は水溶性ポリマーの水溶液な
どの画像除去促進液を塗布又は含浸されることなく、被
覆層1bから剥離されて剥離ベルト21a及び21bに
接着する。
【0078】剥離ベルト21a及び21bに接着したト
ナー2は、表面にスパイラル状のエッジを有するクリー
ニングローラ33a、33bによって掻き取られ、トナ
ー収容器内に収容される。
【0079】記録紙1とトナー2との接着性を低下させ
る手段、つまり、記録紙1の被覆層1bとトナー2のポ
リエチレンとの表面エネルギー値の差を±4[mN/
m]より大きくする手段としては、上記のような加温手
段の他に、冷却手段が考えられる。しかし、図2に示す
ように、記録紙1の被覆層1bとポリエチレンとは、摂
氏0℃でも接着性を維持するので、冷却によって両者の
表面エネルギー値の差を±4[mN/m]より大きくす
るためには、両者の温度を氷点よりもかなり低い温度に
変化させる複雑な構成の冷却装置が必要となる。一方、
本具体例のトナー除去装置のように、加熱によってトナ
ー2を剥離・除去する場合には、図4に示すような簡単
な構成の加熱手段でよい。
【0080】本具体例のトナー除去装置における剥離温
度領域は摂氏90℃から摂氏130℃までの範囲内に設
定されているが、これより低い温度に設定されると、剥
離ベルト21a及び21bとトナー2との接着性を維持
させることができず、且つ、トナー2を十分に軟化させ
ることができないので、トナー2を完全に除去させるこ
とができない。反対に、これより高い温度に設定される
と、剥離ベルト21a及び21bに接着させたトナー2
が、凝集破壊を引き起こし、剥離ベルト21a及び21
b上を流動してオフセットしてしまう。なお、画像記録
媒体上から剥離されるためには、ポリエチレンのバイン
ダー樹脂は摂氏85℃以上、ポリスチレンのバインダー
樹脂は摂氏90℃以上に変化される必要がある。
【0081】ところで、接触する物質同士の温度が飽和
されるためには、所定の接触時間が必要である。例え
ば、一般的な画像記録媒体の場合、ヒーターを有する加
熱ローラーによって加熱され始めてからその表面温度が
飽和されるまでに、約300[msec]以上の接触時
間が必要である。上述したように、一般的な画像形成装
置における定着温度領域は摂氏75℃〜摂氏80℃であ
るが、定着処理時の加熱手段としての定着加熱ローラの
温度は該定着温度領域よりもかなり高く、概ね摂氏15
0℃から200℃に設定されている。このように、定着
加熱ローラの温度を高く設定する理由は、画像形成装置
内での通紙スピードを均一且つ高速にするためであり、
画像記録媒体を短時間(20[msec]程度)で定着
装置に通過させる必要があるからである。
【0082】上記のように、短時間で定着装置を通過さ
れる画像記録媒体は、その温度を定着加圧ローラの温度
に飽和されることなく定着温度領域内に変化される。即
ち、定着加熱ローラの温度を定着温度領域よりも高く設
定することにより、定着装置内における画像記録媒体の
通紙スピードを高速にすることができる。そして、画像
形成装置の定着装置と同様に、画像形成物質除去装置に
おいても、剥離装置内の加熱部材の温度を剥離温度領域
よりも高く設定することで剥離装置内における画像記録
媒体の通紙スピードを高速にすることができる。
【0083】しかし、剥離手段に加熱手段を用いる場合
は、剥離温度領域を定着温度領域よりも高く設定する必
要があるので、剥離装置内における画像記録媒体の通紙
スピードを高速にするためには、剥離装置内の加熱部材
の温度をかなり高い温度(摂氏200℃以上)に維持さ
せなければならず、高熱によって該加熱部材や剥離装置
内の他の部材の劣化を助長させてしまう。
【0084】また、画像形成物質と剥離部材とを接着さ
せる場合には、2〜3[kgf/cm2]の接触圧力で
300[msec]以上の接触時間が必要であり、定着
処理時における該画像形成物質と画像記録媒体との接触
時間よりも長時間を要する。
【0085】そこで、画像記録媒体表面と加熱部材との
温度飽和に要する時間、及び、画像形成物質と剥離部材
との接着に要する時間、を考慮して、本具体例のトナー
除去装置では剥離部20aにおける記録紙1の通紙時間
を300[msec]以上設けるように剥離ベルト21
の線速を調整している。このような線速の設定により、
加熱加圧ローラ23、25、27、29の加熱温度を剥
離温度領域t2と同等の温度に設定しても、剥離ベルト
21a及び21bの表面温度、並びに、記録紙1の温度
を剥離温度領域内に変化させることができる。つまり、
最小限の加熱温度で、剥離ベルト21a及び21bの表
面温度、並びに、記録紙1の温度を剥離温度領域内に変
化させることができる。
【0086】なお、ホットメルト接着剤等で物質同士を
完全に接着させるためには、数秒の接触時間を設ける必
要があるが、画像形成物質と剥離部材との場合は、両者
を完全に接着させる必要はなく、画像記録媒体上から該
剥離部材上に該画像形成物質を移行できれば足りるの
で、300[msec]以上の接触時間を設ければ十分
である。
【0087】また、分離部20aを通過した記録紙1
