JP6729393B2 - 蛍光体及び発光装置並びに蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光体及び発光装置並びに蛍光体の製造方法に関し、特に、シリケート系の蛍光体及びこれを備えた発光装置並びに蛍光体の製造方法に関する。
白色LEDとして、青色光を放出する半導体発光素子と黄色の蛍光体とを組み合わせて、青色と黄色との混色により白色光を得る二色混色タイプのものが広く利用されている。しかしながら、この二色混色タイプの白色LEDが発する白色光は純度が低いという問題がある。このため、最近では、紫外光(波長350〜430nm)を発光する半導体発光素子と、青、緑、赤の3種類の蛍光体を組み合わせて、半導体発光素子からの光で、それぞれの蛍光体を励起することによって青、緑、赤の混色で白色光を得る三色混色タイプの白色LEDの開発が行なわれている。
従来、種々の組成の青色蛍光体が開発されている。例えば特許文献1には、基本組成式がSr3−xMgSi:Eu(xは0.008〜0.110)で示され、メルウィナイトと同じ結晶構造を有し、結晶格子歪みが0.055%以下であるSMS青色発光蛍光体が記載されている。このSMS青色発光蛍光体は、高い発光強度と熱に対する高い安定性を示すことが記載されている。また、本文献の実施例には、結晶格子歪みが0.031〜0.066%の青色蛍光体が記載されている。
また、特許文献2には、Euで付活された(Sr,Ca)MgSiの基本組成式を有し、メルウィナイト結晶構造を持つ青色発光蛍光体であって、SrとCaのモル比が、1:0.10〜1:0.30の範囲にあることを特徴とする青色発光蛍光体が記載されている。このように、Srの一部をCaで置換して上記のモル比とすることで、120℃付近(100〜150℃)の高温環境下での発光強度が高く、発光強度の温度安定性が高くなることが記載されている。また、本文献の青色蛍光体は、原料粉末のスラリーをロータリーエバポレータで乾燥して製造されることが記載されている。
さらに、特許文献3には、MeMgSi:Eu(ただし、Meは、Ca、St又はBaのうちの少なくとも1種)で表される化合物からなる青色蛍光体が記載されている。この文献の実施例には、(Sr,Ca)MgSi:Eu(Ca/Sr=0.1/1、x=0.1)であり、かつ噴霧法で製造された青色蛍光体(試料番号3)が記載されている。噴霧法とは、蛍光体原料が入った水溶液を加熱された炉中に噴霧して製造する方法であること、原料の混合溶液をノズルから超音波を印加しながら1500℃に加熱して噴霧することが記載されている。
特開2010−209206号公報(請求項1、段落0010,0040など) 特開2013−35957号公報(請求項1、段落0030,0037など) 国際公開第2003/097767号(請求項1、第5頁、第17頁、表1など)
白色LEDは、太陽光に近い発光スペクトルを示すことが望まれており、太陽光は幅広い波長スペクトルを有している。したがって、白色LEDの演色性を高くするためには、各色を発光する個々の蛍光体の発光スペクトルを幅広くすること、すなわち半値幅を大きくする必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載された青色蛍光体は、結晶格子歪みが0.031〜0.066%の範囲内と比較的小さいため、蛍光体中の元素が理想的な並びに近い状態となっており、このため発光スペクトルの半値幅が相対的に小さくなっている。また、この青色蛍光体は、Caを含んでないため、Caを含む青色蛍光体と比較して高温環境下での発光強度や発光強度の温度安定性が相対的に低くなりやすい。
また、特許文献2に記載された青色蛍光体は、上記の結晶格子歪みについては言及されていない。本文献の青色蛍光体は、原料粉末のスラリーをロータリーエバポレータで乾燥して製造されている。すなわち、本文献の製造方法では、スラリーの乾燥が比較的穏やかな条件下で行われているため、蛍光体中の元素が理想的な並びに近い状態となっており、このため発光スペクトルの半値幅が相対的に小さくなっていると考えられる。
