JPH1113875A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JPH1113875A
JPH1113875A JP9167392A JP16739297A JPH1113875A JP H1113875 A JPH1113875 A JP H1113875A JP 9167392 A JP9167392 A JP 9167392A JP 16739297 A JP16739297 A JP 16739297A JP H1113875 A JPH1113875 A JP H1113875A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機において自動変速モードから手動
変速モードへと移行した直後の変速比によってその後の
シフトアップ・ダウン時の加速度段差感が変化して運転
者に違和感を与えてしまう。 【解決手段】 手動変速モードへと移行した直後の変速
比を一変速段として設定すると共に、該変速段の変速比
を基準として予め定めた変速比幅の範囲内で隣接する変
速段の目標変速比を設定することによりシフト操作時の
適度な加速度段差を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置に関し、特に手動変速モードを備えた変速制御
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる無段変速機としては、
従来からベルト式やトロイダル式のものが考えられてお
り、これら無段変速機の変速制御装置では、車速とスロ
ットル開度(アクセル開度)に応じて目標変速比を決定
する自動変速モード(Dレンジ走行モード)に加えて、
手動変速機と同様に、所定の目標変速比を設定する手動
変速モード(Mレンジ走行モード)を備えたものが知ら
れている。これはシフトレバーのシフト位置に応じて無
段変速機の目標変速比を段階的に設定しており、車速や
スロットル開度にかかわらず、運転者が所望の変速比を
選択可能としたものである。
【0003】このような手動変速モードでの操作におい
ては、シフトアップやシフトダウンの際に変速比の差異
に原因する車両加速度の段差が発生し、運転者はこの段
差により変速したことを認知すると同時に自分の変速操
作に応答する加速度段差感を得ることによりスポーティ
な走行を楽しむことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな手動変速モードを備えた無段変速機では、自動変速
モードから手動変速モードへと切り換えられたときの変
速比をどのように設定するかという問題がある。
【0005】例えば、図5は手動変速モードでの目標変
速比の設定例を車速とプライマリプーリ回転速度(無段
変速機の入力軸側の回転速度)との関係で示したもので
あるが、この図において仮に第2速と第3速の目標変速
比の中間にあたるT点にてDレンジからMレンジへのセ
レクト操作つまり自動変速モードから手動変速モードへ
の切り換えがされたとすると、このときT点は手動変速
モードでの設定目標変速比の何れにも乗っていないの
で、従来は最寄りの変速比、この場合第2速へと変速比
を移動させるようにしていた。
【0006】しかしながら、このように強制的に変速比
を移動させると、移動後の変速比によってはそれまで運
転者が期待していた駆動力が得られるとは限らないの
で、運転者は過渡的にアクセル操作が必要となるという
煩わしさが生じる。また、手動変速モードに切り換えた
ときの変速比がたまたま何れかの変速段の変速比に一致
していた場合にはアクセル操作による駆動力の調整は不
要であるので、そのときどきによってアクセル操作の要
不要が生じることになり、これが運転者に違和感を与え
ることにもなる。
【0007】これに対して、例えば特開平6−6636
9号公報には、手動変速モードに切り換えられた時点で
の変速比を維持するようにしたものが開示されている。
このような制御によれば、例えば図5のT点で手動変速
モードに切り換えられたとすると、運転者がさらに変速
段を変更する操作を行うまでは該T点での変速比が維持
されるので、上述したような変速比の強制移動による問
題は発生しない。しかしながら、その反面、T点での変
速比に維持された状態から次に第2速へのシフトダウン
または第3速へのシフトアップを行ったとすると、何れ
の方向についてもT点からの変速比の差が小さいため変
速後の加速度段差もそれだけ少なく、これが運転者に変
速操作したにもかかわらず思ったように加速または減速
しないという感覚を与えることになってしまう。
