JPH11138829A - カム装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

カム装置およびインクジェット記録装置

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JPH11138829A
JPH11138829A JP31385497A JP31385497A JPH11138829A JP H11138829 A JPH11138829 A JP H11138829A JP 31385497 A JP31385497 A JP 31385497A JP 31385497 A JP31385497 A JP 31385497A JP H11138829 A JPH11138829 A JP H11138829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カムフォロアによりカムに働く回転トルク
と、ブレーキカムフォロアによりブレーキカムに働く回
転トルクとが打ち消しあって、オーバーラン現象が生じ
させることなくカムの円滑な回転が確保する。 【解決手段】 ステップモータ18によってカム16と
ブレーキカム17が回転軸22aを中心として一体的に
回転する。カム16に追従するカムフォロア28と、ブ
レーキカム17に追従するブレーキカムフォロア30と
は、付勢ばね27,31によりそれぞれ付勢されてい
る。ブレーキカムフォロア30が当接することによりブ
レーキカム17に加わる力が、カムフォロア28がカム
16に当接することによりカム16に加わる力のうちカ
ム16を回転させようとする力を打ち消す方向に働くよ
う設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカム装置およびその
カム装置を用いたヘッド回復手段を有するインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ等の記録方式のうち、吐出口
(ノズル)からインクを吐出させて記録紙上に記録を行
うインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト
記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるた
め、近年では広く採用されている。
【0003】一般的なインクジェット記録装置は、イン
クジェットヘッドを搭載するキャリアを駆動する手段
と、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するた
めの制御手段などを備えている。また、インクジェット
ヘッドのノズルからインクを吐出するためのエネルギー
を発生させるために、ピエゾ素子などの電気機械変換体
を用いてインクに加圧するもの、レーザなどの電磁波を
照射して発熱させこの発熱による発泡させるもの、ある
いは発熱抵抗体を有する電気熱変換体素子によって液体
を加熱させ発泡させるものなどがある。その中でも熱エ
ネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式のインク
ジェット記録装置は、ノズルを高密度に配列することが
できるため高解像度の記録をすることが可能である。特
に電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いた
インクジェットヘッドは、小型化が容易であり、最近の
半導体製造分野において技術の進歩と信頼性の向上性が
著しいIC技術やマイクロ加工技術を応用して、その長
所を十分に活用することにより高密度実装化が容易でか
つ製造コストを低くできる。
【0004】このようなインクジェット記録装置におい
ては、ノズルの目詰まりによる印字不良を防ぐために、
ヘッド回復手段が設けられている。このヘッド回復手段
は、ノズル面をキャップにて覆った状態で、キャップを
介して吸引ポンプによってインクをノズルから吸引する
ことにより、インクジェットヘッドおよびインク供給流
路の内部の高粘度インクや微細なごみやインク液中の気
泡をインクとともにノズル先端より吸出してしまうもの
である。このようなヘッド回復手段においては、キャッ
