JPH11141272A - 鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機 - Google Patents
鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機Info
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- JPH11141272A JPH11141272A JP31011497A JP31011497A JPH11141272A JP H11141272 A JPH11141272 A JP H11141272A JP 31011497 A JP31011497 A JP 31011497A JP 31011497 A JP31011497 A JP 31011497A JP H11141272 A JPH11141272 A JP H11141272A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】鋼管の布設施工が容易となり、施工時間の短縮
が可能となる鋼管布設施工における斜坑トンネル等の岩
盤立坑及び斜坑の掘削方法を提供するものであり、また
併せて、小型化が可能であって低価格化を実現できる鋼
管布設施工における斜坑トンネル等の岩盤立坑及び斜坑
の掘削機を提供する。 【解決手段】カッタヘッド4を備えた掘削機1の後面と
なる蓋体6に、鋼管Sを介して、油圧ジャッキ12の作
動により鋼管Sの周面に嵌着して鋼管Sを締結自在とす
る、一対の半環状のグリッパ13と、締結状態にあるグ
リッパ13を下方に押し出す油圧の押し込みジャッキ1
4と、前記押し込みジャッキ14を支持する反力台15
とから構成される鋼管押し込み手段11によって押圧力
を付与し、該押圧力を掘進力として掘削を行うことを特
徴とする鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削
方法とした。
が可能となる鋼管布設施工における斜坑トンネル等の岩
盤立坑及び斜坑の掘削方法を提供するものであり、また
併せて、小型化が可能であって低価格化を実現できる鋼
管布設施工における斜坑トンネル等の岩盤立坑及び斜坑
の掘削機を提供する。 【解決手段】カッタヘッド4を備えた掘削機1の後面と
なる蓋体6に、鋼管Sを介して、油圧ジャッキ12の作
動により鋼管Sの周面に嵌着して鋼管Sを締結自在とす
る、一対の半環状のグリッパ13と、締結状態にあるグ
リッパ13を下方に押し出す油圧の押し込みジャッキ1
4と、前記押し込みジャッキ14を支持する反力台15
とから構成される鋼管押し込み手段11によって押圧力
を付与し、該押圧力を掘進力として掘削を行うことを特
徴とする鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削
方法とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揚水式地下発電所
等において建造される、鋼管布設施工における斜坑トン
ネル等の岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機に
関するものである。
等において建造される、鋼管布設施工における斜坑トン
ネル等の岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より岩盤立坑及び斜坑の掘削方法と
しては、トンネルボーリングマシン(以下、TBMとい
う)による掘削方法、いわゆるTBM工法が採用されて
いる。図4はこのTBM工法の概念図であり、掘削後に
鋼管を布設してから地山との隙間にコンクリートを充填
する施工例を示す。図4(a)に示すようにTBM51
は、先端にカッタヘッド52を備える前部円筒体53と
後部円筒体54とからなる分割フレーム構造であり、そ
れぞれの側面には地山(岩盤)の側壁に押圧力を付与す
るフロントグリッパ55、メイングリッパ56を備え
る。かかるTBM51による掘進プロセスは、先ず、掘
進反力を得るため、メイングリッパ56を拡張して後部
円筒体54を地山の側壁に固定し、その上で、カッタヘ
ッド52を回転させながら、内蔵したスラストジャッキ
(図示せず)を延伸して前部円筒体53を掘進させ、ス