【0008】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、手動変速モードへの切換直後の変速比を基
準として各変速段の目標変速比を設定することにより前
記問題点を解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図6
に示したように、車両の運転状態に応じて無段変速機の
目標変速比を設定する自動変速制御手段Aと、運転者に
よって操作される手動変速指令手段Bからの信号に基づ
いて無段変速機の目標変速比を複数の変速段のうちのひ
とつに設定する手動変速制御手段Cと、前記自動変速制
御手段Aと手動変速制御手段Cとを運転者の操作により
選択的に切り換える変速モード切換手段Dとを備え、前
記手動変速制御手段Cは、前記変速モード切換手段Dに
より自動変速制御手段Aから制御が移行したときにその
時点での実変速比を目標変速比とする変速段を設定する
と共に、この切換直後の変速比を基準として予め定めた
変速比の範囲内で少なくとも隣接する変速段の目標変速
比を決定するように構成する。
【0010】なお、上記手動変速制御手段Cにおいて、
変速比の特性は例えば次のように設定できる。第1に
は、切換直後に設定した変速段の目標変速比に対して、
隣接する変速段の目標変速比を、変速に伴う加速度段差
の小さいクロース側に設定したもの、第2にはは、切換
直後に設定した変速段の目標変速比に対して、隣接する
変速段の目標変速比を、変速に伴う加速度段差の大きい
ワイド側に設定したもの、第3には、切換直後に設定し
た変速段の目標変速比に対して、隣接する変速段の目標
変速比を、変速に伴う加速度段差の最大許容量に相当す
るワイド側限界と最小必要量に相当するクロース側限界
との中間付近に設定したものである。
【0011】請求項2の発明は、上記請求項1の発明の
手動変速制御手段Cを、切換直後に設定した変速段に隣
接する変速段の目標変速比を複数種類備えると共に、運
転者の選択操作に基づき前記複数の目標変速比のうちの
何れかを設定する変速幅選択手段を有するものとする。
【0012】
【作用・効果】上記請求項1以下の各発明によれば、変
速モード切換に伴い自動変速から手動変速へと制御が移
行すると、その時点での実変速比が目標変速比として変
速段が設定され、すなわちモード切換直後の実変速比が
一つの変速段として維持されるので、強制的な変速比移
動に原因するアクセル操作の必要性を生じることがな
く、運転者に対して運転操作上の違和感を与えることが
ない。
【0013】さらに、この切換直後の実変速比を基準と
して予め定めた変速比の範囲内で少なくとも隣接する変
速段の目標変速比が決定されるので、どのような実変速
比において手動変速制御に切り換えられたとしても、そ
の時点での変速段に対して前後の変速段には必ずある程
度の変速比幅つまり加速度段差が確保され、したがって
その後のシフトアップまたはシフトダウン操作に対して
運転者の期待または予測したとおりの加減速感が得られ
る。
【0014】ここで手動変速制御手段Cの変速比が上記
第1の特性である場合、手動変速制御への切換直後に設
定した目標変速比に対して隣接する変速段の目標変速比
がクロース側に設定される。クロース側とは運転者がシ
フトアップまたはシフトダウン操作をしたときに感じる
加速度段差が比較的小さくなる変速比幅であり、手動変
速機でのいわゆるクロースレシオに相当する変速比設定
である。したがって、この場合には加速度段差感は小と
なるが、シフト操作に対するエンジン回転速度の変化量
も少なく、特に加速時においてシフトアップに伴うトル
ク低下を少なくできるので優れた加速性能が得られる。
【0015】これに対して、手動変速制御手段の変速比
が上記第2の特性である場合には、手動変速制御への切
換直後に設定した目標変速比に対して隣接する変速段の
目標変速比がワイド側に設定される。ワイド側とは運転
者がシフトアップまたはシフトダウン操作をしたときに
感じる加速度段差が比較的大きくなる変速比幅であり、
手動変速機でのワイドレシオに相当する変速比設定であ
る。この場合はシフト操作時のトルク差が相応に大きく
なるので加速度段差感が増すが、無段変速機としての変
速可能領域内での設定変速段数が自ずと少なくなり、こ
れは各変速段のカバーする車速域が広がることを意味
し、一般にシフト操作の頻度は低くなる。
【0016】そして、手動変速制御手段Cの変速比が上
記第3の特性である場合には、上記第1の特性と第2の
特性の中間的な性格となる。
【0017】請求項2の発明は、目標変速比の設定変化
幅を複数種類備えると共に、運転者の操作により何れか
の特性に選択的に切り換える変速幅選択手段を有してい