プの開閉動作や吸引動作の正確さ、制御の確実さが要求
されるために、制御機構として、手軽に複雑な動作を行
なうことができるカム装置が多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】回復手段はキャップの
開閉動作とポンプの吸引動作とを行うため、ワンウエイ
駆動伝達手段(ワンウェイクラッチ)と正逆回転可能な
モータとを組み合わせ、モータの正逆回転を切り替えて
2つの動作を任意に行えるようにした構成がある。しか
し、駆動源とカムとの間にワンウエイ駆動伝達手段を設
ける場合、カムフォロア等の別部材の及ぼす力によりカ
ムの方が駆動源の速度よりも速く動こうとする力が働く
と、駆動力が正しく伝達されずカムが駆動源よりも先に
動いてしまうオーバーラン現象が生じたり、駆動源を停
止してもカムはすぐには停止しないというように、駆動
源の駆動力がそのまま正しく伝わらないことがある。
【0006】このような問題点を解決するために、カム
フォロアがカムをオーバーランさせるような力を及ぼさ
ないように、カムのカムフォロアに当接する部分の形状
を調整することが考えられる。しかしそのためには、カ
ムフォロアが重力またはばねなどによる付勢力で落下す
る部分は、カム外周が実質的に垂直な形状とする必要が
あり、そうすると、カムフォロアが落下する途中でその
落下に抗する力が加わらないため、カムフォロアの落下
中にカムを止めるように制御することができない。ま
た、カムフォロアが急激に落下する際に大きな衝撃を発
生させるという問題がある。
【0007】また、カムの回転を抑える摺動ブレーキを
かけることによりオーバーラン現象を防ぐことができる
が、その場合にはブレーキが作用した時に駆動源の負荷
が増える。
【0008】ワンウェイ駆動伝達手段の代わりに通常の
歯車伝達機構を用い、ステッピングモータなどの保持性
のある駆動源で駆動すれば、カムがオーバーランするこ
とは防げるが、常に駆動源が結合されているために正転
・逆転で異なる制御をおこなうことができない。
【0009】そこで本発明の目的は、ワンウエイ駆動伝
達手段を用いた場合にも、カムがオーバーランすること
がなく、しかも駆動源の正転と逆転で異なる複数の動作
をすることができるカム装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、カムの駆動に
対する負荷をできるだけ均一化して負荷のピークを抑え
たカム装置を提供することにある。
【0011】そして、本発明のさらに他の目的は、カム
形状と制御に自由度の高いカム装置を有するヘッド回復
手段を含むインクジェット記録装置を提供することにあ
る。
【0012】
【問題を解決するための手段】そこで上記目的を達成す
るために本発明のカム装置の特徴は、駆動源によって回
転駆動されるカムと、前記カムに追従するカムフォロア
と、前記カムとともに回転するブレーキカムと、前記ブ
レーキカムに追従するブレーキカムフォロアとを有し、
前記ブレーキカムは、前記ブレーキカムフォロアが前記
ブレーキカムに当接することにより前記ブレーキカムに
加わる力が、前記カムフォロアが前記カムに当接するこ
とによりカムに加わる力のうち前記カムを回転させよう
とする力を打ち消す方向に働くような形状を有している
ことにある。これによると、カムを駆動する負荷を平準
化しピークを抑えることにより駆動源の負荷の急激な増
大を防ぐことができる。
【0013】前記カムと前記ブレーキカムとは、同一の
回転軸を有し一体的に回転する。そしてこの場合、前記
カムは板カムであると、複数のカムを同軸上に構成する
ことが容易にできる。
【0014】また、本発明のカム装置は、前記駆動源か
ら前記カムへ駆動力を伝達するワンウエイ駆動伝達手段
を有している。この場合でも、カムがオーバーランする
ことがないという効果がある。そして、前記ワンウエイ
駆動伝達手段は、ベース歯車と、該ベース歯車に対し揺
動可能に取り付けられている振り子アームと、振り子ア
ームに取り付けられている遊星歯車とを含む振り子状歯
車伝達機構からなる。この場合、駆動源の正転逆転で別
の被駆動部材を駆動させる構成が容易にできる。また、
前記駆動源は、ステッピングモータである。ステッピン
グモータのパルスに応じて停止位置を容易かつ正確に決
