JPH11138008A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

排ガス浄化用触媒

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JPH11138008A
JPH11138008A JP9312381A JP31238197A JPH11138008A JP H11138008 A JPH11138008 A JP H11138008A JP 9312381 A JP9312381 A JP 9312381A JP 31238197 A JP31238197 A JP 31238197A JP H11138008 A JPH11138008 A JP H11138008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SiO2/Al2O3比が1000以上ときわめて大きな結晶
性シリカ多孔体を用いて、触媒貴金属の高分散担持と触
媒貴金属のシンタリングの抑制という背反事象を両方と
も満足させる。 【解決手段】モル比(SiO2/Al2O3)が1000以上であると
ともに歪な形状の粒子を5体積%以上含む担体を用い、
その担体にPtをイオン交換担持する。Ptは歪な粒子
のメソ細孔内に高分散担持され、メソ細孔の径を超える
粒成長が困難であるのでシンタリングが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の排気系など
に用いられて排ガス中の有害成分を浄化する排ガス浄化
用触媒に関し、詳しくはゼオライトなどの結晶性シリカ
多孔体よりなる担体を用いた排ガス浄化用触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばNOx を選択的に還元して浄化す
るNOx 選択還元型の排ガス浄化用触媒として、ゼオラ
イトに触媒金属を担持してなるディーゼル排ガス浄化用
触媒が知られている。ゼオライトは酸点が多く酸性質で
あるためHCの吸着能に優れ、排ガス中のHCを吸着す
る。したがって、酸素過剰雰囲気の排ガス中であっても
触媒近傍はHCが多いストイキ〜リッチ雰囲気となり、
担持された触媒金属の触媒作用により、NOx はゼオラ
イトに吸着されそれから放出されたHCと反応して還元
浄化される。
【0003】さらにゼオライトにはクラッキング作用が
あり、モルデナイト、 ZSM-5、超安定Y型ゼオライト
(US-Y)などのゼオライトは特に高いクラッキング作用
を示す。したがってこれらのゼオライトを触媒担体とし
て用いることにより、ディーゼル排ガス中のSOF(So
luble Organic Fraction)はクラッキングされてより反
応しやすい低分子のHCとなり、これによりNOx を一
層効率よく還元浄化することができる。
【0004】ゼオライトは、化学的にはテクトアルミノ
ケイ酸塩であり、結晶性シリカ多孔体の一種であって、
種々のSiO2/Al2O3比をもつゼオライトが知られている。
そしてこのSiO2/Al2O3比の値によって、ゼオライトの触
媒特性が大きく変化することがわかってきた。すなわ
ち、SiO2/Al2O3比の小さなゼオライトはイオン交換サイ
トが多く、高いクラッキング能と高いHC吸着能を示す
ため、これに触媒貴金属を担持した触媒はHC浄化能及
びNOx 浄化能に優れている。したがって従来の排ガス
浄化用触媒では、SiO2/Al2O3比が20〜100 と小さなゼオ
ライトが一般に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがSiO2/Al2O3
が小さくイオン交換サイトの多いゼオライトでは、水熱
耐久試験を行うと脱Al(ゼオライト構造中の四配位が
六配位となる)により容易に酸点が消失し、クラッキン
グ能が低下するという不具合がある。さらに、このよう
なゼオライトに触媒貴金属をイオン交換担持した触媒で
は、水熱耐久試験時の脱Alによりゼオライト構造が破
壊されるとともに、触媒貴金属が粒成長して活性が著し
く低下し耐久性が低いという不具合があった。
【0006】そこで、例えば特開平4-176337号公報に
は、 Si/Al比が40以上1000未満(SiO2/Al2O3に換算する
と80以上2000未満)の高シリカゼオライトに触媒貴金属
