JPH11138707A - 自動車内装材用発泡積層シート - Google Patents

自動車内装材用発泡積層シート

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JPH11138707A
JPH11138707A JP31013697A JP31013697A JPH11138707A JP H11138707 A JPH11138707 A JP H11138707A JP 31013697 A JP31013697 A JP 31013697A JP 31013697 A JP31013697 A JP 31013697A JP H11138707 A JPH11138707 A JP H11138707A
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foamed
resin
foamed layer
laminated sheet
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JP31013697A
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English (en)
Inventor
Shuya Ozeki
修也 尾関
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下での変形や自重による垂れ下がりが改
善された自動車内装材用発泡積層シートを提供する。 【解決手段】 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡
層の片面に変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる
非発泡層を、他面にポリスチレン系樹脂からなる非発泡
層を積層し、両非発泡層の厚さに差を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車内装材用発泡
シートに関する。更に詳しくは、耐熱性、軽量性に優れ
た自動車内装材、特に自動車天井材を得ることのできる
発泡積層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装材として、熱可塑性樹
脂発泡体を主体とする基材にウレタンフォームを積層し
たものや、スチレン−無水マレイン酸共重合体の発泡層
の上下面にスチレン−無水マレイン酸共重合体の非発泡
層を積層した積層シートを所望の形状に成形したものが
広く用いられている。それらの自動車内装材は、軽量で
断熱性が高く、成形加工性がすぐれているという特徴が
ある。
【0003】しかしながら、従来の自動車内装材、特に
自動車天井用成形体は、高温に長時間さらされるような
条件下で用いた場合に、耐熱性が不十分であるため、成
形体フロント部が自重で垂れ下がったり(ヒートサ
グ)、変形を生じるなどの問題を発生することがあっ
た。そこで、これらの問題を解決するために、近年、無
機質のガラス繊維とプラスチックの複合材料をベースと
した自動車内装材が使用されるようになっている。しか
し、この複合材料では、耐熱性は維持できるものの、軽
量化が図れない上にガラス繊維があるためにリサイクル
性が悪くまたコスト高になるといった問題がある。そこ
で、軽量で耐熱性のある変性ポリフェニレンエーテル
(PPE)系樹脂発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非
発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動車天井材
用発泡積層シートが提案されている(実開平4−111
62号公報)。この変性PPE系樹脂を用いた自動車天
井材用発泡積層シートは、耐熱性に優れ、軽量であるた
め、高温下での変形や自重による垂れ下がりが改善でき
るとされているものである。
【0004】一方、最近、自動車の耐熱性、軽量性、コ
ストにたいする要求はさらに厳しく、耐熱性について
は、従来より厳しい100℃温度雰囲気下での評価に変
更する動きがある。従って、これら市場要求に応えるべ
くさらなる改善が必要である。例えば、上記発泡積層シ
ートは2次成形条件によっては、成形体に残留応力が発
生し、高温(例えば80℃以上)の雰囲気中に長時間さ
らされたときに穏やかに残留応力が緩和されるため、屈
曲形状を有する部分や2次成形時の延伸率が大きい部分
(例えば成形体フロント部)が変形し使用に耐えなくな
るという問題を含んでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題が解消された、優れた耐熱性、軽量性を有する自動
車内装材用発泡積層シート、特に自動車天井材用発泡積
層シートを、安価且つ容易に提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】通常、発泡積層シートの
構成は、成形加工性、断熱性、剛性などの観点から発泡
層の両面に積層される非発泡層の組成および厚さを同等
にしている。しかし、本発明者は、前記のごとき実状に
鑑み、優れた耐熱性(100℃)、軽量性を有する、安
価で且つ容易に製造可能な自動車内装材用成形体を提供
するために、変性PPE系樹脂を使用した自動車内装材
用発泡積層シートの構成と耐熱性との関係について鋭意
検討を行った結果、耐熱性の高い変性PPE系樹脂を発
泡層および片面側の非発泡層に用いる一方、他の片面側
にポリスチレン系樹脂からなる非発泡層を設け、好まし
くは、両者の厚さ比を0.7以下にすることで、非発泡
層の厚み差による熱容量差を利用し、成形オーブンから
でた発泡積層シートの自然放冷(冷却)時の上下面の冷
却差をバランスさせることで、従来にない耐熱性の高
い、良好な寸法安定性、成形性、耐衝撃性、遮音性、断
熱性、コスト競争力を有する変性PPE系樹脂の自動車
