JPH08277895A - 無段変速機の制御方法および制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御方法および制御装置

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JPH08277895A
JPH08277895A JP8252995A JP8252995A JPH08277895A JP H08277895 A JPH08277895 A JP H08277895A JP 8252995 A JP8252995 A JP 8252995A JP 8252995 A JP8252995 A JP 8252995A JP H08277895 A JPH08277895 A JP H08277895A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無段変速機において、手動変速時にスロット
ル開度を大きく変化させたときのエンジントルクの急変
に原因する車体振動の発生を抑制する。 【構成】 無段変速機1と、その変速比を手動で設定さ
れる目標変速比に制御する手動変速手段2とを備えた無
段変速機において、手動変速手段2による運転時にスロ
ットル開度の変化速度VTHを検出する開度変化速度検出
手段3と、VTHがスロットル開度増大方向またはスロッ
トル開度減少方向に所定値以上となったか否かを判定す
る開度変化速度判定手段4と、VTHが開度増大方向に所
定値以上となったときには減速方向に、VTHが開度減少
方向に所定値以上となったときには増速方向に、それぞ
れ手動により設定された変速比を所定期間のあいだ所定
量だけ変化させる変速比調整手段5とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無段変速機の制御方法
および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの出力をトルクコンバータある
いはフルードカップリング等の流体式伝動装置と、その
出力を無段階に変速する無段変速機を介して車両等の駆
動軸に伝動させるようにした無段変速機が知られてい
る。(公知文献としては例えば特開昭61−10535
3号公報を参照。) この種の変速機において、スロットル開度で代表される
要求負荷や車速などの運転状態に応じて目標とする変速
比に自動変速するレンジ(Dレンジ)の他に、運転者の
手動操作により特定の例えばローギヤ相当の変速比を選
択できるレンジを設けたものがある。
【0003】このような手動変速レンジを備えた自動変
速機では、例えばDレンジでトップギヤ相当の小変速比
で走行中に手動操作で特定の低速段を指定すると、変速
の結果としてエンジン過回転等の問題を生じない限りに
おいて当該低速段の変速比へと変速が行われるなど、予
め定められた自動変速のパターン以外に運転者の意図に
応じた車両の運転も可能となり、したがってより幅広い
運転条件において車両の走行性能を発揮させることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、急加速等の
目的で運転者がスロットルを急激に開く操作を行うと、
図9に示したようにこのときのエンジン出力の急上昇に
伴って駆動系に大きな加速度が作用する。このとき、自
動変速モードで走行中であればスロットル開度の変化に
応じて変速比が減速方向に制御され、これによりエンジ
ン側のトルク急増を打ち消す方向の負のトルクが作用す
るので、結果的にエンジントルクの急増は相殺されて円
滑に加速が開始される。
【0005】これに対して、手動変速モードで急激なス
ロットル操作を行うと、このとき変速機は運転者が選択
した変速比に固定されているので、エンジントルクの急
増は相殺されることなくそのまま駆動系に伝達され、こ
の結果として車体が前後方向に揺さぶられる、いわゆる
ガクガク振動が発生して乗員に不快感を与えるという問
題が生じる。
【0006】また、このような車体の振動は、高速高負
荷状態から急激にスロットルを戻したときにも駆動系か
らの逆トルク入力に対してエンジンブレーキが強く作用
することに原因して発生することがある。
【0007】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、手動変速時にスロットル開度を大きく変化
させたときのトルク変動に原因する車体振動の発生を抑
制することのできる無段変速機の制御方法ないし制御装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
回転を連続可変的に駆動軸に伝達する無段変速機と、こ
の無段変速機の変速比を手動で設定される目標変速比に
制御する手動変速手段とを備えた無段変速機において、
前記手動変速手段による運転時にスロットル開度の変化
速度を検出し、前記変化速度がスロットル開度増大方向
に所定値以上となったときに、手動により設定された変
速比を所定期間のあいだ所定量だけ減速方向に変化させ
る。
【0009】第2の発明は、エンジン回転を連続可変的
に駆動軸に伝達する無段変速機と、この無段変速機の変
速比を手動で設定される目標変速比に制御する手動変速
手段とを備えた無段変速機において、前記手動変速手段
による運転時にスロットル開度の変化速度を検出し、前
記変化速度がスロットル開度減少方向に所定値以上とな
ったときに、手動により設定された変速比を所定期間の
あいだ所定量だけ増速方向に変化させる。
