JPH111422A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH111422A
JPH111422A JP15492597A JP15492597A JPH111422A JP H111422 A JPH111422 A JP H111422A JP 15492597 A JP15492597 A JP 15492597A JP 15492597 A JP15492597 A JP 15492597A JP H111422 A JPH111422 A JP H111422A
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康則 木幡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化安定性に優れた化粧料を提供すること。 【解決手段】 ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを
化粧料成分として配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリグリセリン不飽
和脂肪酸エステルを含有する新規な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から化粧料には多くの化粧料用油性
物質が配合され使用されてきた。これらの化粧料用油性
物質には炭化水素、アルコール、脂肪酸、アミンなどの
他に、エステル、エーテル、アミド結合を有するもの
や、分子内にエステルとアミド結合双方を含有する化合
物などが有り、いずれも化粧料用油性物質として広く利
用されている。
【0003】これらの化粧料用油性物質は水、界面活性
剤、薬効成分、無機顔料などその他の化粧料用有効物質
と共に乳化、可溶化、分散されて配合されている。また
皮膚や毛髪では機械的、物理的、化学的損傷からの保護
や不足した油分を補う目的で、化粧料用油性物質などを
直接使用する例もある。
【0004】最近の社会的傾向である天然物指向とあい
まって、化粧料用油性物質では合成油性物質を避け、天
然由来化粧料用油性物質を使用する研究が行われてい
る。
【0005】近年、天然由来化粧料用油性物質に含有さ
れる各々の脂肪酸の生理活性についての研究が進み、中
でも脂肪酸中に不飽和結合を2個以上含む多価不飽和脂
肪酸は、それ自身の生理効果だけでなく、例えば代謝さ
れて表皮中のセラミドに取り込まれるなど、脂質系生理
活性物質の基質として注目されている。特に多価不飽和
脂肪酸の中で不飽和結合を3個以上含むリノレン酸及び
これらを多く含有する油脂(例えば月見草油、ボラージ
油、ククイナッツ油など)が注目されている。
【0006】リノレン酸には、α−リノレン酸やγ−リ
ノレン酸が知られており、α−リノレン酸(Δ3または
ω3あるいはn−3系列と総称される9,12,15−
Octadecatrienoic acid)の生理
作用としては、代謝物であるイコサペンタエン酸(ある
いはエイコサペンタエン酸と呼称する場合もある)、ド
コサエキサエン酸について広く一般的に知られている。
γ−リノレン酸(Δ6またはω6あるいはn−6系列と
総称される6,9,12−Octadecatrien
oica cid)の生理作用としては下記のものが挙
げられる。 1.脂質代謝促進作用(脂質代謝の促進、肝機能を抗進
し、脂肪分解やコレステロール低下を行う。) 2.抗アレルギー作用(I型アレルギー例えばアトピー
性皮膚炎に対して抑制効果を示す。) 3.抗炎症作用(免疫系を改善することにより防御機能
を増進する。) 4.抗ガン,抗腫瘍作用(免疫系を改善することにより
ガン細胞の増殖抑制を行う。) 5.ホルモン調節作用(ホルモン例えばプロラクチン等
のバランス調節により月経前症候群を改善する。) 6.細胞賦活作用(細胞膜の流動性増進により細胞活性
の強化する。またカルシウムの吸収能向上,美肌効果等
を行う。) 7.血行促進作用(血小板凝集抑制、抗血栓能の増強に
より血行を改善または促進する。) しかし分子中に不飽和結合を含む脂肪酸や脂質は、熱や
光、溶液や空気中の酸素によって経時的に変質し易いと
いう欠点を持つため化粧料への使用が制限されている。
【0007】この欠点を改善する目的で分子中の不飽和
結合を水素添加処理により改質した硬化油脂が上市され
ているが、硬化油脂では不飽和脂肪酸あるいはこれらの
代謝生成物に由来する生理活性が期待できない。また、
カプセル化やその他の物理的保護により酸化安定性を向
上した例も見られるが、本質的な酸化安定性は改善され
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】化粧料に配合される油
性物質については、原料としての過酸化物価を規定して
いるにもかかわらず、化粧料中での値については明示さ
れていない。また、化粧料の酸化安定性は油性物質のみ
が影響していると考えられてきたため、主にd,l−α
