JPH09309175A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JPH09309175A
JPH09309175A JP8128501A JP12850196A JPH09309175A JP H09309175 A JPH09309175 A JP H09309175A JP 8128501 A JP8128501 A JP 8128501A JP 12850196 A JP12850196 A JP 12850196A JP H09309175 A JPH09309175 A JP H09309175A
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JP
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weight
film
molecular weight
resin
temperature
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JP8128501A
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Takayuki Kusu
隆之 久須
Akio Fujiwara
明雄 藤原
Yoshinori Watanabe
良範 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、柔軟性、伸展性、ヒートシール性に
優れ、かつ、伸長後の回復が徐々に起こるような変形回
復性に優れ、フィルム表面が平滑なトレー包装に好適で
あるストレッチ包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 重量平均分子量が15〜50万であり、
クロス分別法により測定した溶出量が、0℃で30〜6
0重量%であり、0℃超〜90℃で30〜55重量%、
かつ、この温度領域における任意の5℃範囲域で15重
量%以下であり、90℃超〜130℃で5〜20重量%
であるポリプロピレン系樹脂からなる芯層の両面に、密
度が0.87〜0.92g/cm3 であり、示差走査熱
量計(DSC)を用いて測定した結晶融解ピークが1つ
であり、融解ピーク温度から全結晶の融解終了温度まで
の幅が20℃以内であり、かつ、重量平均分子量/数平
均分子量の値が1.5〜3.5である直鎖状低密度ポリ
エチレンからなる外層が積層されていることを特徴とす
るストレッチ包装用フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にフィルム表面
の平滑姓、透明性、ヒートシール性に優れ、トレー包装
用に好適に使用することができるストレッチ包装用フィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ストレッチ包装用フィルムは、種々のも
のを包装するのに使用され、特に、青果や生鮮食品
(魚、肉、惣菜等)等の食品のトレー包装用に好適に使
用される。このストレッチ包装用フィルムを用いて食品
等をトレー包装するには、通常、発泡スチロール等から
なるプラスチック容器に被包装食品を入れ、その容器に
ストレッチ包装用フィルムを被せてフィルム端を引張
り、フィルム自身を伸ばしながら容器を包み込むように
する。そのため、ストレッチ包装用フィルムには、透明
性、柔軟性、伸展性に加えて、自己粘着性および変形回
復率に優れていることが要求される。
【0003】従来、上記のような用途のストレッチ包装
用フィルムとしては、価格や使い易さの点から可塑化ポ
リ塩化ビニル(以下、可塑化PVCという)を主成分と
するものが広く使用されてきた。しかし、近年において
は、環境汚染問題が重要視されてきており、塩素を含む
可塑化PVCの使用は、あらゆる分野で問題視されてい
る。
【0004】このため、最近では、可塑化PVCの代替
材料として、ポリオレフィン系樹脂を用いたストレッチ
包装用フィルムの開発が積極的に進められている。この
ようなストレッチ包装用フィルムとしては、例えば、直
鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(以下、EVAという)、ポリブタジエンからなるも
のが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ン系樹脂を用いたストレッチ包装用フィルムでは、包装
時のヒートシール性や変形回復性等、ストレッチ包装用
フィルムとして必要な特性が得られない。このため、容
器を包み込んだフィルムがすぐに容器から外れたり、フ
ィルムにしわが生じて、実際の使用には適さない。
【0006】この問題を解決するため、例えば、特開昭
61−44635号公報に記載の如く、プロピレンと種
々のα−オレフィンとのランダム共重合体を主成分とす
る層の両面に、EVAを主成分とする層が積層されてい
るストレッチ包装用フィルムが提案され、また、特開昭
