JPH11138713A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

熱収縮性フィルム

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JPH11138713A
JPH11138713A JP9303015A JP30301597A JPH11138713A JP H11138713 A JPH11138713 A JP H11138713A JP 9303015 A JP9303015 A JP 9303015A JP 30301597 A JP30301597 A JP 30301597A JP H11138713 A JPH11138713 A JP H11138713A
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JP
Japan
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temperature
heat
resin
film
condition
Prior art date
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JP9303015A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Yokota
知宏 横田
Takaaki Kobayashi
貴晃 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚み精度が高く、よって包装機への適合性が
良好で、優れた低温収縮性と高温での耐熱性を兼ね備
え、環境温度による強度低下が無く、ヒートシール性お
よび環境衛生性に優れた熱収縮性フィルムを提供する。 【解決手段】 DSC測定による最大吸熱量を示す融解
のピーク温度138℃のPP系樹脂からなる両外層で、
密度0.905g/cm3 、MFR1.0、DSC測定
の結晶融解ピークが一つで融解ピーク温度より全結晶融
解終了までの温度幅が12℃で、クロス分別法によって
10重量%溶出時から100重量%溶出終了時までの温
度幅が22℃で、重量平均分子量/数平均分子量2.8
で、溶融張力1.7gのL−LDPE樹脂からなる中間
層がサンドイッチされてなる熱収縮性フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に商業包装用に
用いられる熱収縮性フィルムに関し、より詳しくは、厚
み精度が高く、よって包装機への適合性が良好で、優れ
た低温収縮性と高温での耐熱性を兼ね備え、環境温度に
よる強度低下が無く、ヒートシール性および環境衛生性
に優れた熱収縮性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱収縮性フィルムに使用される原
材料としては、フィルムの持つ高光沢性および透明性、
さらに低温での収縮性能等の点からポリ塩化ビニル(以
下PVCと略記する)系樹脂が広く使用されてきた。し
かしながら、近年PVC系樹脂の環境への影響、特に燃
焼時のダイオキシンの発生などの悪影響が問題視され、
PVC系樹脂を原材料とするプラスチック製品の使用を
見直す動きが活発になってきている。熱収縮性フィルム
も例外ではなく、環境への配慮のためにPVC系樹脂に
替わる原材料としてポリプロピレン(以下PPと略記す
る)系樹脂を使用した熱収縮性フィルムが今日広く使わ
れている。
【0003】PP系樹脂を原材料とする熱収縮性フィル
ムは、環境への影響の点では、PVC系樹脂に比較して
各段に勝っているが、収縮性に関しては高温耐熱性には
優れているものの低温収縮性の点ではPVC系樹脂の本
来有する性能には遠く及ばない。
【0004】そこで、低温収縮性のよいフィルムとし
て、直鎖状低密度ポリエチレン(以下L−LDPEと略
記する)樹脂を原材料とする熱収縮性フィルムが提案さ
れた。しかし、L−LDPE樹脂フィルムは、その腰の
弱さが災いして、収縮作業時の手包装などにおいて扱い
難い欠点があり、さらに透明性においてもPP系樹脂フ
ィルムよりも劣る。
【0005】また、この他に、PVC系樹脂からなる熱
収縮性フィルムの低温収縮性に匹敵する熱収縮性フィル
ムとして、架橋ポリエチレン系樹脂を原材料とする熱収
縮性フィルムがあるが、このフィルムはヒートシールし
難いという欠点を有する。
【0006】そこで、上記諸欠点を改善する熱収縮性フ
ィルムとして、L−LDPE樹脂を中間層とし、PP系
樹脂を両外層とするサンドイッチ構成のフィルムが提案
された。このフィルムは、収縮性においては、L−LD
PE樹脂の持つ低温収縮性とPP系樹脂の持つ高温耐熱
性の両方を兼備するため、広範な収縮温度範囲を持つ熱
収縮性フィルムであり、この面でPP系樹脂単層からな
る熱収縮性フィルムに比べ優れている。
【0007】しかしながら、この構成の熱収縮性フィル
ムは、延伸後に良好な厚み精度が得られ難く、このこと
からフィルムの直進安定性に問題が生じる嫌いがある。
よって、このフィルムは上記PVC代替熱収縮性フィル
ムの欠点を改善しているものの、自動包装機への適合性
