JP2009143952A - 生酵母細胞誘導体を含有するリップトリートメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生酵母細胞誘導体のごときバイオ酵母成分と、適当なキャリヤーとを含有するリップトリートメント。その生酵母細胞誘導体は、特定波長の紫外光線を照射することによって誘起されるような非致死的ストレスに長期間曝した酵母細胞の細胞内容物を溶解し、濃縮することによって生産される。該リップトリートメントで処理された唇は柔軟でふくよかな状態に修復される。
【選択図】なし
Description
唇の皮膚は、人体の他のいずれの場所の皮膚とも組織的に相違している。唇は唇以外の皮膚、または典型的な皮膚に比べて、より薄い角質層とより少量の脂質とを有している。このことが、水分が唇を通過し、唇から放散するのを容易にしている。実際のところ、唇を通して失われる水分の量は、典型的皮膚を通して失われる水分の量よりも10倍も多い。このことが唇を非常に乾き易いものにしており、時間の経過と共に唇の荒れはひどくなり易い。
上記の背景に鑑み、本発明の第一の目的は、有効量の生酵母細胞誘導体を含有するリップ組成物を提供することである。
本発明のいま1つの目的は、湿潤化、治癒および潤滑化の特性を有するリップ組成物を提供することである。
本発明のいま1つの目的は、リップ化粧品キャリヤーと相容性があり、リップスティック、リップ香膏、ポマードなどのリップトリートメントに配合使用するのに適当な生酵母細胞誘導体を提供することである。
本発明の生酵母細胞誘導体は、上記したようにSpertiに与えられた米国特許第2320478号明細書に実質的に記載されている。この特許は本明細書において参照されている。本発明は、唇に施用するのに適したキャリヤー内に、1成分として生酵母細胞誘導体(live yeast cell derivative)(以下、単に“LYCD”とも略記する)を含有する局所用組成物を含んでいる。
本発明の好ましいリップ組成物は、さらに治癒剤を約0.60%含有する。好ましい治癒剤の例あげれば、ビタミンE、アラントイン、カンデリラワックス、アロエベラ、ペトロラタム、カラミン、ジメチコン、ココアバター、サメ肝油、グリセリン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、カオリン、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛またはこれらの組み合わせである。
最も好ましくは、本組成物はさらに約2.0乃至9.0重量%の着色剤と約76重量%の基剤を含有する。
実施例1
トリートメントリップスティック
重量%
LYCD 0.50
基 剤 約76.45
基剤は下記の成分を含有しうる:
オゾケライト170−D 5.50
ポリエチレン−線状PL 3.00
微結晶ワックスホワイト 5.00
ラノリン−微香性 12.00
ジグリセリルジイソステアレート 11.50
スクロースアセテートイソブチラート 10.00
イソプロピルイソステアレート 5.00
シリカビードS−700−日本 2.00
プロピルパラベン 0.20
ジイソプロピルダイマーレート 22.25
全着色剤 約13.00
着色剤は下記の成分を含有しうる:
顔料 4.00乃至12.00
硫酸バリウム 0.00乃至 3.50
パール 0.00乃至 7.00
雲母微粉 1.00乃至 4.00
その他の成分 約9.925
その他の成分は下記成分を含有しうる:
アラントイン 0.60
その他の皮膚保護剤 9.325
芳 香 剤 約0.125
実施例1のリップスティックをその効能について何も知らせないで消費者に評価してもらい、本発明の当該実施形態の全体的満足度、審美性、認知された性能を調べた。すなわち、2週間、消費者の家庭で試用してもらった。56人のテスト参加者に対して、試用7日目および14日目に調査を行った。テスト参加者はすべて女性であり、年齢は25才から55才までであった。そして、自分自身は唇が乾きやすいかまたは荒れ性であるが、ひび割れたり、出血したりすることはないとしていた。次の表は調査の結果をまとめたものである。結果は設問に解答した者のパーセントで表されている。空所で残されている箇所は、解答者がその日まで当該項目に関してテストを行わなかったものである。
テスト項目 7日目 14日目
丁度よい量の色が唇につく 74%
非常に/かなり均等な色である 95
べたつき過ぎない/まったくべたつかない 91
満足できる 100
塗った時に非常に/かなり魅力的に見える 73
非常によく/かなり目立つ製品 90
好きな味でも嫌いな味でもない 73
非常に/かなり上品 90 93
非常に/普通に効果的な湿潤化剤である 80 75
予想よりもはるかに/いくらか永もちする 66 62
非常に/かなりつけやすい 76 79
あなたの唇は治りましたか? はい 78 77
唇がより豊かに見えますか? はい 62 64
唇はより自然な形の組織に戻りましたか? はい 56 55
唇は柔らかな感じになりましたか? はい 79 84
唇は若く見えるようになりましたか? はい 53 58
唇の線/皺は少なくなりましたか? はい 60 64
唇は滑らかに見えるようになりましたか? はい 75 80
きわめてクリーミーですか? はい 90 89
すべりは良いですか? はい 100 96
唇が乾燥するのが防止されましたか? はい 84
唇の皮がむけるのが防止されましたか? はい 74 76
