JP2021080798A - 推進工法を用いた管路構築工法 - Google Patents
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Abstract
Description
又、掘進機回収用の到達立坑Aを築造できたとしても、周辺の地下埋設物の複雑な埋設状況により、坑口付近の効果的な地盤改良が確保されず、掘進機K1を回収するために立坑土留壁を切断撤去(鏡切り)を行う時点で、立坑内への地下水の流入や地盤の崩落を招き、交通遮断や近接埋設物の破損等の第3者災害が発生し、施工時の経済損失を生じさせる懸念があった。
1) 先端の掘進機の後に複数の推進管を連接した推進マシンを、発進立坑から元押装置で前記推進管の最尾となる推進管を押込みながら先端の前記掘進機でもって地中を削孔して管路空間を形成しながら後続する推進管を削孔された同管路空間に連続的に加圧挿入し、しかも発進立坑で推進管を順次発進立坑で据付して継ぎ足すことで、地下に複数の推進管で形成される管路を構築する推進工法を用いた管路構築工法に於いて、
前記推進マシンとして水平面で左右方向に曲線施工可能な管路空間を地中掘削でき且つ鉛直面に対しても縦断曲線施工可能な管路空間を掘削できる機能の推進マシンを使用するとともに、
発進立坑から前記推進マシンで地中の所定の路線に沿って管路を構築しながら到達地点に近づけば、推進マシンを地表に向けた縦断方向に所定の曲線半径で上向きに削孔させて先端の掘進機を地表面から一部を突出させ、地表位置に配置した地表側機械を用いて掘進機を地表上に引き上げて回収し、発進立坑から到達位置の地表面までの間に推進管による管路を構築する、掘進機回収用の到達立坑を到達地点に構築せずに施工できて大巾に工期・工費を削減できることを特徴とする、推進工法を用いた管路構築工法
2) 前記地表側機械が突出させた地表側に設けたクレーン装置であって、
地表上に一部を突出させた掘進機を、同クレーン装置を用いて吊り上げて地表上に全体を持ち上げて突出した位置から分離させて回収させる、前記1)記載の推進工法を用いた管路構築工法
3) 前記地表側機械として、突出させた地表側には前記クレーン装置の他に、突出させた地表面に沿って走行できる掘進機運送用トラックを配置し、前記クレーン装置によって地表上に持ち上げた掘進機を前記掘進機運送用トラックに移載して地表の外部へ運び出すようにした、前記2)記載の推進工法を用いた管路構築工法
4) 前記地表側機械が、掘進機の前後を車両の走行方向にして載置できる傾斜した掘進機受台を有し且つ地表面から一部を突出させた掘進機をウィンチのワイヤ又はチェーンで引き上げて前記の傾斜した掘進機受台上まで移動させることが出来るウィンチを設けた引上運送装置であり、一部地表に突出させた掘進機を前記引上運送装置のウィンチで引き上げて、引き上げられた掘進機全体を掘進機受台に載置して移動させて所要の場所へ回収させ、又は掘進機を複数に分割して、分割された掘進機部分を引き上げて掘進機受台に載置して、移動させることを全分割部分数だけ繰り返すことで、掘進機を分割して全体を回収させるようにした、前記1)記載の推進工法を用いた管路構築工法
5) 前記引上運送装置の掘進機受台の傾斜角を油圧ジャッキで角度調整可能とし、しかも掘進機受台の左右側それぞれには掘進機の外殻と接して前後方向の移動を容易とするスライドローラを前後方向に複数列設け、一部を地表に突出させた掘進機の傾き角に掘進機受台の傾斜角が略同じになるように傾斜油圧ジャッキで傾斜角を調整することで、ウィンチによる掘進機の掘進機受台への引上げ移載を容易とした、前記4)記載の推進工法を用いた管路構築工法