ラストジャッキが延伸しきるとメイングリッパ56を戻
し、今度はフロントグリッパ55を拡張して前部円筒体
53を地山の側壁に固定し、スラストジャッキを縮退さ
せて後部円筒体54を引き寄せる、という一連の動作を
尺取虫の如く繰り返すものである。掘削ずりは、TBM
51内に配設したコンベア57にて後方のバケット58
に搬出される。そして、所定深さまでの掘削が完了した
ら、TBM51を地上に引き上げた後、鋼管Sを挿入し
て、地山との隙間にコンクリートを充填する(図4
(b))。
しては、トンネルボーリングマシン(以下、TBMとい
う)による掘削方法、いわゆるTBM工法が採用されて
いる。図4はこのTBM工法の概念図であり、掘削後に
鋼管を布設してから地山との隙間にコンクリートを充填
する施工例を示す。図4(a)に示すようにTBM51
は、先端にカッタヘッド52を備える前部円筒体53と
後部円筒体54とからなる分割フレーム構造であり、そ
れぞれの側面には地山(岩盤)の側壁に押圧力を付与す
るフロントグリッパ55、メイングリッパ56を備え
る。かかるTBM51による掘進プロセスは、先ず、掘
進反力を得るため、メイングリッパ56を拡張して後部
円筒体54を地山の側壁に固定し、その上で、カッタヘ
ッド52を回転させながら、内蔵したスラストジャッキ
(図示せず)を延伸して前部円筒体53を掘進させ、ス
ラストジャッキが延伸しきるとメイングリッパ56を戻
し、今度はフロントグリッパ55を拡張して前部円筒体
53を地山の側壁に固定し、スラストジャッキを縮退さ
せて後部円筒体54を引き寄せる、という一連の動作を
尺取虫の如く繰り返すものである。掘削ずりは、TBM
51内に配設したコンベア57にて後方のバケット58
に搬出される。そして、所定深さまでの掘削が完了した
ら、TBM51を地上に引き上げた後、鋼管Sを挿入し
て、地山との隙間にコンクリートを充填する(図4
(b))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる掘削方
法によれば、掘削完了後に鋼管布設を行うための設備や
時間が必要となり、施工費、施工時間の増大を招くとい
う問題があった。また、TBMは、前記したように掘進
に必要な反力を地山の側壁にとるために、それぞれにグ
リッパを備えた分割フレーム構造にならざるを得ない。
そのため、機体が前後方向に大型化し、また掘進用のス
ラストジャッキを要するために構造も複雑となり、高価
な機体となるという問題があった。また、地山が不良地
盤の場合には、地山の側壁との間に充分な掘進反力をと
れないという問題もあった。
法によれば、掘削完了後に鋼管布設を行うための設備や
時間が必要となり、施工費、施工時間の増大を招くとい
う問題があった。また、TBMは、前記したように掘進
に必要な反力を地山の側壁にとるために、それぞれにグ
リッパを備えた分割フレーム構造にならざるを得ない。
そのため、機体が前後方向に大型化し、また掘進用のス
ラストジャッキを要するために構造も複雑となり、高価
な機体となるという問題があった。また、地山が不良地
盤の場合には、地山の側壁との間に充分な掘進反力をと
れないという問題もあった。
【0004】また、前記コンベア及びバケットによる掘
削ずりの搬出方法では、搬出途中で掘削ずりがこぼれ落
ちてしまうという問題がある。そのため、坑内に作業員
が入って清掃を行うという作業が必要となり、施工時間
の遅延につながるとともに、危険でもあった。なお、近
年ではシールド装着形TBMによる施工も行われつつあ
るが、この場合の掘削ずりの搬出は泥水の循環により行
われるものである。この泥水循環方式は、機体内に隔壁
を設けて機体内の前方部を閉塞し、隔壁と前面切羽との
空間を泥水室として、カッタで掘削された掘削ずりを前
記泥水室で地上から送泥管を介して送られてくる泥水と
攪拌混合し、排泥管を介して地上に送り込むものであ
る。従来のシールド装着形TBMは、この送泥管及び排
泥管を上下一対として装備しており、特に斜坑の掘削に
おいては、掘削ずりの搬出効率を高めるため排泥管を最
下部に位置させる。しかし、掘削作業が長時間にわたる
と、機体が初めに設定した向きから次第に回転してしま
うという、いわゆるローリングが発生し、従って排泥管
の位置もずれてしまい掘削ずりの搬出効率が低下すると
いう問題があった。
