JPH11140437A - 二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法 - Google Patents

二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法

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JPH11140437A
JPH11140437A JP9322494A JP32249497A JPH11140437A JP H11140437 A JPH11140437 A JP H11140437A JP 9322494 A JP9322494 A JP 9322494A JP 32249497 A JP32249497 A JP 32249497A JP H11140437 A JPH11140437 A JP H11140437A
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phosphor
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europium
divalent europium
producing
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Shozo Oshio
祥三 大塩
Teruaki Shigeta
照明 重田
Tomizo Matsuoka
富造 松岡
Toru Azuma
亨 東
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
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    • C09K11/7734Aluminates

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二価ユーロピウム付活蛍光体の発光特性の変
動を防ぐ製造方法を提供すること。 【解決手段】 蛍光体母体となる母体化合物と三価ユー
ロピウム化合物とを主体にしてなる混合体を反応させて
二価ユーロピウム付活蛍光体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプやプラ
ズマディスプレイパネル(以下PDPと略す)のような
発光装置用として好適な二価ユーロピウム付活蛍光体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から蛍光ランプやPDPのような発
光装置の青色蛍光体として、例えばBaMgAl10O
17:Eu2+や(Ba,Sr)MgAl10O17:
Eu2+,Mn2+などのEu2+イオンを発光中心と
する二価ユーロピウム付活蛍光体が用いられている。
【0003】二価ユーロピウム付活蛍光体は、Eu2+
イオンに固有の4f65d励起準位から4f7基底準位
への電子遷移によりスペクトル半値幅の広い発光スペク
トルを示すことが知られ、同時に4f65d励起準位が
結晶場の影響を受けやすいために、蛍光体母体に依存し
て、紫色から赤色までの近紫外域から可視域全般に渡る
発光色を得ることのできる蛍光体として知られている。
【0004】従来から二価ユーロピウム付活蛍光体は、
蛍光体を構成する各元素を含む複数の蛍光体原料をボー
ルミルなどの混合機で混合し、蛍光体原料の混合物を還
元雰囲気中(例えば窒素と水素の混合ガス雰囲気中)で
反応させて製造されている(例えば、蛍光体ハンドブッ
ク、オーム社、207頁から240頁参照)。
【0005】なお、ユーロピウム原料としては、二価ユ
ーロピウムを含む化合物が常温常圧の大気中で化学的に
不安定なことに起因して、例えばEu2O3のような三
価ユーロピウム化合物が用いられている。
【0006】上記BaMgAl10O17:Eu2+や
(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2
+など二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体の製造
方法にあっては、これまで、所定量のアルカリ土類炭酸
塩(炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、塩基性炭酸マ
グネシウムなど)、酸化アルミニウム、酸化ユーロピウ
ム、炭酸マンガンと適量のフラックスを混合して蛍光体
原料とし、この蛍光体原料をそのまま、もしくは、15
00℃未満の大気中で仮焼成した後、1200℃から1
800℃の還元雰囲気中で数時間焼成し反応させて上記
二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を製造してい
た(例えば、上記蛍光体ハンドブックや特開平7−77
126号公報や「ジェイ エレクトロケム エスオーシ
ー第123巻5番」(J.Electrochem.S
oc.、Vol.123,No.5、pp.691−6
97)参照)。
【0007】上記フラックスは原料同士の化学反応を促
進するためのものであり、例えばフッ化アルミニウム、
フッ化バリウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化
物が用いられている。なお、フラックスを除外しても上
記アルミン酸塩蛍光体を得ることができている。
【0008】なお、上記BaMgAl10O17:Eu
2+や(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,
Mn2+二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体は、
(Ba1−x−y−zSrxCayEuz)(Mg1−
a−bZnaMnb)Al10O17の組成式で表され
る化合物(但し、x、y、zは各々、0≦x≦1、0≦
y≦1、0<z<1、0≦a≦1、0<b<1を満足す
る数値)の中に含まれるものである。
【0009】上記BaMgAl10O17:Eu2+や
(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2
+などのアルミン酸塩蛍光体以外の二価ユーロピウム付
活蛍光体としては、Sr10(PO4)6Cl2:Eu
2+などのハロりん酸塩蛍光体やSrMgP2O7:E
u2+などのりん酸塩蛍光体やBa3MgSi2O8:
Eu2+などのけい酸塩蛍光体やSrB4O7F:Eu
2+などの酸フッ化物蛍光体がある。
【0010】これらアルミン酸塩蛍光体以外の二価ユー
ロピウム付活蛍光体も、その合成方法にあっては、ほと
んどの蛍光体が蛍光体原料をそのまま還元雰囲気中で数
時間焼成して合成されている(上記蛍光体ハンドブック
参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法にあっては、蛍光体の形成過程
において、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体以外
の二価ユーロピウム付活蛍光体が中間蛍光体として形成
されるために、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体
中に、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体とは異な
る微量の中間蛍光体(以後、二価ユーロピウム含有中間
蛍光体と記述する)が混在して、合成後の二価ユーロピ
ウム付活蛍光体とともにこれが発光し、合成後の二価ユ
ーロピウム付活蛍光体の発光の色純度を下げるという課
題があった。
【0012】従来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造
方法にあっては、上記二価ユーロピウム含有中間蛍光体
の混在を防止することは不可能に近く、さらに、Eu2
+イオンの4f65d励起準位が結晶場の影響を受けや
すく、ごく僅かな蛍光体の組成ずれや結晶性の差異によ
って励起準位が微妙に変化する固有の性質を有すること
も相まって、二価ユーロピウム付活蛍光体の発光色が蛍
光体の製造ロットや蛍光体の焼成に使用する電気炉毎に
異なり、この発光色の変動を制御できない課題があっ
た。とりわけ、この二価ユーロピウム付活蛍光体の発光
色が変動する問題は、純度の良い青色発光を示す二価ユ
ーロピウム付活蛍光体で大きく取り上げられていた。
【0013】これは、上記純度の良い青色発光を示す二
価ユーロピウム付活蛍光体の従来の製造方法にあって、
視感度の高い緑色領域で発光する二価ユーロピウム含有
中間蛍光体が生成することによるものである。しかしな
がら、従来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法に
あっては、二価ユーロピウム含有中間蛍光体の混在を防
ぐ方法は見いだされていない。
【0014】一例として、従来の二価ユーロピウム付活
蛍光体の製造方法で製造したBaMgAl10O17:
Eu2+青色蛍光体(450nmにピークを有する青色
発光を示す)を取り上げると、二価ユーロピウム含有中
間蛍光体として500nmの緑色領域に発光ピークを有
するBaAl2O4:Eu2+が混在してBaMgAl
10O17:Eu2+青色蛍光体の青色純度を大きく下
げる課題があった。
【0015】従来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造
方法で製造した上記BaMgAl10O17:Eu2+
青色蛍光体の色純度は、CIE色度座標におけるxおよ
びy値の製造ロット毎の変動を図16に示すように、製
造ロット毎に大きく変動していた。図16は、とりわけ
y値が大きく変動し発光の青色純度が変動することを示
している。図16には、参考のために上記BaMgAl
10O17:Eu2+青色蛍光体の輝度の変動もプロッ
トした。
【0016】図16に示すように、従来の製造方法にあ
っては、発光の青色純度の変動による視感度の影響を受
けて、輝度が製造ロット毎に大きく変動する課題があっ
た。なお、図16は、BaMgAl10O17:Eu2
+青色蛍光体を254nmの紫外線で励起した時の発光
特性を調べた結果である。
【0017】本発明は、二価ユーロピウム付活蛍光体の
発光色の、製造ロットや蛍光体の焼成に使用する電気炉
毎の変動を大幅に抑制する蛍光体の製造方法を提供する
目的でなされたものであり、とりわけ、色純度の良好な
青色蛍光体を再現性良く供給する二価ユーロピウム付活
蛍光体の製造方法を提供する目的でなされたものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法に
あっては、蛍光体母体となる母体化合物と三価ユーロピ
ウム化合物を主体にしてなる混合体を反応させて二価ユ
ーロピウム付活蛍光体を製造する。
【0019】上記、母体化合物と三価ユーロピウム化合
物を主体にしてなる混合体は、蛍光体原料を反応させて
中間体として形成することもできる。
【0020】二価ユーロピウム付活蛍光体は、(Ba1
−x−y−zSrxCayEuz)(Mg1−a−bZ
naMnb)Al10O17の組成式で表される二価ユ
ーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体(但し、x、y、
z、a、bは、各々、0≦x≦1、0≦y≦1、0<z
<1、0≦a≦1、0<b<1を満足する数値)として
もよい。
【0021】上記(Ba1−x−y−zSrxCayE
uz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10O17
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体は、粒子の平均粒径が0.4μm以上20μm以