6) 先端の掘進機が地表面に一部を突出させてから、地表側機械による掘進機の引き上げ速度が元押装置による押込み速度と同じとなるように又は押込み速度より低くなるように同期させ、掘進機とその後続の推進管との間に間隙が生じないように密接させながら掘進機と推進管とを押し推め、地表近くで引き上げる掘進機とその後続の推進管との間の間隙から土砂が推進管内に侵入して陥没事故を発生しないようにした、前記1)〜5)いずれか記載の推進工法を用いた管路構築工法
7) 掘進機を地表に突出させる到達位置前後の地中の予定掘削ラインを挟むようにその左右に簡易な土留板を施して地表に突出させる付近の地盤の安定化を図るようにした、前記1)〜6)いずれか記載の推進工法を用いた管路構築工法
にある。
加えて、掘進機受台の傾きを油圧ジャッキで所定角度に調整できるものでは、掘進機が地表上に突出した角度に、掘進機受台の角度を略同じにすれば、掘進機をその突出した角度で引き上げることで掘進機を掘進機受台へ円滑に移動でき、掘進機が完全に掘進機受台に載った後、掘進機受台を水平な角度にすることで安定して走行して外部へ運べる。
本発明を図5〜18に示す実施例1,2を図面に基づいて説明する。
図5〜12に示す本実施例1と図13〜18に示す実施例2ともに、都市地下に電力線ケーブルを、地中線化するための小・中口径管路で円管状推進管(ヒューム管)の口径は0.8m程で発進立坑から地表に突出させるまでの推進長が34m程の管路を構築する管路工事例で、地表道路右傍にある地上の変電所内に発進立坑Sを設け、同発進立坑の土被り3.2m程から推進マシンKを推進させている。使用した施工の推進マシンKの急曲線掘削可能な推進機を図8,9に示している。
地表が道路Rであり、その地下には複数本の既設の地下鉄用電源ケーブルが配設されていて、又左右の歩道下には既設送電管路R4が埋設されている。この道路の右側地上に変電所G1が設けられ、この変電所敷地内に発進立坑Sを構築し、その地下から30m程先の道路左側の地表を目標として34m程の推進長さの位置で地表から掘進機K1のカッタK12が突出するようにした工事である。
実施例2では、地表に一部を突出させるまで実施例1と同じ工程である。地表に一部を突出させた後掘進機K1を引き上げる作業に、傾斜した掘進機受台HD1を有ししかも油圧ジャッキHD2でその傾斜角を調整でき更に車両に掘進機K1を引き上げるウィンチHD3を設けた引上運送装置HDを使用する例である。実施例1では、地表側機械としてクレーン装置TCを配置したが、実施例2では引上運送装置HDを設けた例で、実施例2は実施例1において先端の掘進機K1の一部を地表に突出させるまでの削孔・推進の工程は同じで、地表に突出させてからの掘進機の引上げ作業を異にするだけである。又、この実施例2では掘進機K1全体を引き上げて回収する場合と、掘進機K1を複数に分割して分割部分の引き上げ・回収を繰り返して掘進機K1全体を回収できるものである。
以下、図5〜18に示す実施例1,2の構成用語とその符号について説明する。
G1は発進立坑Sを設けた変電所、G2は発進立坑Sから34m程離れた掘進機を地表面へ突出させる到達地点、G21は掘進機K1の一部を突出させる地表面、G22は道路Rの掘削された地盤を覆う覆工板G23を支持する受鋼材、G23は覆工板、Sは発進立坑、S1は同発進立坑内下部に設置した油圧ジャッキを用いた元押装置、S2は発進立坑Sを構築する矢板による土留仮設材、Kは推進マシン、K1は推進マシンKの前面カッタとなる掘進機、K2は同掘進機K1に後続させた0.8m口径の円管状推進管、K21は到達地点の地表面に到着した先頭の推進管K2の前開口の閉塞蓋である。T1は推進マシンKが削孔して構築する管路、T10は管路T1の初期削孔管路で緩やかに下降する左右湾曲部、T11は到達地点G2近くで地表面G21に向けて縦方向に25R程の平面曲線掘削する管路の縦断曲線部、Aは従来の推進工法における到達立坑、A1は到達立坑構築に使用される矢板による土留仮設材であって、本実施例にはA,A1ともに存在しない。