JPH1113813A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH1113813A
JPH1113813A JP16843597A JP16843597A JPH1113813A JP H1113813 A JPH1113813 A JP H1113813A JP 16843597 A JP16843597 A JP 16843597A JP 16843597 A JP16843597 A JP 16843597A JP H1113813 A JPH1113813 A JP H1113813A
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JP
Japan
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cylinder
oil chamber
piston
piston rod
chamber
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JP16843597A
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Tadashi Hasegawa
正 長谷川
Tsutomu Naito
力 内藤
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シリンダ2を、ピストンが摺動する内シ
リンダ4と、内シリンダ4の外側に設けた外シリンダ3
との二重シリンダで構成し、且つ内外のシリンダ4,3
間には、ピストン15で区分される上部油室Aと下部油
室Bとを連通させる連通路5を設け、シリンダの底部に
は、ピストンロッド16の伸張側行程時に連通路5を介
して上部油室Aから下部油室Bへのオイル流れにより減
衰力を発生する伸張側減衰力発生弁20と、ピストンロ
ッド15の圧縮側行程時に連通路介して下部油室Bから
上部油室Aへのオイルの流れを許容する逆止弁22とを
備えるバルブ装置を設けた。 【効果】 ピストンロッドの圧縮行程時における減衰力
発生値の設定の自由度を増すことができるとともに、ピ
ストンロッドの伸張行程時における減衰力発生を安定さ
せ、更にリザーバ室のガス圧を高圧にする必要がなく、
この種緩衝器においてシール構造の簡素化を図ることが
でき、構造が簡素で、外形を小型化することができ、組
立、製作上も好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空ロッド式のピ
ストンロッドを備え、ピストンロッドの中空ロッド内に
リザーバ室を備え、ピストンで区分される上部油室と下
部油室との間に連通路を備える式の油圧緩衝器の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば特
開昭63−203938号が開示されている。この技術
は、中空ピストンロッド内にガスを封入してリザーバ室
を構成し、ピストン上室と下室との間を外部連通路を介
して接続し、該外部通路には、伸張側、及び圧縮側の減
衰力調整機構を介在させ、減衰力調整機構は、圧縮行
程、伸張行程において、所定圧以上で開放し、減衰力を
発生するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術では、
ピストンロッドの圧縮行程時において、高い減衰力を設
定するために絞りを強くすると、ピストン上部油室への
オイルの補給が不充分となり、この部分が負圧となり、
次の伸張行程への移行挙動が円滑になされ難く、ピスト
ンロッドの伸張行程時における減衰力発生を不安定にす
る。
【0004】又ピストンロッドの圧縮行程時における減
衰力は、リザーバ室のガス圧に依存しているので、所望
の減衰力値を得るためには、ガス圧を高圧にする必要が
あり、この結果、高圧のガス圧に耐え得る高価なシール
構造を必要とすることとなる。
【0005】更に、ピストン上部油室とピストン下部油
室との間に外部通路を設け、外部通路内に伸張・圧縮両
行程で作用する両効き機能を有する減衰力調整機構を設
けるため、構造が複雑化し、又外部に通路を設けるの
で、シリンダの外側に配管が露出し、減衰力調整機構が
シリンダ外部に設けることで、組立工数が多くなり、組
立性の点で好ましいとはいえない。又通路が外部に配置
され、減衰力調整機構が配置されていることから、油圧
緩衝器全体の外形が大きくなり、小型化の要請に反する
他、外観性の点においても好ましいとはいえない。
【0006】本発明は、以上の課題を解決すべくなされ
たもので、その目的とする処は、中空ロッド式のピスト
ンロッドを備え、ピストンロッドの中空ロッド内にリザ
