JPH07307103A - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 見栄えの向上。 【構成】 ハウジング１にインナーハウジング６を固定
し、インナーハウジング６をアウターレンズ２のシール
脚部２２とインナーレンズ３との間に位置させ、インナ
ーハウジング６とアウターレンズ２のシール脚部２２と
を係合部６５、２５で相互に係合し、かつインナーハウ
ジング６とインナーレンズ３とを係合部６４、３２で相
互に係合する。この結果、アウターレンズ２のシール脚
部２２とインナーレンズ３との間に位置するインナーハ
ウジング６により、アウターレンズ２のシール脚部２２
やハウジング１のシール凹部１１を目隠しし、見栄えが
向上する。また、アウターレンズ２とインナーレンズ３
とをインナーハウジング６を介してハウジング１にビス
等を用いずに同時に固定できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回り込み部を有する２
重レンズ構造の例えばフロントコンビネーションランプ
若しくはリヤーコンビネーションランプ等の車両用灯具
に係り、特に見栄えを向上させた車両用灯具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来の車両用灯具について図６
乃至図１０を参照して説明する。この例は、リヤーコン
ビネーションランプについて説明する。図において、１
はハウジングである。このハウジング１は、例えば不透
明な合成樹脂製からなり、前面に開口部１０を有し、か
つその前面開口部１０の全周縁に後述するアウターレン
ズ２用のシール凹部１１を設ける。前記シール凹部１１
の幅は後述するアウターレンズ２のシール脚部２２の肉
厚より若干大である。このハウジング１のシール凹部１
１のうち、後述するアウターレンズ２の回り込み部２１
のシール脚部２２をビス１４止めする箇所の内外両側
に、円弧状の凸部１７を設ける。また、このハウジング
１の円弧状の凸部１７の内側に後述するインナーレンズ
３用のシール凹部１３を設ける。このシール凹部１３の
大きさは、後述するインナーレンズ３のシール脚部３０
の大きさより一回り大である。さらに、このハウジング
１の後部に取付用のボルト１２を植設する。

【０００３】図において、２はアウターレンズである。
このアウターレンズ２は、例えば透明な合成樹脂製から
なり、正面部２０と、その正面部２０のサイド（図示の
例では左サイド）に設けた回り込み部２１と、を有す
る。このアウターレンズ２の全周縁部の内面側にシール
脚部２２を内側に一体に突設する。このアウターレンズ
２の内面にプリズム素子群２３を設ける。このアウター
レンズ２の回り込み部２１のシール脚部２２のうち、前
記ハウジング１のシール凹部１１にビス１４止めする箇
所に円形部２４を前記ハウジング１の円弧状の凸部１７
に対応して設ける。

【０００４】図において、３はインナーレンズである。
このインナーレンズ３は、例えば透明な合成樹脂製から
なる。このインナーレンズ３の下端のうち、前記ハウジ
ング１のシール凹部１３に対応する部分に、シール脚部
３０を一体に突設する。このインナーレンズ３の外面
（前記アウターレンズ２と対向する側の面）及び内面に
プリズム素子群３１をそれぞれ設ける。

【０００５】次に、上述の構成からなる車両用灯具の組
み付け方について説明する。まず、前記ハウジング１の
アウターレンズ２用のシール凹部１１及びインナーレン
ズ３用のシール凹部１３中にホットメルト等（接着能力
をも有するシール材）４２を塗布する。それから、前記
インナーレンズ３のシール脚部３０を前記ハウジング１
のシール凹部１３にホットメルト等４２によりシール接
着する。続いて、前記アウターレンズ２のシール脚部２
２を前記ハウジング１のシール凹部１１にホットメルト
等４２によりシール接着する。また、必要に応じて、ハ
ウジング１の円弧状の凸部１７のシール凹部１１の底と
アウターレンズ２の回り込み部２１のシール脚部２２の
円形部２４の底とにビス１４等をねじ込んで、アウター
レンズ２をハウジング１に機械的に固定する。このよう
に、ハウジング１にアウターレンズ２及びインナーレン
ズ３を固定することにより、サイドに回り込み部２１を
有し、かつ内部に灯室４１を有する車両用灯具が構成さ
れる。