を担持した排ガス浄化用触媒が開示されている。 Si/Al
比の大きなゼオライトは、脱Alによる触媒貴金属の粒
成長(シンタリング)が抑制される。しかし Si/Al比の
大きなゼオライトでは、イオン交換サイトが少ないため
に触媒貴金属の十分な担持が困難となる。したがって使
用初期からNOx 浄化能が低いという不具合がある。ま
た担持が、少ないイオン交換サイトに集中するため高分
散担持することが困難となり、かつゼオライト上では触
媒貴金属が動きやすいために、耐久後のシンタリングが
生じやすく耐久性に優れているとは言い難い。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、SiO2/Al2O3比が1000以上ときわめて大きな
結晶性シリカ多孔体を用いて、触媒貴金属の高分散担持
と触媒貴金属のシンタリングの抑制という背反事象を両
方とも満足させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、結晶性シリカ
多孔体よりなる担体に触媒金属が担持された排ガス浄化
用触媒であって、担体はモル比(SiO2/Al2O3)が1000以
上であるとともに、メソ細孔をもつ粒子を5体積%以上
含んでメソ細孔の細孔径のピーク値が 4.0nm以下にあ
る細孔分布を有し、少なくともメソ細孔に触媒貴金属が
イオン交換担持されていることにある。
【0009】また請求項2に記載の排ガス浄化用触媒の
特徴は、結晶性シリカ多孔体よりなる担体に触媒金属が
担持された排ガス浄化用触媒であって、担体はモル比
(SiO2/Al2O3)が1000以上であるとともに細孔径が4n
m以下のメソ細孔を0.070cm3/gを超える量で含み、少な
くともメソ細孔に触媒貴金属がイオン交換担持されてい
ることにある。
【0010】さらに請求項3に記載の排ガス浄化用触媒
の特徴は、結晶性シリカ多孔体よりなる担体に触媒金属
が担持された排ガス浄化用触媒であって、担体はモル比
(SiO2/Al2O3)が1000以上であるとともに歪な形状の粒
子を5体積%以上含み、担体に触媒貴金属がイオン交換
担持されていることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にいう結晶性シリカ多孔体
としては、ホウフッ石群、ホウソーダ群、A型ゼオライ
ト群、ホージャサイト群、ソーダフッ石群、モルデナイ
ト群、キフッ石群のほか、構造がまだ不明の合成ゼオラ
イトなどから選ばれるゼオライト、あるいはシリカライ
トなどが例示される。
【0012】そして本発明では、結晶性シリカ多孔体の
うちSiO2/Al2O3比が1000以上のものを担体として用いて
いる。SiO2/Al2O3比が1000未満であると、水熱耐久時の
脱Alによりその物質特有の細孔構造(ゼオライト構造
など)が破壊され易くなるとともに、イオン交換サイト
が多くなりそのイオン交換サイトに触媒貴金属が高分散
担持されるものの、脱Alにより触媒貴金属が粒成長し
て活性が低下するため耐久性に不具合が生じる。
【0013】請求項3に記載の排ガス浄化用触媒では、
上記担体として、歪な形状の粒子を5体積%以上含むも
のを用いている。ゼオライトなどの結晶性シリカ多孔体
の結晶は、直方体状、六角柱状など形の整った結晶であ
るのが通常であるが、稀に歪な形状のものが混在する。
この歪な粒子は、単結晶ではなく複数の単結晶が結合し
た状態(双晶)であると考えられるが、このような歪な
粒子ができる原因などはまだ解明されていない。
【0014】ところが本発明者らの実験によれば、この
ような歪な形状の粒子を所定量以上含む担体を用いて触
媒貴金属をイオン交換担持させると、触媒貴金属の高分
散担持と触媒貴金属のシンタリングの抑制という背反事
象が両方とも満足されることが明らかとなり、本発明に
至ったものである。歪な形状の粒子は、担体中に5体積
%以上含まれる必要がある。この粒子が5体積%未満で
あると、触媒貴金属の高分散担持が困難となり、使用初
期から浄化活性が低くなってしまう。
【0015】このように歪な粒子を含むことで触媒貴金
属を高分散担持できる理由は、歪な粒子は単結晶ではな
く複数の単結晶が結合した状態であり、結合した単結晶
どうしの粒界に通常の細孔より大きな径のメソ細孔が存
在し、そのメソ細孔に触媒貴金属が高分散担持されるこ
とによるものである。本発明者らの研究によれば、歪な