下の範囲内になるようにするのがよく、さらに、粒子形
状が、粒子の中心点から粒子表面の最も遠い点までの距
離をa、最も近い点までの距離をcとしたとき、0.5
≦c/a≦1.0を満足する球状もしくは擬球状の蛍光
体になるようにするのがよい。
【0022】さらに、粒径に分布を持ったn個の蛍光体
粒子の各粒径をd(n)、蛍光体の平均粒径をAとし
て、xA/100≦d(n)≦100A/xを満足する
xを粒径集中度としたとき、蛍光体の主体となる蛍光体
粒子の粒径集中度が75%以上100%以下になるよう
にすると一層よい。
【0023】上記(Ba1−x−y−zSrxCayE
uz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10O17
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体の製造方法にあっては、上記の母体化合物は(B
a1−x−ySrxCay)(Mg1−a−bZnaM
nb)Al10O17の組成式(但し、x、yは各々、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦a≦1、0<b<1を満
足する数値)で表される化合物にする。
【0024】さらに、三価ユーロピウム化合物は、酸化
ユーロピウムにしてもよいが、三価ユーロピウムとアル
ミニウムを含有する酸化物になるようにすると一層よ
く、とりわけ、AlEuO3やEuMgAl11O19
の化学式で表される酸化物にするのがよい。
【0025】上記(Ba1−x−y−zSrxCayE
uz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10O17
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体の製造方法にあっては、上記(Ba1−x−yS
rxCay)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10
O17の組成式で表される化合物と、上記三価ユーロピ
ウム化合物とを反応させて二価ユーロピウム付活蛍光体
を製造する。
【0026】更に、上記二価ユーロピウム付活アルミン
酸塩蛍光体の製造方法にあっては、蛍光体原料の中に、
ハロゲン化物を含まないようにするとよく、所望とする
二価ユーロピウム付活蛍光体の粒子形状と実質上同一の
粒子形状を有する酸化アルミニウムを含むようにすると
なおよい。
【0027】上記球状もしくは擬球状の粒子形状を有す
る二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を製造する
には、粒子の平均粒径が0.4μm以上20μm以下の
範囲内にあり、粒子形状が粒子の中心点から粒子表面の
最も遠い点までの距離をa、最も近い点までの距離をc
としたとき、0.5≦c/a≦1.0を満足する球状も
しくは擬球状の粒子形状を有する上記酸化アルミニウム
を上記蛍光体原料の中に含むようにする。
【0028】さらに、上記粒径集中度を有する二価ユー
ロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を製造するには、粒径
に分布を持ったn個の蛍光体粒子の各粒径をd(n)、
酸化アルミニウムの平均粒径をAとして、xA/100
≦d(n)≦100A/xを満足するxを粒径集中度と
したとき、主体となる粒子の粒径集中度が75%以上1
00%以下の範囲内にある酸化アルミニウムを上記蛍光
体原料の中に含むようにする。
【0029】また、上記蛍光体原料を反応させて上記混
合体を中間体として形成する二価ユーロピウム付活蛍光
体の製造方法にあっては、蛍光体原料を酸化雰囲気中で
反応させて中間体を形成する。酸化雰囲気は、雰囲気を
大気にするのが簡便でよい。
【0030】上記(Ba1−x−y−zSrxCayE
uz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10O17
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体の製造方法にあっては、酸化雰囲気中の温度を1
500℃以上1900℃以下の温度範囲内に限定して中
間体を形成する。
【0031】二価ユーロピウム付活蛍光体は上記混合体
を還元雰囲気中で反応させて製造することもできる。
【0032】上記(Ba1−x−y−zSrxCayE
uz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10O17
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体の製造方法にあっては、還元雰囲気中の温度を1
400℃以上1900℃以下の温度範囲内に限定して二
価ユーロピウム付活蛍光体を製造する。還元雰囲気は、
窒素と水素の混合ガス雰囲気にするのが簡便であり、還
元力も強いのでよい。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態1について説明する。図1は、本発明の二価
ユーロピウム付活蛍光体の製造方法を示す実施の形態1
のフローチャートである。
【0034】図1において、母体化合物製造工程は、蛍
光体母体となる母体化合物を得る工程であり、例えば、
バリウム化合物(酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バ
リウム、燐酸水素バリウム、塩化バリウム、フッ化バリ
ウムなど)、ストロンチウム化合物(酸化ストロンチウ
ム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、燐酸水
素ストロンチウム、塩化ストロンチウム、フッ化ストロ
ンチウムなど)、カルシウム化合物(酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、塩化カルシウ
ム、フッ化カルシウムなど)、マグネシウム化合物(酸
化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネ
シウム、フッ化マグネシウムなど)、燐化合物(燐酸水
素アンモニウム、五酸化燐など)、塩素化合物(塩化ア
ンモニウムなど)、フッ素化合物(フッ化アンモニウム
等)、ホウ素化合物(酸化ホウ素、ホウ酸など)、マン
ガン化合物(炭酸マンガン、金属マンガン等)、亜鉛化
合物(酸化亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、金属亜鉛な
ど)、アルミニウム化合物(酸化アルミニウム、フッ化
アルミニウムなど)、珪素化合物(二酸化珪素、窒化珪
素など)、ユーロピウム化合物以外の希土類化合物(酸
化セリウム、酸化テルビウム、酸化イットリウム、酸化
ランタンなど)のような母体化合物を形成する原料を所
定の割合で混合した後、原料同士を化学反応させて、例
えば、BaMgAl10O17や(Ba,Sr)MgA
l10O17などのアルミン酸塩蛍光体母体や、Sr1
0(PO4)6Cl2などのハロりん酸塩蛍光体母体や
SrMgP2O7などのりん酸塩蛍光体母体やBa3M
gSi2O8などのけい酸塩蛍光体母体やSrB4O7
Fなどの酸フッ化物蛍光体母体となる母体化合物を製造
している。
【0035】また、図1において、三価ユーロピウム化
合物製造工程は、三価ユーロピウム化合物を得る工程で
あり、例えば、ユーロピウム化合物(酸化ユーロピウ
ム、フッ化ユーロピウム、塩化ユーロピウムなど)と、
上記アルミニウム化合物、上記マグネシウム化合物、上
記燐化合物、上記珪素化合物、上記ホウ素化合物のよう
な三価ユーロピウム化合物を形成する原料を所定の割合
で混合した後、原料同士を化学反応させてAlEuO
3、EuMgAl11O19、EuPO4、EuP3O
9、EuOCl、EuCl3、Eu2PCl、Eu2S
iO5、Eu2Si2O7、EuF3、EuBO3など
の三価ユーロピウム化合物を製造している。
【0036】尚、三価ユーロピウム化合物には、アルミ
ニウム、マグネシウム、燐、珪素、ホウ素等のユーロピ
ウム以外の金属元素を含まない上記ユーロピウム化合物
(酸化ユーロピウム、フッ化ユーロピウム、塩化ユーロ
ピウムなど)も含まれる。
【0037】また、図1において、混合工程は、母体化
合物製造工程で製造した母体化合物と三価ユーロピウム
化合物製造工程で製造した三価ユーロピウム化合物(こ
の三価ユーロピウム化合物には、上記ユーロピウム以外
の金属元素を含まないユーロピウム化合物も含まれる)
とを主体にしてなる原料を混合して母体化合物と三価ユ
ーロピウム化合物を主体にしてなる混合体を得る工程で
あり、上記母体化合物(BaMgAl10O17や(B
a,Sr)MgAl10O17などのアルミン酸塩蛍光
体母体や、Sr10(PO4)6Cl2などのハロりん
酸塩蛍光体母体やSrMgP2O7などのりん酸塩蛍光
体母体やBa3MgSi2O8などのけい酸塩蛍光体母
体やSrB4O7Fなどの酸フッ化物蛍光体母体等)
と、上記三価ユーロピウム化合物(AlEuO3、Eu
MgAl11O19、Eu2O3、EuPO4、EuP
3O9、EuOCl、EuCl3、Eu2PCl、Eu
2SiO5、Eu2Si2O7、EuF3、EuBO3
など)を、ボールミルや自動乳鉢などの混合機を用いて
混合している。
【0038】さらに、図1において二価ユーロピウム付
活蛍光体生成工程は、所望とする二価ユーロピウム付活
蛍光体を得る工程であり、蛍光体製造装置を用いて二価
ユーロピウム付活蛍光体を製造している。
【0039】なお、二価ユーロピウム付活蛍光体を得る
方法には、上記混合体を還元雰囲気中(例えば、窒素と
水素の混合ガス雰囲気中)で焼成し、混合体を反応させ
て得る方法がある。
【0040】また、図1において、粉砕工程は、二価ユ
ーロピウム付活蛍光体生成工程を経て得られる二価ユー
ロピウム付活蛍光体の凝集体を粉砕して蛍光体粒子の個
別化を図る工程であり、粉砕機を用いて生成直後の二価
ユーロピウム付活蛍光体を粉砕している。
【0041】ふるい分け工程は、粉砕工程を経て得られ
る大小様々な二価ユーロピウム付活蛍光体の中の巨大粒
子を除去するとともに、粒子サイズを揃えるための工程
であり、ふるい分け機を用いて粉砕後の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体をふるい分けている。
【0042】また、洗浄工程は、微小粒子や可溶性不純
物物質やゴミを含むふるい分け後の二価ユーロピウム付
活蛍光体から、上記微小粒子や可溶性不純物物質やゴミ
を洗浄除去するための工程であり、純水や有機溶剤を用
いて二価ユーロピウム付活蛍光体を洗浄している。
【0043】また、乾燥工程は、水分や有機溶剤が残存
した洗浄工程後の二価ユーロピウム付活蛍光体から、水
分や有機溶剤を除去するための工程であり、乾燥機を用
いて二価ユーロピウム付活蛍光体を乾燥させている。
【0044】さらに、最終ふるい分け工程は、乾燥工程
を経た後の二価ユーロピウム付活蛍光体を最後に分級す
るための工程であり、ふるい分け機を用いて乾燥後の二
価ユーロピウム付活蛍光体を最終ふるい分けしている。
【0045】以上のように構成された二価ユーロピウム
付活蛍光体の製造方法について、以下その動作を述べ
る。
【0046】蛍光体母体となる母体化合物と三価ユーロ
ピウム化合物を主体にしてなる混合体を反応させて二価
ユーロピウム付活蛍光体を形成すると、二価ユーロピウ
ム付活蛍光体生成工程中に、所望とする二価ユーロピウ
ム付活蛍光体以外の二価ユーロピウム含有中間蛍光体が
生成するのを防止するように作用して、二価ユーロピウ
ム付活蛍光体生成工程を経た後に得られる二価ユーロピ
ウム付活蛍光体に、所望とする二価ユーロピウム付活蛍
光体とは異なる二価ユーロピウム含有中間蛍光体が混在
するのを無くすように作用する。
【0047】この作用により、所望とする二価ユーロピ
