JPH11140032A - N−長鎖アシル酸性アミノ酸、およびその製造方法 - Google Patents

N−長鎖アシル酸性アミノ酸、およびその製造方法

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JPH11140032A
JPH11140032A JP10234311A JP23431198A JPH11140032A JP H11140032 A JPH11140032 A JP H11140032A JP 10234311 A JP10234311 A JP 10234311A JP 23431198 A JP23431198 A JP 23431198A JP H11140032 A JPH11140032 A JP H11140032A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に臭気が無く、かつ水溶性不純物
の低減されたN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその
塩、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 反応溶媒に水とターシャリーブタノール
の混合溶媒を用いることで臭気物質の発生をなくすこ
と、N−長鎖アシル酸性アミノ酸/水/ターシャリーブ
タノールの混合液を水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸
を含む有機層とに分層して残存塩類を除去することを特
徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は実質的に臭気がな
く、水溶性不純物の低減されたN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸、およびその簡易な製造方法に関するものである。
N−長鎖アシル酸性アミノ酸は界面活性剤、抗菌剤等の
原料として使用されており、特に洗剤、および医薬部外
品・化粧品など香粧品分野で良く利用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、N−長鎖アシル酸性アミノ酸のア
ミン塩またはアルカリ金属塩は、その界面活性作用から
界面活性剤や抗菌剤として広く利用されている。特に洗
剤、および医薬部外品・化粧品など香粧品分野での利用
が多く、このような分野では最終製品に濁りが無いこと
が要求されるケースが多く、また最終製品の香りが重要
な場合も多い。そのためこのような分野でN−長鎖アシ
ル酸性アミノ酸を使用する際には、最終製品に濁りを引
き起こすような不純物や、最終製品の香りに影響を及ぼ
すような不純物を極力低減させることが求められてい
る。
【0003】従来、酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドとを
反応させてN−長鎖アシル酸性アミノ酸を製造する方法
として、特公昭46−8685にアルカリの存在下、反
応溶媒として親水性有機溶媒15〜80容量%と水85
〜20容量%の範囲の割合からなる混合溶媒を使用し、
反応終了後反応液を鉱酸でpH1に調整してN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸の粗結晶を析出させ、ろ過、洗浄して
精製N−長鎖アシル酸性アミノ酸を得る方法が開示され
ている。しかしこの方法で得られたN−長鎖アシル酸性
アミノ酸は無機塩の除去性が不十分であるとともに、上
記のようなN−長鎖アシル酸性アミノ酸の分離法は設
備、操作ともに工業的ではない。
【0004】特公昭57−47902では、水と親水性
有機溶媒の混合溶媒中、アルカリの存在下に酸性アミノ
酸と脂肪酸ハライドを反応させて得られる合成反応液
を、40℃から該親水性有機溶媒の沸点温度において鉱
酸でpH1〜6に調整することにより水層と生成物を含
む有機層に分層し、次いで有機層より生成物を分離取得
する方法が開示されている。この方法では無機塩含有量
は1〜2%になっているにすぎず、また溶媒に由来する
臭気物質の除去に関しても不十分である。
【0005】さらに特開平3−284658では、N−
長鎖アシル酸性アミノ酸中に残存し製品の臭気原因とな
る物質としてアセトン、およびアセトン由来のジアセト
ンアルコール、メシチルオキシドを挙げ、これらおよび
塩類をルーズな逆浸透膜によりN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸塩水溶液から除去する方法を開示している。しかし
高価な膜分離装置を使用する点で不利であること、濃度
管理、膜管理等運転管理に煩雑さが伴う点から簡易な方
法であるとは言えない。
【0006】また、特公昭51−38681ではアミノ
酸と脂肪酸ハライドをアルカリの存在下に縮合させる際
に、反応溶媒として含水低級アルコールを用いる方法が
開示されており、その明細書中に含水低級アルコールと
して、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、お
よびsec−ブタノールが限定して明記されている。し
かし上記アルコールはいずれも1級または2級アルコー
ルであり、液のpHを酸性にする工程において、生成物
のN−長鎖アシル酸性アミノ酸とこのアルコール溶媒が
脱水縮合反応を起こしエステルを生成してしまう。また
アルコール溶媒は、原料の脂肪酸ハライドが加水分解し
て副生する遊離脂肪酸とも脱水縮合反応を起こしエステ
ルを生成する。このように生成したエステルはN−長鎖
アシル酸性アミノ酸とは分離除去困難な化合物である。
【0007】また特開平3−279354では臭気物質
の生成を抑制するために、酸性アミノ酸と脂肪酸ハライ
ドとの縮合反応において、水とアセトンとイソプロパノ
ールとの混合溶媒を反応溶媒に用い、また反応液を酸性
化後晶析分離し、得られた結晶を親水性有機溶媒に溶解
し硫酸ナトリウム水溶液を添加した後、有機層と水層に
分層することにより無機塩の除去を実施する方法を開示
している。本方法によってもアセトンを反応溶媒に使用
する限り微量で臭気の原因となるジアセトンアルコール
やメシチルオキシドのようなアセトン由来不純物の生成
は免れないこと、一旦晶析分離した結晶を再溶解する工
程が煩雑であること、多量の硫酸ナトリウムを使用する
限りそれの製品への混入は避けられないこと、また高濃
度の硫酸ナトリウムを含む廃液の処理が必要なことが問
題となる。
【0008】以上のように、実質的に臭気が無く、水溶
性不純物の低減されたN−長鎖アシル酸性アミノ酸およ
びその簡易な製造方法は今までに無かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実質的に臭