【0010】第3の発明は、上記第1または第2の発明
における所定時間だけ変化する変速比の所定量を、スロ
ットル開度の変化量に応じて、変化量が大であるほど大
となるように定める。
【0011】第4の発明は、上記第1から第3の発明に
おいて、変速比を変化させている間にスロットル開度が
逆方向に変化したときには変速比を当初の手動による変
速比に戻すようにする。
【0012】第5の発明は、上記第1から第4の発明に
おいて、スロットル開度変化に応じて変速比の変化分に
相当する無段変速機の入力軸側回転速度(エンジン回転
速度ないし駆動プーリ回転速度など)の変化分を決定
し、当該回転速度変化が完了するまで変速比を変化させ
たのちに、変化後の入力軸側回転速度と変化前の当初の
変速比とを用いて算出した無段変速比の出力軸側回転速
度(車両の車速など)に達するまで変速比を変化させる
ようにする。
【0013】第6の発明は、上記第1の発明と第2の発
明の制御内容を包含する制御装置を構成するものであ
り、図10に示したように、エンジン回転を連続可変的
に駆動軸に伝達する無段変速機1と、この無段変速機の
変速比を手動で設定される目標変速比に制御する手動変
速手段2とを備えた無段変速機において、前記手動変速
手段2による運転時にスロットル開度の変化速度VTH
検出する開度変化速度検出手段3と、前記開度変化速度
THがスロットル開度増大方向またはスロットル開度減
少方向に所定値(VTH+またはVTH-)以上となったか否
かを判定する開度変化速度判定手段4と、スロットル開
度の変化速度VTHが開度増大方向に所定値以上となった
ときには減速方向に、スロットル開度の変化速度VTH
開度減少方向に所定値以上となったときには増速方向
に、それぞれ手動により設定された変速比を所定期間の
あいだ所定量だけ変化させる変速比調整手段5とを備え
るものとする。
【0014】第7の発明は、上記第6のにおいて、運転
状態に応じて定まる目標変速比へと無段変速機の変速比
を制御する自動変速手段を併有したものとする。
【0015】
【作用】第1または第6の発明において、手動変速手段
により運転者が選択した固定的な変速比で運転されてい
るときにアクセルペダルの急激な踏込み操作によりスロ
ットル開度が所定値を超えた速度で変化すると、この加
速操作の当初に無段変速機の変速比が一時的に減速方向
(変速比増大方向)に変化する。これによりほぼ一定車
速の状態で無段変速機の入力軸回転数が上昇するので、
エンジントルクがその間に緩やかに駆動系に伝達される
ことになり、これにより不快な振動の発生が回避されて
滑らかに加速が開始される。この変速比の変化制御はガ
クガク振動が目立つ加速当初のみ行われ、その後変速比
は運転者が指定した変速比へと戻される。
【0016】第2または第6の発明においては、手動変
速手段により運転者が選択した固定的な変速比で運転さ
れているときにアクセルペダルの急激な戻し操作により
スロットル開度が所定値を超えた速度で変化すると、こ
の減速操作の当初に無段変速機の変速比が一時的に増速
方向(変速比減少方向)に変化する。これによりほぼ一
定車速の状態でエンジン回転速度が減少して、駆動輪側
から入力する逆駆動トルクに対抗するエンジントルクの
影響が小となるので、このエンジントルクの急減に原因
する振動の発生が回避されて滑らかに減速が開始され
る。この変速比の変化制御は減速当初のみ行われ、その
後変速比は運転者が指定した変速比へと戻される。
【0017】第3の発明では、上記第1の発明におい
て、手動変速比からの変速比の変化量がスロットル開度
の変化量に応じて定められるので、スロットル開度変化
量毎のエンジントルク特性に対応して過不足のない適切
な変速比制御が可能となる。
【0018】第4の発明では、上記第1から第3の発明
において、変速比を変化させている間にスロットル開度
が逆方向に変化したときには変速比が当初の手動による
変速比に戻されるので、無用な変速比変化を解消して運
転者の選択した変速比による運転状態に速やかに復帰さ
せることができる。
【0019】第5の発明では、上記第1から第4の発明
において、無段変速機の入力軸側回転速度の変化分で決
まる目標回転速度まで車速がほぼ一定の状態で速やかに
変速比が変化し、その後入力軸回転速度がほぼ一定の状
態で当初の変速比に相当する出力軸回転速度に復帰する
ので、加減速時のエンジンのトルクの立ち上がりに対応
して速やかに変速比を変化させられると同時に、車速を
滑らかに変化させて良好な運転性能を付与することがで
きる。
【0020】第7の発明では、自動変速手段を併有する
変速機において、手動変速手段を使用して手動変速状態
で運転している状態において上記第6の発明によるのと
同様の作用が得られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例につき説明する。
【0022】図1に本発明が適用可能な無段変速機の縦
断面構造を示す。これは自動変速と手動変速を運転者が
切り替えて使用できる自動変速機への適用例である。こ
れを説明すると、エンジン出力軸10には流体式伝動装
置としてのトルクコンバータ12が連結されている。流
体式伝動装置としては、トルクコンバータ12に代えて
フルードカップリングが用いられる場合もある。
【0023】トルクコンバータ12はロックアップクラ
ッチ11を備えており、コンバータ室12cおよびロッ
クアップ油室12dの油圧を相反的に制御することによ
り、入力側のポンプインペラ12aと出力側のタービン