ウム付活蛍光体の発光をより純粋な発光色にする効果が
現れるとともに、上記二価ユーロピウム含有中間蛍光体
の混在量のばらつきによって、合成後の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の発光色が製造ロット毎にばらついたり、
焼成に使用する電気炉毎にばらついたりすることを大幅
に低減する効果も現れるようになる。
【0048】以上の説明では、二価ユーロピウム付活蛍
光体の製造方法が、母体化合物製造工程、三価ユーロピ
ウム化合物製造工程、混合工程、二価ユーロピウム付活
蛍光体生成工程、粉砕工程、ふるい分け工程、洗浄工
程、乾燥工程、最終ふるい分け工程を順に組み合わせて
なる場合を説明したが、本発明の二価ユーロピウム付活
蛍光体の製造方法は、蛍光体母体となる母体化合物と三
価ユーロピウム化合物を主体にしてなる混合体を反応さ
せて二価ユーロピウム付活蛍光体を形成しておればよ
く、工程の組合せが上記以外の場合や上記以外の工程を
付け加えた場合や、上記の工程の一部を除去した場合で
も同様に実施可能である。
【0049】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2について説明する。図2は、本発明の二価ユーロピ
ウム付活蛍光体の製造方法を示す実施の形態2のフロー
チャートである。
【0050】図2において、蛍光体原料混合工程は、蛍
光体原料を混合する工程であり、例えば、バリウム化合
物(酸化バリウム、炭酸バリウム、硝酸バリウム、燐酸
水素バリウム、塩化バリウム、フッ化バリウムなど)、
ストロンチウム化合物(酸化ストロンチウム、炭酸スト
ロンチウム、硝酸ストロンチウム、燐酸水素ストロンチ
ウム、塩化ストロンチウム、フッ化ストロンチウムな
ど)、カルシウム化合物(酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、燐酸水素カルシウム、塩化カルシウム、フッ化カ
ルシウムなど)、マグネシウム化合物(酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、フッ
化マグネシウムなど)、燐化合物(燐酸水素アンモニウ
ム、五酸化燐など)、塩素化合物(塩化アンモニウム
等)、フッ素化合物(フッ化アンモニウムなど)、ホウ
素化合物(酸化ホウ素、ホウ酸等)、マンガン化合物
(炭酸マンガン、金属マンガンなど)、亜鉛化合物(酸
化亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、金属亜鉛など)、アル
ミニウム化合物(酸化アルミニウム、フッ化アルミニウ
ムなど)、珪素化合物(二酸化珪素、窒化珪素など)、
ユーロピウム化合物以外の希土類化合物(酸化セリウ
ム、酸化テルビウム、酸化イットリウム、酸化ランタン
など)、ユーロピウム化合物(酸化ユーロピウム、フッ
化ユーロピウム、塩化ユーロピウムなど)のような二価
ユーロピウム付活蛍光体原料を、ボールミルや自動乳鉢
などの混合機を用いて所定の割合で混合している。
【0051】図2において、中間体製造工程は、上記二
価ユーロピウム付活蛍光体原料を反応させて、蛍光体母
体となる母体化合物と三価ユーロピウム化合物とを主体
にしてなる混合体を形成する工程であり、上記二価ユー
ロピウム付活蛍光体原料を反応させて、母体化合物(例
えば、BaMgAl10O17や(Ba,Sr)MgA
l10O17などのアルミン酸塩蛍光体母体や、Sr1
0(PO4)6Cl2などのハロりん酸塩蛍光体母体や
SrMgP2O7などのりん酸塩蛍光体母体やBa3M
gSi2O8などのけい酸塩蛍光体母体やSrB4O7
Fなどの酸フッ化物蛍光体母体)と、三価ユーロピウム
化合物(例えば、AlEuO3、EuMgAl11O1
9、EuPO4、EuP3O9、EuOCl、EuCl
3、Eu2PCl、Eu2SiO5、Eu2Si2O
7、EuF3、EuBO3などの)とを主体にしてなる
混合体を形成している。
【0052】さらに、図2において、二価ユーロピウム
付活蛍光体生成工程は、実施の形態1と同様、所望とす
る二価ユーロピウム付活蛍光体を得る工程であり、蛍光
体製造装置を用いて二価ユーロピウム付活蛍光体を製造
している。図2において、ふるい分け工程、洗浄工程、
乾燥工程、最終ふるい分け工程は、実施の形態1で説明
した通りであるのでここでは省略した。
【0053】以上のように構成された二価ユーロピウム
付活蛍光体の製造方法について、以下その動作を述べ
る。
【0054】所定の割合で混合した上記二価ユーロピウ
ム付活蛍光体原料を、中間体製造工程として例えば酸化
雰囲気中(大気中など)で反応させると、酸化雰囲気中
では二価ユーロピウムよりも三価ユーロピウムの方が化
学的に安定であることに起因して二価ユーロピウム化合
物は形成されず、しかも、上記二価ユーロピウム付活蛍
光体原料は、中間体製造工程を経ずにそのまま還元雰囲
気中で加熱すると所望とする二価ユーロピウム付活蛍光
体を生成する元素割合で混合しているので、中間体とし
て、蛍光体母体となる母体化合物(ユーロピウムを含有
せず)と三価ユーロピウム化合物とを主体にした混合体
を形成するように作用する。
【0055】すなわち、上記中間体製造工程(すなわち
酸化雰囲気中焼成)での二価ユーロピウム付活蛍光体原
料の反応は、前記二価ユーロピウム含有中間蛍光体の生
成を防止するとともに、中間体として上記混合体を生成
するように作用する。
【0056】その後、二価ユーロピウム付活蛍光体生成
工程において上記蛍光体母体となる母体化合物と三価ユ
ーロピウム化合物を主体にしてなる混合体を反応させて
二価ユーロピウム付活蛍光体を形成すると、実施の形態
1で説明したように、二価ユーロピウム付活蛍光体生成
工程中に、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体以外
の二価ユーロピウム含有中間蛍光体が生成するのを防止
するように作用して、二価ユーロピウム付活蛍光体生成
工程を経た後に得られる二価ユーロピウム付活蛍光体
に、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体とは異なる
二価ユーロピウム含有中間蛍光体が混在するのを無くす
ように作用する。
【0057】この作用により、所望とする二価ユーロピ
ウム付活蛍光体の発光をより純粋な発光色にする効果が
現れるとともに、上記二価ユーロピウム含有中間蛍光体
の混在量のばらつきによって、合成後の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の発光色が製造ロット毎にばらついたり、
焼成に使用する電気炉毎にばらついたりすることを大幅
に低減する効果も現れるようになる。
【0058】以上の説明では、二価ユーロピウム付活蛍
光体の製造方法が、蛍光体原料混合工程、中間体製造工
程、二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程、粉砕工程、
ふるい分け工程、洗浄工程、乾燥工程、最終ふるい分け
工程を順に組み合わせてなる場合を説明したが、本発明
の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法は、蛍光体原
料を反応させて、中間体として、蛍光体母体となる母体
化合物と三価ユーロピウム化合物を主体にしてなる混合
体を形成した後、混合体(すなわち中間体)を反応させ
て二価ユーロピウム付活蛍光体を製造しておればよく、
工程の組合せが上記以外の場合や、上記以外の工程を付
け加えた場合や、上記の工程の一部を除去した場合でも
同様に実施可能である。
【0059】また、以上の説明では、中間体製造工程と
して、酸化雰囲気中で焼成した場合を説明したが、本発
明の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法は、蛍光体
原料を反応させて、中間体として蛍光体母体となる母体
化合物と三価ユーロピウム化合物とを主体にしてなる混
合体を形成した後、混合体(すなわち中間体)を反応さ
せて二価ユーロピウム付活蛍光体を製造しておれば良
く、中間体製造工程は酸化雰囲気中の焼成以外の方法で
あっても同様に実施可能である。
【0060】
【実施例】(実施例1)本発明にかかる実施例1とし
て、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17の化学式
で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩青色蛍光
体の製造方法を実施の形態1で説明した二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法に従って説明する。
【0061】Ba0.9Eu0.1MgAl10O17
蛍光体の原料は、すべてハロゲン化物でない原料とし、
炭酸バリウム(平均粒径3μm、純度99.98%)、
酸化ユーロピウム(平均粒径3μm、純度99.99
%)、塩基性炭酸マグネシウム(平均粒径2μm、純度
99.99%)、酸化アルミニウム(平均粒径2μm、
純度99.999%)とした。
【0062】まず、母体化合物の製造工程として、上記
炭酸バリウム197g、塩基性炭酸マグネシウム95.
6g、酸化アルミニウム510gを、自動乳鉢を用いて
1時間混合し、炭酸バリウムと塩基性炭酸マグネシウム
と酸化アルミニウムからなるBaMgAl10O17母
体化合物を形成する原料の混合物を得た後、上記BaM
gAl10O17母体化合物を形成する原料の混合物を
アルミナボートに仕込み、箱形電気炉内に配置して大気
中で2時間焼成した。焼成温度は1600℃とした。
【0063】上記母体化合物を製造する一方で、三価ユ
ーロピウム化合物製造工程として、上記酸化ユーロピウ
ム176g、塩基性炭酸マグネシウム95.6g、酸化
アルミニウム561gを、自動乳鉢を用いて1時間混合
し、酸化ユーロピウムと塩基性炭酸マグネシウムと酸化
アルミニウムからなるEuMgAl11O19三価ユー
ロピウム化合物を形成する原料の混合物を得た後、上記
EuMgAl11O19三価ユーロピウム化合物を形成
する原料の混合物をアルミナボートに仕込み、箱形電気
炉内に配置して、大気中で2時間焼成した。焼成温度は
1800℃とした。
【0064】図3(a)は、母体化合物製造工程後の物
質のX線回折パターン、図3(b)は三価ユーロピウム
化合物製造工程後の物質のX線回折パターンである。図
3(a)は、母体化合物製造工程後の物質がBaMgA
l10O17母体化合物であることを示し、図3(b)
は、三価ユーロピウム化合物製造工程後の物質がEuM
gAl11O19三価ユーロピウム化合物であることを
示している。
【0065】その後、混合工程として、上記BaMgA
l10O17母体化合物633gとEuMgAl11O
19三価ユーロピウム化合物77.1gと、そして、微
量の炭酸バリウム(1.76g)と微量の酸化ユーロピ
ウム(0.174g)と微量の塩基性炭酸マグネシウム
(0.952g)とを、自動乳鉢を用いて1時間混合
し、BaMgAl10O17母体化合物とEuMgAl
11O19三価ユーロピウム化合物を主体にしてなるB
a0.9Eu0.1MgAl10O17アルミン酸塩蛍
光体を形成する原料の混合物を得た。
【0066】尚、微量添加した、炭酸バリウムと酸化ユ
ーロピウムと塩基性炭酸マグネシウムは、混合体の組成
が、0.9モルのBaMgAl10O17母体化合物と
0.1モルのEuMgAl11O19三価ユーロピウム
化合物だけを混合すると、Ba:Eu:Mg:Al=
0.891:0.0990:0.990:10となり、
Ba0.9Eu0.1MgAl10O17の化学式で表
される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体の化学
量論的からずれるので、Ba:Eu:Mg:Al=0.
