JPH11138803A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JPH11138803A
JPH11138803A JP30457897A JP30457897A JPH11138803A JP H11138803 A JPH11138803 A JP H11138803A JP 30457897 A JP30457897 A JP 30457897A JP 30457897 A JP30457897 A JP 30457897A JP H11138803 A JPH11138803 A JP H11138803A
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cartridge
capacitor
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Kazuhiko Hara
和彦 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジの交換により発生する印
字品質の変化を抑制することができるインクジェット式
記録装置を提供すること。 【解決手段】 インクカートリッジを交換した場合に
は、記録装置に内蔵されたホストコンピュータより、印
刷予備信号発生回路90に対して制御信号が供給され
る。回路90はこれに基づいてコンデンサC1への充電
時間を変更し、充電回路92と放電回路93とにより充
放電がなされるコンデンサC1の充電時の電圧値を変更
する。コンデンサC1の端子電圧に基づいて、記録ヘッ
ドを駆動する圧電素子85に供給される駆動電力が調整
されるので、インクカートリッジの交換に基づく印字品
質の変化を抑制させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用紙の幅方向
に移動するインクジェット式記録ヘッドを有し、印刷デ
ータに基づいて記録ヘッドよりインクを記録用紙に吐出
して画像を印刷するインクジェット式記録装置に関する
ものであり、例えば用紙のページ内または1文書内にお
いてインクカートリッジを交換した場合における印字品
質の変化を防止することができるようにしたインクジェ
ット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータの発達によりグ
ラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになった
ため、ディスプレイに表示される例えばカラー画像のハ
ードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められて
いる。
【0003】このような要求に応えるためにインクジェ
ット記録ヘッドを搭載した記録装置が提供されている。
このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較
的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できる
ため、カラー印刷を含めた多くの印刷に使用されてい
る。
【0004】このような記録装置は、インクジェットヘ
ッド内の圧力発生室で加圧したインクを記録紙に対面す
るノズルからインク滴として記録用紙に吐出させてドッ
トを形成するようにされている。
【0005】この種のインクジェット式記録装置におけ
る例えば業務用として用いられる製品においては、イン
クカートリッジを記録装置本体に配置されたホルダー内
に収納し、インク供給チューブを介して記録ヘッドにイ
ンクを供給するいわゆるオフキャリッジ方式が採られて
いる。また例えばホーム用として用いられる製品におい
ては、記録ヘッドが配置されたキャリッジ上に、インク
カートリッジを搭載させるいわゆるオンキャリッジ方式
が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したオ
フキャリッジ方式およびオンキャリッジ方式に用いられ
るインクカートリッジのいずれにおいても、ヘッドのノ
ズルからインクが流出しないように、またインクの吐出
安定性を確保するために、そのカートリッジ内は若干の
負圧状態とされている。この負圧はインクカートリッジ
のインク使用量により除々に変化する。
【0007】そして、インクエンドの検出はインクの消
費に伴う機械的な変化により、またカートリッジに埋設
された電極間の電気伝導度の変化により、或いは記録ヘ
ッドからの吐出ドット数をカウントすることにより行わ
れる。
【0008】この時、使用できるインク量をできるだけ
確保するために、必然的にインクエンド時はカートリッ
ジ内の負圧が大きくなる。これに対してインクカートリ
ッジの交換直後の負圧は小さい。このためにカートリッ
ジを交換する前後においては、記録ヘッドによるインク
の吐出特性に差が生ずる。
【0009】図12はその例を示したものである。この
図12に示した例はオフキャリッジタイプに用いられる
カートリッジにおけるインク使用量と静水頭との関係を
示したものである。この種のカートリッジは一般にケー
ス内にインクパック(袋体)を収納したものであり、イ
ンクパック内に一定量のインクが注入され、脱気された
状態で液面シールされる。
【0010】この時、パック内のインクは液面シールさ
れているために、正圧ぎみ(150Pa以下)になる。
その後インクの消費に伴い、ほぼ一定の静水頭領域にな
る。この領域は、記録ヘッドとインクパックの重心位置
との重力方向の差になり、−150Pa〜−250Pa
となるように設定されている。
【0011】そして、図12に示されるようにインク使
用により、ごく僅かずつ静水頭値は大きくなる。その後
インクが消費され終わりに近ずくと、パックの剛性によ
る負圧が大きくなり静水頭値も大きくなる。
【0012】記録ヘッドのインク吐出能力としては、ノ
ズル部で形成されるメニスカスの強さにもよるが、ほぼ
ノズル径とインクの表面張力により決定され、また振
動、衝撃に伴う加速度Gに影響される。通常、ノズル径
φ30μm、表面張力30mN/mで−3500から−
4000Paまでの耐水頭値能力がある。
【0013】新しいパックの静水頭値は、前記したよう
に100Pa程度の正圧であり、インクエンドとなり、
インクカートリッジを交換する時点でのパックの静水頭