ランナ12bとを機械的に連結しまたは切り離し可能と
している。
【0024】トルクコンバータ12の出力側は回転軸1
3と連結され、回転軸13は前後進切換機構15と連結
されている。前後進切換機構15は、遊星歯車機構1
9、前進用クラッチ40、後退用ブレーキ50等から構
成されている。遊星歯車機構19の出力側は回転軸13
の外側に同軸的に嵌装された駆動軸14に連結されてい
る。駆動軸14には無段変速機17の駆動プーリ16が
設けられている。
【0025】無段変速機17は、上記駆動プーリ16と
従動プーリ26と、駆動プーリ16の回転力を従動プー
リ26に伝達するVベルト24などからなっている。
【0026】駆動プーリ16は、駆動軸14と一体に回
転する固定円錐板18と、固定円錐板18に対向配置さ
れてV字状プーリ溝を形成すると共に駆動プーリシリン
ダ室20に作用する油圧によって駆動軸14の軸方向に
移動可能である可動円錐板22からなっている。駆動プ
ーリシリンダ室20は、この場合室20aおよび室20
bの2室からなっており、後述する従動プーリシリンダ
室32よりも大きな受圧面積を有している。
【0027】従動プーリ26は、従動軸28上に設けら
れている。従動プーリ26は、従動軸28と一体に回転
する固定円錐板30と、固定円錐板30に対向配置され
てV字状プーリ溝を形成すると共に従動プーリシリンダ
室32に作用する油圧によって従動軸28の軸方向に移
動可能である可動円錐板34とからなっている。
【0028】従動軸28には駆動ギヤ46が固着されて
おり、この駆動ギヤ46はアイドラ軸52上のアイドラ
ギヤ48とかみ合っている。アイドラ軸52に設けられ
たピニオンギア54はファイナルギア44とかみ合って
いる。ファイナルギア44は差動装置56を介して図示
しない車輪に至るプロペラシャフトまたはドライブシャ
フトを駆動する。
【0029】上記のような無段自動変速機にエンジン出
力軸10から入力された回転力は、トルクコンバータ1
2および回転軸13を介して前後進切換機構15に伝達
され、前進用クラッチ40が締結されると共に後退用ブ
レーキ50が解放されている場合には一体回転状態とな
っている遊星歯車機構19を介して回転軸13の回転力
が同じ回転方向のまま無段変速機17の駆動軸14に伝
達され、一方前進用クラッチ40が解放されると共に後
退用ブレーキ50が締結されている場合には遊星歯車機
構19の作用により回転軸13の回転力は回転方向が逆
になった状態で駆動軸14に伝達される。
【0030】駆動軸14の回転力は駆動プーリ16、V
ベルト24、従動プーリ26、従動軸28、駆動ギア4
6、アイドラギア48、アイドラ軸52、ピニオンギア
54、およびファイナルギア44を介して差動装置56
に伝達される。前進用クラッチ40および後退用ブレー
キ50の両方が解放されている場合には動力伝達機構は
中立状態となる。
【0031】上記のような動力伝達の際に、駆動プーリ
16の可動円錐板22および従動プーリ26の可動円錐
板34を軸方向に移動させてVベルト24との接触位置
半径を変えることにより、駆動プーリ16と従動プーリ
26とのあいだの回転比つまり変速比(減速比)を変え
ることができる。例えば、駆動プーリ16のV字状プー
リ溝の幅を拡大すると共に従動プーリ26のV字状プー
リ溝の幅を縮小すれば、駆動プーリ16側のVベルト2
4の接触位置半径は小さくなり、従動プーリ26側のV
ベルト24のVベルトの接触位置半径は大きくなるの
で、大きな変速比が得られることになる。可動円錐板2
2および34を逆方向に移動させれば上記とは逆に変速
比は小さくなる。
【0032】このような駆動プーリ16と従動プーリ2
6のV字状プーリ溝の幅を変化させる制御は、次に述べ
る制御系統を介しての駆動プーリシリンダ室20(20
a,20b)または従動プーリシリンダ室32への油圧
制御により行われる。
【0033】図2に、本願発明の手動変速手段および自
動変速手段の機能を含めて上記した無段自動変速機の基
本的な変速比制御を行う機能を有する制御系統の概略を
示す。なお、図2において図1と対応する機構部分には
同一の符号を付して示してある。
【0034】以下、この制御系統について本発明に関連
する部分を中心に説明する。図2において101はマイ
クロコンピュータ等からなる電子制御部、102は各種
油圧制御弁等からなる油圧制御部を示しており、この制
御系統では上記無段自動変速機の制御手段は主としてこ
れら電子制御部101および油圧制御部102によって
構成されている。
【0035】電子制御部101は、制御演算処理を行う
中央演算部101A、中央演算部101Aにエンジンお
よび車両からの各種の運転状態信号を処理可能な形式に
変換して供給する入力部101B、および中央演算部1
01Aからの制御信号に基づいて油圧制御等のための各
種信号を出力する出力部101Cからなる。
【0036】入力部101Bには、エンジン100の燃
料噴射量や点火時期を電子制御するためのコントロール
モジュール103によって利用される水温信号S1、ス
ロットル開度信号S2、エンジン回転信号S3、ABS
(アンチロックブレーキシステム)制御装置104から
のABS作動信号S4、車両の制動装置作動時に発せら
れる制動信号S5、セレクタレバー105の操作位置を
示す信号としてインヒビタスイッチから発せられるセレ
クタ位置信号S6、駆動プーリ16の回転速度信号S
7、従動プーリ26の回転速度信号S8などが入力し、
これらの信号を必要に応じて中央演算部101Aに供給
する。