る。すなわち、この発明によれば、例えば上述したクロ
ースレシオからワイドレシオまでの複数の特性が兼ね備
えられ、そのいずれかを運転者の好みで選択可能とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、上記各請求項の発明を包含
する内容の実施の形態につき説明する。
【0019】まず、図1に本発明が適用可能な無段自動
変速機の縦断面構造を示す。これを説明すると、エンジ
ン出力軸10には流体式伝動装置としてのトルクコンバ
ータ12が連結されている。流体式伝動装置としては、
トルクコンバータ12に代えてフルードカップリングが
用いられる場合もある。
【0020】トルクコンバータ12はロックアップクラ
ッチ11を備えており、コンバータ室12cおよびロッ
クアップ油室12dの油圧を相反的に制御することによ
り、入力側のポンプインペラ12aと出力側のタービン
ランナ12bとを機械的に連結しまたは切り離し可能と
している。
【0021】トルクコンバータ12の出力側は回転軸1
3と連結され、回転軸13は前後進切換機構15と連結
されている。前後進切換機構15は、遊星歯車機構1
9、前進用クラッチ40、後退用ブレーキ50等から構
成されている。遊星歯車機構19の出力側は回転軸13
の外側に同軸的に嵌装された駆動軸14に連結されてい
る。駆動軸14にはベルト式無段変速機17のプライマ
リプーリ16が設けられている。
【0022】無段変速機17は、上記プライマリプーリ
16とセカンダリプーリ26と、プライマリプーリ16
の回転力をセカンダリプーリ26に伝達するVベルト2
4などからなっている。
【0023】プライマリプーリ16は、駆動軸14と一
体に回転する固定円錐板18と、固定円錐板18に対向
配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にプライマリ
プーリシリンダ室20に作用する油圧によって駆動軸1
4の軸方向に移動可能である可動円錐板22からなって
いる。プライマリプーリシリンダ室20は、この場合室
20aおよび室20bの2室からなっており、後述する
セカンダリプーリシリンダ室32よりも大きな受圧面積
を有している。
【0024】セカンダリプーリ26は、従動軸28上に
設けられている。セカンダリプーリ26は、従動軸28
と一体に回転する固定円錐板30と、固定円錐板30に
対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にセカン
ダリプーリシリンダ室32に作用する油圧によって従動
軸28の軸方向に移動可能である可動円錐板34とから
なっている。
【0025】従動軸28には駆動ギヤ46が固着されて
おり、この駆動ギヤ46はアイドラ軸52上のアイドラ
ギヤ48とかみ合っている。アイドラ軸52に設けられ
たピニオンギア54はファイナルギア44とかみ合って
いる。ファイナルギア44は差動装置56を介して図示
しない車輪に至るプロペラシャフトまたはドライブシャ
フトを駆動する。
【0026】上記のような無段自動変速機にエンジン出
力軸10から入力された回転力は、トルクコンバータ1
2および回転軸13を介して前後進切換機構15に伝達
され、前進用クラッチ40が締結されると共に後退用ブ
レーキ50が解放されている場合には一体回転状態とな
っている遊星歯車機構19を介して回転軸13の回転力
が同じ回転方向のまま無段変速機17の駆動軸14に伝
達され、一方前進用クラッチ40が解放されると共に後
退用ブレーキ50が締結されている場合には遊星歯車機
構19の作用により回転軸13の回転力は回転方向が逆
になった状態で駆動軸14に伝達される。
【0027】駆動軸14の回転力はプライマリプーリ1
6、Vベルト24、セカンダリプーリ26、従動軸2
8、駆動ギア46、アイドラギア48、アイドラ軸5
2、ピニオンギア54、およびファイナルギア44を介
して差動装置56に伝達される。前進用クラッチ40お
よび後退用ブレーキ50の両方が解放されている場合に
は動力伝達機構は中立状態となる。
【0028】上記のような動力伝達の際に、プライマリ
プーリ16の可動円錐板22およびセカンダリプーリ2
6の可動円錐板34を軸方向に移動させてVベルト24
との接触位置半径を変えることにより、プライマリプー
リ16とセカンダリプーリ26とのあいだの回転比つま
り変速比(プーリ比ともいう。)を変えることができ
る。例えば、プライマリプーリ16のV字状プーリ溝の
幅を拡大すると共にセカンダリプーリ26のV字状プー
リ溝の幅を縮小すれば、プライマリプーリ16側のVベ
ルト24の接触位置半径は小さくなり、セカンダリプー
リ26側のVベルト24のVベルトの接触位置半径は大