値は−450Pa程度となり、水頭差としては550P
a程度となる。
【0014】図13は同様のパックタイプのカートリッ
ジにおけるカートリッジの水頭差と吐出インク量との関
係を示したものである。図13に示された特性からも明
らかなように、前記した550Paの差は、吐出インク
量として1ngの差となり、これは吐出インク量20n
gの5%に相当する。
【0015】これにより、インクカートリッジを交換し
た直後は吐出インク量が変わり、印字上でも印字品質に
差がでてしまう。特に、1ページ内の印刷途中ででカー
トリッジ交換する場合や、複数枚同じ印字をする場合に
はこれが顕著に目立つ結果となる。
【0016】また、図14はオンキャリッジタイプに用
いられるインクカートリッジの特性を示したものであ
る。このインクカートリッジは一般にケース内に多孔質
体(フォーム)が収納され、この多孔質体にインクを含
浸させてインクを保持させるようにされている。
【0017】この場合も前記と同様に記録ヘッドに対し
て負圧が確保できるようにされており、インクの消費に
伴い多孔質中の孔が多くなり負圧が除々に増大してい
く。図14に示すようにこの種のカートリッジにおいて
は、前記したパックタイプとは異なり、一定の静水頭領
域に相当する部分も緩やかな傾きをもって変化してい
く。その後、インクが消費され終わりに近づずくと、多
孔質体の微細孔のもつ表面張力による負圧が大きくなり
静水頭値も大きくなる。
【0018】このようなインクカートリッジを用いた場
合においても、前記と同様にインクカートリッジを交換
することにより吐出インク量に差が発生し、これに伴っ
て印字品質に差が発生する。このためにインクパックカ
ートリッジを用いたものと同様に1ページ内でカートリ
ッジ交換する場合や、複数枚同じ印字をする場合にはこ
れが顕著に目立つ結果となる。
【0019】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、インクカートリッジを交換した場合に
おける印字品質の変化を防止することができるようにし
たインクジェット式記録装置を提供することを目的とす
るものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、記録用紙の幅方向に往復駆動され、インクカート
リッジから供給されるインクを駆動信号に基づいて記録
用紙に対して吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに
対して駆動信号を供給する駆動信号発生回路とを備えた
インクジェット式記録装置であって、前記駆動信号発生
回路には、インクカートリッジの交換がなされた場合に
おいて記録ヘッドの駆動条件を変更する制御手段が具備
される。
【0021】この場合、前記制御手段はインクカートリ
ッジの交換がなされた時点より所定期間において記録ヘ
ッドの駆動条件を変更するように構成される。
【0022】そして、好ましい一つの形態としては、前
記所定時間がインクカートリッジの交換時点よりインク
の吐出ドット数を計数して求めるように構成される。
【0023】また、好ましい他の形態としては、前記所
定時間がカートリッジ筐体に収納されたインクパックの
機械的な寸法の変化を検出する手段により求めるように
構成される。
【0024】さらに、好ましい他の形態としては、前記
所定時間がカートリッジ筐体に埋め込まれインクタンク
に導通する電極を介して電気導電率の変化を検出する手
段により求めるように構成される。
【0025】また、記録用紙への印字途中においてイン
クカートリッジの交換がなされた場合においては、当該
記録用紙のページが終了する時点まで、記録ヘッドの駆
動条件を変更するように構成される場合もある。
【0026】さらに、記録用紙が複数枚にわたる一文書
の印字途中においてインクカートリッジの交換がなされ
た場合においては、当該一文書の印刷のジョブが終了す
る時点まで、記録ヘッドの駆動条件を変更するように構
成される場合もある。
【0027】この場合、前記制御手段としての望ましい
一つの形態は、コンデンサと、このコンデンサに対する
充電電流を可変することができる充電用回路と、コンデ
ンサの端子電圧を放電する放電用回路とが具備され、前
記コンデンサの端子電圧に基づいて駆動信号を生成する
ように構成される。
【0028】また、前記制御手段としての望ましい他の
形態は、コンデンサと、このコンデンサに対する充電電
流としてパルス幅変調信号を生成する充電回路と、コン
デンサの端子電圧を放電する放電回路とが具備され、前
記コンデンサの端子電圧に基づいて駆動信号を生成する
ように構成される。
【0029】この場合、前記制御手段はインクカートリ
ッジの交換がなされた時点より所定期間において、記録
ヘッドに対する駆動電力を低減させる駆動条件を生成す
るように構成される。
【0030】以上のように構成されたインクジェット式
記録装置によると、インクカートリッジの交換がなされ
た時点において、記録ヘッドに対するインク吐出駆動条
件が変更されるので、インクカートリッジ内の負圧の変
化から招来される印字品質の変化を防止することができ
る。
【0031】この場合、インクの消費量を計測すること
で、駆動条件の変更期間を設定することができる。具体
的にはインクの吐出ドット数の計測により、またインク
パックの機械的な寸法変化の計測により、さらにインク
カートリッジに埋め込まれた電極を介した電気伝導度の
計測により、これを求めることができる。
【0032】また、記録用紙への印字途中においてイン
クカートリッジの交換がなされた場合においては、当該
記録用紙のページが終了する時点まで、または当該一文
書の印刷のジョブが終了する時点まで、記録ヘッドの駆
動条件を変更するように構成することで、特に目立ちや
すい印字品質の変化を押さえることが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づい
て説明する。
【0034】図1はいわゆるオフキャリッジタイプのイ
ンクジェット式記録装置10の構成を示したものであ
る。キャリッジ11は、一対のガイド部材12に案内さ
れてプラテン13に対して平行に移動できるように構成
されている。そしてキャリッジ11はフレーム14に取
り付けられた一対のプーリ15,16間にかけ渡された
タイミングベルト17の一部に結合されている。その一