削ずりの搬出方法では、搬出途中で掘削ずりがこぼれ落
ちてしまうという問題がある。そのため、坑内に作業員
が入って清掃を行うという作業が必要となり、施工時間
の遅延につながるとともに、危険でもあった。なお、近
年ではシールド装着形TBMによる施工も行われつつあ
るが、この場合の掘削ずりの搬出は泥水の循環により行
われるものである。この泥水循環方式は、機体内に隔壁
を設けて機体内の前方部を閉塞し、隔壁と前面切羽との
空間を泥水室として、カッタで掘削された掘削ずりを前
記泥水室で地上から送泥管を介して送られてくる泥水と
攪拌混合し、排泥管を介して地上に送り込むものであ
る。従来のシールド装着形TBMは、この送泥管及び排
泥管を上下一対として装備しており、特に斜坑の掘削に
おいては、掘削ずりの搬出効率を高めるため排泥管を最
下部に位置させる。しかし、掘削作業が長時間にわたる
と、機体が初めに設定した向きから次第に回転してしま
うという、いわゆるローリングが発生し、従って排泥管
の位置もずれてしまい掘削ずりの搬出効率が低下すると
いう問題があった。
【0005】一方、前記泥水循環による掘削ずりの搬出
の場合であって、且つ図4(b)に示したように鋼管の
布設後にコンクリートの充填を行う工事の場合において
は、掘削後の壁面に順次裏込め剤を充填するという工程
が無くなることから、稼働中、泥水が機体の脇から溢れ
出てしまうことになり、結果としてTBMが泥水に浸漬
された状態となってしまい、機体内部まで水が浸入して
故障の原因になるという問題もあった。
の場合であって、且つ図4(b)に示したように鋼管の
布設後にコンクリートの充填を行う工事の場合において
は、掘削後の壁面に順次裏込め剤を充填するという工程
が無くなることから、稼働中、泥水が機体の脇から溢れ
出てしまうことになり、結果としてTBMが泥水に浸漬
された状態となってしまい、機体内部まで水が浸入して
故障の原因になるという問題もあった。
【0006】本発明は、このような課題を解消するため
に創作されたものであり、鋼管の布設施工が容易とな
り、施工時間の短縮が可能となる鋼管布設施工における
斜坑トンネル等の岩盤立坑及び斜坑の掘削方法を提供す
るものであり、また併せて、小型化が可能であって低価
格化を実現できる鋼管布設施工における斜坑トンネル等
の岩盤立坑及び斜坑の掘削機を提供することを目的とし
ている。
に創作されたものであり、鋼管の布設施工が容易とな
り、施工時間の短縮が可能となる鋼管布設施工における
斜坑トンネル等の岩盤立坑及び斜坑の掘削方法を提供す
るものであり、また併せて、小型化が可能であって低価
格化を実現できる鋼管布設施工における斜坑トンネル等
の岩盤立坑及び斜坑の掘削機を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の目的を達
成するために以下の手段を用いた。まず、鋼管の布設施
工を容易とし、施工時間の短縮を可能とする手段とし
て、前面にカッタヘッドを備えた掘削機の後面に、鋼管
を介して鋼管押し込み手段による押圧力を付与し、該押
圧力を推進力として掘削を行うようにした。
成するために以下の手段を用いた。まず、鋼管の布設施
工を容易とし、施工時間の短縮を可能とする手段とし
て、前面にカッタヘッドを備えた掘削機の後面に、鋼管
を介して鋼管押し込み手段による押圧力を付与し、該押
圧力を推進力として掘削を行うようにした。
【0008】また、小型で低価格な機体を実現する手段
として、本体の前面にカッタヘッドを備えた掘削機にお
いて、本体の後面に、鋼管を本体に緊結させるグリッパ
を備え、該鋼管に付与される押圧力を推進力として掘削
を行う掘削機とした。なお、前記掘削機の内部に、掘削
機の中心軸を挟んで対向する一対の送泥管及び排泥管を
複数組配設して泥水循環経路を形成すれば、掘削機がロ
ーリングを起こしたときであっても、効率の良い掘削ず
りの搬出を維持できる。さらに、前記掘削機の本体の外
側に、地山の側壁との隙間を塞ぐシール部材を配設すれ
ば、立坑又は斜坑の上方への泥水の流出を防止すること
ができ、したがって掘削機内部への水の浸入を低減させ
ることが可能となり、故障の発生率低下を実現できる。
として、本体の前面にカッタヘッドを備えた掘削機にお
いて、本体の後面に、鋼管を本体に緊結させるグリッパ
を備え、該鋼管に付与される押圧力を推進力として掘削