【０００６】なお、図において、４は前記灯室４１内に
配設した光源バルブである。また、図において、５は前
記の車両用灯具を取り付けた車体、５１は前記車両用灯
具のハウジング１と車体５との間に介在させたパッキン
グ等である。なお、図示しないないが、前記車両用灯具
のアウターレンズ２と前記車体５との間にプロテクタを
介在させても良い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述の車両用灯具の、
特にアウターレンズ２の回り込み部２１においては、点
灯時、アウターレンズ２の回り込み部２１の外縁２６か
らインナーレンズ３の外縁３７までの無光部分が一定に
見えるようにするために、アウターレンズ２の外縁２６
とインナーレンズ３の外縁３７との間の隙間Ｍを一定と
なしている。

【０００８】一方、アウターレンズ２の回り込み部２１
においては、シール脚部２２から外縁２６までの回り込
み部２１を有するので、シール脚部２２の外側に係合凸
部等を成形することができない。このために、ハウジン
グ１との固定手段としては、係合凸部を使用できず、ビ
ス１４等止めを使用している。この結果、アウターレン
ズ２の回り込み部２１のシール脚部２２に、ビス１４等
を止めるための円形部２４を、設けてある。

【０００９】そして、インナーレンズ３の外縁３７の位
置は、図１０（Ａ）に示すように、上述のアウターレン
ズ２の円形部２４を逃げるように決定されている。この
ために、図１０（Ｂ）に示すように、アウターレンズ２
の回り込み部２１の通常のシール脚部２２からインナー
レンズ３の外縁３７までの間に隙間Ｌを有する。このた
めに、特にアウターレンズ２の回り込み部２１の外側か
ら内側を見ると、アウターレンズ２のシール脚部２２や
ハウジング１のシール凹部１１及びホットメルト等４２
が見えて、見栄え上に問題がある。

【００１０】本発明は、見栄えを向上させた車両用灯具
を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、ハウジングにインナーハウジングを固
定すると共に、そのインナーハウジングをアウターレン
ズのシール脚部とインナーレンズとの間に位置させ、そ
のインナーハウジングと前記アウターレンズのシール脚
部とに相互に係合する係合部をそれぞれ設け、かつ前記
インナーハウジングと前記インナーレンズとに相互に係
合する係合部をそれぞれ設けたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明は、上記の構成により、アウターレンズ
のシール脚部とインナーレンズとの間に位置するインナ
ーハウジングで、アウターレンズのシール脚部やハウジ
ングのシール凹部を目隠しするので、見栄えが向上す
る。

【００１３】また、ハウジングに固定したインナーハウ
ジングの係合部にインナーレンズの係合部及びアウター
レンズの係合部をそれぞれ係合させることにより、その
インナーレンズ及びアウターレンズを前記インナーハウ
ジングを介してハウジングにビス等を用いずに同時に固
定することができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の車両用灯具の一実施例を図１
乃至図５を参照して説明する。図中、図６乃至図１０と
同符号は同一のものを示す。図において、１５はハウジ
ング１のシール凹部１１の近傍に設けた小円形穴であっ
て、後述するインナーハウジング６を固定するスクリュ
ウ１６がねじ込まれるものである。

【００１５】図において、２５はアウターレンズ２の回
り込み部２１に対応するシール脚部２２の内面に一体に
突設した係合部としての係合凸部である。この係合凸部
２５の上面が傾斜している。

【００１６】図において、３３はインナーレンズ３のア
ウターレンズ２の回り込み部２１に対応する外縁３７か
ら下方に一体に突設した脚部である。図において、３２
は前記インナーレンズ３の脚部３３に設けた係合部とし
ての弾性係合爪である。この弾性係合爪３２は、前記脚
部３３に切欠部３４を設け、この切欠部３４の下端から
弾性腕部３５を下方に一体に突設し、その弾性腕部３５
の先端に係合爪部３６を設けてなる。