方のプーリ15はキャリッジモータ18により回転駆動
されるようになされており、モータ18の往復回転によ
りキャリッジ11は左右方向に反復駆動されるようにな
されている。
【0035】前記キャリッジ11の記録用紙(図示せ
ず)に対向する面には、第1の記録ヘッド19と第2の
記録ヘッド20とがキャリッジ11の移動方向に並べて
搭載され、また上面にはダンパー機能を備えたサブタン
クユニット21,22が載置されている。
【0036】前記フレーム14の両側には、各インクカ
ートリッジを収容する後述するカートリッジホルダCH
が配置され、各ホルダCHに収容されたインクカートリ
ッジICから、インク供給チューブ23a,23b,2
3c,23d,23e,23fをそれぞれ介して、サブ
タンクユニット21および22に対してインクが供給さ
れるように構成されている。
【0037】記録ヘッド19,20の移動経路の非印字
領域には、記録ヘッド19,20のノズルプレートを封
止するためのキャッピング装置24が設けられている。
【0038】図2は図1に示した記録装置10において
使用されるインクカートリッジの外観構成と、記録装置
10に装備されたカートリッジホルダCHの一部の構成
を示したものである。なお、図示例はケース内に1つの
インクパックが封入された単色のインクカートリッジを
示している。
【0039】図2において、それぞれL字状に形成さ
れ、上下方向に互いに平行状態に配置された一対のフレ
ーム41,41には、その入口部の対向する位置に、カ
ートリッジの誤挿入防止面41a,41aが形成されて
いる。また上部のフレーム41には、縮頸部を介してコ
字状のロック部を形成したロックアーム41bが一体に
形成されている。
【0040】そして、一方が回転軸(鎖線42aで示
す)に軸支されたシャッタ42に形成された舌片42b
がロックアーム41bのコ字状のロック部に係合されて
閉塞状態に保持されるように構成されている。また後述
するインクカートリッジICの矢印D方向への挿入時に
おいては、カートリッジICに形成された機能リブ51
eによりロックアーム41bが矢印E方向に押し上げら
れてロック解除され、同時にシャッタ42はカートリッ
ジICにより押し込まれ、前記回転軸42aに配置され
たねじりバネ(図示せず)の付勢力に抗してシャッタ4
2が解放されるように構成されている。
【0041】また上方のフレーム41に臨むように板バ
ネ43が配置されており、カートリッジICの装着状態
において、この板バネ43がカートリッジICに配置さ
れた機能リブ51eに係合してクリック機能を構成する
ようにされている。
【0042】また、図示せぬ側板には、インクエンド検
出器44が配置されており、後述するインクカートリッ
ジICに収納されているインクが所定以下となったこと
が検出できるように成されている。
【0043】さらに図示せぬ端板には、カートリッジI
Cをガイド、位置決めする位置決め軸45,46がホル
ダ内に突出するように配置されており、前記位置決め軸
45,46のほぼ中間点には、断面中空状になされたイ
ンク供給針47がホルダ内に突出するように配置されて
いる。
【0044】前記のように構成されたカートリッジホル
ダCHに対してインクカートリッジICが矢印D方向か
ら装填される。このインクカートリッジICは図3にお
いても分解図で示したとおり、一面が解放されたケース
本体51と、このケース本体51の解放部を覆う蓋体5
2より構成されており、全体が箱型になされている。
【0045】蓋体52には図3に示すように一対のL字
状突起52aが形成されており、このL字状突起52a
がケース本体51に形成された一対の穴部51aに係合
し、また蓋体52に形成された一対の爪部52bがケー
ス本体51の内側面に形成された一対の凹部51bに係
合することで、ケース本体51に対して蓋体52が着脱
可能に取り付けられるように構成されている。
【0046】そして、その内部には可撓性材料により形
成されるとともに内部にインクが封入されたインクパッ
ク(袋体)53が収納されており、このインクパック5
3の一部に形成されたインク取出し口54には、ガス透
過防止用の例えばアルミラミネートフィルムよりなるシ
ール板が貼着固定されている。
【0047】前記インク取出し口54には、インク取出
し口54の外径よりも一段小径の環状の溝部55が形成
されており、この環状の溝部55はケース本体51に円
弧状に形成された係合リブ51cに嵌まり込むことで、
カートリッジICに対して位置決めされている。
【0048】またインクが封入された前記インクパック
53の下面、すなわちインクパック53のケース本体5
1側の面は、粘着物質(図示せず)によりインクパック
53がケース本体51に対して接着固定されており、ま
たインクパック53の上面には両面テープ(図示せず)
により平板状の検出板56が接着固定されている。この
検出板56の一部には、検出板の板面に対して直交する
方向に突出された検出突起57が一体に形成されてお
り、この突起57の先端はインクパック56内のインク
量の低下と共に、ケース本体51に穿設された検出窓5
1dの方向へ移動できるように構成されている。
【0049】以上のように構成されたインクカートリッ
ジICのインク取出し口54側の上下端部には図2に示
すように一対の機能リブ51eが突設されており、ホル
ダCHへの装填時において、機能リブ51eは前記ロッ
クアーム41bの解除と共に、前記板バネ43に当接し
てクリック機能を果たすように作用する。そして、カー
トリッジICをホルダCHに装填しようとする状態で、
ホルダCH側の前記位置決め軸45,46が、それぞれ
カートリッジICに形成されたガイドし位置決めするた
めの位置決め穴51,51gに嵌まり込む。
【0050】これと同時に、ホルダCH側の前記インク
供給針47がインク取出し口54に貼着されたシール板
を貫通し、これによりインクは記録装置側に導出できる
ようにされる。
【0051】このようにしてインクカートリッジICの
インクが消費されると、カートリッジIC内に装着され
た前記検出板56の突起57がインクエンド検出器44
側に進出し、インクが所定の残量となった状態でインク
エンド検出器44を作動させる。これにより記録装置側
の例えば表示パネルに設けられた表示ランプを点灯させ
るなどしてインクエンドの状態であることが表示され
る。