天井材用内装材を得ることができることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、変性ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂発泡層の片面に変性ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂からなる非発泡層を、他方の片面にポリスチレ
ン系樹脂からなる非発泡層を積層してなり、前記両非発
泡層の厚さに差を設けた事を特徴とする自動車内装材用
発泡積層シート。(請求項1) 両非発泡層の厚さ比が0.7以下である請求項1記載の
自動車内装材用発泡積層シート。(請求項2) 非発泡層の厚さが50〜350μmである請求項1〜2
記載の自動車内装材用発泡積層シート。(請求項3) 非発泡層のポリスチレン系樹脂がハイインパクトポリス
チレンである請求項1〜3記載の自動車内装材発泡積層
シート。(請求項4) 非発泡層のポリスチレン系樹脂が耐衝撃性改良剤を含有
したものである請求項1〜4記載の自動車内装材用発泡
積層シート。(請求項5) 非発泡層の変性ポリフェニレエーテル系樹脂がフェニレ
ンエーテル成分を15重量%以上60重量%未満含有す
る請求項1〜5記載の自動車内装材用発泡積層シート。
(請求項6) 発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂中のフェニ
レンエーテル成分の含有量が35重量%以上75重量%
未満、スチレン系成分が25重量%以上65重量%未満
である請求項1〜6記載の自動車内装材用発泡積層シー
ト。(請求項7) 一次発泡積層シートの発泡層が、発泡剤を添加し押出発
泡させて得られる、一次厚みが1〜5mm、一次発泡倍
率が3〜20倍、セル径が0.05〜0.9mm、独立
気泡率が70%以上の変性ポリフェニレンエーテル系樹
脂発泡シートである請求項1〜7記載の自動車内装材用
発泡積層シート。(請求項8)に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の自動車内装材用発泡積層
シートは、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)系樹
脂発泡層(1次発泡層)の片面に変性PPE系樹脂、他
の片面にポリスチレン(PS)系樹脂からなり、互いに
厚さの異なる非発泡層を形成してなる発泡積層シートで
ある。
【0009】自動車内装材用発泡積層シートを構成する
前記変性PPE系樹脂発泡層は、自動車内装材の基体と
なる層であり、この層が変性PPE系樹脂から形成され
ているため、耐熱性および成形性が良好で、耐熱性良好
な2次発泡積層シートが容易に成形可能となり、また、
この層が発泡層であるので、軽量で、遮音性、断熱性に
すぐれ、また密度が低いため使用樹脂量が少量ですむた
めコスト的に有利である。
【0010】変性PPE系樹脂発泡層を形成する変性P
PE系樹脂としては、PPE系樹脂(以下、PPE)とポ
リスチレン系樹脂(以下、PS)との混合樹脂、PPE系
樹脂にスチレン系単量体(以下、St)を重合させたグラ
フト、ブロックなどの共重合体(以下、PPE-St)などが
あげられ、下記のような混合形態がある。 (イ) PPE + PS (ロ) PPE-St (ハ) PPE-St + PS (ニ) PPE + PPE-St (ホ) PPE + PPE-St + PS これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合
樹脂(イ)が、製造が容易である等の点から好ましい。
【0011】発泡層を形成する変性PPE系樹脂中のフ
ェニレンエーテル成分の含有量としては、通常35重量
%以上75重量%未満、好ましくは35重量%以上60
重量%未満、スチレン系成分が25重量%以上65重量
%未満、好ましくは40重量%以上65重量%未満であ
る。変性PPE系樹脂中のフェニレンエーテル成分の割
合が小さすぎると、耐熱性が劣る傾向があり、フェニレ
ンエーテル成分の割合が大きすぎる加熱流動時の粘度が
上昇し、発泡成形が困難になる場合がある。
【0012】前記PPE系樹脂としては例えば、ポリ
(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エ
ーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4
−エーテル)、 ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロ
ピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチ
ル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、
ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エ
ーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−
1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフ
ェニレン−1,4−エーテル)などがあげられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いて
もよい。これらのうちではポリ(2,6−ジメチルフェ
ニレン−1,4−エーテル)が、原料の汎用性、コスト
の点から好ましい。また、難燃性を付与したい場合はハ
ロゲン系元素が含まれるポリ(2−メチル−6−クロル
フェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−
6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2
−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)