ーバ室を備え、ピストンで区分される上部油室と下部油
室との間に連通路を備える式の油圧緩衝器において、ピ
ストンロッドの圧縮行程時における減衰力発生値の設定
の自由度を増すことができるとともに、ピストンロッド
の伸張行程時における減衰力発生を安定させ、更にリザ
ーバ室のガス圧を高圧にする必要がなく、この種緩衝器
のにおいてシール構造の簡素化を図ることができ、構造
が簡素で、外形を小型化することができ、組立、製作上
も好ましい油圧緩衝器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1は、底部を有するシリンダにピストンを上下
摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部油室、及び下部
油室に区分し、ピストンには上方から中空ピストンロッ
ドを取り付け、該中空ピストンロッド内にはリザーバ室
を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積の変化に伴っ
てオイルを出し入れするようにした油圧緩衝器におい
て、ピストンは、シリンダ内を上部油室、及び下部油室
に区分するように盲ピストンで構成し、シリンダを、前
記ピストンが摺動する内シリンダと、該内シリンダの外
側に設けた外シリンダとの二重シリンダで構成し、且つ
内外のシリンダ間には、ピストンで区分される上部油室
と下部油室とを連通させる連通路を設け、シリンダの底
部には、ピストンロッドの伸張側行程時に連通路を介し
て上部油室から下部油室へのオイル流れにより減衰力を
発生する伸張側減衰力発生弁と、ピストンロッドの圧縮
側行程時に連通路介して下部油室から上部油室へのオイ
ルの流れを許容する逆止弁とを備えるバルブ装置を設け
た。
【0008】請求項1においては、ピストンロッドの圧
縮行程時においては、ピストンの下部油室のオイルは、
バルブ装置の逆止弁から連通路を介して上部油室に補給
され、ピストン上部油室へのオイルの補給が充分になさ
れるので、ピストン圧縮行程時にピストン上の上部油室
内に負圧が発生することがなく、ピストン圧縮行程から
伸張行程時への移行に際し、ピストンロッドの伸張行程
時における減衰力を安定させることができる。
【0009】請求項2は、底部を有するシリンダにピス
トンを上下摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部・下
部油室に区分し、ピストンには上方から中空ピストンロ
ッドを取り付け、該中空ピストンロッド内にはリザーバ
室を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積の変化に伴
ってオイルを出し入れするようにした油圧緩衝器におい
て、ピストンは、シリンダ内を上部油室、・下部油室に
区分するように盲ピストンで構成し、シリンダを、前記
ピストンが摺動する内シリンダと、該内シリンダの外側
に設けた外シリンダとの二重シリンダで構成し、且つ内
外のシリンダ間には、ピストンで区分される上部油室と
下部油室とを連通させる連通路を設け、シリンダの底部
には、ピストンロッドの伸張側行程時に連通路を介して
上部油室から下部油室へのオイル流れにより減衰力を発
生する伸張側減衰力発生弁と、ピストンロッドの圧縮側
行程時に連通路介して下部油室から上部油室へのオイル
の流れを許容する逆止弁とを備える第1のバルブ装置を
設け、中空ピストンロッドの下端には、該ピストンロッ
ドの圧縮側行程時に下部油室からリザーバ室へのオイル
の流れによって減衰力を発生する圧縮側減衰力発生弁
と、ピストンロッドの伸張側行程時にリザーバ室から下
部油室へのオイルの流れを許容する逆止弁とを備える第
2のバルブ装置を設けた。
【0010】請求項2においては、上記請求項1の作用
とともに、ピストン圧縮行程時における減衰力は、リザ
ーバ室のガス圧に依存すること無く、中空ロッド下端部
に第2バルブ装置を設け、これの圧縮側減衰力発生バル
ブの作動により、所望の減衰力を得ることができる。特
に前記したように圧縮行程時に第1バルブ装置の逆止弁
が開いて下部油室内の高圧を内外シリンダ間の連通路を
介してピストン上部油室内に逃すので、リザーバ室内の
ガス圧に依存することなく、ガス圧を高圧にする必要が
無い。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明にかかる油圧緩衝器の全体を
示す縦断正面図、図2は油圧緩衝器の部分拡大縦断正面
図、図3はピストンロッド伸張行程時の作用を示す縦断
正面図、図4はピストンロッド圧縮行程時の作用を示す
縦断正面図である。
【0012】図において1は油圧緩衝器を示し、油圧緩