【0052】また前記検出板56の突起57の進出状態
を検知することでインクの消費量を検出することもで
き、後述するように記録ヘッドの駆動条件を変更する手
段に利用することもできる。
【0053】次に図4は、オンキャリッジタイプの記録
装置に用いられるインクカートリッジの例を示したもの
である。なお、図4に示したインクカートリッジIC
は、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクが充填
されたカラーインクカートリッジ10の例を示すもので
あり、黒インクが充填された黒インクカートリッジにお
いては、その幅方向の寸法が短縮され、インク溜りが1
つである点で相違し、他の構成は以後に説明するカラー
インクカートリッジICとほぼ同一構成にされている。
【0054】カラーインクカートリッジICは、基本的
には例えばポリプロピレンにより箱型に形成されたイン
クタンク61と、このインクタンク61内に収納されイ
ンクが含浸される多孔質部材よりなるフォーム61Y,
61M,61Cと、インクタンク61の上面を覆う蓋体
63より構成されている。
【0055】前記インクタンク61は、61Y,61
M,61Cの3つの室に分割されており、この各室には
直方体状に成型された例えばポリウレタンフォーム等の
多孔質部材よりなるフォーム62Y,62M,62Cが
収納されている。そして、各室にはイエロー、マゼン
タ、シアンのカラーインクがそれぞれ充填されている。
【0056】インクタンク61の上部を覆う蓋体63に
は、外部と連通する連通孔64が各室に対してそれぞれ
3個ずつ設けられている。これら連通孔64の各室ごと
の少なくとも1つの連通孔64aには、開封可能な帯状
の封止部材65が貼着されており、使用直前までは部材
65により封止されていて使用直前に開封して通気孔6
4aの機能を果たすことができるように構成されてい
る。
【0057】特に図4に示したような帯状の封止部材6
5を採用することにより、その端部を引っ張り剥がすこ
とで、各室のそれぞれの連通孔64aを一度に開封する
ことができる。この場合、カートリッジICの包装袋
(図示せず)に帯状の封止部材65の一端を結合してお
き、包装袋からカートリッジICを取り出す時に必ず開
封されるように構成されるのが望ましい。
【0058】このようにして封止部材65を開封するこ
とにより、カートリッジICを記録装置に装填した場合
において、開封された通気孔64aよりインクの消費に
対応した空気がカートリッジ内に補充される。
【0059】なお、他の通気孔64もそれぞれ単独の封
止部材66により封止されている。これらの封止部材6
5,66は所定以下の水蒸気透過度のものが用いられて
おり、また少なくとも1つの封止部材は所定以上のガス
透過度を保有するものが用いられている。これによりカ
ートリッジの輸送時にインクが漏れ出すのを阻止でき、
また減圧包装後にインクが再脱気されるように作用す
る。
【0060】前記各室61Y,61M,61Cの下底部
には、図示されていないが円筒状のインク室が形成され
ており、インク室の端部にはゴム等の弾性部材よりなる
盲栓67が嵌め込まれ封止されている。
【0061】このように構成されたインクカートリッジ
ICは、印刷装置に装填された状態で記録ヘッドに連通
する中空針(図示せず)により盲栓67が貫通され、カ
ートリッジICより記録ヘッドに対してインクが導入で
きるように構成されている。
【0062】また、インクタンク61の側面には、その
先端部が各室61Y,61M,61C内のフォーム62
Y,62M,62Cにそれぞれ接するようにインクエン
ド検出用の電極68が埋め込まれており、インクの漏出
を防止するためのOリング69によりそれぞれ封止され
ている。そして、これらの電極68と前記した中空針と
の間での電気抵抗(導電率)を測定することで、インク
エンドの状態を検出することができるように構成されて
いる。
【0063】また前記導電率の変化を検知することでイ
ンクの消費量を検出することもでき、後述するように記
録ヘッドの駆動条件を変更する手段に利用することもで
きる。
【0064】図5は、前記した各インクカートリッジよ
り供給されるインクを駆動信号発生回路からの信号を受
けて吐出し、記録用紙に印刷を行うためのインクジェッ
ト式記録ヘッドの例を示したものである。
【0065】図中符号80はノズルプレートであり、所
定のピッチとなるようにノズル開口81,81……が形
成されている。82は隔壁部材であり後述する振動板8
3とノズルプレート80の間に挟まれて配置されるもの
で、これにはノズル開口81,81……に対応する位置
に圧力発生室84を形成するための開口部88が設けら
れている。
【0066】83は振動板であり隔壁部材82を介して
ノズルプレート80と対向して圧力発生室84を形成す
るものであり、後述する圧電素子85の先端に当接して
配置され、圧電振動子の伸縮に応動して圧力発生室84
を縮小、膨張させるものである。圧電素子85は固定台
86で他端が固定され、一つの圧電体ユニットとなって
おり、この圧電体ユニットは、枠体87に固定されてい
る。
【0067】圧力発生室84にはインクタンクから共通
インク室89、開口部88を経由してインクが流入、供
給される。
【0068】なお圧電素子85は、伸縮方向に電極を配
置して電圧印加により伸長して圧力発生室84を収縮し
てインク滴を吐出させ、電圧除去により圧力発生室84
が膨張してインクを圧力発生室84に吸入するように作
用する。
【0069】次に図6は記録ヘッドの圧電素子85に対
して駆動信号を供給するための駆動信号発生回路の第1
の実施の形態を示したものであり、また図7はその作用
を説明するためのタイミングチャートである。なお図6
および図7に示す例は、コンデンサに対する充放電電流
の電流量を制御してヘッドの駆動パルスの波高値(電
圧)を変化させる制御手段を示している。
【0070】図6における符号IN1は、印字タイミン
グ信号の入力端子であり、この入力端子IN1には印刷
予備信号発生回路90が接続されている。前記印刷予備
信号発生回路90には図示せぬホストコンピュータより
端子91に制御信号が印加されるように構成されてお
り、インクカートリッジが交換された後の所定の期間に
おいて、印刷予備信号発生回路90から発生される印刷
予備信号のパルス幅Tcが可変されるようになされてい
る。