が、放熱によって、それらの温度を摂氏90℃より低く
変化させても、分離ローラ30aと30bとに挟まれる
ことにより再び摂氏90℃以上に加熱される。従って、
上記線速を遅く設定する場合でも、分離部20bにおけ
る記録紙1及びその表面のトナー2の温度を剥離温度領
域t2に変化させることができる。
【0088】以上、本具体例のトナー除去装置によれ
ば、記録紙1に水、界面活性剤の水溶液又は水溶性ポリ
マーの水溶液などの画像除去促進液を塗布又は含浸する
ことなく、トナー2を記録紙1上から除去することがで
きるので、記録紙1に「しわ」「波打ち」「伸び」など
を発生させない。また、画像除去促進液を塗布又は含浸
する装置が不要であるので、トナー除去装置を小型化す
ることができる。また、記録紙1とトナー2との表面エ
ネルギー値の差を大きくする手段が簡単な構成の加温手
段であるので、複雑な構成の冷却手段を用いる場合より
もトナー除去装置の生産コストを低下させることができ
る。また、最小限の加熱温度でトナー2を除去できるの
で、加熱加圧ローラ23、25、27、29の熱による
劣化を軽減し、且つ、加熱のためのコストを低下させる
ことができる。また、上記線速を遅く設定しても、分離
部20bにおける記録紙1及びその表面のトナー2の温
度を剥離温度領域t2に変化させることができるので、
上記圧接の時間を長くすることにより、剥離部材21a
及び21bと、トナー2とを確実に接着させることがで
きる。
【0089】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、室温及び定着
温度領域の環境下における上記被覆層の画像形成物質と
の定着性を良好にし、剥離温度領域の環境下における該
被覆層の該画像形成物質との離型性を良好にするので、
該被覆層を表面に有する画像記録媒体の該画像形成物質
に対する定着性と離型性とを良好に両立させることがで
きるという優れた効果がある。
【0090】請求項2の発明によれば、室温及び定着温
度領域の環境下において、上記バインダー樹脂を含有す
る画像形成物質と上記画像記録媒との定着性を良好にす
るので、該画像記録媒体上に該画像形成物質を安定して
保持させることができる。また、剥離温度領域の環境下
において、上記バインダー樹脂を含有する画像形成物質
と上記画像記録媒体との離型性を良好にするので、水、
界面活性剤の水溶液又は水溶性ポリマーの水溶液などの
画像除去促進液の塗布又は含浸がなされない該画像記録
媒体から、該画像形成物質を除去することができるとい
う優れた効果がある。また、画像除去促進液の塗布又は
含浸がなされない上記画像記録媒体から上記画像形成物
質を除去することができるので、該画像記録媒体に「し
わ」「波打ち」「伸び」などを発生させないという優れ
た効果がある。
【0091】請求項3の発明によれば、摂氏0℃から摂
氏80℃までの温度領域ではポリエチレンのバインダー
樹脂を含有する画像形成物質との定着性を良好にし、且
つ、摂氏90℃から摂氏130℃までの温度領域では該
画像形成物質との離型性を良好にする画像記録媒体を得
ることができるので、該画像形成物質を定着させた該画
像記録媒体に、画像除去促進液を塗布又は含浸すること
なく、且つ、「しわ」「波打ち」「伸び」などを発生さ
せることなく、該画像記録媒体から該画像形成物質を除
去することができるという優れた効果がある。
【0092】請求項4の発明によれば、安全性の高い画
像記録媒体を得ることができるので、該画像記録媒体を
広く一般ユーザーに提供することができるという優れた
効果がある。
【0093】請求項5の発明によれば、請求項1、2、
3又は4の画像記録媒体に画像除去促進液を塗布又は含
浸することなく、該画像記録媒体に定着する画像形成物
質を除去することができるので、該画像記録媒体に「し
わ」「波打ち」「伸び」などを発生させないという優れ
た効果がある
【0094】請求項6の発明によれば、請求項1、2、
3又は4の画像記録媒体に画像除去促進液を塗布又は含
浸することなく、上記バインダー樹脂を含有する画像形
成物質を該画像記録媒体上から除去することができるの
で、該画像記録媒体に「しわ」「波打ち」「伸び」など
を発生させないという優れた効果がある。また、画像除
去促進液を塗布又は含浸する装置が不要であるので、画
像形成物質除去装置を小型化することができるという優
れた効果がある。
【0095】請求項7の発明によれば、上記温度変化装
置を、加熱装置にすることにより、冷却装置にする場合
よりも画像形成物質除去装置の構成を簡単にするので、
該画像形成物質除去装置の生産コストを低下させること
ができるという優れた効果がある。
【0096】請求項8の発明によれば、最小限の上記加
熱温度で上記剥離部材の表面温度及び請求項1、2、3
又は4の画像記録媒体の温度を上記剥離温度領域内に変
化させることができるので、上記加熱装置内の各部材の
熱による劣化を軽減し、且つ、該加熱のためのコストを
低下させることができるという優れた効果がある。
【0097】請求項9の発明によれば、上記剥離装置内