格別に豊かな色を与えましたか? はい 74 73
唇の本来の形がはっきりしましたか? はい 64 64
唇は以前よりふっくらと見えますか? はい 52 64
唇は以前より豊潤な感じがしますか? はい 78 82
けばだちはありませんか? はい 55 71
全範囲をカバーできましたか はい 93 91
塗った後長くついていましたか? はい 83 82
唇の外観は向上しましたか? はい 79 82
さらに唇に塗った場合に水分を増加させ得るか、また、水分の損失を防止させ得るかについての実施例1の好ましい実施形態の性能を調べるため、追加のテストを実施した。
1時間後 2時間後
水分含有量 +432% +305%
水分損失の減少 31% 28%
試験は25才から45才までの15人の女性被験者に対して実施された。これら被験者は、試験時間中くり返し唇を濡らすよう指示された。30分間の慣らし時間後に、無意識に唇を濡らさないように、各被験者の口の中に物理的抑えとして木製の舌抑えを横に挿入した。5分後、ベースライン値を測定した。ベースライン測定値を取り終わった後、被験者に普通のやり方で実施例1の製品を塗ってもらった。1時間後と2時間後に各被験者の下唇から測定値を取った。
水の損失すなわち唇のバリヤー機能はServomed Evaporimeterを使用して測定された。表皮を通じて起こる水の損失(TEWL:transepidermal water loss)は、唇の角質層のバリヤー機能を反映したものである。このバリヤーに欠陥があると水の損失値は高くなる。保湿剤を含む製品は水分損失を減らし、1つのバリヤーを提供する。したがって、リップスティックを塗った後にTEWL値が下がったことは、その製品の保湿性能により水の損失が防止されたことを意味する。
日数 被験者のパーセント 改善度パーセント
3 93 33
7 100 37
10 100 34
14 93 54
すなわち、トリートメント開始後3日目で、本組成物は被験者の93%の乾燥を改善した。改善は14日間続き、14日目には乾きの減少は最大レベルに達した(ベースラインから54%改善)。
実施例2
ポットグロス
重量%
LYCD 1.00
基 剤
基剤は下記の成分を含有しうる:
カンデリラワックス 2.0
セレシンワックス1670 2.0
ヒドロキシル化ラノリン 12.0乃至27.0
オゾケライト 3.0
安息香酸 0.2
PPG−5ラノリンワックス 8.0
大豆油−マレエート化(UNF) 2.0
プロピレングリコールリシノレート 2.7
ポリブテン 25.0
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 13.3
アンモニウムグリシルリジナート 0.35
ひまし油 100.0となるまでの量
レシチン 1.3
実施例3と4
リップポマード
リップポマードには、LYCDは組成物の全量の好ましくは0.30乃至1.50重量%、より好ましくは1.00重量%配合される。基剤は好ましくは約60.0乃至95.0%を占め、下記成分を含有することができる:
重量%
実施例3 実施例4
ひまし油−保存したもの 39.310乃至 44.780乃至
42.960 44.960
脱蝋ラノリン 4.400 4.400
イソプロピルパルミテート 14.300 14.300
蜜蝋 10.400 10.400
オゾケライト170−D 2.700 2.700
脂肪酸トリグリセリド 9.600 9.600
カンデリナワックス 7.200 7.200
セチルアルコール 3.300 3.300
ブチル化ヒドロキシアニソール
またはブチル化ヒドロキシトルエン 0.010 0.010
アンモニウムグリシルリジナート 0.350乃至 0.150乃至
1.000 0.350
安息香酸 0.200 0.200
メタノール−無臭性−日本 −−− 0.500
実施例5
揮発性基剤リップスティック
揮発性基剤リップスティックには、LYCDは好ましくはその揮発性基剤リップスティック組成物の約0.30乃至5.00%の量で配合され、基剤は好ましくはその組成物の約60乃至90%を占める。
重量%
LYCD 1.00
基 剤
基剤は下記の成分を含有しうる:
ポリエチレン 7.00
オゾケライト 4.25乃至6.25
ジイソステアリルマレエート 8.50
スクロースアセテートイソブチラート 13.00
微結晶ワックス 1.00
ステアリルアルコール 0.001
エチルヘキシルパルミテート 2.00
アラントイン 0.20
ビタミンE 0.05
シクロメチコン−テトラマー 35.00
ナイロン粉末−球形 3.00
ジイソプロピルダイマーレート 6.9969乃至8.9969
LYCDの量は約0.50乃至2.0重量%の範囲とすることができる。約16%の量の着色剤は、たとえば、D&Cレッド#21(0.30%)、顔料/パール(16.70%)、および体質顔料(0.00乃至乃至0.0001%)を含有することができる。
リップコンディショナー
リップコンディショナーには、LYCDは好ましくはそのリップコンディショナー組成物の約0.10乃至2.00%の量で配合され、基剤は好ましくはこのリップコンディショナー組成物の約70乃至95%を占める。
重量%
LYCD 1.00
基 剤
基剤は下記の成分を含有しうる:
脱イオン水 58.94
四ナトリウムEDTA 0.10
グリセリン 5.00
キサンタンガム 0.10
ぶどう油 5.00
ひまわり油 5.00
植物油トリグリセリド 3.00