の面においてPVC系樹脂フィルムや架橋ポリエチレン
熱収縮性フィルムには及ばない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑み、厚み精度が高く、よって包装機への適合性が良
好で、優れた低温収縮性と高温での耐熱性を兼ね備え、
環境温度による強度低下が無く、ヒートシール性および
環境衛生性に優れた熱収縮性フィルムを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による熱収縮性フ
ィルムは、DSC測定による最大吸熱量を示す融解のピ
ーク温度が135〜145℃であるポリプロピレン系樹
脂からなる両外層によって、下記条件1〜5をいずれも
満足する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる中間層
がサンドイッチされてなる熱収縮性フィルム; 条件1:密度が0.895〜0.930g/cm3 であ
ること、 条件2:MFRが0.8〜3.0であること、 条件3:DSC測定の結晶融解ピークが一つであるこ
と、 条件4:クロス分別法によって10重量%溶出したとき
から100重量%溶出終了したときまでの温度幅が30
℃以下であること、 条件5:重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5〜
3.5であること、 条件6:溶融張力が1.2g以上であること。
【0010】以下、本発明による熱収縮性フィルムを構
成する両外層および中間層の備えるべき要件について説
明する。
【0011】まず、本発明による熱収縮性フィルムの両
外層は、DSC測定による最大吸熱量を示す融解のピー
ク温度が135〜145℃、好ましくは138〜143
℃であるPP系樹脂からなる。
【0012】本発明において、樹脂を特定するための指
標として採用されているDSC(示差走査熱量分析)
は、以下の方法で行った。
【0013】約10mgのL−LDPE樹脂のサンプル
をアルミニウムパンに入れ、DSC(セイコー電子社製
SSC5200型)にてDSC測定をした。測定条件に
ついては、サンプルを一度溶融させた後、5℃/分の速
度で−50℃まで冷却させ、それから5℃/分の速度で
昇温してDSC測定を行った。
【0014】上記DSCの融解ピーク温度が135℃未
満であると、収縮包装時における高温耐熱性に難のある
熱収縮性フィルムが得られることがあり、145℃を越
えると、両外層を構成するPP系樹脂と中間層を構成す
るL−LDPE樹脂との相溶性が悪く、層間強度が不足
し、その結果シール強度不良の熱収縮性フィルムが得ら
れる場合がある。
【0015】PP系樹脂は、プロピレンの単独重合体、
または主成分であるプロピレンと他のモノマーとの共重
合体である。プロピレンの共重合体の代表例は、プロピ
レンとα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレ
ンとα−オレフィンとのブロック共重合体(ただし、α
−オレフィンとしてはエチレン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−
ペンテンなどが例示される)である。これらプロピレン
単独重合体または共重合体は単独で用いてもまたは2種
以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】また、PP系樹脂としては、MFR(メル
トフローレート、230℃で)が0.3〜10.0の範
囲内にあるものが好ましい。
【0017】つぎに、本発明による熱収縮性フィルムの
中間層について、説明をする。中間層を構成するL−L
DPE樹脂としては、下記条件1〜5をいずれも満足す
るものを用いる。
【0018】条件1:L−LDPE樹脂の密度は0.8
95〜0.930g/cm3 、好ましくは0.910〜
0.925である。
【0019】熱収縮性フィルムの中間層は、低温収縮性
を改善しかつヒートシール強度を向上する役割を担う。
密度が0.895g/cm3 未満であるとフィルムの腰
が低下しすぎて使い難くなる可能性があり、0.930
g/cm3 を越えると低温収縮性が発現しない、収縮率
が低下するなどの欠点が生ずるおそれがある。
【0020】条件2:MFR(メルトフローレート、1
90℃)は0.8〜3.0である。
【0021】MFRが0.8を下回ると押出成型性が低
下する場合があり、3.0を上回ると厚み精度が低下す
る恐れがある。
【0022】条件3:DSC測定の結晶融解ピークは一
つである。そして、好ましくは融解ピーク温度より全結
晶が融解し終るまでの温度範囲が20℃以内、更に好ま
しくは15℃以内である。
【0023】結晶融解ピークが1つであるとは、2つ以
上のピークに明瞭に分かれていない場合をも包含する。
融解ピークが複数あったり、上記温度範囲が20℃を超
えたりすると、延伸適性温度が上昇して低温収縮性が悪
くなったり、引張強度や衝撃強度が低下したりする場合
がある。
【0024】条件4:クロス分別法によって10重量%
溶出したときから100重量%溶出終了したときまでの
温度幅は30℃以下、好ましくは25℃以下である。