における画像記録媒体の通過速度を遅く設定する場合で
も、上記分離時における上記画像記録媒体及びその表面
の画像形成物質の温度を上記剥離温度領域に変化させる
ことができるので、上記圧接の時間を長くすることによ
り、上記剥離部材と該画像形成物質とを確実に接着させ
ることができるという優れた効果がある。 (以下、余白)
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエチレンの表面エネルギーの温度特性を示
すグラフ。
【図2】ポリエチレン、ポリエチレングリコールのジメ
チルエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレ
ングリコールの共重合体、及び、ポリテトラメチレング
リコールとポリプロピレングリコールの共重合体の表面
エネルギーの温度特性を示すグラフ。
【図3】本発明に係る画像記録媒体の断面図。
【図4】本発明の具体例に係るトナー除去装置の概略構
成図。
【符号の説明】
1 記録紙 10 給紙ユニット 11 給紙トレイ 12 給紙コロ 13 第1給紙ローラ対 14 第2給紙ローラ対 15 搬送路 20 剥離ユニット 20a 剥離部 20b 分離部 20c クリーニング部 21 剥離ベルト 22 入り口ローラ対 23 加熱加圧ローラ 24 駆動ローラ 25 加熱加圧ローラ 26 駆動ローラ 27 加熱加圧ローラ 28 駆動ローラ 29 加熱加圧ローラ 30 分離ローラ 31 テンションローラ 32 バックアップローラ 40 排紙ユニット 41 排紙ローラ対 42 排紙トレイ
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 画像記録媒体、画像形成物質除去方
法、及び、画像形成物質除去装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温の温度領域、及び、所定の画像形成物
    質の軟化温度に近い温度領域である定着温度領域では、
    該画像形成物質の剥離処理を施されるときに変化される
    剥離温度領域よりも、該画像形成物質との接着性を高め
    る材料を基材の表面に被覆したことを特徴とする画像記
    録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1の画像記録媒体において、上記画
    像形成物質のバインダー樹脂との表面エネルギー値の差
    が、室温の温度領域及び上記定着温度領域では±4[m
    N/m]以内であり、且つ、上記剥離温度領域では±4
    [mN/m]を超える材料を基材の表面に被覆したこと
    を特徴とする画像記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項2の画像記録媒体において、摂氏0
    ℃から摂氏80℃までの温度領域における表面エネルギ
    ー値の変化が、摂氏温度を記号tで表すと、−0.06
    7×t+32.6[mN/m]以上から−0.067×
    t+40.6[mN/m]以下までの範囲に属し、且
    つ、摂氏90℃から摂氏130℃までの温度領域におけ
    る表面エネルギー値の変化が該範囲に属さない材料を基
    材の表面に被覆したことを特徴とする画像記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項3の画像記録媒体であって、基材の
    表面に被覆される材料がポリエチレングリコールのジメ
    チルエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレ
    ングリコールの共重合体、又は、ポリテトラメチレング
    リコールとポリプロピレングリコールの共重合体である
    ことを特徴とする画像記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の画像記録媒体と
    共に温度を変化されることにより、該画像記録媒体の被
    覆層上に接着している画像形成物質のバインダー樹脂の
    表面エネルギー値に対して、該被覆層よりも近い表面エ
    ネルギー値に変化される剥離部材を、該被覆層と圧接・
    分離させる剥離処理を施して、該画像記録媒体から該画
    像形成物質を剥離・除去することを特徴とする画像形成
    物質除去方法。
  6. 【請求項6】剥離部材の表面を請求項1、2、3又は4
    の画像記録媒体の表面と圧接・分離させることにより、
    該画像記録媒体の表面に接着している画像形成物質を剥
    離・除去する剥離装置を有し、さらに、該剥離装置の内
    部に、該剥離部材の表面及び該画像記録媒体の温度を変
    化させる温度変化装置と、該剥離部材と該画像記録媒体
    とを分離する分離装置とを備える画像形成物質除去装置
    であって、該剥離部材が、該温度変化装置によって変化
    される温度領域において、該画像形成物質のバインダー