気が無く、水溶性不純物の低減されたN−長鎖アシル酸
性アミノ酸、およびその簡易な製造方法を提供するもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を克服すべく鋭意検討した結果、反応溶剤に
水とターシャリーブタノールの混合溶媒を用いることで
臭気物質の発生自体がなくなること、N−長鎖アシル酸
性アミノ酸とターシャリーブタノールと水の混合液は組
成によって水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有
機層とに分層すること、これによって残存塩を除去し高
純度のN−長鎖アシル酸性アミノ酸を製造できることを
見出した。また一般にアシル化反応溶媒に用いた有機溶
媒および有機溶媒由来の不純物は、N−長鎖アシル酸性
アミノ酸を界面活性剤などに利用する場合、蒸留手段等
の常法によって可能な限り除去することが望まれる。し
かし実質的には微量残存してしまう。実際、現在市場に
流通しているN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩
の中にも、アセトン溶媒由来と考えられるジアセトンア
ルコールやメシチルオキシドが検出される。これらジア
セトンアルコールやメシチルオキシドが微量で悪臭の原
因となるのは先述したとおりである。また、これらの臭
気物質を可能な限り除去した場合であっても、N−長鎖
アシル酸性アミノ酸またはその塩には脂肪酸臭のような
臭気が残存し、それゆえ無香料化粧品等への配合が困難
であった。
【0011】本発明においてアシル化反応溶媒に用いる
ターシャリーブタノールも、これを完全に除去するには
非常に高価かつ繁雑な操作が必要であり、実質的に微量
残存することが避けられなかった。しかしターシャリー
ブタノールが微量残存することにより、N−長鎖アシル
酸性アミノ酸またはその塩特有の脂肪酸臭がマスキング
されることが判明し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明のN−長鎖アシル酸性アミノ
酸の製造方法は、酸性アミノ酸と飽和または不飽和の炭
素数8〜20の脂肪酸ハライドを反応させてN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸を製造するに際し、以下の三工程を含
むことを特徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造
方法である。
【0013】1)水とターシャリーブタノールの混合溶
媒中、酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドとをアルカリの存
在下縮合反応させる工程(アシル化反応工程)、 2)反応終了後、反応液を鉱酸でpHを1から6にする
ことにより有機層と水層とに分層し、粗精製されたN−
長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層を取得する工程
(酸沈分層工程)、 3)得られた有機層を水および/またはターシャリーブ
タノールと混合し、水層とN−長鎖アシル酸性アミノ酸
を含む有機層とに分層することにより不純物を除去する
工程(水洗工程)。
【0014】また本発明は、無機塩の含量が1重量%以
下、ターシャリーブタノールの含量が0.1〜750重
量ppmであることを特徴とするN−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸またはその塩、およびそれを配合した組成物に係
わるものである。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドとの縮合反
応時に広く利用されていると考えられる水/アセトン混
合溶媒では、アセトンが酸性側またはアルカリ側で二量
化してジアセトンアルコールを生成しやすく、更に加熱
により脱水してメシチルオキシドを生成しやすいことが
わかっている。いわゆるアセトンのアルドール縮合物を
生成する。これらは極微量で悪臭の原因となり、N−長
鎖アシル酸性アミノ酸モノトリエタノールアミン塩の3
0重量%水溶液を例にとると、ジアセトンアルコールと
メシチルオキシドはそれぞれ水溶液中数重量ppm以下
にしなければならない。
【0017】同様に他のケトン類、例えば水/メチルエ
チルケトン混合溶媒を反応溶媒にしてもアセトンよりも
少量ではあるがアルドール縮合物が確認された。さらに
メチルエチルケトンの場合、条件によってはパーオキシ
ドを生成してしまう危険性がある。
【0018】そこで本発明者らはアルドール縮合が起き
得ない、即ち非ケトン類の親水性溶媒として低級アルコ
ールに着目した。特公昭51−38681の明細書中に
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、およびs
ec−ブタノールが記載されているが、特開平7−27
47明細書にも記載されているようにこれらの水/アル
コール混合溶媒では、アルコールが酸性側でアシル化反
応生成物であるN−長鎖アシル酸性アミノ酸および脂肪
酸ハライドとエステルをつくり易いことを本発明者等も
確認した。またこれらのアルコールはいずれも1級また
は2級アルコールである。ところが3級アルコールであ
るターシャリーブタノールを用いて、水/ターシャリー
ブタノール混合溶媒を反応溶媒にすると本発明の条件下
では全く上記のエステルを生成しないことが判明した。
1級アルコールのエタノール、2級アルコールのイソプ
ロパノールと3級アルコールのターシャリーブタノール
のエステル生成能の違いは、N−長鎖アシル酸性アミノ
酸をアルコールに1重量%溶解し、これに濃硫酸を数m
l添加して室温下3日間放置した極めて簡単な基礎検討
からも明かである。3日後の液を高速液体クロマトグラ
フィーで分析したところ、エタノールやイソプロパノー
ルの場合、N−長鎖アシル酸性アミノ酸のアルコールモ
ノエステルが2種類とジエステルが合わせて90%以上
生成したが、ターシャリーブタノールの場合ジエステル
の生成は見られずモノエステルが9%生成しただけであ
った。
【0019】ターシャリーブタノールはアルドール縮合
を起こさないのはケトン類では無いので原理的に明白で
あるが、その他何らかの不純物の生成も高速液体クロマ
トグラフィーやガスクロマトグラフィーでは確認されな
かった。ターシャリーブタノールの場合、酸性下で、特
に酸性下加熱条件下で脱水しイソブチレンを生成しやす
いが、本発明条件下ではイソブチレンの発生も見られな
かった。
【0020】以上より、水/ターシャリーブタノール混
合溶媒をアシル化反応溶媒に用いることにより、ケトン