などが好ましい。
【0013】PPE系樹脂と混合樹脂を形成するPS系
樹脂はスチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレ
ン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルス
チレン等を主成分とする樹脂である。したがって、PS
系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単
独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって
作られた共重合体であってもよい。
【0014】前記PPE系樹脂と混合樹脂を形成するP
S系樹脂の製造に使用されうるスチレンまたはその誘導
体と共重合可能な他の単量体としては、たとえばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、無水マレイン酸、イタコン酸などが
あげられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組
合わせて用いてもよい。
【0015】前記PS系樹脂の具体例としては、たとえ
ば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレンの共
重合体、ハイイインパクトポリスチレンで代表されるス
チレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリロニト
リル共重合体などがあげられる。このうちでは、ポリス
チレンがその汎用性、コストの面から好ましい。また、
前記PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させ
るスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレ
ン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルス
チレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これ
らのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ま
しい。
【0016】前記PPE系樹脂にスチレン系単量体を重
合させる際に、スチレン系単量体が主成分(60重量%
以上)になる範囲でスチレン系単量体と共重合可能な単
量体、たとえばアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、無水マレイン
酸、イタコン酸などの1種または2種以上含有させても
よい。
【0017】前記PPE系樹脂にPS系単量体を重合さ
せたグラフト共重合体は、従来周知の方法、たとえば特
公昭52−30991号公報、特公昭52−38596
号公報、などに開示されている、PPE系樹脂にラジカ
ル開始剤およびスチレン系単量体を加え、無水の状態
で、有機溶媒の存在下または不存在下130〜200℃
の温度範囲で撹拌しながらスチレン系単量体を重合する
方法により製造される。
【0018】前記PPE樹脂に混合されるPS系樹脂、
およびPPE系樹脂に重合させるスチレン系単量体の割
合としては、PPE系樹脂35重量%以上75重量%未
満、さらには35重量%以上60重量%未満、とくには
38重量%以上58重量%未満に対して、PS系樹脂ま
たはスチレン系単量体の量は、25重量%以上65重量
%未満、さらには40重量%以上65重量%未満、とく
には42重量%以上62%未満が好ましい。PPE系樹
脂の混合重量部が小さいときは耐熱性が劣る傾向にあ
り、PPE系樹脂の混合重量部が大きいときは加熱流動
時の粘度が上昇し発泡成形が困難になるばあいがある。
【0019】前記のごとき変性PPE系樹脂を基材樹脂
とする変性PPE系樹脂発泡層の1次発泡層の厚さとし
ては一次厚みが1〜5mm、さらには1.5〜3.5m
m、発泡倍率としては3〜20倍、さらには5〜15
倍、セル径が0.05〜0.9mm、さらには0.1〜
0.7mm、独立気泡率が70%以上、さらには80%
以上であるのが好ましい。また、1次発泡層中の残存揮
発成分の量は発泡層全重量に対して1〜5重量%、さら
には2〜4重量%が好ましい。なお、残存揮発成分の量
は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、
通常、発泡層サンプルを変性PPE系樹脂が軟化しはじ
める温度以上で分解温度以下に加熱して充分揮発成分を
揮発させて、加熱前後の重量差により測定される。
【0020】前記1次発泡層の厚さが1mm未満のばあ
い、強度および断熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シ
ートとして適当でないばあいがある。一方5mmをこえ
るばあい、成形加熱時に熱が発泡層の厚み方向の中心部
まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行なえず、成形
性が悪くなるばあいがある。また、充分な加熱を行うべ
く加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルの破泡等が
生じ、製品として許容できるものが得られ難くなるばあ
いがある。また、一次発泡倍率が3倍未満のばあい、柔
軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また軽量
化の効果が少ない。20倍をこえるばあい強度が低下
し、中心部まで加熱しにくいことにより成形性が低下す
る傾向がある。更に、セル径が0.05mm以下のばあ
い充分な強度がえられ難く、0.9mm以上のばあい、
断熱性に劣る傾向がある。また、独立気泡率が70%以
下のばあい、断熱性、剛性に劣るとともに成形加熱によ