【0037】中央演算部101Aは、変速制御部10
6、ライン圧制御部107、ロックアップ制御部108
からなり、それぞれ上記各種信号中から必要な所定の信
号を用いて制御信号を演算し、出力部101Cを構成す
るステップモータ駆動回路109、ライン圧ソレノイド
駆動回路110、ロックアップソレノイド駆動回路11
1を駆動することにより、無段変速機17の変速比、ラ
イン圧、ロックアップクラッチ11を制御する。
【0038】詳細には、変速制御部106は、スロット
ル開度に代表されるエンジン負荷および車速に応じて予
め定められたパターンに従って変速が行われるようにス
テップモータ駆動回路109に制御信号を出力する。こ
の制御信号に基づき、ステップモータ駆動回路109は
油圧制御部102の変速制御弁112に連結したステッ
プモータ113を駆動する。
【0039】すなわちステップモータ113はステップ
モータ駆動回路109からの信号に対応した目標変速比
となるように変速制御弁112を駆動し、駆動プーリシ
リンダ室20と従動プーリシリンダ室32(図1参照)
に供給するライン圧を相反的に増減させる。変速制御弁
112にはリンク114を介して駆動プーリ16の変位
つまり変速比がフィードバックされ、ステップモータ1
13の位置に応じた目標とする変速比となったところで
各プーリシリンダ室20,32への油圧分配が一定化し
て当該目標変速比に安定するようになっている。
【0040】一方、このようにして無段変速機17の変
速比が制御されているとき、各プーリ16,26に供給
されるライン圧が過小であるとプーリ16,18とVベ
ルト24との間の摩擦力が不足してスリップが起こり、
その反対にライン圧が過大であると摩擦力が無用に大き
くなり、いずれの場合も車両の燃費や動力性能に悪影響
がおよぶ。そこで、変速比や負荷等に応じて過不足のな
い適切な動力伝達が行えるように、ライン圧制御部10
7がライン圧ソレノイド駆動回路110を介してライン
圧を制御するようにしている。
【0041】すなわち、ライン圧ソレノイド駆動回路1
10は、油圧制御部102のライン圧ソレノイド115
の位置を駆動回路110からの制御信号に応じて制御
し、これに応じてライン圧ソレノイド115は、図示し
ない油圧ポンプからの油圧力を、モディファイア(圧力
制御弁)116およびレギュレータ(定圧弁)117を
介して目標とする適切なライン圧に調整して変速制御弁
112ないし各プーリ16,26に供給させる。
【0042】また、ロックアップ制御部108は、ロッ
クアップクラッチ11を、例えば車速が所定値以上とな
ったときに接続し、車速が所定値以下となったときに解
放するように油圧制御を行う。
【0043】すなわち、ロックアップ制御部108は、
車速に応じてロックアップソレノイド駆動回路111を
介して油圧制御部102のロックアップソレノイド11
8を駆動し、これによりロックアップ制御弁119を切
換制御する。この場合、ロックアップ制御弁119は、
油圧ポンプからの油圧をロックアップクラッチ11を接
続すべくアプライ圧としてトルクコンバータ12のコン
バータ室12cに供給する系統と、同じく解放すべくリ
リース圧としてロックアップ油室12dに供給する系統
との2系等の相反的切換えを行うようになっている。つ
まり、ロックアップクラッチ11を接続するときにはコ
ンバータ室12cにアプライ圧を供給すると共にロック
アップ油室12dを開放し、ロックアップクラッチ11
を解放ときにはロックアップ油室12dにリリース圧を
供給すると共にコンバータ室12cを開放する。
【0044】なお、図2において120はセレクタレバ
ー105に連動する手動制御弁であり、この手動制御弁
120の位置に応じて、運転者が指定した特定変速比な
いし変速パターンに固定的に制御される状態、または電
子制御部101によって運転状態に応じて決定された変
速比に自動的に変速制御される状態に油圧制御部102
の回路が切り換えられる。
【0045】以上は本発明を適用可能な無段自動変速機
の一例を示したものであり、本発明ではこのような無段
自動変速機を変速比を所定値に固定する手動変速モード
で使用している状態で加速または減速したときの円滑な
運転性能を確保するための制御を要旨とするものであ
る。
【0046】この点を、図3〜図7に示した流れ図およ
び図8に示した走行性能線図を参照しながら説明する。
なお、各流れ図に示したステップ番号は以下の説明にお
いては先頭にSの文字を付して示すことにする。
【0047】まずこの実施例の制御の概略を説明する
と、この制御ではセレクタレバー105の操作により運
転者が選択したある固定的な変速比i0にて自動変速機
が運転されているときに、アクセルペダル操作によりス
ロットル開度が大きく変化した場合、そのスロットル開
度変化の大きさと方向に応じて定めた所定量だけ駆動プ
ーリ16の回転速度の目標値を高くまたは低く設定する
ことにより当該目標値に達するまで速やかに変速比を変
化させ、当該目標値に達した後はその速度を維持したま
変速比を当初の変速比i0に戻すという制御を行う。ま
た、変速比を変化させているあいだにスロットル開度が
逆方向に操作されたときにはただちに変速比をi0に戻
すという制御をも行っている。また、この制御は、アク
セルペダルの踏込操作によりスロットル開度が増大する
加速時と、アクセルペダルの戻し操作によりスロットル
開度が減少する減速時の双方について行う。
【0048】この大きな制御の流れを示したのが図3で
あり、ここではまず必要な運転状態等を判定するため
に、スロットル開度VTH、スロットル開度変化量△T