められるという特性を十分にいかすことができる。
【0015】本発明のインクジェット記録装置は、前記
したいずれかの構成のカム装置を有するヘッド回復手段
を含んでいる。この場合、簡単な構成でキャッピング等
のヘッド回復動作が精度よく行なえる。
【0016】そして、前記カムフォロアに、インクジェ
ットヘッドのノズル面を覆うためのキャップが設けられ
ており、前記カムと追従する前記カムフォロアの移動に
よって前記キャップによる前記ノズル面の開閉が行われ
る。
【0017】さらに、前記駆動源から前記カムへ駆動力
を伝達するための、前記遊星歯車を含む前記振り子状歯
車伝達機構が、前記カムを駆動する際の回転方向と反対
方向の回転により別の被駆動部材を駆動する。
【0018】前記別の被駆動部材はチューブポンプのポ
ンプコロホルダである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0020】図1は本発明のカム装置を用いたインクジ
ェット記録装置1の全体該略図である。
【0021】図1に示すように、記録手段であるインク
ジェットヘッド(図2参照)3と、インクタンク4と
が、キャリア2上に搭載されている。キャリア2は、フ
レーム6に両端部が固定され互いに平行に配置されたガ
イドシャフト7とガイドレール8に沿って摺動可能に支
持されている。なお、このキャリア2は不図示のベルト
駆動装置とステッピングモータとにより往復駆動され
る。
【0022】キャリア2の移動範囲の近傍には、搬送ロ
ーラ9とこれに当接するピンチローラ(不図示)とが設
けられている。また、このインクジェット記録装置1の
上部には記録用紙の給送機構である自動給紙装置10が
設けられ、インクジェット記録装置1の前部にはフレー
ムに着脱可能な上段カセット11および下段カセット1
2が取り付けられている。記録用紙Pは、自動給紙装置
10または上段カセット11または下段カセット12か
ら供給され、インクジェットヘッド3と対向する記録位
置に至り、搬送ローラ9およびピンチローラに挟まれた
状態でこの搬送ローラ9およびピンチローラの回転によ
り、キャリア2の移動方向と実質的に直角な方向に搬送
され、記録終了後は排紙スタッカ13に排出される。
【0023】キャリア2の移動範囲の一端部付近に設け
られたホームポジションには、インクジェットヘッド3
と対向可能な位置に、ヘッド回復手段14が配設されて
いる。ヘッド回復手段14は、待機中、記録動作前後も
しくは一行ごとの記録の合間に作動し、インクジェット
ヘッド3の目詰まりを防止するなど性能を保持するため
の、キャッピング、吸引、ワイピングなどの動作を行
う。次に、図2、図3を用いてこのヘッド回復手段14
についてさらに詳しく説明する。
【0024】図2、図3は本実施形態のヘッド回復手段
14のカム装置周辺の構成・動作を示す概略断面図であ
り、本発明の説明に必要なところのみを図示している。
【0025】インクジェット記録ヘッド3は、キャリッ
ジ2の移動に伴って紙面に直交する方向(主走査方向)
に搬送され、インクを吐出するノズル面3aを有してい
る。ベース15は、このヘッド回復手段14の後述する
各部品を支持・固定するものである。
【0026】図3に示すように、ヘッド回復手段14に
は、駆動源であるステッピングモータ18が取り付けら
れており、このステッピングモータ18のピニオン歯車
は、減速歯車19を介して振り子状歯車伝達機構21に
連結されている。この振り子状歯車伝達機構21は、減
速歯車19と連結されているベース歯車21aと、この
ベース歯車21aに対し揺動可能に取り付けられている
振り子アーム21bと、振り子アーム21bの先端に取
り付けられている遊星歯車21cとからなる。遊星歯車
21cは、図3に示すように図面右側に位置している時
はカム歯車22に噛み合っている。カム歯車22の外周
には、カム歯車フラグ23が設けられている。このカム
歯車フラグ23は、図示しない光学センサからの光を遮
光する遮光板であり、遮光されるか否かを検知すること
によって光学センサはカム歯車22の位相を知ることが
できる。
【0027】カム歯車22の回転軸22aには、図2に
示すように、カム(キャップカム)16とブレーキカム
17とが同軸的に配設されており、カム16とブレーキ