一方で、特許文献3に記載された青色蛍光体は、1500℃の炉中で原料スラリーを噴霧して製造しているが、乾燥温度が1000℃を超える非常に高い温度で急速に乾燥を行っているため、蛍光体中の元素の並びが乱れた状態(すなわち、結晶格子歪みの値が大きい状態)となっており、発光効率が低くなっていると考えられる。
本発明の目的は、特に白色LEDにおいて演色性を高くすることが可能な蛍光体及びこれを用いた発光装置を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、マグネシウムを含有するケイ酸ストロンチウムバリウムをユーロピウムで付活した、所定の組成を有する蛍光体において、結晶格子歪みを所定の範囲内とすることで、半値幅の値が大きく、特に白色LEDとして使用するのに適した発光特性となることを見出した。
すなわち、本発明は、下記式(1)の組成で表され、かつX線回折によりWilliamson−Hallプロットから求められる結晶格子歪みが0.0005〜0.0020の範囲内であることを特徴とする蛍光体である。
(Sr,Ca,M)3−xMgSi:Eu ・・・式(1)
(ここで、MはSc,Y,Gd,Tb及びLaからなる群より選ばれる1種以上の希土類金属元素であり、0.01≦x≦0.10である。)
また、本発明は、上記の蛍光体と、該蛍光体に励起光を照射して発光させる光源と、を備えることを特徴とする発光装置に関する。
さらに、本発明は、上記の蛍光体の製造方法であって、原料の水性スラリーを得る工程と、前記水性スラリーを80〜300℃の熱風でスプレードライする工程と、を備えることを特徴とする蛍光体の製造方法に関する。
本発明によれば、蛍光体の発光スペクトルの半値幅が広いため、特に白色LEDで使用した場合に演色性を高くすることが可能な蛍光体及びこれを用いた発光装置並びに蛍光体の製造方法を提供することができる。
実施例の蛍光体の発光スペクトルを示すグラフである。
1.蛍光体
本発明の蛍光体は、下記式(1)の組成で表される。
(Sr,Ca,M)3−xMgSi:Eu ・・・式(1)
(ここで、MはSc,Y,Gd,Tb及びLaからなる群より選ばれる1種以上の希土類金属元素であり、0.01≦x≦0.10である。)
言い換えると、本発明の蛍光体は、マグネシウムを含有するケイ酸ストロンチウムカルシウムをユーロピウムで付活した、所定の組成を有するケイ酸塩青色蛍光体である。
ユーロピウムは付活剤であり、蛍光体中で発光原子として発光する性質を有する。Siの1モルに対するユーロピウムのモル比、すなわち上記xの値は、0.01≦x≦0.10の範囲内であり、0.02≦x≦0.07の範囲内が好ましく、0.03≦x≦0.40の範囲内がより好ましい。xの値が0.01を下回ると発光原子が少なくなるため発光強度が弱くなりやすく、xの値が0.1を上回ると発光原子が高濃度になり互いに近接して発光を打ち消しあうため発光強度が弱くなりやすい。また、マグネシウムと希土類金属元素Mのモル比(Mg:M)は、通常は1:0.0001〜1:0.03の範囲内であり、特に1:0.001〜1:0.01の範囲内であることが好ましい。上記のモル比が1:0.0001〜1:0.03の範囲内であると、蛍光体が高い発光強度を示すため好ましい。
ここで、本発明の蛍光体は、カルシウムを含むことが好ましい。ストロンチウムとカルシウムのモル比(Sr:Ca)は、特に限定されないが、1:0.03〜1:0.09の範囲内であることが好ましく、1:0.05〜1:0.08の範囲内であることが特に好ましい。ストロンチウムに対するカルシウムの比率が0.03を下回ると発光強度が低くなりやすく、ストロンチウムに対するカルシウムの比率が0.09を上回ると発光スペクトルの半値幅が狭くなりやすい。
本発明の蛍光体は、結晶格子歪みが0.0005〜0.0020の範囲内である。ここで、結晶格子歪みとは、結晶構造の乱れを表す指標である。結晶構造はすべての元素が規則正しく配列した状態が理想的な状態であるが、例えば、本来原子があるべき位置から原子が抜けている場合、本来は原子が存在しないところに原子がある場合、不純物原子が本来の原子の代わりに同じ位置を占める場合などにより、結晶構造が理想的な状態からずれることがある。このずれの程度を表す指標が結晶格子歪みである。なお、結晶格子歪みが0.0005を下回ると発光スペクトルの半値幅が小さくなり、0.0020を上回ると発光効率が低くなりやすい。結晶格子歪みは、好ましくは0.0007〜0.0015の範囲内であり、より好ましくは0.0008〜0.0010の範囲内である。