−トコフェロールや酢酸d,l−α−トコフェロールな
どのビタミンE誘導体、パルミチン酸アスコルビルやス
テアリン酸アスコルビルなどのビタミンC誘導体、BH
Tなどの油溶性酸化防止剤が化粧料に配合され利用され
てきた。しかしながら、長期的な酸化安定性を考慮する
と油性物質の酸化の酸化防止剤による抑制には一定の限
界がある。
【0009】一方、不飽和脂肪酸及びこれらを多く含有
する油脂、特にα−リノレン酸、γ−リノレン酸あるい
はこれらの代謝生成物に由来する生理活性を化粧料に応
用する特許が多数報告されている。しかし、多価不飽和
脂肪酸の一種であるα−リノレン酸、γ−リノレン酸そ
のもの、あるいはこれらを多く含有する油脂の化粧料中
での酸化安定性はほとんど考慮されていない。先に述べ
たように、リノレン酸を水素添加処理すれば安定性の向
上は可能となるが、この場合、リノレン酸本来の生理活
性が損なわれる。また、酸化防止剤の配合のみでは十分
な酸化安定性は得られない。
【0010】上述の事情を鑑み、本発明の目的は、リノ
レン酸などの不飽和脂肪酸の生理活性を損なわずに酸化
安定性に優れた化粧料を提供することにある。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、不飽和脂肪酸をポ
リグリセリンのエステルとすることにより、それ自身の
酸化安定性が向上することを見出した。例えば、デカグ
リセリン不飽和脂肪酸モノエステルは、不飽和脂肪酸を
含むモノアシルグリセリンの酸化安定性がトリアシルグ
リセリンよりも優れているという宮下ら(日本油化学会
誌、第46巻、第2号、205〜208、1997)の
酸化条件をも上回る過酷な条件でも酸化安定性に優れて
いた。そして酸化安定性が向上したポリグリセリン不飽
和脂肪酸エステルを配合することにより、他の酸化防止
剤を配合することなく調製が容易で、酸化安定性や保存
安定性、安全性、生分解性に優れた化粧料を作り得るこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0012】すなわち本発明は、1種又は2種以上のポ
リグリセリン不飽和脂肪酸エステルを含有する化粧料を
提供するものである。
【0013】本発明に使用されるポリグリセリンとして
は、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリ
セリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリ
セリンなどの直鎖、分岐、環状のポリグリセリンを単独
または混合物として使用することができる。また、分子
中にアミノ基、チオール基を有したものも使用できる。
ポリグリセリンとしては、酸化安定性の面からデカグリ
セリンが最も好ましい。
【0014】本発明でいう不飽和脂肪酸とは、不飽和結
合を1個以上有する脂肪酸である。ただし自然界、特に
動植物にその存在が認められているものに限らず、微生
物を介して採取したもの、または酵素を用いることによ
り合成したもの、あるいは化学合成により製造したもの
を含む。
【0015】本発明に使用される不飽和脂肪酸の具体例
としては、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレ
イン酸、エライジン酸、リノール酸、リシノール酸、α
−リノレン酸、γ−リノレン酸、イコサペンタエン酸、
ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸などの直鎖または分
岐脂肪酸、あるいはこれらの混合物が挙げられる。ま
た、不飽和脂肪酸を多く含有する油脂、例えばホホバ
油、メドホーム油、オリーブ油、マカデミアンナッツ
油、月見草油、オオマツヨイ種子油、サクラソウ種子
油、ボラージ油、グレープ種子油、グレープフルーツ種
子油、シソ油、ナタネ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、
大豆油、ヒマワリ油、紅花油、米糠油、エゴマ油、アマ
ニ油、山茶花油、アーモンド油、杏仁油、アボガド油、
ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ローズヒップ油、
小麦胚芽油、ウォールナッツ油、カロフィルノフィル
油、バオバブ種子油、オイスターナッツ油、パッション
フラワー種子油などの植物油、牛脂、豚脂、魚油等を不
飽和脂肪酸原料として用いることもできる。
【0016】本発明において、不飽和脂肪酸は、単一で
も二種以上の混合でも良いが、リノレン酸の比率が多い
ものが好ましく、混合脂肪酸の場合は、リノレン酸を少
なくとも5重量%、特に10〜60重量%含むことが望
ましい。リノレン酸原料としては、リノレン酸低級アル
コールエステルや、更にリノレン酸を含有する月見草油
(代表的な組成はパルミチン酸5.5%、パルミトレイ
ン酸0.3%、ステアリン酸1.7%、オレイン酸1
4.4%、リノール酸68.1%、γ−リノレン酸8.