カム17とは、回転軸22aを中心としてカム歯車22
と一体的に回転する。カム16の外周には、揺動可能な
カムフォロア28の一端部が当接している。カムフォロ
ア28の他端部には付勢ばね27が取り付けられてお
り、付勢ばね27の付勢力により、カムフォロア28が
常にカム16に追従する。カムフォロア28の他端部側
にはインクジェットヘッド3のノズル面3aを覆うキャ
ップ29が取り付けられている。
【0028】また、ブレーキカム17の外周には、揺動
可能なブレーキカムフォロア30の一端部が当接してい
る。ブレーキカムフォロア30には付勢ばね31が取り
付けられており、付勢ばね31の付勢力により、ブレー
キカムフォロア30が常にブレーキカム17に追従す
る。
【0029】キャップ29には、インク等が流入可能な
吸引チューブ26が取り付けられており、このチューブ
26がチューブフレーム32とポンプコロホルダ24と
の間を通されている。ポンプコロホルダ24には、外部
へ突出する1個のポンプコロ25が設けられ、また、遊
星歯車21cが図3左側に位置している時に噛み合う歯
車部が形成されている。このチューブ26、ポンプコロ
ホルダ24、ポンプコロ25、チューブフレーム32に
より、チューブポンプ33が構成されている。
【0030】以上説明した概略構成を有する本実施形態
のヘッド回復手段14の作動について、次に説明する。
【0031】ステッピングモータ18が正転(時計回
り)すると、減速歯車19と、振り子状歯車伝達機構2
1のベース歯車21aが連動して回転し、振り子アーム
21bは図3に示すように図面右側に傾き、遊星歯車2
1cがカム歯車22に噛み合う。これにより、カム歯車
22が時計回り方向に回転する。この時、カム16およ
びブレーキカム17も、カム歯車22と一体的に時計回
り方向に回転する。カムフォロア28は、カム16に追
従して揺動し、やがてキャップ29が図3上方のインク
ジェットヘッド3のノズル面3aに当接し、キャッピン
グを行なう。なお、この時、ブレーキカムフォロア30
はブレーキカム17に追従して揺動する。ここで、ステ
ッピングモータ18が逆転(反時計回り)すると、減速
歯車19およびベース歯車21aが連動して回転し、振
り子アーム21bは図3左側に傾き、遊星歯車21cが
ポンプコロホルダ24に噛み合う。これにより、ポンプ
コロホルダ24が反時計回りに回転すると、ポンプコロ
25が吸引チューブ26をチューブフレーム32との間
で押しつぶしながら移動する。この時、遊星歯車21c
との噛み合いが解除されたカム歯車22は回転しないた
め、カム16およびカムフォロア28は移動せず、キャ
ップ29はインクジェットヘッド3のノズル面3aをキ
ャッピングしたままである。そこで、前記の通りポンプ
コロ25が吸引チューブ26を押しつぶしながら移動す
ると、キャップ29内の圧力が大気圧より低くなり、イ
ンクジェットヘッド3のノズルからインクが吸い出され
る。同時に、高粘度インクや微細なごみやインク液中の
気泡も吸い出されることにより、目詰まり等による印字
不良を回避できインクジェットヘッド3の印字性能を回
復できる。
【0032】なお、以上の回復動作が完了したら、再度
ステッピングモータ18が正転し、減速歯車19および
ベース歯車21aを介して振り子アーム21bが図3に
示すように右に傾いて、遊星歯車21cがカム歯車22
に噛み合い、カム歯車22およびカム16およびブレー
キカム17が再度時計回りに回転する。それに伴って、
カム16に追従するカムフォロア28が揺動し、キャッ
プ29がインクジェットヘッド3のノズル面3aから離
れる。
【0033】振り子状伝達機構21は、ステッピングモ
ータ18の正転時にはカム歯車22を時計回りに駆動
し、ステッピングモータ18の逆転時にはポンプコロホ
ルダ24を反時計回りに駆動するワンウェイ駆動伝達手
段である。
【0034】次に、このような動作において同軸上のカ
ム16およびブレーキカム17に働くカムフォロア28
およびブレーキカムフォロア30の力について説明す
る。図4は、図2に示す状態のカム16およびブレーキ
カム17とカムフォロア28およびブレーキカムフォロ
ア30の当接部分を拡大して示す図面である。なお、以
下の説明においては、摩擦は無視し得るものとして考え
る。