類のような微量で悪臭の原因となるアルドール縮合物を
生成せず、また1級、2級アルコールのようなN−長鎖
アシル酸性アミノ酸および脂肪酸ハライドとのエステル
を生成することもないことが判明した。
【0021】水/ターシャリーブタノール混合溶媒を反
応溶媒に用いるとさらに大きな利点があることが判っ
た。アシル化工程を経て酸沈分層工程で得られる有機層
中にはまだ無機塩類が除去すべき程度に含まれている。
例えば特公昭57−47902明細書中の実施例では有
機層から溶媒を蒸留除去した後に得られるN−長鎖アシ
ル酸性アミノ酸に含まれる無機塩類は1〜2%と多い。
無機塩類が多いと例えばトリエタノールアミンの塩の3
0重量%水溶液にしたとき、低温での濁りが激しくとき
には沈殿物を生ずる。本発明のN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸またはその塩においては無機塩類の含有量は、N−
長鎖アシル酸性アミノ酸に対し1重量%以下、好ましく
は0.1重量%以下であることが望ましい。
【0022】本発明者等は水/ターシャリーブタノール
を反応溶媒に用いた場合、酸沈分層後に得られた有機層
に水および/またはターシャリーブタノールを添加し
て、N−長鎖アシル酸性アミノ酸/ターシャリーブタノ
ール/水の組成が所定範囲内になるように調整しさえす
れば水層と有機層とに分層すること、これによって有機
層中の無機塩類を除去できることが判明した。
【0023】このようにして水層と有機層とに分層して
得られた有機層からターシャリーブタノールを除去する
ことにより、N−長鎖アシル酸性アミノ酸が得られる。
ここで得られたN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその
塩を界面活性剤などに利用する場合、ターシャリーブタ
ノールは蒸留手段等の常法によって可能な限り除去する
ことが望まれるが実質的に微量残存することは避けられ
ない。現在市場に流通しているN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸またはその塩の中にも、アセトン溶媒由来と考えら
れるジアセトンアルコールやメシチルオキシドが検出さ
れる。これら除去できずに残存したジアセトンアルコー
ルやメシチルオキシドが悪臭の原因となるのに対し、微
量残存したターシャリーブタノールは、逆にN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸またはその塩特有の脂肪酸臭をマスキ
ングすることが判明した。近年、化粧品等の分野におい
て無香料の傾向があるが、この場合配合される原料が無
臭であることが求められる。従来、N−長鎖アシル酸性
アミノ酸またはその塩では、ジアセトンアルコールやメ
シチルオキシドを可能な限り除去し悪臭を断っても、脂
肪酸臭のような臭気がどうしても残存し、無香料化粧品
へ配合する際問題となっていた。従って本発明の、特定
量のターシャリーブタノールの存在により脂肪酸臭等の
臭気を低減可能なことは、産業上大きな利点となりう
る。
【0024】ターシャリーブタノールそのものの臭気閾
値は高く、例えばN−長鎖アシル酸性アミノ酸の一つで
あるN−ココイル−L−グルタミン酸のモノトリエタノ
ールアミン塩の30重量%水溶液を例にとると臭気閾値
はこの水溶液中150重量ppmであり、即ちこの時の
ターシャリーブタノール含量はN−ココイル−L−グル
タミン酸中で750重量ppmに相当する。このように
ターシャリーブタノールによる脂肪酸臭のマスキング効
果が得られるのは、一般的には、ターシャリーブタノー
ル含量がN−長鎖アシル酸性アミノ酸に対し0.1〜7
50重量ppmにおいてである。これより少ない場合に
はマスキング効果が十分ではない。一方これより多い場
合でもマスキング効果は見られるが、ターシャリーブタ
ノールの臭気が問題となる。
【0025】従って本発明のN−アシル酸性アミノ酸に
おいて脂肪酸臭をマスキングする効果が得られるターシ
ャリーブタノール含有量は、N−アシル酸性アミノ酸に
対し0.1〜750重量ppm、好ましくは0.1〜3
00重量ppm、さらに好ましくは0.1〜150重量
ppmである。
【0026】この値は、先述のモノトリエタノールアミ
ン塩の30重量%水溶液中ではそれぞれ0.02〜15
0重量ppm、0.02〜60重量ppm、0.02〜
30重量ppmに相当し、これにより該水溶液は実質的
に臭気が無くなる。このようにアセトン由来のアルドー
ル縮合物はモノトリエタノールアミン塩の30重量%水
溶液中において数重量ppm以下にしなければならない
のに対し、ターシャリーブタノールの臭気閾値は非常に
大きく、アセトンに比べターシャリーブタノールは大き
な利点を持っていると言える。
【0027】一方、水/アセトン混合溶媒での反応の場
合、酸沈分層後に得られた有機層の組成および液温度を
どのように変化させても有機層と水層とに二相分離は起
こらなかった。水/アセトン溶媒系において酸沈分層で
有機層と水層とに二相分離するのはNaClおよびNa
2SO4の無機塩が多量に存在することによる塩析効果に
よるものと推察される。従って、水/アセトン混合溶媒
系である限り特開平3−279354で開示された高濃
度の硫酸ナトリウム水溶液を添加するような手法を用い
ないと有機層を分層洗浄することはできないし、またそ
の場合には必然的に塩の残存を伴うことになる。
【0028】反応溶媒を水/ターシャリーブタノール混
合溶媒とすることで更なる利点がある。水/アセトン混
合溶媒の場合、反応精製系からアセトンを回収して再使
用する場合、例えば有機層から蒸留分離したアセトンを
再使用する場合、先に述べたようにアルドール縮合物を
アセトンと分離するために精留しなければならないが、
ターシャリーブタノールの場合、このような不純物が無
いために有機層から蒸留分離したターシャリーブタノー
ルをそのまま使用できる点で工程上有利である。
【0029】また取扱いの上でもターシャリーブタノー
ルは利点を有している。アセトンを回収再使用するため
に、アルドール縮合物を分離する目的で精留を実施する
と実質的に水含有量も低い高純度のアセトンで回収せざ
るを得ない。アセトンは引火可燃性が大きく、また空気
とも爆鳴気をつくりやすいので回収再使用時に貯蔵、取
扱いに注意しなければならないが、ターシャリーブタノ
ールの場合、水と共沸するため回収再使用の際もターシ
ャリーブタノール/水=85/15(重量比)以上にタ
ーシャリーブタノールが濃縮されることはなく、常に含
水率15重量%以上の状態でターシャリーブタノールを
取り扱うことになるため、貯蔵、取扱いがアセトンより
容易である。また含水状態ではターシャリーブタノール
の融点は、高純度ターシャリーブタノールの融点25.