9:0.1:1:10の化学量論的組成に調整するため
に添加したものである。
【0067】次に、二価ユーロピウム付活蛍光体生成工
程として、上記BaMgAl10O17母体化合物とE
uMgAl11O19三価ユーロピウム化合物を主体に
してなるBa0.9Eu0.1MgAl10O17二価
ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を形成する原料の
混合物をアルミナボートに仕込み、管状雰囲気炉内に配
置して、窒素と水素の混合ガスからなる還元雰囲気中で
2時間焼成した。
【0068】窒素と水素の流量は各々380cc/mi
nと20cc/minとし、焼成温度は1600℃とし
て、上記二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を全
く同じ製造条件で10回製造し、製造後のBa0.9E
u0.1MgAl10O17蛍光体の輝度と色度と結晶
構造を、各々、輝度測定装置、色度評価装置、X線回折
装置を用いて評価した。
【0069】なお、輝度と色度の評価には低圧水銀灯を
用い、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
に波長254nmの紫外線を照射して評価した。
【0070】とりわけ、従来の二価ユーロピウム付活蛍
光体の製造方法で課題となっていた、製造毎の輝度と発
光色のばらつきを評価した。
【0071】比較のために、上記炭酸バリウム178
g、酸化ユーロピウム17.6g、塩基性炭酸マグネシ
ウム95.6g、酸化アルミニウム510gを、自動乳
鉢を用いて1時間混合し、炭酸バリウムと酸化ユーロピ
ウムと塩基性炭酸マグネシウムと酸化アルミニウムから
なるBa0.9Eu0.1MgAl10O17二価ユー
ロピウム付活アルミン酸塩蛍光体を形成する原料の混合
物を、そのまま窒素と水素の混合ガスからなる還元雰囲
気中で2時間焼成したBa0.9Eu0.1MgAl1
0O17比較用蛍光体(すなわち従来の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法で製造したBa0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体)も同様に評価した。な
お、還元雰囲気中の焼成条件は先に説明した本発明の製
造方法でBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光
体を製造した場合と全く同じにした。
【0072】また、実施の形態1で説明した、二価ユー
ロピウム付活蛍光体生成工程後の、粉砕工程、ふるい分
け工程、洗浄工程、乾燥工程、最終ふるい分け工程は除
外した。
【0073】図4(a)および(b)は、本発明にかか
る二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造したB
a0.9Eu0.1MgAl10O17二価ユーロピウ
ム付活アルミン酸塩蛍光体のX線回折パターン(図4
(a))と、従来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造
方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体のX線回折
パターン(図4(b))の比較図である。
【0074】図4(a)および(b)のX線回折パター
ンは、いずれもBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体に固有のX
RDパターンからなっているので、いずれの蛍光体もB
a0.9Eu0.1MgAl10O17二価ユーロピウ
ム付活アルミン酸塩蛍光体であることを示している。
【0075】図5(a)および(b)は、本発明の二価
ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造した上記Ba
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の輝度(図
5(a))と、従来の製造方法で製造したBa0.9E
u0.1MgAl10O17比較用蛍光体の輝度(図5
(b))の、蛍光体製造回数毎の変動を調べ比較した比
較図である。
【0076】図5(a)および(b)に示すとおり、本
発明の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造し
た上記Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の輝度は、蛍光体製造回数による変動がほとんど認めら
れないのに対して、従来の製造方法で製造したBa0.
9Eu0.1MgAl10O17比較用蛍光体の輝度
は、蛍光体製造回数によって大きく変動した。
【0077】図5(a)および(b)の結果は、本発明
の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法によれば、従
来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で大きな課
題になっていた蛍光体製造回数にともなう輝度の変動の
問題を大幅に低減できることを示している。
【0078】一方、図6(a)および(b)は、本発明
の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造した上
記Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の発
光色のCIE色度座標におけるy値(図6(a))と、
従来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgA
l10O17比較用蛍光体の発光色のCIE色度座標に
おけるy値(図6(b))の、蛍光体製造回数毎の変動
を調べ比較した比較図である。
【0079】また、図7(a)および(b)は、本発明
の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造した上
記Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の発
光色のCIE色度座標におけるx値(図7(a))と、
従来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgA
l10O17比較用蛍光体の発光色のCIE色度座標に
おけるx値(図7(b))の、蛍光体製造回数毎の変動
を調べ比較した比較図である。
【0080】図6(a)および(b)、図7(a)およ
び(b)に示すとおり、本発明の二価ユーロピウム付活
蛍光体の製造方法で製造した上記Ba0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体の発光色のCIE色度座標に
おけるxおよびy値、とりわけy値が蛍光体製造回数に
よってほとんど変動しなかったのに対して、従来の製造
方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7比較用蛍光体の発光色のCIE色度座標におけるxお
よびy値、とりわけy値は蛍光体製造回数によって大き
く変動した。
【0081】蛍光体製造回数に対してy値が大きく変動
することは、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17
青色蛍光体を製造する際の製造条件を厳密に制御しなけ
れば発光色が一定のBa0.9Eu0.1MgAl10
O17青色蛍光体を製造することが困難であり、発光色
が純青色から緑がかった青色まで変動することを示し、
逆に、蛍光体製造回数に対して対してy値がほとんど変
化しないことは、Ba0.9Eu0.1MgAl10O
17青色蛍光体を製造する際の製造条件を厳密に制御し
なくとも発光色が一定のBa0.9Eu0.1MgAl
10O17青色蛍光体を製造できることを示している。
【0082】蛍光体の量産現場では、季節による温度の
変動、蛍光体の製造量や使用する電気炉の痛み具合や電
気炉の種類、さらには、作業者による作業方法の違い
や、蛍光体原料として用いる粉末粒子の大きさのばらつ
きなどが要因で、Ba0.9Eu0.1MgAl10O
17青色蛍光体の製造条件を厳密に制御することがほと
んど不可能であり、これが原因で、ロット毎に蛍光体の
発光特性がばらついている。このため、蛍光体製造回数
に対して発光特性がほとんど変動しないBa0.9Eu
0.1MgAl10O17青色蛍光体の製造方法が求め
られている。
【0083】図6(a)および(b)、図7(a)およ
び(b)の結果は、本発明の二価ユーロピウム付活蛍光
体の製造方法によれば、従来の二価ユーロピウム付活蛍
光体の製造方法で大きな課題になっていた蛍光体製造回
数にともなう発光色の変動の問題を大幅に低減できるこ
とを示し、本発明の二価ユーロピウム蛍光体の製造方法
が従来の製造方法よりも発光色が安定なBa0.9Eu
0.1MgAl10O17青色蛍光体を提供できる、蛍
光体の量産に理想的な蛍光体製造方法であることを示し
ている。
【0084】さらに、図6(a)および(b)におい
て、最も小さなy値を比較すると、本発明の製造方法で
製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光
体のy値は0.0549であるのに対して、従来の製造
方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7比較用蛍光体のy値は0.0570であり、本発明の
製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体のy値の方が小さな値を示した。
【0085】大きなy値は、Ba0.9Eu0.1Mg
Al10O17青色蛍光体の発光の青色純度が悪く緑色
がかっていることを示すものであり、y値が小さいほど
発光の青色純度が良好なことを示すので、図6(a)お
よび(b)は、本発明の二価ユーロピウム蛍光体の製造
方法が、従来の製造方法よりも発光の色純度の良好なB
a0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍光体を提
供できる製造方法であることも示している。
【0086】さらに、図5(a)および(b)と、図6
(a)および(b)の輝度とy値の絶対値に注目する
と、本発明の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体は、y値が小さいにも関わら
ず、従来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1M
gAl10O17蛍光体と同等の輝度を示した。
【0087】例えば、図5(a)および(b)、図6
(a)および(b)の製造ロット番号2のサンプルで比
較すると、本発明の製造方法で製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体のy値は0.0549
であるのに対して、従来の製造方法で製造したBa0.
9Eu0.1MgAl10O17比較用蛍光体のy値は
0.0578であり、本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体のy値の方
が小さな値を示したにもかかわらず、輝度の相対値は全
く同じ数値(93.1%)であった。
【0088】視感度が輝度に与える影響を補正すると、
同じ発光色のもとでは本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の方がおお
よそ5%高い輝度を示していると見なすことができた。
このことは、本発明の二価ユーロピウム蛍光体の製造方
法が、従来の製造方法よりも同じ発光色のもとでは、お
およそ5%高い輝度を示すBa0.9Eu0.1MgA
l10O17青色蛍光体を提供できる製造方法であるこ
とを示している。すなわち、本発明の二価ユーロピウム
蛍光体の製造方法が、従来の製造方法よりも、おおよそ
5%高い発光効率を示すBa0.9Eu0.1MgAl
10O17青色蛍光体を提供できる製造方法であること
を示すものである。
【0089】本発明の製造方法で製造したBa0.9E
u0.1MgAl10O17蛍光体の方が、従来の製造
方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7蛍光体よりも、明らかに高い発光効率を示すBa0.