衝器1の全体は図1に示す如くで、軸方向に長いシリン
ダ2、該シリンダ2内に上下摺動可能に挿入され、嵌め
合わされたピストン15、該ピストン15を下端部で支
持する中空のピストンロッド16を備える。シリンダ2
は、同心に配置された内外二重のシリンダ、即ち軸方向
に長い外シリンダ3、該外シリンダ3よりも軸方向長さ
が小さい内シリンダ4からなり、外シリンダ3の底部は
底蓋6で閉塞し、内外のシリンダ3,4間には環状の連
通路5を設ける。
【0013】外シリンダ3の下部周には、図示しない車
輪のナックルへの連結用ブラケット7が設けられてお
り、又外シリンダ3の中間上部周には、車体と油圧緩衝
器間に介装される懸架バネ受け用のスプリングシート8
を備える。前記した内シリンダ4の上端部周にはロッド
ガイド9を配置し、この構造を図2で拡大して示し、ロ
ッドガイド9で内シリンダ4の上端部4aの保持と外シ
リンダ3の内径部の間隙を所定に設定、保持する。ロッ
ドガイド9の内径部に中空ピストンロッド16の外径部
と摺接するベアリングを設ける。
【0014】外シリンダ3の上端部3aは、内シリンダ
4の上端部4aの上方に位置し、上端部の内径部にオイ
ルシール10を設けて中空ロッド16間をシールし、上
端縁部を内径方向へロールカシメして閉塞する。また、
この閉塞部にバンプストッパ11を圧入固定する。又図
2で詳細に示すように、内シリンダ4の下端部4b内に
ボトムバルブボディ12の環状段部12bを圧入により
固定配置し、ボトムバルブボディ12の外径部12aに
接する底部テーパー部12cと、外シリンダ3の下端部
に接する底蓋6のテーパー部6cとで位置決め、保持さ
れる。よって、外シリンダ3の下端部3bの内径部と、
内シリンダ4の下端部4bの外径部との間の間隙を所定
に設定、保持する。
【0015】以上のボトムバルブボディ12の底部に
は、図2に示すように、内外のシリンダ3,4間の前記
した連通路5を連通させる下部連通孔13を複数放射状
に設ける。一方、内シリンダ4の上部で、前記したロッ
ドガイド9の直下には、内外のシリンダ3,4間の前記
連通路5と後述するピストンで区分される上部油室Aと
を連通させる上部連通孔14を複数放射状に設ける。
【0016】以上の内シリンダ3内には、ピストン15
を軸方向に摺動自在にに嵌め合せるように挿入し、ピス
トン15は中空ピストンロッド16の下端部周に固着さ
れており、図2において15aはピストンリングであ
り、ピストン15により上部油室Aと下部油室Bとに区
分し、ピストン15は上下の油室AとBとを連通しない
ように盲に構成する。
【0017】ピストンロッド16は下端を開放した中空
であり、上端部に車体への取付部17を備え、具体的は
ボルト状に形成し、車体側にマウントラバー等を介して
取り付け、支持する。又中空のピストンロッド16の上
半部には、エア、不活性ガス等を封入してリザーバ室C
を形成する。
【0018】前記した内シリンダ4の下端部には第1の
バルブ装置18を設ける。第1のバルブ装置18は、前
記したボトムバルブボディ12をバルブボディとし、バ
ルブボディ12には、シリンダ4の軸方向に伸び側油路
19を設け、該伸び側油路19の上端部に設けたバルブ
シート部19a上面を、板バネで構成した伸び側減衰力
発生バルブ20で閉塞する。又バルブボディ12には、
前記伸び側油路19を避ける位置に、圧縮側油路21を
該伸び側油路19と同方向に設ける。又該圧縮側油路2
1の下端部に設けたバルブシート部21aを、板バネで
構成したチェックバルブ22で閉塞する。
【0019】これ等伸び側減衰力発生バルブ20、及び
チェックバルブ22は、ボトムバルブボディ12の中心
部に縦通した取付ボルト23、ワッシャ24、,25、
ナット26等で取付、固定する。
【0020】又前記した中空ロッド16の下端部で、ピ
ストン15を取付、支持する部分の下向きに開放された
部分の内径部には、リザーブ室Cとピストン下部油室B
とを区分する第2バルブ装置27を設ける。第2バルブ
装置27のバルブボディ28には、シリンダ4の軸方向
に圧縮側油路29を設け、該圧縮側油路29上端部に設
けたバルブシート部29a上面を、板バネで構成した圧
縮側減衰力発生バルブ30で閉塞する。
【0021】又第2バルブ装置27のバルブボディ28
には、前記圧縮側油路29を避ける位置に、伸び側油路
31を該圧縮油路29と同方向に設け、該油路31の下
端部に設けたバルブシート部31aを、板バネで構成し
たチェックバルブ32で閉塞する。これ等圧縮側減衰力
発生バルブ30、及びチェックバルブ32は、バルブボ
ディ28の中心部に縦通した取付ボルト33、ワッシャ
34、,35、ナット36等で取付、固定する。
【0022】次に上記した緩衝器1の伸張行程、圧縮行