粒子を持つゼオライトは、整った結晶のゼオライト粒子
に比べて水酸基(OH)が多いことが確認され、触媒貴
金属のイオン交換担持後にはOH基の量が減少すること
も確認された。したがってこれらの事実から、歪な形状
の粒子は結晶化度が低いためにOH基が多く、そのOH
基に触媒金属がイオン交換担持されるものと推定され
た。また、この結晶は格子欠陥が多いと考えられ、大き
な格子欠陥は粒界同様メソ細孔となり、触媒貴金属がイ
オン交換担持されやすい。
【0016】また電子顕微鏡観察によると、触媒の耐久
試験後の触媒貴金属粒子は、極端にシンタリングしたも
のと、初期の倍程度の粒径の微細な粒子とに分かれるこ
とがわかった。また極端にシンタリングした粒子はゼオ
ライト担体の表面に多く、耐久試験後の触媒を粉砕する
ことで微細な粒子が観察されやすくなることから、微細
な粒子はゼオライト担体の内部に多いこともわかった。
さらに触媒貴金属は歪な粒子に選択的に担持されている
ことも明らかとなった。
【0017】そして歪な粒子をもつゼオライトをボール
ミルなどでミリングして粉砕することでメソ細孔が破壊
された担体に触媒貴金属を担持した触媒では、耐久試験
後に触媒貴金属のシンタリングが著しくなることも明ら
かとなった。したがって以上のことから、歪な粒子を含
む担体を用いた触媒において触媒貴金属のシンタリング
が抑制されるのは、触媒貴金属は歪な粒子のメソ細孔内
のOH基に付き、メソ細孔内から出られないためにメソ
細孔の径以上の大きさにシンタリングできないからであ
り、これにより耐久試験後も触媒貴金属は高分散担持状
態が維持されるものと推定される。
【0018】請求項1に記載したように、担体はメソ細
孔をもつ粒子を5体積%以上含んでメソ細孔の細孔径の
ピーク値が 4.0nm以下にある細孔分布をもつことが望
ましい。孔径のピーク値が 4.0nmを超えると、メソ細
孔内に担持された触媒貴金属が動き易くなってシンタリ
ングが生じ易くなる。好ましくは 1.5nm〜 4.0nmで
あり、 1.5nmより小さいと上記の効果が小さくなる。
【0019】またメソ細孔をもつ粒子が5体積%より少
ないと、触媒貴金属の高分散担持が困難となり、使用初
期から浄化活性が低くなってしまう。請求項2に記載し
たように、担体は細孔径が4nm以下のメソ細孔を0.07
0cm3/gを超える量で含むことが望ましい。細孔径が4n
m以下のメソ細孔の量が0.070cm3/gより少ないと、触媒
貴金属の高分散担持が困難となり、使用初期から浄化活
性が低くなってしまう。
【0020】触媒貴金属は担体にイオン交換により担持
される。つまり触媒貴金属イオンは、メソ細孔内のOH
基に優先的にイオン交換担持されるものと考えられ、メ
ソ細孔内に多く担持される。なお触媒貴金属としては、
白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(P
d)、イリジウム(Ir)、銀(Ag)などが例示さ
れ、その担持量は担体100g当たり Ptであれば
0.5〜10g、Rhであれば 0.1〜1g、Pdであれば1
〜20gの範囲が望ましい。担持量がこれらの範囲より少
ないと排ガス浄化用触媒としての浄化活性に乏しく、こ
れらの範囲より多く担持しても活性が飽和するとともに
コストが高騰する。
【0021】また触媒貴金属の担持に用いられる貴金属
塩としては、テトラアンミン白金水酸塩、テトラアンミ
ンロジウム水酸塩、ヘキサアンミン白金水酸塩、ヘキサ
アンミンロジウム水酸塩、テトラアンミンパラジウム水
酸塩などを用いることができ、これらの水溶液あるいは
アルコール溶液を担体と接触させることで触媒貴金属を
担持することができる。なお、塩の種類はこれらに限定
されない。
【0022】
【実施例】以下、試験例、実施例及び比較例により本発
明を具体的に説明する。 (試験例) <HC浄化性能>モル比(SiO2/Al2O3)を 40,200,800,
1000及び2000の5水準、歪な粒子を0,4,6及び20体
積%の4水準で含む ZSM-5粉末をそれぞれ用意した。歪
な粒子の量は走査型電子顕微鏡(SEM)観察にて測定
されている。
【0023】歪な粒子の量で分別された4種類の ZSM-5
粉末には、SiO2/Al2O3比にほとんど無関係に、細孔径4
nm以下のメソ細孔がそれぞれ0.042cm3/g,0.070cm3/
g,0.094cm3/g及び0.126cm3/g含まれ、メソ細孔の量と