っても目的とする2次発泡倍率がえ難くなり、成形性に
劣る傾向がある。また、残存揮発成分が1重量%を下回
るばあいは2次発泡倍率が低くなりすぎ良好に成形でき
ないばあいがあり、5重量%をこえるばあいは非発泡層
との間に空気だまりが発生したり、経時による寸法安定
性が悪くなるばあいがある。
【0021】本発明において使用される変性PPE系樹
脂発泡層の基材樹脂は、必要に応じて気泡調整剤、耐衝
撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安
定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。本発明の自動車
内装材用発泡積層シートにおいては、変性PPE系樹脂
発泡層(1次発泡層)の片面に変性PPE系樹脂非発泡
層、他の片面にPS系樹脂非発泡層が形成されている。
【0022】非発泡層の形成に用いられる変性PPE系
樹脂としては、発泡層に用いられる変性PPE系樹脂と
同様に、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PP
E系樹脂にスチレン系単量体(St)を重合させたグラフ
ト、ブロックなどの共重合体(PPE-St)などがあり、混
合形態として考えられる;(イ) PPE + PS、(ロ) PPE-St、
(ハ) PPE-St + PS、(ニ) PPE + PPE-St、(ホ) PPE + PPE-S
t + PS、のうち、(イ)の混合樹脂が、製造が容易であ
る等の点で好ましく使用される。
【0023】変性PPE系樹脂非発泡層におけるPPE
成分とスチレン成分との割合としては、PPE成分が好
ましくは15〜60%、さらに好ましくは30〜55%
に対してスチレン成分が好ましくは40〜75%、さら
に好ましくは45〜70%である。PPE系樹脂の具体
例、好ましいもの、PS系樹脂の具体例、好ましいも
の、PS系単量体の具体例、好ましいもの、さらには、
フェニルエーテルやPS系樹脂やスチレン系単量体の重
合可能な単量体の具体例、使用量、使用する理由など
は、前記発泡層の基材樹脂である変性PPE系樹脂の場
合と同様であり、PPE成分が少ないと成形体の耐熱性
が劣る傾向にあり、PPE成分が多いと加熱流動時の粘
度が上昇して押出加工が困難になる場合がある。
【0024】変性PPE系樹脂非発泡層の製造に用いる
PPE系樹脂、PS系樹脂、スチレン系単量体などの具
体例、好ましいものなどは発泡層の場合と同様であるの
で説明は省略する。他方の片面側の非発泡層に使用され
るPS系樹脂は、スチレンまたはその誘導体、例えばα
−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノク
ロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレ
ン、エチルスチレン等を主成分(60重量%以上好まし
くは70重量%以上)とする樹脂である。したがって、
PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからな
る単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによ
って作られた共重合体であってもよい。また、たとえば
ハイインパクトポリスチレンのように、スチレンまたは
スチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴム
ラテックスを添加して重合させたものであってもよい。
前記PS系樹脂の製造に使用されうるスチレンまたはそ
の誘導体と共重合可能な他の単量体としては、たとえば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
前記PS系樹脂の具体例としては、たとえば、ポリスチ
レン、スチレン−α−メチルスチレンの共重合体、ハイ
インパクトポリスチレンで代表されるスチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体な
どがあげられる。このうちでは、ポリスチレン、ハイイ
ンパクトポリスチレンがその汎用性、コストの面から好
ましい。耐熱のより高いPS系樹脂としては、スチレン
とカルボキシル基含有モノマーとの共重合体が挙げら
れ、例えばスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−イタコン酸共重合体がある。
【0025】前記PS系樹脂は単独で用いても良く2種
類以上組み合わせても良い。また、他の熱可塑性樹脂と
ブレンドしても良い。本発明者らの研究によれば、えら
れた成形体の非発泡層に残留応力が存在する場合、高温
下(例えば100℃以上)にさらされると、その残留応
力が緩和される結果、成形体に変形が生じることが解っ
た。自動車天井材の場合には、例えばフロント部で変形
が発生することが解った。この防止策として、発泡層の
変成PPO系樹脂より耐熱性の低いPS系樹脂を非発泡
層に使用することにより、非発泡層の残留応力を除く程
度に加熱しても発泡層が破泡せず、表面荒れや非発泡層
の剥離が発生し難いことが解った。
【0026】また、非発泡層に使用するPS系樹脂と発
泡層に使用する変性PPE系樹脂は接着性が高くこの点
でも良好である。本発明の発泡積層シートにおいて、発
泡層の両面に積層される非発泡層の厚さは、何れも50
〜350μmが好ましい。非発泡層の厚さが50μmよ
り薄いばあいには、発泡積層シートの軽量化、コストダ
ウン化が図れる。非発泡層の厚さが50μmより厚い場
合には、フィルムの厚さフラット性、発泡積層シートの
強度、剛性、断熱性が向上する。一方、非発泡層があま
り厚くなると、発泡積層シートの製造・ロール巻き工程
で曲げによる折れが発生しやすくなる傾向となり、ま
た、発泡積層シートの目付量が重くなり軽量化に不利に
なることがあるので、非発泡層の厚さは、350μm以
下が好ましい。