H、駆動プーリ回転速度Ne0、変速比i0、車速V0がそ
れぞれ検出される(S301)。変速比i0は、予め設
定されている複数の固定変速比のうちから運転者が任意
に選択した変速比であり、Ne0はこの変速比i0のとき
の駆動プーリ回転速度である。この検出処理ののち、前
記VTHの符号から、スロットル開度の変化方向の判定が
行われ(S302)、それぞれの結果に応じて加速時ま
たは減速時の処理に移る。
【0049】次のS303,S305における符号Sw
は運転者が選択した固定変速比i0の状態からのスロッ
トル開度変化か、あるいはi0から変速比を変化させて
いる間のスロットル開度変化かを識別するためのフラグ
である。詳細は後述するが、変速比がi0のときはSw
=0,変速比がi0よりも増大方向に制御されていると
きはSw=1、変速比がi0よりも減少方向に制御され
ているときはSw=2に設定される。制御の当初は変速
比は必ずi0でSw=0であるので、スロットル開度が
増大していればS303にて加速時と判定されてS30
4の加速時処理1へ移り、スロットル開度が減少してい
ればS305にて減速時と判定されてS306の減速時
処理1に移る。
【0050】いま、変速比i0で運転中に運転者がアク
セルペダルを踏み込んで加速を開始したとする。このと
きには上述したようにS304の加速時処理1に移る。
この処理の詳細を示したのが図4である。この処理で
は、まずS401にてスロットル開度変化速度VTHを所
定の基準値VTH+と比較する。基準値VTH+はエンジンや
車両駆動系の特性によって異なるが、目安としては例え
ばスロットルバルブの開度変化にして毎秒80度程度で
ある。ここで、VTH<VTH+であれば、これは比較的緩
慢な加速状態またはアクセルペダルの踏込みを終了した
状態であって、このときにはトルク変動が問題にならな
いことから、S402でフラグSwを参照したのち図3
の処理の当初に戻る。S402は変速比を変化させた状
態にあるか否かを判定する部分であり、この時点では変
速比はi0のままでSw=0であるので、変速比を制御
することなく制御ループの当初に戻すわけである。
【0051】S401にてVTH≧VTH+の比較的急な加
速状態のときには、次にS403にて変速比i0が、設
定し得る最大変速比iLOWであるか否かを検出する。こ
の加速時処理1の目的は変速比を一時的に増大方向に変
化させることにあるが、変速比がiLOWであるときには
それ以上に変速比を増大させることはできないので、そ
の検出をここで行い、iLOWであればそのまま何もせず
に変速比を維持するのである。
【0052】S403にてi0<iLOWであった場合に
は、次にS404にてスロットルバルブ開度変化速度△
THを判定する。これは△THの大きさによってトルク
変動の程度も異なって来ることから、これに対応するよ
うに変速比の変化量を異なる値に設定するためである。
比較基準値は、この場合スロットルバルブ最大開度量T
Hの2分の1に設定し、△THがこの基準値未満である
ときには変速比変化分に相当する駆動プーリ回転速度の
増分として△Ne+1を、△THが基準値以上であるとき
には同じく△Ne+2を、それぞれ設定する(S405,
406)。ここで、△Ne+2>△Ne+1であり、これらは
例えば自動変速走行時のスロットルバルブ開度変化が最
大開度量の2分の1であるときの回転速度変化を目安と
して、△Ne+2=3000rpm,△Ne+1=2000rpm相
当に設定されている。
【0053】そして、このようにして決定した増分△N
e+1または△Ne+2を駆動プーリ回転速度Ne0(この時点
では変速比i0における回転速度)に加えて、目標プー
リ回転速度Ne1を決定し、これに基づいて次式によりフ
ィードバック制御のための目標変速比i1を算出する。
【0054】 i1=Ne1(2πR)/(V0f) … (1) ただし、Rは駆動輪の動荷重半径、ifは駆動系の終減
速比である。
【0055】次に、駆動プーリ回転速度の目標値Ne1
その許容最高回転速度Nemax以上である場合にはNe1
してNemaxを設定し(S407,408)、さらに、i
1はiLOWを超えて大きくすることはできないので、i1
≧iLOWのときにはi1としてiLOWの値を設定し、次式
により目標プーリ回転速度Ne1を算出する(S409,
S410)。
【0056】Ne1=i1f0/(2πR) … (2) このようにして決定した目標プーリ回転速度Ne1に基づ
き、次に変速比i0でプーリ回転速度がNe1となったと
きの車速を目標値V1として次式により計算し、変速比
0の値をimとして一時的に記憶する(S411)。
【0057】 V1=Ne1(2πR)/(i0f) … (3) 以降は、S412以下の処理により、駆動プーリ回転速
度が目標値Ne1に達するまで変速比を増大(ダウンシフ
ト)し、Ne1に達したのちはその回転速度を維持したま
ま目標車速V1に達するまで変速比を減少(アップシフ
ト)するという制御を行う。
【0058】すなわち、まずS412で車速V0と目標
値V1とを比較し、V1に達するまではS414以下のダ
ウンシフトまたはアップシフトの処理を行う。S414
では、駆動プーリ回転速度をNe1に向けて増大させるべ
く変速比を増大方向に制御していることを示すフラグと
してSw=1を設定するとともに、現在の検出回転速度
e0をNeに、目標値Ne1をNeTにそれぞれ代入する。
【0059】次のS415〜S417ではこれらNeT
eとの偏差Dを算出し、これを回転速度制御上の許容