9Eu0.1MgAl10O17蛍光体であることを証
明するために、励起波長254nmの照射条件のもとで
蛍光体の外部量子効率を測定した結果、従来の製造方法
で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍
光体の外部量子効率が73%であったのに対して、本発
明の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl
10O17蛍光体の外部量子効率は76%であり、本発
明の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl
10O17蛍光体の外部量子効率の方が約4%高い値を
示した。
【0090】これは、本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の方が従来
の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl1
0O17蛍光体の輝度よりも同じ発光色のもとで、4%
高い発光輝度を示すことを証明するものであり、本発明
の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法によれば、従
来の製造方法よりも発光輝度の高いBa0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体を製造できる効果もあるこ
とを示すものである。
【0091】なお、本発明の製造方法により製造したB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の方が、
従来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgA
l10O17蛍光体よりも、発光効率の高いBa0.9
Eu0.1MgAl10O17蛍光体を製造できる効果
も得られたのは、母体化合物製造工程と二価ユーロピウ
ム付活蛍光体生成工程で、蛍光体の母体化合物を二回焼
成したので、本発明の製造方法がBa0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体の母体の結晶性をいっそう改
善するように作用したことによると考えられる。
【0092】(実施例2)本発明にかかる実施例2とし
て、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17の化学式
で表される二価ユーロピウム付活アルミン酸塩青色蛍光
体の製造方法を実施の形態2で説明した二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法に従って説明する。
【0093】Ba0.9Eu0.1MgAl10O17
蛍光体の原料は、すべてハロゲン化物でない原料とし、
炭酸バリウム(平均粒径3μm、純度99.98%)、
酸化ユーロピウム(平均粒径3μm、純度99.99
%)、塩基性炭酸マグネシウム(平均粒径2μm、純度
99.99%)、酸化アルミニウム(平均粒径5μm、
純度99.999%)とした。
【0094】なお、上記酸化アルミニウムは、粒子の中
心点から粒子表面の最も遠い点までの距離をa、最も近
い点までの距離をcとしたとき、0.5≦c/a≦1.
0を満足する、粒子形状が擬球状の粒子であって、粒径
に分布を持ったn個の粒子の各粒径をd(n)、粒子の
平均粒径をAとして、xA/100≦d(n)≦100
A/xを満足するxを粒径集中度としたとき、粒径集中
度が80%の均一粒子径を有する酸化アルミニウム(α
−Al2O3)とした。このような酸化アルミニウムと
しては、例えば、アドバンストアルミナ(住友化学工業
株式会社)の商品名で販売されている酸化アルミニウム
がある。この酸化アルミニウムの電子顕微鏡写真を図8
に示した。
【0095】まず、蛍光体原料混合工程として、上記炭
酸バリウム178g、酸化ユーロピウム17.6g、塩
基性炭酸マグネシウム95.6g、酸化アルミニウム5
10gを、自動乳鉢を用いて1時間混合し炭酸バリウム
と酸化ユーロピウムと塩基性炭酸マグネシウムと酸化ア
ルミニウムからなるBa0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体原料の混合物を得た。
【0096】その後、中間体製造工程として、上記蛍光
体原料の混合物をアルミナボートに仕込み、箱形電気炉
内に配置して大気中で2時間焼成した。焼成温度は16
50℃とした。
【0097】次に、二価ユーロピウム付活蛍光体生成工
程として、上記大気中焼成後の焼成物を、乳鉢と乳棒を
用いて軽く粉砕した後、アルミナボートに仕込み、管状
雰囲気炉内に配置して、窒素と水素の混合ガスからなる
還元雰囲気中で2時間焼成した。
【0098】尚、窒素と水素の流量は各々380cc/
minと20cc/minとした。又、焼成温度は12
00℃から1700℃までおおよそ100℃刻みで変え
て、焼成後のBa0.9Eu0.1MgAl10O17
蛍光体の輝度と色度と結晶構造と粒子形状を、各々、輝
度測定装置、色度評価装置、X線回折装置、電子顕微鏡
を用いて評価した。
【0099】なお、輝度と色度の評価には低圧水銀灯を
用い、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
に波長254nmの紫外線を照射して評価した。
【0100】比較のために、上記大気中焼成(すなわち
中間体製造工程)を行わずに、上記混合工程の後の蛍光
体原料の混合物をそのまま還元雰囲気中で焼成したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17比較用蛍光体(す
なわち従来の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で
製造した蛍光体)も評価した。還元雰囲気中の焼成条件
は上記本発明の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法
で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍
光体と全く同じにした。
【0101】なお、実施の形態2で説明した、二価ユー
ロピウム付活蛍光体生成工程後の、粉砕工程、ふるい分
け工程、洗浄工程、乾燥工程、最終ふるい分け工程は除
外した。
【0102】図9(a)は、上記大気中焼成(すなわち
中間体製造工程)の後の焼成物のX線回折パターンであ
る。
【0103】図9(a)のX線回折パターンは、BaM
gAl10O17化合物に固有のXRDパターン(参考
のために図9(b)に示す)とAlEuO3化合物に固
有のXRDパターン(参考のために図9(c)に示す)
からなっているので、中間体製造工程後の焼成物が、B
aMgAl10O17化合物(すなわちBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体の蛍光体母体)と、A
lEuO3化合物(すなわち三価ユーロピウムとアルミ
ニウムを含有する三価ユーロピウム化合物)の混合物を
主体とする物質であることを示している。
【0104】なお、AlEuO3化合物は、化合物粉末
の色が暗褐色であり、波長254nmの紫外線の照射の
もとで全く発光しない非発光物質である。
【0105】図10は、本発明の二価ユーロピウム付活
蛍光体の製造方法で製造した上記Ba0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体と、混合工程の後の蛍光体原
料の混合物をそのまま還元雰囲気中で焼成する従来の製
造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O
17比較用蛍光体の、輝度およびCIE色度座標におけ
るxおよびy値を比較した図である。図10では、還元
雰囲気中の焼成温度を1200℃から1700℃までお
およそ100℃刻みで変えたときの輝度とxおよびy値
を示している。
【0106】還元雰囲気中の焼成温度を1200℃から
1700℃までおおよそ100℃刻みで変えた時のCI
E色度座標のy値の変化に注目すると、図10に示す通
り、本発明の製造方法で製造した上記Ba0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体のy値は、0.054
8から0.0552の範囲内にあり、ほとんど変化しな
かったのに対して、従来の製造方法で製造したBa0.
9Eu0.1MgAl10O17比較用蛍光体のy値
は、0.1752から0.0578まで焼成温度の上昇
とともに大きく変動した。
【0107】焼成温度に対してy値が大きく変動するこ
とは、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍
光体を製造する際の焼成温度を厳密に制御しなければ、
発光色が一定のBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7青色蛍光体を製造することが困難であり、発光色が純
青色から緑がかった青色まで変動することを示し、逆
に、焼成温度に対してy値がほとんど変化しないこと
は、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍光
体を製造する際の焼成温度を厳密に制御しなくとも発光
色が一定のBa0.9Eu0.1MgAl10O17青
色蛍光体を製造できることを示している。
【0108】実施例1でも説明した通り、蛍光体の量産
現場では、季節による温度の変動、蛍光体の製造量や使
用する電気炉の痛み具合や電気炉の種類、さらには、作
業者による作業方法の違いなどが要因で、Ba0.9E
u0.1MgAl10O17青色蛍光体の焼成温度を厳
密に制御することがほとんど不可能であり、これが原因
で、ロット毎に蛍光体の発光特性がばらついている。こ
のため、焼成温度に対して発光特性がほとんど変動しな
いBa0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍光体
の製造方法が求められている。
【0109】図10は、本発明の二価ユーロピウム蛍光
体の製造方法が従来の製造方法よりも発光色が安定なB
a0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍光体を提
供できる、蛍光体の量産に理想的な蛍光体製造方法であ
ることを示している。
【0110】更に図10において、最も小さなy値を比
較すると、本発明の製造方法で製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体のy値は0.0548
であるのに対して、従来の製造方法で製造したBa0.