ここで、結晶格子歪みは、下記式(A)に従い、「2(sinθ/λ)」を横軸に、「β(cosθ/λ)」を縦軸にプロットする「Williamson−Hallプロット」により傾きηを求めることで算出した値である。
β(cosθ/λ)=2η(sinθ/λ)+1/D・・・(A)
(ここで、β:X線回折ピークの半値幅、λ:波長(1.54059Å)、η:格子歪み、D:結晶子サイズを意味する。)
なお、X線回折ピークの半値幅βは、蛍光体にX線を照射し、回折角が2θのときのX
線回折強度のピークが1/2となる幅として測定することができる。結晶格子歪みの算出方法の詳細は、後述する実施例に記載された方法を参照することができる。
本発明の蛍光体は、上記のような特徴を有することで、発光スペクトルの半値幅が比較的広くなり、具体的には半値幅を38.5以上とすることができる。このため、本発明の蛍光体は、特に白色LEDの発光素子として使用すると演色性を良好にすることができる。ここで半値幅とは、縦軸を発光強度、横軸を波長としたときに発光スペクトルを測定し、そのピークにおける発光強度をIとしたときに、I/2となるときの波長幅を意味する。
2.蛍光体の製造方法
本発明の蛍光体は、例えば、ストロンチウム化合物粉末、カルシウム化合物粉末、ケイ素化合物粉末、マグネシウム化合物粉末、ユーロピウム化合物粉末、希土類金属元素Mを含む希土類金属化合物粉末を混合し(混合工程)、得られた水性スラリーをスプレードライし(スプレードライ工程)、得られた粉末混合物を焼成する(焼成工程)方法によって製造することができる。
(1)混合工程
ストロンチウム化合物粉末、カルシウム化合物粉末、ケイ素化合物粉末、マグネシウム化合物粉末、ユーロピウム化合物粉末、希土類金属化合物粉末の各原料粉末はそれぞれ、酸化物粉末であってもよいし、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩(塩基性炭酸塩を含む)、硝酸塩、シュウ酸塩などの加熱により酸化物を生成する化合物の粉末であってもよい。
ストロンチウム化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、炭酸ストロンチウム(SrCO)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))、フッ化ストロンチウム(SrF)、臭化ストロンチウム(SrBr)、塩化ストロンチウム(SrCl)、ヨウ化ストロンチウム(SrI)からなる群より選択される1種類以上を使用することができる。
カルシウム化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム(CaCO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、フッ化カルシウム(CaF)、臭化カルシウム(CaBr)、塩化カルシウム(CaCl)、ヨウ化カルシウム(CaI)からなる群より選択される1種類以上を使用することができる。
ケイ素化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、オルトケイ酸(HSiO)、メタケイ酸(HSiO)、メタ二ケイ酸(HSi)からなる群より選択される1種類以上を使用することができる。
マグネシウム化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))及び炭酸マグネシウム(MgCO)からなる群より選択される1種類以上を使用することができる。
ユーロピウム化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、酸化ユーロピウム(III)(Eu)、酸化ユーロピウム(II)(EuO)、水酸化ユーロピウム(III)(Eu(OH))からなる群より選択される1種類以上を使用することができる。
