JPH11142541A - 透光性カバー部材を備えた機器 - Google Patents

透光性カバー部材を備えた機器

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JPH11142541A
JPH11142541A JP31087397A JP31087397A JPH11142541A JP H11142541 A JPH11142541 A JP H11142541A JP 31087397 A JP31087397 A JP 31087397A JP 31087397 A JP31087397 A JP 31087397A JP H11142541 A JPH11142541 A JP H11142541A
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elution
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宏幸 新井
Masayasu Koike
賢保 小池
Hiroichi Ito
博一 伊藤
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性カバー部材を備えた各種機器におい
て、透光性カバー部材と基材との間の溶着代を充分に確
保しつつ、溶出部のはみ出しによる外観の悪化を防止す
ることのできる取付構造を提供する。 【解決手段】 時計ケース10の取付枠部11の傾斜面
12の内側に突出した段差面14が形成されている。ま
た、有機ガラス20の外周部21の内側角部21aより
も中央側に段差面24が形成されている。時計ケース1
0の段差面14と有機ガラス20の段差面24とはちょ
うど時計ケース10の傾斜面12と有機ガラス20の内
側角部21aとが溶着された溶着部の内側に断面略矩形
の環状の空間を形成し、時計ケース10と有機ガラス2
0とを溶着させると、溶出部23はその空間内に入り込
むようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透光性カバー部材を
備えた機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂からなる時計ケースに対
して、時計の表示部を覆うカバーガラスとして透明な合
成樹脂からなる有機ガラスを用いる場合、時計ケースの
取付枠部に有機ガラスを溶着する場合がある。このよう
な時計の一例として、図5には合成樹脂製の腕時計の時
計ケース10に有機ガラス20を溶着した取付構造を示
す。この例において、時計ケース10の取付枠部11に
は傾斜面12が形成されており、この傾斜面12に有機
ガラス20の外周部21の内側角部21aを超音波振動
などによって溶着させている。ここで、傾斜面12と内
側角部21aとの間には予め所定の溶着代が生ずるよう
に寸法設定されており、内側角部21aは有機ガラス2
0の内面22側へ溶出して溶出部23が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
腕時計の構造においては、有機ガラス20を確実に時計
ケース10に溶着するためには充分な溶着代を確保する
必要があるが、溶着代を大きくとると、溶出部23の体
積も大きくなり、有機ガラス20を通して表示部を見た
場合、表示部の外縁に溶出部23が大きく視認されて外
観を悪化させるという問題点がある。
【0004】逆に、表示部の外縁に溶出部23が大きく
はみ出さないようにするには溶着代を小さくしなければ
ならないため、時計ケース10と有機ガラス20との溶
着が不完全になって有機ガラス20の剥離が生じたり、
溶着部において割れが発生したりするという問題点があ
る。
【0005】そこで本発明は上記問題点を解決するもの
であり、その課題は、有機ガラスなどの透光性カバー部
材を備えた各種機器において、透光性カバー部材と基材
との間の溶着代を充分に確保しつつ、溶出部のはみ出し
による外観の悪化を防止することのできる取付構造を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、透光性カバー部材を基材に対
して溶着した取付構造を有する透光性カバー部材を備え
た機器において、前記透光性カバー部材と前記基材の少
なくとも一方の表面上に、前記透光性カバー部材と前記
基材との溶着部に臨み、前記透光性カバー部材又は前記
基材の溶出部分を収容するように構成された包囲形状を
設けたことを特徴とする。
【0007】この手段によれば、溶着部に臨み、溶出部
分を収容するように構成された包囲形状、たとえばほと
んどの部分が囲まれた空間部、を透光性カバー部材と基
材の少なくとも一方の表面上に形成したことにより、基
材と透光性カバー部材の溶着時に生ずる溶出部分を包囲
形状内に閉じこめることができるため、溶着代が大きく
ても外観を悪化させることが少ないから、基材と透光性
カバー部材とを確実に固着させることができる。
【0008】なお、上記の包囲形状とは、溶着部から生
ずる溶出部分を実効的に閉じこめることの可能な形状を
言い、完全に閉鎖された空間部を構成する形状でなくて
もよいものである。特に、透光性カバー部材の内面に沿
った方向及び透光性カバー部材の内側の奥方向に沿った
方向に壁乃至は面が形成されていて、両方向に、溶出部
分のはみ出しが制限されていることが好ましい。特に、
透光性カバー部材と基材の少なくとも一方の表面に段差
部を形成し、その段差面により溶出部分のはみ出しを制
限することができる。この場合、溶出部分を閉じこめる
方向に段差面を傾斜させることにより、単一の段差面で
も閉じこめ効果を充分に得ることができる。
【0009】ここで、前記包囲形状は、前記溶着部より
も内側において前記透光性カバー部材に形成された段差
部と、前記基材に形成された段差部とにより構成されて
いることが好ましい。
【0010】この場合には、透光性カバー部材と基材の
双方に段差部を形成するだけで、透光性カバー部材の内