62−51440号公報に記載の如く、ポリスチレン等
の芳香族炭化水素重合体と共役ジエンエラストマーとの
ブロック共重合体を主成分とする層の両面に、EVAを
主成分とする層が積層されているストレッチ包装用フィ
ルムが提案されている。
【0007】しかし、これらのフィルムは、ストレッチ
包装後の伸長回復率の低いものでは包装後にしわが発生
し、また、伸長回復率を高めたものでは伸長回復が急激
に起こるために容器が変形するという問題点があり、い
ずれも、ストレッチ包装には好適に使用することができ
ない。また、エラストマーを用いた場合にはコストが高
くなるという難点もある。したがって、現状では、可塑
化PVCを主成分とするストレッチ包装用フィルムの代
替品として、市場の要求を充分に満足させるストレッチ
包装用フィルムは実現されていない。
【0008】本発明は前記の如き従来の問題点を解消
し、可塑化PVCを使用せず、透明性、柔軟性、伸展
性、ヒートシール性に優れ、かつ、伸長後の回復が徐々
に起こるような変形回復性に優れ、フィルム表面が平滑
なトレー包装に好適であるストレッチ包装用フィルムを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるストレッチ
包装用フィルムは、上記目的を達成すべく工夫されたも
のであり、重量平均分子量が15〜50万であり、クロ
ス分別法により測定した溶出量が、0℃で30〜60重
量%であり、0℃超〜90℃で30〜55重量%、か
つ、この温度領域における任意の5℃範囲域で15重量
%以下であり、90℃超〜130℃で5〜20重量%で
あるポリプロピレン系樹脂からなる芯層の両面に、密度
が0.87〜0.92g/cm3 であり、示差走査熱量
計(DSC)を用いて測定した結晶融解ピークが1つで
あり、融解ピーク温度から全結晶の融解終了温度までの
幅が20℃以内であり、かつ、重量平均分子量/数平均
分子量の値が1.5〜3.5である直鎖状低密度ポリエ
チレンからなる外層が積層されていることを特徴とする
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、特定のポリプロ
ピレン系樹脂(以下「PP系樹脂」と略記する)からな
る芯層について、まず、説明をする。
【0011】本発明において、芯層を形成するPP系樹
脂は、重量平均分子量15〜50万を有するものであ
る。重量平均分子量が15万未満の場合には、得られる
ストレッチ包装用フィルムの伸展性や強度が充分でな
く、逆に、50万を超える場合には、得られるストレッ
チ包装用フィルの柔軟性が不充分になる嫌いがある。
【0012】本発明において、PP系樹脂を特定するた
めの指標として採用されているクロス分別法は、以下に
示すとおりである。
【0013】先ず、PP系樹脂を140℃あるいはPP
系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに
溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷却し、予め用
意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を生成
させる。この時、PP系樹脂成分は、結晶性の高い順、
および分子量の大きい順にポリマー層として生成する。
【0014】次に、温度を連続的または段階的に上昇さ
せ、順次溶出した成分の濃度を検出して、成分分布(結
晶性分布)を測定する。これは温度上昇溶離分別(Tempe
ratureRising Elution Fractionation ;TREF) と呼ば
れる方法である。同時に、順次溶出した成分を高温型G
PC (Size Exclusion Chromatograph; SEC)により分析
して、分子量と分子量分布を測定する。本発明では、上
述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両者
をシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製CFC−T150A型)を使用して
測定を行った。
【0015】また、上記PP系樹脂は、クロス分別法に
より測定したPP系樹脂の全量に対する溶出量が、0℃
で30〜60重量%、好ましくは33〜55重量%であ
るものである。
【0016】この溶出量が30重量%未満の場合には、
得られるストレッチ包装用フィルムが柔軟性に劣り、逆
に、60重量%を超える場合には、得られるストレッチ
包装用フィルムの強度が充分でないことがある。
【0017】また、上記PP系樹脂は、クロス分別法に
より測定したPP系樹脂の全量に対する溶出量が、0℃
超〜90℃で30〜55重量%、好ましくは35〜50
重量%であり、かつ、この温度領域における任意の5℃
範囲域で15重量%以下であるものである。
【0018】この溶出量が、30重量%未満の場合に
は、得られるストレッチ包装用フィルムが柔軟性に劣
り、逆に、60重量%を超える場合、または各温度で1