を行う掘削機とした。なお、前記掘削機の内部に、掘削
機の中心軸を挟んで対向する一対の送泥管及び排泥管を
複数組配設して泥水循環経路を形成すれば、掘削機がロ
ーリングを起こしたときであっても、効率の良い掘削ず
りの搬出を維持できる。さらに、前記掘削機の本体の外
側に、地山の側壁との隙間を塞ぐシール部材を配設すれ
ば、立坑又は斜坑の上方への泥水の流出を防止すること
ができ、したがって掘削機内部への水の浸入を低減させ
ることが可能となり、故障の発生率低下を実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明に係る鋼管布設施工におけ
る岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機を示す概
略説明図、図2は図1におけるA−A断面図、図3は図
1におけるB−B断面図である。
いて説明する。図1は本発明に係る鋼管布設施工におけ
る岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機を示す概
略説明図、図2は図1におけるA−A断面図、図3は図
1におけるB−B断面図である。
【0010】図1において、符号1は掘削機を示し、円
筒形を呈する本体2の前面には、内蔵の駆動モータ3に
より回転するカッタヘッド4が取り付けられている。本
体2の後端には、その中心に鋼管Sの内径より若干小さ
い径の孔口を穿設した蓋体6が嵌合されており本体2の
後面を形成している。蓋体6の孔口の周縁には上方に立
ち上がる筒部6aが形成されていて、鋼管Sをこの筒部
6aの外周面側から嵌合させて、鋼管Sの端面を蓋体6
に当接させるようになっている。蓋体6は、リブ補強等
により鋼管Sの押圧力に耐える程度の強度を備えてい
る。
筒形を呈する本体2の前面には、内蔵の駆動モータ3に
より回転するカッタヘッド4が取り付けられている。本
体2の後端には、その中心に鋼管Sの内径より若干小さ
い径の孔口を穿設した蓋体6が嵌合されており本体2の
後面を形成している。蓋体6の孔口の周縁には上方に立
ち上がる筒部6aが形成されていて、鋼管Sをこの筒部
6aの外周面側から嵌合させて、鋼管Sの端面を蓋体6
に当接させるようになっている。蓋体6は、リブ補強等
により鋼管Sの押圧力に耐える程度の強度を備えてい
る。
【0011】鋼管Sと本体2を緊結するために蓋体6に
は固定式グリッパ7が装着されており、掘削作業中は常
に鋼管Sを筒部6aに緊結した状態にする。固定式グリ
ッパ7としては、油圧ジャッキを備えた環状のグリッパ
等、公知のグリッパが使用される。なお、本体2の周側
面には、掘進方向を制御する方向制御ジャッキ8が複数
取り付けられ、遠隔操作により地上から制御可能として
ある。
は固定式グリッパ7が装着されており、掘削作業中は常
に鋼管Sを筒部6aに緊結した状態にする。固定式グリ
ッパ7としては、油圧ジャッキを備えた環状のグリッパ
等、公知のグリッパが使用される。なお、本体2の周側
面には、掘進方向を制御する方向制御ジャッキ8が複数
取り付けられ、遠隔操作により地上から制御可能として
ある。
【0012】掘削機1に推進力を付与するべく、鋼管S
に押圧力を付与する鋼管押し込み手段11は、油圧ジャ
ッキ12の作動により鋼管Sの周面に嵌着して鋼管Sを
締結自在とする、一対の半環状のグリッパ13(図2参
照)と、締結状態にあるグリッパ13を下方に押し出す
油圧の押し込みジャッキ14と、地上に設置されて前記
押し込みジャッキ14を支持する反力台15とから構成
される。
に押圧力を付与する鋼管押し込み手段11は、油圧ジャ
ッキ12の作動により鋼管Sの周面に嵌着して鋼管Sを
締結自在とする、一対の半環状のグリッパ13(図2参
照)と、締結状態にあるグリッパ13を下方に押し出す
油圧の押し込みジャッキ14と、地上に設置されて前記
押し込みジャッキ14を支持する反力台15とから構成
される。
【0013】次に、掘削機1の掘進プロセスについて説
明すると、まず、掘削機1の後面、すなわち蓋体6の筒
部6aに鋼管Sを嵌合し、鋼管Sの端面を蓋体6に当接
させて、固定式グリッパ7により鋼管Sの下端を蓋体6
に緊結させる。一方、鋼管Sの上方においては、油圧ジ
ャッキ12を作動させてグリッパ13を縮環させ、鋼管
Sを挟圧させる。この状態でカッタヘッド4を回転さ