程の作動を説明する。図3は油圧緩衝器1の伸張行程時
の挙動を示すもので、ピストンロッド16が白抜き矢印
のように上方へ摺動し、シリンダ2との間で伸張作動を
行う。この場合、ピストンロッド16の上昇に伴って、
ピストン15も内シリンダ4内において摺動しつつ上昇
する。以上の伸張作動で、ピストン15は盲の状態で上
部油室Aは高圧側となり、下部油室Bは低圧側となる。
【0023】ピストン15は、盲状で上部油室Aと下部
油室Bとを区分しているので、上部油室Aのオイルは矢
印のように上方へ押圧され、内シリンダ4上部の上部
連通孔14から矢印のように内外シリンダ3,4間の
連通路5に流入し、連通路5内に流入して昇圧されたオ
イルは、矢印のように下部連通孔13から第1バルブ
装置18の下側に流入する。
【0024】伸張行程の伸び側挙動により昇圧したオイ
ルは、伸び側油路19に作用し、これを閉塞する伸び側
減衰力発生バルブ20を開き、矢印のようにオイルは
ピストン下部油室B内に流入する。この際、伸び側減衰
力発生バルブ20、及び伸び側油路19による絞りで、
伸び側の減衰力を発生する。
【0025】一方、ピストンロッド16の上昇で、その
体積分のオイルが下部油室Bに不足することにより負圧
となり、この差圧によりピストンロッド16の下端部に
設けられた第2バルブ装置27のチェックバルブ32が
開き、第2バルブ装置27上部のオイルは、図3の矢印
のように伸び側油路31を介して下部油室B内に流入
する。
【0026】ピストン15の上動で、内外シリンダ3,
4間に設けた連通路5を通し、下部油室B内に流入する
オイルを絞ることで得る伸び側減衰力は、内シリンダ4
の底部に設けた第1バルブ装置18により専ら得ること
となるので、伸び側油路の径、伸び側減衰力発生バルブ
の設定は、圧縮側減衰力に考慮することなく任意に行う
ことができ、この種油圧緩衝器の伸張行程の減衰力を任
意に、自由に設定することが可能である。従って、オイ
ルシールは簡易なもので足りることとなる。
【0027】次に圧縮行程時の作動を図4で説明する。
ピストンロッド16は白抜き矢印のように下動し、ピス
トン15は内シリンダ4内径部を下方に摺動する。これ
により、下部油室Bは高圧側となり、上部油室A及びリ
ザーバ室Cは低圧側となる。
【0028】上記のように、ピストン15の下動で下部
油室B内のオイルは押圧され、第2バルブ装置27下面
の圧力は上昇し、第2バルブ装置の圧縮側油路29に高
圧が作用し、上方の該油路29を塞ぐ圧縮側減衰力発生
バルブ30を開き、オイルは図4の矢印に示すように
油路29を通って第2バルブ装置27の上方に流入し、
即ち、リザーバ室Cを有する側に流入する。
【0029】この下部油室Bから上部のリザーバ室への
オイルの流れは、圧縮側減衰力発生バルブ30、及び圧
縮側油路29で絞られ、緩衝器1の圧縮行程時における
減衰力を得る。このように第2バルブ装置27の圧縮側
発生バルブ30で圧縮側減衰力は発生し、圧縮側減衰力
は、該バルブ装置27の圧縮側油路29の径、圧縮側減
衰力発生バルブ30により決めることができる。
【0030】圧縮側減衰力は、第2バルブ装置27によ
り専ら得ることとなるので、圧縮側油路の径、伸び側減
衰力発生バルブの設定は、伸び側減衰力に考慮すること
なく任意に行うことができる。従って、この種油圧緩衝
器の圧縮行程の減衰力を任意に、自由に設定することが
可能である。
【0031】一方、ピストンロッド16の下動により下
部油室Bの圧力は上昇し、他方ピストン15上面の上部
油室Aは、ピストン15の下動により前記のように低圧
(負圧)となる。ところで、前記したように内シリンダ
4の底部に設けた第1バルブ装置18には、前記したよ
うに圧縮行程時に作用するチェックバルブ22を備え
る。従って、圧力が高まった下部油室Bの圧は、第1バ
ルブ装置18の圧縮側油路21に作用し、これを閉塞す
るチェックバルブ22を開き、下部油室B内のオイル
は、図4の矢印に示すように、圧縮側油路21を通っ
て第1バルブ装置18の下方に流入することとなる。
【0032】このオイルは、下部連通孔13を通って内
外シリンダ3,4間の連通路5に至り、連通路5の後部
に設けた内シリンダ4の上部連通孔14を通り、図4に
おける矢印で示すように、ピストン15上面の上部油
室A内に流入する。この結果、ピストン15の上面の上
部油室Aには圧縮側挙動時においてオイルが補給される
こととなり、ピストン15の圧縮側挙動時における上部
油室Aの負圧の発生によるオイルの不足は防止されるこ
ととなる。
【0033】従って、圧縮行程から伸張行程への移行に
際し、下動したピストン15の上部油室A内には、充分
のオイルが前記により補給されて存在することとなり、