面に沿った方向と、基材の内面に沿った方向の2方向に
溶着部からの溶出部分のはみ出しを制限することができ
るため、簡単な構造で確実に溶出部分のはみ出しを防止
することができ、製造コストも低減できる。
【0011】また、前記包囲形状は、前記溶着部よりも
内側において前記透光性カバー部材若しくは前記基材に
形成され、前記溶着部に対して開口した凹部により構成
されていることが好ましい。
【0012】この手段によれば、溶着部に対して開口し
た凹部によって溶出部分を確実に収容保持することがで
きるとともに、透光性カバー部材と基材とのいずれか一
方に凹部を設ければ足りるので、加工が容易になり、製
造コストを低減できる。
【0013】上記各手段においては、前記透光性カバー
部材は時計表示部を覆うものである場合があり、時計の
表示部の外観向上と透光性カバー部材の固着強度とを両
立させることができる。
【0014】ここで特に、透光性カバー部材と基材とが
有機樹脂であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る実施形態について説明する。以下に示す各実施形
態はいずれも腕時計の構造に関するものであるが、本発
明は腕時計に限らず、他の種々の時計にも適用すること
ができる他、時計に限らず、透光性カバー部材を備えた
種々の機器にも適用することができるものである。
【0016】(第1実施形態)図1は本発明に係る第1
実施形態の構造を示す要部拡大断面図である。この実施
形態においては、ABS樹脂やポリカーボネート等の有
機樹脂からなる時計ケース10の取付枠部11に傾斜面
12が形成されているが、さらにその内側(時計表示部
の内側、すなわち、図示下側)に突出した段差面14が
形成されている。また、アクリル樹脂等からなる有機ガ
ラス20の外周部21の内側角部21aよりも中央側
(時計表示部の中央の側、すなわち、図示左側)に段差
面24が形成されている。時計ケース10の段差面14
と有機ガラス20の段差面24とは、ちょうど時計ケー
ス10の傾斜面12と有機ガラス20の内側角部21a
とが溶着された溶着部の内側に、断面略矩形の環状の空
間を形成している。
【0017】時計ケース10と有機ガラス20とを溶着
させると、溶出部23は上記の環状の空間に入り込む
が、溶出部23の中央側への張り出しは段差面24によ
って妨げられ、溶出部23の内側への張り出しは段差面
14によって妨げられるので、溶出部23はいずれにし
ても上記の空間内に閉じこめられる。このため、腕時計
の表示部の外縁部には、大きく中央側へはみ出た溶出部
23が視認されることはない。特に、有機ガラス20を
通して表示部を見た場合、溶着部の内側に段差面14が
視認されるとともに、有機ガラス20の段差面24も光
屈折面として表示部の外縁に視認されるため、溶出部2
3が目立つこともなくなる。
【0018】この実施形態では、溶出部23が溶着部、
段差面14,24によって囲まれた断面矩形の空間内に
限定されるために、溶着代を或る程度大きく設定しても
当該空間内に溶出部が充填されるだけで、外見を悪化さ
せることがないため、外見の悪化を気遣うことなく溶着
代を確保して時計ケース10と有機ガラス20とを確実
に固着させることができる。
【0019】なお、上記の空間の容積は、溶着代を勘案
して、溶出部23の体積とほぼ同程度となるように形成
することが最も好ましい。空間が溶出部23によってほ
ぼ完全に充填される状態になると、表示部の外縁部にて
外見上溶出部が目立たなくなるからである。
【0020】上記実施形態では溶出部23を包囲する形
状として時計ケース10と有機ガラス20の双方に形成
された段差面14,24を構成しているが、一方の段差
面に凹部を形成することにより、溶出部23が中心側に
はみ出すことをより確実に防止することができる。たと
えば、図1の図示一点鎖線に示すように、段差面14に
凹部14aを形成することにより、図示左側への溶出部
23の広がりが確実に防止される。
【0021】(第2実施形態)次に、図2を参照して本
発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形
態においても、第1実施形態と同材料からなる時計ケー
ス10及び有機ガラス20を用いている。本実施形態で
は、有機ガラス20の段差面25を、内側にいくほど周
縁側(時計ケースの周縁部側、すなわち、図示右側)に
ずれるように傾斜させて形成してある。このため、溶出
部23は、溶着部、時計ケース10の内面及び段差面2
5との間に形成された断面略三角形状の環状の空間内に
閉じこめられる。
【0022】この実施形態では、段差面25が溶出部2
3を閉じこめるように傾斜しているので、溶出部23の
形成位置をより周縁側に限定することができるため、外
観をさらに向上させることができる。なお、この実施形
態においても時計ケース10に段差面14が形成されて
いるが、溶着代が極端に大きくない限り段差面14がな
くても全く支障はない。
【0023】(第3実施形態)次に、図3を参照して本
発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形
態においても、時計ケース10及び有機ガラス20は第
1実施形態と同材料からなる。この実施形態では、時計
ケース10に段差面を形成せず、その代わりに、有機ガ
ラス20に溶出部23を収容するための凹部26を形成
している。この凹部26は時計ケース10の傾斜面12
と有機ガラス20の内側角部21aとの溶着部に対して
開口した形状となっている。
【0024】この実施形態においても、溶着代を大きく
しても凹部26内に溶出部23が充填されるだけであ
り、凹部26の外部にて溶出部が広がることは防止され
ることから、外見を気遣うことなく溶着代を確保して時
計ケース10と有機ガラス20とを確実に溶着すること
ができる。
【0025】(第4実施形態)次に、図4を参照して本
発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形