せ、押し込みジャッキ14を延伸させ、鋼管Sを下方に
押し込んでいく。掘削機1は、後面すなわち蓋体6の部
位で鋼管Sから押圧力を受け、この押圧力をそのまま推
進力として切羽の岩盤を破砕していく。押し込みジャッ
キ14が延伸しきると、油圧ジャッキ12を作動させて
グリッパ13を緩環させた後、押し込みジャッキ14を
縮めて、再び油圧ジャッキ12を作動させてグリッパ1
3で鋼管Sを挟圧し、下方に押し込む。1本の鋼管Sに
対してこの一連の動作を数回繰り返し行い、所定深さま
で挿入されたら、新たな鋼管S′を鋼管Sの上部に載置
して溶接により継ぎ足していき、鋼管S′に対しても前
記一連の動作を繰り返していく。
明すると、まず、掘削機1の後面、すなわち蓋体6の筒
部6aに鋼管Sを嵌合し、鋼管Sの端面を蓋体6に当接
させて、固定式グリッパ7により鋼管Sの下端を蓋体6
に緊結させる。一方、鋼管Sの上方においては、油圧ジ
ャッキ12を作動させてグリッパ13を縮環させ、鋼管
Sを挟圧させる。この状態でカッタヘッド4を回転さ
せ、押し込みジャッキ14を延伸させ、鋼管Sを下方に
押し込んでいく。掘削機1は、後面すなわち蓋体6の部
位で鋼管Sから押圧力を受け、この押圧力をそのまま推
進力として切羽の岩盤を破砕していく。押し込みジャッ
キ14が延伸しきると、油圧ジャッキ12を作動させて
グリッパ13を緩環させた後、押し込みジャッキ14を
縮めて、再び油圧ジャッキ12を作動させてグリッパ1
3で鋼管Sを挟圧し、下方に押し込む。1本の鋼管Sに
対してこの一連の動作を数回繰り返し行い、所定深さま
で挿入されたら、新たな鋼管S′を鋼管Sの上部に載置
して溶接により継ぎ足していき、鋼管S′に対しても前
記一連の動作を繰り返していく。
【0014】このように鋼管の押圧力をそのまま推進力
とする掘削工法によれば、地山の側壁に掘進反力をとる
従来のTBM工法に比べて、常に安定した推進力を得る
ことができる。すなわち、地山が硬岩の風化した弱層や
破砕帯などの不良地盤であるなしに関係なく、一定の推
進力が得られるものであり、掘削時間の短縮を実現でき
ることになる。無論、掘削完了時には、鋼管の据え付け
が既に完了していることから、新たに足場や鋼管の釣り
下ろし設備を設置する必要もなくなり、施工時間を大幅
に短縮することが可能となっている。また、地山の側壁
に掘進反力をとらない構造とすることは、同時に掘削機
自体の構造が簡素化されることにもなり、分割フレーム
構造やスラストジャッキを要しない、小型で低価格な機
体が実現されることになる。
とする掘削工法によれば、地山の側壁に掘進反力をとる
従来のTBM工法に比べて、常に安定した推進力を得る
ことができる。すなわち、地山が硬岩の風化した弱層や
破砕帯などの不良地盤であるなしに関係なく、一定の推
進力が得られるものであり、掘削時間の短縮を実現でき
ることになる。無論、掘削完了時には、鋼管の据え付け
が既に完了していることから、新たに足場や鋼管の釣り
下ろし設備を設置する必要もなくなり、施工時間を大幅
に短縮することが可能となっている。また、地山の側壁
に掘進反力をとらない構造とすることは、同時に掘削機
自体の構造が簡素化されることにもなり、分割フレーム
構造やスラストジャッキを要しない、小型で低価格な機
体が実現されることになる。
【0015】さて、本実施形態における掘削機1は掘削
ずりの搬出として、泥水循環方式を採用しており、送泥
管及び排泥管を内蔵した構造となっている。カッタヘッ
ド4の後部には機体内に隔壁を設けてなる泥水室16が
形成され、この泥水室16に、図3に示すように本体2
の中心軸を挟んで対向する一対の送泥管9及び排泥管1
0を複数組、本実施形態では3組臨ませている。これら
の送泥管9a、9b、9c及び排泥管10a、10b、
10cはそれぞれ本体2の内部で集管して、それぞれ1
本の送泥管9及び排泥管10となり、蓋体6の孔口、鋼
管S内を通って地上部へと延伸し、泥水循環経路を形成
する。
ずりの搬出として、泥水循環方式を採用しており、送泥
管及び排泥管を内蔵した構造となっている。カッタヘッ
ド4の後部には機体内に隔壁を設けてなる泥水室16が
形成され、この泥水室16に、図3に示すように本体2
の中心軸を挟んで対向する一対の送泥管9及び排泥管1
0を複数組、本実施形態では3組臨ませている。これら