6℃に対し、−3℃以下まで下がるので、含水状態で取
扱うことは凍結対策の面でも有利である。
【0030】本発明によるN−長鎖アシル酸性アミノ酸
の製造方法をさらに詳細に説明する。本発明の製造方法
のアシル化反応工程は、水とターシャリーブタノールの
混合溶媒中、酸性アミノ酸と脂肪酸ハライドを縮合させ
て(アシル化反応)粗N−長鎖アシル酸性アミノ酸を生
成させる工程である。本発明の製造方法によって得られ
るN−長鎖アシル酸性アミノ酸は、炭素原子数8〜20
の飽和または不飽和のアシル基が酸性アミノ酸のアミノ
基に導入されたものである。
【0031】本発明の製造方法において、原料として用
いられる酸性アミノ酸は、分子中に存在するカルボキシ
ル基とアミノ基の数がそれぞれ2個と1個のモノアミノ
ジカルボン酸であり、アミノ基はN−メチル基またはN
−エチル基でもかまわない。また光学異性体例えばD−
体、L−体、ラセミ体であるかは問わない。例えばグル
タミン酸、アスパラギン酸、ランチオニン、β−メチル
ランチオニン、シスタチオニン、ジエンコール酸、フェ
リニン、アミノマロン酸、β−オキシアスパラギン酸、
α−アミノ−α−メチルコハク酸、β−オキシグルタミ
ン酸、γ−オキシグルタミン酸、γ−メチルグルタミン
酸、γ−メチレングルタミン酸、γ−メチル−γ−オキ
シグルタミン酸、α−アミノアジピン酸、α−アミノ−
γ−オキシアジピン酸、α−アミノピメリン酸、α−ア
ミノ−γ−オキシピメリン酸、β−アミノピメリン酸、
α−アミノスベリン酸、α−アミノセバシン酸、パント
テン酸等が挙げられる。これらをアシル化反応に供する
際には、そのアルカリ金属塩またはアミン塩等の形でも
かまわない。
【0032】本発明の製造方法において、原料として用
いられる脂肪酸ハライドは炭素原子数8〜20の飽和ま
たは不飽和脂肪酸の酸塩化物、酸臭化物、酸沃化物であ
れば何でも良く、直鎖、分岐、環状を問わない。例えば
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸のような直鎖脂肪酸のハ
ライド、2−ブチル−5−メチルペンタン酸、2−イソ
ブチル−5−メチルペンタン酸、ジメチルオクタン酸、
ジメチルノナン酸、2−ブチル−5−メチルヘキサン
酸、メチルウンデカン酸、ジメチルデカン酸、2−エチ
ル−3−メチルノナン酸、2,2−ジメチル−4−エチ
ルオクタン酸、メチルドコサン酸、2−プロピル−3−
メチルノナン酸、メチルトリデカン酸、ジメチルドデカ
ン酸、2−ブチル−3−メチルノナン酸、メチルテトラ
デカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、
ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナ
ン酸、2−(3−メチルブチル)−3−メチルノナン
酸、2−(2−メチルブチル)−3−メチルノナン酸、
ブチルエチルノナン酸、メチルペンタデカン酸、エチル
テトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカ
ン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプ
チルノナン酸、ジメチルテトラデカン酸、ブチルペンチ
ルヘプタン酸、トリメチルトリデカン酸、メチルヘキサ
デカン酸、エチルペンタデカン酸、プロピルテトラデカ
ン酸、ブチルトリデカン酸、ペンチルドデカン酸、ヘキ
シルウンデカン酸、ヘプチルデカン酸、メチルヘプチル
ノナン酸、ジペンチルヘプタン酸、メチルヘプタデカン
酸、エチルヘキサデカン酸、エチルヘキサデカン酸、プ
ロピルペンタデカン酸、ブチルテトラデカン酸、ペンチ
ルトリデカン酸、ヘキシルドデカン酸、ヘプチルウンデ
カン酸、オクチルデカン酸、ジメチルヘキサデカン酸、
メチルオクチルノナン酸、メチルオクタデカン酸、エチ
ルヘプタデカン酸、ジメチルヘプタデカン酸、メチルオ
クチルデカン酸、メチルノナデカン酸、メチルノナデカ
ン酸、ジメチルオクタデカン酸、ブチルヘプチルノナン
酸のような分岐脂肪酸のハライド、オクテン酸、ノネン
酸、デセン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リン
デル酸、トウハク酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、
ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデ
セン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オクタデ
セン酸、オレイン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸のよ
うな直鎖モノエン酸のハライド、メチルヘプテン酸、メ
チルノネン酸、メチルウンデセン酸、ジメチルデセン
酸、メチルドデセン酸、メチルトリデセン酸、ジメチル
ドデセン酸、ジメチルトリデセン酸、メチルオクタデセ
ン酸、ジメチルヘプタデセン酸、エチルオクタデセン酸
のような分岐モノエン酸のハライド、リノール酸、リノ
エライジン酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノ
レンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリ
ナリン酸、アラキドン酸のようなジまたはトリエン酸の
ハライド、オクチン酸、ノニン酸、デシン酸、ウンデシ
ン酸、ドデシン酸、トリデシン酸、テトラデシン酸、ペ
ンタデシン酸、ヘプタデシン酸、オクタデシン酸、ノナ
デシン酸、ジメチルオクタデシン酸のようなアセチレン
酸のハライド、メチレンオクタデセン酸、メチレンオク
タデカン酸、アレプロール酸、アレプレスチン酸、アレ
プリル酸、アレプリン酸、ヒドノカルプン酸、ショール
ムーグリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α
−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸のよ
うな環状酸のハライドが挙げられる。また天然油脂由来
の脂肪酸のハライドでも良く、上記の炭素原子数8〜2
0の飽和または不飽和脂肪酸を80%以上含む混合脂肪
酸のハライドであれば本発明製造方法における脂肪酸ハ
ライドとして使用できる。例えば、ヤシ油脂肪酸、パー
ム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪
酸、落花生油脂肪酸、綿実油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、
ヒマワリ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ヒマ
シ油脂肪酸、オリブ油脂肪酸、ツバキ油脂肪酸、牛脂脂
肪酸、硬化牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、乳脂脂肪酸、魚油
脂肪酸等のハライドが挙げられる。
【0033】本発明の製造方法におけるアシル化反応工
程の反応溶媒に用いられるターシャリーブタノールは高
純度である必要はなく、水含有品でかまわず、反応精製
系から回収されたターシャリーブタノールも精製するこ
となしに使うことができる。反応時におけるの水/ター
シャリーブタノール溶媒混合比は85/15〜20/8
0(容量比)の範囲が好ましい。
【0034】本発明の製造方法におけるアシル化反応工
程における酸性アミノ酸の仕込み濃度は特に限定されな
いが、反応中経時的に反応液粘度が上昇するため、反応
終了に近くなった時点で攪拌混合が可能な程度の仕込み
濃度にすべきである。
【0035】本発明のアシル化反応工程で使用されるア
ルカリ物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の無機
塩基があげられる。反応中pHは9〜13.5に維持す