歪な粒子の量との間には正の相関関係がある。なお、こ
のメソ細孔の量はN2 吸着法により測定している。それ
ぞれの ZSM-5粉末を、所定濃度のテトラアンミン白金水
酸塩水溶液に浸漬し、濾過後 110℃で 120分間乾燥して
Ptを担持した。Ptの担持量はそれぞれ1.6重量%で
ある。
【0024】またSiO2/Al2O3比を 40,200,800,1000及び
2000の5水準、歪な粒子を0及び20体積%の2水準で含
む ZSM-5粉末をそれぞれ用意した。そして所定濃度のヘ
キサアンミンロジウム水酸塩水溶液に浸漬し、濾過後 1
10℃で 120分間乾燥し 400℃で2時間焼成してRhを担
持した。Rhの担持量はそれぞれ0.83重量%である。得
られた触媒粉末をそれぞれ定法により 0.5〜1.4 mmの
径のペレットに成形し、ペレット触媒とした。
【0025】得られたそれぞれのペレット触媒につい
て、酸素ガス10体積%と水蒸気10体積%を含む窒素気流
中にて 800℃で5時間加熱する耐久試験を行った。そし
て耐久試験後のそれぞれのペレット触媒をモデルガス流
通路に配置し、表1に示すストイキガスをペレット触媒
1.4gに対して10リットル/分の流量で流して、各温
度におけるHCの浄化率を測定した。そして得られたデ
ータからそれぞれのペレット触媒におけるHCの50%浄
化温度を算出し、結果を図1に示す。
【0026】
【表1】 なお、図1の記号に対応する触媒の一覧表を表2に示
す。
【0027】
【表2】 図1より、記号○及び◎で示された、4nm以下のメソ
細孔の量が0.094cm3/g及び0.126cm3/g、歪な粒子量が6
及び20体積%の ZSM-5粉末を用いたペレット触媒は、Si
O2/Al2O3比が1000以上の場合にきわめて優れた浄化性能
を示していることがわかる。
【0028】(実施例1)そこで担体としてSiO2/Al2O3
比が2000、歪な粒子量が20体積%で細孔径4nm以下の
メソ細孔を0.126cm3/g含む ZSM-5粉末を用い、試験例と
同様にしてPtをイオン交換担持した。このPt担持 Z
SM-5粉末を定法によりペースト化し、コージェライト製
のハニカム担体基材(容積 1.3L)にコートして実施例
1のモノリス触媒を調製した。コート量は 120g/Lで
あり、Ptの担持量は2g/Lである。
【0029】(比較例1)ZSM-5粉末の代わりにγ−ア
ルミナ粉末を用いたこと以外は同様にして、比較例1の
モノリス触媒を調製した。実施例1と比較例1のモノリ
ス触媒をエンジンベンチに配置し、実エンジン排ガスで
各入りガス温度におけるHC、CO及びNOx の初期の
浄化率を測定した。そしてそれぞれの50%浄化温度を算
出し、結果を図2に示す。
【0030】また実施例1と比較例1のモノリス触媒を
大気中にて 800℃で10時間加熱する耐久試験を行っ
た。そして耐久後の実施例1と比較例1のモノリス触媒
について、初期の場合と同様にしてHC、CO及びNO
x の耐久後の浄化率を測定し、50%浄化温度を算出した
結果を図2に示す。さらに、実施例1と比較例1のモノ
リス触媒について、耐久試験後のPtの粒度分布を透過
型電子顕微鏡(TEM)によって測定した。結果を図3
及び図4に示す。
【0031】図2より、実施例1の触媒は50%浄化温度
がきわめて低く、高い浄化性能を有していることがわか
る。そして実施例1の触媒は、耐久試験による浄化性能
の劣化がほとんど生じていないことがわかる。そして図
3及び図4より、実施例1の触媒では耐久試験後にもP
tの粒径がきわめて微細であり、シンタリングが抑制さ
れていることが明らかである。
【0032】<電子顕微鏡による観察>SiO2/Al2O3比が
2000、歪な粒子量が20体積%で4nm以下のメソ細孔量
が0.126cm3/gの ZSM-5を用いてPtを担持したペレット
触媒(実施例1相当)について、酸素ガス10体積%と水
蒸気10体積%を含む窒素気流中にて 800℃で10時間加熱
する耐久試験を行い、その表面のSEM写真(2千倍)
を図5に示す。
【0033】図5より、形状が整った直方体形状の結晶
の粒子と、歪な形状の粒子とが混在しているのが観察さ
れる。次に、図5における形状が整った結晶の粒子と、
歪な粒子のそれぞれの表面の反射電子像(5万倍)を図
6及び図7に示す。図6に示す形状が整った結晶の粒子
の表面には、 100nm前後に粗大化したPt粒子が観察