希土類金属化合物粉末の具体例としては特に限定されないが、例えば、酸化スカンジウム(III)(Sc)、水酸化スカンジウム(III)(Sc(OH))、酸化イットリウム(III)(Y)、水酸化イットリウム(III)(Y(OH))、酸化ガドリニウム(III)(Gd)、水酸化ガドリニウム(III)(Gd(OH))、酸化テルビウム(III)(Tb)、水酸化テルビウム(III)(T
b(OH))、酸化ランタン(III)(La)、水酸化ランタン(III)(La(OH))からなる群より選択される1種以上を使用することができる。
これらの原料粉末は、それぞれ1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。各原料粉末は、純度が99質量%以上であることが好ましい。
上記の原料粉末は、その混合比がほぼそのまま式(1)の組成比となるため、所望の組成比となるように混合比を調整する。すなわち、原料粉末のケイ素含有量1モルに対して、ストロンチウム元素とカルシウム元素と希土類金属元素Mの合計モル数が「3−x」となるようにストロンチウム化合物粉末とカルシウム化合物粉末と希土類金属化合物粉末を混合する。他の化合物粉末についても同様である。
原料粉末の混合物には、フラックスを添加してもよい。フラックスはハロゲン化物であることが好ましく、塩素化合物であることが特に好ましい。フラックスとして原料粉末の一部に塩素化合物粉末を用いることが好ましい。特に、ストロンチウムの塩素化合物粉末を用いることが好ましい。フラックスの添加量は、粉末混合物中のケイ素含有量を1モルとして、ハロゲン量が0.0001〜0.5モルの範囲となる量であることが好ましく、0.01〜0.5モルの範囲となる量であることが特に好ましい。
混合工程では、原料粉末を湿式混合法で溶媒中に混合し、原料の水性スラリーを得る。湿式混合法としては、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、ペイントシェーカー、ロッキングミル、ロッキングミキサー、ビーズミル、撹拌機などを用いることができる。溶媒には、水や、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールを用いることができる。
(2)スプレードライ工程
次に、得られた水性スラリーを、80〜300℃の熱風でスプレードライする。スプレードライは、水性スラリーを噴霧して熱風と接触させ、水性スラリー中の溶媒を蒸発させて造粒粉末を得る方法である。スプレードライは、公知のスプレードライヤーを使用して行うことができ、例えば回転円盤型のロータリーアトマイザやディスクアトマイザー、ノズル噴射方式のノズルアトマイザーなどを使用することができる。これにより、各原料の粉末混合物を得ることができる。回転円盤型のアトマイザーの場合、その回転数は通常、10000〜20000rpmの範囲内である。
スプレードライでは、液滴となった原料スラリーが急速に乾燥されるため、元素が均一でない状態で反応がおこり、蛍光体中の元素が理想的な結晶の並びからずれる元素が多くなり、結晶格子歪みが生じやすくなると考えらえる。一方で、乾燥温度が例えば1000℃を超えるような高温では、理想的な結晶の並びから外れる元素が多くなりすぎて発光効率が低下しやすくなるため、乾燥温度は80〜300℃の範囲内が好ましい。したがって、スプレードライ法で熱風の温度を80〜300℃の範囲内とすることで、得られる蛍光体において理想的な結晶構造からずれる元素の数を適度な範囲内とし、これにより発光スペクトルの半値幅を最適な範囲とすることができる。
(3)焼成工程
次に、粉末混合物の焼成を行う。粉末混合物の焼成は、還元性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。還元性ガスとしては、0.5〜5.0体積%の水素と99.5〜95.0体積%の不活性気体との混合ガスを用いることができる。不活性気体の例としては、アルゴン及び/又は窒素を挙げることができる。焼成温度は、一般に900〜1300℃の範囲内である。焼成時間は、一般に0.5〜100時間の範囲内であり、0.5〜10時間の範囲内であることが好ましい。