るのが良く、好ましくは10〜13の範囲である。pH
が9を下回ると脂肪酸ハライドが酸性アミノ酸と縮合反
応せずに加水分解した遊離脂肪酸の生成が増え、pHが
13.5を越えても実質的に不利な点は発生しないが、
必要以上のアルカリ量、およびそれに応じて次工程の酸
沈分層工程で消費する酸の量が増えるため資源浪費の観
点から好ましくない。
【0036】本発明の製造方法におけるアシル化反応工
程の反応温度は特に限定されないが、一般的に言えるこ
とは、脂肪酸ハライドが酸性アミノ酸と縮合してN−長
鎖アシル酸性アミノ酸を生成する反応(即ちアシル化反
応)は、脂肪酸ハライドが加水分解して遊離脂肪酸を生
成する反応との競争反応であり、加水分解反応の方が活
性化エネルギーが大きいため、反応温度が低いほど遊離
脂肪酸の生成比率は少なくなるので有利である。その
際、脂肪酸ハライドの加水分解反応が実質的に起こらな
くなる下限温度が存在するのでむやみに低温にする必要
はない。また生成物のN−長鎖アシル酸性アミノ酸中に
許容される遊離脂肪酸含有率を下回る程低温にする必要
もない。またあまり低温にすると、生成するN−長鎖ア
シル酸性アミノ酸の種類や反応液中濃度によっては反応
中に高粘度になり混合不能になったり、反応中に析出し
たりするので、このような事態にならない範囲で反応温
度を設定すべきである。またこのような場合も含めて、
反応中経時的に反応温度を変化させても良い。通常アシ
ル化反応温度は−10〜70℃の範囲である。
【0037】本発明の製造方法におけるアシル化反応工
程の反応形態は、撹拌槽で所定量の酸性アミノ酸、アル
カリ、反応溶媒を仕込んだ後、脂肪酸ハライドを連続的
に供給しながら、同時にpHをアルカリ側にするため同
時にアルカリを供給する半回分方式でも良いし、反応溶
媒を仕込んだ後、酸性アミノ酸のアルカリ水溶液、脂肪
酸ハライドを同時に連続供給する方式でも良く、所定量
を反応させた後撹拌槽内の液を次工程の酸沈分層工程に
付する。撹拌槽内に脂肪酸ハライドを供給する際、噴霧
させても良いし、あるいは液中に供給するようにしても
良い。また撹拌槽もしくは管型反応器を用いて反応溶
媒、酸性アミノ酸のアルカリ水溶液および脂肪酸ハライ
ドを反応器に連続的に供給しながら反応液を連続的に抜
き出して次工程の酸沈分層工程に付する、連続方式でも
かまわない。
【0038】本発明の製造方法における酸沈分層工程
は、アシル化反応液を塩酸、硫酸のような鉱酸でpHを
1〜6の範囲にすることにより有機層と水層の二層に分
離して有機層を取得する工程である。アシル化反応液
は、生成したN−長鎖アシル酸性アミノ酸がジアルカリ
塩の形で存在している。これに鉱酸を加えることでジア
ルカリ塩の一部もしくは全部をフリーの酸にすることで
有機層と水層に分層するものである。酸沈分層温度は3
5〜80℃である。好ましくは40〜70℃である。3
5℃より低い温度では分層平衡に達するまでの時間が長
くなったり、平衡に達しても有機層中にかなりの量の無
機塩が残存したり、N−長鎖アシル酸性アミノ酸の種類
やその液中濃度によっては全く分層しない場合があるか
らである。水/ターシャリーブタノールの共沸組成の常
圧における沸点が80℃近傍にあるので、80℃を越す
と沸騰が起こるため加圧下での分層が必要となり、特別
な装置が必要となり不利である。
【0039】本発明の製造方法における水洗工程は、酸
沈分層工程で得られた有機層中から水溶性不純物を液液
抽出法により水層中に移行させ低減する工程である。具
体的には、酸沈分層後の有機層に水および/またはター
シャリーブタノールを添加してN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸/ターシャリーブタノール/水の組成を調整し、液
液抽出で有機層中の水溶性不純物、主に反応および酸沈
分層工程で生成する無機塩類を水層中に移行させること
を行う。
【0040】これをN−ココイル−L−グルタミン酸/
ターシャリーブタノール/水の組成(重量分率)を例に
取って三角図で表すと、分層の起こる組成は下図の線で
囲まれた領域(分層領域)になる。
【0041】この組成領域内であれば、該混合液はN−
ココイル−L−グルタミン酸を含む有機層と水層の二相
に分離するので、この領域内に入るように各成分組成を
決定すれば何回でも有機層の精製は可能であるため、有
機層中の無機塩が希望する含有量になるまで精製を繰り
返すことができる。これを図1で例を用いて説明する。
【0042】図1の各軸の目盛りは重量分率である。酸
沈分層後の有機層組成がA点である時、水を添加してB
点の組成にすると有機層と水層の二層に分かれ各層の組
成はそれぞれC点とD点になる。さらにC点組成の有機
層に水を添加してE点の組成にすれば二層に分層し有機
層水層の組成はそれぞれF点とG点になる。この時点で
F点の有機層中に含まれる無機塩の含有量が希望する程
度に低減されていれば水洗工程は終了することになる
が、そうでない場合さらに同様な分層操作を実施すれば
よい。
【0043】こうしたN−長鎖アシル酸性アミノ酸と、
水とターシャリーブタノール混合溶媒との関係から明ら
かなように、本発明の水洗工程を適用することにより、
本発明の製法以外の製法によって得られた無機塩類など
の不純物を含むN−長鎖アシル酸性アミノ酸について
も、同様にして無機塩類不純物を所望のレベルまで低下
させることができる。
【0044】本発明の製造方法における水洗工程では、
分層平衡に達する時間は分層領域においてターシャリー
ブタノール濃度が多いほど短くなるので分層が実施可能
な範囲でターシャリーブタノール濃度を多くするのは好
ましい。
【0045】本発明の製造方法における水洗工程では、
水洗温度は35〜80℃、好ましくは40〜70℃であ
る。35℃より低い温度では分層平衡に達するまでの時
間が長くなったり、平衡に達しても有機層中にかなりの
量の無機塩が残存したり、N−長鎖アシル酸性アミノ酸
の種類や液中濃度によっては全く分層しない場合がある
からである。水/ターシャリーブタノールの共沸組成の
沸点が80℃近傍にあるので、80℃を越すと沸騰が起
こるため加圧下での分層が必要となり、特別な装置が必
要となり不利である。
【0046】このようにして得られた水洗工程後の無機
塩の低減された有機層からN−長鎖アシル酸性アミノ酸
を取り出すには、常法に従ってターシャリーブタノール
を蒸留分離によって除去すれば良い。
【0047】かくして得られた、N−長鎖アシル酸性ア
ミノ酸またはその塩は優れた界面活性能力を示すと共
に、先述のように実質的に臭気が無く、かつ不純物が低
減されており、産業上極めて有用である。N−長鎖アシ
ル酸性アミノ酸の塩としては、ナトリウム・カリウム・
リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム・マグネシウ
ム等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、
アンモニウム塩、モノエタノールアミン・ジエタノール
アミン・トリエタノールアミン・トリイソプロパノール
アミン等の有機アミン塩、アルギニン・リジン等の塩基
性アミノ酸塩が挙げられる。
【0048】その用途の代表例としては、例えば工業用
洗浄剤及び処理剤原料、家庭用(衣料・台所・住居等)洗
剤原料、香粧品原料等を挙げることが出来る。特に香粧
品原料用途はN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩
の特徴である低刺激性を活かした有用な用途と言える。
【0049】本発明に於ける香粧品とは、薬事法に言う
医薬部外品および化粧品の総称であり、具体的には、医
薬部外品としては口中清涼剤、腋臭防止剤、てんか粉
類、養毛剤、除毛剤、染毛剤、パーマネントウェーブ用
剤、浴用剤、薬用化粧品、薬用歯磨き類などを列挙する
ことができ、化粧品としては、化粧石鹸、洗顔料(クリ
ーム・ペースト状、液・ジェル状、顆粒・粉末状、エア
ゾール使用など)、シャンプー、リンスなどの清浄用化