【0035】まず、カム16とカムフォロア28につい
て説明する。接触点Qにおいて、カム16とカムフォロ
ア28との間で実際に働く力は、カム面に垂直な力F2
である。そのうち、付勢ばね27による付勢力によっ
て、カムフォロア28がカム16の外周に沿って追従す
るために働く力は、カムフォロア28の揺動の支点Rと
接触点Qを結ぶ線に対して直角に働く力F1である。そ
して、もうひとつの力F3は、カム16の回転中心Oと
接触点Qとを結ぶ直線に直角に働く。この力F3に、接
触点Qにおけるカム16の径(OQ)を乗じたものが、
カム16を回転させるために働くトルクとなる。
【0036】前記した通り、振り子歯車伝達機構21は
ワンウェイ駆動伝達手段であるから、図2,4に示すよ
うに、遊星歯車21cがカム歯車22に噛み合ってカム
16が回転する状態では、カム16は時計回り方向に回
転している。そこで、図4に示す、カムフォロア28が
カム16に当接することにより及ぼす力F2のうちカム
16を回転させようとする力F3は、やはりカム16を
時計回りに回転させる方向に作用する。従って、この力
の影響により、カム16はステッピングモータ18から
伝達される駆動力以上に回転しようとする。このこと
が、従来のオーバーラン現象やステッピングモータ18
の停止後に回転続行するといった問題を引き起こしてい
る。
【0037】ところで、本実施形態では、カム16と回
転軸22aを共通にし一体的に回転するブレーキカム1
7が設けられ、このブレーキカム17にブレーキカムフ
ォロア30が追従している。従って、ブレーキカムフォ
ロア30がブレーキカム17に当接することによって働
く力も存在する。
【0038】ブレーキカム17とブレーキカムフォロア
30との関係については、図5に詳細に示されている。
カム17とカムフォロア28と同様に、接触点Q’にお
いて、ブレーキカム17とブレーキカムフォロア30と
の間で実際に働く力は、カム面に垂直な力F2’であ
る。そのうち、ブレーキカム17に回転トルクを与える
力F3’は、ブレーキカム17の回転中心Oと接触点
Q’とを結ぶ直線に直角に働く。この力F3’に、接触
点Q’におけるブレーキカム17の径(OQ’)を乗じ
たものが、ブレーキカム17を回転させるために働くト
ルクとなる。
【0039】従って、本実施形態において一体的に回転
するカム歯車22およびカム16およびブレーキカム1
7に対して、カムフォロア28およびブレーキカムフォ
ロア30が当接することにより実際に作用する回転トル
クは、図4に示す力F3による回転トルクと図5に示す
力F3’による回転トルクとの和である。そして、本実
施形態では、F3とF3’とによる回転トルクの和が実
質的に0になるように設定されているので、カム歯車2
2およびカム16およびブレーキカム17は、ステッピ
ングモータ18から伝達される駆動力以外に回転力を受
けない。そのため、従来のオーバーラン現象やステッピ
ングモータ18の停止後に回転続行するといった問題は
生じない。
【0040】なお、接触点Q,Q’においてカム16お
よびブレーキカム17にカムフォロア28およびブレー
キカムフォロア30が当接する場合についてのみ詳述し
たが、これ以外の位相にある時にも、前記したように回
転トルクの和が常に実質的に0になるように形成されて
いる。例えば、、カム16の傾斜が図4の場合と逆方向
になっている場合には、カムフォロアが及ぼす力F3は
反時計方向(振り子状歯車の駆動方向と逆方向)にな
り、これはステッピングモータ18に対する負荷とな
る。そこで、ブレーキカム17とブレーキカムフォルダ
30との接触面において、カム16に作用するのと逆方
向(時計方向)の力が発生し、ステッピングモータ18
の回転を促進するようにブレーキカム17の形状が調整
されている。具体的には、ブレーキカム17のカム傾斜
をカム16のカム傾斜の逆むきに設定する。そして、一
般にカムフォロアがカムを回転させようとするトルク
は、カム面の傾斜、付勢ばねの強さ、カムフォロアがカ
ム面に接触している半径によって決まるので、これらを
適宜調整してバランスを取る。本実施形態の場合、例え
ばカム16上でカムフォロア28が下がり始める点で
は、付勢ばね27が伸びきって力の強い状態であり、ま
たカム半径も大きい。反対にブレーキカム17側は付勢