誤差に相当する所定値Hと比較して、D>Hのときは変
速比を増大すべくダウンシフト信号を出力、H≧D≧0
のときは変速比を維持、D<0のときは変速比を減少す
べくアップシフト信号を出力、という処理を行なう。こ
の間の制御とこれに伴う運転性能の変化を示したのが図
8の(a)であり、図のPQ線で示したように車速V0
からの加速開始とともにダウンシフト信号の出力により
駆動プーリ回転速度がNe1まで上昇し、その後はQR線
で示したように車速がV1に達するまで回転速度Ne1
維持したまま変速比をアップシフトするのである。車速
がV1に達すると、そのときの変速比は当初の運転者が
設定した変速比i0となるので、Sw=0としたうえで
以後は再び大きなアクセル操作が行われない限りその変
速比を維持する(S413)。
【0060】このようにして、急加速の当初に変速比を
増大させることにより、急加速時の急激なエンジントル
クの立上りの影響で車体の前後方向振動が引き起こされ
る現象が緩和され、したがって滑らかな加速感が得られ
る。また、加速の当初に車速に先行してエンジン回転速
度が上昇して高出力域に移行することから、加速性能が
向上するという効果も得られる。
【0061】ところで、この制御では、上述したように
スロットル開度の増加により変速比を増大制御している
間にアクセルペダルが戻されてスロットル開度が減少し
たときには速やかに変速比を初期値i0に戻すようにし
ている。このアクセルペダル戻し操作の判定は図3のS
302,S305により行われ、すなわちこの条件では
TH<0、Sw=1(変速比を目標値に向かって増大
中)となっているので、判定結果としてS308の加速
時処理2に移行することになる。
【0062】この加速時処理2の内容を具体的に示した
のが図5であり、これを説明すると、まずフラグSw=
0に設定し、記憶しておいた当初の変速比im(=i0
から目標とする駆動プーリ回転速度NeTを次式により算
出するとともに駆動プーリ回転速度の検出値Ne0をNe
に設定する。
【0063】NeT=imf0/(2πR) … (4) 次に、S502とS503のループにより、実回転速度
の代入値Neと目標値NeTとの偏差Dが所定許容範囲H
以下となるまでアップシフト信号を出力し、これにより
図8の(a)にST線で例示されるように変速比は当初
のi0に戻されることになる。
【0064】以上は変速比i0の状態からアクセルペダ
ルが踏み込まれた場合の制御であるが、これとは反対に
ある程度大きなスロットル開度で運転している状態から
アクセルペダルを離してスロットル開度を急減させた場
合にもエンジントルクの急減に原因する前後方向の車体
加速度が発生して不快な振動として感知されることがあ
る。そこで、この制御では、このような運転操作を図3
のS302〜S305の処理で判定し、S306の減速
時処理1にて対応するようにしている。
【0065】この減速時処理1の詳細を示したのが図6
であり、その制御の流れは図4と完全に対応するもので
ある。ただし、減速時には駆動輪側からの負の方向の回
転トルクによりエンジンが駆動されることになるので、
エンジン側のトルク減少の影響が駆動系に作用するのを
減殺するためには変速比をこれが小さくなる方向に変化
させてやる必要があり、そのような変速比減少制御を行
うようにしている点において加速時とは異なるものとな
っている(図8の(b)参照)。
【0066】以下、図6について詳細に説明すると、変
速比i0で運転中に運転者がアクセルペダルを離して減
速を開始したとすると、まずS601にてスロットル開
度変化速度VTHを所定の基準値VTH-と比較する。なお
減速時はVTHは負の値をとる。ここで、VTH>VTH-
あれば、これは比較的緩やかな減速状態またはアクセル
ペダルの戻し操作を終了した状態であって、このときに
はトルク変動が問題にならないことから、S602でフ
ラグSwを参照したのち図3の処理の当初に戻る。S6
02は変速比を変化させた状態にあるか否かを判定する
部分であり、この時点では変速比はi0のままでSw=
0であるので、変速比を制御することなく制御ループの
当初に戻る。
【0067】S601にてVTH≦VTH+の比較的急激な
減速状態のときには、次にS603にて変速比i0が設
定し得る最小変速比iHIGHであるか否かを検出する。変
速比がiHIGHであるときにはそれ以上に変速比を減少さ
せることはできないので、その検出をここで行い、i
HIGHであればそのまま何もせずに変速比を維持する。
【0068】S603にてi0>iHIGHであった場合に
は、次にS604にてトルク変動の大きさを予測するた
めにスロットルバルブ開度変化速度△THをTH/2と
比較する。△THがこの基準値未満であるときには変速
比変化分に相当する駆動プーリ回転速度の減少分として
△Ne-1を、△THが基準値以上であるときには同じく
△Ne-2(△Ne-2>△Ne-1)を、それぞれ設定する
(S605,606)。
【0069】そして、このようにして決定した減少分△
e-1または△Ne-2を駆動プーリ回転速度Ne0に加え
て、目標プーリ回転速度Ne2を決定し、これに基づいて
次式によりフィードバック制御のための目標変速比i2
を算出する。
【0070】 i2=Ne2(2πR)/(V0f) … (5) 次に、駆動プーリ回転速度の目標値Ne2がその許容最低
回転速度Nemin以下である場合にはNe2としてNemin
設定し(S607,608)、さらに、i2≦iHIGH
ときにはi2としてiHIGHの値を設定し、次式により目