粧品、染毛料、ヘアトリートメント剤(クリーム状、ミ
スト状、オイル状、ジェル状その他の形態の物および枝
毛コート剤を含む)、ヘアセット剤(髪油、セットロー
ション、カーラーローション、ポマード、チック、びん
つけ油、ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアリキッド、ヘ
アフォーム、ヘアジェル、ウォーターグリース)などの
頭髪用化粧品、一般クリーム・乳液(クレンジングクリ
ーム、コールドクリーム、バニシングクリーム、ハンド
クリームなど)、ひげ剃り用クリーム(アフターシェー
ビングクリーム、シェービングクリームなど)、化粧水
(ハンドローション、一般化粧水など)・オーデコロ
ン、ひげ剃り用ローション(アフターシェービングロー
ション、シェービングローションなど)、化粧油、パッ
クなどの基礎化粧品、おしろい(クリームおしろい、固
形おしろい、粉おしろい、タルカムパウダー、練りおし
ろい、ベビーパウダー、ボディパウダー、水おしろいな
ど)・パウダー、ファンデーション(クリーム状、液
状、固形など)、ほお紅・まゆずみ、アイクリーム・ア
イシャドウマスカラなどのメークアップ化粧品、一般香
水、練り香水、粉末香水などの香水類、日焼け・日焼け
止めクリーム、日焼け・日焼け止めローション、日焼け
・日焼け止めオイルなどの日焼け・日焼け止め化粧品、
爪クリーム・エナメル・エナメル除去液などの爪化粧
品、アイライナー化粧品、口紅・リップクリームなどの
口唇化粧品、歯磨きなどの口腔化粧品、バスソルト、バ
スオイルなどの浴用化粧品などを列挙することができ
る。中でも、本発明品は上記に言う清浄用化粧品、頭髪
用化粧品、基礎化粧品に使われることが多く、別けても
清浄用化粧品での使用に最適である。
【0050】また、本発明品は通常香粧品に用いられる
各種の基材と併用することができる。具体的には、脂肪
酸塩(石鹸)、アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AE
S)、アルファ−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩(SAS)、ジアル
キルスルホコハク酸塩、アルファースルホン化脂肪酸
塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−メチルタ
ウリン塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンスチレン化
フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ナフタリンス
ルフォン酸塩ホルマリン縮合物などの陰イオン性界面活
性剤、アルキルベタイン類、アルキルアミドベタイン
類、アルキルスルホベタイン類、イミダゾリニウムベタ
イン類などの両性界面活性剤、脂肪酸アルキロールアミ
ド、アルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル(AE)、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エス
テル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし
油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノー
ルアミン脂肪酸部分エステルなどの非イオン性界面活性
剤、第1〜第3級脂肪アミン塩、塩化アルキルアンモニ
ウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキル
ベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ア
ルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、ジアルキ
ルモルフォリニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、ア
ルギン酸ナトリウム、デンプン誘導体、トラガントゴム
などの高分子界面活性剤、レシチン、ラノリン、コレス
テロール、サポニンなどの天然界面活性剤、アボガド
油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、サ
フラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ひまし油、
ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、卵黄油、パーム
油、パーム核油、合成トリグリセライド等の油脂、流動
パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリ
ンワックス、イソパラフィン等の炭化水素、ミツロウ、
鯨ロウ、ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウお
よびその誘導体等のロウ、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレ
イン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪
酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸等の高級
脂肪酸、ラウリルアルコール、セタノール、セトステア
リルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアル
コール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水
添ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチル
ドデカノール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプ
ロピル、ステアリン酸ブチル等のその他のエステル油、
金属石鹸、ストレートシリコーン油、変成シリコーン油
等のシリコーン類等の揮発性および不揮発性の油分、グ
リセリン、1、3−ブタンジオール、プロパンジオー
ル、ポリエチレングリコールなどのポリオール類やトリ
メチルグリシン、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸
塩類、乳酸塩類、ヒアルロン酸塩類などの保湿剤、ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルト
リメチルアンモニウムクロリドエーテル、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、可溶性デン
プン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエ
ーテル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸
塩、グアーガム、ローカストビンガム、クインスシー
ド、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチ
ン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラ
ン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼ
ラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、メトキシ
エチレン無水マレイン酸共重合体、両性メタクリル酸エ
ステル共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニ
ウム、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニ
ル、ニトロセルロース、シリコーンレジン等の水溶性お