ばね31が力の弱い状態でありカム半径も小さい。そこ
でカム16の傾斜は緩く、ブレーキカム17の傾斜は急
にする。なお、前記の通り傾斜の向きはカム16とブレ
ーキカム17とで逆向きである。このように、360度
全周にわたってそれぞれの点でカム16とブレーキカム
17とに加わる回転トルクのバランスがとれるように、
かつ外周面が滑らかにつながるように、ブレーキカム1
7の形状および付勢ばね31の特性を決定する。なお、
カム16の形状および付勢ばね27の特性は、所望のキ
ャッピング動作を行ない得るように設定されている。
【0041】図6は、本実施形態のカム16およびブレ
ーキカム17を回転させるように働くトルクのバランス
が示されたグラフである。横軸はカム16およびブレー
キカム17の回転角度を表し、縦軸はカムフォロア28
およびブレーキカムフォロア30がカム16およびブレ
ーキカム17に与えるトルクを表す。正のトルクは、ス
テッピングモータ18による回転方向と反対方向に回転
力を付与するものであり、ステッピングモータ18に対
する負荷となる。負のトルクは、ステッピングモータ1
8による回転方向と同じ方向に回転力を付与するもので
ありオーバーラン現象を引き起こす原因となる。
【0042】カム16を回転させようとするカムフォロ
ア28からの力と、ブレーキカム17を回転させようと
するカムフォロア30からの力とが相殺されて、結局ス
テッピングモータ18のみに駆動力にしたがってカム1
6は回転する。実際には、カム16に作用するトルクと
ブレーキカムに作用するトルクとを完全に相殺させるこ
とは困難であり、また、各接触部に摩擦力が働き、その
摩擦力は常にステッピングモータ18に対する負荷にな
るので、完全にバランスしているとはいえない。しか
し、カム16単独の場合に比べると、カム16にブレー
キカム17を付設した本実施形態の構成では、トルクの
絶対値を大幅に低減することができ、正負のトルクのピ
ーク値を小さくすることができている。このように、ピ
ーク値が小さければ、カム16のオーバーラン現象等が
生じるおそれはない。
【0043】なお、以上の説明においては、便宜上ブレ
ーキカムおよびブレーキカムフォロアという名称を用い
たが、常に制動作用をもたらすのではなく、カムフォロ
ア28によりカム16に回転方向と逆向きの力が加わる
場合には、ブレーキカム17およびブレーキカムフォロ
ア30は回転を助長するような働きをする。また、カム
形状の加工上の問題等で、カム16に作用するトルクと
ブレーキカム17に作用するトルクとのバランスをとる
ことがどうしても困難な場合、カム16とカムフォロア
28との接触点に生じる摩擦力以下のトルクが発生する
ように、ブレーキカム17に緩い傾斜部分(図4、図6
のr部)を形成して、回転方向に働くトルクを無視でき
るようにすることもできる。
【0044】本実施形態では、1つのカム16と1つの
ブレーキカム17とが形成されているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、複数のカムを有する場合に
は、カムフォロアによりカムに加わる周方向のトルクを
相殺するようなブレーキカムを適宜追加することができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カムフォロアによりカムに働く回転トルクと、ブレーキ
カムフォロアによりブレーキカムに働く回転トルクとが
打ち消しあうことにより、オーバーラン現象が生じるこ
となくカムの円滑な回転が確保される。また、駆動源に
加わる負荷が低減できる。
【0046】このようなカム装置を、インクジェット記
録装置のヘッド回復手段に採用すると、簡単な構成でキ
ャッピング等のヘッド回復動作が精度よく行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の実施形態を
示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態のヘッド回復手段の構成を
表す概略断面図である。
【図3】図1に示す実施形態のヘッド回復手段の構成を
表すもうひとつの概略断面図である。
【図4】図2に示すヘッド回復手段のカムに働く力を説
明する拡大図である。