【0027】本発明では、このような非発泡層として耐
熱性の高い変性PPE系樹脂からなる非発泡層を発泡層
の片面側に用いる一方、他の片面側にポリスチレン系樹
脂からなる非発泡層を設け、好ましくは、両者の厚さ比
(厚さ小の層/厚さ大の層)を0.7以下にすること
で、非発泡層の厚み差による熱容量差を利用し、成形オ
ーブンからでた発泡積層シートの自然放冷(冷却)時の
上下面の冷却差をバランスさせることで、従来にない耐
熱性の高い、良好な寸法安定性、成形性等に優れた成形
体を得ることができる。
【0028】このように両面に非発泡層を設けた積層体
を自動車内装材用に用いる場合の具体的実施態様として
は、厚さの大きい方の非発泡層を室内側に配するのが通
常である。すなわち、変性PPE系樹脂非発泡層を室内
側に配する場合には、室外側に配されるポリスチレン系
樹脂からなる非発泡層よりも、変性PPE系樹脂非発泡
層を厚くし、ポリスチレン系樹脂からなる非発泡層を室
内側に配する場合には、室外側に配される変性PPE系
樹脂非発泡層より、ポリスチレン系樹脂からなる非発泡
層を厚くする。
【0029】一次発泡層の両面に非発泡層を設けること
により、剛性、耐熱性、寸法安定性にすぐれるなどの特
徴が得られる。前記PS系樹脂非発泡層を形成するばあ
い、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸
化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を
単独叉は、2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0030】前記耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に
混合することによってその効果を発揮するものや、基材
樹脂に重合させることによってその効果を発揮するもの
であればとくに限定なく使用しうる。たとえばハイイン
パクトポリスチレンなどは、非発泡層として単独で、ま
たはポリスチレン系樹脂に混合して使用される。前記耐
衝撃性改良剤の例としては、天然ゴム、合成ゴムのよう
なゴムや、ゴム粒子のまわりにスチレン、メチルメタク
リレートなどのオレフィン二重結合をもつ単量体をグラ
フト重合させたものなどが好適に使用される。
【0031】ゴムの具体例としては、たとえばスチレン
・ブタジエンゴム、水添スチレン・ブタジエンゴム、ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、ア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン・アクリルゴ
ムなどがある。これらは単独で使用してもよく、2種以
上組み合わせてもよい。これらのうちでは、PS系樹
脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE樹脂との相溶性の高さ
汎用性などからスチレン・ブタジエンゴム、水添スチレ
ンブタジエンゴムが好ましい。
【0032】本発明の自動車内装材用発泡積層シートか
らの成形体の難燃性を向上させるために、非発泡層に有
機系難燃剤、無機系難燃剤を使用してもよい。有機系難
燃剤の例としては、ハロゲン化合物、リン酸エステル、
含ハロゲンリン酸エステルなどが挙げられるが、汎用
性、コストの点からハロゲン化合物が好適である。前記
充填剤としては、成形体の強度、剛性、寸法安定性など
を向上させるのに有効であり、使用される充填剤にはと
くに限定はない。非発泡層に配合される充填剤の具体例
としては、タルク(ケイ酸マグネシウム)、炭酸カルシ
ウム(重質、軽質、膠質など)、マイカ、酸化マグネシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、亜硫酸カルシウム、シリカ、クレー、カオリン、ホ
ワイトカーボン、水酸化マグネシウム、カーボンブラッ
ク、ゼオライト、モリブデンなどが挙げられる。これら
の中ではとくにタルク、炭酸カルシウム、マイカが好ま
しい。
【0033】本発明の発泡積層シートには、必要に応じ
て非発泡層上に表皮材が積層されていてもよい。前記表
皮材の具体例としては、従来の自動車内装材として用い
られるものが使用できる。例えば、織布や不織布を配す
るが、これらには、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
プロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニ
トリル、モダアクリル(カネカロン)等の合成樹脂や羊
毛、木綿等の天然素材のものや、それらを適宜組み合わ
せたものが使われる。このような表面材に、必要に応じ
て、更にウレタンフォームやポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィンフォームからなる発泡層を単
層または複層で積層したものが使用できる。
【0034】また、本発明の自動車天井材用内装材に難
燃性が必要とされるばあい、難燃性を付与されている表
皮材を使用することが好ましい。つぎに、本発明の自動
車天井材用内装材の製造法について説明する。本発明に
おいて使用される変性PPE系樹脂発泡層(1次発泡
層)は、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂または
PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたグラフ
ト、ブロックなどの共重合体に、要すれば各種の添加材
を加えたものを押出機により150℃〜400℃で溶融
・混練し、ついで150〜400℃、3〜50Mpaの高
温高圧下で樹脂100部に対して発泡剤1〜15部を圧
入し発泡最適温度(150〜300℃)に調節して、サ
ーキュラーダイなどを使い低圧帯(通常大気中)に押し
出したのち、マンドレルなどに接触させて、例えば0.