【0071】符号Q1は印刷予備信号発生回路90の出
力端にベース電極が接続されたレベル調整用トランジス
タであり、このコレクタ電極には第1のスイッチングト
ランジスタQ2のベース電極が接続されている。第1の
スイッチングトランジスタQ2は、そのエミッタ電極を
時定数調整用抵抗(充電用抵抗)R1を介して供給電源
VHに接続され、またコレクタ電極が時定数調整用コン
デンサC1を介して接地されている。
【0072】Q3は定電流トランジスタであり、エミッ
タ電極が供給電源VHに、またコレクタ電極がレベル調
整用トランジスタQ1のコレクタ電極に接続され、さら
にベース電極が時定数調整用抵抗R1を介して供給電源
VHに接続されている。
【0073】これらトランジスタQ1〜Q3および抵抗
R1などにより充電回路92を構成している。
【0074】一方、入力端子IN2には第2のスイッチ
ングトランジスタQ4のベース電極が接続され、コレク
タ電極が時定数調整用コンデンサC1に、さらにエミッ
タ電極が第2の時定数調整用抵抗(放電用抵抗)R2を
介して接地されている。符号Q5は定電流用トランジス
タであり、コレクタ電極が入力端子IN2に、またエミ
ッタ電極が接地され、さらにベース電極が第2の時定数
調整用抵抗R2を介して接地されている。
【0075】これらトランジスタQ4,Q5および抵抗
R2などにより放電回路93を構成している。
【0076】トランジスタQ6,Q7,Q8,Q9は、
それぞれコンデンサC1の充電時、および放電時の電流
を増幅する電流バッファとしての増幅器94を構成する
ものであり、この例ではトランジスタQ6,Q7および
Q8,Q9がそれぞれダーリントン接続されて、駆動す
べきインクジェット記録ヘッドの圧電素子85の同時駆
動が可能な電流出力容量を備えている。
【0077】95は選択回路であり電流バッファの出力
端子にそれぞれ接続された記録ヘッドの各圧電素子85
に接続され、印刷信号入力端子96に印加される印刷信
号によりオンオフして電流バッファを構成するトランジ
スタQ6,Q7,Q8,Q9からの電流をインク滴を発
生させるべきいずれかの圧電素子85に対して選択的に
供給できるように構成されている。
【0078】次に前記した駆動信号発生回路の作用につ
いて、図7に示したタイミングチャートに基づいて説明
する。ホストコンピュータ(図示せず)から1つのドッ
トを形成するための印字タイミング信号(a)が入力す
ると、これに同期して印刷予備信号発生回路90よりパ
ルス幅Tcの印刷予備信号(c)が発生する。
【0079】印刷予備信号発生回路90は、インクカー
トリッジが交換された後の所定の期間において、ホスト
コンピュータより端子91に制御信号が印加されること
により、印刷予備信号のパルス幅Tcを可変されるよう
になされている。これは例えばワンショットマルチバイ
ブレータの時定数を変更するように構成され、マルチバ
イブレータのリカバリータイムに基づいてパルス幅Tc
の印刷予備信号(c)が発生される。
【0080】そしてこの印刷予備信号(c)がレベル調
整用トランジスタQ1のベース電極に入力すると、レベ
ル調整用トランジスタQ1がオンとなるから、第1のス
イッチングトランジスタQ2もオンとなる。これにより
電圧VHの電源電圧が時定数調整用抵抗R1を介してコ
ンデンサC1に印加され、抵抗R1とコンデンサC1に
より決まる時定数でもってコンデンサC1が充電され
る。
【0081】ところで、時定数調整用抵抗R1は、その
両端に定電流用トランジスタQ3が接続されていて、そ
の端子電圧がトランジスタQ3のベース電極−エミッタ
電極間電位にほぼ等しい値に維持されるから、コンデン
サC1に流れ込む電流は時間的に変動せず一定値とな
る。この結果、コンデンサC1の端子電圧(V)の立上
がり勾配τ1は、抵抗R1の抵抗値をRaとし、コンデ
ンサC1の容量をCaとし、定電流用トランジスタQ3
のベース電極−エミッタ電極間電圧をVBE1 とすると、
次の式1のように表すことができる。
【0082】τ1=VBE1/(Ra×Ca) …式1 このようにして印刷予備信号のパルス幅Tcに相当する
時間が経過すると、コンデンサC1の端子電圧が図7
(e)に示すように電圧V0まで上昇する。そしてこの
時点で印刷予備信号がLレベルに切り替わるからレベル
シフト用トランジスタQ1がオフとなって第1のスイッ
チングトランジスタQ2がオフとなる。この結果コンデ
ンサC1は、電圧τ×Tc=V0を維持することにな
る。
【0083】印刷予備信号がオフとなってから、図7
(b)に示す所定時間Teが経過した時点、すなわちス
イッチングトランジスタQ2とスイッチングトランジス
タQ4とが短絡しない程度の時間的余裕が経過した時点
で、端子IN2に印刷信号(d)が入力する。
【0084】この印刷信号は、コンデンサC1の電荷を
ほぼ零電位にまで放電させることができるパルス幅Td
を有していて第2のスイッチングトランジスタQ4をオ
ンとする。この結果、コンデンサC1に蓄積された電荷
を時定数調整用抵抗R2を介して放電する。同時に定電
流用トランジスタQ5がオンとなるので、前記した第1
の定電流用トランジスタQ3の作用と同様の作用によ
り、第2の時定数調整用抵抗R2の端子電圧がトランジ
スタQ5のベース電極−エミッタ電極間電圧VBE2とな
る。これによりコンデンサC1の端子電圧(V)は、図
7(e)に示すように一定の勾配で直線的に低下する。
【0085】この時の立ち下がりの勾配τ2は、第2の
時定数調整用抵抗R2の抵抗値をRbとし、コンデンサ
C1の容量をCaとし、定電流用トランジスタQ5のベ
ース電極−エミッタ電極間の電圧をVBE2とすると次の
式2のように表すことができる。
【0086】τ2=VBE2/(Rb×Ca) …式2 これにより時間Tdが経過した時点で印刷信号がオフと
なり、コンデンサC1の端子電圧の変化が停止する。な
お、印刷信号のパルス幅Tdは、コンデンサC1と抵抗
R2とによって決まる放電時定数に比較して十分に大き
く設定されているので、コンデンサC1に電荷が残留す
るようなことにはならない。
【0087】このように時定数調整用抵抗R1,R2お
よびコンデンサC1により所定の立上がり速度、および
立ち下がり速度で変化する図7(e)に示す電圧は、電
流バッファを構成するトランジスタQ6,Q7およびQ
8,Q9により増幅され、選択回路95を介してインク