きくなるので、大きな変速比が得られることになる。可
動円錐板22および34を逆方向に移動させれば上記と
は逆に変速比は小さくなる。
【0029】このようなプライマリプーリ16とセカン
ダリプーリ26のV字状プーリ溝の幅を変化させる制御
は、次に述べる制御系統を介してのプライマリプーリシ
リンダ室20(20a,20b)またはセカンダリプー
リシリンダ室32への油圧制御により行われる。
【0030】図2に、本願発明の自動変速制御手段、手
動変速制御手段、変速モード切換手段等の機能を含めて
上記した無段自動変速機の基本的な変速比制御を行う機
能を有する制御系統の概略を示す。なお、図2において
図1と対応する機構部分には同一の符号を付して示して
ある。
【0031】以下、この制御系統について本発明に関連
する部分を中心に説明する。図において101はマイク
ロコンピュータ等からなる電子制御部、102は各種油
圧制御弁等からなる油圧制御部を示しており、この制御
系統では上記無段自動変速機の制御手段は主としてこれ
ら電子制御部101および油圧制御部102によって構
成されている。
【0032】電子制御部101は、制御演算処理を行う
中央演算部101A、中央演算部101Aにエンジンお
よび車両からの各種の運転状態信号を処理可能な形式に
変換して供給する入力部101B、および中央演算部1
01Aからの制御信号に基づいて油圧制御等のための各
種信号を出力する出力部101Cからなる。
【0033】入力部101Bには、エンジン100の燃
料噴射量や点火時期を電子制御するためのコントロール
モジュール103によって利用される水温信号S1、ス
ロットル開度信号S2、エンジン回転信号S3、ABS
(アンチロックブレーキシステム)制御装置104から
のABS作動信号S4、車両の制動装置作動時に発せら
れる制動信号S5、セレクタレバー105の操作位置を
示す信号としてインヒビタスイッチから発せられるセレ
クタ位置信号S6、プライマリプーリ16の回転速度信
号S7、セカンダリプーリ26の回転速度信号S8など
が入力し、これらの信号を必要に応じて中央演算部10
1Aに供給する。
【0034】中央演算部101Aは、変速制御部10
6、ライン圧制御部107、ロックアップ制御部108
からなり、それぞれ上記各種信号中から必要な所定の信
号を用いて制御信号を演算し、出力部101Cを構成す
るステップモータ駆動回路109、ライン圧ソレノイド
駆動回路110、ロックアップソレノイド駆動回路11
1を駆動することにより、無段変速機17の変速比、ラ
イン圧、ロックアップクラッチ11を制御する。
【0035】詳細には、変速制御部106は、スロット
ル開度に代表されるエンジン負荷(TVO)や車速等に
応じて予め定められたパターンに従って変速が行われる
ようにステップモータ駆動回路109に制御信号を出力
する。この制御信号に基づき、ステップモータ駆動回路
109は油圧制御部102の変速制御弁112に連結し
たステップモータ113を駆動する。
【0036】すなわちステップモータ113はステップ
モータ駆動回路109からの信号に対応した目標変速比
となるように変速制御弁112を駆動し、プライマリプ
ーリシリンダ室20とセカンダリプーリシリンダ室32
(図1参照)に供給するライン圧を相反的に増減させ
る。変速制御弁112にはリンク114を介してプライ
マリプーリ16の変位つまり変速比がフィードバックさ
れ、ステップモータ113の位置に応じた目標とする変
速比となったところで各プーリシリンダ室20,32へ
の油圧分配が一定化して当該目標変速比に安定するよう
になっている。
【0037】一方、ライン圧ソレノイド駆動回路110
は、油圧制御部102のライン圧ソレノイド115の位
置を駆動回路110からの制御信号に応じて制御し、こ
れに応じてライン圧ソレノイド115は、図示しない油
圧ポンプからの油圧力を、モディファイア(圧力制御
弁)116およびレギュレータ(定圧弁)117を介し
て目標とする適切なライン圧に調整して変速制御弁11
2ないし各プーリ16,26に供給させる。
【0038】また、ロックアップ制御部108は、ロッ
クアップクラッチ11を、例えば車速が所定値以上とな
ったときに接続し、車速が所定値以下となったときに解
放するように油圧制御を行う。
【0039】なお、図2において120は手動変速指令
手段にあたるセレクタレバー105に連動する手動制御
弁であり、この手動制御弁120の位置に応じて、運転
者が指定した特定変速比ないし変速パターンに制御され
る状態(手動変速モード)、または電子制御部101に
よって運転状態に応じて決定された変速比に自動的に変
速制御される状態(自動変速モード)に油圧制御部10