されるのに対し、図7の歪な粒子の表面にはPt粒子が
少なく粗大化したPt粒子はほとんど観察されない。
【0034】そこでペレット触媒を研磨して観察し、そ
の断面のSEM写真(1万倍)を図8に示す。図8よ
り、Pt(略円形の白い点状の部分)は歪な粒子の表面
と内部に選択的に担持されているのが観察される。また
歪な粒子の内部にメソ細孔が観察され、粒子内部のPt
粒子はメソ細孔に沿って(メソ細孔内部に)存在してい
ることがわかる。そして歪な粒子表面のPt粒子の粒径
は 100nm前後に粒成長しているが、粒子内部のPt粒
子はきわめて微細で高分散担持されていることが観察さ
れる。
【0035】<評価>すなわち実施例1相当の触媒にお
いては、Ptは歪な粒子の外表面とメソ細孔に選択的に
担持される。そして耐久試験により、外表面に担持され
たPt粒子はシンタリングして粗大化するが、メソ細孔
に担持されたPt粒子はシンタリングの程度が少なく、
耐久試験後にも微細な粒径を維持している。
【0036】これにより実施例1相当の触媒では、耐久
試験後にも浄化性能の低下度合いがきわめて小さく、耐
久性に優れている。
【0037】
【発明の効果】すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によ
れば、SiO2/Al2O3比が1000以上の結晶性シリカ多孔体を
担体として、触媒貴金属の高分散担持と触媒貴金属のシ
ンタリングの抑制という背反事象を両方とも満足させる
ことができ、耐久性にきわめて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】SiO2/Al2O3比とHC50%浄化温度との関係を示
すグラフである。
【図2】実施例1及び比較例1の触媒のHC、CO及び
NOx の50%浄化温度を示すグラフである。
【図3】実施例1の触媒の耐久試験後のPtの粒度分布
を示すグラフである。
【図4】比較例1の触媒の耐久試験後のPtの粒度分布
を示すグラフである。
【図5】実施例の触媒の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
である。
【図6】実施例の触媒の形状の整った結晶粒子表面に分
布するPt粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図7】実施例の触媒の歪な粒子表面に分布するPt粒
子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例の触媒の断面のPt粒子の分布状態を表
す粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性シリカ多孔体よりなる担体に触媒
    金属が担持された排ガス浄化用触媒であって、 前記担体は酸化アルミニウムに対する二酸化珪素のモル
    比(SiO2/Al2O3)が1000以上であるとともに、メソ細孔
    をもつ粒子を5体積%以上含んで該メソ細孔の細孔径の
    ピーク値が 4.0nm以下にある細孔分布を有し、少なく
    とも該メソ細孔に触媒貴金属がイオン交換担持されてい
    ることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 結晶性シリカ多孔体よりなる担体に触媒
    金属が担持された排ガス浄化用触媒であって、 前記担体は酸化アルミニウムに対する二酸化珪素のモル
    比(SiO2/Al2O3)が1000以上であるとともに細孔径が4
    nm以下のメソ細孔を0.070cm3/gを超える量で含み、少
    なくとも該メソ細孔に触媒貴金属がイオン交換担持され
    ていることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 結晶性シリカ多孔体よりなる担体に触媒
    金属が担持された排ガス浄化用触媒であって、 前記担体は酸化アルミニウムに対する二酸化珪素のモル
    比(SiO2/Al2O3)が1000以上であるとともに歪な形状の
    粒子を5体積%以上含み、該担体に触媒貴金属がイオン
    交換担持されていることを特徴とする排ガス浄化用触
    媒。
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