標プーリ回転速度Ne2を算出する(S609,S61
0)。
【0071】Ne2=i2f0/(2πR) … (6) このようにして決定した目標プーリ回転速度Ne2に基づ
き、次に変速比i0でプーリ回転速度がNe2となったと
きの車速を目標値V2として次式により計算し、変速比
0の値をimとして一時的に記憶する(S611)。
【0072】 V2=Ne2(2πR)/(i0f) … (7) 以降は、S612以下の処理により、駆動プーリ回転速
度が目標値Ne2に達するまで変速比を減少(アップシフ
ト)し、Ne2に達したのちはその回転速度を維持したま
ま目標車速V2に達するまで変速比を増大(ダウンシフ
ト)するという制御を行う。
【0073】すなわち、まずS612で車速V0と目標
値V2とを比較し、V2に達するまではS614以下のダ
ウンシフトまたはアップシフトの処理を行う。S614
では、駆動プーリ回転速度をNe2に向けて減少させるべ
く変速比を減少方向に制御していることを示すフラグと
してSw=2を設定するとともに、現在の検出回転速度
e0をNeに、目標値Ne2をNeTにそれぞれ代入する。
【0074】次のS615〜S617ではこれらNeT
eとの偏差Dを算出し、これを回転速度制御上の許容
誤差に相当する所定値Hと比較して、D>Hのときは変
速比を減少すべくアップシフト信号を出力、H≧D≧0
のときは変速比を維持、D<0のときは変速比を増大す
べくダウンシフト信号を出力、という処理を行なう。こ
の間の制御とこれに伴う運転性能の変化を示したのが図
8の(b)であり、図のPQ線で示したように車速V0
からの減速開始とともにアップシフト信号の出力により
駆動プーリ回転速度がNe2まで下降し、その後はQR線
で示したように車速がV2に達するまで回転速度Ne2
維持したまま変速比をダウンシフトする。車速がV2
達すると、そのときの変速比は当初の運転者が設定した
変速比i0となるので、Sw=0としたうえで以後は再
び大きなアクセル操作が行われない限りその変速比を維
持する(S613)。
【0075】このようにして、急激な減速操作の当初に
変速比を減少させることにより、急減速時のエンジント
ルク減少に原因する車体振動の発生を防止して滑らかに
減速が開始される。また、減速の当初に一時的に変速比
が小さくなるので、急激なエンジンブレーキの作用を抑
えられるという効果も得られる。
【0076】一方、このような変速比制御の過程でアク
セルペダルが踏み込まれてスロットル開度が増大したと
きには、図7に示した減速時処理2により変速比が速や
かにi0に戻される。このときのアクセルペダル戻し操
作の判定は図3のS302,S303により行われ、す
なわちこの条件ではVTH>0、Sw=2(変速比を目標
値に向かって減少中)となっているので、判定結果とし
てS307に移行するのである。
【0077】図7においては、まずS701にてフラグ
Sw=0に設定し、記憶しておいた当初の変速比i
m(=i0)から目標とする駆動プーリ回転速度NeTを次
式により算出するとともに駆動プーリ回転速度の検出値
e0をNeに設定する。
【0078】NeT=imf0/(2πR) … (8) 次に、S702とS703のループにより、目標値NeT
と実回転速度の代入値Neとの偏差Dが所定許容範囲H
以下となるまでダウンシフト信号を出力し、これにより
図8の(b)にST線で例示されるように変速比は当初
のi0に戻されることになる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したとおり、第1または第6の
発明によれば、急加速の当初に手動で設定されていた変
速比を一時的に増大方向に移行させることにより急加速
時のエンジントルクの影響が駆動系に及ぼす影響を減殺
するようにしたので、ガクガク振動の発生を抑制して滑
らかかつ良好な加速性能が発揮されるという効果が得ら
れる。
【0080】第2または第6の発明は、急激な減速操作
が行われたときに手動で設定されていた変速比を一時的
に減少方向に移行させることにより急減速時のエンジン
トルク減少の影響を減殺するようにしたので、急激な減
速状態においても滑らかな減速感が得られるという効果
がある。
【0081】第3の発明によれば、第1の発明におい
て、手動変速比からの変速比の変化量をトルク変動に相
関するスロットル開度の変化量に応じて定めるようにし
たので、過不足のない適切な変速比制御を行うことがで
きる。
【0082】第4の発明によれば、第1から第3の発明
において、変速比を変化させている間にスロットル開度
が逆方向に変化したときには変速比を当初の手動による
変速比に戻すようにしたので、無用な変速比変化を解消
して運転者の選択した変速比による運転状態に速やかに
復帰させることができる。
【0083】第5の発明によれば、第1から第4の発明
において、加減速時のエンジンのトルク変化に対応して
速やかに変速比を変化させられると同時に、車速を滑ら
かに変化させて一層良好な運転性能を付与することがで
きる。
【0084】第7の発明によれば、自動変速手段と手動
変速手段とを併有する変速機において、これを手動変速
状態で使用している場合において上記第6の発明と同様
の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の適用可能な無段変速機の実施例の縦
断面図。
【図2】 上記無段変速機の制御系統の概略図。
【図3】 本発明の実施例の制御内容を示す流れ図。
【図4】 本発明の実施例の制御内容を示す流れ図。