    樹脂の表面エネルギー値に対して、該画像記録媒体より
    も近い表面エネルギー値に変化することを特徴とする画
    像形成物質除去装置。
  7. 【請求項7】請求項6の画像形成物質除去装置であっ
    て、上記温度変化装置が加熱装置であり、且つ、該加熱
    装置により変化させる請求項1、2、3又は4の画像記
    録媒体の温度領域を、画像形成物質の軟化温度と同等か
    或いは該画像形成物質の軟化温度よりも高くすることを
    特徴とする画像形成物質除去装置。
  8. 【請求項8】請求項7の画像形成物質除去装置であっ
    て、上記加熱装置によって、上記剥離部材の表面、及
    び、請求項1、2、3又は4の画像記録媒体を加熱する
    時間を、該加熱によって該剥離部材の表面温度及び該画
    像記録媒体の温度を飽和させるために必要な時間よりも
    長くすることを特徴とする画像形成物質除去装置。
  9. 【請求項9】請求項8の画像形成物質除去装置であっ
    て、上記分離装置の温度を、画像形成物質の軟化温度と
    同等か或いは画像形成物質の軟化温度よりも高くするこ
    とを特徴とする画像形成物質除去装置。
JP32531597A 1997-11-11 1997-11-11 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置 Pending JPH11143110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32531597A JPH11143110A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32531597A JPH11143110A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11143110A true JPH11143110A (ja) 1999-05-28

Family

ID=18175457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32531597A Pending JPH11143110A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11143110A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5968301A (en) Method of recycling image supporting material and apparatus thereof
JP2584112B2 (ja) イレーザ
JP4843234B2 (ja) 被記録材の画像形成物質除去装置
JP3454956B2 (ja) 画像保持支持体の再生方法およびその再生装置
US11099499B2 (en) Image removing device, method for recycling recording material, and image removing method
JPH10207103A (ja) 画像記録体及び画像記録体の再生方法
JP2014004830A (ja) 画像転写シート、および画像記録体
JPH0482983A (ja) コピーシートの記録画像除去方法並びに装置
JP4902249B2 (ja) 画像が形成された被記録材から画像形成物質を除去するための装置
JPH11143110A (ja) 画像記録媒体、画像形成物質除去方法、及び、画像形成物質除去装置
JPH07199756A (ja) トナー記録用紙の記録消去方法
JP5294058B2 (ja) 画像除去装置及び画像形成除去システム
JP3945135B2 (ja) 画像支持体およびその再生方法
JP3753831B2 (ja) 被記録材の再生方法及び被記録材再生装置
JP3975571B2 (ja) 画像記録体及びそれを用いた画像記録体の再生方法
JP6167793B2 (ja) ラベル台紙、ラベル、ラベル台紙の製造方法およびラベルの作製方法
JPH07199757A (ja) 記録用紙の記録消去方法
JP3506351B2 (ja) 像保持体の繰り返し使用方法
JP3567670B2 (ja) 印字材料の除去装置
JPH11327389A (ja) 記録媒体、中間記録媒体、画像形成物質除去装置、画像形成物質除去方法及び転写装置
JP3743175B2 (ja) 再生可能な画像記録体
JP2009271153A (ja) 画像除去装置
JPH10240090A (ja) 像保持体からの像形成物質除去装置
JPH1031396A (ja) 被記録材再生装置
JPH0792868A (ja) シート材からの像形成物質除去方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050930

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060203