5重量%を超える場合には、得られるストレッチ包装用
フィルムが変形回復性に劣ることがある。
【0019】更に、上記PP系樹脂は、クロス分別法に
より測定したPP系樹脂の全量に対する溶出量が、90
℃超〜130℃で5〜20重量%、好ましくは7〜10
重量%であるものである。
【0020】この溶出量が、5重量%未満の場合には、
得られるストレッチ包装用フィルムの強度が充分でな
く、逆に、20重量%を超える場合には、得られるスト
レッチ包装用フィルムが変形回復性に劣る嫌いがある。
【0021】本発明において、芯層を形成するPP系樹
脂は、例えば、以下に示すような多段重合法によって製
造される。
【0022】まず第1段階として、チタン化合物触媒成
分および有機アルミニウム化合物触媒成分の存在下にプ
ロピレンモノマーを単独重合させ、もしくは、プロピレ
ンモノマーとエチレンモノマーまたはα−オレフィンモ
ノマーとを共重合させ、プロピレン単独重合体、プロピ
レン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン
共重合体等のチタン含有ポリオレフィンを得る。α−オ
レフィンモノマーとしては、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
プテン、1−オクテン等が用いられる。特に、1−ブテ
ンが好適に用いられる。
【0023】ついで第2段階として、上記チタン化合物
触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分、上記
単独重合体または共重合体を製造した後の反応液に、プ
ロピレンモノマー、エチレンモノマーおよび/またはα
−オレフィンモノマーを加えて上記チタン含有ポリオレ
フィンと共重合させることにより、PP系樹脂が得られ
る。このとき第2段階における添加成分は、1段で加え
られても2段で加えられてもよい。すなわちこの重合反
応は全体として3段以上の多段重合であってもよい。
【0024】これらの共重合体は、本発明におけるPP
系樹脂として用いることができる。本発明において、芯
層の曲げ弾性率は1500kg/cm2 以下であること
が好ましい。芯層の曲げ弾性率が1500kg/cm2
を超える場合には、フィルムの柔軟性が少なくなる傾向
がある。
【0025】つぎに、上記構成の芯層の両面に積層され
る、直鎖状低密度ポリエチレン(以下「L−LDPE」
と略記する)からなる外層について、説明をする。
【0026】L−LDPEは、密度0.87〜0.92
g/cm3 を有する樹脂である。
【0027】L−LDPEの密度が0.92g/cm3
を超えると、得られるストレッチ包装用フィルムの柔軟
性、伸展性(ストレッチ性)が失われることがあり、ま
た、メタロセン触媒を用いて得られたL−LDPEの場
合は、得られるストレッチ包装用フィルムの強靭性が低
下する嫌いがある。逆に、L−LDPEの密度が0.8
70g/cm3 未満であると、得られるストレッチ包装
用フィルムの粘着性、ブロッキング、弾性が強くなり過
ぎて、ラップ包装機械適性が失われる場合がある。
【0028】本発明において、外層を形成するL−LD
PEは、また、DSCを用いて測定した結晶融解ピーク
が1つであり、融解ピーク温度から全結晶が融解し終る
温度までの幅が20℃以内であり、かつ、重量平均分子
量/数平均分子量の値が1.5〜3.5であるものであ
る。
【0029】このようなL−LDPEの使用により、下
記の作用が発現される。
【0030】 必要以上に高い密度および必要以上に
高い分子量の成分の含有量が低いので、得られるストレ
ッチ包装用フィルムの柔軟性、低温シール性が良好であ
る上に、透明性が確保できる。
【0031】 フィルム中の結晶部分の分布および大
きさが均一であるので、フィルム強度が向上する上に、
より平滑なフィルム表面が確保できる。
【0032】本発明において、L−LDPEを特定する
ための指標として採用されている示差走査熱量分析は、
以下の方法で行った。
【0033】約10mgのL−LDPEのサンプルをア
ルミニウムパンに入れ、DSC(セイコー電子社製SS
C5200型)にてDSC測定をした。測定条件につい
ては、サンプルを一度溶融させた後、5℃/分の速度で
−50℃まで冷却させ、それから5℃/分の速度で昇温
してDSC測定を行った。
【0034】本発明で用いるL−LDPEは、通常、示
差走査熱量分析における結晶融解ピークが1つであり、
かつ、融解ピーク温度から全結晶が融解し終る温度まで
の幅が20℃以内である。この温度幅が20℃を超える
と、上記作用が発現され難い。特に好ましい温度幅
は15℃以内である。
【0035】また、結晶融解ピークが1つであるとは、
2つ以上のピークに明瞭に分かれていない場合をも包含
する。融解ピークが複数あると、低温シール性の阻害要
因となる。
【0036】本発明で用いるL−LDPEは、分子量分
布(重量平均分子量/数平均分子量の値で表される)お
よび組成分布が狭い低融点のポリエチレンである。
【0037】重量平均分子量/数平均分子量の値は1.