圧縮行程から伸張行程へ挙動が変化しても、ピストン1
5上面の上部油室Aには充分のオイルが補給され、存在
することから、伸張行程時の伸び側挙動は円滑に、安定
してなされることとなる。このため、圧縮行程から伸張
行程へ移行した際、安定した伸び側減衰力を得ることが
できる。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、底部を有するシリンダにピストン
を上下摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部油室、及
び下部油室に区分し、ピストンには上方から中空ピスト
ンロッドを取り付け、該中空ピストンロッド内にはリザ
ーバ室を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積の変化
に伴ってオイルを出し入れするようにした油圧緩衝器に
おいて、ピストンを、シリンダ内を上部油室、及び下部
油室に区分するように盲ピストンで構成し、シリンダ
を、前記ピストンが摺動する内シリンダと、該内シリン
ダの外側に設けた外シリンダとの二重シリンダで構成
し、且つ内外のシリンダ間には、ピストンで区分される
上部油室と下部油室とを連通させる連通路を設け、シリ
ンダの底部には、ピストンロッドの伸張側行程時に連通
路を介して上部油室から下部油室へのオイル流れにより
減衰力を発生する伸張側減衰力発生弁と、ピストンロッ
ドの圧縮側行程時に前記連通路介して下部油室から上部
油室へのオイルの流れを許容する逆止弁とを備えるバル
ブ装置を設けた。
【0035】従って、ピストンロッドの圧縮行程時にお
いては、ピストンの下部油室のオイルは、バルブ装置の
逆止弁から連通路を介して上部油室に補給することがで
き、圧縮行程時におけるピストン上部油室へのオイルの
補給が充分になされるので、ピストンロッドの圧縮行程
時にピストン上の上部油室内に負圧が発生することがな
い。このため、ピストン圧縮行程から伸張行程時への移
行に際し、ピストンの上部油室に充分のオイルが存在す
ることから、ピストンロッドの伸張行程時における減衰
力を安定させることができる。
【0036】又ピストンロッドの伸張行程時に減衰力
は、シリンダ底部の専用の伸び側減衰力発生バルブに依
存するので、所望の減衰力値を得ることができ、性能、
機能の点で、安定した、又優れた油圧緩衝器を得ること
ができる。
【0037】請求項2では、底部を有するシリンダにピ
ストンを上下摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部油
室、及び下部油室に区分し、ピストンには上方から中空
ピストンロッドを取り付け、該中空ピストンロッド内に
はリザーバ室を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積
の変化に伴ってオイルを出し入れするようにした油圧緩
衝器において、ピストンを、シリンダ内を上部油室、及
び下部油室に区分するように盲ピストンで構成し、シリ
ンダを、ピストンが摺動する内シリンダと、該内シリン
ダの外側に設けた外シリンダとの二重シリンダで構成
し、且つ内外のシリンダ間には、ピストンで区分される
上部油室と下部油室とを連通させる連通路を設け、シリ
ンダの底部には、ピストンロッドの伸張側行程時に前記
連通路を介して上部油室から下部油室へのオイル流れに
より減衰力を発生する伸張側減衰力発生弁と、ピストン
ロッドの圧縮側行程時に連通路介して下部油室から上部
油室へのオイルの流れを許容する逆止弁とを備える第1
のバルブ装置を設け、中空ピストンロッドの下端には、
該ピストンロッドの圧縮側行程時に下部油室からリザー
バ室へのオイルの流れによって減衰力を発生する圧縮側
減衰力発生弁と、ピストンロッドの伸張側行程時にリザ
ーバ室から下部油室へのオイルの流れを許容する逆止弁
とを備える第2のバルブ装置を設けた。
【0038】従って、上記請求項1の効果とともに、中
空ロッド下端部に第2バルブ装置を設け、これの圧縮側
減衰力発生バルブの作動により、ピストン圧縮行程時に
おける減衰力を、リザーバ室のガス圧に依存すること無
く、所望の減衰力値を有する油圧緩衝器を得ることがで
きる。
【0039】この結果、高圧ガスに耐え得る高価なシー
ル構造を必要とせず、シール構造も簡易なもので足り
る。又一般的に採用される複筒式油圧緩衝器と基本構造
が同様なので、緩衝器の構造も複雑化することが無く、
更にピストン上下の油室を連通させる通路を、内外のシ
リンダ間に設け、従来にように連通路をシリンダ外に設
け、連通路に伸張、圧縮の両効きの減衰力発生装置を外
部に設けないので、構造が簡素であり、外形も大型化す
ることがなく、更に又減衰力発生装置は引張行程、圧縮