5〜40m/分の速度で引き取りながらシート状に成形
し、カット後巻き取るなどの方法により製造することが
できる。
【0035】前記変性PPE系樹脂発泡層を製造する際
に使用される発泡剤としては、ブタン、プロパン、ペン
タン、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロフロロメタ
ン、ジクロロエタン、ジクロロジフロロエタン等の炭化
水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤などがあげ
られる。これらは単独で使用してもよく、2種以上組み
合わせて使用しても良い。なかでも炭化水素系発泡剤が
汎用性、コストの面から好ましい。
【0036】前記1次発泡層に熱可塑性樹脂非発泡層を
積層する方法としては、あらかじめフィルム状に成形し
た樹脂を発泡成形され供給される1次発泡層の上面およ
び(または)下面に熱ロール等により接着する方法、多
層押出金型を用いて行う共押出積層方法などがあげられ
るが、あらかじめ発泡成形して、供給される1次発泡層
の上面および(または)下面に押出機から供給した非発
泡層用樹脂組成物を層状に積層し、可塑状態にある非発
泡層を冷却ローラーなどによって固着する方法が好まし
い。なかでも、1次発泡層の押出発泡シート成形と非発
泡層の押出をインラインで行って積層する方法が製造工
程が簡略化できる点で望ましい。
【0037】えられた1次発泡積層シートから自動車天
井材用内装材である成形した2次発泡積層シートを成形
する方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央
に1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適し
た温度、たとえば120〜200℃に加熱して2次発泡
させたのち、温度調節した金型にて真空成形、圧空成形
する。真空成形、圧空成形の例としてプラグ成形、フリ
ードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リ
ッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、
ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成
形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロ
ー成形などの方法があげられる。このうち、プラグ成
形、マッチド・モールド成形等、自動車内側(凸)金
型、自動車外側(凹)金型の両方の金型が存在し、それ
ぞれの温調可能な金型を使用するのが望ましい。
【0038】前記成形における加熱によって発泡積層シ
ートの表面にケロイド状態が発生する前の状態で成形す
るのが好ましい。本発明者の研究の結果、成形加熱時に
表面にケロイド状態が発生した状態で成形を行うと、独
立気泡率が低くなり、成形体の剛性が低下することが見
出されている。ケロイド状態は発泡層のセル膜の破泡に
より生ずるものであり、そのため独立気泡率の低下が生
じるためである。
【0039】このようにして、本発明の自動車天井材用
内装材が製造される。前記成形された2次発泡積層シー
トである自動車天井材用内装材に表皮層を形成する方法
としては、あらかじめ表皮材に接着剤をつけてあるもの
を1次発泡積層シートに熱ロールなどを用いて接着する
方法、接着剤を1次発泡積層シートにバインダーラミネ
ーション法やあらかじめフィルム状に成形された接着剤
を熱ラミネーション法などにより積層した発泡積層シー
トに表皮材を熱ロール等を用いて接着する方法、1次発
泡積層シートに表皮材を仮止めし、加熱成型時に成形と
接着を同時に行う方法、接着剤を1次発泡積層シートに
積層する際に表皮材を同時に接着する方法等が挙げられ
る。
【0040】前記接着剤としては、熱可塑性接着剤、ホ
ットメルト接着剤、ゴム系接着剤、熱硬化性接着剤、モ
ノマー反応型接着剤、無機系接着剤、天然物接着剤等が
あげられるが、接着が容易な点でホットメルト接着剤が
好適である。前記のごとき本発明の自動車内装材用発泡
積層シートは、2次発泡積層シート成形体の耐熱性を向
上させる手段として、成形時の熱変形を低減させる事が
有効であり、その方法として、変性PPE系樹脂発泡層
より低い耐熱性のPS樹脂非発泡層を片面に、変性PP
E系樹脂非発泡層を他方の片面に積層する組み合わせに
すると共に、成形時の残留歪をバランスさせるためにP
S系樹脂非発泡層の薄肉化(厚さ比0.7倍以下)にす
る事でより耐熱性を向上させ、熱変形を起こさない、軽
量で且つ安価な自動車内装材および自動車内装材用成形
体、特には自動車天井材用成形体を提供することができ
る。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。な
お、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではな
い。下記実施例における倍率、独立気泡率、セル径の測
定については、次の方法に従って行った。 (倍率)JIS K 7112「プラスチックの密度と
比重の測定法」のA法(水中置換法による測定方法)に
準じて測定した見かけ密度の逆数。 (気泡の大きさ)発泡体断面を透過型電子顕微鏡にて観
察し、発泡体の幅方向の数平均気泡径を測定した。 (独立気泡率)マルチピクノメータ(湯浅アイオニクス
(株)社製)を用いて、ASTM D2856に準じた
方法で測定した。
【0042】実施例・比較例に用いた樹脂を表1に示
す。
【0043】
【表1】
【0044】成形体の耐熱性試験として、以下の実装耐
熱試験を行なった。すなわち、実装耐熱性試験方法とし
て、自動車天井材用成形体(図1、サイズ930mm×1
425mm)を自動車天井部に装着しサンバイザー・ルー
ムミラー・ルームランプ・ガニッシュ・ピラーを介して
実車と同等となる様に固定した。また、フロント部分に
測定点を6点、成形体の中心線と対称に120mm間隔
で刻印した(図1中a〜f)。フロント部の測定点付近
に標線を設け、垂直方向の距離を測定した。次に85±
1℃に設定した恒温室に取り付けた自動車天井部を24
時間投入した後、成形体フロント部に刻印された測定点
の垂直方向の寸法変化量を測定し、a〜fの最小値を記
録した。なお、垂直反り上がり方向をプラス(+)、垂
直垂れ下がり方向をマイナス(−)として測定した。
【0045】耐熱性の評価基準は以下の通りである。 ◎:垂直方向の変化量が−0.2mm以上。 ○:垂直方向の変化量が−0.2mmより小さく、−1.