加熱により酸化物を生成する化合物の粉末を原料粉末に用いる場合には、還元性ガス雰囲気下で焼成する前に、粉末混合物を大気雰囲気下にて600〜850℃の温度で0.5〜100時間仮焼することが好ましい。仮焼時間は、0.5〜10時間の範囲内であることが特に好ましい。焼成により得られた蛍光体は、必要に応じて分級処理、塩酸や硝酸などの鉱酸による酸洗浄処理、ベーキング処理を行なってもよい。
3.発光装置
本発明の蛍光体は、各種の発光装置に使用することができる。本発明の発光装置は、上記式(1)で示される蛍光体と、この蛍光体に励起光を照射して発光させる光源とを少なくとも備える。発光装置の具体例としては、白色発光ダイオード(LED)、蛍光灯、蛍光表示管(VFD)、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などを挙げることができる。このうち白色LEDは、本発明の蛍光体(青色蛍光体)、赤色蛍光体、緑色蛍光体と、例えば波長350〜430nmの紫外光を発光する半導体発光素子とを備え、発光素子からの紫外光でこれらの蛍光体を励起して、青、赤、緑の混色で白色を得る発光装置である。
赤色発光蛍光体の例としては、(Ba,Sr,Ca)MgSi:Eu,Mn、YS:Eu、LaS:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、CaAlSiN:Eu、Eu、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu,Mn、CaTiO:Pr,Bi、(La,Eu)12などを挙げることができる。また、緑色発光蛍光体の例としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)SiO:Euなどを挙げることができる。半導体発光素子としては、AlGaN系半導体発光素子を挙げることができる。発光装置の詳細については、特許文献2を参照することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
1.実施例1
原料粉末にSrCO粉末、SrC1・6HO粉末、CaCO粉末、Eu粉末、Y粉末、MgO粉末、SiO粉末を用い、SrCO:SrCl・6HO:CaCO:Eu:MgO:SiOのモル比がそれぞれ2.697:0.100:0.163:0.0175:0.0025:1:2.000となるように秤量した。秤量した各粉末を、水中にてボールミルを用いて15時間湿式混合して、粉末混合物のスラリーを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤーで乾燥して、乾燥粉末を得た。スプレードライヤーは、大川原化工機(株)製_FOC−25型を使用し、熱風温度 入口220〜240℃、出口90〜110℃、アトマイザー回転数12600〜12800rpmの条件で運転した。得られた乾燥粉末をアルミナセッターに入れて、大気雰囲気下にて780℃の温度で3時間焼成し、次いで、室温まで放冷した後、3体積%水素−97体積%アルゴンの混合ガス雰囲気下にて1250℃の温度で3時間焼成して、蛍光体を製造した。
<結晶格子歪みの測定>
得られた蛍光体の結晶格子歪みを、株式会社リガク製 広角X線回折装置(RINT−TTRIII型)で測定した。結晶格子歪みの測定条件は、X線源:CuKα線、管電圧―
管電流:50kV−300mA、ステップ幅:0.02deg.、測定速度:1sec./stepとした。その結果を表2に示す。
<半値幅の測定>
蛍光体の発光スペクトルを、日本分光株式会社製 分光蛍光光度計(FP−6500)で測定した。得られた発光スペクトルを図1に示す。この発光スペクトルのうち、400〜500nmの波長範囲の中で最大ピーク強度(I)を求め、I/2となる波長範囲を算出して半値幅とした。その結果を表2に示す。
<外部量子効率の測定>
得られた蛍光体を試料として、ジャスコエンジニアリング株式会社製 FP−8500を用いて以下の手順にて測定を行った。
1)標準白板を積分球の内側底部に取り付けた。この標準白板に、その表面に対して垂直にピーク波長400nmの紫外光を照射した。積分球壁で散乱された光のスペクトルを測定し、波長380〜410nmの光のピーク面積(Ll〉を測定した。