【００１７】図において、６はインナーハウジングであ
る。このインナーハウジング６は、例えば不透明な合成
樹脂又は透明な合成樹脂からなり、水平固定部６０と、
その水平固定部６０の一側縁から垂直にかつ上方に一体
に突設した垂直部６１と、その垂直部６１の上部に一体
に設けた目隠し部６２とからなる。前記水平固定部６０
に小円形の透孔６３を前記ハウジング１の穴１５に対応
して設ける。前記水平固定部６０と前記垂直部６１との
角部にインナーレンズ３固定用の係合部としての係合孔
６４を設ける。この係合孔６４の水平固定部６０側の縁
に凸部６７を一体に突設する。前記垂直部６１の外面と
目隠し部６２の下面との部分にアウターレンズ２固定用
の係合部としての係合凸部６５を一体に設ける。この係
合凸部６５の下面は傾斜している。前記目隠し部６２の
上面を前記インナーレンズ３の外面とほぼ面一となし、
その目隠し部６２の上面に前記インナーレンズ３の外側
のプリズム素子群３１とほぼ同一の疑似プリズム素子群
６６を設ける。

【００１８】次に、上述の構成からなる本発明の車両用
灯具の組み付け方を説明する。まず、ハウジング１の穴
１５とインナーハウジング６の透孔６３とを合致させ、
その透孔６３及び穴１５にスクリュウ１６をねじ込ん
で、ハウジング１にインナーハウジング６を固定する
（図２参照）。それから、インナーレンズ３の弾性係合
爪３２を前記インナーハウジング６の係合孔６４の縁に
弾性係合させて、インナーレンズ３をインナーハウジン
グ６に固定する（図３参照）。そして、アウターレンズ
２の係合凸部２５を前記インナーハウジング６の係合凸
部６５に係合させて固定すると共に、そのアウターレン
ズ２のシール脚部２２を前記ハウジング１のシール凹部
１１にホットメルト等４２によりシール接着する（図４
及び図５参照）。なお、上述のホットメルト等４２をハ
ウジング１のシール凹部１１中に塗付する時期は特に限
定しないが、アウターレンズ２のシール脚部２２をハウ
ジング１のシール凹部１１にセットする前にホットメル
ト等４２をハウジング１のシール凹部１１中に塗付する
必要がある。

【００１９】このように、この実施例における本発明の
車両用灯具は、アウターレンズ２のシール脚部２２とイ
ンナーレンズ３の脚部３３との間に位置するインナーハ
ウジング６の目隠し部６６により、アウターレンズ２の
シール脚部２２やハウジング１のシール凹部１１、また
インナーハウジング６の係合凸部６５やアウターレンズ
２の係合凸部２５等を目隠しするので、見栄えが向上す
る。

【００２０】特に、この実施例においては、インナーハ
ウジング６の目隠し部６２の上面がインナーレンズ３の
外面と面一となし、かつそのインナーハウジング６の目
隠し部６２の上面にインナーレンズ３の外面側のプリズ
ム素子群３１とほぼ同一の疑似プリズム素子群６６を設
けたので、アウターレンズ２の外側からこの部分を見る
と、恰もインナーレンズ３の端部（実際にはインナーハ
ウジング６の目隠し部６２の疑似プリズム素子群６６の
部分）がアウターレンズ２のシール脚部２２の内面側に
近接して見えるので、上述の見栄えがさらに向上する。

【００２１】また、この実施例における本発明の車両用
灯具は、ハウジング１に固定したインナーハウジング６
の係合部（係合孔６４及び係合凸部６５）にインナーレ
ンズ３の係合部（弾性係合爪３２）及びアウターレンズ
２の係合部（係合凸部２５）をそれぞれ係合させること
により、そのインナーレンズ３及びアウターレンズ２を
前記インナーハウジング６を介してハウジング１にビス
等を用いずに同時に固定することができる。