の送泥管9a、9b、9c及び排泥管10a、10b、
10cはそれぞれ本体2の内部で集管して、それぞれ1
本の送泥管9及び排泥管10となり、蓋体6の孔口、鋼
管S内を通って地上部へと延伸し、泥水循環経路を形成
する。
【0016】前記送泥管9及び排泥管10は、通常、地
上からのバルブ遠隔操作により、180°対向し合う一
対の送泥管9及び排泥管10(例えば、送泥管9aと排
泥管10a)を使用する。また、坑が斜坑である場合に
は、坑の最下部から掘削ずりを抜くのが効率が良いこと
から、送泥管9aが最上部に、排泥管10aが最下部に
位置するように本体2を設置する必要がある。もし掘削
作業中、本体2のローリングにより送泥管9a及び排泥
管10aの位置がずれた場合には、代わってそれぞれ上
方、下方に位置した送泥管及び排泥管(例えば9bと1
0b)に切り替えれば良く、効率の良い掘削ずりの搬出
が維持される。またローリングが激しく天地が逆転した
場合には、地上部における配管を逆に組み替えることに
より、今まで送泥管として使用していた系統を排泥管と
して使用することができる。また、砂礫で排泥管が閉塞
した場合であっても、他の排泥管に切り替えることによ
り、掘削ずりの搬出を連続して行うことができるので、
作業の中断がなく安定した掘削ずりの搬出が可能とな
る。
上からのバルブ遠隔操作により、180°対向し合う一
対の送泥管9及び排泥管10(例えば、送泥管9aと排
泥管10a)を使用する。また、坑が斜坑である場合に
は、坑の最下部から掘削ずりを抜くのが効率が良いこと
から、送泥管9aが最上部に、排泥管10aが最下部に
位置するように本体2を設置する必要がある。もし掘削
作業中、本体2のローリングにより送泥管9a及び排泥
管10aの位置がずれた場合には、代わってそれぞれ上
方、下方に位置した送泥管及び排泥管(例えば9bと1
0b)に切り替えれば良く、効率の良い掘削ずりの搬出
が維持される。またローリングが激しく天地が逆転した
場合には、地上部における配管を逆に組み替えることに
より、今まで送泥管として使用していた系統を排泥管と
して使用することができる。また、砂礫で排泥管が閉塞
した場合であっても、他の排泥管に切り替えることによ
り、掘削ずりの搬出を連続して行うことができるので、
作業の中断がなく安定した掘削ずりの搬出が可能とな
る。
【0017】また、本体2の外周には、泥水が立坑Hの
上方にまで回って掘削機1の後部から内部へと浸入しな
いように、地山の側壁との隙間を止水するシール5が装
着されている。したがって、浸水による機体の故障発生
率の低下を実現することが可能となる。
上方にまで回って掘削機1の後部から内部へと浸入しな
いように、地山の側壁との隙間を止水するシール5が装
着されている。したがって、浸水による機体の故障発生
率の低下を実現することが可能となる。
【0018】以上、本発明について、その好適な実施形
態について説明したが、各構成部材の形状や取付け位置
等は、図面に記載したものに限られることなく、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で設計変更することが可能であ
る。
態について説明したが、各構成部材の形状や取付け位置
等は、図面に記載したものに限られることなく、本発明
の主旨を逸脱しない範囲で設計変更することが可能であ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る鋼管布設施工における岩盤
立坑及び斜坑の掘削方法及び掘削機によれば以下のよう
な効果を奏する。 (1)前面にカッタヘッドを備えた掘削機の後面に、鋼
管を介して鋼管押し込み手段による押圧力を付与し、該
押圧力を推進力として掘削を行う掘削方法とすることに
より、掘削完了時に、鋼管の据え付けが完了しているた
め、足場の設置や鋼管の吊り下ろし設備の設置を行う必
要がなくなり、鋼管の布設施工が容易になり、施工時間
の短縮が可能となる。また、地山が硬岩の風化した弱層
や破砕帯などの不良地盤であるなしに関係なく、一定の
推進力が得られ、掘削時間の短縮を実現できることにな
る。さらに、作業員は坑内に立ち入ることなく、地上で
全て遠隔操作できるので安全性が向上する。 (2)本体の前面にカッタヘッドを備えた掘削機におい
て、本体の後面に、鋼管を本体に緊結させるグリッパを