よび油溶性高分子やポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルメチルグリコ
シド、テトラデセンスルホン酸塩等の増粘、増泡成分、
エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエ
チレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコ
ルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メ
タリン酸塩類などの金属イオン封鎖剤、パラオキシ安息
香酸エステル類、安息香酸およびその塩類、フェノキシ
エタノール等の防腐剤、クエン酸、リンゴ酸、アジピン
酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のpH調整剤、そ
の他トリクロロルカルバニリド、サリチル酸、ジンクピ
リチオン、イソプロピルメチルフェノールなどのふけ・
かゆみ防止剤、ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息
香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘
導体その他の紫外線吸収剤、アルブチン、コウジ酸、ア
スコルビン酸およびその誘導体などの美白剤、センブリ
エキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導
体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤、トウガラ
シチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、
ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤、各種ビ
タミンやアミノ酸などの栄養剤、女性ホルモン剤、毛根
賦活剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、
アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコ
ルチゾンなどの抗炎症剤、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラン
トインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、ス
ルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸などの収斂剤、メントー
ル、カンフルなどの清涼剤、抗ヒスタミン剤、高分子シ
リコーン、環状シリコーン等のシリコン系物質、トコフ
ェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなど
の酸化防止剤、精製水等などを含むことができる。
【0051】特に、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオ
キシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド、ジステア
リン酸ポリエチレングリコール、テトラデセンスルホン
酸塩、ミリスチン酸塩類、ミリスチルジメチルアミンと
の併用は粘度、起泡力を増加させる点で有用であり、ま
た、各両イオン性界面活性剤との併用は刺激性を一層低
減させるという点に於いてきわめて有用である。
【0052】
【発明の実施の形態】以下で、本発明を実施例等を用い
てさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等
により何ら限定させるものではない。
【0053】本発明の実施例等で用いる分析手段などは
以下の通りである。
【0054】(イ)無機塩類の定量 各イオンを誘導結合型プラズマ発光分析装置IRIS/
AP(ThermoJarrell Ash製)で測定
した。塩素イオンのみはイオンクロマトグラフィーで測
定した。イオンクロマトグラフィーの条件は、カラムD
IONEXAS4ASC、ガードカラムAG4ASC、
サプレッサーAMMS、溶離液3mmol/L Na2
CO3、1mmol/L NaHCO3混合溶液、再生液
は0.05NのH2SO4である。実施例中、無機塩含有
量はN−長鎖アシル酸性アミノ酸重量に対する値で示
す。
【0055】(ロ)N−長鎖アシル酸性アミノ酸の定量 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて、ODS
カラムに、メタノール:水:ジオキサン:リン酸(85
%)=820:160:20:0.25(容量比)の溶
離液で、カラム温度40℃、波長205nmの紫外検出
器および示差屈折率検出器を用いて行った。
【0056】(ハ)ターシャリーブタノールの定量 ガスクロマトグラフィー(島津製作所(株)製GC−1
4A)にて、検出器を水素炎イオン化型検出器、カラム
は内径3mmのガラスカラムに充填剤として液相PEG
20M 20%、担体ChromosorbW AW−
DMCSの60〜80メッシュを用い、インジェクショ
ン温度200℃、カラム温度は0〜10分が120℃、
その後30℃/minで200℃まで昇温し、200℃
で15分ホールドというパターンで測定した。実施例中
のターシャリーブタノール量はN−長鎖アシル酸性アミ
ノ酸に対する量で示す。
【0057】(ニ)臭気官能試験 N−長鎖アシル酸性アミノ酸から調製した固形分30重
量%トリエタノールアミン塩水溶液、およびこのトリエ
タノールアミン塩水溶液を用いて調合したシャンプー配
合組成物についての臭気評価を、液をガラスのスクリュ
ー管(直径35mm×高さ78mm)に入れて、液の温
度を室温および80℃に保持した状態で健常な男性4
名、女性1名で行った。実施例中の評価結果について
は、脂肪酸臭、ターシャリーブタノール臭等の臭気が5
名中1人も感じられなかった物は○、1人でも臭気の感
じられた物については×で示す。
【0058】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0059】N−ココイル−L−グルタミン酸の製造 (実施例1) アシル化工程 L−グルタミン酸ナトリウム一水和物220.83g
(1.18mol)、純水317.60g、25重量%
水酸化ナトリウム水溶液188.79g(水酸化ナトリ
ウム1.18mol)の溶液に、ターシャリーブタノー
ル/水混合溶媒(ターシャリーブタノール88容量%)
400mlを加え、この溶液を氷冷しながら25重量%
水酸化ナトリウムでpHを12に調整しながら塩化ココ
イル261.05g(1.15mol)を攪拌下、2時
間を要して滴下した。
【0060】酸沈分層工程 さらに30分攪拌を続けた後、75重量%硫酸を滴下し
て液のpHを2に、また液の温度を50℃に調整した。
滴下終了後、攪拌を停止し、15分間50℃で静置する
と有機層と水層とに分層した。
【0061】水洗工程 有機層を分離し、液温を70℃に昇温し有機層重量に対
し50重量%の水を添加して15分攪拌した。攪拌停止
後、15分間70℃で静置すると有機層と水層とに分層
した。得られた有機層から溶媒を除去しN−ココイル−
L−グルタミン酸372.60g(収率96%)を得
た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の残存ターシャ
リーブタノールは50重量ppmであった。その他、副
生物含量等は表1に示す。
【0062】(実施例2)実施例1において水洗工程の
温度を50℃とし、静置分層の時間を30分間とした以
外は実施例1と同じ条件で実施した。N−ココイル−L
−グルタミン酸368.72g(収率95%)を得た。
N−ココイル−L−グルタミン酸中の残存ターシャリー
ブタノールは70重量ppmであった。その他、副生物
含量等は表1に示す。