0mm以上。 △:垂直方向の変化量が−1.0mmより小さく、−3.
0mm以上。 ×:垂直方向の変化量が−3.0mmより小さい。
【0046】以下の記載において、HIPSはハイイン
パクトポリスチレンを意味する。
【0047】
【実施例1】PPE樹脂成分40重量%,PS樹脂成分
60重量%となるようにPPE樹脂(A)72.7%と
PS樹脂(B)27.3%とを混合した混合樹脂100
重量部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤
(重量比でiso/n=85/15)3重量部及びタル
ク0.32重量部を押出機により混練し、樹脂温度19
8℃まで冷却し、サーキュラーダイスにより押出し、8
m/分の速さの引き取りロールを介して巻取りロールに
ロール状に巻き取られた。一次厚み2.6mm、一次発
泡倍率11倍、独立気泡率85%、セル径0.19m
m、目付け240g/m2の発泡層を得た。
【0048】得られたシートを繰り出し、HIPS
(C)83.3重量%に耐衝撃性改良剤(D)16.7
重量%(全ゴム成分15重量%)を溶融・混練し、Tダ
イを用いて樹脂温度245℃で押出し、発泡層の片面に
厚み65μmの非発泡層を積層した。PS系樹脂非発泡
層を積層したシートに、PPE成分30%、PS系樹脂
成分70%となるように変性PPE樹脂(A)54.5
%、PS樹脂(B)45.5%を溶融・混練し、Tダイ
を用いて樹脂温度275℃で押出し、発泡層の他方の面
の片面に厚み120μmの非発泡層を積層し、両面に非
発泡層を有する発泡積層シートを得た。
【0049】次に得られた発泡積層シートの四方をクラ
ンプし、オーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が1
35℃となるように60秒加熱した後、金型クリアラン
ス4.2mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチ
ング加工を施し、良好な自動車天井材用成形体を得た。
得られた成形体のPS系樹脂非発泡層が天井側になるよ
うに装着し、耐熱性を評価した。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【実施例2】PS系樹脂非発泡の厚みを160μm、変
性PPE系樹脂非発泡層の厚みを300μmとした以外
は実施例1と同様の方法で良好な自動車天井材用成形体
を得た。得られた成形体について耐熱性を評価した。結
果を表2に示す。
【0052】
【実施例3】PPE樹脂成分55重量%,PS樹脂成分
45重量%とからなる変性PPE樹脂(A)100%に
対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(重量比で
iso/n=85/15)3重量部及びタルク0.32
重量部を押出機により混練し、樹脂温度205℃まで冷
却し、サーキュラーダイスにより押出し、8m/分の速
さの引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に
巻き取られた。一次厚み2.6mm、一次発泡倍率11
倍、独立気泡率85%、セル径0.19mm、目付け2
40g/m2の発泡層を得た得られたシートを繰り出
し、HIPS(C)83.3重量%に耐衝撃性改良剤
(D)16.7重量%(全ゴム成分15重量%)を溶融
・混練し、Tダイを用いて樹脂温度245℃で押出し、
発泡層の片面に厚み65μmの非発泡層を積層した。
【0053】PS系樹脂非発泡層を積層したシートに、
PPE成分50%、PS系樹脂成分50%となるように
変性PPE樹脂(A)90.9%、PS樹脂(B)9.1
%を溶融・混練し、Tダイを用いて樹脂温度275℃で
押出し、発泡層の他方の面の片面に厚み120μmの非
発泡層を積層し、両面に非発泡層を有する発泡積層シー
トを得た。
【0054】次に得られた発泡積層シートの四方をクラ
ンプし、オーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が1
35℃となるように60秒加熱した後、金型クリアラン
ス4.2mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチ
ング加工を施し、良好な自動車天井材用成形体を得た。
得られた成形体のPS系樹脂非発泡層が天井側になるよ
うに装着し、耐熱性を評価した。結果を表2に示す。
【0055】
【実施例4】PS系樹脂非発泡の厚みを160μm、変
性PPE系樹脂非発泡層の厚みを300μmとした以外
は実施例3と同様の方法で良好な自動車天井材用成形体
を得た。得られた成形体について耐熱性を評価した。結
果を表2に示す。
【0056】
【比較例1】PS系樹脂非発泡層の厚みを120μmと
して、発泡層の両面に積層した以外は、実施例1と同様
の方法で良好な自動車天井材用成形体を得た。得られた