備え、該鋼管に付与される押圧力を推進力として掘削を
行う掘削機とすることにより、構造が簡単になるので小
型化が可能となり、低価格化な機体を実現することがで
きる。 (3)前記掘削機の内部に、掘削機の中心軸を挟んで対
向する一対の送泥管及び排泥管を複数組配設して泥水循
環経路を形成すれば、掘削機がローリングを起こしたと
き、或いは砂礫で排泥管が閉塞した場合であっても、使
用中の送泥管及び排泥管を別の管に切り替えることによ
り、常に効率の良い掘削ずりの搬出を維持できる。また
ローリングが激しく天地が逆転した場合であっても、地
上部における配管を逆に組み替えることにより、今まで
送泥管として使用していた系統を排泥管として使用する
ことができる。 (4)前記掘削機の本体の外側に、地山の側壁との隙間
を塞ぐシール部材を配設すれば、立坑又は斜坑の上方へ
の泥水の流出を防止することができ、したがって掘削機
内部への水の浸入を低減させることが可能となり、故障
の発生率低下を実現できる。
立坑及び斜坑の掘削方法及び掘削機によれば以下のよう
な効果を奏する。 (1)前面にカッタヘッドを備えた掘削機の後面に、鋼
管を介して鋼管押し込み手段による押圧力を付与し、該
押圧力を推進力として掘削を行う掘削方法とすることに
より、掘削完了時に、鋼管の据え付けが完了しているた
め、足場の設置や鋼管の吊り下ろし設備の設置を行う必
要がなくなり、鋼管の布設施工が容易になり、施工時間
の短縮が可能となる。また、地山が硬岩の風化した弱層
や破砕帯などの不良地盤であるなしに関係なく、一定の
推進力が得られ、掘削時間の短縮を実現できることにな
る。さらに、作業員は坑内に立ち入ることなく、地上で
全て遠隔操作できるので安全性が向上する。 (2)本体の前面にカッタヘッドを備えた掘削機におい
て、本体の後面に、鋼管を本体に緊結させるグリッパを
備え、該鋼管に付与される押圧力を推進力として掘削を
行う掘削機とすることにより、構造が簡単になるので小
型化が可能となり、低価格化な機体を実現することがで
きる。 (3)前記掘削機の内部に、掘削機の中心軸を挟んで対
向する一対の送泥管及び排泥管を複数組配設して泥水循
環経路を形成すれば、掘削機がローリングを起こしたと
き、或いは砂礫で排泥管が閉塞した場合であっても、使
用中の送泥管及び排泥管を別の管に切り替えることによ
り、常に効率の良い掘削ずりの搬出を維持できる。また
ローリングが激しく天地が逆転した場合であっても、地
上部における配管を逆に組み替えることにより、今まで
送泥管として使用していた系統を排泥管として使用する
ことができる。 (4)前記掘削機の本体の外側に、地山の側壁との隙間
を塞ぐシール部材を配設すれば、立坑又は斜坑の上方へ
の泥水の流出を防止することができ、したがって掘削機
内部への水の浸入を低減させることが可能となり、故障
の発生率低下を実現できる。
【図1】本発明に係る鋼管布設施工における岩盤立坑及
び斜坑の掘削方法及びその掘削機を示す概略説明図であ
る。
び斜坑の掘削方法及びその掘削機を示す概略説明図であ
る。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】図1におけるB−B断面図である。
【図4】TBM工法の概念図であり、掘削後に鋼管を布
設してから地山との隙間にコンクリートを充填する施工
例を示す。
設してから地山との隙間にコンクリートを充填する施工
例を示す。
H 立坑 S、S′ 鋼管 1 掘削機 2 本体 3 駆動モータ 4 カッタヘッド 5 シール部材 6 蓋体 6a 筒部 7 固定式グリッパ 8 方向制御ジャッキ 9 送泥管 10 排泥管 11 鋼管押し込み手段 12 油圧ジャッキ 13 グリッパ 14 押し込みジャッキ 15 反力台 16 泥水室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 清 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 竹田 直樹 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 宮本 正治 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 前面にカッタヘッドを備えた掘削機の後