2の回路が切り換えられる。
【0040】以上は本発明を適用可能な無段変速機の一
例を示したものであり、本発明ではこのような無段変速
機が手動変速モードで用いられる場合の変速段の目標変
速比を調整することにより良好な変速操作感が得られる
ようにすることを要旨としている。次に、この点を変速
特性を示す図3およびこの変速特性を実現する制御の流
れ図を参照しながら説明する。なお、以下の説明では本
発明の自動変速制御手段による制御状態を自動変速モー
ド、手動変速制御手段による制御状態を手動変速モード
と呼ぶ。
【0041】図3において、T0は自動変速モードから
手動変速モードに切り換えられた時点での運転点を示し
ており、L0はこのT0での変速比による走行特性線を示
している。L1とL2はぞれぞれ無段変速機のローギヤ限
界線、トップギヤ限界線を示しており、すなわちこれら
の限界線の間が変速可能領域となる。また、A,C,B
はそれぞれ前記L0の変速比を基準として設定されるク
ロース側走行特性線、ワイド側走行特性線、中間的走行
特性線を示している。これらA,C,Bの何れの特性と
なるかは運転者の選択による。
【0042】手動変速モードに切り換えられた当初は、
そのときの運転点にあたるT0点での実変速比が一つの
変速段の目標変速比として設定される。したがって、運
転者がシフトアップまたはシフトダウンの操作を行わな
い限り、変速比は当該T0点での値に制御され、L0
に沿った走行特性に固定される。T0点からの強制的な
変速比の移動は行われないので、自動変速モードから手
動変速モードへの切換に伴い駆動トルクが変動してアク
セル操作が必要となるという不具合は生じない。
【0043】L0線上での走行中に運転者がシフトアッ
プまたはシフトダウン操作を行うと、A〜Cの特性線
(変速比)のうちそのときに運転者により選択されてい
た特性線へと移行するように目標変速比が設定され、こ
れにより実際の変速比も変化する。前記特性線A〜Cは
何れも当初の特性線L0に対してある程度の変速比幅を
有するように設定されているので、シフトアップまたは
シフトダウン操作により確実にトルク変化ないし加速度
段差が発生し、運転者に対してシフト操作の手応えを与
える。
【0044】ただし、自動変速モードから手動変速モー
ドへの切換時の運転点が図3のT1点で示したようにロ
ーギヤ限界線であるL1に近い場合、この運転点からの
シフトダウンはL1が限界となるので、それ以上に変速
比幅を大きくする制御は行われない。また、同様にモー
ド切換時の運転点がT2で示したようにトップギヤ限界
線であるL2に近い場合にはシフトアップ方向について
はL2を超えるような変速比幅の設定は行われない。な
お、このようにL1またはL2に極めて近い運転点でのモ
ード切換時にはL1またはL2へと強制的に変速比を移動
させるようにしてもよい。
【0045】図4は上述したような変速特性を実現する
手法の一例を示したもので、この制御では、まずステッ
プ(符号Sにて示す。以下同様。)1にて、上述したセ
レクタレバー105の位置検出に基づき、運転者により
手動変速モードまたは自動変速モードの何れが選択され
ているかが判定される。
【0046】手動変速モードが選択されていない場合に
は自動変速モードでの制御となり、この場合には発進か
ら最高速度に至るまで車両の変速比は自動的に決定され
る状態となる。これに対して、手動変速モードが選択さ
れている場合には、次に運転者による変速段指令位置
(この場合手動変速弁120の位置に応じて定まる複数
の変速段のいずれか)、車速、現在のプーリ比ip等が
検出されまたは読み込まれると共に、現在のプーリ比i
pが当面の変速段の目標変速比ip’として設定され
る。(S2)。
【0047】次に変速比幅としてA,B,Cの何れが運
転者により選択されているかが判定され(S3)、この
判定結果に基づき、対応する変速比幅の特性による各変
速段の目標変速比ip’が設定される(S4,S5,S
6)。
【0048】このようにして目標変速比ip’が決めら
れると、次に運転者のシフト操作により選択された目標
変速比ip’と現プーリ比ipとを比較し(S7)、i
p=ip’であれば目標値通りの実変速比となっている
ので該変速比を維持べくip’をそのまま変速比制御部
に出力する(S8〜S10)。これに対して、ip≠i
p’の場合、これは手動変速モードにおいてアップダウ
ンのシフトを行った直後には目標値ip’と現プーリ比
ipとは一致しないので、そのときの現ipに対してシ
フトアップまたはシフトダウン何れかの選択方向に応じ
て隣接する変速段の変速比を目標変速比ip’として設
定し出力する(S9〜S10)。