5〜3.5の範囲にある。重量平均分子量/数平均分子
量の値が3.5を超えると、上記作用が発現し難
く、また1.5未満では、実際的な工業生産に適合し難
い。特に好ましい重量平均分子量/数平均分子量の値の
範囲は1.5〜3である。
【0038】本発明で用いるL−LDPEとしては、ま
た、先に説明したクロス分別法によって10重量%溶出
したときの温度から100重量%溶出終了したときの温
度までの幅が35℃以内であるものが好ましい。
【0039】本発明で用いるL−LDPEは、好ましく
は、活性点が単一となるような化学構造の重合触媒を用
いて得られる。このような重合触媒としては、4価の遷
移金属を含むメタロセン化合物が好適である。
【0040】メタロセン化合物とは、一般に、遷移金属
をπ電子系の不飽和化合物が挾んだ構造の化合物をい
い、ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体が代表的な
ものである。本発明におけるメタロセン化合物として、
より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パ
ラジウム、ハフニウム、白金等の四価の遷移金属に、1
または2以上のシクロペンタジエニル環またはその類縁
体がリガンド(配位子)として存在する化合物が挙げら
れる。
【0041】リガンドの具体例としては、シクロペンタ
ジエニル環;炭化水素基、置換炭化水素基または炭化水
素−置換メタロイド基により置換されたシクロペンタジ
エニル環;シクロペンタジエニルオリゴマー環;インデ
ニル環;および炭化水素基、置換炭化水素基または炭化
水素−置換メタロイド基により置換されたインデニル環
等が例示される。これらのπ電子系の不飽和化合物以外
にも、リガンドとして、塩素、臭素等の一価のアニオン
リガンド、または二価のアニオンキレートリガンド、炭
化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキ
シド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリール
ホスフィド等が遷移金属原子に配位結合していてもよ
い。
【0042】シクロペンタジエニル環に置換する炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソブチル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、セチル、2−エチ
ルヘキシル、フェニル等が挙げられる。
【0043】このようなメタロセン化合物としては、例
えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチ
ルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル
−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリ
ド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリド、イ
ンデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデ
ニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニル
チタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、インデ
ニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)(ジ−n
−プロピルアミド)等が例示できる。
【0044】メタロセン化合物は、金属の種類や配位子
の構造を変え、特定の共触媒(助触媒)と組合せること
により、各種オレフィンの重合の際、触媒としての作用
を発揮する。より具体的に、重合は、通常、これらメタ
ロセン化合物に共触媒としてメチルアルミノキサン(M
AO)、ホウ素系化合物等を加えた触媒系で行われる。
メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、10〜
1,000,000モル倍、好ましくは50〜5,00
0モル倍である。
【0045】重合条件については、特に制限は無く、例
えば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、および気相重合法等が利
用できる。重合温度は、通常、−100℃から300
℃、重合圧力は、通常、常圧から100kg/cm2
ある。
【0046】メタロセン化合物を重合触媒として用いて
得られたL−LDPEとしては、例えば、ダウ・ケミカ
ル社のアフィニティ、エクソン・ケミカル社のEXAC
T等が市販されている。
【0047】本発明において、外層を形成するL−LD
PE中には、α−オレフィン樹脂をブレンドして、得ら
れるストレッチ包装用フィルム柔軟性を更に向上させて