Rは管路T1を設ける地上の道路、R1は道路Rの側溝、R2は2.5mの最小確保道路巾、R3は道路下方地盤で管路T1の左右に構築する垂直の簡易な土留板であって、推進マシンKを地表面に押出すためにその周辺地盤の緩みを防止するためのものである。R4は道路Rの下方に配設された既設送電管路、R5は掘進機K1を一部突出させる地表面G21の下方にある土砂である。
実施例1の管路構築工事は、まず道路Rの右側にある変電所G1の土地の一画に発進立坑Sを構築する。発進立坑Sは矢板の土留仮設材S2による土留壁で囲って、開口部は2m程で深さ4m掘削して底面にコンクリート床版を構築する。
発進立坑S下方において、掘進機K1の後方に先頭となる推進管K2を連接し、掘進機K1とその後の推進管K2を土留仮設材S2の鏡切りした開口部に臨むような高さに配置し、推進管K2の後端を前記元押装置S1で押し込みながら、図8,9に示す掘進機K1を作動させることで、掘進機K1の先端のカッタK12を回動させて、同時に地盤を掘削しながら元押装置S1の推進力で前方へ前進させる。
後の推進管K2は掘進機K1の掘進と同時に一次覆工の推進管を元押装置S1により推進力を加圧することで管路を形成させる。
実施例2は、実施例1の地表面に掘進機K1の一部を突出した工程まで同じである。
実施例2では、一部と突出した掘進機K1を図13,14,15に示す構造の引上運送装置HDを用いて図16,17に示すように掘進機K1を分割し、ウィンチHD3のワイヤHD4を用いて分割された掘進機K1の部分を引上げる。その際、掘進機K1の突出角度と掘進機受台HD1の傾き角と略同じにするように油圧ジャッキHD2で調整する。掘進機受台HD1にはV字状で左右両側にフリーローラHD7を前後方向に4列設けている。これによって、一部が突出した掘進機K1を分割して分割部分を掘進機受台HD1にウィンチHD3のワイヤHD4によって引き上げ、分割部分を引上げれば掘進機受台HD1を水平にして車両を移動させて、突出の地表面から外部に移動させる。この工程を繰り返して掘進機K1の分割部分を全部引上げ回収する。HD8は掘進機K1を引上げるための掘進機リード材である。
掘進機K1を引上げ回収後に先頭の推進管K2の開口部を閉塞蓋K21で閉じて、その後土砂R5を戻して次の送電線工事まで待機させる(図18参照)。
この実施例2でも、引上運送装置HDによる掘進機K1の分割部分の引上げ速度を推進管K2の推進速度より低くすることで、推進管K2に土砂が進入しないように工事する。
G2 到達地点
G21 突出させる地表面
G22 受鋼材
G23 覆工板
S 発進立坑
S1 元押装置
S2 土留仮設材
K 推進マシン
K1 掘進機
K11 外郭部
K12 カッタ
K13 回動軸
K14 駆動部
K15 排土管
K16 胴管部
K2 推進管(ヒューム管)
K21 閉塞蓋
T1 管路
T10 下降する左右湾曲部
T11 縦断曲線部
R 道路
R1 側溝
R2 最小確保道路巾
R3 簡易な土留板
R4 既設送電管路
R5 土砂
TC クレーン装置
TC1 吊上げワイヤ
TC2 吊金具
TC3 ウィンチ
TC4 引上用油圧ジャッキ
THD 掘進機運送用トラック
HD 引上運送装置
HD0 車体
HD1 掘進機受台
HD2 油圧ジャッキ
HD3 ウィンチ
HD4 ワイヤ
HD5 ワイヤ送り車
HD6 車輪
HD7 フリーローラ
HD8 掘進機リード材
A 到達立坑
A1 土留仮設材
Claims (7)