【0049】このような制御の繰り返しにより、各変速
段において図3に示したような手動変速モードでの変速
比が設定される。変速制御部106では、このようにし
て決定された目標変速比ip’に基づき、既述したとお
り、プライマリプーリ16の位置をフィードバックしな
がらステップモータ113および変速制御弁112を駆
動して実際のプーリ比が目標値となるように変速比制御
を行う。
【0050】なお、上記実施形態に示したA〜Cの3種
の特性の他に、運転者による変速特性の選択枝の一つと
して、従来同様に手動変速モードに切り換えられたとき
の変速比の如何にかかわらず固定化された複数段の目標
変速比のみが選択可能となる特性を含ませるようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な無段自動変速機の一例の縦
断面図。
【図2】図1に示した無段自動変速機の制御系統図。
【図3】本発明の実施形態による変速特性線図。
【図4】上記実施形態の制御内容を示す流れ図。
【図5】従来の手動変速モードの変速特性線図。
【図6】本発明のクレーム対応図。
【符号の説明】
A 自動変速制御手段 B 手動変速指令手段 C 手動変速制御手段 D 変速モード切換手段 10 エンジン出力軸 11 ロックアップクラッチ 12 トルクコンバータ 12a ポンプインペラ 12b タービンランナ 12c コンバータ室 12d ロックアップ油室 13 回転軸 14 駆動軸 15 前後進切換機構 16 プライマリプーリ 17 無段変速機 18 固定円錐板 19 遊星歯車機構 20 プライマリプーリシリンダ室 20c スプリング 22 可動円錐板 24 Vベルト 26 セカンダリプーリ 28 従動軸 30 固定円錐板 32 セカンダリプーリシリンダ室 32c スプリング 34 可動円錐板 40 前進用クラッチ 44 ファイナルギア 46 駆動ギア 48 アイドラギア 50 後退用ブレーキ 52 アイドラ軸 54 ピニオンギア 56 差動装置 101 電子制御部 101A 中央演算部 101B 入力部 101C 出力部 102 油圧制御部 103 エンジンコントロールモジュール 104 ABS制御装置 105 セレクタレバー 106 変速制御部 107 ライン圧制御部 108 ロックアップ制御部 109 ステップモータ駆動回路 110 ライン圧ソレノイド駆動回路 111 ロックアップソレノイド駆動回路 112 変速制御弁 113 ステップモータ 114 リンク 115 ライン圧ソレノイド 116 モディファイア 117 レギュレータ 118 ロックアップソレノイド 119 ロックアップ制御弁 120 手動制御弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転状態に応じて無段変速機の目
    標変速比を設定する自動変速制御手段と、 運転者によって操作される手動変速指令手段からの信号
    に基づいて無段変速機の目標変速比を複数の変速段のう
    ちのひとつに設定する手動変速制御手段と、 前記自動変速制御手段と手動変速制御手段とを運転者の
    操作により選択的に切り換える変速モード切換手段とを
    備え、 前記手動変速制御手段は、前記変速モード切換手段によ
    り自動変速制御手段から制御が移行したときにその時点
    での実変速比を目標変速比とする変速段を設定すると共
    に、この切換直後の変速比を基準として予め定めた変速
    比の範囲内で少なくとも隣接する変速段の目標変速比を
    決定するように構成されていることを特徴とする無段変
    速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 手動変速制御手段は、切換直後に設定し
    た変速段に隣接する変速段の目標変速比を複数種類備え
    ると共に、運転者の選択操作に基づき前記複数の目標変
    速比のうちの何れかを設定する変速幅選択手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制
    御装置。
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JP2013057407A (ja) * 2012-12-28 2013-03-28 Nsk Ltd 無段変速装置
JP2020148309A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 ジヤトコ株式会社 無段変速機の変速制御装置
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