【００２２】このハウジング１にアウターレンズ２及び
インナーレンズ３を固定することにより、サイドに回り
込み部２１を有し、かつ内部に灯室４１とを有する車両
用灯具が構成される。

【００２３】なお、上述の実施例においては、リヤーコ
ンビネーションランプについて説明したが、本発明はそ
の他の車両用灯具、例えばサイドに回り込み部を有する
フロントコンビネーションランプ等にも適用することが
できる。

【００２４】また、上述の実施例においては、インナー
ハウジング６とアウターレンズ２のシール脚部２２との
係合部６５、２５、またインナーハウジング６とインナ
ーレンズ３との係合部６４、３２は、それぞれ一箇所に
設けたが、上述の係合部６５、２５、６４、３２の設け
る数は特に限定しない。

【００２５】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の車両用
灯具は、インナーハウジングによりアウターレンズのシ
ール脚部とハウジングのシール凹部を目隠しして見栄え
を向上させることができる。また、ハウジングに固定し
たインナーハウジングの係合部にインナーレンズの係合
部及びアウターレンズの係合部をそれぞれ係合させるこ
とにより、そのインナーレンズ及びアウターレンズを前
記インナーハウジングを介してハウジングにビス等を用
いずに同時に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車両用灯具の一実施例を示した要部の
分解斜視図である。

【図２】ハウジングにインナーハウジングを固定した状
態の平面説明図である。

【図３】インナーハウジング及びハウジングにインナー
レンズを固定した状態の平面説明図である。

【図４】インナーハウジング及びハウジングにアウター
レンズを固定した状態の平面説明図である。

【図５】図４におけるＶ−Ｖ線断面図である。

【図６】従来の車両用灯具を示した正面図である。

【図７】図６におけるＶＩＩ−ＶＩＩ線断面図である。

【図８】ハウジングとアウターレンズの回り込み部とイ
ンナーレンズとの分解斜視図である。

【図９】図７におけるＩＸ−ＩＸ線断面図である。

【図１０】（Ａ）は図９におけるＡ−Ａ線断面図、
（Ｂ）は図９におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１…ハウジング、１１…シール凹部、１５…穴、１６…
スクリュウ、２…アウターレンズ、２０…正面部、２１
…回り込み部、２２…シール脚部、２３…プリズム素子
群、２５…係合凸部（係合部）、３…インナーレンズ、
３１…プリズム素子群、３２…弾性係合爪（係合部）、
４２…ホットメルト等、６…インナーハウジング、６２
…目隠し部、６３…透孔、６４…係合孔（インナーレン
ズ３用の係合部）、６５…係合凸部（係合部）、６６…
疑似プリズム素子群。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回り込み部及びシール脚部を有するアウ
   ターレンズと、 シール凹部を有するハウジングであって、前記アウター
   レンズのシール脚部を前記シール凹部にホットメルト等
   によりシール接着したハウジングと、 前記アウターレンズの内側に配置したインナーレンズ
   と、 を備えた車両用灯具において、 前記ハウジングのうち前記アウターレンズの回り込み部
   に対応する部分に固定すると共に、前記アウターレンズ
   の回り込み部のシール脚部と前記インナーレンズとの間
   に位置させたインナーハウジングと、 そのインナーハウジングと前記アウターレンズの回り込
   み部のシール脚部とを相互に係合する係合部と、 前記インナーハウジングと前記インナーレンズとを相互
   に係合する係合部と、 を具備することを特徴とする車両用灯具。
2. 【請求項２】 インナーレンズはプリズム素子群を有
   し、インナーハウジングのうちアウターレンズのシール
   脚部と前記インナーレンズとの間に位置する部分には前
   記インナーレンズのプリズム素子群とほぼ同一の疑似プ
   リズム素子群を有することを特徴とする請求項１に記載
   の車両用灯具。