態においても時計ケース10及び有機ガラス20は第1
実施形態と同材料である。この実施形態では、上記第3
実施形態とは逆に、有機ガラス20には段差面も凹部も
形成せず、時計ケース10の側に溶着部に開口する凹部
15を形成している。この実施形態においても、溶出部
23は凹部15内に収容されてしまうので、表示部の外
観を悪化させることがなく、充分な溶着代を確保して時
計ケース10と有機ガラス20とを確実に固着させるこ
とができる。
【0026】以上説明した各実施形態においては、いず
れも、時計ケース10に対して主に有機ガラス20を溶
出させて固着させるようにしているが、逆に時計ケース
10を主に溶出させてもよい。また、時計ケース10と
有機ガラス20の双方を互いに溶出させて固着してもよ
い。
【0027】また、上記実施形態においては、合成樹脂
製の時計ケース10に合成樹脂製の有機ガラス20を溶
着させているが、素材としては合成樹脂に限らず、溶着
可能な金属その他の種々の素材を用いることも可能であ
る。
【0028】更に、溶着部及びその溶出部分を収納する
包囲形状部(凹部)は、透光性カバー部材の全周に設け
てもよいが、全周ではなく部分的に設けても良い。部分
的に設ける場合には、包囲形状部は溶着部に対応してそ
の付近に設ける必要はあるが、溶着部の溶出部分を実質
的に閉じこめるものであればその形成場所、形状はいか
ようであってもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、溶
着部に臨み、溶出部分を収容するように構成された包囲
形状、たとえばほとんどの部分が囲まれた空間部、を透
光性カバー部材と基材の少なくとも一方の表面上に形成
したことにより、基材と透光性カバー部材の溶着時に生
ずる溶出部分を包囲形状内に閉じこめることができるた
め、溶着代が大きくても外観を悪化させることが少ない
から、基材と透光性カバー部材とを確実に固着させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の要部拡大断面図で
ある。
【図2】本発明に係る第2実施形態の要部拡大断面図で
ある。
【図3】本発明に係る第3実施形態の要部拡大断面図で
ある。
【図4】本発明に係る第4実施形態の要部拡大断面図で
ある。
【図5】従来の時計ケースと有機ガラスとの溶着部近傍
の構造を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 時計ケース 11 取付枠部 12 傾斜面 14,24,25 段差面 15,26 凹部 20 有機ガラス 21 外周部 21a 内側角部 22 内面 23 溶出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 浩一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性カバー部材を基材に対して溶着し
    た取付構造を有する透光性カバー部材を備えた機器にお
    いて、前記透光性カバー部材と前記基材の少なくとも一
    方の表面上に、前記透光性カバー部材と前記基材との溶
    着部に臨み、前記透光性カバー部材又は前記基材の溶出
    部分を収容するように構成された包囲形状を設けたこと
    を特徴とする透光性カバー部材を備えた機器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記包囲形状は、前
    記溶着部よりも内側において前記透光性カバー部材に形
    成された段差部と、前記基材に形成された段差部とによ
    り構成されていることを特徴とする透光性カバー部材を
    備えた機器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記包囲形状は、前
    記溶着部よりも内側において前記透光性カバー部材若し
    くは前記基材に形成され、前記溶着部に対して開口した
    凹部により構成されていることを特徴とする透光性カバ
    ー部材を備えた機器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に
    おいて、前記透光性カバー部材は時計表示部を覆うもの
    であることを特徴とする透光性カバー部材を備えた機
    器。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    おいて、前記透光性カバー部材と前記基材とが有機樹脂
    からなることを特徴とする透光性カバー部材を備えた機
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258682A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Yazaki Corp メータ装置及びメータ装置の反射防止方法
JP2013542430A (ja) * 2010-10-27 2013-11-21 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 携帯型物体のケースの上部を閉じるために用いられるクリスタル及びこのタイプのクリスタルを溶接する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258682A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Yazaki Corp メータ装置及びメータ装置の反射防止方法
JP2013542430A (ja) * 2010-10-27 2013-11-21 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 携帯型物体のケースの上部を閉じるために用いられるクリスタル及びこのタイプのクリスタルを溶接する方法

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