- 先端の掘進機の後に複数の推進管を連接した推進マシンを、発進立坑から元押装置で前記推進管の最尾となる推進管を押込みながら先端の前記掘進機でもって地中を削孔して管路空間を形成しながら後続する推進管を削孔された同管路空間に連続的に加圧挿入し、しかも発進立坑で推進管を順次発進立坑で据付して継ぎ足すことで、地下に複数の推進管で形成される管路を構築する推進工法を用いた管路構築工法に於いて、
前記推進マシンとして水平面で左右方向に曲線施工可能な管路空間を地中掘削でき且つ鉛直面に対しても縦断曲線施工可能な管路空間を掘削できる機能の推進マシンを使用するとともに、
発進立坑から前記推進マシンで地中の所定の路線に沿って管路を構築しながら到達地点に近づけば、推進マシンを地表に向けた縦断方向に所定の曲線半径で上向きに削孔させて先端の掘進機を地表面から一部を突出させ、地表位置に配置した地表側機械を用いて掘進機を地表上に引き上げて回収し、発進立坑から到達位置の地表面までの間に推進管による管路を構築する、掘進機回収用の到達立坑を到達地点に構築せずに施工できて大巾に工期・工費を削減できることを特徴とする、推進工法を用いた管路構築工法。 - 前記地表側機械が突出させた地表側に設けたクレーン装置であって、
地表上に一部を突出させた掘進機を、同クレーン装置を用いて吊り上げて地表上に全体を持ち上げて突出した位置から分離させて回収させる、請求項1記載の推進工法を用いた管路構築工法。 - 前記地表側機械として、突出させた地表側には前記クレーン装置の他に、突出させた地表面に沿って走行できる掘進機運送用トラックを配置し、前記クレーン装置によって地表上に持ち上げた掘進機を前記掘進機運送用トラックに移載して地表の外部へ運び出すようにした、請求項2記載の推進工法を用いた管路構築工法。
- 前記地表側機械が、掘進機の前後を車両の走行方向にして載置できる傾斜した掘進機受台を有し且つ地表面から一部を突出させた掘進機をウィンチのワイヤ又はチェーンで引き上げて前記の傾斜した掘進機受台上まで移動させることが出来るウィンチを設けた引上運送装置であり、一部地表に突出させた掘進機を前記引上運送装置のウィンチで引き上げて、引き上げられた掘進機全体を掘進機受台に載置して移動させて所要の場所へ回収させ、又は掘進機を複数に分割して、分割された掘進機部分を引き上げて掘進機受台に載置して、移動させることを全分割部分数だけ繰り返すことで、掘進機を分割して全体を回収させるようにした、請求項1記載の推進工法を用いた管路構築工法。
- 前記引上運送装置の掘進機受台の傾斜角を油圧ジャッキで角度調整可能とし、しかも掘進機受台の左右側それぞれには掘進機の外殻と接して前後方向の移動を容易とするスライドローラを前後方向に複数列設け、一部を地表に突出させた掘進機の傾き角に掘進機受台の傾斜角が略同じになるように傾斜油圧ジャッキで傾斜角を調整することで、ウィンチによる掘進機の掘進機受台への引上げ移載を容易とした、請求項4記載の推進工法を用いた管路構築工法。
- 先端の掘進機が地表面に一部を突出させてから、地表側機械による掘進機の引き上げ速度が元押装置による押込み速度と同じとなるように又は押込み速度より低くなるように同期させ、掘進機とその後続の推進管との間に間隙が生じないように密接させながら掘進機と推進管とを押し推め、地表近くで引き上げる掘進機とその後続の推進管との間の間隙から土砂が推進管内に侵入して陥没事故を発生しないようにした、請求項1〜5いずれか記載の推進工法を用いた管路構築工法。
- 掘進機を地表に突出させる到達位置前後の地中の予定掘削ラインを挟むようにその左右に簡易な土留板を施して地表に突出させる付近の地盤の安定化を図るようにした、請求項1〜6いずれか記載の推進工法を用いた管路構築工法。
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