スクアラン 2.00
大豆ステロール 1.00
POE(40M)ステアレート 2.00
ミリスチルミリステート 2.00
セチルアルコール 2.00
グリセリルモノステアレート 2.50
ヨードプロピニルブチルカルバメート 0.30
シクロメチコン 3.00
エチルヘキシル−メトキシケイ皮酸エステル 4.50
リポゾームビタミンA/C/E/ベータカロチン 0.02
ベンジルアルコール 1.00
ベンゾフェノン3 1.00
アロエベラゲル粉末 0.01
野生カミツレ 0.03
2−フェノキシエタノール 0.50
強力リップ香膏
強力リップ香膏では、基剤は下記の強力リップ香膏組成物の好ましくは約75乃至95%を占め、そしてLYCDは好ましくは約0.10乃至10.00%の量で配合される。芳香剤の量は、好ましくは本組成物の約5.00%までである。
重量% LYCD 0.50
基 剤
ペトロラタム、薄味 84.95
ベンジルアルコール 0.50
エチルヘキシル−メトキシケイ皮酸エステル 7.50
ベンゾフェノン3 3.00
パラフィンワックス 1.00
ブチル化ヒドロキシトルエン
またはブチル化ヒドロキシアニソール 0.50
植物油トリグリセリド 2.00
芳 香 剤 0.50
以上、本発明をその好ましい実施形熊を特に参照して説明したが、添付の請求の範囲に記載された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、これら実施形態には各種の変更がなし得ることは明らかであろう。
Claims (20)
- 生酵母細胞誘導体と適当なキャリヤーとを含有するリップ組成物。
- 生酵母細胞誘導体がサッカロマイセス細胞溶解物誘導体である請求項1記載のリップ組成物。
- 約0.01%から約15%までの量で生酵母細胞誘導体を含有している請求項1記載のリップ組成物。
- 生酵母細胞誘導体と適当なキャリヤーとを含有し、それを人の唇につけた後に治癒、潤滑化および湿潤化の性質を与えるリップ組成物。
- リップ組成物の全重量の約76重量%のキャリヤーと約0.01重量%から約15重量%までの生酵母細胞誘導体とを含有するリップ組成物。
- さらに約75%の湿潤化剤を含有する請求項5記載のリップ組成物。
- 該湿潤化剤が、ラノリン、植物油、ひまし油、イソプロピルパルミテート、鉱油、ペトロラタム、アボカド油、大豆油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジイソプロピルダイマーエート、メチコーンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されてなる請求項6記載のリップ組成物。
- さらに治癒剤を約0.60%含有している請求項5記載のリップ組成物。
- 治癒剤が、ビタミンE、アラントイン、カンデリラワックス、アロエベラ、ペトロラタム、カラミン、ジメチコン、ココアバター、サメ肝油、グリセリン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、カオリン、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてなる請求項8記載のリップ組成物。
- さらに保湿ワックスを約15.0%含有している請求項5記載のリップ組成物。
- 保湿ワックスが、カンデリラワックス、セレシンワックス、オゾケライト、ラノリンワックス、密蝋、パラフィン、微結晶ワックス、動物性ワックス、植物性ワックス、合成ワックス、鉱物性ワックス、日本蝋、鯨蝋、ひまわりワックス、オレンジワックス、シェラックワックス、ライスワックス、ジョジョバワックス、バラ蝋、ジャスミン蝋およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてなる請求項10記載のリップ組成物。
- さらに着色剤を含有している請求項5記載のリップ組成物。
- さらにアラントイン、アロエベラ、エラスチン、コラーゲン、ビタミンEとその誘導体、ビタミンAとその誘導体、ビタミンCとその誘導体、リポゾーム、ヒアルロン酸ナトリウム、水、植物抽出物、リン脂質、シルク粉、マツヨイグサ油、コレステリルブログルタミン酸エステル、ヒアルロン酸、バラ実油、ラウロイルリシンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択された付加的活性成分を含有している請求項5記載のリップ組成物。
- 前記組成物を唇に施用した1時間後に唇の湿り度が約4倍増加する請求項5記載のリップ組成物。
- 前記組成物を一旦唇に施用すると、その唇に存在するひび割れた細胞の迅速な剥離をもたらす請求項5記載のリップ組成物。
- ヒドロキシル化ラノリンとポリブテンを含有する基剤をそのリップ組成物の全量の約70重量%から約90重量%まで並びに生酵母細胞誘導体をそのリップ組成物の約0.01重量%から約15.0重量%まで含有しているリップ組成物。
- さらに着色剤を約2.0重量%から約9.0重量%まで含有している請求項16記載のリップ組成物。
- 基剤の含有量が約76重量%である請求項16記載のリップ組成物。
- 生酵母細胞誘導体の含有量が約0.5重量%である請求項16記載のリップ組成物。
- 生酵母細胞誘導体と適当なキャリヤーとを含有する組成物を唇に施用することを包含する唇の処置方法。
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