9Eu0.1MgAl10O17比較用蛍光体のy値は
0.0578であり、本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体のy値の方
が小さな値を示した。
【0111】実施例1でも説明した通り、大きなy値
は、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍光
体の発光の青色純度が悪く緑色がかっていることを示す
ものであり、y値が小さいほど発光の青色純度が良好な
ことを示すので、図10は、本発明の二価ユーロピウム
蛍光体の製造方法が、従来の製造方法よりも発光の色純
度の良好なBa0.9Eu0.1MgAl10O17青
色蛍光体を提供できる製造方法であることを示してい
る。
【0112】更に図10において、y値が0.06以下
の青色純度が良好な条件のもとで、同一の焼成温度で製
造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17青色蛍
光体(一例として1600℃の還元雰囲気中で焼成した
蛍光体の場合を記述する)の相対輝度に注目すると、図
10に示すように従来の製造方法で製造したBa0.9
Eu0.1MgAl10O17蛍光体の相対輝度を11
3とすると、本発明の製造方法で製造したBa0.9E
u0.1MgAl10O17蛍光体の相対輝度は110
あった。
【0113】この値は、従来の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の相対輝度
を100とすると、本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の相対輝度
は97.3に相当する。
【0114】従来の製造方法で製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体のy値は0.0592
であり、本発明の製造方法で製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体のy値は0.0550
であり発光色が異なっているので、視感度が輝度に与え
る影響を補正すると、同じ発光色のもとでは本発明の製
造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl10O
17蛍光体の方がおおよそ5%高い輝度を示していると
見なすことができた。
【0115】このことは、本発明の二価ユーロピウム蛍
光体の製造方法が、従来の製造方法よりも同じ発光色の
もとではおおよそ5%高い輝度を示すBa0.9Eu
0.1MgAl10O17青色蛍光体を提供できる製造
方法であることを示している。すなわち、本発明の実施
例2にかかる二価ユーロピウム蛍光体の製造方法が、実
施例1と同様に、従来の製造方法よりもおおよそ5%高
い発光効率を示すBa0.9Eu0.1MgAl10O
17青色蛍光体を提供できる製造方法であることを示す
ものである。
【0116】本発明の実施例2にかかる製造方法で製造
したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の
方が、実施例1と同様に、従来の製造方法で製造したB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体よりも、
明らかに高い発光効率を示すBa0.9Eu0.1Mg
Al10O17蛍光体であることを証明するために、励
起波長254nmの照射条件のもとで蛍光体の外部量子
効率を測定した。
【0117】この結果、実施例1でも説明したように従
来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl
10O17蛍光体の外部量子効率が73%であったのに
対して、本発明の製造方法で製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体の外部量子効率は、本
発明の実施例1の製造方法にかかるBa0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体と同様に76%であり、本
発明の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgA
l10O17蛍光体の外部量子効率の方が約4%高い値
を示した。
【0118】これは、本発明の製造方法で製造したBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の方が従来
の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgAl1
0O17蛍光体の輝度よりも同じ発光色のもとで、4%
高い発光輝度を示すことを証明するものであり、本発明
の実施例2にかかる二価ユーロピウム付活蛍光体の製造
方法によれば、実施例1にかかる製造方法と同様に、従
来の製造方法よりも発光輝度の高いBa0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体を製造できる効果もあるこ
とを示すものである。
【0119】なお、本発明の製造方法により製造したB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の方が、
従来の製造方法で製造したBa0.9Eu0.1MgA
l10O17蛍光体よりも、発光効率の高いBa0.9
Eu0.1MgAl10O17蛍光体を製造できる効果
も得られたのは、中間体製造工程と二価ユーロピウム付
活蛍光体生成工程で、蛍光体原料を二回焼成したので、
本発明の製造方法がBa0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体の結晶性をいっそう改善するように作用し
たことによると考えられる。
【0120】図11は、上記本発明の製造方法により製
造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の電子顕微鏡写真である。
【0121】図11は、上記Ba0.9Eu0.1Mg
Al10O17蛍光体が、おおよそ5μmに蛍光体粒子
の平均粒径を有し、かつ、粒子の中心点から粒子表面の
最も遠い点までの距離をa、最も近い点までの距離をc
としたとき、0.5≦c/a≦1.0を満足する、擬球
状の粒子形状を有し、粒径に分布を持ったn個の蛍光体
粒子の各粒径をd(n)、蛍光体の平均粒径をAとし
て、xA/100≦d(n)≦100A/xを満足する
xを粒径集中度としたとき、おおよそ80%の粒径集中
度を有する、均一粒径の擬球状蛍光体であることを示し
ている。
【0122】また、図11と図8との比較から、上記B
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の粒子形
状が、蛍光体原料として用いた上記酸化アルミニウムの
粒子形状と実質上同一であることがわかる。
【0123】なお、本発明の二価ユーロピウム付活蛍光
体の製造方法にかかる前記二価ユーロピウム付活アルミ
ン酸塩蛍光体の製造方法にあって、蛍光体原料がハロゲ
ン化物を含まないようにし、かつ、酸化アルミニウムを
含むようにすると、このように酸化アルミニウムと実質
上同一の粒子形状や粒子サイズを有する二価ユーロピウ
ム付活蛍光体を製造することができる。
【0124】以下、本発明の実施例1および2にかかる
二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法によって、上記
Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の発光
色の変動を大幅に低減できることの科学的根拠を調べた
結果を記述する。
【0125】図12は、従来の製造方法で、蛍光体製造
工程における焼成温度を変えて製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体の構成物をX線回折法
で調べたX線回折パターンである。図12のX線回折パ
ターンは、上記焼成温度が1400℃よりも低い場合に
は、焼成物の中に、原料に用いたAl2O3と反応中間
生成物のBaAl2O4化合物が多量に混在することを
示している。
【0126】さらに、焼成温度が1600℃の場合に上
記Al2O3とBaAl2O4化合物の混在がほとんど
なくなって、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17
蛍光体が生成することを示している。
【0127】尚、Eu2+イオンは、イオン半径が1.
09Åの二価のイオンであり、Ba2+(イオン半径
1.43Å、二価)以外のイオン(Mg2+(イオン半
径0.78Å、二価)、Al3+(イオン半径0.57
Å、三価))と比較すると、イオン半径が小さかったり
価数が異なっていたりするので、上記Mg2+イオンと
Al3+イオンに置き換わって存在することはできず、
Ba2+(イオン半径1.43Å、二価)に置き換わっ
て存在している。
【0128】すなわち、焼成温度が1400℃よりも低
い場合には、焼成物の中には、Ba0.9Eu0.1M
gAl10O17蛍光体以外の混在物として、Al2O
3とBa0.9Eu0.1Al2O4化合物が多量に混
在しているといえる。
【0129】なお、Ba0.9Eu0.1Al2O4化
合物は、緑色に発光する二価ユーロピウム付活蛍光体で
あり、後で発光スペクトルを示すように、励起波長25
4nmの励起条件のもとで明るく発光する高発光効率物
質である。すなわち、図12は、Ba0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体の二価ユーロピウム付活蛍光
体生成工程において、高発光効率物質となる二価ユーロ
ピウム含有中間蛍光体のBa0.9Eu0.1Al2O
4を生成することを示している。
【0130】図13は、従来の製造方法で、蛍光体製造
工程における焼成温度を変えて製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体を構成する物質(すな
わち、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17二価ユ
ーロピウム付活蛍光体、Ba0.9Eu0.1Al2O
4二価ユーロピウム含有中間蛍光体、Al2O3)のX
線回折強度を、横軸を焼成温度(絶対温度)の逆数とし
てまとめた図である。参考のために、横軸には焼成温度
も書き加えた。
【0131】図13は、従来の製造方法で、二価ユーロ
ピウム付活蛍光体生成工程における焼成温度を変えてB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体を製造し
た場合には、焼成の途中で二価ユーロピウム含有中間蛍
光体のBa0.9Eu0.1Al2O4が生成し、その
後Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピウム含
有中間蛍光体とAl2O3とが反応して、所望とするB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体が生成さ
れることを示している。
【0132】図13の実験結果は、従来の製造方法で、
二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程における焼成温度
を変えてBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光
体を製造したときにはBa0.9Eu0.1Al2O4
二価ユーロピウム含有中間蛍光体が混在しやすく、とり
わけ焼成温度が低い場合に上記二価ユーロピウム含有中
間蛍光体が明らかに混在することを示している。
【0133】なお、MgがBa0.9Eu0.1MgA
l10O17蛍光体の生成途中でどのような状態で存在
しているかは残念ながら十分把握できなかった。
【0134】図14は、従来の製造方法で、蛍光体製造
工程における焼成温度を変えて製造したBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体を254nmの紫外線
で励起したときの発光スペクトルである。参考のため
に、Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピウム
含有中間蛍光体の発光スペクトルも同図に示した。図1
4に示すように、Ba0.9Eu0.1Al2O4二価
ユーロピウム含有中間蛍光体は、500nmに発光ピー
クを持つ緑色蛍光体である。
【0135】1200℃の低い焼成温度でBa0.9E
u0.1MgAl10O17蛍光体を焼成した場合に
は、図12および13で示したようにBa0.9Eu
0.1Al2O4二価ユーロピウム含有中間蛍光体が混
在して、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光
体とBa0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピウム
含有中間蛍光体の両方が発光するので、図14に示すよ
うに、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の青色発光(ピーク波長はおおよそ450nmにあ
る。)にBa0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピ
ウム含有中間蛍光体の緑色発光(ピーク波長は500n
mにある。)が加わり、発光色が緑がかった青色になっ
て、CIE色度座標におけるy値の上昇と、視感度の影
響による輝度の上昇につながっている。
【0136】従来の製造方法でBa0.9Eu0.1M
gAl10O17蛍光体を製造した場合には、以上説明
したような生成過程を経ているので、焼成温度を170
0℃以上にして蛍光体原料同士の化学反応を促進させて
も、実質上Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロ
ピウム含有中間蛍光体の混在を完全に防ぐことが困難で
あり、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の発光の青色純度を下げたり、蛍光体の発光色がばらつ
いたりする原因になっている。
【0137】本発明の二価ユーロピウム付活蛍光体の製
造方法は、Ba0.9Eu0.1MgAl10O17青
色蛍光体において発光色がばらつく原因をこのように完
全に解明し、科学的根拠を明らかにし、この科学的根拠
をもとに対処策を考案してなされたものである。
【0138】本発明の実施例1にかかる二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法によれば、母体化合物製造工程
によって、まず、母体化合物のBaMgAl10O17
化合物を製造し、さらに三価ユーロピウム化合物製造工
程によって、あらかじめ、三価ユーロピウム化合物のE
uMgAl11O19化合物(本化合物は、三価ユーロ
ピウムとアルミニウムを含有する三価ユーロピウム化合
物であり、波長254nmの紫外線の照射のもとでほと
んど発光しない低発光効率物質)の混合物にしてから、
Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体を生成
するので、BaCO3とAl2O3とEu2O3の化学
反応によるBa0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロ
ピウム含有中間蛍光体の生成を完全に防ぐことができ、
Ba0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体だけを
形成することができるので、Ba0.9Eu0.1Al
2O4二価ユーロピウム含有中間蛍光体の混在によるB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の発光の
青色純度の低下や、Ba0.9Eu0.1Al2O4二
価ユーロピウム含有中間蛍光体蛍光体の生成量のばらつ
きによるBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光
体の発光色のばらつきをほぼ完全に無くすことができ、
青色純度の良好なBa0.9Eu0.1MgAl10O
17蛍光体を再現性よく製造することができる。
【0139】図6で説明したように、本発明の実施例1
にかかる二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製造
したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の
方が、CIE色度座標において小さなy値を示した理由
は、このように本発明の二価ユーロピウム付活蛍光体の
製造方法によってBa0.9Eu0.1MgAl10O
17蛍光体中のBa0.9Eu0.1Al2O4二価ユ
ーロピウム含有中間蛍光体の混在を防止できたことによ
るものである。
【0140】又、本発明の実施例2にかかる二価ユーロ
ピウム付活蛍光体の製造方法によれば、図9で説明した
ように、大気中焼成(すなわち中間体製造工程)によっ
て、一旦、BaMgAl10O17化合物と、AlEu
O3化合物(本化合物は、三価ユーロピウムとアルミニ
ウムを含有する三価ユーロピウム化合物であり、波長2
54nmの紫外線の照射のもとで全く発光しない非発光
物質)の混合物にしてから、Ba0.9Eu0.1Mg
Al10O17蛍光体を生成するので、BaCO3とA
l2O3とEu2O3の反応によるBa0.9Eu0.