ジェット記録ヘッドを構成している各圧電素子85に印
加される。
【0088】これにより、共通の駆動電圧発生回路から
の電圧信号を印刷信号に合わせて選択回路95のスイッ
チング素子をオンオフすることにより、同一の電圧波形
を各圧電素子85に選択的に印加することができる。
【0089】前記した駆動信号発生回路によると、定数
調整用抵抗R1による立上がり特性により、圧力室84
の膨張速度を、また時定数調整用抵抗R2により立ち下
がり特性により、圧力室84の縮小速度をそれぞれ独立
させて調整することができる。またコンデンサC1の最
終到達電圧は、充電時間に依存するので、印刷予備信号
のパルスTcを変更することにより調整することができ
る。
【0090】すなわち、インクカートリッジが交換され
た場合においては、ホストコンピュータより印刷予備信
号発生回路90に時定数を小に制御させる制御信号が供
給される。この結果、印刷予備信号Tcのパルス幅が小
さくなり、図7(e)に示すコンデンサの端子電圧V0
が低下し、記録ヘッドの圧電素子85に加わるパルスの
波高値は低下する結果となる。これにより記録ヘッドに
対する駆動電力を低減させる駆動条件が生成される。
【0091】従って、カートリッジの交換後において
は、カートリッジの交換直前のインクエンドにおけるイ
ンクの吐出量と同等の吐出量となるように制御すること
ができ、印字品質の変化を押さえることができる。
【0092】この場合、ヘッドの吐出ドット数を計測す
るカウンタを各カートリッジごとに保有させて、カート
リッジの交換後においてカートリッジ内の負圧(静水頭
値)が一定の静水頭領域に達するに相当する吐出ドット
数に至るまでの所定期間、前記した駆動条件を変えるよ
うに制御することが望ましい。
【0093】またオフキャリッジタイプ、すなわちイン
クパック形式のカートリッジを用いる印刷装置において
は、カートリッジ筐体に収納されたインクパックの機械
的な寸法の変化を検出する手段を採用することができ
る。これは図2および図3に示したようにカートリッジ
IC内に装着された検出板56の突起57の進出状態を
検出器44で検出し、その検出出力を利用してカートリ
ッジ内の負圧が一定の静水頭領域に達するに相当する位
置となるまでの所定期間において、前記した駆動条件を
変えるように制御する。
【0094】さらにオンキャリッジタイプ印刷装置にお
いては、図4に示したカートリッジICに埋め込まれイ
ンクタンクに導通する電極68を介して電気導電率の変
化を検出し、カートリッジ内の負圧が一定の静水頭領域
に達するに相当する位置となるまでの所定期間におい
て、前記した駆動条件を変えるように制御することもで
きる。
【0095】また、インクカートリッジの交換が、印字
ページの途中でなされた場合には、そのページの印字が
終了するまで、前記した駆動条件を変えるように制御す
るこどで、最も目立ちやすいページ内での印字品質の変
化を押さえることができる。
【0096】さらにインクカートリッジの交換が、一文
書の途中でなされた場合には、当該記録用紙のページが
終了する時点まで、記録ヘッドの駆動条件を変更するよ
うに制御することも好ましい。
【0097】次に図8乃至図10は、記録ヘッドの圧電
素子85に対して駆動信号を供給するための駆動信号発
生回路の第2の実施の形態を示したものである。なおこ
の図8乃至図10に示した例は、ヘッドの駆動パルスの
波高値(電圧)をPWM信号によって変化させる制御手
段を示している。
【0098】図8はその全体の構成をブロック図によっ
て示したものであり、端子101にはインクカートリッ
ジの交換がなされた場合においてホストコンピュータよ
り制御信号が供給されるように構成されている。その制
御信号は、入力回路102を介して駆動信号発生回路の
制御を司どるマイクロプロセッサユニット(以下MPU
と称する)103に対して供給される。これによりMP
U103はバスラインを介してメモリ(ROM)104
に格納されたデータを読み出す。
【0099】このデータはカートリッジの交換に対応し
た記録ヘッドの駆動条件を設定するためのものであり、
ROM104から読み出された前記データはコンパレー
タ105に供給され、コンパレータ105の比較設定デ
ータとされる。
【0100】印字が開始されると、外部装置から印字タ
イミング信号が端子106を介してMPU103に供給
される。するとMPU103はANDゲートG1をイネ
ーブルにする信号を出力する。さらにMPU103はカ
ウンタ107に対してカウント開始信号を出力し、それ
に応答してカウンタ107は初期化され、発信器108
からの基準クロックを計数し始める。
【0101】コンパレータ105はカウンタ107から
の出力と、ROM104から供給されたデータ値を比較
して、カウンタ107の出力値がROM104からの出
力値より小さい間はHighレベルの信号をANDゲー
トG1およびG2にそれぞれ出力するように構成されて
いる。従ってこの状態においてはANDゲートG1を介
して充電回路92の充電動作がなされる。
【0102】カウンタ107の出力値がインクリメント
されてゆき、ある時点でR0M104からの出力値より
も大きくなるとコンパレータ105からはLowレベル
の信号がANDゲートG1,G2にそれぞれ出力する。
このため充電回路92の動作は一時停止される。カウン
タ107の計数出力は、オーバフローすると再度零より
計数動作を行うので充電回路92はコンデンサC1に対
する充電と充電一時停止を繰り返すことになる。すなわ
ちコンデンサC1に対しては、パルス幅変調信号によっ
て充電を行うようにしている。
【0103】その後、カウント開始信号を出力してから
所定時間が経過した時点でMPU103よりANDゲー
トG1に対してディセイブル信号を出力する。
【0104】そして、さらに一定時間経過後にMPU1
03はANDゲートG2をイネーブルする信号を出力す
ると共に、再度カウンタ107に対してカウント開始信
号を出力し、カウンタ107を初期化させて計数動作さ
せる。
【0105】以降充電時の動作と同様に、コンパレータ
105からは放電と放電一時停止信号がANDゲートG
2を介して放電回路93に出力されて、放電回路93は
コンデンサC1の放電と放電一時停止を繰り返す。すな
わちコンデンサC1の放電に際しては、パルス幅変調信
号によって断続的に放電を行うようにしている。
【0106】所定放電時間が経過するとMPU103は