【図5】図2に示すヘッド回復手段のブレーキカムに働
く力を説明する拡大図である。
【図6】図2に示すヘッド回復手段のカムに働く力とブ
レーキカムに働く力のつりあいを示すグラフである。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 キャリア 3 インクジェットヘッド 3a ノズル面 4 インクタンク 6 フレーム 7 ガイドシャフト 8 ガイドレール 9 搬送ローラ 10 自動給紙装置 11 上段カセット 12 下段カセット 13 排紙スタッカ 14 ヘッド回復手段 15 ベース 16 カム 17 ブレーキカム 18 ステッピングモータ(駆動源) 19 減速歯車 21 振り子状歯車伝達機構(ワンウェイ駆動伝達手
段) 21a ベース歯車 21b 振り子アーム 21c 遊星歯車 22 カム歯車 23 カム歯車フラグ 24 ポンプコロホルダ(別の被駆動部材) 25 ポンプコロ 26 チューブ 27 付勢ばね 28 カムフォロア 29 キャップ 30 ブレーキカムフォロア 31 付勢ばね 32 チューブフレーム 33 ポンプチューブ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源によって回転駆動されるカムと、
    前記カムに追従するカムフォロアと、前記カムとともに
    回転するブレーキカムと、前記ブレーキカムに追従する
    ブレーキカムフォロアとを有し、 前記ブレーキカムは、前記ブレーキカムフォロアが当接
    することにより前記ブレーキカムに加わる力が、前記カ
    ムフォロアが前記カムに当接することにより前記カムに
    加わる力のうち前記カムを回転させようとする力を打ち
    消す方向に働くような形状を有していることを特徴とす
    るカム装置。
  2. 【請求項2】 前記カムと前記ブレーキカムとが、同一
    の回転軸を有し一体的に回転する請求項1に記載のカム
    装置。
  3. 【請求項3】 前記カムが板カムである請求項1または
    2に記載のカム装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動源から前記カムへ駆動力を伝達
    するワンウエイ駆動伝達手段を有する請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のカム装置。
  5. 【請求項5】 前記ワンウエイ駆動伝達手段が、ベース
    歯車と、該ベース歯車に対し揺動可能に取り付けられて
    いる振り子アームと、該振り子アームに取り付けられて
    いる遊星歯車とを含む振り子状歯車伝達機構からなる請
    求項4に記載のカム装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動源が、ステッピングモータであ
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載のカム装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のカ
    ム装置を有するヘッド回復手段を含むインクジェット記
    録装置。
  8. 【請求項8】 前記カムフォロアに、インクジェットヘ
    ッドのノズル面を覆うためのキャップが設けられてお
    り、前記カムと追従する前記カムフォロアの移動によっ
    て前記キャップによる前記ノズル面の開閉が行われる請
    求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動源から前記カムへ駆動力を伝達
    するための、前記遊星歯車を含む前記振り子状歯車伝達
    機構が、前記カムを駆動する際の回転方向と反対方向の
    回転により別の被駆動部材を駆動することを特徴とする
    請求項7または8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記別の被駆動部材はチューブポンプ
    のポンプコロホルダである請求項9に記載のインクジェ
    ット記録装置。
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