【0025】本発明において、L−LDPE樹脂を特定
するための指標として採用されているクロス分別法は、
以下に示すとおりである。
【0026】先ず、L−LDPE樹脂を140℃あるい
はL−LDPE樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロ
ロベンゼンに溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷
却し、予め用意しておいた不活性担体の表面に薄いポリ
マー層を生成させる。この時、L−LDPE樹脂成分
は、結晶性の高い順、および分子量の大きい順にポリマ
ー層として生成する。
【0027】次に、温度を連続的または段階的に上昇さ
せ、順次溶出した成分の濃度を検出して、成分分布(結
晶性分布)を測定する。これは温度上昇溶離分別(Tempe
rature Rising Elution Fractionation ;TREF) と呼ば
れる方法である。同時に、順次溶出した成分を高温型G
PC (Size Exclusion Chromatograph; SEC)により分析
して、分子量と分子量分布を測定する。本発明では、上
述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両者
をシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製CFC−T150A型)を使用して
測定を行った。
【0028】クロス分別法によって10重量%溶出した
ときの温度から100重量%溶出終了したときの温度ま
での幅が30℃を越えると、延伸適性温度が上昇して低
温収縮性が悪くなったり、引張強度や衝撃強度が低下し
たりする場合がある。
【0029】条件5:重量平均分子量/数平均分子量の
値は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3である。
【0030】重量平均分子量/数平均分子量の値が3.
5を超えると、延伸適性温度が上昇して低温収縮性が悪
くなったり、引張強度や衝撃強度が低下したりする場合
がある。また1.5未満では、実際的な工業生産に適合
し難い。
【0031】条件6:溶融張力は1.2g以上、好まし
くは1.5g以上である。
【0032】溶融張力が1.2g以下であると、厚み精
度が低下し易くなる。溶融張力は東洋精機社製キャピラ
リーレオメーターを使用して測定した。なお、測定に際
してはオリフィス径3mm、測定温度190℃、キャピ
ラリー降下速度10mm/分、エアギャップ35cm、
引張速度10m/分の条件を採用した。
【0033】一般に、L−LDPE樹脂の2軸延伸フィ
ルムではPP系樹脂の2軸延伸フィルムよりも厚み精度
が低下することがあり、これを解決するためにL−LD
PE樹脂に低密度ポリエチレン等を添加したりL−LD
PE樹脂の分子量分布を広くするという方策が試みられ
てきた。これらの方法によれば、得られたフィルムは、
厚み精度が向上する傾向が得られるものの、延伸倍率の
上限値が低くなって延伸加工時に破断し易くなる等の弊
害もあった。これに対し、本発明では中間層は条件1〜
5をいずれも満足するL−LDPE樹脂からなるので、
延伸適性を損なうことなく厚み精度を改善することがで
きる。
【0034】中間層を構成するL−LDPE樹脂として
は、活性点が単一となるような化学構造の重合触媒を用
いて得られたものが好ましい。このような重合触媒とし
ては、4価の遷移金属を含むメタロセン化合物が好適で
ある。
【0035】メタロセン化合物とは、一般に、遷移金属
をπ電子系の不飽和化合物が挾んだ構造の化合物をい
い、ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体が代表的な
ものである。本発明におけるメタロセン化合物として、
より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パ
ラジウム、ハフニウム、白金等の四価の遷移金属に、1
または2以上のシクロペンタジエニル環またはその類縁
体がリガンド(配位子)として存在する化合物が挙げら
れる。
【0036】リガンドの具体例としては、シクロペンタ
ジエニル環;炭化水素基、置換炭化水素基または炭化水
素−置換メタロイド基により置換されたシクロペンタジ
エニル環;シクロペンタジエニルオリゴマー環;インデ
ニル環;および炭化水素基、置換炭化水素基または炭化
水素−置換メタロイド基により置換されたインデニル環
等が例示される。これらのπ電子系の不飽和化合物以外
にも、リガンドとして、塩素、臭素等の一価のアニオン
リガンド、または二価のアニオンキレートリガンド、炭
化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキ
シド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリール
ホスフィド等が遷移金属原子に配位結合していてもよ
い。
【0037】シクロペンタジエニル環に置換する炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソブチル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、セチル、2−エチ