9%、アラキジン酸0.6%、エイコセン酸0.5
%)、ボラージ油(代表的な組成はパルミチン酸10
%、ステアリン酸3.5%、オレイン酸14.5%、リ
ノール酸37%、γ−リノレン酸25%、その他10
%)、ククイナッツ油(代表的な組成はパルミチン酸
6.4%、オレイン酸19.8%、リノール酸41.8
%、α−リノレン酸28.9%、その他3.1%)、G
rossulariaburejenis(代表的な組
成はオレイン酸13.3%、リノール酸39.3%、γ
−リノレン酸12.1%、α−リノレン酸20.8%、
その他14.5%)なども好ましい。中でもボラージ油
が最も好ましい。
【0017】本発明に用いられるポリグリセリン不飽和
脂肪酸エステルの入手方法は、不飽和脂肪酸や不飽和脂
肪酸の酸無水物、不飽和脂肪酸ハロゲン化物とポリグリ
セリンの直接エステル化又はアミド化反応、不飽和脂肪
酸を多く含有する油脂やその誘導体とポリグリセリンの
エステル交換反応、不飽和脂肪酸低級アルコールエステ
ルやその誘導体とポリグリセリンのエステル交換反応、
またポリグリセリン高次エステル誘導体や高縮重合度ポ
リグリセリンモノエステル誘導体の加水分解反応による
方法が挙げられ、更に酵素や微生物を介して採取するな
ど、その他の公知の方法が挙げられる。エステル化、エ
ステル交換反応、加水分解反応は化学反応に止まらず、
酵素、微生物を用いることにより反応するもの、その他
既知の方法により製造したものを含む。
【0018】本発明に用いられるポリグリセリン不飽和
脂肪酸エステルとしては、モノエステルが最も好まし
く、特にデカグリセリンの不飽和脂肪酸モノエステル、
更にはデカグリセリンリノレン酸モノエステルが好まし
い。
【0019】本発明に係るポリグリセリン不飽和脂肪酸
エステルは、皮膚、毛髪への親和性を持ち、安全性、生
分解性に優れる。詳しくは前記化粧料が皮膚や頭皮の乾
燥を防止し、皮膚や毛髪に保湿性、柔軟性を付与する。
更に詳しくは前記化粧料は感触に優れ、皮膚や毛髪に浸
透しかつ、もしくは吸着することにより保護効果を高
め、皮膚や毛髪の外観(色、ツヤ)や、櫛通り、パサつ
き感を改善する。
【0020】しかも、このポリグリセリン不飽和脂肪酸
エステルは、酸化防止剤の使用やカプセル化などの特殊
な製剤化を必要とすることなく、化粧料の処方(組成)
が容易に設計でき、比較的高温でも酸化安定性に優れる
ため、特殊な製造装置や製造条件を必要とせず工業的有
利に製造し得る。
【0021】本明細書中において化粧料とは、乳化型化
粧料、可溶化型化粧料、分散型化粧料、ゲル型化粧料、
エアロゾルなどをいい、皮膚に適用されるものとして、
例えば石鹸、洗顔料、クリーム、乳液、化粧水、パッ
ク、ローション、化粧油、二層型コンディショニングロ
ーション、クレンジングゲル、マッサージゲル、頬紅、
眉墨、アイシャドウ、アイクリーム、アイライナー、フ
ァンデーション、液体メイクアップベース、香水、口
紅、リップクリームなど、毛髪に適用されるものとし
て、例えばマスカラ、育毛剤、養毛剤、ヘアーオイル、
ポマード、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショ
ナー、ヘアトリートメント、ヘアークリーム、ヘアブロ
ー剤、ヘアセット剤、ヘアリキッド、ヘアトニック、ブ
ラッシング剤、ヘアスプレー、染毛剤、カラーリンス、
ヘアパック、枝毛コートなど、その他ネイルエナメル、
ネイルクリーム、エナメル除去液、バスオイル、ボディ
ーソープ、ボディーシャンプーなど、また歯磨きなどが
挙げられる。
【0022】本発明の化粧料におけるポリグリセリン不
飽和脂肪酸エステルの配合量は化粧料の用途、形態など
を考慮して適宜決定されるが、通常、0.0001〜4
0重量%、好ましくは0.05〜30重量%の範囲で配
合される。なお、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル
をそのまま、すなわち100重量%の濃度で化粧料とし
て使用することもできる。
【0023】本発明の化粧料には、前記の不飽和脂肪酸
誘導体を活性成分あるいは乳化剤、分散剤、保湿剤など
として用いることにより、皮膚や粘膜、毛髪を刺激する
ことなく安全性が高く、皮膚や頭皮の乾燥を防止し、感
触、保湿性、保存安定性に優れた化粧料が得られる。
【0024】本発明の化粧料に使用し得るその他の油性
物質としては、公知の化粧料用油性物質であって、高級
脂肪族炭化水素類、動物油脂類、植物油脂類、ロウ類、
高級アルコール類、高級脂肪酸、エステル油、シリコー
ン油、フッ素油やアミン、アミド、イミンなどの含窒素
化合物、チオール、チオエステルなどの含硫黄化合物、
リン酸エステルなどの含リン化合物である。
【0025】炭化水素類として、例えば流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセ
リン、セレシンなど、植物油脂類として、例えばオリー
ブ油、ヒマシ油、ホホバ油、パーム油、パーム核油な
ど、動物油脂類として、例えばタラ肝油、牛脂、バター
脂など、ロウ類として、例えば蜜ロウ、カルナウバロウ
など、高級脂肪酸として、例えばラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸などの直
鎖または分岐あるいは環状の脂肪酸など、高級アルコー
ル類として、例えばラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、セチルアルコール、オレイルアルコールな
ど、エステル油として、例えばブチルステアレート、ヘ
キシルラウレート、オクチルドデシルミリステート、ジ
イソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケートな
どの直鎖または分岐あるいは環状のエステルなど、シリ
コーン油として、例えばメチルポリシクロシロキサン、
メチルポリシロキサンなど、フッ素油として、例えばパ
ーフルオロハイドロカーボン、パーフルオロポリエーテ
ルなどを挙げることができる。これらの油性物質は、単
独又は2種以上組合せて使用される。
【0026】本発明の化粧料において、クレンジングゲ
ル、シャンプー、ヘアークリーム等では顔料を添加配合
する必要はないが、ファンデーション、液体メイクアッ
プベースでは、前記成分の他に更に顔料を添加配合する
ことができる。顔料としては、例えばベンガラ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、カオリン、タルク、マイカ、セリサイ
トなどの無機顔料を挙げることができる。
【0027】更に化粧料作製に当たっては、所望に応じ
て少量の薬効成分、ビタミン類、蛋白質類、アミノ酸
類、糖類、芳香剤、防腐剤、抗菌剤、制菌剤、着色剤、
紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、スクラブ
剤、ピーリング剤、無機塩類、有機塩類、合成界面活性
剤、他の天然由来界面活性剤、高分子などを添加併用さ
せることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下実施例にて本発明を詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0029】合成例1<デカグリセリンγ−リノレン酸
モノエステルの製造> 水分32.17%のデカグリセリン134.1gにγ−
リノレン酸33.41gを加え、触媒として水酸化ナト
リウム0.16gの存在下230℃で2時間反応した。
反応後95℃で48%リン酸水溶液を用いて中和し、減
圧下脱水し析出した塩をろ過した。そして、酸価0.0
7、ヨウ素価73.0、水酸基価610.9、過酸化物
価0.01のデカグリセリンγ−リノレン酸モノエステ
ル120.7gを得た。
【0030】合成例2<デカグリセリンボラージ油由来
脂肪酸モノエステルの製造> 水分32.17%のデカグリセリン134.1gにボラ
ージ油(ロプファボラージ油 タイプ25 日本ロシュ
株式会社製)35.0gを加え、触媒として水酸化ナト
リウム0.175gの存在下230℃で6時間反応し
た。反応後95℃で48%リン酸水溶液で中和し脱水し
た。次に、析出した塩をろ過して、酸価0.32、ヨウ
素価38.0、水酸基価587.9、過酸化物価0.0
1のデカグリセリンボラージ油由来脂肪酸モノエステル
112.4gを得た。
【0031】比較合成例1<γ−リノレン酸エチルエス
テルの製造> γ−リノレン酸27.84gにエチルアルコール100
gを加え、触媒として95%硫酸0.14gの存在下1
時間還流反応した。反応後、常法に従い処理して、酸価
0.24、ヨウ素価272.0、過酸化物価0.10の
γ−リノレン酸エチルエステル28.3gを得た。
【0032】比較合成例2<ボラージ油由来脂肪酸エチ
ルエステルの製造> ボラージ油87.4gにエチルアルコール26.3gを
加え、触媒としてナトリウムメトキサイド0.26gの
存在下70℃で6時間反応した。反応後グリセリンを除
去し、常法に従い処理して、酸価0.24、ヨウ素価1
41.4、過酸化物価1.02のボラージ油由来脂肪酸
エチルエステル26.4gを得た。
【0033】<酸化安定性試験>合成例1と2、比較合
成例1と2で得られた各エステルとボラージ油の酸化安
定性を、AOM試験(日本油化学会編 基準油脂分析試
験法2.4.28.1−81)にて評価した。結果を表
1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】合成例1と2のエステルは比較合成例1と
2のエステルと比較して酸化安定性に優れていることが