もよい。また、L−LDPEに防曇剤や粘着剤等を添加
することもできる。また、L−LDPEはプロピレンと
6 −オレフィンのような他のα−オレフィンをコモノ
マーとして共重合させたものでもよい。
【0048】本発明において、芯層の厚さは全層の厚さ
の50〜80%であるのが好ましく、65〜80%であ
るのが更に好ましい。芯層の厚さが全層の厚さの50%
未満の場合には、伸長回復率が低下し、包装後しわが発
生し易くなり、逆に80%を超える場合には、このよう
な厚さ比を有する三層フィルムの製膜が難しくなる傾向
がある。
【0049】本発明のストレッチ包装用フィルムは、従
来公知の製膜法、例えば、複数の押出機を用いて、イン
フレーション成形またはTダイ成形による押出し、ある
いは押出しラミネート等により製造することができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0051】実施例1 芯層用樹脂として、重量平均分子量28.2万、クロス
分別法により測定したPP系樹脂の全量に対する溶出量
が、0℃で49.0重量%であり、0℃超〜90℃で4
0.1重量%、かつ、この温度領域における任意の5℃
範囲域で15重量%以下であり、90℃超〜130℃で
10.9重量%であるPP系樹脂(トクヤマ社製、商品
名PER、密度0.88g/cm3 、MFR1.0)を
用い、外層用樹脂として、表1に示す物性を有するL−
LDPEを用い、外層用樹脂に防曇剤マスターバッチ
(理研ビタミン社製、商品名EAR−2を外層用樹脂と
同種の樹脂に12%濃度で配合したもの)20重量%を
添加した後、共押出インフレーション法にて全層厚さ1
5μm、層厚比(外層/芯層/外層=1/4/1)のサ
ンドイッチ積層構造のストレッチ包装用フィルムを作製
した。
【0052】実施例2 外層用樹脂を、表1に示すものに変更した以外は実施例
1と同様にして、ストレッチ包装用フィルムを作製し
た。
【0053】比較例1、2 外層用樹脂を、表1に示すものに変更した以外は実施例
1と同様にして、ストレッチ包装用フィルムを作製し
た。
【0054】性能評価 実施例1、2および比較例1、2で作製したストレッチ
包装用フィルムを対象に、表2に示す項目について、そ
れぞれ適性評価を行った。この結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】<測定法> ・破断強度 :JIS Z1702 ・伸度 :JIS Z1702 ・透明度 :JIS K1705 ・光沢 :JIS K1705 ・クラリティ :JIS K1705 ・熱シール飽和温度:圧力2.0kg/cm2 、時間1
秒にてシール強度がほぼ一定値を取り始める温度 ・表面粗さ :フィルム表面粗さ測定器による ・包装機適性 :ラップ包装機<フジキカイN−1
8等>にて、カット性、包装しわ等不具合の有無の確認 表2から判るように、実施例のストレッチ包装用フィル
ムは比較例のものに比べ、いずれの項目においても良好
もしくは遜色のないものである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、可塑化PVCを使用せ
ず、透明性、柔軟性、伸展性、ヒートシール性に優れ、
かつ、伸長後の回復が徐々に起こるような変形回復性に
優れ、フィルム表面が平滑なトレー包装に好適であるス
トレッチ包装用フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 110/06 C08F 110/06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が15〜50万であり、
    クロス分別法により測定した溶出量が、0℃で30〜6
    0重量%であり、0℃超〜90℃で30〜55重量%、
    かつ、この温度領域における任意の5℃範囲域で15重
    量%以下であり、90℃超〜130℃で5〜20重量%
    であるポリプロピレン系樹脂からなる芯層の両面に、密
    度が0.87〜0.92g/cm3 であり、示差走査熱
    量計(DSC)を用いて測定した結晶融解ピークが1つ
    であり、融解ピーク温度から全結晶の融解終了温度まで
    の幅が20℃以内であり、かつ、重量平均分子量/数平
    均分子量の値が1.5〜3.5である直鎖状低密度ポリ
    エチレンからなる外層が積層されていることを特徴とす
    るストレッチ包装用フィルム。
JP8128501A 1996-05-23 1996-05-23 ストレッチ包装用フィルム Pending JPH09309175A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1488924A1 (en) * 2003-06-18 2004-12-22 Borealis A/S Food packaging

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