成形体について耐熱性を評価した。結果を表2に示す。
【0057】
【比較例2】PS系樹脂非発泡層の厚みを300μm、
変性PPE系樹脂非発泡層の厚みを300μmとした以
外は、実施例3と同様の方法で良好な自動車天井材用成
形体を得た。得られた成形体について耐熱性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0058】表2の結果より、比較例に比べて実施例
は、耐熱性が良く、自動車天井用成形体として優れてい
る事が分かる。実施例1,2,3,4のように発泡層の
PPE比率、片面側の非発泡層のPPE比率を変更して
も耐熱性に優れた効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例において成形された
自動車天井材用成形体をパンチングによるトリミングを
行った後の平面形状を説明するための平面説明図であ
る。
【図2】本発明による自動車内装材用成形体を自動車に
装着した状態を示すための一部切欠説明図である。
【符号の説明】
1 自動車天井材用成形体 2 アシストグリップ取り付け穴 3 サンバイザー取り付け穴 4 ルームミラー取り付け穴 5 室内灯取り付け穴

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡
    層の片面に変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる
    非発泡層を、他方の片面にポリスチレン系樹脂からなる
    非発泡層を積層してなり、前記両非発泡層の厚さに差を
    設けた事を特徴とする自動車内装材用発泡積層シート。
  2. 【請求項2】 両非発泡層の厚さ比が0.7以下である
    請求項1記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  3. 【請求項3】 非発泡層の厚さが50〜350μmであ
    る請求項1〜2記載の自動車内装材用発泡積層シート。
  4. 【請求項4】 非発泡層のポリスチレン系樹脂がハイイ
    ンパクトポリスチレンである請求項1〜3記載の自動車
    内装材発泡積層シート。
  5. 【請求項5】 非発泡層のポリスチレン系樹脂が耐衝撃
    性改良剤を含有したものである請求項1〜4記載の自動
    車内装材用発泡積層シート。
  6. 【請求項6】 非発泡層の変性ポリフェニレエーテル系
    樹脂がフェニレンエーテル成分を15重量%以上60重
    量%未満含有する請求項1〜5記載の自動車内装材用発
    泡積層シート。
  7. 【請求項7】 発泡層の変性ポリフェニレンエーテル系
    樹脂中のフェニレンエーテル成分の含有量が35重量%
    以上75重量%未満、スチレン系成分が25重量%以上
    65重量%未満である請求項1〜6記載の自動車内装材
    用発泡積層シート。
  8. 【請求項8】 一次発泡積層シートの発泡層が、発泡剤
    を添加し押出発泡させて得られる、一次厚みが1〜5m
    m、一次発泡倍率が3〜20倍、セル径が0.05〜
    0.9mm、独立気泡率が70%以上の変性ポリフェニ
    レンエーテル系樹脂発泡シートである請求項1〜7記載
    の自動車内装材用発泡積層シート。
JP31013697A 1997-11-12 1997-11-12 自動車内装材用発泡積層シート Pending JPH11138707A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003028998A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Kaneka Corporation Feuille de mousse a structure empilee pour materiau d'habitacle de vehicule comprenant de la resine recyclee et procede de recyclage d'un materiau d'habitacle de vehicule

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003028998A1 (fr) * 2001-09-28 2003-04-10 Kaneka Corporation Feuille de mousse a structure empilee pour materiau d'habitacle de vehicule comprenant de la resine recyclee et procede de recyclage d'un materiau d'habitacle de vehicule

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