【図5】 本発明の実施例の制御内容を示す流れ図。
【図6】 本発明の実施例の制御内容を示す流れ図。
【図7】 本発明の実施例の制御内容を示す流れ図。
【図8】 本発明の実施例の制御内容を示す、車速と駆
動プーリ回転速度による走行性能線図。
【図9】 急加速時の車体振動の発生に関する説明図。
【図10】本発明による無段変速機の制御装置の構成概
念図。
【符号の説明】
1 無段変速機 2 手動変速手段 3 スロットル開度変化速度検出手段 4 スロットル開度変化速度判定手段 5 変速比調整手段 10 エンジン出力軸 11 ロックアップクラッチ 12 トルクコンバータ 12a ポンプインペラ 12b タービンランナ 12c コンバータ室 12d ロックアップ油室 13 回転軸 14 駆動軸 15 前後進切換機構 16 駆動プーリ 17 無段変速機 18 固定円錐板 19 遊星歯車機構 20 駆動プーリシリンダ室 20c スプリング 22 可動円錐板 24 Vベルト 26 従動プーリ 28 従動軸 30 固定円錐板 32 従動プーリシリンダ室 32c スプリング 34 可動円錐板 40 前進用クラッチ 44 ファイナルギア 46 駆動ギア 48 アイドラギア 50 後退用ブレーキ 52 アイドラ軸 54 ピニオンギア 56 差動装置 101 電子制御部 101A 中央演算部 101B 入力部 101C 出力部 102 油圧制御部 103 エンジンコントロールモジュール 104 ABS制御装置 105 セレクタレバー 106 変速制御部 107 ライン圧制御部 108 ロックアップ制御部 109 ステップモータ駆動回路 110 ライン圧ソレノイド駆動回路 111 ロックアップソレノイド駆動回路 112 変速制御弁 113 ステップモータ 114 リンク 115 ライン圧ソレノイド 116 モディファイア 117 レギュレータ 118 ロックアップソレノイド 119 ロックアップ制御弁 120 手動制御弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転を連続可変的に駆動軸に伝
    達する無段変速機と、この無段変速機の変速比を手動で
    設定される目標変速比に制御する手動変速手段とを備え
    た無段変速機において、 スロットル開度の変化速度を検出し、前記変化速度がス
    ロットル開度増大方向に所定値以上となったときに、手
    動により設定された変速比を所定期間のあいだ所定量だ
    け減速方向に変化させることを特徴とする無段変速機の
    制御方法。
  2. 【請求項2】 エンジン回転を連続可変的に駆動軸に伝
    達する無段変速機と、この無段変速機の変速比を手動で
    設定される目標変速比に制御する手動変速手段とを備え
    た無段変速機において、 スロットル開度の変化速度を検出し、前記変化速度がス
    ロットル開度減少方向に所定値以上となったときに、手
    動により設定された変速比を所定期間のあいだ所定量だ
    け増速方向に変化させることを特徴とする無段変速機の
    制御方法。
  3. 【請求項3】 所定時間だけ変化する変速比の所定量
    は、スロットル開度の変化量に応じて、変化量が大であ
    るほど大となるように定めることを特徴とする請求項1
    または請求項2の何れかに記載の無段変速機の制御方
    法。
  4. 【請求項4】 変速比を変化させている間にスロットル
    開度が逆方向に変化したときには変速比を当初の手動に
    よる変速比に戻すことを特徴とする請求項1から請求項
    3の何れかに記載の無段変速機の制御方法。
  5. 【請求項5】 スロットル開度変化に応じて変速比の変
    化分に相当する無段変速機の入力軸側回転速度の変化分
    を決定し、当該回転速度変化が完了するまで変速比を変
    化させたのちに、変化後の入力軸側回転速度と変化前の
    当初の変速比とを用いて算出した無段変速比の出力軸側
    回転速度に達するまで変速比を変化させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の
    無段変速機の制御方法。
  6. 【請求項6】 エンジン回転を連続可変的に駆動軸に伝
    達する無段変速機と、この無段変速機の変速比を手動で
    設定される目標変速比に制御する手動変速手段とを備え
    た無段変速機において、 スロットル開度の変化速度を検出する開度変化速度検出
    手段と、前記開度変化速度がスロットル開度増大方向ま
    たはスロットル開度減少方向に所定値以上となったか否
    かを判定する開度変化速度判定手段と、スロットル開度
    の変化速度が開度増大方向に所定値以上となったときに
    は減速方向に、スロットル開度の変化速度が開度減少方
    向に所定値以上となったときには増速方向に、それぞれ
    手動により設定された変速比を所定期間のあいだ所定量
    だけ変化させる変速比調整手段とを備えたことを特徴と
    する無段変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 無段変速機は、その変速比を運転状態に
    応じて定まる目標変速比に制御する自動変速手段を併有
    することを特徴とする請求項6に記載の無段変速機の制
    御装置。
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