1Al2O4二価ユーロピウム含有中間蛍光体の生成を
実施例1と同様に完全に防ぐことができ、Ba0.9E
u0.1MgAl10O17蛍光体だけを形成すること
ができるので、Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユ
ーロピウム含有中間蛍光体の混在によるBa0.9Eu
0.1MgAl10O17蛍光体の発光の青色純度の低
下や、Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピウ
ム含有中間蛍光体蛍光体の生成量のばらつきによるBa
0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の発光色の
ばらつきをほぼ完全に無くすことができ、青色純度の良
好なBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体を
再現性よく製造することができる。
【0141】参考のために、本発明の製造方法の一実施
例としてのBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍
光体の製造方法にかかる大気中焼成後(すなわち中間体
製造工程後)の焼成物のX線回折パターンを図15
(b)に、この焼成物を還元雰囲気中で焼成した(すな
わち二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程を経た)後の
焼成物のX線回折パターンを図15(a)に示した。
【0142】図15(b)は上記大気中焼成後の焼成物
が、図9でも示したように、BaMgAl10O17化
合物とAlEuO3化合物の混合体であることを示し、
図15(a)は、上記大気中焼成後の焼成物を還元雰囲
気中で焼成した焼成物がBa0.9Eu0.1MgAl
10O17蛍光体であることを示している。
【0143】なお、図15(b)に示す大気中焼成後の
焼成物は、波長254nmの紫外線照射のもとではほと
んど発光しない物質であったが、図15(a)に示す還
元雰囲気中焼成後の焼成物は、波長254nmの紫外線
照射のもとで、ピーク波長450nmの青色発光を示す
物質、すなわち明らかにBa0.9Eu0.1MgAl
10O17蛍光体であった。
【0144】図10で説明したように、本発明の実施例
2にかかる二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法で製
造したBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の方が、CIE色度座標において小さなy値を示した理
由は、このように本発明の二価ユーロピウム付活蛍光体
の製造方法によってBa0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体中のBa0.9Eu0.1Al2O4二価
ユーロピウム含有中間蛍光体の混在をほぼ完全に防止で
きたことによるものである。
【0145】なお、実施例1および2では、二価ユーロ
ピウム付活蛍光体の代表例としてBa0.9Eu0.1
MgAl10O17の化学式で表されるアルミン酸塩蛍
光体の製造方法の場合を記述したが、本発明は、上記説
明した科学的根拠に基づいてなされたものであるので、
蛍光体母体原料を反応させて母体化合物を形成し、その
一方で、三価ユーロピウム化合物原料を反応させて三価
ユーロピウム化合物を形成し、その後、母体化合物と三
価ユーロピウム化合物を主体にする混合物を反応させ
て、二価ユーロピウム付活蛍光体を製造したり、蛍光体
原料を反応させて中間体として上記混合体を形成し、そ
の後、中間体を反応させて製造したりしておればよく、
Ba0.9Eu0.1MgAl10O17の化学式で表
される蛍光体以外の二価ユーロピウム付活アルミン酸塩
蛍光体(例えば、((Ba,Sr)MgAl10O1
7:Eu2+、(Ba,Sr)MgAl10O17:E
u2+,Mn2+、Sr4Al14O25:Eu2+蛍
光体など)や、アルミン酸塩蛍光体以外の二価ユーロピ
ウム付活蛍光体(例えば、Sr10(PO4)6Cl
2:Eu2+などのハロりん酸塩蛍光体、SrMgP2
O7:Eu2+などのりん酸塩蛍光体、Ba3MgSi
2O8:Eu2+などのけい酸塩蛍光体、SrB4O7
F:Eu2+などの酸フッ化物蛍光体)などでも同様に
実施可能である。
【0146】さらに実施例1および2では、(Ba1−
x−y−zSrxCayEuz)(Mg1−a−bZn
aMnb)Al10O17の組成式で表される化合物
(但し、x、y、z、a、bは各々、0≦x≦1、0≦
y≦1、0<z<1、0≦a≦1、0<b<1を満足す
る数値)が主体の二価ユーロピウム付活蛍光体の代表と
してBa0.9Eu0.1MgAl10O17の組成の
蛍光体の場合を説明したが、その他の組成の(Ba1−
x−y−zSrxCayEuz)(Mg1−a−bZn
aMnb)Al10O17蛍光体であっても同様に実施
可能である。
【0147】また、実施例2では、Ba0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体の代表例として、蛍光体粒
子の平均粒径がおおよそ5μmにあり、かつ、粒子形状
が、粒子の中心点から粒子表面の最も遠い点までの距離
をa、最も近い点までの距離をcとしたとき、0.5≦
c/a≦1.0を満足する、擬球状の蛍光体であって、
粒径に分布を持ったn個の蛍光体粒子の各粒径をd
(n)、蛍光体の平均粒径をAとして、xA/100≦
d(n)≦100A/xを満足するxを粒径集中度とし
たとき、蛍光体の主体となる蛍光体粒子の粒径集中度が
おおよそ80%の、均一粒径の擬球状蛍光体の場合を説
明したが、5μm以外の粒径であっても同様に実施可能
であるし、擬球状以外の粒子形状であっても同様に実施
可能であるし、80%以外の粒径集中度であっても同様
に実施可能である。
【0148】蛍光ランプやPDPに用いるためには、
0.4μmから20μmの範囲内の蛍光体が有用である
し、さらに粒子形状を球状もしくは擬球状にすると蛍光
体粒子の比表面積が小さくなるので、蛍光ランプやPD
Pに用いるとイオン衝撃による蛍光体の劣化を低減する
ことができ、これにもとづく蛍光体の輝度低下を低減す
ることができる。
【0149】さらに、イオン衝撃によって極度に劣化す
る微小粒子を含まないように粒径集中度を高めて75%
以上100%以下の範囲内になるようにし、粒子サイズ
が均一になるようにすると、上記イオン衝撃による蛍光
体の発光の性能劣化をさらに低減することができる。
【0150】また、実施例1では、アルミン酸塩蛍光体
であるBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の母体化合物(BaMgAl10O17)と三価ユーロ
ピウム化合物(EuMgAl11O19)を、ハロゲン
化合物でないアルカリ土類金属化合物のBaCO3およ
びMgCO3とハロゲン化合物でないアルミニウム化合
物のAl2O3、及び、ハロゲン化合物でない希土類化
合物のEu2O3を、二価ユーロピウム付活蛍光体のB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体の原料と
した製造方法の場合を説明し、実施例2では、アルミン
酸塩蛍光体であるBa0.9Eu0.1MgAl10O
17蛍光体を、ハロゲン化合物でないアルカリ土類金属
化合物のBaCO3およびMgCO3と、ハロゲン化合
物でない希土類化合物のEu2O3と、ハロゲン化合物
でないアルミニウム化合物のAl2O3を、二価ユーロ
ピウム付活蛍光体のBa0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体の原料とした製造方法の場合を説明した
が、その他のアルミン酸塩蛍光体を生成し得る蛍光体原
料であっても同様に実施可能である。その他の蛍光体原
料としては、フッ化アルミニウムやフッ化マグネシウム
やフッ化ユーロピウムなどのハロゲン化物も含まれる。
【0151】なお、Ba0.9Eu0.1MgAl10
O17蛍光体を、ハロゲン化物のフッ化アルミニウムや
フッ化マグネシウムやフッ化ユーロピウムなどのフッ化
物を原料の一部として用いた場合、従来の製造方法で
は、二価ユーロピウム含有中間蛍光体として前記のBa
0.9Eu0.1Al2O4だけでなく、Ba1−xE
uxMgF4(420nmに発光ピークを有する紫色蛍
光体、xは、0<x<1を満足する数値)も生成して、
さらにBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体
の発光色がばらつく原因になることを見いだすこともで
きている。
【0152】また、前記アルミン酸塩蛍光体を生成し得
る蛍光体原料としてハロゲン化物を蛍光体原料に含むよ
うにすると、製造したアルミン酸塩蛍光体の粒子形状が
六角板上になり、かつ、粒子サイズがまちまちになって
粒径集中度が小さくなるように作用する。
【0153】この作用によって、先に説明したようなイ
オン衝撃による蛍光体の劣化を低減する効果を有する球
状もしくは擬球状の粒子形状を有するアルミン酸塩蛍光
体を製造できなくなるので、球状もしくは擬球状の粒子
形状を有するアルミン酸塩蛍光体を製造するためには、
すべての蛍光体原料をハロゲン化物でない化合物にする
のがよい。
【0154】又、Ba0.9Eu0.1MgAl10O
17アルミン酸塩蛍光体の場合を記述した上記実施例1
では、母体化合物と三価ユーロピウム化合物とがBaM
gAl10O17とEuMgAl11O19とである場
合を説明したが、本発明は、上記説明した科学的根拠に
基づいてなされたものであるので、母体化合物はBaM
gAl10O17以外の蛍光体母体であっても構わない
し、三価ユーロピウム化合物はEuMgAl11O19
以外の三価ユーロピウム化合物(例えば、AlEuO
3)であっても構わない。
【0155】例えば、BaMgAl10O17蛍光体母
体とAlEuO3三価ユーロピウム化合物を主体にして
なる混合体を化学反応させて、二価ユーロピウム付活B
a0.9Eu0.1MgAl10O17アルミン酸塩蛍
光体を製造しても、同様の効果を得ることができた。
【0156】一方、Ba0.9Eu0.1MgAl10
O17アルミン酸塩蛍光体の場合を記述した上記実施例
2では、中間体となるBaMgAl10O17母体化合
物とAlEuO3と三価ユーロピウム化合物を主体にし
た混合体を生成する中間体製造工程が大気中熱処理であ
る場合を説明したが、本発明は、上記説明した科学的根
拠に基づいてなされたものであるので、中間体製造工程
は大気中熱処理以外の工程であっても構わない。
【0157】さらに、Ba0.9Eu0.1MgAl1
0O17蛍光体の場合を記述した上記実施例2では、前
記中間体製造工程となる大気中焼成工程の焼成温度を1
650℃とした製造方法の場合を説明したが、1500
℃以上1900℃以下の範囲内にある大気中焼成工程で
あっても同様に実施可能である。
【0158】なお、上記大気中焼成温度が1500℃未
満の場合では、上記BaMgAl10O17母体化合物
とAlEuO3三価ユーロピウム化合物とを主体にして
なる完全な混合体にすることができず、中間体として、
Ba0.9Eu0.1Al2O4二価ユーロピウム含有
中間蛍光体の生成に寄与するBaAl2O4中間化合物
を生成して、この結果、二価ユーロピウム付活蛍光体生
成工程後のBa0.9Eu0.1MgAl10O17蛍
光体に、微量ながらBa0.9Eu0.1Al2O4二
価ユーロピウム含有中間蛍光体が混在するようになるの
で、大気中焼成温度の下限は1500℃にして、蛍光体
原料をBaMgAl10O17母体化合物とAlEuO
3三価ユーロピウム化合物とを主体にしてなる完全な混
合体にするのがよい。一方、上記大気中焼成温度が19
00℃以上の場合では、中間体製造工程中に生成物が融
解して粉末の状態を保つことができなくなるので、大気
中焼成温度の上限は1900℃にするのがよい。
【0159】尚、上記大気中焼成工程の焼成温度範囲
は、蛍光体がBa0.9Eu0.1MgAl10O17
蛍光体以外の組成の上記(Ba1−x−y−zSrxC
ayEuz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al10
O17蛍光体の場合でも、上記と全く同じ理由によっ
て、1500℃以上1900℃以下に限定するのがよ
い。
【0160】さらに、Ba0.9Eu0.1MgAl1
0O17蛍光体の場合を記述した上記実施例1および2
では、二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程を還元雰囲
気中焼成工程とした二価ユーロピウム付活蛍光体の製造
方法の場合を説明したが、本発明は上記説明した科学的
根拠に基づいてなされたものであるので、二価ユーロピ
ウム付活蛍光体生成工程は還元雰囲気中焼成工程以外の
工程であっても同様に実施可能である。
【0161】さらに、Ba0.9Eu0.1MgAl1
0O17蛍光体の場合を記述した上記実施例1および2
では、前記二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程となる
還元雰囲気中焼成工程の焼成温度を1600℃とした二
価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法の場合を説明した
が、1400℃以上1900℃以下の範囲内にある還元
雰囲気中焼成工程であっても同様に実施可能である。
【0162】なお、上記還元雰囲気中焼成温度が140
0℃以下の場合では、化学反応の進行速度が遅いのでB
a0.9Eu0.1MgAl10O17蛍光体を十分に
生成することができず、この結果、Ba0.9Eu0.