【0063】(実施例3)実施例1と同じ条件で水洗工
程まで実施し有機層を得た。得られた有機層重量に対し
さらに50重量%の水を添加して15分攪拌した。攪拌
停止後、25分間70℃で静置すると有機層と水層とに
分層した。得られた有機層から溶媒を除去しN−ココイ
ル−L−グルタミン酸371.05g(収率95.6
%)を得た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の残存
ターシャリーブタノールは20重量ppmであった。そ
の他、副生物含量等は表1に示す。
【0064】(実施例4)実施例3と同じ条件で水洗工
程を2回実施し有機層を得た。得られた有機層重量に対
しさらに100重量%の水を添加して15分攪拌した。
攪拌停止後、60分間70℃で静置したが分層が確認さ
れなかったので、さらに有機層重量に対し20重量%の
ターシャリーブタノールを添加して15分攪拌した。攪
拌停止後、15分間70℃で静置すると有機層と水層と
に分層した。得られた有機層から溶媒を除去しN−ココ
イル−L−グルタミン370.66g(収率95.5
%)を得た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の残存
ターシャリーブタノールは50重量ppmであった。そ
の他、副生物含量等は表1に示す。
【0065】(比較例1)実施例1と同じ条件で酸沈分
層工程まで実施した。得られた有機層から溶媒を除去し
N−ココイル−L−グルタミン酸371.07g(収率
95.6%)を得た。N−ココイル−L−グルタミン酸
中の残存ターシャリーブタノールは850重量ppmで
あった。その他、副生物含量等は表1に示す。
【0066】(比較例2)実施例1においてターシャリ
ーブタノールをアセトンとし、反応液の仕込みに用いる
純水の量を365.60g、アセトンの量を352ml
とする以外は実施例1と同じ条件で酸沈分層工程まで実
施した。得られた有機層から溶媒を除去しN−ココイル
−L−グルタミン酸368.72g(収率95%)を得
た。N−ココイル−L−グルタミン酸中の残存アセトン
縮合物は55重量ppmであった。その他、副生物含量
等は表1に示す。
【0067】(比較例3)実施例1においてターシャリ
ーブタノールをアセトンとする以外は実施例1と同じ条
件で水洗工程まで実施したが、水洗工程において分層が
確認されなかったので、その状態から溶媒を除去した後
さらに水を100ml添加して水および残余の溶媒を蒸
留除去し、N−ココイル−L−グルタミン酸371.0
7g(収率95.6%)を得た。N−ココイル−L−グ
ルタミン酸中の残存アセトン縮合物は10重量ppmで
あった。
【0068】N−ラウロイル−L−グルタミン酸の製造 (実施例5)実施例1において塩化ココイルを塩化ラウ
ロイルとした以外は実施例1と同じ条件で実施した。N
−ラウロイル−L−グルタミン酸359.43g(収率
94.8%)を得た。N−ラウロイル−L−グルタミン
酸中の残存ターシャリーブタノールは80重量ppmで
あった。その他、副生物含量等は表1に示す。
【0069】(実施例6)実施例5において水洗工程の
温度を50℃とし、静置分層の時間を30分間とした以
外は実施例5と同じ条件で実施した。N−ラウロイル−
L−グルタミン酸360.95g(収率95.2%)を
得た。N−ラウロイル−L−グルタミン酸中の残存ター
シャリーブタノールは40重量ppmであった。その
他、副生物含量等は表1に示す。
【0070】(比較例4)実施例5と同じ条件で酸沈分
層工程まで実施した。得られた有機層から溶媒を除去し
N−ラウロイル−L−グルタミン酸361.70g(収
率95.4%)を得た。N−ラウロイル−L−グルタミ
ン酸中の残存ターシャリーブタノールは900重量pp
mであった。その他、副生物含量等は表1に示す。
【0071】N−ココイル−L−アスパラギン酸の合成 (実施例7)実施例1においてアシル化工程でのL−グ
ルタミン酸ナトリウム一水和物とその量ををL−アスパ
ラギン酸157.06g(1.18mol)とし、水洗
工程の温度を50℃とした以外は実施例1と同じ条件で
実施した。N−ココイル−L−アスパラギン酸353.
42g(収率95%)を得た。N−ココイル−L−アス
パラギン酸中の残存ターシャリーブタノールは40重量
ppmであった。その他、副生物含量等は表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】シャンプー組成物 (実施例8)実施例1、2、3、4で得たN−ココイル
−L−グルタミン酸のトリエタノールアミン塩水溶液を
用いて、表2の組成のシャンプー組成物を配合した。得
られた配合組成物について臭気官能試験を行った。
【0074】シャンプー配合組成物は室温および80℃
の臭気試験において脂肪酸臭、ターシャリーブタノール
臭等は感じられず、評価結果は○であった。
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に比べ次の利点
がある。
【0077】本発明の製造法は簡易であるだけでなく、
溶媒由来の臭気や脂肪酸の臭気が実質上なく、また無機
塩類などの不純物も極めて低含量まで抑えた高純度のN
−長鎖アシル酸性アミノ酸とその塩が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるN−長鎖アシル酸性アミノ酸の
精製の原理を説明するもので、前記アミノ酸としてのN
−ココイル−L−グルタミン酸/ターシャリーブタノー
ル/水の間で分層の生じる組成(線で囲まれた領域)を
示す(図1中の各軸の目盛りは重量分率)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 1/10 C11D 1/10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性アミノ酸と飽和または不飽和の炭素
    数8〜20の脂肪酸ハライドを反応させてN−長鎖アシ
    ル酸性アミノ酸を製造するに際し、以下の三工程を含む
    ことを特徴とするN−長鎖アシル酸性アミノ酸の製造方
    法 1)水とターシャリーブタノールの混合溶媒中、酸性ア
    ミノ酸と脂肪酸ハライドとをアルカリの存在下縮合反応
    させる工程(アシル化反応工程)、 2)反応終了後、反応液を鉱酸でpHを1〜6にするこ
    とにより有機層と水層とに分層しN−長鎖アシル酸性ア
    ミノ酸を含む有機層を取得する工程(酸沈分層工程)、 3)得られた有機層を水および/またはターシャリーブ
    タノールと混合し、35℃〜80℃の温度において水層
    とN−長鎖アシル酸性アミノ酸を含む有機層とに分層し
    不純物を除去する工程(水洗工程)。
  2. 【請求項2】 N−長鎖アシル酸性アミノ酸に対し、無
    機塩の含量が1重量%以下、ターシャリーブタノールの
    含量が0.1〜750重量ppmであることを特徴とす
    るN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩。
  3. 【請求項3】 少なくともターシャリーブタノールと水
    とを含む混合溶媒中で、酸性アミノ酸と飽和または不飽
    和の炭素数8〜20の脂肪酸ハライドとの反応により得
    られる請求項2記載のN−長鎖アシル酸性アミノ酸また
    はその塩。
  4. 【請求項4】 精製方法が請求項1に記載の酸沈分層工
    程および水洗工程であることを特徴とする請求項3記載
    のN−長鎖アシル酸性アミノ酸またはその塩。
  5. 【請求項5】 N−長鎖アシル酸性アミノ酸に対し無機
    塩の含量が1重量%以下、ターシャリーブタノールの含
    量が0.1〜750重量ppmであるN−長鎖アシル酸
    性アミノ酸またはその塩を配合したことを特徴とする液
    体状または固体状組成物。
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