ルヘキシル、フェニル等が挙げられる。
【0038】このようなメタロセン化合物としては、例
えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチ
ルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル
−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリ
ド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、イ
ンデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデ
ニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニル
チタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデ
ニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n
−プロピルアミド)等が例示できる。
【0039】メタロセン化合物は、金属の種類や配位子
の構造を変え、特定の共触媒(助触媒)と組合せること
により、各種オレフィンの重合の際、触媒としての作用
を発揮する。より具体的に、重合は、通常、これらメタ
ロセン化合物に共触媒としてメチルアルミノキサン(M
AO)、ホウ素系化合物等を加えた触媒系で行われる。
メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜
1,000,000モル倍、好ましくは50〜5,00
0モル倍である。
【0040】重合条件については、特に制限は無く、例
えば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、および気相重合法等が利
用できる。重合温度は、通常、−100℃から300
℃、重合圧力は、通常、常圧から100kg/cm2
ある。
【0041】メタロセン化合物を重合触媒として用いて
得られたL−LDPE樹脂としては、例えば、ダウ・ケ
ミカル社のアフィニティ、エクソン・ケミカル社のEX
ACT等が市販されている。
【0042】本発明による熱収縮性フィルムの製造に当
たり、予め原料樹脂に、一般に用いられている帯電防止
剤、耐ブロッキング剤、滑剤、防曇剤、安定剤、結晶造
核剤等の添加剤を適宜添加することもできる。
【0043】上記フィルムの製造方法は特に限定される
ものではないが、例えば、多層ダイスを用いた水冷イン
フレーション押出成形法やTダイキャスト法などの通常
のプラスチックフィルム成形法が適用できる。
【0044】また延伸方法としては、ロール1軸延伸や
テンター2軸延伸、チューブラー2軸延伸等の公知の延
伸法が適用できる。
【0045】上記フィルム製造の条件は特に限定しない
が、延伸前のフィルム厚みは200〜500μm、延伸
倍率は縦横各2〜10倍、延伸速度は10〜100m/
分、延伸フィルム温度は50〜120℃、延伸後のフィ
ルム厚みは5〜50μm、層厚比は外層/中間層/外層
=1/2/1〜1/10/1であることが好ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明する。
【0047】実施例1 両外層用樹脂として、DSC測定による最大吸熱量を示
す融解のピーク温度が138℃であるポリプロピレン系
樹脂を用い、中間層用樹脂として下記物性1〜5を有す
るL−LDPE樹脂を用いた: 物性1:密度が0.905g/cm3 であり、 物性2:MFRが1.0であり、 物性3:DSC測定の結晶融解ピークが一つであり、か
つ、融解ピーク温度が105℃で、全結晶が融解し終る
温度が117℃で、この温度の幅が12℃であり、 物性4:クロス分別法によって10重量%溶出したとき
の温度から100重量%溶出終了したときの温度までの
幅が22℃であり、 物性5:重量平均分子量/数平均分子量の値が2.8で
あり、 物性6:溶融張力が1.7gである。
【0048】また、中間層を構成するL−LDPE樹脂
は、活性点が単一となるような化学構造の重合触媒であ
る、4価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いた重
合反応によって製造されたものである。
【0049】上記材料を用い、多層ダイスを用いた水冷
インフレーション押出成形法によって、層厚比が外層/
中間層/外層=1/6/1で、厚みが375μmである
サンドイッチ構造のフィルムを得た。次いで、このフィ
ルムを100℃に加熱し、テンター2軸延伸法で縦横各
5倍に延伸し、延伸後の厚みが15μmである熱収縮性
フィルムを得た。
【0050】実施例2、比較例1〜3 両外層用樹脂および中間層用樹脂を、表1に示す物性を
有する樹脂に代え、実施例1と同様にしてサンドイッチ
構造のフィルムを得、次いで、これを延伸して熱収縮性
フィルムを得た。なお、比較例2の中間層を構成するL