ANDゲートG2に対してディセイブル信号を送出し、
放電作用を停止させる。
【0107】図9は前記した充電回路92、放電回路9
3、コンデンサC1、増幅器94からなる駆動信号発生
回路の具体例を示したものである。なお図9における充
電回路92および放電回路93の初段において、それぞ
れインバータ111,112が挿入されており、その後
段における各トランジスタおよび抵抗には、それぞれ図
6と同一の符号を付けている。これらは図6に示したも
のとほぼ同一作用を行うものである。なおこの図10に
示した例は、正負二電源を用いたものであり、また増幅
器94はトランジスタQ7,Q9で構成されているが、
これらは図6に示したようにそれぞれ二段のダーリント
ン結合により構成される場合もある。また図中トランジ
スタQ10は放電回路の入力段においてエミッタフォロ
アを構成するものである。
【0108】以上の構成において充電回路92に図11
に示すP0C,P1CまたはP2Cが入力されると、その出力
がHighレベルの期間、コンデンサC1が充電され
る。この時の充電電流Irは、抵抗R1の抵抗値をR
a、トランジスタQ3のベース電極−エミッタ電極間電
圧をVBE1 とすると、次の式3のように表すことがで
き、その電流値は一定電流となる。
【0109】Ir=VBE1/Ra …式3 この結果、コンデンサC1の端子電圧(V)の立上がり
勾配τ1は、コンデンサC1の容量をCaとすると次の
式4のように表すことができ、コンデンサC1の端子電
圧(V)はτ1の勾配で0(V)に向かって上昇するこ
とになる。
【0110】τ1=VBE1/(Ra×Ca) …式4 従って、図11に示すP0C,P1CまたはP2Cの各信号が
充電回路92に供給されると、その出力がHighレベ
ルの期間、コンデンサC1が充電され、それぞれVP0,
VP1またはVP2に示すようにコンデンサC1の端子電圧
が0(V)方向に上昇する。
【0111】同様に放電回路93に対して図11に示す
P0D,P1DまたはP2Dが入力されると、その出力がHi
ghレベルの期間、コンデンサC1の蓄電電荷が放電さ
れる。この時の放電電流Ifは、抵抗R2の抵抗値をR
b、トランジスタQ5のベース電極−エミッタ電極間電
圧をVBE2 とすると、次の式5のように表すことがで
き、その電流値は一定電流となる。
【0112】If=VBE2/Rb …式5 この結果、コンデンサC1の端子電圧(V)の立下がり
勾配τ2は、次の式6のように表すことができ、コンデ
ンサC1の端子電圧(V)はτ2の勾配で−VH(V)
に向かって下降することになる。
【0113】τ1=VBE1/(R1×C1) …式6 従って、図11に示すP0D,P1DまたはP2Dの各信号が
放電回路93に供給されると、その出力がHighレベ
ルの期間、コンデンサC1が放電され、それぞれVP0,
VP1またはVP2に示すようにコンデンサC1の端子電圧
が−VH(V)方向に低下する。
【0114】以上の動作によりコンデンサC1に対する
充放電が行われ、増幅器94を構成するトランジスタQ
7,Q9により電流増幅された駆動信号は、各記録ヘッ
ドの圧電素子85の一方の端子に対して出力される。
【0115】なお選択回路95は具体的には図10に示
す寄生ダイオードを有するエミッタ接地のトランジスタ
Q21,Q21……であり、トランジスタQ21,Q2
1……のコレクタに各圧電素子85の他方の端子に接続
される。
【0116】図8および図9に示す駆動信号発生回路に
おいては、ほぼ0(V)から−VH(V)までを振幅と
する電圧波形であるため、各圧電素子85はトランジス
タQ21が非導通時に寄生ダイオードを介して−VH
(V)まで十分放電され、記録ヘッドの圧力発生室84
は収縮状態に維持される。
【0117】そして、トランジスタQ21は、端子10
6に印加される印字タイミング信号に同期して各ベース
電極に出力される印字信号により導通し、圧電素子85
は充電され、印字信号に従い収縮する。すなわち圧力発
生室84が膨張してインクが吸入される。そして一定時
間後に駆動信号が−VH(V)に向かって下降して圧電
素子を放電する区間で、圧力発生室84が収縮してイン
ク滴が吐出する。
【0118】以上のように、インクカートリッジが交換
された場合においては、ホストコンピュータより端子1
01に制御信号が印加され、結果として記録ヘッドの圧
電素子85に加わるパルスの波高値は低下することとな
る。これにより記録ヘッドに対する駆動電力を低減させ
る駆動条件が生成される。
【0119】従って、カートリッジの交換後において
は、カートリッジの交換直前のインクエンドにおけるイ
ンクの吐出量と同等の吐出量となるように制御すること
ができ、印字品質の変化を押さえることができる。
【0120】なお、図8および図9に示した駆動信号発
生回路を利用した場合においても、前記したようにヘッ
ドの吐出ドット数を計測するカウンタを各カートリッジ
ごとに保有させて、カートリッジの交換後においてカー
トリッジ内の負圧(静水頭値)が一定の静水頭領域に達
するに相当する吐出ドット数に至るまでの所定期間、前
記した駆動条件を変えるように制御することが望まし
い。
【0121】また同様にオフキャリッジタイプの印刷装
置に利用する場合においても、インクパックの機械的な
寸法の変化、また電気導電率の変化を検出して一定の静
水頭領域に達するに相当するまでの所定期間、記録ヘッ
ドの駆動条件を変えるように制御することができる。
【0122】さらにインクカートリッジの交換が印字ペ
ージの途中でなされた場合、および一文書の途中でなさ
れた場合においても同様に、そのページの印字が終了す
るまで、また当該一文書の印刷ジョブが終了するまで、
記録ヘッドの駆動条件を変えるように制御することがで
きる。
【0123】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明に
かかるインクジェット式記録装置においては、インクカ
ートリッジの交換がなされた場合において、記録ヘッド
の駆動条件を変更する制御手段を記録ヘッドの駆動信号
発生回路に備えたので、インクカートリッジの交換に基
づく印字品質の変化を抑制することが可能となる。
【0124】この場合、特に記録用紙への印字途中にお
いて、または記録用紙が複数枚にわたる一文書の印字途
中において、インクカートリッジの交換がなされた場合