行程個々に作動するので、減衰力の発生も安定したもの
が得られる。以上の他、シリンダ内の底に第1バルブ
を、ピストンロッドの下端部に第2バルブを設けるの
で、外部に連通路を設け、且つ外部に減衰力発生装置を
設けないので、組立性も良く、製作上も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる油圧緩衝器の全体を示す縦断正
面図
【図2】油圧緩衝器の部分拡大縦断正面図
【図3】ピストンロッド伸張行程時の作用を示す縦断正
面図
【図4】ピストンロッド圧縮行程時の作用を示す縦断正
面図
【符号の説明】
1…油圧緩衝器、 2…シリンダ、 3…内シリンダ、
4…外シリンダ、5…連通路、 15…ピストン、
16…中空ピストンロッド、 18…第1バルブ装置、
20…伸び側減衰力発生バルブ、 22…逆止弁、
27…第2バルブ装置、 30…圧縮側減衰力発生バル
ブ、 32…逆止弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部を有するシリンダにピストンを上下
    摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部油室、及び下部
    油室に区分し、ピストンには上方から中空ピストンロッ
    ドを取り付け、該中空ピストンロッド内にはリザーバ室
    を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積の変化に伴っ
    てオイルを出し入れするようにした油圧緩衝器におい
    て、 前記ピストンは、シリンダ内を上部油室、及び下部油室
    に区分するように盲ピストンで構成し、 前記シリンダを、前記ピストンが摺動する内シリンダ
    と、該内シリンダの外側に設けた外シリンダとの二重シ
    リンダで構成し、且つ内外のシリンダ間には、ピストン
    で区分される上部油室と下部油室とを連通させる連通路
    を設け、 前記シリンダの底部には、ピストンロッドの伸張側行程
    時に前記連通路を介して前記上部油室から下部油室への
    オイル流れにより減衰力を発生する伸張側減衰力発生弁
    と、ピストンロッドの圧縮側行程時に前記連通路介して
    下部油室から上部油室へのオイルの流れを許容する逆止
    弁とを備えるバルブ装置を設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 底部を有するシリンダにピストンを上下
    摺動可能に挿入して該シリンダ内を上部油室、及び下部
    油室に区分し、ピストンには上方から中空ピストンロッ
    ドを取り付け、該中空ピストンロッド内にはリザーバ室
    を形成し、該リザーバ室にシリンダ内容積の変化に伴っ
    てオイルを出し入れするようにした油圧緩衝器におい
    て、 前記ピストンは、シリンダ内を上部油室、及び下部油室
    に区分するように盲ピストンで構成し、 前記シリンダを、前記ピストンが摺動する内シリンダ
    と、該内シリンダの外側に設けた外シリンダとの二重シ
    リンダで構成し、且つ内外のシリンダ間には、ピストン
    で区分される上部油室と下部油室とを連通させる連通路
    を設け、 前記シリンダの底部には、ピストンロッドの伸張側行程
    時に前記連通路を介して前記上部油室から下部油室への
    オイル流れにより減衰力を発生する伸張側減衰力発生弁
    と、ピストンロッドの圧縮側行程時に前記連通路介して
    下部油室から上部油室へのオイルの流れを許容する逆止
    弁とを備える第1のバルブ装置を設け、 前記中空ピストンロッドの下端には、該ピストンロッド
    の圧縮側行程時に下部油室から前記リザーバ室へのオイ
    ルの流れによって減衰力を発生する圧縮側減衰力発生弁
    と、ピストンロッドの伸張側行程時にリザーバ室から下
    部油室へのオイルの流れを許容する逆止弁とを備える第
    2のバルブ装置を設けた、 ことを特徴とする油圧緩衝器。
JP16843597A 1997-06-25 1997-06-25 油圧緩衝器 Pending JPH1113813A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015108451A (ja) * 2009-03-03 2015-06-11 オーリンス・レイシング・エービーOehlins Racing Ab ストロークの初期における減衰が弱められた2つのピストンを備えた緩衝装置

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