−LDPE樹脂は、活性点が複数ある化学構造の重合触
媒である、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた重合反応
によって製造されたものである。
【0051】比較例4 PVC系樹脂からなる単層フィルムを実施例1と同様に
延伸して熱収縮性フィルムを得た。
【0052】比較例5 PP系樹脂からなる単層フィルムを実施例1と同様に延
伸して熱収縮性フィルムを得た。
【0053】性能評価 実施例および比較例で得られた熱収縮性フィルムについ
て、下記の方法で厚み精度、収縮率、耐熱性およびシー
ル強度を測定し、燃焼テストを行った。この結果を表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】評価方法 1.厚み精度:幅700mmのフィルムにおいて20m
m間隔でダイアルゲージにより厚みを測定し、3σ値を
示した。○:厚み精度が高い、×:厚み精度が低い。
【0056】2.収縮率:フィルムを温度120℃のオ
イルバス中に20秒間入れておき、縦横の収縮率の平均
値を求めた。○:収縮率が大きい、△:収縮率が十分で
ない、×:収縮率が小さい。
【0057】3.耐熱性:フィルムで市販のカップ麺を
包装し、この包装品を収縮トンネル内に10秒通過させ
たとき穴あきの開始する温度を測定した。
【0058】4.燃焼テスト:フィルムの燃焼による塩
化水素ガスの発生の有無を調べた。○:塩化水素ガスの
発生無し。×:塩化水素ガスの発生有り。
【0059】5.シール強度:フィルムを2つ折りして
三方シールした場合におけるフィルムの縦方向、横方向
それぞれのシール強度の平均値を示した。なお、シール
は溶断シール機を用いて行い、シール時間は0.3秒と
し、シール温度は200〜290℃で、サンプル毎に最
高強度が発現できる温度を採用した。
【0060】表1中、△Taは、DSC測定の融解ピー
ク温度より全結晶が融解し終るまでの温度幅を示す。△
Tbは、クロス分別法によって10重量%溶出したとき
から100重量%溶出終了したときまでの温度幅を示
す。Mw/Mnは、重量平均分子量/数平均分子量を示
す。
【0061】表1から明らかなように、実施例の熱収縮
性フィルムはいずれの項目においても良好な結果を示し
た。
【0062】
【発明の効果】本発明による熱収縮性フィルムでは、中
間層は、上記条件1〜5をいずれも満足するL−LDP
E樹脂からなるので、氷点下での環境においてもフィル
ム強度が低下せず、ヒートシール性および低温での収縮
性に優れた熱収縮性フィルムが提供される。また、両外
層はDSC測定の最大吸熱量を示す融解ピーク温度が1
35〜145℃であるPP系樹脂からなるため、高温で
の耐熱性をも兼ね備えた熱収縮性フィルムが提供され
る。さらに、本発明による熱収縮性フィルムは、L−L
DPE樹脂、PP系樹脂といったPVC系樹脂以外の樹
脂で構成されているので、包装使用後のフィルムの燃焼
時などにおいて、環境衛生的にも全く悪影響を及ぼす恐
れがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:02 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DSC測定による最大吸熱量を示す融解
    のピーク温度が135〜145℃であるポリプロピレン
    系樹脂からなる両外層によって、下記条件1〜5をいず
    れも満足する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる中
    間層がサンドイッチされてなる熱収縮性フィルム; 条件1:密度が0.895〜0.930g/cm3 であ
    ること、 条件2:MFRが0.8〜3.0であること、 条件3:DSC測定の結晶融解ピークが一つであるこ
    と、 条件4:クロス分別法によって10重量%溶出したとき
    から100重量%溶出終了したときまでの温度幅が30
    ℃以下であること、 条件5:重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5〜
    3.5であること、 条件6:溶融張力が1.2g以上であること。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11312120B2 (en) 2017-07-06 2022-04-26 Dow Global Technologies Llc Low temperature multilayer shrink films, and methods of making thereof

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US11312120B2 (en) 2017-07-06 2022-04-26 Dow Global Technologies Llc Low temperature multilayer shrink films, and methods of making thereof

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