においては、当該記録用紙のページが終了する時点ま
で、または当該一文書の印刷が終了する時点まで、記録
ヘッドの駆動条件を変更するように構成させることで、
特に目立ちやすい印字品質の変化を押さえることが可能
であり、この種の記録装置における商品価値をより増大
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェット式記録装置の構
成を示した上面図である。
【図2】図1に示す記録装置に配置されるカートリッジ
ホルダおよびインクカートリッジの例を示した斜視図で
ある。
【図3】図2に示すインクカートリッジの分解斜視図で
ある。
【図4】オンキャリッジタイプの記録装置に使用される
インクカートリッジの例を示した分解斜視図である。
【図5】インクジェット式記録装置に用いられる記録ヘ
ッドの構成を一部破断して示した斜視図である。
【図6】図5に示す記録ヘッドを駆動するための駆動信
号発生回路の第1の実施の形態を示した結線図である。
【図7】図6に示す駆動信号発生回路の作用を示すタイ
ミングチャートである。
【図8】図5に示す記録ヘッドを駆動するための駆動信
号発生回路の第2の実施の形態を示したブロック図であ
る。
【図9】図8に示す駆動信号発生回路における充放電回
路の構成を示した結線図である。
【図10】図8に示す駆動信号発生回路における選択回
路の構成を示した等価回路図である。
【図11】図8に示す駆動信号発生回路の作用を示すタ
イミングチャートである。
【図12】オフキャリタイプの記録装置に用いられるイ
ンクカートリッジの内部負圧状況を示した特性図であ
る。
【図13】水頭差と吐出インク量との関係を示した特性
図である。
【図14】オンキャリタイプの記録装置に用いられるイ
ンクカートリッジの内部負圧状況を示した特性図であ
る。
【符号の説明】
10 記録装置 11 キャリッジ 13 プラテン 19 第1記録ヘッド 20 第2記録ヘッド 24 キャッピング装置 CH カートリッジホルダ IC インクカートリッジ 44 インクエンド検出器 51 ケース本体 52 蓋体 53 インクパック 56 検出板 57 検出突起 61 インクタンク 68 電極 80 ノズルプレート 81 ノズル開口 84 圧力発生室 85 圧電素子 90 印刷予備信号発生回路 92 充電回路 93 放電回路 94 増幅器 95 選択回路 C1 コンデンサ R1 時定数調整用抵抗(充電用抵抗) R2 時定数調整用抵抗(放電用抵抗)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用紙の幅方向に往復駆動され、イン
    クカートリッジから供給されるインクを駆動信号に基づ
    いて記録用紙に対して吐出する記録ヘッドと、前記記録
    ヘッドに対して駆動信号を供給する駆動信号発生回路と
    を備えたインクジェット式記録装置であって、 前記駆動信号発生回路には、インクカートリッジの交換
    がなされた場合において記録ヘッドの駆動条件を変更す
    る制御手段が具備されていることを特徴とするインクジ
    ェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、インクカートリッジの
    交換がなされた時点より所定期間において記録ヘッドの
    駆動条件を変更するように構成したことを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記所定期間は、インクカートリッジの
    交換時点よりインクの吐出ドット数を計数して求めるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記所定期間は、カートリッジ筐体に収
    納されたインクパックの機械的な寸法の変化を検出する
    手段により求めるように構成したことを特徴とする請求
    項2に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記所定期間は、カートリッジ筐体に埋
    め込まれインクタンクに導通する電極を介して電気導電
    率の変化を検出する手段により求めるように構成したこ
    とを特徴とする請求項2に記載のインクジェット式記録
    装置。
  6. 【請求項6】 記録用紙への印字途中においてインクカ
    ートリッジの交換がなされた場合においては、当該記録
    用紙のページが終了する時点まで、記録ヘッドの駆動条
    件を変更するように構成したことを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 記録用紙が複数枚にわたる一文書の印字
    途中においてインクカートリッジの交換がなされた場合
    においては、当該一文書の印刷が終了する時点まで、記
    録ヘッドの駆動条件を変更するように構成したことを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段には、コンデンサと、この
    コンデンサに対する充電電流を可変することができる充
    電用回路と、コンデンサの端子電圧を放電する放電用回
    路とが具備され、前記コンデンサの端子電圧に基づいて
    駆動信号を生成するように構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段には、コンデンサと、この
    コンデンサに対する充電電流としてパルス幅変調信号を
    生成する充電回路と、コンデンサの端子電圧を放電する
    放電回路とが具備され、前記コンデンサの端子電圧に基
    づいて駆動信号を生成するように構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、インクカートリッジ
    の交換がなされた時点より所定期間において、記録ヘッ
    ドに対する駆動電力を低減させる駆動条件を生成するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項9のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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