面に、鋼管を介して鋼管押し込み手段による押圧力を付
与し、該押圧力を推進力として掘削を行うことを特徴と
する鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方
法。 - 【請求項2】 本体の前面にカッタヘッドを備えた掘削
機であって、 本体の後面に、鋼管を本体に緊結させるグリッパを備
え、該鋼管に付与される押圧力を推進力として掘削を行
うことを特徴とする鋼管布設施工における岩盤立坑及び
斜坑の掘削機。 - 【請求項3】 前記掘削機の内部に、掘削機の中心軸を
挟んで対向する一対の送泥管及び排泥管を複数組配設し
て泥水循環経路を形成したことを特徴とする請求項2に
記載の鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削
機。 - 【請求項4】 前記掘削機の本体の外側に、地山の側壁
との隙間を塞ぐシール部材を配設したことを特徴とする
請求項2又は請求項3に記載の鋼管布設施工における岩
盤立坑及び斜坑の掘削機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31011497A JPH11141272A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31011497A JPH11141272A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11141272A true JPH11141272A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=18001355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31011497A Pending JPH11141272A (ja) | 1997-11-12 | 1997-11-12 | 鋼管布設施工における岩盤立坑及び斜坑の掘削方法及びその掘削機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11141272A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017595A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | East Japan Railway Co | 孔掘削工法及び孔掘削装置 |
CN106194193A (zh) * | 2016-07-25 | 2016-12-07 | 长江三峡勘测研究院有限公司(武汉) | 一种大断面竖井非爆破大孔径群孔辅助开挖方法 |
CN117090254A (zh) * | 2023-10-20 | 2023-11-21 | 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 | 一种深基坑斜井挖掘系统及其操作方法 |
-
1997
- 1997-11-12 JP JP31011497A patent/JPH11141272A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017595A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | East Japan Railway Co | 孔掘削工法及び孔掘削装置 |
CN106194193A (zh) * | 2016-07-25 | 2016-12-07 | 长江三峡勘测研究院有限公司(武汉) | 一种大断面竖井非爆破大孔径群孔辅助开挖方法 |
CN117090254A (zh) * | 2023-10-20 | 2023-11-21 | 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 | 一种深基坑斜井挖掘系统及其操作方法 |
CN117090254B (zh) * | 2023-10-20 | 2024-02-06 | 中国电建集团山东电力建设第一工程有限公司 | 一种深基坑斜井挖掘系统及其操作方法 |
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