2)蛍光体試料を試料ホルダーに充填し、試料ホルダーを積分球の内側底部に取り付けた。試料ホルダーの蛍光体試料に、その表面に対して垂直にピーク波長400nmの紫外光を照射した。積分球壁で散乱された光のスペクトルを測定し、波長380〜410nmの光のピーク面積(L2)及び波長410〜700nmの光のピーク面積(E)を測定した。そして、下記の式から蛍光体試料の外部量子効率を算出した。
外部量子効率(%)=100×E/L1
<発光強度の測定>
上記に「<半値幅の測定>」で得られた発光スペクトルの400〜500nmの波長範囲の中で最大ピーク強度を求め、これを発光強度とした。
2.実施例2
実施例1において原料のモル比が表1の原料混合比(実施例2)となるように混合し、かつアトマイザー回転数 12900〜13100rpmで運転した以外は実施例1と同様にして蛍光体を製造した。得られた蛍光体の結晶格子歪みと半値幅を測定した。その結果を表2に示す。また、実施例1と同様に外部量子効率と発光強度を測定した。その結果を表3に示す。
3.実施例3,4
実施例1において原料のモル比が表1の原料混合比(実施例3,4)となるように混合した以外は実施例1と同様にして蛍光体を製造した。得られた蛍光体の結晶格子歪みと半値幅を測定した。その結果を表2に示す。また、実施例1と同様に外部量子効率と発光強度を測定した。その結果を表3に示す。
4.比較例1
実施例1と同様にして得られたスラリーをロータリーエバポレータ―で乾燥したこと、得られた乾燥粉末をアルミナ坩堝に入れて、大気雰囲気下で焼成したこと、室温まで放冷後に2体積%水素−98体積%アルゴンの混合ガス雰囲気下にて焼成したこと以外は実施例1と同様にして、蛍光体を製造した。得られた蛍光体の結晶格子歪みと半値幅を測定した。その結果を表2に示す。
5.比較例2〜4
原料粉末のモル比を表2のとおりとした以外は比較例1と同様にして蛍光体を製造した。得られた蛍光体の結晶格子歪みと半値幅を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006729393
Figure 0006729393
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表2の結果から、実施例と比較例を比べると、結晶格子歪みが0.0008〜0.001の実施例のほうが、0.0003以下の比較例と比べて半値幅の値が大きいことがわかる。したがって、実施例のようにスプレードライで乾燥した蛍光体のほうが、比較例のようにロータリーエバポレータで乾燥した蛍光体と比較して、半値幅が大きく、したがって演色性の観点からは白色LEDの蛍光体としてより好ましいといえる。
また、表3の結果から、実施例どうしを比較すると、Sr:Caのモル比が1:0.075の実施例4は半値幅が大きいが発光強度が小さくなっている。したがって、Srに対するCaのモル比は、半値幅の観点からは高いほうが好ましく、発光強度の観点からは低いほうが好ましいと考えられる。

Claims (4)

  1. 下記式(1)の組成で表され、かつX線回折によりWilliamson−Hallプロットから求められる結晶格子歪みが0.0005〜0.0020の範囲内であることを特徴とする蛍光体。
    (Sr,Ca,M)3-xMgSi28:Eux ・・・式(1)
    (ここで、MはSc,Y,Gd,Tb及びLaからなる群より選ばれる1種以上の希土類金属元素であり、SrとCaのモル比(Sr:Ca)が1:0.03〜1:0.09であり、0.01≦x≦0.10である。)
  2. 発光スペクトルの半値幅が38.5以上であることを特徴とする請求項に記載の蛍光体。
  3. 請求項1又は2に記載の蛍光体と、該蛍光体に励起光を照射して発光させる光源と、を備えることを特徴とする発光装置。
  4. 請求項1又は2に記載の蛍光体の製造方法であって、
    原料の水性スラリーを得る工程と、
    前記水性スラリーを80〜300℃の熱風でスプレードライする工程と、を備えることを特徴とする蛍光体の製造方法。
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