1MgAl10O17蛍光体の輝度が低くなるので、還
元雰囲気中焼成温度の下限は1400℃にするのがよ
い。一方、上記還元雰囲気焼成温度が1900℃以上の
場合では、二価ユーロピウム付活Ba0.9Eu0.1
MgAl10O17蛍光体製造工程中に生成物が融解し
て粉末の状態を保つことができなくなるので、還元雰囲
気中焼成温度の上限は1900℃にするのがよい。
【0163】なお、上記還元雰囲気中焼成工程(すなわ
ち二価ユーロピウム付活蛍光体生成工程)の焼成温度範
囲は、蛍光体がBa0.9Eu0.1MgAl10O1
7蛍光体以外の組成の上記(Ba1−x−y−zSrx
CayEuz)(Mg1−a−bZnaMnb)Al1
0O17蛍光体の場合でも、上記と全く同じ理由によっ
て、1400℃以上1900℃以下に限定するのがよ
い。
【0164】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、二価ユー
ロピウム付活蛍光体の製造方法にあって、蛍光体母体と
なる母体化合物と三価ユーロピウム化合物とを主体にし
てなる混合体を反応させて二価ユーロピウム付活蛍光体
を製造するようにするので、蛍光体の形成過程におい
て、所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体以外の二価
ユーロピウム付活蛍光体が中間生成物として形成して、
これが所望とする二価ユーロピウム付活蛍光体中に混在
するのを防止することができ、合成後の二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の発光の色純度が下がったり、二価ユーロ
ピウム付活蛍光体の発光色が製造ロットや電気炉毎にば
らつくことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法を示すフローチャート
【図2】本発明の実施の形態2にかかる二価ユーロピウ
ム付活蛍光体の製造方法を示すフローチャート
【図3】本発明の実施例1にかかる母体化合物と三価ユ
ーロピウム化合物のX線回折パターンを示す図
【図4】本発明の実施例1にかかる製造方法で製造した
蛍光体と従来の製造方法で製造した蛍光体のX線回折パ
ターン比較図
【図5】本発明の実施例1にかかる製造方法で製造した
蛍光体と従来の製造方法で製造した蛍光体の輝度の製造
ロット毎の変動を示す図
【図6】本発明の実施例1にかかる製造方法で製造した
蛍光体と従来の製造方法で製造した蛍光体のy値の製造
ロット毎の変動を示す図
【図7】本発明の実施例1にかかる製造方法で製造した
蛍光体と従来の製造方法で製造した蛍光体のx値の製造
ロット毎の変動を示す図
【図8】本発明の実施例2にかかるAl2O3蛍光体原
料の電子顕微鏡写真
【図9】本発明の実施例2にかかる大気中焼成工程後の
焼成物のX線回折パターンを示す図
【図10】本発明の実施例2にかかる蛍光体の輝度と色
度の比較を示す図
【図11】本発明の実施例2にかかる蛍光体の電子顕微
鏡写真
【図12】従来の製造方法にかかる蛍光体のX線回折パ
ターンを示す図
【図13】従来の製造方法にかかる二価ユーロピウム付
活蛍光体の構成物と焼成温度との関係を示す図
【図14】従来の製造方法にかかる二価ユーロピウム付
活蛍光体の発光スペクトルを示す図
【図15】本発明の実施例2にかかる蛍光体と大気中焼
成工程後の焼成物のX線回折パターンを示す図
【図16】従来の製造方法にかかる蛍光体の輝度とxお
よびy値の製造ロット毎の変動を示す図
フロントページの続き (72)発明者 東 亨 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光体母体となる母体化合物と三価ユーロ
    ピウム化合物とを主体にしてなる混合体を反応させて製
    造することを特徴とする二価ユーロピウム付活蛍光体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】蛍光体原料を反応させて中間体として上記
    混合体を形成し、その後、混合体を反応させて製造する
    ことを特徴とする請求項1記載の二価ユーロピウム付活
    蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】二価ユーロピウム付活蛍光体が、(Ba1
    −x−y−zSrxCayEuz)(Mg1−a−bZ
    naMnb)Al10O17の組成式で表される化合物
    (但し、x、y、zは各々、0≦x≦1、0≦y≦1、
    0<z<1、0≦a≦1、0<b<1を満足する数値)
    が主体の二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の二価ユーロ
    ピウム付活蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体
    が、0.4μm以上20μm以下の範囲内にある平均粒
    径を有し、かつ、粒子の中心点から粒子表面の最も遠い
    点までの距離をa、最も近い点までの距離をcとしたと
    き、0.5≦c/a≦1.0を満足する、球状もしくは
    擬球状の粒子形状を有することを特徴とする請求項3記
    載の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】二価ユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体
    が、粒径に分布を持ったn個の蛍光体粒子の各粒径をd
    (n)、蛍光体の平均粒径をAとして、xA/100≦
    d(n)≦100A/xを満足するxを粒径集中度とし
    たとき、75%以上100%以下の範囲内にある粒径集
    中度を有することを特徴とする請求項3または4記載の
    二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の母体化合物が、(Ba1−
    x−ySrxCay)(Mg1−a−bZnaMnb)
    Al10O17の組成式で表される化合物(但し、x、
    yは各々、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦a≦1、0<
    b<1を満足する数値)であることを特徴とする請求項
    3〜5のいずれかに記載の二価ユーロピウム付活蛍光体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の三価ユーロピウム化合物
    が、三価ユーロピウムとアルミニウムを含有する酸化物
    であることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載
    の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項2記載の蛍光体原料が、ハロゲン化
    物を含まないことを特徴とする請求項3〜7のいずれか
    に記載の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】蛍光体原料が、二価ユーロピウム付活蛍光
    体と実質上同一の粒子形状を有する酸化アルミニウムを
    含むことを特徴とする請求項8記載の二価ユーロピウム
    付活蛍光体の製造方法。
  10. 【請求項10】酸化アルミニウムが、0.4μm以上2
    0μm以下の範囲内にある平均粒径を有し、かつ、粒子
    の中心点から粒子表面の最も遠い点までの距離をa、最
    も近い点までの距離をcとしたとき、0.5≦c/a≦
    1.0を満足する、球状もしくは擬球状の粒子形状を有
    することを特徴とする請求項9記載の二価ユーロピウム
    付活蛍光体の製造方法。
  11. 【請求項11】酸化アルミニウムが、粒径に分布を持っ
    たn個の蛍光体粒子の各粒径をd(n)、酸化アルミニ
    ウムの平均粒径をAとして、xA/100≦d(n)≦
    100A/xを満足するxを粒径集中度としたとき、7
    5%以上100%以下の範囲内にある粒径集中度を有す
    ることを特徴とする請求項9または10記載の二価ユー
    ロピウム付活蛍光体の製造方法。
  12. 【請求項12】蛍光体原料を酸化雰囲気中で反応させて
    中間体を形成することを特徴とする請求項2記載の二価
    ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の混合体を還元雰囲気中で
    反応させて製造することを特徴とする請求項2〜12の
    いずれかに記載の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方
    法。
  14. 【請求項14】請求項3記載の二価ユーロピウム付活ア
    ルミン酸塩蛍光体の製造方法であって、酸化雰囲気中の
    温度を1500℃以上1900℃以下の温度範囲内に限
    定して中間体を製造することを特徴とする請求項12ま
    たは13記載の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】還元雰囲気中の温度を1400℃以上1
    900℃以下の温度範囲内に限定して二価ユーロピウム
    付蛍光体を製造することを特徴とする請求項13または
    14記載の二価ユーロピウム付活蛍光体の製造方法。
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