判明した。また、原料のボラージ油と比較して合成例2
に示すエステルは酸化安定性に優れていた。
【0036】なお、本例で示した水分は日本油化学協会
編の基準油脂分析試験法、水分測定法に記載されている
方法に従って測定された値である。また、酸価、ヨウ素
価は化粧品原料基準16.酸価測定法 45.ヨウ素価
測定法に記載されている方法にしたがって測定された値
である。過酸化物価は衛生試験法注解、p338、日本
薬学会編、1990年版第1刷に記載されている方法に
従って測定された値である。
【0037】実施例1 合成例2で得られたエステルの乳化系での酸化安定性
を、リノール酸メチルなどのn−6系脂肪酸由来の酸化
生成物であるヘキサナールを指標として、その45℃に
おける乳化物中の生成量(ppm)の変化をHPLCで
定量し評価した。対照として、ポリグリセリン飽和脂肪
酸エステルであるデカグリセリンミリスチン酸モノエス
テルを使用して、油溶性酸化防止剤であるd,l−α−
トコフェロールの有無による差異も検討した。処方配合
例を表2に、結果を表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】試料を80℃で10分間加熱した。これを
ホモミキサーを用いて8,000〜10,000回転で
5分間処理し乳化した。
【0040】
【表3】
【0041】処方1で用いたデカグリセリンボラージ油
由来脂肪酸モノエステルは、リノール酸メチルなどのn
−6系脂肪酸由来の酸化生成物であるヘキサナールの生
成が少なく、乳化系でも酸化安定性に優れていることが
判明した。また、デカグリセリンミリスチン酸モノエス
テルの系(処方2)と比較して、処方1で用いたデカグ
リセリンボラージ油由来脂肪酸モノエステルは、リノー
ル酸メチルの酸化防止剤としての挙動を示した。d,l
−α−トコフェロールの添加は、濃度依存的にヘキサナ
ールの生成を抑制した。デカグリセリンミリスチン酸モ
ノエステルのd,l−α−トコフェロール1,000p
pm添加系と比較して、処方1に示すエステルのd,l
−α−トコフェロール無添加系は酸化安定性に優れてい
た。
【0042】実施例2 下記表4に示す成分のうち、A相、B相となる成分をそ
れぞれ秤量し攪拌しながら80℃まで加温して均一に溶
解し、A相、B相を調製する。B相をA相に加え、ホモ
ミキサーで10分間撹拌(8000rpm)した後、通
常撹拌を続けて40℃まで冷却し、放置脱泡後攪拌を停
止した。得られたO/W型エマルションを所定ガラス容
器に同量づつ充填した。
【0043】
【表4】
【0044】本発明品1、2は40℃の恒温槽内で3ヶ
月保存しても分離しなかった。また、40℃の恒温槽内
で3ヶ月保存後の過酸化物価の値も5以下で酸化安定性
に優れていた。一方、比較品1、2は40℃の恒温槽内
で3ヶ月保存後、酸化臭が発生し外観は分離していた。
過酸化物価の値は100以上で酸化安定性に劣ってい
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の化粧料に配合されるポリグリセ
リン不飽和脂肪酸エステルは酸化安定性や保存安定性に
優れているので、他の酸化防止剤を必要としない。した
がって天然由来の不飽和脂肪酸の配合効果が最大限に発
揮される。また、高価な不飽和脂肪酸を使用することな
く、油脂とのエステル交換反応により得られたポリグリ
セリン不飽和脂肪酸エステルも同様な効果を発揮するた
め安価に提供できる。本発明の化粧料は皮膚や粘膜、毛
髪などの生体への親和性が高く、皮膚や粘膜、頭皮の乾
燥を防止し、皮膚のカサつき、ヒビ割れ、あか切れ、毛
髪の櫛通り、パサつき感などの使用感を改善する。ま
た、皮膚や粘膜、毛髪に保湿性や柔軟性を付与するた
め、外観であるツヤやハリを良好に保ち、皮膚や粘膜、
毛髪を保護して優れた感触を呈する酸化安定性や保存安
定性に優れた化粧料を提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種又は2種以上のポリグリセリン不飽
    和脂肪酸エステルを含有する化粧料。
  2. 【請求項2】 不飽和脂肪酸がリノレン酸である請求項
    1記載の化粧料。
  3. 【請求項3】 ポリグリセリンが、デカグリセリンであ
    る請求項1又は2記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 不飽和脂肪酸が少なくとも5重量%のリ
    ノレン酸を含む混合不飽和脂肪酸である請求項1〜3の
    何れか1項記載の化粧料。
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Cited By (5)

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